JP2011068931A - サンプリング冶具 - Google Patents
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Abstract
【課題】銅製錬の自熔炉バーナーコーン内を落下する精鉱粒子を適宜捕集、サンプリングし、バーナーコーン半径方向の流量分布、その粒度分布を定量的に評価するためのサンプリング冶具を提供する。
【解決手段】管壁に流入孔と前記流入孔と通じた流出孔を設け、かつ前記流入孔から入る被捕集粒子を保持する空間を形成するセル部が設けられる管状体を先端に備える内部構造体と、前記内部構造体が径方向に回転自在あるいは軸方向に移動自在なように内部に収められる管状の外部構造体とからなり、前記外部構造体は、前記内部構造体が回転自在あるいは移動自在に配置されたときに、前記内部構造体の流入孔および流出孔と合致する位置に流入孔および流出孔を備え、前記内部構造体または外部構造体を、径方向に回転あるいは軸方向に移動させる前記内部構造体の流入孔の閉鎖手段を備え、前記セル部に被捕集粒子を保持することを特徴とするサンプリング冶具。
【選択図】図1
【解決手段】管壁に流入孔と前記流入孔と通じた流出孔を設け、かつ前記流入孔から入る被捕集粒子を保持する空間を形成するセル部が設けられる管状体を先端に備える内部構造体と、前記内部構造体が径方向に回転自在あるいは軸方向に移動自在なように内部に収められる管状の外部構造体とからなり、前記外部構造体は、前記内部構造体が回転自在あるいは移動自在に配置されたときに、前記内部構造体の流入孔および流出孔と合致する位置に流入孔および流出孔を備え、前記内部構造体または外部構造体を、径方向に回転あるいは軸方向に移動させる前記内部構造体の流入孔の閉鎖手段を備え、前記セル部に被捕集粒子を保持することを特徴とするサンプリング冶具。
【選択図】図1
Description
本発明は、銅製錬に使用する自熔炉の反応塔の塔頂部に設けられた精鉱バーナー内を落下する精鉱をサンプリングするための冶具に関するものである。
乾式の銅製錬プロセスでは、まず自熔炉にて銅精鉱(以下精鉱と称す)を酸化して、硫黄と鉄の一部を除去した後、銅を含有したマットが生成させる。このとき、自熔炉では、図9に示すように原料の精鉱とフラックス20、及び酸素富化した反応用空気21を、自熔炉10の反応塔の塔頂部に設けられた精鉱バーナー内を介して反応シャフトに供給し、原料が反応シャフト内を落下する間に酸化熔錬が行われる。
この精鉱バーナー内には、バーナーコーン15と呼ばれる精鉱と反応用空気を混合する領域がある。このバーナーコーン15内を落下する精鉱粒子のバーナーコーン半径方向の流量分布、粒度分布を把握することは、操業条件の改善あるいは精鉱バーナー構造の改善を試みる上で極めて重要である。
そのためには、精鉱バーナー下部に位置する反応シャフトにおいて、反応用空気に乗って降下する反応粒子を捕集し、その精鉱粒子の状態を把握することが求められる。
その捕集するためのサンプリング冶具として非特許文献1にも記載されている図10(a)に示すような捕集部103が柄杓形状のものが、一般には用いられている。
また、図10(b)に示すような上下方向に開閉が可能な上蓋104を捕集部103に取り付けたサンプリング冶具を用いる方法も特許文献1に開示されている。
N.Kemori,Y.Kondo、Journal of MMIJ(資源素材学会誌)、Vol.106(1990)、p.873.
Y.Sasaki,Y.Mori,Y.Hattori、Journal of MMIJ(資源素材学会誌)、Vol.125(2009)、p.29.
