JP2011069265A - タービン入口構造、およびそれを用いた複流型蒸気タービン - Google Patents

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Abstract

【課題】軸流タービン入口構造内部の流動抵抗を低減しつつ、タービン初段落に流入する流れの周方向分布の不均一化を是正して、タービンプラント効率を向上させることができる軸流タービンを提供する。
【解決手段】複流型蒸気タービンのタービン入口構造であって、タービン入口構造内に、下方に向かって扁平状に形成された蒸気流路38と、蒸気流路中心部のタービン軸方向両側壁にそれぞれ形成され、タービン段落に連通し蒸気供給配管から供給されると共にタービン周方向に二分された蒸気が流通するタービン段落入口24を構成する、段落入口カバー23と、前記タービン段落入口下半の外周に、周方向に向かって複数設けられた、タービン軸心に向かって凸するように扁平した円形断面を有する第1の補強リブ44と、を備えるタービン入口構造。
【選択図】 図7

Description

本発明は、蒸気タービンに係り、特に、複流型タービン入口構造に関する。
蒸気タービンでは、蒸気供給配管から絞りダクトを介して供給された蒸気を内部で周方向に二分して、タービン軸方向両側に設置されたタービン段落に導く複流型のタービン入口構造を用いる際、タービン入口構造内部に補強リブを設けて補強を図っている(特許文献1等参照)。
また、蒸気タービンの低圧タービンに複流型タービン入口構造を用いる際、タービン入口部内部の蒸気の流れを均一化するために複数の分流板を設置して分流させることにより、低圧タービン初段静翼に流入する蒸気流の周方向分布の均一化を図る技術が提案されている(特許文献2等参照)。
特開昭54−44113号公報 特開平9−158703号公報
特許文献1に記載されているように、タービン入口構造内の蒸気流路は、一種の圧力容器となっているため、通常、内圧により外側に膨張しようとする力に抗するための補強部材として流路中にリブを配置している。
しかしながら、従来の複流型タービン入口構造では、構造内部に設けられたリブの配置位置や断面形状は、複流型タービン入口構造内の実際の蒸気流の特徴を考慮していない。
そのため、リブ自体が流体抵抗となり、圧力損失を著しく増加させる原因となっていた。
特に、タービン入口構造内の局所的な損失の増加は、タービン初段落に流入する流れの周方向分布の不均一をも生み、結果的にプラント効率低下の一因と成り得る。一方で、リブを減らすと、その分タービン入口構造本体の肉厚を厚く頑強に製造する必要があるためコスト増加に繋がってしまう。
タービン初段落に流入する流れの周方向分布の不均一を是正する手段として、ガイド板を設置する技術が知られている(例えば特許文献2)。しかしながら、タービン入口内部の流れは、タービン段落内より低流速ながらも数十m/s程度の速度を有するため、流入角度とガイド板のなす角度の差が大きい(例えば15〜20)と、ガイド板の先端部で容易にはく離する。従って、単にガイド板を設置するだけでは、所望の効果を得ることは容易ではない。また、主流中に複数のガイド板を設置することは、不必要な摩擦抵抗を増加させ、さらに材料費や製作費の増加にも繋がる。
従って、本発明の目的は、蒸気タービン入口構造内部の流動抵抗を低減し、タービン初段落に流入する流れの周方向分布の不均一化を是正し、タービンプラント効率を向上させることができる蒸気タービンを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、複流型蒸気タービンのタービン入口構造内に下方に向かって扁平状に形成された蒸気流路の中心部のタービン軸方向両側壁にそれぞれ形成され、タービン段落に連通し蒸気供給配管から供給されると共にタービン周方向に二分された蒸気が流通するタービン段落入口の下半の外周に、タービン軸心に向かって凸するように扁平した円形断面を有する第1の補強リブを、周方向に向かって複数設けた。より具体的には、本発明の目的は、特許請求の範囲の各請求項に記載した構成により達成される。
