JP2011067048A - 永久磁石同期モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】永久磁石による界磁と界磁巻線による界磁とを併用可能なハイブリッド励磁型モータにおいて、小型化を図る。
【解決手段】永久磁石(31、32)が埋め込まれたインナーロータの端部外側に界磁巻線(FW1、FW2)を巻回した界磁巻線ヨーク(FY1、FY2)を固定配置し、必要に応じて界磁巻線から界磁磁束を注入することにより、ステータの電機子巻線の鎖交磁束を増減させる。界磁巻線ヨークの外周ヨーク部(63)に面するようにロータの外周鉄心のN極接合部又はS極接合部を回転軸方向に突出させ、且つ、ロータの内周鉄心も界磁巻線ヨーク側に突出させる。界磁巻線に界磁電流を供給することによって生じた界磁磁束は、界磁巻線ヨーク、ロータの内周鉄心及び外周鉄心並びにステータ鉄心を経由して電機子巻線を鎖交する。
【選択図】図13

Description

本発明は、永久磁石が設けられたロータを有する永久磁石同期モータ、並びに、そのモータに対するモータ制御装置及びそのモータを利用するモータ駆動システムに関する。本発明は、特に、永久磁石による界磁と界磁巻線による界磁とを併用するハイブリッド励磁型モータに関する。
埋込磁石同期モータに代表される突極機の高速回転時においては、永久磁石に由来してモータ内で生じる誘起電圧の過度の上昇を抑えるべく弱め界磁制御(弱め磁束制御)が一般的に用いられる。
一般的な弱め界磁制御は、負のd軸電流を電機子巻線に流すことによって達成されるが、この場合、永久磁石自身にも負のd軸電流に由来する反磁界が直接加わるため、永久磁石の減磁が発生する惧れがある。また、d軸電流を流す分、電機子巻線における銅損が増加して電機子巻線の発熱が増加する。更に、電機子巻線に供給可能な電流量には上限があるため、d軸電流を流せばその分だけq軸電流(トルクに関与する電流成分)を減少させる必要があり、結果、高速回転時に発生トルクが低下する。
これらの事情を考慮したハイブリッド励磁型モータが提案されている。ハイブリッド励磁型モータでは、固定された界磁巻線を電機子巻線とは別に設け、界磁巻線による界磁と永久磁石による界磁とを併用して界磁磁束を制御する。
例えば、第1の従来構造では、複数のステータ間に界磁巻線を設けている(下記特許文献1参照)。但し、複数のステータ間に界磁巻線を設けると、必然的にステータが長くなってモータが大型化する。
また、第2の従来構造では、ロータとステータのバックヨークとの間を結ぶ磁気回路を構成するためのヨークを設けている(下記特許文献2参照)。但し、ロータとステータのバックヨーク(ステータ巻線よりも外側に位置するヨーク)との間を結ぶ磁気回路の磁路(特許文献2の図5における符号G又はG’)は長いため、モータが大型化する。また、バックヨークはモータを固定するためのモータフレームの一部を形成するため、界磁巻線(特許文献2の界磁コイル46)によって発生された界磁磁束が、モータフレームの周辺部材を経由して漏れる惧れがある。
尚、クローポールを有するモータ構造も提案されているが(下記特許文献3参照)、クローポールを有するモータでは積層鋼板を利用できないため高効率化が困難である。
特開平6−351206号公報 特開2004−350414号公報 特開2004−72827号公報
そこで本発明は、永久磁石による界磁と界磁巻線による界磁とを併用可能なモータであって且つ小型化に寄与する永久磁石同期モータを提供することを目的とする。また、本発明は、その永久磁石同期モータに対するモータ制御装置及びその永久磁石同期モータを利用するモータ駆動システムを提供することを目的とする。
本発明に係る永久磁石同期モータは、第1界磁磁束を発生する永久磁石が設けられたロータと、前記ロータを回転駆動するための電機子巻線が設けられたステータと、前記ロータの回転軸方向における端部の外側に配置された、第2界磁磁束を発生させるための界磁巻線と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る永久磁石同期モータは、ロータ端部外側のスペースを利用するため、上述の従来構造と比べてモータの小型化が図られる。
具体的には例えば、前記第2界磁磁束の発生時において、前記第1及び第2界磁磁束の合成界磁磁束が前記電機子巻線を鎖交するように、前記界磁巻線は配置される。
より具体的には例えば、前記ロータは、前記永久磁石の内周側に位置する内周鉄心及び前記永久磁石の外周側に位置する外周鉄心を有し、前記内周鉄心及び前記外周鉄心間に前記永久磁石を配設して構成され、前記ロータの回転軸方向における端部の外側に、前記界磁巻線と共に界磁巻線ヨークが配置され、前記界磁巻線によって発生した前記第2界磁磁束が、前記界磁巻線ヨーク、前記内周鉄心、前記外周鉄心及び前記ステータを形成するステータ鉄心を経由する磁路を通るように、前記界磁巻線ヨーク、前記内周鉄心及び前記外周鉄心が形成されている。
界磁巻線ヨーク、ロータの内周鉄心及び外周鉄心並びにステータ鉄心を経由する磁気回路を形成するため、ロータ端部外側のスペースを利用するだけで済み、上述の従来構造と比べてモータの小型化が図られる。また、副界磁磁束がモータフレームを通らないので周辺部材を経由して副界磁磁束が漏れる惧れもない(或いは少ない)。
更に具体的には例えば、前記ロータはインナーロータであり、前記界磁巻線ヨークは、前記界磁巻線の前記ステータ側に位置する外周ヨーク部及び前記界磁巻線よりも内周側に位置する内周ヨーク部を含み、前記内周鉄心及び前記外周鉄心の夫々は、前記永久磁石のN極側に接合されたN極接合部及び前記永久磁石のS極側に接合されたS極接合部を含み、前記外周鉄心のN極接合部及びS極接合部の内の何れか一方にのみ前記回転軸方向に突出した突出部を持たせ、前記突出部と前記外周ヨーク部を対向させることによって、その対向両者間の経路を前記磁路に含め、前記内周鉄心のN極接合部及びS極接合部の内の何れか一方又は双方を前記内周ヨーク部に対向させることによって、その対向両者間の経路を前記磁路に含める。
或いは具体的には例えば、前記ロータはアウターロータであり、前記界磁巻線ヨークは、前記界磁巻線の前記ステータ側に位置する内周ヨーク部及び前記界磁巻線よりも外周側に位置する外周ヨーク部を含み、前記内周鉄心及び前記外周鉄心の夫々は、前記永久磁石のN極側に接合されたN極接合部及び前記永久磁石のS極側に接合されたS極接合部を含み、前記内周鉄心のN極接合部及びS極接合部の内の何れか一方にのみ前記回転軸方向に突出した突出部を持たせ、前記突出部と前記内周ヨーク部を対向させることによって、その対向両者間の経路を前記磁路に含め、前記外周鉄心のN極接合部及びS極接合部の内の何れか一方又は双方を前記外周ヨーク部に対向させることによって、その対向両者間の経路を前記磁路に含める。
また例えば、前記界磁巻線ヨーク及び前記突出部の内の何れか一方又は双方は、圧粉磁性材料を用いて形成される。
本発明に係るモータ制御装置は、上記永久磁石同期モータを制御するモータ制御装置であって、前記ロータの静止時に、前記ロータの磁極位置を推定するための前記第2界磁磁束を前記界磁巻線に発生させる界磁磁束制御部を備えたことを特徴とする。