しかしながら、図10(a)に示す従来からのサンプリング冶具101aを用い、精鉱密度が高いバーナーコーン内の半径方向の精鉱流量分布を測定する場合、冶具先端の捕集部103の開口は常に開いている状態であるために所定位置でのサンプリングを終え、サンプリング冶具を引き抜く際に所定のサンプリング位置以外を落下する精鉱粒子が捕集部103に混入するため、所定位置における精鉱量を正確に測定することは難しい。
また、特許文献1に開示される図10(b)のサンプリング冶具101bを用いた場合、非特許文献2に記載されているように、精鉱粒子はバーナーコーン内を数m/sから100m/s以上で流れる反応用空気に乗って落下して、一度捕集部103に入った精鉱粒子は、後続の反応用空気と精鉱粒子により捕集部103外に押し出されてしまうため、その冶具によりサンプリングできる精鉱量は少量となる。したがって、精鉱粒子のバーナーコーン半径方向の流量分布を精度良く評価することは困難である。また、高速の反応用空気と精鉱粒子の流れの中において、上蓋104を上下方向に開閉することは流体抵抗が大きくなるために容易ではない。
そこで、本発明は、銅製錬における自熔炉バーナーコーン内を落下する精鉱粒子を適宜捕集することによりサンプリングし、バーナーコーン半径方向の流量分布、およびその粒度分布を定量的に評価するためのサンプリング冶具の提供を目的とする。
上記課題を解決する本発明のサンプリング冶具に係る第1の発明は、管壁に少なくとも流入孔を設け、かつ前記流入孔から入る被捕集粒子を保持する空間を形成するセル部が設けられる管状体を先端に備える内部構造体と、前記内部構造体が径方向に回転自在あるいは軸方向に移動自在なように内部に収められる管状の外部構造体とからなり、前記外部構造体は、前記内部構造体を回転自在あるいは移動自在に配置した時に、前記内部構造体の流入孔と合致する位置に流入孔を備え、前記内部構造体または外部構造体を、径方向に回転あるいは軸方向に移動させる前記内部構造体の流入孔の閉鎖手段を備え、前記セル部に被捕集粒子を保持することを特徴とする。
本発明のサンプリング冶具に係る第2の発明は、管壁に流入孔と前記流入孔と通じた流出孔を設け、かつ前記流入孔から入る被捕集粒子を保持する空間を形成するセル部が設けられる管状体を先端に備える内部構造体と、前記内部構造体が径方向に回転自在あるいは軸方向に移動自在なように内部に収められる管状の外部構造体とからなり、前記外部構造体は、前記内部構造体が回転自在あるいは移動自在に配置されたときに、前記内部構造体の流入孔および流出孔と合致する位置に流入孔および流出孔を備え、前記内部構造体または外部構造体を、径方向に回転あるいは軸方向に移動させる前記内部構造体の流入孔の閉鎖手段を備え、前記セル部に被捕集粒子を保持することを特徴とする。
本発明のサンプリング冶具に係る第3の発明は、管壁に複数個の流入孔と前記流入孔と通じた流出孔からなる組を、相互に干渉しない位置に備える管状体を有する内部構造体と、前記内部構造体が径方向に回転自在あるいは軸方向に移動自在なように内部に収められる管状の外部構造体とからなり、前記外部構造体は、前記内部構造体が回転自在あるいは移動自在に配置されたときに、前記内部構造体の流入孔および流出孔と合致する位置に、それぞれ流入孔および流出孔を備え、前記管状体は、一の流入孔と前記一の流入孔に通じた流出孔からなる一組ごとに前記一の流入孔から入る被捕集粒子を保持する空間を形成するセル部を備え、前記内部構造体または外部構造体を、径方向に回転あるいは軸方向に移動させる前記内部構造体の流入孔の閉鎖手段を備え、前記セル部に被捕集粒子を保持することを特徴とする。
本発明のサンプリング冶具に係る第4の発明は、第1の発明から第3の発明において、その内部構造体の流入孔の閉鎖手段が、外部構造体を径方向に回転することによる内部構造体と外部構造体の径方向に沿った相対的位置を変えることで、内部構造体の流入孔を閉鎖することを特徴とする。
さらに、本発明のサンプリング冶具に係る第5の発明は、第1の発明から第3の発明において、その内部構造体の流入孔の閉鎖手段が、外部構造体を軸方向に移動することによる内部構造体と外部構造体の中心軸に沿った相対的位置を変えることで、内部構造体の流入孔を閉鎖することを特徴とする。
