JP2011068926A - 高炉の原料装入方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】小塊コークスの浮き上がり現象を利用して、小塊コークスを、炉内周辺部に装入して堆積させ、炉内の還元反応において、小塊コークスの機能を有効に活用する。
【解決手段】炉頂に上下2段のホッパーを備える高炉の原料装入方法において、上段ホッパーに、鉄原料と小塊コークスの混合原料を装入する際、(i)装入完了時の原料堆積面が、ホッパー周辺部で凸状をなし、ホッパー中心部で凹状をなすように装入し、その後、(ii)下段ホッパーを経て高炉内に装入する。
【選択図】図4

Description

本発明は、炉頂にホッパーを上下2段に備えるベルレス式高炉の原料装入方法において、焼結鉱等の鉄原料と小塊コークスの混合原料を、高炉内に装入する方法に関するものである。
従来、高炉操業において、鉄鉱石、焼結鉱等の鉄原料を高炉に装入する際、鉄原料の被還元性や、炉内の通気性を向上させる目的で、鉄原料に小塊コークスを混合して装入する場合がある(特許文献1〜8、参照)。
鉄原料に小塊コークスを混合して、高炉内に装入する場合、まず、均一に混合することが重要であるが、小塊コークスは、鉄原料に比べ、粒度が大きく、密度が小さいので、鉄原料と均一に混合し難く、ホッパーへの搬送途上や、炉内装入時の流動時に、小塊コークスが鉄原料から分離して浮き上がるという現象が起きる。
そのため、原料処理工程の上工程で、小塊コークスと鉄原料を均一に混合しても、上記浮き上がり現象に起因して、小塊コークスは、ホッパー内で偏析して堆積する。その結果、小塊コークスと鉄原料を混合して高炉へ装入する時、小塊コークスの多くは、装入後期にホッパーから排出されて、炉内に装入される。
ベルレス式高炉の場合、鉄原料やコークス等の原料の装入は、通常、炉頂内部に設けたシュートの旋回と傾動を制御して、炉内周辺部から中心部に向けて行うので、装入後期にホッパーから排出される小塊コークスは、必然的に、高炉の中心部に偏析して堆積する。
小塊コークスは、還元負荷を軽減するため、炉内の中間部から周辺部にわたり、多量に装入することが望ましいが、実際には、上述したように、高炉の中心部に偏析するので、還元反応の促進に、小塊コークスの機能を有効に活用できていないのが実状である。
ベルレス式高炉の原料装入装置には、ホッパーを上下2段に備える垂直型と、ホッパーを左右対称に備える並列型がある(特許文献1、9、及び、10、参照)。垂直型の原料装入装置においては、コンベアで、上段ホッパーに搬送されてくる原料(鉄原料、コークス等)を、旋回シュートで円周方向に均一に装入して堆積させ、堆積完了後、下段ホッパーに排出する。
垂直型の原料装入装置においては、旋回シュートを用いて炉内に装入するので、並列型の原料装入装置に比べ、炉内の円周方向における偏析は少ないが、上段ホッパー内における小塊コークスの偏析は、偏析態様を変えて下段ホッパー内の堆積態様に引き継がれるので、結局、小塊コークスは、装入後期にホッパーから排出されて、高炉の中心部に偏析して堆積する。
特開昭62−260010号公報 特開平06−100908号公報 特開平08−239705号公報 特開平08−295907号公報 特開平09−125112号公報 特開2000−282110号公報 特開2005−290511号公報 特開2008−024997号公報 特開平05−339612号公報 特開2000−303111号公報
前述したように、原料処理工程の上工程で、小塊コークスと鉄原料を均一に混合しても、搬送中及び/又は流動時に生じる小塊コークスの浮き上がり現象に起因し、小塊コークスは、垂直型の原料装入装置の上段ホッパー内において偏析して堆積する。その偏析は、前述したように、偏析態様を変えて下段ホッパー内の堆積態様に引き継がれて、結局、小塊コークスは、装入後期に、下段ホッパーから排出されて、高炉の中心部に偏析して堆積する。