本発明に係る他のモータ制御装置は、上記永久磁石同期モータを制御するモータ制御装置であって、前記ロータの回転時に、前記ロータの回転速度に応じて前記合成界磁磁束を弱めるための前記第2界磁磁束を前記界磁巻線に発生させる、或いは、必要トルクに応じて前記合成界磁磁束を強めるための前記第2界磁磁束を前記界磁巻線に発生させる界磁磁束制御部を備えたことを特徴とする。
本発明に係るモータ駆動システムは、上記永久磁石同期モータと、前記モータを回転駆動するために前記モータ内の前記電機子巻線に電機子電流を供給するインバータと、前記第2界磁磁束を発生させるために前記モータ内の前記界磁巻線に界磁電流を供給する界磁回路と、前記インバータ及び前記界磁回路に対する制御を介して前記モータを制御するモータ制御装置と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、永久磁石による界磁と界磁巻線による界磁とを併用可能なモータであって且つ小型化に寄与する永久磁石同期モータを提供することが可能となる。また、その永久磁石同期モータに対するモータ制御装置及びその永久磁石同期モータを利用するモータ駆動システムを提供することが可能となる。
本発明の意義ないし効果は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも本発明の一つの実施形態であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
本発明の第1実施形態に係るモータの全体構造を示す概略図である。 図1のステータのみを抽出して示した図である。 図1のロータの断面図である。 図1のロータとZ軸との関係を示す図である。 図1のモータの構成要素名称を列記した図である。 図1のロータの断面図であって、ロータ積層鉄心が内周積層鉄心、外周積層鉄心及びブリッジ部に大別されることを示す図である。 図1のステータのA−A'断面とロータの一部のB−B'断面を合成して示した図である(突出部を不図示)。 本発明の第1実施形態に係り、ステータのA−A'断面とロータ及び界磁巻線部のB−B'断面とを合成した図である。 図8の界磁巻線部を形成する界磁巻線ヨークの外観斜視図(a)及び分解図(b)である。 Z軸方向が図面の左右方向に合致するような視点から見た、図8の界磁巻線ヨークの外観図である。 図8のロータ左側に位置する界磁巻線ヨークの、XY座標面上への投影図(Z軸の正側から見た投影図)と、図8のロータ右側に位置する界磁巻線ヨークの、XY座標面上への投影図(Z軸の負側から見た投影図)である。 Z軸の正側から見た図8のロータの外観平面図(a)と、Z軸の負側から見た図8のロータの外観平面図(b)である。 図8に、副界磁磁束の磁路を重畳した図である。 図8の2つの界磁巻線の結線方法の第1及び第2例を示す図である。 図8に示すモータ構造の変形例を示す図である。 図8に示すモータ構造の他の変形例を示す図である。 Z軸の負側から見た図16のロータの外観平面図である。 本発明の第2実施形態に係るモータの全体構造を示す概略図である。 本発明の第2実施形態に係り、ロータブラケットの断面図とロータの外観図を分離して示した図である。 図18のロータの断面図である。 図18のモータの構成要素名称を列記した図である。 図18のステータのA1−A1'断面とロータの一部のB1−B1'断面を合成して示した図である(突出部を不図示)。 本発明の第2実施形態に係り、ステータのA1−A1'断面とロータ及び界磁巻線部のB1−B1'断面とを合成した図である。 Z軸方向が図面の左右方向に合致するような視点から見た、図23の界磁巻線ヨークの外観図である。 図23の界磁巻線ヨークの、XY座標面上への投影図(Z軸の負側から見た投影図)である。 Z軸の正側から見た図23のロータの外観平面図(a)と、Z軸の負側から見た図23のロータの外観平面図(b)である。 本発明の第3実施形態に係り、モータ駆動システム内の一部回路図を含む、モータ駆動システムの全体ブロック図である。 本発明の第3実施形態に係り、図27のモータの解析モデル図である。
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、モータの構造を表す図面において、図示の簡略化のため又は便宜上、外観上現れる部位の一部の図示を省略することがある。
<<第1実施形態>>
本発明の第1実施形態に係るモータ1の構造を説明する。図1は、モータ1の全体構造を示す概略図である。モータ1は、永久磁石を鉄心内に埋め込んで形成されたロータ20と、ロータ20の外側に固定配置されるステータ10と、を有する埋込磁石同期モータである。ロータ20は、ステータ10の内側に配置されるため、ロータ20はインナーロータであり、モータ1は、インナーロータ型のモータと呼べる。図2は、ステータ10のみを抽出して示した図である。図3は、ロータ20の断面図である。尚、図1及び図2では、図示の便宜上、ステータ10及びロータ20の部材が存在する部分に模様を付している。
ステータ10は、磁性材料(強磁性体)である鋼板(ケイ素鋼板など)をロータ20の回転軸方向に複数枚積層することによって形成されたステータ積層鉄心11を有し、ステータ積層鉄心11には、6つのスロット12と内周方向に突出した6つのティース(歯)13が交互に形成されている。そして、コイルを配置するためのスロット12を利用して、各ティース13の周りにコイル(図2において不図示)を巻くことによってステータ10の電機子巻線が形成される。つまり、ステータ10は、所謂6コイル集中巻ステータである。尚、スロット数、ティース数及びコイル数は6以外であってもよい。
以下、ロータ20の回転軸をZ軸とする。図4に示す如く、円筒形状を有するロータ20の中心にZ軸上の原点Oをとる。原点Oを境界にして、任意の点のZ軸座標値の極性は正と負に分類される。図1は、Z軸の正側から見た、モータ1の構造を表しており、図2は、Z軸の正側から見た、Z軸の直交面に沿ったステータ10の平面図(又は断面図)である。図3は、Z軸の正側から見た、Z軸の直交面に沿ったロータ20の断面図である。図1におけるA−A'線及びB−B'線に関しては後述する。
ロータ20は、Z軸上に円心を有する円盤状の鋼板を絶縁膜を介して複数枚Z軸方向に積層することによって形成されたロータ積層鉄心21と、ロータ20の回転軸を中心軸として有する円柱状のシャフト22と、4つの板状の永久磁石31〜34と、夫々が隣接する永久磁石間に位置する非磁性体35〜38とを有し、それらを互いに結合することによって形成される。
ロータ積層鉄心21を形成する各鋼板は、磁性材料(強磁性体)から成り、例えばケイ素鋼板である。各鋼板及びそれにて形成されるロータ積層鉄心21には、シャフト22、永久磁石31〜34及び非磁性体35〜38を挿入するための、Z軸方向に伸びる挿入穴が設けられており、その挿入穴内にシャフト22、永久磁石31〜34及び非磁性体35〜38が挿入され且つ固定される。
今、図3の断面図上のシャフト22の中心に原点Oが存在するものとし、X軸、Y軸及びZ軸から成る実空間上の直交座標系を定義する。X軸はY軸及びZ軸に直交すると共にY軸はX軸及びZ軸に直交し、X軸、Y軸及びZ軸は原点Oにて交差する。原点Oを境界にして、任意の点のX軸座標値の極性は正と負に分類され、且つ、任意の点のY軸座標値の極性は正と負に分類される。図3及び後述の図6等を含む、XY座標面に沿った断面図において、右側及び左側が夫々X軸の正側及び負側に対応し、上側及び下側が夫々Y軸の正側及び負側に対応する。