本発明のサンプリング冶具を用いることにより、自熔炉バーナーコーン内の精鉱粒子を適宜サンプリングすることができ、したがってバーナーコーン半径方向の精鉱粒子の流量分布、および粒度分布の定量的評価を可能とする。そのため、そのサンプリング結果を、数値流体解析と組み合わせて用いることでバーナーコーン内における精鉱粒子と反応用空気の挙動を推測し、自熔炉の操業条件の改善あるいは精鉱バーナー構造の改善に大きく寄与する効果を奏するものである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、自熔炉のバーナーコーン内の精鉱粒子をサンプリングするには、次のような点に留意する必要があることを見出した。
まず、バーナーコーン内を落下する精鉱粒子の落下速度は、バーナーコーン半径方向で分布があり、バーナー側壁近傍では反応用空気の主流があり100m/s以上の高速な流れがあると考えられる。そして、このような流れ場において精鉱粒子をサンプリングするには、捕集した精鉱粒子をサンプリング冶具内に留めておくため、サンプリング冶具の流入孔を閉鎖する蓋が必要であり、その蓋を開閉する際に高速な精鉱粒子と反応用空気の流れによる流体抵抗の影響をできるだけ受けない構造にすべきである。
まず、バーナーコーン内を落下する精鉱粒子の落下速度は、バーナーコーン半径方向で分布があり、バーナー側壁近傍では反応用空気の主流があり100m/s以上の高速な流れがあると考えられる。そして、このような流れ場において精鉱粒子をサンプリングするには、捕集した精鉱粒子をサンプリング冶具内に留めておくため、サンプリング冶具の流入孔を閉鎖する蓋が必要であり、その蓋を開閉する際に高速な精鉱粒子と反応用空気の流れによる流体抵抗の影響をできるだけ受けない構造にすべきである。
また、精鉱粒子を多く捕集するためには、一度捕集した精鉱粒子が流入口から続いて流入する精鉱粒子と反応用空気によりサンプリング冶具外に押し出されないよう、サンプリング冶具内に流れの影響をあまり受けない領域を設ける必要がある。
上記2つの留意点に着眼した本発明のサンプリング冶具の一例を図1に示す。
図1において、1aはサンプリング冶具、2は内筒、2aは内筒の流入孔、2bは内筒の流出孔、3は外筒、3aは外筒の流入孔、3bは外筒の流出孔である。ここで、内筒2は、先端部に管状体(記載せず)を備える内部構造体であり、外筒3は外部構造体である。
図1における内筒2と外筒3は径方向に回転自在に組み合わされていて、内筒2を回転させることも、外筒3を回転させることもできる。なお、内筒2と外筒3は軸方向に移動自在、もしくはその両者を備えて、外筒3に内筒2を収めても良く、すなわち直動スライドや回転スライドによる動作を可能とする。
図1において、1aはサンプリング冶具、2は内筒、2aは内筒の流入孔、2bは内筒の流出孔、3は外筒、3aは外筒の流入孔、3bは外筒の流出孔である。ここで、内筒2は、先端部に管状体(記載せず)を備える内部構造体であり、外筒3は外部構造体である。
図1における内筒2と外筒3は径方向に回転自在に組み合わされていて、内筒2を回転させることも、外筒3を回転させることもできる。なお、内筒2と外筒3は軸方向に移動自在、もしくはその両者を備えて、外筒3に内筒2を収めても良く、すなわち直動スライドや回転スライドによる動作を可能とする。
この内筒2には、先端部に精鉱粒子を捕集する役目を果たす管状体(記載せず)が備えられ、それには、精鉱粒子を含む反応用空気の流入孔2aおよび流出孔2b、および精鉱粒子を捕集するセル部(記載せず)が設けられている。
一方、外筒3には、内筒2を組み合わせて収めたときに、内筒2の流入孔2aと重なり合う流入孔3a、ならびに流出孔2bと重なり合う流出孔3bが設けられている。
本発明のサンプリング冶具では精鉱粒子の捕集箇所である冶具先端部は、図2に示すように管状体を兼ねる内部構造体である内筒2が、外部構造体である外筒3と径方向に回転自在に挿入された形の2重管構造を備えている。