本発明によれば、蒸気タービン入口構造内部の流動抵抗を低減し、タービン初段落に流入する流れの周方向分布の不均一化を是正し、タービンプラント効率を向上させることができる。
蒸気タービンの基本構造を模式的に表す系統図である。 蒸気タービンのタービン入口部の基本構造を概略的に表した側面断面図である。 蒸気タービンのタービン入口部の基本構造を概略的に表した正面断面図である。 図2中の点線円で囲んだタービン段落入口近傍部分の拡大図である。 タービン入口部内における作動流体の速度領域の一具体例を模式的に表した図である。 タービン入口部内における作動流体の挙動を説明する説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る蒸気タービンのタービン入口部の基本構造を表す正面断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る蒸気タービンのタービン入口部中心部の拡大図である。 本発明の第1の実施の形態に係る蒸気タービンに用いられるリブの断面構造を示した図である。 本発明の第2の実施の形態に係る蒸気タービンのタービン入口部の基本構造を表す正面断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る蒸気タービンのタービン入口部上半部の拡大図である。 本発明の第3の実施の形態に係る蒸気タービンのタービン入口部中心部の拡大図である。
以下、本発明を実施するための形態について、適宜図を参照して詳細に説明する。なお、各図面を通し、同等の構成要素には同一の符号を付してある。
本発明の第1の実施の形態として、本発明を蒸気タービンに適用した例について、以下図面を用いて詳細に説明する。
図1は、蒸気タービンの基本構造を模式的に表した系統図である。図2は、蒸気タービンのタービン入口部の基本構造を概略的に表した側面断面図である。図3は、蒸気タービンのタービン入口部の基本構造を概略的に表した正面断面図である。図4は、図2中の点線円で囲んだタービン段落入口近傍部分の拡大図である。
図1に図示するように、蒸気タービンでは、ボイラー等の蒸気発生器(図示せず)で加圧・加熱された蒸気を主蒸気配管1を通して高圧タービン2に送る。高圧タービン2にて仕事をした蒸気は、再熱器3で再び加熱された後、中圧タービン4へと送られる。本実施の形態では、中圧タービン4は、複流型構造をしており、中圧タービン車室中央のタービン入口部5から流入した蒸気は、タービン軸方向前後(図中では左右)に分かれ、それぞれ別々のタービン段落6aおよび6bでタービンを回転させ、仕事を行う。中圧タービン4から排出された蒸気は、クロスオーバ管(連絡管)7を通り、低圧タービン8aおよび8bに送られる。本実施の形態では、低圧タービン8a,8bも複流型であり、中圧タービン4と同様に、低圧タービン車室中央のタービン入口部9から流入した蒸気は、タービン軸方向前後(図中では左右)に分かれ、それぞれ別のタービン段落10aおよび10bで仕事を行う。高圧タービン2,中圧タービン4,低圧タービン8a、および低圧タービン8bは、回転可能なタービンロータ11で機械的に連結されており、タービンロータ11に連結された発電機12によって、回転仕事を電力に変換する。低圧タービン8aおよび8bから排出された蒸気は、さらに下流に設置された復水器(図示せず)に導入され、そこで凝縮されて復水となり、再び蒸気発生器に還流する。
本発明は、蒸気タービンにおいては、中圧タービン入口部と低圧タービン入口部を対象とするが、本実施の形態では、低圧タービン入口部に本発明を適用した例について説明する。なお、現行蒸気タービンの基本構造として図1に複流型の中圧タービンの例を用いたが、本発明は低圧タービン入り口部に単独で適用可能であるため、高中圧一体型など、他の型式の蒸気タービンにも当然適用可能である。
まず、図2乃至4を用いて、一般的な複流型低圧タービンのタービン入口構造の基本構造について説明する。