XY座標面上において、ロータ積層鉄心21の外周形状は円であると共にその円の中心は原点Oと合致し、シャフト22の断面形状は円であると共にその円の中心は原点Oと合致する。
XY座標面上において、各永久磁石31〜34の断面形状は長方形であり、永久磁石31及び33における該長方形の中心はY軸上に位置し且つ永久磁石32及び34における該長方形の中心はX軸上に位置する。但し、永久磁石31〜34は、夫々、原点Oから見て、Y軸の正側、X軸の正側、Y軸の負側及びX軸の負側に位置する。XY座標面上において、ロータ20はX軸を対称軸とする線対称の構造を有すると共にY軸を対称軸とする線対称の構造を有する。
XY座標面上において、
永久磁石31内の下側及び上側に夫々永久磁石31のN極及びS極が位置し、
永久磁石32内の右側及び左側に夫々永久磁石32のN極及びS極が位置し、
永久磁石33内の上側及び下側に夫々永久磁石33のN極及びS極が位置し、
永久磁石34内の左側及び右側に夫々永久磁石34のN極及びS極が位置する。
XY座標面上において、非磁性体35〜38の断面形状は三角形又は三角形の類似形状であり、XY座標面における第1、第4、第3及び第2象限に、夫々、非磁性体35、36、37及び38が位置する。より具体的には、XY座標面上において、
永久磁石31の右側であって且つ永久磁石32の上側に非磁性体35が位置すると共に、永久磁石31及び非磁性体35間と永久磁石32及び非磁性体35間を含む、非磁性体35の周辺部には、ロータ積層鉄心21の一部であるブリッジ部が介在し、
永久磁石33の右側であって且つ永久磁石32の下側に非磁性体36が位置すると共に、永久磁石33及び非磁性体36間と永久磁石32及び非磁性体36間を含む、非磁性体36の周辺部には、ロータ積層鉄心21の一部であるブリッジ部が介在し、
永久磁石33の左側であって且つ永久磁石34の下側に非磁性体37が位置すると共に、永久磁石33及び非磁性体37間と永久磁石34及び非磁性体37間を含む、非磁性体37の周辺部には、ロータ積層鉄心21の一部であるブリッジ部が介在し、
永久磁石31の左側であって且つ永久磁石34の上側に非磁性体38が位置すると共に、永久磁石31及び非磁性体38間と永久磁石34及び非磁性体38間を含む、非磁性体38の周辺部には、ロータ積層鉄心21の一部であるブリッジ部が介在する。
尚、非磁性体35〜38は、空気で満たされるべき空隙であってもよい。
図5に、説明の理解の容易化を図るため、モータ1の構成要素名称を列記する。図5に示す全名称の意義は、後述の説明から明らかとなる。
更に、図6を参照する。図6も、図3と同様、Z軸の正側から見た、XY座標面に沿ったロータ20の断面図である。図3のロータ積層鉄心21は、永久磁石31〜34の内周側に位置する内周積層鉄心と、永久磁石31〜34の外周側に位置する外周積層鉄心と、上記ブリッジ部と、に大別される。図6において、符号40が付された斜線領域が内周積層鉄心に相当し、符号51〜54が付された斜線領域の全体が外周積層鉄心に相当し、ロータ積層鉄心21の全体から内周積層鉄心及び外周積層鉄心を除いた残部領域がブリッジ部に相当する。符号51〜54が付された斜線領域の夫々は、外周積層鉄心の構成要素であり、それらを外周鉄心本体と呼ぶ(図5も参照)。
XY座標面上において、外周鉄心本体51は、永久磁石31に隣接し且つ永久磁石31よりもY軸の正方向側に位置し、外周鉄心本体52は、永久磁石32に隣接し且つ永久磁石32よりもX軸の正方向側に位置し、外周鉄心本体53は、永久磁石33に隣接し且つ永久磁石33よりもY軸の負方向側に位置し、外周鉄心本体54は、永久磁石34に隣接し且つ永久磁石34よりもX軸の負方向側に位置する。
モータ1のより詳細な構造及び機能を説明する上で、ステータ10に関しては図1のA−A'線に沿った断面(A−A'断面)を想定し、ロータ20に関しては図1のB−B'線に沿った断面(B−B'断面)を想定する。B−B'線は、Y軸上の正の点及びX軸上の正の点を夫々始点及び終点とし且つZ軸上にて折れ曲がる折れ線である。A−A'線は、XY座標面上の第2象限の点及びX軸上の正の点を夫々始点及び終点とし且つZ軸上にて折れ曲がる折れ線である。但し、A−A'線の始点からZ軸に向かう線上に或る1つのティース13が位置し、且つ、Z軸からA−A'線の終点に向かう線上に他の1つのティース13が位置する。尚、それらのティース13間には更に他の1つのティース13が存在する。
図7は、ステータ10のA−A'断面とロータ20の一部のB−B'断面を合成して示した図である。実際にはロータ20に突出部が設けられるが、図7において、その突出部は示されていない。
図7の左右方向はZ軸方向と合致し、図7の右側がZ軸の正側に対応する(後述の図8、図10、図13、図15及び図16についても同様)。ロータ20は、空隙AG1及びAG2を介してステータ積層鉄心11と磁気的に結合する。外周鉄心本体51側に位置する、ステータ積層鉄心11の一部であるティース13を符号13Aによって表し、外周鉄心本体52側に位置する、ステータ積層鉄心11の一部であるティース13を符号13Bによって表す。外周鉄心本体51とティース13A間に空隙AG1が介在し、外周鉄心本体52とティース13B間に空隙AG2が介在する。
ロータ20のB−B'断面において、永久磁石31とシャフト22間には内周積層鉄心40の一部が存在するが(図6参照)、それを、内周鉄心本体41と呼ぶ。同様に、永久磁石32とシャフト22間には内周積層鉄心40の他の一部が存在するが、それを内周鉄心本体42と呼ぶ。
図7に示す如く、ステータ10のA−A'断面とロータ20のB−B'断面を合成した図では、ティース13Aから見て、ティース13Aとティース13Bとの間に、空隙AG1、外周鉄心本体51、永久磁石31、内周鉄心本体41、シャフト22、内周鉄心本体42、永久磁石32、外周鉄心本体52及び空隙AG2がこの順番で配置される。尚、永久磁石31及び32内に示された矢印は、夫々、永久磁石31及び32内における磁束の向きを表している。
上記の如く構成されたモータ1では、永久磁石31〜34が発生する磁束が界磁磁束(第1界磁磁束)として働き、ステータ10に設けられた電機子巻線に適切な電機子電流を流すことによってロータ20が回転駆動される。
ところで、埋込磁石同期モータに代表される突極機の高速回転時においては、永久磁石に由来してモータ内で生じる誘起電圧の過度の上昇を抑えるべく弱め界磁制御(弱め磁束制御)が一般的に用いられる。一般的な弱め界磁制御は、負のd軸電流を電機子巻線に流すことによって達成されるが、本実施形態に係るモータ1では、ロータ20の外側に設けられた界磁巻線から界磁磁束を注入することによって弱め界磁制御を実現する。
この界磁巻線の説明を含めた、より詳細なモータ1の構造説明を行う。モータ1は、実際には、ステータ10及びロータ20に加えて、界磁巻線ヨークFY1及びFY2と界磁巻線FW1及びFW2とを有している。界磁巻線ヨーク及び界磁巻線を総称して界磁巻線部とも呼ぶ。