さらに、図2(b)に示すように内筒2の先端部を構成する管状体4(記載せず)の筒壁部には流入孔2a、流出孔2bが設けられ、図2(c)に示すように外筒3の筒壁部には流入孔3a、流出孔3bが設けられている。
さらに、図2(b)に示すように内筒2の先端部を構成する管状体4(記載せず)の筒壁部には流入孔2a、流出孔2bが設けられ、図2(c)に示すように外筒3の筒壁部には流入孔3a、流出孔3bが設けられている。
図3は、精鉱粒子の捕集箇所である冶具先端部を説明する図で、図3(a)は外観を捉えたもので、外筒3に挿入された内筒2、および内筒2、外筒3に設けられた流入孔2a、3aの位置が示されている。このように両流入孔は、内筒2、外筒3を所定の位置で組み合わせた時に重なり合う状態、すなわち合致した状態となる。
図3(b)は、外筒3を取り除いた内筒2の精鉱粒子の捕集箇所の構造を示す図で、内筒2の先端部には、管状体4が備えられている。
このサンプリング冶具では、後述する図3(c)に示すように、管状体4は管状体本体4bと管状体蓋4c(以下、蓋と称す)により閉鎖された空間を形成し、精鉱粒子の捕集空間としている。蓋4cには流入孔2aが、管状体本体4bには、セル部4aおよび流出孔2bが設けられている。サンプリング後は、蓋4cを外して、捕集した精鉱粒子を回収する。8aは蓋留め具、8bは管状体留め具である。
このサンプリング冶具では、後述する図3(c)に示すように、管状体4は管状体本体4bと管状体蓋4c(以下、蓋と称す)により閉鎖された空間を形成し、精鉱粒子の捕集空間としている。蓋4cには流入孔2aが、管状体本体4bには、セル部4aおよび流出孔2bが設けられている。サンプリング後は、蓋4cを外して、捕集した精鉱粒子を回収する。8aは蓋留め具、8bは管状体留め具である。
図3(c)は、管状体4の蓋4cを外した状態の図で、管状体本体4bには先端側にセル部4aが、逆側には流出孔2bを設けている。この管状体4は図3のように、別体として作製して組み込んで内筒を構成しても良く、また管状体を一体とした内筒を構成しても良い。
次に、各流入孔、流出孔の位置について図4を用いて説明する。
まず、その流入孔2aおよび流入孔3aの位置は、図4で示すように内筒2と外筒3を回動自在に組み上げた時に、両流入孔を通じて外部から内筒2内部(ここでは、管状体4)に反応用空気が流れるように両者が合致する位置に設けられる。
まず、その流入孔2aおよび流入孔3aの位置は、図4で示すように内筒2と外筒3を回動自在に組み上げた時に、両流入孔を通じて外部から内筒2内部(ここでは、管状体4)に反応用空気が流れるように両者が合致する位置に設けられる。
一方、流出孔2bおよび流出孔3bの位置は、このサンプリング冶具を利用する場合にOFバーナー11(図7参照)に対して角度θ(水平方向に対する角度)で斜めに傾けた状態で冶具を設置した場合において、流入孔2aを上方に向けたとき流出孔2bは下方向きになり、反応用空気とともに精鉱が容易に流入しやすい配置となる、流入孔(2a、3a)の位置と対向する内外筒の筒壁面に設けられる。なお、この内筒および外筒の流入孔の形状ならびに流出孔の形状は、内筒2と外筒3を組み上げて、流入孔および流出孔が合致したときに、重なり合って合致する形状であることが好ましい。
なお、この流出孔は流入した反応用空気を円滑に流出させることを目的とするものであることから、精鉱粒子のサンプリング時間(流入孔の開閉時間)が短い場合には、サンプリング冶具に流出孔を設けなくても希求される精鉱粒子のサンプリングは可能である。
次に、このサンプリング冶具による精鉱粒子の捕集方法について説明する。
図5に示すように内筒2、外筒3のどちらかを固定した状態で、一方を回転させて流入孔2aを開閉する構造であるため、その開閉時には、流体抵抗の影響を受けることはほとんどない。
なお、流入孔2aの開閉に際しては、外筒3を回転させて開閉する方が良く、捕集した精鉱粒子の破損(内筒を回転させた場合では、内筒壁面との接触あるいは衝突による被捕集粒子の変形、破壊の恐れが高まる)、あるいはセル部4aからの精鉱粒子の飛び出しを防止できる。
図5に示すように内筒2、外筒3のどちらかを固定した状態で、一方を回転させて流入孔2aを開閉する構造であるため、その開閉時には、流体抵抗の影響を受けることはほとんどない。