図2に図示するように、低圧タービンのタービン入口部9は、内車室13のタービン軸方向中央付近に設けられ、クロスオーバ管7の末端とフランジ部14を介して接続し、フランジ部14直下の円筒形の喉付根部15から、下方に向かって段階的に平たく扁平した形状に変化する構造となっている。従って、タービン入口部9の内部には、第1および第2の絞り流路を含む、タービン入口部絞りダクト17,タービン入口部上半部18、およびタービン入口部下半部19によって形成される扁平流路38が形成されている。
タービン入口部9は、クロスオーバ管7から供給された蒸気流を絞る第1の絞り流路16を構成するタービン入口部絞りダクト17と、タービン入口部絞りダクト17の下方に接続するタービン入口部上半部18と、タービン入口部上半部18に接続するタービン入口部下半部19とを備える。
また、タービン入口部9の内部には、第1および第2の絞り流路を含む、タービン入口部絞りダクト17,タービン入口部上半部18、およびタービン入口部下半部19によって形成される扁平流路38が形成されている。
図3に図示するように、タービン入口部上半部18とタービン入口部下半部19は、フランジ部20を介して接続されている。タービン入口部上半部18とタービン入口部下半部19との間の、タービン入口部中心部21には、図2に図示するように蒸気流を絞る第2の絞り流路22を構成する段落入口カバー23が設けられている。段落入口カバー23の内周側は空洞に形成されており、タービン段落10a,10bに連通する段落入口24を構成している。
図3に図示するように、タービン軸方向から見たタービン入口部9の断面は、喉付根部15から下方へ向かって徐々に幅が膨らみ、段落入口24より下方から再び徐々に縮小する梨型構造を有する。また、本実施の形態で対象とする低圧タービンのタービン入口部9は、クロスオーバ管7の中心を通る鉛直断面とタービン軸の中心を通る鉛直断面は一致する。そのため、タービン入口部9は、タービン軸方向からみて左右対称の構造をしている。
タービン入口部9は、高圧の蒸気が流入するため、一種の圧力容器となっており、内圧により外側に膨張しようとする力が働く。これに抗するため、段落入口カバー23には、タービン入口部9の構造強度を補強する補強部材として断面が円形状のリブ25が段落入口24に沿って周方向に一定間隔をおいて複数配置されている。また、タービン入口部絞りダクト17で構成される第1の絞り流路16の蒸気流れ方向下流側(以下、単に下流側と記載する)であって、破線26で示した内車室13の外周壁の設置位置付近にも断面が円形状のリブ27を複数備える。
図4に、図2中の点線円Aで囲んだ段落入口近傍部分を拡大し、構造を詳細に示す。
段落入口24を構成する段落入口カバー23は、タービン周方向に半環状に構成されたダイヤフラム固定部材28aおよび28bと、ダイヤフラム固定部材28aおよび28bの外周側にそれぞれ設けられ、第2の絞り流路22を形成する、タービン周方向に半環状に構成された絞り部用部材29aおよび29bとで構成される。ダイヤフラム固定部材28aおよび28bは、それぞれタービン入口部上半部18を構成する入口部壁面30aおよび30bに固定される。
ダイヤフラム固定部材28a,28bの内周側には、それぞれダイヤフラム外輪31aおよび31bが取り付けられている。ダイヤフラム外輪31a,31bの内周側にはそれぞれタービン周方向に複数の静翼32が取り付けられており、静翼32の内周側は、ダイヤフラム内輪33で固定されている。また静翼32の下流側にはそれぞれ対応する動翼34がタービン周方向に複数設けられており、動翼34は、タービン入口部中心にタービン軸方向に沿って回転可能に設けられたタービンロータ11のディスク35に固定されている。
また、第2の絞り流路22の下流側には、ダイヤフラム固定部材28aおよび28bに接続するリブ25(破線にて図示)がタービン周方向に、段落入口24に沿って複数設置され、タービン入口部が内圧により外側に膨らむことを抑制している。