図8に、ステータ10のA−A'断面とロータ20及び界磁巻線部のB−B'断面とを合成した図を示す。ロータ20は、実際には、図3又は図6に示すロータ積層鉄心21、シャフト22、永久磁石31〜34及び非磁性体35〜37に、突出部41a、41b、42a、42b、51b及び52aを追加した構造を有する。図8の断面図において、界磁巻線ヨークFY1及び界磁巻線FW1から成る界磁巻線部は、ロータ20の右側(Z軸方向における正側)に固定して配置され、界磁巻線ヨークFY2及び界磁巻線FW2から成る界磁巻線部は、ロータ20の左側(Z軸方向における負側)に固定して配置される。
各突出部は、鉄などの磁性材料の粉末を圧縮成型した圧粉磁性材料から成る(但し、それらを鋼板によって形成するようにしてもよい)。
突出部41a及び41bの夫々は、ロータ20の内周鉄心本体41の、回転軸方向における端面から、回転軸方向に突出するように内周鉄心本体41に接合される。但し、突出部41aは、Z軸の正側における内周鉄心本体41の端面からZ軸の正の方向側に突出しており、突出部41bは、Z軸の負側における内周鉄心本体41の端面からZ軸の負の方向側に突出している。
突出部42a及び42bの夫々は、ロータ20の内周鉄心本体42の、回転軸方向における端面から、回転軸方向に突出するように内周鉄心本体42に接合される。但し、突出部42aは、Z軸の正側における内周鉄心本体42の端面からZ軸の正の方向側に突出しており、突出部42bは、Z軸の負側における内周鉄心本体42の端面からZ軸の負の方向側に突出している。
突出部51bは、ロータ20の外周鉄心本体51の、回転軸方向における端面から、回転軸方向に突出するように外周鉄心本体51に接合される。但し、突出部51bは、Z軸の負側における外周鉄心本体51の端面からZ軸の負の方向側に突出している。
突出部52aは、ロータ20の外周鉄心本体52の、回転軸方向における端面から、回転軸方向に突出するように外周鉄心本体52に接合される。但し、突出部52aは、Z軸の正側における外周鉄心本体52の端面からZ軸の正の方向側に突出している。
図9(a)に、界磁巻線ヨークFY1の外観斜視図を示す。図9(b)に、界磁巻線ヨークFY1の分解図を示す。界磁巻線ヨークFY2は、界磁巻線ヨークFY1と同じ構造を有するため、界磁巻線ヨークFY2の外観斜視図等の図示は割愛する。図10に、Z軸方向が図面の左右方向に合致するような視点から見た、界磁巻線ヨークFY1及びFY2の外観図を示す。図11(a)に、Z軸の正側から見た界磁巻線ヨークFY2の、XY座標面上への投影図を示す。図11(b)に、Z軸の負側から見た界磁巻線ヨークFY1の、XY座標面上への投影図を示す。
界磁巻線ヨークFY1は、Z軸上に円心を有する円柱状の磁性材料に、シャフト22を通すための、Z軸方向に伸びる穴部65と、界磁巻線FW1を配置するためのスロット(窪み)62と、を設けたものである。分解して考えると、界磁巻線ヨークFY1は、円筒形状を有する底面ヨーク部60の上に、夫々が円筒形状を有する内周ヨーク部61及び外周ヨーク部63を、それらの円心が全てZ軸上にのるように接合したもの、と捉えることができる。外周ヨーク部63における内周側の円の半径は内周ヨーク部61における外周側の円の半径よりも大きい。Z軸方向から見た場合において、外周ヨーク部63は内周ヨーク部61の外側に位置し、スロット62は外周ヨーク部63と内周ヨーク部61との間に位置している。界磁巻線FW1は、内周ヨーク部61の外周に沿ってZ軸周りに巻かれる。また、内周ヨーク部61及び外周ヨーク部63の端面(底面ヨーク部60の反対側に位置する端面)は、Z軸に直交する同一平面上にのる。
界磁巻線ヨークFY2は、Z軸上に円心を有する円柱状の磁性材料に、シャフト22を通すための、Z軸方向に伸びる穴部75と、界磁巻線FW2を配置するためのスロット(窪み)72と、を設けたものである。分解して考えると、界磁巻線ヨークFY2は、円筒形状を有する底面ヨーク部70の上に、夫々が円筒形状を有する内周ヨーク部71及び外周ヨーク部73を、それらの円心が全てZ軸上にのるように接合したもの、と捉えることができる。外周ヨーク部73における内周側の円の半径は内周ヨーク部71における外周側の円の半径よりも大きい。Z軸方向から見た場合において、外周ヨーク部73は内周ヨーク部71の外側に位置し、スロット72は外周ヨーク部73と内周ヨーク部71との間に位置している。界磁巻線FW2は、内周ヨーク部71の外周に沿ってZ軸周りに巻かれる。また、Z軸方向における内周ヨーク部71及び外周ヨーク部73の端面(底面ヨーク部70の反対側に位置する端面)は、Z軸に直交する同一平面上にのる。
界磁巻線ヨークFY1及びFY2は、鉄などの磁性材料の粉末を圧縮成型した圧粉磁性材料から成る(但し、それらを鋼板によって形成するようにしてもよい)。
図8を再び参照して、上記のように構成された界磁巻線部の配置位置を詳細に説明する。Z軸方向から見た場合において、界磁巻線ヨークFY1の外周の半径(換言すれば、外周ヨーク部63における外周側の円の半径)及び界磁巻線ヨークFY2の外周の半径(換言すれば、外周ヨーク部73における外周側の円の半径)は、ロータ20の外周の半径と一致或いは略一致している。
そして、界磁巻線ヨークFY1の内周ヨーク部61と突出部41a及び42aとが対向し、且つ、界磁巻線ヨークFY1の外周ヨーク部63と突出部52aとが対向するように、界磁巻線ヨークFY1を配置する。突出部41a及び42aの端面と内周ヨーク部61の端面は微小な空隙を介して面し、且つ、突出部52aの端面と外周ヨーク部63の端面は微小な空隙を介して面する。
同様に、界磁巻線ヨークFY2の内周ヨーク部71と突出部41b及び42bとが対向し、且つ、界磁巻線ヨークFY2の外周ヨーク部73と突出部51bとが対向するように、界磁巻線ヨークFY2を配置する。突出部41b及び42bの端面と内周ヨーク部71の端面は微小な空隙を介して面し、且つ、突出部51bの端面と外周ヨーク部73の端面は微小な空隙を介して面する。
また、図12(a)に、Z軸の正側から見た、ロータ20の外観平面図を示す。図12(a)において、斜線が付された部分が、ロータ積層鉄心21の端面からZ軸の正側に突出している部分であり、符号41aa、42aa及び52aaが付された破線領域内に、夫々、突出部41a、42a及び52aが位置する。図12(b)に、Z軸の負側から見た、ロータ20の外観平面図を示す。図12(b)において、斜線が付された部分が、ロータ積層鉄心21の端面からZ軸の負側に突出している部分であり、符号51bb、41bb及び42bbが付された破線領域内に、夫々、突出部51b、41b及び42bが位置する。
尚、突出部42a及び52aが形成されたことに伴い、Z軸の正側における永久磁石32の端面が突出部42a及び52aの端面に合うように、永久磁石32もZ軸の正側に突出させる(但し、この突出は必須ではない)。同様に、突出部51b及び41bが形成されたことに伴い、Z軸の負側における永久磁石31の端面が突出部51b及び41bの端面に合うように、永久磁石31もZ軸の負側に突出させる(但し、この突出は必須ではない)。
次に、図13を参照して、界磁巻線FW1及びFW2に電流を流した時における磁束の様子を説明する。図13の矢印付き折れ線100は、界磁巻線FW1及びFW2に電流を流すことによって発生した磁束の磁路及び該磁束の向きを表している。但し、矢印付き折れ線100における向きは、永久磁石による界磁磁束を弱める方向の電流を界磁巻線FW1及びFW2に流した場合における向きである。界磁巻線FW1及びFW2は、図14(a)に示す如く並列接続されている、或いは、図14(b)に示す如く直列接続されている。