なお、流入孔2aの開閉に際しては、外筒3を回転させて開閉する方が良く、捕集した精鉱粒子の破損(内筒を回転させた場合では、内筒壁面との接触あるいは衝突による被捕集粒子の変形、破壊の恐れが高まる)、あるいはセル部4aからの精鉱粒子の飛び出しを防止できる。
さらに、流入孔(2a、3a)と流出孔(2b、3b)の位置は、精鉱粒子を含む反応用空気の流れの方向に対して、その位置がずれていることから、流入孔(2a、3a)から入った精鉱粒子は、図6に示すように精鉱粒子5を捕集するセル部4a内部の先端側の澱み領域にたまる。一方、流入孔(2a、3a)から流入した精鉱粒子の一部と反応用空気は、流出孔(2b、3b)から、容易に抜け出ることから管状体4内部の圧力はあまり高くならない。そのため流入孔(2a、3a)から精鉱粒子5と反応用空気は容易に流入することになる。
実際に精鉱粒子5をサンプリングする場合では、図5の「開」状態に示す内筒2の流入孔2aと外筒3の流入孔3aが合致する、すなわち外部と内筒2内部(管状体4内部)が通じた位置から、外筒3を適宜回転、たとえば90度回転させて流入孔を閉じた状態(図5「閉」状態)にしたサンプリング冶具1を、図7に見られるように、OFバーナー11の側壁に設けられた点検孔16から斜め下方向(鉛直方向に対して角度θ)に挿入する。
その挿入する長さは、サンプリング冶具1の長手方向に予め付けておいた印により把握し、バーナーコーン15内における流入孔位置を所定位置となるように設置し、その状態で外筒3を適宜戻す、たとえば90度戻すように回転させて、流入孔3aと内筒2の流入孔2aを合致させて流入孔を開ける。そして、所定時間サンプリングした後、再び外筒3を適宜回転、たとえば90度回転させて流入孔を閉じた状態にし、その状態を維持したままサンプリング冶具1を点検孔16から引き抜く。
図6に、精鉱粒子をサンプリングした状態を示す。
精鉱粒子を含む反応用空気流が、流入孔(2a、3a)から流入し、流出孔(2b、3b)から流出する過程において、精鉱粒子5がセル部4aに捕集される。
精鉱粒子を含む反応用空気流が、流入孔(2a、3a)から流入し、流出孔(2b、3b)から流出する過程において、精鉱粒子5がセル部4aに捕集される。
次に、引き抜いたサンプリング冶具1から精鉱粒子を回収する。
その回収は、外筒3を内筒2に対して中心軸に沿って管状体4が露出するように移動させて、管状体4のセル部4a内に溜まった精鉱粒子5を回収する。
その回収は、外筒3を内筒2に対して中心軸に沿って管状体4が露出するように移動させて、管状体4のセル部4a内に溜まった精鉱粒子5を回収する。
同様の方法を繰り返し、バーナーコーン半径方向の位置を変えて精鉱粒子をサンプリングし、それら精鉱粒子の重量および粒度分布を専用の測定器を用いて評価することで精鉱粒子のバーナーコーン半径方向の流量分布および粒度分布を定量的に評価する。
以下に、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
実施例1では、図1のサンプリング冶具1aを用いた。
このサンプリング冶具1aは、図7に示す自熔炉10のOFバーナー11の側壁に設けられた点検孔16が下向きに約45度斜めに設置されている場合に精鉱粒子をサンプリングすることを目的としたサンプリング冶具の例である。
このサンプリング冶具1aは、図7に示す自熔炉10のOFバーナー11の側壁に設けられた点検孔16が下向きに約45度斜めに設置されている場合に精鉱粒子をサンプリングすることを目的としたサンプリング冶具の例である。
サンプリング冶具1aは、図7に示す自熔炉10の点検孔16に設置された状態においては、外径60mmの外筒3(外部構造体)に外径約50mmの内筒2(内部構造体)を挿入した2重管構造を備え、内筒2の先端部の管状体上側と外筒3の先端部上側には先端から約65mmの位置におおよそ20×30mmの流入孔2aおよび流入孔3aが設けられている。また管状体下側と外筒の先端部下側には、先端から約100mmの位置に直径20mmの流出孔2b、流出孔3bが設けられる構造となっている。