次に、図5および図6を用いて、タービン入口部9内における蒸気の流れの様子について概略的に説明する。図5は、タービン入口部内における蒸気の挙動を模式的に表した図である。図6は、タービン入口部内における蒸気の速度領域を模式的に表した図である。
なお、図5及び6に示した蒸気流の挙動は、CFD解析結果から得られた新たな知見に基づくものである。
前述したように、低圧タービンのタービン入口部9は、タービン軸方向から見て、左右対称の構造をしている。そのため、図5に示すように、クロスオーバ管7から流入した蒸気は、タービン入口部9に流入した直後にタービン周方向(図中では左右)に二分される。左右に分流した流れは、一部は半径流36として直接タービン入口中心部21の方向へ流れ、残りの流れは周方向速度成分が与えられた周方向流37として、タービン入口部9の扁平流路38の膨らみ部に回り込み、タービン下方へ流れる。タービン入口部下半部19へ向かった一部の周方向流は、段落入口24に近い側から順にタービン軸心へ向きを変え、第2の絞り流路22で更に流れを絞られた後、タービン軸方向の軸流流れとなって段落入口24を通過し、タービン段落に流出する。
図6に、タービン入口部内における蒸気の速度領域を模式的に示す。タービン入口部9内を流れる蒸気流は、主に相対的に流速の速い領域と、流速の低い領域とに分類できる。
相対的に流速の速い領域を高流速領域39、流速の低い領域を低流速領域40aおよび40bとする。
高流速領域39とは、タービン入口部絞りダクト17を含むタービン入口部9上半において、喉付根部15からほぼ垂直下方に延伸し、第2の絞り流路22上半までを覆う領域(図6の網掛け部)をいう。より狭義には、高流速領域39とは、喉付根部15両縁(41a,41b)と上半側のダイヤフラム固定部材28の周方向両端の外周側縁(42a,42b)とを夫々結ぶ境界線43aおよび43bと、段落入口24上半と、及び喉付根部15で囲まれた領域である。高流速領域39は、図5に示すように、クロスオーバ管7からタービン入口部9に流入した蒸気が、慣性力によって壁面からはく離し、真直ぐ下方の段落入口に向かって流れることで形成される。
低流速流域40とは、扁平流路38のうち高流速領域39以外のその他の部分を言う。
低流速領域40は、さらに、低流速領域上半部40aと低流速領域下半部40bとに分類することができる。低流速領域上半部40aとは、タービン入口部9上半の、高流速流域39を除く部分であり、低流速領域下半部40bとは、タービン入口部下半部19の扁平流路全領域をいう。
基本的には、クロスオーバ管7からタービン入口部9に流入した蒸気の大部分が、そのまま慣性力で真直ぐ下方の段落入口24に向かって流れようとする。従って、蒸気流の一部は、第2の絞り流路22の周囲を回りこんで段落入口24に流入することになり、低流速領域40が高流速領域39の周囲に形成される。ここで、低流速領域下半部40bの流れ48は、高流速領域39の約2倍の断面積がある低流速領域40aを通過するため、平均流速は約半分になり、第2の絞り流路22で絞られた後の軸流速に比べて周方向速度成分が小さいため、タービン入口部中心から放射状に引かれた仮想線に沿って、タービン入口部中心に向かって略真直ぐに流入する。
以上を踏まえ、本発明の実施の形態に係るタービン入口構造を以下に説明する。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る複流型蒸気タービンのタービン入口部の基本構造を概略的に表す正面断面図である。図8は、本発明の第1の実施の形態に係る複流型蒸気タービンのタービン入口部のタービン入口中心部を拡大した図である。図9は本発明の第1の実施の形態に係る複流型蒸気タービンに用いられるリブの断面構造を示した図である。これらの図において先の各図と同様の部分に相当する箇所には同符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、本実施の形態では、段落入口カバー上半部23aには、タービン入口部9の構造強度を補強する補強部材として円形状の断面を有するリブ25が周方向に段落入口に沿って複数設けられている。一方、本実施の形態では、段落入口カバー下半部23bに、流線型状の断面を有するリブ44がタービン周方向に段落入口に沿って複数設けられていることを特徴とする。