そこで、本発明は、上下段ホッパー内での小塊コークスの偏析を解消することを試みるのではなく、小塊コークスが、「搬送中及び/又は流動中で生じる浮き上がり現象に起因して、必然的に、ホッパー内で偏析して堆積する」ことを利用して、小塊コークスを、炉内中間部から周辺部に装入して堆積させ、炉内の還元反応において、小塊コークスの機能を有効に活用することを課題とし、該課題を解決する原料装入方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決する手法について、鋭意検討した。その結果、本発明者らは、鉄原料と小塊コークスの混合原料(以下、単に「混合原料」ということがある。)を、上段ホッパーに、堆積面が、炉中心部で凹状(谷)となり、炉内周辺部で凸状(山)となるように堆積させると、混合原料を、下段ホッパーを経て高炉内に装入するとき、装入初期から装入中期に、即ち、混合原料の炉内堆積時に、小塊コークスを、炉内周辺部から中間部にわたる領域に、多量に装入できることを見いだした。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
(1)炉頂に上下2段のホッパーを備える高炉の原料装入方法において、上段ホッパーに、鉄原料と小塊コークスの混合原料を装入する際、
(i)装入完了時の原料堆積面が、ホッパー周辺部で凸状をなし、ホッパー中心部で凹状をなすように装入し、その後、
(ii)下段ホッパーを経て高炉内に装入する
ことを特徴とする高炉の原料装入方法。
(2)前記凸状をなす原料堆積面の頂部が、ホッパーの中心からの相対位置で、0.3〜1.0の範囲にあることを特徴とする上記(1)に記載の高炉の原料装入方法。
(3)前記凸状をなす原料堆積面の頂部が、ホッパーの中心からの相対位置で、0.4〜0.7の範囲にあることを特徴とする上記(1)に記載の高炉の原料装入方法。
本発明によれば、小塊コークスを、高炉内の周辺部から中間部わたる領域に、多量に装入し、堆積させることができる。その結果、高炉操業において、炉内中間部から周辺部にわたる領域における通気性を、良好に維持することができる。
ベルレス式高炉の原料装入装置を示す図である。(a)は、ホッパーを上下2段に備える垂直型の原料装入装置を示し、(b)は、ホッパーを左右対称に備える並列型の原料装入装置を示す。 垂直型の原料装入装置における原料の排出順序を示す図である。 従来の小塊コークスの偏析態様を示す図である。 本発明に従う小塊コークスの偏析態様を示す図である。 20分の1試験で用いた垂直型の原料装入装置を示す図である。 20分の1試験により、上段ホッパー内での原料堆積面の形状を測定した結果を示す図である。 鉄原料と小塊コークスの混合原料を、上段ホッパーに、旋回シュートの角度を10〜20°として装入した場合において、高炉装入時の小塊コークスの排出重量割合の経時変化を、20分の1試験で測定した結果を示す図である。 鉄原料と小塊コークスの混合原料を、上段ホッパーに、旋回シュートの角度を25〜45°として装入した場合において、高炉装入時の小塊コークスの排出重量割合の経時変化を、20分の1試験で測定した結果を示す図である。 小塊コークスの重量割合と融着帯での圧力損失の関係を示す図である。 実機で、上段ホッパーの旋回シュートの角度を変えたときの、高炉装入時における小塊コークスの排出重量割合の経時変化を示す図である。
本発明は、炉頂に上下2段のホッパーを備える高炉の原料装入方法において、上段ホッパーに、鉄原料と小塊コークスの混合原料を装入する際、装入完了時の混合原料堆積面が、ホッパー周辺部で凸状をなし、ホッパー中心部で凹状をなすように装入することを基本思想とする。
上段ホッパーに、混合原料を装入して堆積させた後、混合原料を、下段ホッパーを経て、高炉内に装入するが、本発明においては、上段ホッパーにおける装入完了時の混合原料堆積面の形状、小塊コークスの偏析態様、及び、ホッパー内原料の排出順序との相乗作用で、混合原料を高炉へ装入する時、小塊コークスを、炉内中間部から周辺部にかけての領域に、多量に装入することができる。
以下、図面に基づいて、本発明について説明する。
まず、本発明が前提とする、上下2段にホッパーを備える高炉の装入方法について説明する。図1に、ベルレス式高炉の原料装入装置を示す。図1(a)に、上下2段にホッパーを備える垂直型の原料装入装置を示し、図1(b)に、比較のため、左右対称にホッパーを備える並列型の原料装入装置を示す。