以下、永久磁石31〜34から得られる界磁磁束を主界磁磁束(第1界磁磁束)と呼び、界磁巻線FW1及びFW2に電流を流すことによって発生した磁束を副界磁磁束(第2界磁磁束)と呼ぶ。後に、界磁巻線を1つしか設けない例も示すが、その例では、1つの界磁巻線に電流を流すことによって発生した磁束を副界磁磁束(第2界磁磁束)と呼ぶ。
図13において、破線101内に位置する、矢印付き折れ線100の一部は、副界磁磁束が界磁巻線ヨークFY1の底面ヨーク部60を円周方向に沿って通る様子を示しており、破線102内に位置する、矢印付き折れ線100の一部は、副界磁磁束が界磁巻線ヨークFY2の底面ヨーク部70を円周方向に沿って通る様子を示している。また、矢印付き折れ線100の両端103及び104は、ティース13B及び13Aを含むステータ積層鉄心11により、極めて微小な磁気抵抗で接続される。
永久磁石の比透磁率は1に近い値(例えば、1.1)を有する一方で、ステータ積層鉄心、界磁巻線ヨーク、ロータ積層鉄心及びロータ積層鉄心に接合される突出部の比透磁率は十分に大きな値(例えば、数百〜数万)を有する。このため、副界磁磁束の磁路は、以下に示す、第1磁路及び第2磁路を、磁束の主経路として有する。第2磁路は、第1磁路の一部の分岐路に相当する。
界磁巻線ヨークFY1の底面ヨーク部60を起点にして考える。第1磁路は、破線102に対応する部分を含む磁路である。具体的には、第1磁路は、底面ヨーク部60を起点として、内周ヨーク部61の内の、突出部42aに面している部分と、突出部42aと、内周鉄心本体42と、突出部42bと、内周ヨーク部71の内の、突出部42bに面している部分と、底面ヨーク部70と、外周ヨーク部73の内の、突出部51bに面している部分と、突出部51と、外周鉄心本体51と、ティース13B及び13Aを含むステータ積層鉄心11と、外周鉄心本体52と、突出部52aと、外周ヨーク部63の内の、突出部52aに面している部分と、を通じて底面ヨーク部60に至る磁路である。尚、当然ではあるが、磁束の通り道となる任意の磁性材料間に空隙が存在する場合、磁束は、その空隙をも通る。
第2磁路は、破線101に対応する部分を含む磁路である。具体的には、第2磁路は、底面ヨーク部60と、内周ヨーク部61の内の、突出部41aに面している部分と、突出部41aと、内周鉄心本体41と、突出部41bと、内周ヨーク部71の内の、突出部41bに面している部分と、底面ヨーク部70と、を結ぶ経路を経由する磁路であり、底面ヨーク部60及び底面ヨーク部70において、第1及び第2磁路は合流する。
内周鉄心本体41及び42を含む内周積層鉄心40と内周積層鉄心40に接合される突出部(41a、41b、42a及び42bを含む)は、全体として「ロータ内周鉄心」を形成し、外周鉄心本体51及び52を含む外周積層鉄心と外周積層鉄心に接合される突出部(51b及び52aを含む)は、全体として「ロータ外周鉄心」を形成する(図5も参照)。そして、上記のような副界磁磁束の磁路が形成されるように、ロータ内周鉄心及びロータ外周鉄心並びに界磁巻線部を形成及び配置する。これにより、副界磁磁束の発生時には、永久磁石による主界磁磁束と界磁巻線による副界磁磁束の合成磁束が、ステータ10の電機子巻線の鎖交磁束となる。
上記の如くモータを構成すれば、ロータの端部外側に設けられた界磁巻線に界磁電流を供給することによって弱め界磁制御を実現可能である。この際、界磁巻線による磁界は永久磁石自体に直接加わらないため、永久磁石の減磁の惧れがない。また、弱め界磁制御を実現するに当たり、電機子巻線に負のd軸電流を流す必要がないため、d軸電流による電機子巻線の発熱増加が解消される(発熱箇所が分散される)。また、d軸電流の分だけq軸電流(トルクに関与する電流成分)を減少させる必要もなくなるため、高速回転時における発生トルクの低下も抑制される。
加えて、ロータ内周鉄心とロータ外周鉄心を結ぶ磁気回路を形成する界磁巻線ヨークをロータ端部外側に配置する構成であるため、ロータ端部外側のスペースを利用するだけで済み、上述の従来構造と比べてモータの小型化が図られる。更に、副界磁磁束の磁気回路にバックヨーク(ステータ巻線よりも外側に位置し、モータフレームの一部を形成するヨーク)が含まれないため、副界磁磁束がモータフレームの周辺部材を経由して漏れる惧れもない。
尚、上述の説明から明らかであるが、外周鉄心本体51の界磁巻線ヨークFY1側及び外周鉄心本体52の界磁巻線ヨークFY2側には、突出部を設けない。仮に、外周鉄心本体51の界磁巻線ヨークFY1側にも突出部を設けたならば、図13の断面図上のティース13A及びシャフト22間に位置する、ロータ鉄心部分と界磁巻線ヨークFY1及びFY2とで閉磁路が形成されてしまい、副界磁磁束がステータ10の電機子巻線を鎖交しなくなるからである。このような事態の発生を避けるべく、外周鉄心本体51と外周ヨーク部63との間の空隙長及び外周鉄心本体52と外周ヨーク部73との間の空隙長を十分に大きくとる。例えば、それらの空隙長をステータ−ロータ間の空隙長(即ち、空隙AG1及びAG2の長さ)の5倍〜数10倍とする。
モータ1の構造の一部を変形することが可能である。モータ1の構造変形例として、以下に、第1〜第3構造変形例を説明する。第1〜第3構造変形例に述べる変形をモータ1に加えても、上述の同様の作用及び効果が得られる。尚、変形が施されていない、上述のモータ1の構造を、以下「モータ1の基本構造」又は単に「基本構造」と呼ぶ。矛盾なき限り、第1〜第3構造変形例の内の2以上を、組み合わせて実施することも可能である。
[第1構造変形例]
モータ1の基本構造では、突出部41a、41b、42a及び42bを設けることによって、ロータ内周鉄心を界磁巻線ヨークFY1側及び界磁巻線ヨークFY2側に突出させているが、この突出の全部又は一部をなくすようにしてもよい。つまり、ロータ20から突出部41a、41b、42a及び42bの全部又は一部を省いても良い。但し、この場合、上述した副界磁磁束の磁路と同等の磁路が形成されるように、界磁巻線ヨークの内周ヨーク部をロータ20側に突出させる。
例えば、ロータ20から突出部41a、41b、42a及び42bの全部を省く場合は、界磁巻線ヨークFY1の内周ヨーク部61が内周鉄心本体41及び42と微小な空隙を介して対向する(面する)ように基本構造と比べて内周ヨーク部61を内周鉄心本体41及び42側に突出させ、且つ、界磁巻線ヨークFY2の内周ヨーク部71が内周鉄心本体41及び42と微小な空隙を介して対向する(面する)ように基本構造と比べて内周ヨーク部71を内周鉄心本体41及び42側に突出させる。
[第2構造変形例]
モータ1の基本構造では、突出部41a、41b、42a及び42bを設けることによって、ロータ内周鉄心を界磁巻線ヨークFY1側及び界磁巻線ヨークFY2側に突出させているが、突出部41a及び42aの内、何れか一方をなくすようにしてもよく、同様に、突出部41b及び42bの内、何れか一方をなくすようしてもよい。
突出部41a及び42aの内、何れか一方のみをなくすのであれば、第1構造変形例で述べたような内周ヨーク部61の突出は不要であり、突出部41b及び42bの内、何れか一方のみをなくすのであれば、第1構造変形例で述べたような内周ヨーク部71の突出は不要である。これは、内周鉄心本体41及び42を含む内周積層鉄心40が、永久磁石のN極にもS極にも繋がっているためである。