図8に示すように、リブ44は、断面が楕円型状を有しており、断面の長手方向の中心軸45が、タービン入口部中心(タービン軸心46)から放射状に仮想的に引いた仮想線47に沿うように配置されている。なお、図9に図示するように、リブ44の断面は、楕円型状44a,長手方向の縁が弓形状を有する矩型44b,船型44c、および対象翼型状44d等の左右対称に扁平した円形断面であればよく、リブ44は、タービン半径方向に凸するように配置されれば良い。
次に本実施の形態の作用効果について説明する。図5に示したように、低流速領域下半部40bでは、蒸気は、タービン入口部中心から放射状に引かれた仮想線に沿って、タービン入口部中心に向かって略真直ぐに流入する流れ48を形成する。よって、扁平した円形状断面を有するリブ44を、タービン半径方向に向かって凸するように配置することで、タービン入口部中心に向かって略真直ぐに流入する流れに対してリブによる抵抗を低下させることができる。
よって、本実施の形態の構造によれば、タービン入口部下半部内のタービン入口部中心に向かって真直ぐに流入してくる流れ48に対しても、リブによる流動抵抗を抑制し、従来のタービン入口構造よりも損失を低下させることができ、タービンプラントの効率を向上することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図10は、本発明の第2の実施の形態に係る蒸気タービンのタービン入口部の基本構造を概略的に表す正面断面図である。
これらの図において先の各図と同様の部分に相当する箇所には同符号を付して説明を省略する。
本実施の形態では、第1の実施の形態の特徴に加えて、断面が流線型状のリブ49を、タービン入口部上半部18の高流速領域39の外側に設置した。
リブ49の断面形状は、第1の実施の形態と同様、図9に示した楕円型状,長手方向の縁が弓形状を有する矩型,船型、および対象翼型状等の左右対称の扁平した円形状であれば良い。
ここで、図11を用いて上半部低流速領域40aについて詳細に説明する。図11は、タービン入口部上半部18の拡大図である。上半部低流速領域40aは、喉付根部縁41から仮想的に引いた垂直線50に対して上半部低流速領域40aと高流速領域39との境界である境界線43がなす角度αから、垂直線50に対し、タービン入口部絞りダクトの側壁内面51がなす角度βまでの範囲の間に形成される。ここで角度βから角度αを引いた差を低速領域始端角度γ(=β−α)とする。上半部低流速領域40aに設置されるリブ49は、垂直線50に対して断面の長手方向の中心線52がなす角度(以下、リブ設置角度φと記載する)が、角度αから角度βの範囲内になるように設置される。より望ましくは、リブ49のリブ設置角度φはβと略等しいか、またはφ=α+0.5×γとなる様に設置するのが良い。
次に、図10に示すように、本実施の形態では、段落入口カバー上半部23aに設けられた円形状のリブ25は、段落入口カバー下半部23bのリブ44よりも、周方向の間隔を広く設けている。これにより、高流速領域39内におけるリブによる流動抵抗をさらに低下させることができる。なお、段落部入口カバー上半部23aのリブ25および下半部のリブ44を上方から下方に向かって、周方向の配置間隔を徐々に狭めて配置しても良い。
但し、本実施の形態においては、リブの数が減った分、強度を補う程度の断面積を有したリブを配置する必要がある。