図1(a)及び(b)に示す原料装入装置による原料装入は、通常、鉄原料とコークスを区分し、さらに、それぞれを、数回に分けて行う。小塊コークスは鉄原料に混合して装入する。
図1(b)に示す並列型の原料装入装置において、コンベア1で搬送されてきた鉄原料又はコークス(以下「原料」ということがある。)は、分配シュート9で振り分けられ、並列ホッパー8に装入される。並列ホッパー8内の原料(鉄原料又はコークス)は、旋回シュート5で高炉6内に装入される。
図1(a)に示す垂直型の原料装入装置において、コンベア1で搬送されてきた原料は、旋回シュート4で上段ホッパー2に装入される。上段ホッパー2は、4つの排出口7を備えていて、原料は、装入・堆積の完了後、排出口7から下部ホッパーへ瞬時に装入し、全量堆積させる。
上段ホッパー2が空になると、次の原料を、上段ホッパー2に装入する。下段ホッパー3においては、ホッパー内部の雰囲気圧を、高炉の炉内圧まで高めておき、高炉内での原料堆積面が所定の高さ(ストックライン)に達したとき、新たな原料を、下段ホッパー3より、旋回シュート5で高炉5内へ装入する。
原料の高炉内への装入が完了したら、下段ホッパー3の雰囲気圧を大気圧まで下げ、次の原料を、下段ホッパー3へ装入する。
本発明者らは、浮き上がり現象が生じる小塊コークスを、高炉内の所要領域(中間部から周辺部)に装入するためには、(i)混合原料のホッパー内での堆積態様、及び、(ii)ホッパー内に堆積する原料が排出し終わるまでの排出順序を把握する必要があると発想し、まず、ホッパーからの原料の排出態様について調査した。その結果を、図2に示す。
ホッパーからの原料の排出順序は、中心部の原料が、先行して流出するファンネルフローに従う傾向が強い。即ち、図2に示すように、上段ホッパー2及び下段ホッパー3内に堆積している原料は、排出口7の直上に存在する原料xが最初に排出され、次に、ホッパー2、3の上部壁面近傍に存在する原料yが排出され、最後に、ホッパーの下部壁面近傍に存在する原料zが排出される。
原料を高炉内へ装入する時には、旋回シュート5を旋回して、原料を、炉内周辺部から装入していくので、まず、下段ホッパー3の中心部の下部(排出口7の直上)に堆積している原料xが、炉内周辺部に装入され、次に、下段ホッパー3の中心部の上部(排出口7の上部)に堆積している原料yが、炉内中間部に装入され、最後に、下段ホッパー3の炉壁周辺部に堆積している原料zが、炉中心部に装入される。
小塊コークスは、前述したように、鉄原料に比べ、粒度が大きく、密度が小さいので、堆積した混合原料のなかで偏析し易い性状を備えていて、それに起因して、混合原料の堆積面が凹状の場合、凹部に多く偏析して堆積する。
通常、上段ホッパーへの原料装入時には、旋回シュートの傾動角を小さくして、原料を中心部近辺に装入するので、ホッパー内の原料堆積面は、ホッパー中心部で凸状となり、ホッパー周辺部で凹状となる。そして、上段ホッパーへ、混合原料を装入する場合、従来、少量ずつ、数回に分けて装入するので、浮き上がり現象に起因する小塊コークスの偏析が顕著となる。
このような従来の装入方法によれば、混合原料を、上段ホッパーへ装入し終わった時の堆積面は、図3に示すように、凸状となり、ホッパー中心部の上部とホッパー周辺部に小塊コークスAが多く偏析する堆積態様となる。
上段ホッパー内に堆積する混合原料は、上段ホッパー下部に備える4つの排出口から、瞬時に、下段ホッパーへ排出される。排出が瞬時に完了するので、排出時の流動時に、浮き上がり現象は少ないが、上段ホッパー内での小塊コークスの偏析態様が、態様を多少変えて、下段ホッパー内での混合原料の堆積態様に引き継がれることになる。
即ち、図3に示すように、下段ホッパー3においても、ホッパー中心部の上部とホッパー周辺部に小塊コークスAが多量に偏析する堆積態様となる。
高炉への混合原料の装入において、下段ホッパー3の中心部の上部と、下段ホッパー3の周辺部に存在する小塊コークスは、装入中期から後期にかけて排出される(図2中、原料y及び原料z、参照)ので、図3に示すように、高炉6内において、炉径方向の中間部から中心部に及ぶ領域に装入されることになる。