例えば、モータ1の基本構造から突出部41a及び42bを削除した場合は、図15に示すような副界磁磁束の磁路が形成される。図15の矢印付き折れ線110は、界磁巻線FW1及びFW2に電流を流すことによって発生した副界磁磁束の磁路及び副界磁磁束の向きを表している。但し、矢印付き折れ線110における向きは、永久磁石による界磁磁束を弱める方向の電流を界磁巻線FW1及びFW2に流した場合における向きである。
界磁巻線ヨークFY1の底面ヨーク部60を起点にして副界磁磁束の磁路を考える。突出部41a及び42bを削除した場合、副界磁磁束は、底面ヨーク部60と、内周ヨーク部61の内の、突出部42aに面している部分と、突出部42aと、内周鉄心本体42とを通った後、内周鉄心本体42から内周鉄心本体41に向かってZ軸周りに内周鉄心本体41及び42を含む内周積層鉄心40内を通る。内周鉄心本体41から、副界磁磁束は、突出部41bと、内周ヨーク部71の内の、突出部41bに面している部分と、底面ヨーク部70と、外周ヨーク部73の内の、突出部51bに面している部分と、突出部51bと、外周鉄心本体51と、ティース13B及び13Aを含むステータ積層鉄心11と、外周鉄心本体52と、突出部52aと、外周ヨーク部63の内の、突出部52aに面している部分と、底面ヨーク部60とを経由する磁路内を通る。
内周鉄心本体41は、永久磁石31のN極側に接合された部分(N極接合部)であり、内周鉄心本体42は、永久磁石32のS極側に接合された部分(S極接合部)である。尚、外周鉄心本体51及び52を含む外周積層鉄心も、内周積層鉄心40と同様、永久磁石のN極及びS極に繋がっている。外周鉄心本体51は、永久磁石31のS極側に接合された部分(S極接合部)であり、外周鉄心本体52は、永久磁石32のN極側に接合された部分(N極接合部)である。
[第3構造変形例]
モータ1の基本構造では、界磁巻線及び界磁巻線ヨークから成る界磁巻線部を、ロータ20の両端に1つずつ配置しているが、界磁巻線部をロータ20の一端側に1つだけ設けるようにしてもよい。即ち、モータ1の基本構造から、界磁巻線FW2及び界磁巻線ヨークFY2を削除するようにしていもよい。ロータ20から界磁巻線FW2及び界磁巻線ヨークFY2を削除した場合におけるロータを、ロータ20aと呼ぶ。
図16に、ステータ10のA−A'断面とロータ20a及び界磁巻線部のB−B'断面とを合成した図を示す。ロータ20aは、図3又は図6に示すロータ積層鉄心21、シャフト22、永久磁石31〜34及び非磁性体35〜37に、突出部41a、41bA、42a、42b、51b及び52aを追加した構造を有する。そして、界磁巻線ヨークFY1及び界磁巻線FW1から成る界磁巻線部が、ロータ20aの右側(Z軸方向における正側)に固定して配置される。
第3構造変形例に係るロータ20aには、基本構造におけるロータ20の突出部41bの代わりに突出部41bAに設けられ、更に、突出部41bAと突出部51b間に所定の空隙長を有する空隙41bAGが設けられている。この他の点において、ロータ20aと基本構造におけるロータ20は同様である。
突出部41bAは、ロータ20aの内周鉄心本体41の、回転軸方向における端面から、回転軸方向に突出するように内周鉄心本体41に接合される。但し、突出部41bAは、Z軸の負側における内周鉄心本体41の端面からZ軸の負の方向側に突出している。更に、突出部41bAは、永久磁石31の、Z軸の負側における端面の一部を覆っており、Z軸の直交方向であるY軸方向において、突出部51bと突出部41bAとの間には空隙41bAGが存在する。
図17に、Z軸の負側から見た、ロータ20aの外観平面図を示す。図17において、斜線が付された部分が、ロータ積層鉄心21及び永久磁石31〜34の端面からZ軸の負側に突出している部分であり、符号51bb、41bAb及び42bbが付された破線領域内に、夫々、突出部51b、41bA及び42bが位置する。Z軸の負側から見た場合において、空隙41bAGが位置する部分は突出しておらず、その部分に、突出部を形成する圧粉磁性材料は存在しない。
図16の矢印付き折れ線120は、界磁巻線FW1に電流を流すことによって発生した副界磁磁束の磁路及び副界磁磁束の向きを表している。但し、矢印付き折れ線120における向きは、永久磁石による界磁磁束を弱める方向の電流を界磁巻線FW1に流した場合における向きである。
界磁巻線ヨークFY1の底面ヨーク部60を起点にして副界磁磁束の磁路を考える。副界磁磁束は、底面ヨーク部60から、内周ヨーク部61、突出部41a及び42a、内周鉄心本体41及び42を経由して突出部41bA及び42bに通じ、その後、空隙41bAGと、突出部51bと、外周鉄心本体51と、ティース13B及び13Aを含むステータ積層鉄心11と、外周鉄心本体52と、突出部52aと、外周ヨーク部63の内の、突出部52aに面している部分とを通じて底面ヨーク部60に至る。空隙41bAGは、矢印付き破線121に示すような閉磁路の形成を防ぐために設けられる。
尚、ロータ20aに対して上述の第1又は第2構造変形例を適用してもよい。即ち、ロータ20aから突出部41a及び/又は42aを省いても良い。但し、この場合、矢印付き折れ線120に示す磁路と略同等の磁路が形成されるように、必要に応じて、界磁巻線ヨークFY1の内周ヨーク部61をロータ20a側に突出させる。
<<第2実施形態>>
第1実施形態ではインナーロータ型のモータの構造を説明したが、第1実施形態で述べた技術的内容をアウターロータ型のモータに適用することもできる。アウターロータ型のモータであるモータ201の構造を第2実施形態として説明する。
モータ201は、永久磁石を鉄心内に埋め込んで形成されたロータ220と、ロータ220の内側に固定配置されるステータ210と、を有する埋込磁石同期モータである。ロータ220は、ステータ210の外側に配置されるため、ロータ220はアウターロータである。
図18は、ステータ210及びロータ220の全体構造を示す概略図である。尚、図18では、図示の便宜上、ステータ210及びロータ220の部材が存在する部分に模様を付している。ステータ210は、磁性材料(強磁性体)である鋼板(ケイ素鋼板など)をロータ220の回転軸方向に複数枚積層することによって形成されたステータ積層鉄心211を有し、ステータ積層鉄心211には、6つのスロット212と外周方向に突出した6つのティース(歯)213が交互に形成されている。そして、コイルを配置するためのスロット212を利用して、各ティース213の周りにコイル(図18において不図示)を巻くことによってステータ210の電機子巻線が形成される。つまり、ステータ210は、所謂6コイル集中巻ステータである。尚、スロット数、ティース数及びコイル数は6以外であってもよい。また、ロータ220の回転軸方向に沿った、ステータ積層鉄心211の中央部には穴が開いている。
第2実施形態では、ロータ220の回転軸をZ軸とする。図19に示す如く、ロータ220はロータブラケット205に嵌め込まれ、ロータブラケット205と一体となってロータ220は回転する。図19は、ロータブラケット205の断面図とロータ220の外観図を分離して示した図である。ロータブラケット205は、円筒形状の部材である。但し、この円筒の一端には金属等で形成された底面が設けられている一方、他端は開放となっている。この円筒内にロータ220が固定される。ロータ220が固定される部分から見て、底面が存在する側をZ軸の負側、開放されている側をZ軸の正側とする。尚、図18は、Z軸方向の正側から見たステータ210及びロータ220の全体構造を表している。