本実施の形態の構造によれば、第1の実施の形態の効果に加え、タービン入口上半部においても高流速領域を避けて流線型状のリブを配置することで、高流速領域におけるリブによる流動抵抗を抑制して、従来のタービン入口構造よりも損失を低下させることができる。これによりタービンプラントの効率を向上させることができる。また材料費や製作費等のコストの上昇を抑制して必要な構造強度を維持することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図12は、本発明の第3の実施の形態に係る蒸気タービンのタービン入口部中心部の基本構造を概略的に表す正面断面図である。これらの図において先の各図と同様の部分に相当する箇所には同符号を付して説明を省略する。
本実施の形態は、第1または第2の実施形態と基本構造は同一であり、異なる構造箇所についてのみ以下説明する。
本実施の形態では、タービン入口部中心46を通る仮想の鉛直線53に対し、タービン周方向両側に20°傾斜する仮想の斜線54を設定する。段落入口部カバー上半部23aの斜線54上、または斜線54より鉛直線53側にリブを設置する場合は、鉛直方向に沿って凸するように左右対称に扁平した円形断面を有するリブ55を設置する。なお、リブ55の断面形状は、図9に図示するように、楕円型状44a,長手方向の縁が弓形状を有する矩型44b,船型44c、および対象翼型状44d等の左右対称に扁平した円形断面であればよい。
タービン入口部の構造強度の点から、段落入口部カバー上半部において、より中心線(鉛直線53)にリブを寄せて配置する必要がある場合がある。一方、高流速領域39内では、中心線(鉛直線53)に近づくほど、流速が上がり、リブによる流動抵抗が大きくなる傾向にある。
しかしながら、本実施の形態の構造によれば、第1または第2の実施の形態の効果に加えて、タービン入口部の構造強度の点から、段落入口部カバー上半部において、より中心にリブを配置する必要がある場合でも、高流速領域におけるリブによる流動抵抗を抑制して、従来のタービン入口構造よりも損失を低下させることができる。
以上、本発明は、CFD解析結果から得られた知見に基づいて考案したものであり、その効果を従来技術と比較して、より確実に期待できる。
従って、本発明のタービン入口構造によれば、タービン入口部内の圧力損失を低減し、タービンプラント効率を向上させることができる。
5,9 タービン入口部
7 クロスオーバ管
8a,8b 低圧タービン
10a,10b タービン段落
11 タービンロータ
15 喉付根部
16 第1の絞り流路
17 タービン入口部絞りダクト
18 タービン入口部上半部
19 タービン入口部下半部
21 タービン入口部中心部
22 第2の絞り流路
23 段落入口カバー
24 段落入口
25,27,44,49,55 リブ
30a,30b 入口部壁面
36 半径流
37 周方向流
38 扁平流路
39 高流速領域
40a,40b 低流速領域
41a,41b 喉付根部縁
43a,43b,43c 高流速領域境界線
46 タービン軸心
47 仮想線
48 下半部流れ
50 垂直線
51 タービン入口部絞りダクトの側壁内面
53 鉛直線
54 斜線

Claims (11)

  1. 複流型蒸気タービンのタービン入口構造であって、
    前記タービン入口構造内に、下方に向かって扁平状に形成された蒸気流路と、
    前記蒸気流路中心部のタービン軸方向両側壁にそれぞれ形成され、タービン段落に連通し蒸気供給配管から供給されると共にタービン周方向に二分された蒸気が流通するタービン段落入口を構成する、段落入口カバーと、
    前記タービン段落入口下半の外周側に、周方向に沿って複数設けられ、タービン半径方向に沿って凸するように扁平した円形断面を有する第1の補強リブとを備えることを特徴とするタービン入口構造。
  2. 請求項1記載のタービン入口構造であって、
    前記タービン入口構造の上半部に設けられ、絞り流路を形成する絞りダクトと、
    前記タービン入口構造上半部の低流速領域に設けられ、扁平した円形断面を有し、該断面の長手方向の中心軸が垂直線に対してなす角度が、前記垂直線に対して前記タービン入口構造上半部の低流速領域と高流速領域との境界である境界線がなす角度以上、前記垂直線に対して前記絞りダクトの側壁内面がなす角度以下である第2の補強リブとを備えることを特徴とするタービン入口構造。