このような小塊コークスの堆積では、高炉操業において、小塊コークスの機能を充分に活用することはできない。
そこで、本発明では、図4に示すように、上段ホッパー2に混合原料を装入するとき、旋回シュート4の傾動角を大きくして外振りとし、凸状の堆積面を、ホッパー周辺部に形成し、凹状の堆積面を、ホッパー中心部に形成することとした。
このような混合原料の堆積面を、ホッパー内に形成することにより、小塊コークスAを、ホッパー中心部に多量に偏析させて堆積することができる。そして、小塊コークスが偏析した混合原料を、下段ホッパーへ排出しても、同様に、ホッパー中心部と上部に、小塊コークスAが多く偏析した堆積態様となる(図2中、原料x及び原料y、参照)。
そして、下段ホッパー3の中心部と上部に存在する原料は、図2に示す排出順序に従い(原料x及び原料y、参照)、装入初期から中期にかけて排出されるので、小塊コークスAは、図4に示すように、高炉装入時、炉内周辺部から中間部にかけて多量に堆積することとなる。その結果、高炉操業において、小塊コークスの機能を充分に活用することができる。
本発明において、高炉装入時、装入初期から中期にかけて、即ち、炉内周辺部から中間部にかけて、小塊コークスを多量に装入し、小塊コークスの機能をより効果的に活用するためには、上段ホッパーの原料堆積面における凸の位置(装入位置)を、何処にするかが重要である。
そこで、本発明者らは、上記凸の適正位置範囲を、垂直型原料装入装置の20分の1の縮尺模型を用いた試験(以下「20分の1試験」ということがある。)を行って調査した。その結果について説明する。
図5に示す垂直型の原料装入装置において、旋回シュートの傾動角θを変えて、上段ホッパー内での原料堆積面Sの形状を測定した。その結果を、図6に示す。
図6から、(a)上段旋回シュートの角度が10°(従来角度)の場合、堆積面は、ホッパー中心で凸状をなし、(b)上段旋回シュートの角度が25°の場合、ホッパー中間部で凸状をなし、(c)上段旋回シュートの角度が45°の場合、ホッパー周辺部で凸状をなしていることが解る。
そこで、図7に、鉄原料と小塊コークスの混合原料を、上段ホッパーに、旋回シュートの角度を10〜20°として装入した場合において、高炉装入時の小塊コークスの排出重量割合の経時変化を、20分の1試験で測定した結果を示す。なお、小塊コークスの排出重量割合は、下段ホッパーの排出口と旋回シュートを繋ぐ垂直シュート(図5中、下段ホッパー3、旋回シュート5、及び、垂直シュート10、参照)で、降下する混合原料をサンプリングし、その後、鉄原料と小塊コークスに仕分けして測定した。
図7から、上段旋回シュートの角度が10〜20°(従来角度)であると、高炉への原料装入時の装入後期において、小塊コークスが多量に排出されることが解る。
図8に、鉄原料と小塊コークスの混合原料を、上段ホッパーに、旋回シュートの角度を25〜45°として装入した場合において、高炉装入時の小塊コークスの排出重量割合の経時変化を、20分の1試験で測定した結果を示す。
図8から、上段旋回シュートの角度が25〜45°であると、高炉への原料装入時の装入初期から中期において、小塊コークスが多量に排出されることが解る。
以上のことから、高炉への原料装入時、装入初期から中期において、小塊コークスを多量に、鉄原料とともに装入するためには、混合原料を、上段ホッパーに装入して堆積させる際、旋回シュートの角度を20°超(従来角度を超える角度)に設定して装入し、堆積させることが必要であり、また、上記角度は、25°以上が好ましいことが解る。
本発明者らは、図5に示す垂直型の原料装入装置を用いる20分の1試験において、小塊コークスの混合割合を増加させた試験も行った。その結果、小塊コークスの増量分、偏析箇所において小塊コークスの重量が増加し、堆積面の形状制御による偏析態様の変化傾向は同じであることを確認した。
前述したように、上段旋回シュートの角度は25°以上が好ましく、このことと、図6によれば、上段ホッパーで形成する堆積面に形成する凸状面の位置(装入位置)は、ホッパー中心からの相対位置で、0.3〜1.0とすることが好ましく、0.4〜0.7とすることがより好ましいことが解る。