この内筒2と外筒3に設けられる各々の流入出孔の位置は、両者を組み合わせたときに合致する構造とした。
この内筒2と外筒3に設けられる各々の流入出孔の位置は、両者を組み合わせたときに合致する構造とした。
このサンプリング冶具1aにおける流入孔2aおよび流入孔3aは、サンプリング冶具1aを点検孔16から下向きに約45度斜めに挿入した際に、精鉱粒子の流れが抵抗を受けずにセル内に流入するように45度傾けて切削加工してある。全ての材質は耐熱性、強度を考慮してステンレスを用いた。
このサンプリング冶具1aを用いて、バーナーコーン半径方向の位置をOFバーナー11から約50mm、約130mm、約200mmの3ヶ所で精鉱粒子をサンプリングし、バーナーコーン半径方向の精鉱粒子の流量分布を評価した。
サンプリングに際しては、自熔炉10のOFバーナー11の側壁に設けられた点検孔16から下向きに約45度斜めに所定位置まで挿入し、各地点で約0.5秒間、流入孔を開いて精鉱粒子をサンプリングした。
その結果、各位置での精鉱粒子量の重量比は、OFバーナー11から近い順に400:50:1の結果が得られた。
サンプリングに際しては、自熔炉10のOFバーナー11の側壁に設けられた点検孔16から下向きに約45度斜めに所定位置まで挿入し、各地点で約0.5秒間、流入孔を開いて精鉱粒子をサンプリングした。
その結果、各位置での精鉱粒子量の重量比は、OFバーナー11から近い順に400:50:1の結果が得られた。
図8は、実施例2のサンプリング冶具1bを示す外観図である。
本実施例も実施例1と同様に。図7に示す自熔炉10のOFバーナー11の側壁に設けられた点検孔16が下向きに約45度斜めに設置されている場合に、精鉱粒子をサンプリングする際に使用するサンプリング冶具である。
本実施例も実施例1と同様に。図7に示す自熔炉10のOFバーナー11の側壁に設けられた点検孔16が下向きに約45度斜めに設置されている場合に、精鉱粒子をサンプリングする際に使用するサンプリング冶具である。
実施例2のサンプリング冶具1bは、図7に示す自熔炉10の点検孔16に設置された状態においては、外径60mmの外筒3に外径50mmの内筒2を回動自在に挿入した2重管構造を備え、内筒2の先端側には精鉱粒子を捕集するセル部(記載せず)が長手方向に3ヶ所設けられ、内筒2と外筒3の先端部上側には先端から約50mm、約130mm、約200mmの3ヶ所に、各セル部に対応する流入孔2a、3aが設けられている。また先端部下側には先端から約100mm、180mm、250mmの3ヶ所に直径20mmの流出孔が設けられ、内筒2と外筒3に設けられた各々の流入出孔の位置は、組み合わされたときに合致する構造とした。
なお流入孔の孔壁は、サンプリング冶具1bを点検孔16から下向きに約45度斜めに挿入した際に、精鉱粒子が鉛直方向に少ない抵抗でセル内に流入するように45度傾け切削加工してある。また、サンプリング冶具は、耐熱性、強度を考慮してステンレス製とした。
なお流入孔の孔壁は、サンプリング冶具1bを点検孔16から下向きに約45度斜めに挿入した際に、精鉱粒子が鉛直方向に少ない抵抗でセル内に流入するように45度傾け切削加工してある。また、サンプリング冶具は、耐熱性、強度を考慮してステンレス製とした。
このサンプリング冶具1bを用いてバーナーコーン半径方向の3地点における精鉱粒子を同時にサンプリングし、バーナーコーン半径方向の精鉱流量分布を評価した。自熔炉バーナー側壁に設けられた点検孔16から下向きに約45度斜めに、サンプリング冶具1bの先端がOFバーナー11に突き当たる位置まで挿入し、約0.5秒の間、すべての流入孔を開いて精鉱粒子をサンプリングした。
その結果、各位置での精鉱量の重量比は、OFバーナー11から近い順に400:50:1という結果が得られた。
その結果、各位置での精鉱量の重量比は、OFバーナー11から近い順に400:50:1という結果が得られた。
1、1a、1b 本発明のサンプリング冶具
2 内筒(内部構造体)
2a 内筒の流入孔
2b 内筒の流出孔
3 外筒(外部構造体)
3a 外筒の流入孔
3b 外筒の流出孔
4 管状体
4a セル部
4b 管状体本体
4c 管状体蓋