  3. 請求項1記載のタービン入口構造であって、
    前記タービン入口構造の上半部に設けられ、絞り流路を形成する絞りダクトと、
    前記タービン入口構造上半部の低流速領域に設けられ、前記絞りダクトの側壁内面に略平行な方向に凸するように扁平した円形断面を有する第2の補強リブとを備えることを特徴とするタービン入口構造。
  4. 請求項1記載のタービン入口構造であって、
    前記タービン入口構造の上半部に設けられ、絞り流路を形成する絞りダクトと、
    前記タービン入口構造上半部の低流速領域に設けられ、前記タービン入口構造上半部の低流速領域と高流速領域との境界である境界線に略平行な方向に凸するように扁平した円形断面を有する第2の補強リブとを備えることを特徴とするタービン入口構造。
  5. 請求項2記載のタービン入口構造であって、
    前記タービン段落入口上半の外周に、周方向に沿って複数設けられた、円形状の断面を有する第3の補強リブを備え、
    前記第1の補強リブは、周方向の配置間隔が、前記第3の補強リブの周方向の配置間隔より狭く配置されていることを特徴とするタービン入口構造。
  6. 請求項5記載のタービン入口構造であって、
    前記第1の補強リブ、及び前記第3の補強リブの断面形状は、楕円形,長手方向の縁が弓形状に形成された矩形、または対称翼形であることを特徴とするタービン入口構造。
  7. 請求項1記載のタービン入口構造であって、
    タービン段落入口上半の外周側、かつタービン入口部中心を通る仮想鉛直線に対してタービン周方向両側に20°傾斜する仮想斜線より前記縁直線側に配置され、鉛直方向に沿って凸する扁平した円形断面を有する補強リブを備えることを特徴とするタービン入口構造。
  8. 請求項2記載のタービン入口構造であって、
    タービン段落入口上半の外周側、かつタービン入口部中心を通る仮想鉛直線に対してタービン周方向両側に20°傾斜する仮想斜線より前記縁直線側に配置され、鉛直方向に沿って凸する扁平した円形断面を有する補強リブを備えることを特徴とするタービン入口構造。
  9. 蒸気供給配管と、該蒸気供給配管と連通するタービン入口部と、該タービン入口部のタービン軸方向両側に設けられ、前記タービン入口部と連通するタービン段落部とを備える複流型蒸気タービンであって、
    タービン入口構造内に、下方に向かって扁平状に形成された蒸気流路と、
    前記蒸気流路中心部のタービン軸方向両側壁にそれぞれ形成され、タービン段落に連通し蒸気供給配管から供給されると共にタービン周方向に二分された蒸気が流通するタービン段落入口を構成する、段落入口カバーと、
    前記タービン段落入口下半の外周側に、周方向に沿って複数設けられ、タービン半径方向に沿って凸するように扁平した円形断面を有する第1の補強リブとを備えることを特徴とする複流型蒸気タービン。
  10. 請求項9記載の複流型蒸気タービンであって、
    前記タービン入口構造の上半部に設けられ、絞り流路を形成する絞りダクトと、
    前記タービン入口構造上半部の低流速領域に設けられ、扁平した円形断面を有し、該断面の長手方向の中心軸が垂直線に対してなす角度が、前記垂直線に対して前記タービン入口構造上半部の低流速領域と高流速領域との境界である境界線がなす角度以上、前記垂直線に対して前記絞りダクトの側壁内面がなす角度以下である第2の補強リブとを備えることを特徴とする複流型蒸気タービン。
  11. 請求項9記載の複流型蒸気タービンであって、
    前記タービン入口構造の上半部に設けられ、絞り流路を形成する絞りダクトと、
    前記タービン入口構造上半部の低流速領域に設けられ、前記絞りダクトの側壁内面に略平行な方向に凸するように扁平した円形断面を有する第2の補強リブとを備えることを特徴とする複流型蒸気タービン。
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