図20は、Z軸の正側から見た、Z軸の直交面に沿ったロータ220の断面図である。ロータ220には突出部が設けられるが、図20の断面図は、その突出部を通らない部分の断面図である。今、図20の断面図上の中心に原点Oが存在するものとし、X軸、Y軸及びZ軸から成る実空間上の直交座標系を定義する。X軸はY軸及びZ軸に直交すると共にY軸はX軸及びZ軸に直交し、X軸、Y軸及びZ軸は原点Oにて交差する。原点Oを境界にして、任意の点のX軸座標値の極性は正と負に分類され、且つ、任意の点のY軸座標値の極性は正と負に分類される。図20、図25並びに図26(a)及び(b)を含む、XY座標面に沿った断面図において、右側及び左側が夫々X軸の正側及び負側に対応し、上側及び下側が夫々Y軸の正側及び負側に対応する。
ロータ220は、所定形状を有する磁性材料の鋼板(ケイ素鋼板など)を絶縁膜を介して複数枚Z軸方向に積層することによって形成されたロータ積層鉄心と、4つの永久磁石231〜234と、を有し、それらを互いに結合することによって形成される。永久磁石231〜234は、Z軸上に円心を持つ1つの円筒形状の永久磁石を、Z軸に平行な切断面に沿って4等分したものに相当する。永久磁石231〜234の形状及び大きさは同じである。原点Oから見て、永久磁石231〜234の中心は、夫々、Y軸の正側、X軸の正側、Y軸の負側及びX軸の負側に位置する。原点Oと永久磁石の中心との間の距離は、永久磁石231〜234間で同じである。永久磁石231のN極の方が永久磁石231のS極よりも原点Oに近く、永久磁石232のS極の方が永久磁石232のN極よりも原点Oに近く、永久磁石233のN極の方が永久磁石233のS極よりも原点Oに近く、永久磁石234のS極の方が永久磁石234のN極よりも原点Oに近い。XY座標面上において、ロータ220はX軸を対称軸とする線対称の構造を有すると共にY軸を対称軸とする線対称の構造を有する。
ロータ積層鉄心は、内周積層鉄心240及び外周積層鉄心250と、両者を結合するブリッジ部(不図示)から形成される。内周積層鉄心240は、永久磁石231〜234の内周側に位置し(永久磁石231〜234の原点O側に位置し)、外周積層鉄心250は、永久磁石231〜234の外周側に位置する。外周積層鉄心250及び内周積層鉄心240は、共に、Z軸上に円心を有する円筒形状の部材である。外周積層鉄心250の半径は内周積層鉄心240の半径よりも大きく、両者間に永久磁石231〜234が挟まれて結合され、ロータ積層鉄心と永久磁石231〜234が一体となってZ軸周りを回転する。図20及び(後述の図26(a)及び(b))において、内周積層鉄心240内に示された4つの四角形は、隣接する永久磁石間近傍に位置する、内周積層鉄心240内に設けられた非磁性体部を表す。この非磁性体部は、例えば、空気で満たされるべき空隙である。
モータ201のより詳細な構造及び機能を説明する上で、ステータ210に関しては図18のA1−A1'線に沿った断面(A1−A1'断面)を想定し、ロータ220に関しては図18のB1−B1'線に沿った断面(B1−B1'断面)を想定する。B1−B1'線は、Y軸上の正の点及びX軸上の正の点を夫々始点及び終点とし且つZ軸上にて折れ曲がる折れ線である。A1−A1'線は、XY座標面上の第2象限の点及びX軸上の正の点を夫々始点及び終点とし且つZ軸上にて折れ曲がる折れ線である。但し、A1−A1'線の始点からZ軸に向かう線上に或る1つのティース213が位置し、且つ、Z軸からA1−A1'線の終点に向かう線上に他の1つのティース213が位置する。尚、それらのティース213間には更に他の1つのティース213が存在する。
図21に、説明の理解の容易化を図るため、モータ201の構成要素名称を列記する。図21に示す全名称の意義は、後述の説明から明らかとなる。
図22は、ステータ210のA1−A1'断面とロータ220の一部のB1−B1'断面を合成して示した図である。実際にはロータ220に突出部が設けられるが、図22において、その突出部は示されていない。
図22の左右方向はZ軸方向と合致し、図22の右側がZ軸の正側に対応する(後述の図23及び図24についても同様)。ロータ220は、空隙AG3及びAG4を介してステータ積層鉄心11と磁気的に結合する。
ロータ220のB1−B1'断面において、永久磁石231とステータ210間には内周積層鉄心240の一部が存在するが、それを、内周鉄心本体241と呼ぶ。同様に、永久磁石232とステータ210間には内周積層鉄心240の他の一部が存在するが、それを内周鉄心本体242と呼ぶ(図21も参照)。また、ロータ220のB1−B1'断面において、永久磁石231の外周側に外周積層鉄心250の一部が存在するが、それを外周鉄心本体251と呼ぶ。同様に、永久磁石232の外周側に外周積層鉄心250の他の一部が存在するが、それを外周鉄心本体252と呼ぶ(図21も参照)。更に、内周鉄心本体241とステータ積層鉄心211との間の空隙をAG3にて表し、内周鉄心本体242とステータ積層鉄心211との間の空隙をAG4にて表す。尚、永久磁石231及び232内に示された矢印は、夫々、永久磁石231及び232内における磁束の向きを表している。
上記の如く構成されたモータ201では、永久磁石231〜234が発生する磁束が界磁磁束(第1界磁磁束)として働き、ステータ210に設けられた電機子巻線に適切な電機子電流を流すことによってロータ220が回転駆動される。
実際には、モータ201には、ステータ210及びロータ220に加えて界磁巻線ヨークFY3及び界磁巻線FW3から成る界磁巻線部が設けられており、且つ、ロータ220には、更に突出部が設けられている。
図23に、ステータ210のA1−A1'断面とロータ220及び界磁巻線部のB1−B1'断面とを合成した図を示す。ロータ220には、突出部251a、241a、242b、252a及び252bが設けられている。図23の断面図において、界磁巻線ヨークFY3及び界磁巻線FW3から成る界磁巻線部は、ロータ220の右側(ロータブラケット205の開放側であって、Z軸方向における正側)に固定して配置される。
各突出部は、鉄などの磁性材料の粉末を圧縮成型した圧粉磁性材料から成る(但し、それらを鋼板によって形成するようにしてもよい)。
突出部251a、241a及び252aは、夫々、外周鉄心本体251、内周鉄心本体241及び外周鉄心本体252の、回転軸方向における端面から、回転軸方向に突出するように外周鉄心本体251、内周鉄心本体241及び外周鉄心本体252に接合される。但し、突出部251a、241a及び252aは、夫々、Z軸の正側における、外周鉄心本体251、内周鉄心本体241及び外周鉄心本体252の端面からZ軸の正の方向側に突出している。
突出部242b及び252bは、夫々、内周鉄心本体242及び外周鉄心本体252の、回転軸方向における端面から、回転軸方向に突出するように内周鉄心本体242及び外周鉄心本体252に接合される。但し、突出部242b及び252bは、夫々、Z軸の負側における、内周鉄心本体242及び外周鉄心本体252の端面からZ軸の負の方向側に突出している。