なお、上段旋回シュートの角度の好ましい範囲は、原料条件及び設備条件により異なるので、本発明では、ホッパー内で形成される堆積面の形状を採用した。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例)
まず、小塊コークスの効果を荷重軟化試験により検証した。その結果を、図9に示す。荷重軟化試験装置は、高炉内の融着帯(鉄原料が溶融する領域で、圧力損失が高く還元ガスの通気性を阻害する領域)を模擬し、融着帯での通気性を評価する装置である。
図9から、小塊コークスの重量割合(%)が増加すると、圧力損失値(mmAq)が低下する、即ち、通気性が向上することが解る。このことは、高炉操業において重要なことであり、高炉操業を安定的に継続するためには、小塊コークスを、通常、通気性が低下する炉内の中間部から周辺部の領域に装入する必要がある。
本発明者らは、実機で、上段ホッパーの旋回シュートの角度を変えたときの、高炉装入時における小塊コークスの排出重量割合の経時変化を測定した。その結果を、図10に示す。上段旋回シュートの角度を、10°、20°、及び、30°と変更し(図5、参照)、垂直シュートで降下する原料を、時系列で採取して、小塊コークスの重量割合を算出した。
図10から、上段旋回シュートの角度が10°(従来角度)の場合、高炉への装入後期で、小塊コークスの重量割合が増加していることが解る。この時の上段ホッパーの原料堆積面における凸の位置は、中心からの相対位置で、0.0〜0.1の範囲にあった。
上段旋回シュートの角度が20°の場合は、上段旋回シュートの角度が10°の場合に比較し、経時的変化が均一化しているが、高炉への装入中期から後期において、小塊コークスが多く装入されている。この時の上段ホッパーの原料堆積面における凸の頂部位置は、中心からの相対位置で、0.2〜0.4の範囲にあった。
上段旋回シュートの角度が30°の場合は、高炉の装入初期で、小塊コークスの重量割合が増加した。この時の上段ホッパーの原料堆積面における凸の頂部位置は、中心からの相対位置で、0.5〜0.6の範囲にあった。
上述の通り、上段ホッパーの原料堆積面における凸の位置が、中心からの相対位置で、0.4以上の範囲にあれば、小塊コークスが、高炉への装入初期に、高炉内に装入されて、高炉内の周辺部から中間部わたる領域に堆積することが、実機試験の結果でも確認することができた。
前述したように、本発明によれば、小塊コークスを、高炉内の周辺部から中間部わたる領域に、多量に装入し、堆積させることができる。その結果、高炉操業において、炉内中間部から周辺部にわたる領域における通気性を、良好に維持することができる。よって、本発明は、鉄鋼産業において利用可能性が高いものである。
1 コンベア
2 上段ホッパー
3 下段ホッパー
4、5 旋回シュート
6 高炉
7 排出口
8 並列ホッパー
9 分配シュート
10 垂直シュート
A 小塊コークス
S 原料堆積面
x、y、z 原料

Claims (3)

  1. 炉頂に上下2段のホッパーを備える高炉の原料装入方法において、上段ホッパーに、鉄原料と小塊コークスの混合原料を装入する際、
    (i)装入完了時の原料堆積面が、ホッパー周辺部で凸状をなし、ホッパー中心部で凹状をなすように装入し、その後、
    (ii)下段ホッパーを経て高炉内に装入する
    ことを特徴とする高炉の原料装入方法。
  2. 前記凸状をなす原料堆積面の頂部が、ホッパーの中心からの相対位置で、0.3〜1.0の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の高炉の原料装入方法。
  3. 前記凸状をなす原料堆積面の頂部が、ホッパーの中心からの相対位置で、0.4〜0.7の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の高炉の原料装入方法。
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