5 捕集された精鉱粒子
8a 管状体蓋留め具
8b 管状体留め具
10 自熔炉
11 OFバーナー
12 精鉱シュート
13 ウィンドボックス
14 風速調整器
15 バーナーコーン
16 点検孔
17 分散コーン
20 精鉱+フラックス
21 反応用空気
101a、101b 従来のサンプリング冶具
102 柄
103 捕集部
104 蓋
2 内筒(内部構造体)
2a 内筒の流入孔
2b 内筒の流出孔
3 外筒(外部構造体)
3a 外筒の流入孔
3b 外筒の流出孔
4 管状体
4a セル部
4b 管状体本体
4c 管状体蓋
5 捕集された精鉱粒子
8a 管状体蓋留め具
8b 管状体留め具
10 自熔炉
11 OFバーナー
12 精鉱シュート
13 ウィンドボックス
14 風速調整器
15 バーナーコーン
16 点検孔
17 分散コーン
20 精鉱+フラックス
21 反応用空気
101a、101b 従来のサンプリング冶具
102 柄
103 捕集部
104 蓋
Claims (5)
- 管壁に少なくとも流入孔を設け、かつ前記流入孔から入る被捕集粒子を保持する空間を形成するセル部が設けられる管状体を先端に備える内部構造体と、
前記内部構造体が径方向に回転自在あるいは軸方向に移動自在なように内部に収められる管状の外部構造体とからなり、
前記外部構造体は、前記内部構造体を回転自在あるいは移動自在に配置した時に、前記内部構造体の流入孔と合致する位置に流入孔を備え、
前記内部構造体または外部構造体を、径方向に回転あるいは軸方向に移動させる前記内部構造体の流入孔の閉鎖手段を備え、
前記セル部に被捕集粒子を保持することを特徴とするサンプリング冶具。 - 管壁に流入孔と前記流入孔と通じた流出孔を設け、かつ前記流入孔から入る被捕集粒子を保持する空間を形成するセル部が設けられる管状体を先端に備える内部構造体と、
前記内部構造体が径方向に回転自在あるいは軸方向に移動自在なように内部に収められる管状の外部構造体とからなり、
前記外部構造体は、前記内部構造体が回転自在あるいは移動自在に配置されたときに、前記内部構造体の流入孔および流出孔と合致する位置に流入孔および流出孔を備え、
前記内部構造体または外部構造体を、径方向に回転あるいは軸方向に移動させる前記内部構造体の流入孔の閉鎖手段を備え、
前記セル部に被捕集粒子を保持することを特徴とするサンプリング冶具。 - 管壁に複数個の流入孔と前記流入孔と通じた流出孔からなる組を、相互に干渉しない位置に備える管状体を有する内部構造体と、
前記内部構造体が径方向に回転自在あるいは軸方向に移動自在なように内部に収められる管状の外部構造体とからなり、
前記外部構造体は、前記内部構造体が回転自在あるいは移動自在に配置されたときに、前記内部構造体の流入孔および流出孔と合致する位置に、それぞれ流入孔および流出孔を備え、
前記管状体は、一の流入孔と前記一の流入孔に通じた流出孔からなる一組ごとに前記一の流入孔から入る被捕集粒子を保持する空間を形成するセル部を備え、
前記内部構造体または外部構造体を、径方向に回転あるいは軸方向に移動させる前記内部構造体の流入孔の閉鎖手段を備え、
前記セル部に被捕集粒子を保持することを特徴とするサンプリング冶具。 - 前記内部構造体の流入孔の閉鎖手段が、
前記外部構造体を径方向に回転することによる内部構造体と外部構造体の径方向に沿った相対的位置を変えることで、前記内部構造体の流入孔を閉鎖することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のサンプリング冶具。 - 前記内部構造体の流入孔の閉鎖手段が、
前記外部構造体を軸方向に移動することによる内部構造体と外部構造体の中心軸に沿った相対的位置を変えることで、前記内部構造体の流入孔を閉鎖することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のサンプリング冶具。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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