ロータ220から見て、Z軸の正側には界磁巻線部が位置し、Z軸の負側にはロータブラケット205の底面が位置する。
図24に、Z軸方向が図面の左右方向に合致するような視点から見た、界磁巻線ヨークFY3の外観図を示す。図25に、Z軸の負側から見た界磁巻線ヨークFY3の、XY座標面上への投影図を示す。
界磁巻線ヨークFY3は、Z軸上に円心を有する円柱状の磁性材料に、ロータ220の回転軸を中心線として有する穴部265と、界磁巻線FW3を配置するためのスロット(窪み)262と、を設けたものである。穴部265には、ステータ210が配置される。分解して考えると、界磁巻線ヨークFY3は、円筒形状を有する底面ヨーク部260の上に、夫々が円筒形状を有する内周ヨーク部261及び外周ヨーク部263を、それらの円心が全てZ軸上にのるように接合したもの、と捉えることができる。外周ヨーク部263における内周側の円の半径は内周ヨーク部261における外周側の円の半径よりも大きい。Z軸方向から見た場合において、外周ヨーク部263は内周ヨーク部261の外側に位置し、スロット262は外周ヨーク部263と内周ヨーク部261との間に位置している。界磁巻線FW3は、内周ヨーク部261の外周に沿ってZ軸周りに巻かれる。また、内周ヨーク部261及び外周ヨーク部263の端面(底面ヨーク部260の反対側に位置する端面)は、Z軸に直交する同一平面上にのる。
界磁巻線ヨークFY3は、鉄などの磁性材料の粉末を圧縮成型した圧粉磁性材料から成る(但し、それらを鋼板によって形成するようにしてもよい)。
図23を再び参照して、上記のように構成された界磁巻線部の配置位置を詳細に説明する。Z軸方向から見た場合において、界磁巻線ヨークFY3の外周の半径(換言すれば、外周ヨーク部263における外周側の円の半径)は、ロータ220の外周の半径と一致或いは略一致している。
そして、界磁巻線ヨークFY3の内周ヨーク部261と突出部241aとが対向し、且つ、界磁巻線ヨークFY3の外周ヨーク部263と突出部251a及び252aとが対向するように、界磁巻線ヨークFY3を配置する。突出部241aの端面と内周ヨーク部261の端面は微小な空隙を介して面し、且つ、突出部251a及び252aの端面と外周ヨーク部263の端面は微小な空隙を介して面する。
また、図26(a)に、Z軸の正側から見た、ロータ220の外観平面図を示す。図26(a)において、斜線が付された部分が、ロータ積層鉄心(内周積層鉄心240及び外周積層鉄心250)の端面からZ軸の正側に突出している部分であり、符号251aa、241aa及び252aaが付された破線領域内に、夫々、突出部251a、241a及び252aが位置する。
尚、突出部251a及び241aが形成されたことに伴い、Z軸の正側における永久磁石231の端面が突出部251a及び241aの端面に合うように、永久磁石231もZ軸の正側に突出させる(但し、この突出は必須ではない)。
図26(b)に、Z軸の負側から見た、ロータ220の外観平面図を示す。図26(b)において、斜線が付された部分が、ロータ積層鉄心(内周積層鉄心240及び外周積層鉄心250)の端面からZ軸の負側に突出している部分であり、符号242bb及び252bbが付された破線領域内に、夫々、突出部242b及び252bが位置する。また、突出部252bは、永久磁石232の、Z軸の負側における端面の一部を覆っており、Z軸の直交方向であるX軸方向において、突出部242bと突出部252bとの間には空隙252bAGが存在する。Z軸の負側から見た場合において、空隙252bAGが位置する部分は突出しておらず、その部分に、突出部を形成する圧粉磁性材料は存在しない。
第2実施形態では、永久磁石231〜234から得られる界磁磁束が主界磁磁束(第1界磁磁束)として機能し、界磁巻線FW3に電流を流すことによって発生した磁束が副界磁磁束(第2界磁磁束)として機能する。
図23の矢印付き折れ線300は、界磁巻線FW3に電流を流すことによって発生した副界磁磁束の磁路及び副界磁磁束の向きを表している。但し、矢印付き折れ線300における向きは、永久磁石による界磁磁束を弱める方向の電流を界磁巻線FW3に流した場合における向きである。
界磁巻線ヨークFY3の底面ヨーク部260を起点にして副界磁磁束の磁路を考える。この磁路は、底面ヨーク部260を起点として、外周ヨーク部263の内の、突出部251aに面している部分と、突出部251aと、外周鉄心本体251と、突出部252bと、突出部242bと、内周鉄心本体242と、ステータ積層鉄心211と、内周鉄心本体241と、突出部241aと、内周ヨーク部261の内の、突出部241aに面している部分と、内周ヨーク部261と、を通じて底面ヨーク部260に至る磁路である。空隙252bAGは、矢印付き破線310に示すような閉磁路の形成を防ぐために設けられる。
内周鉄心本体241及び242を含む内周積層鉄心240と内周積層鉄心240に接合される突出部(241a及び242bを含む)は、全体として「ロータ内周鉄心」を形成し、外周鉄心本体251及び252を含む外周積層鉄心250と外周積層鉄心250に接合される突出部(251a、252a及び252bを含む)は、全体として「ロータ外周鉄心」を形成する(図21も参照)。そして、上記のような副界磁磁束の磁路が形成されるように、ロータ内周鉄心及びロータ外周鉄心並びに界磁巻線部を形成及び配置する。これにより、副界磁磁束の発生時には、永久磁石による主界磁磁束と界磁巻線による副界磁磁束の合成磁束が、ステータ210の電機子巻線の鎖交磁束となる。
本実施形態に係るモータでも、第1実施形態に係るモータと同様の作用及び効果が得られる。尚、上述の第2の従来構造に類似させて、仮に、アウターロータの外周部分とステータの内周ヨーク部分(Z軸近傍の部分)を結ぶ磁気回路を形成する構造を採用すると、モータが大型化する。
また、上述の説明から明らかであるが、内周鉄心本体242の界磁巻線ヨークFY3側には、突出部は設けられていない。仮に、内周鉄心本体242の界磁巻線ヨークFY3側にも突出部を設けたならば、ロータ鉄心部分と界磁巻線部とから成る閉磁路が形成されてしまい、副界磁磁束がステータ210の電機子巻線を鎖交しなくなるからである。このような事態の発生を避けるべく、内周鉄心本体242と内周ヨーク部261との間の空隙長を十分に大きくとる。例えば、それらの空隙長をステータ−ロータ間の空隙長(即ち、空隙AG3及びAG4の長さ)の5倍〜数10倍とする。
モータ201の構造の一部を以下のように変形することが可能である。モータ201の構造変形例として、以下に、第4及び第5構造変形例を説明する。第4及び第5構造変形例に述べる変形をモータ201に加えても、上述の同様の作用及び効果が得られる。尚、変形が施されていない、上述のモータ201の構造を「基本構造」と呼ぶ。
[第4構造変形例]
ロータ220から突出部251a及び252aを省く一方で、矢印付き折れ線300に示す磁路と略同等の磁路が形成されるように、基本構造と比べて、界磁巻線ヨークFY3の外周ヨーク部263をロータ220側に突出させるようにしてもよい。例えば、突出部251a及び252aを省く場合、界磁巻線ヨークFY3の外周ヨーク部263が外周鉄心本体251と微小な空隙を介して対向する(面する)ように、外周ヨーク部263の内の、外周鉄心本体251に近い部位を、外周鉄心本体251側に突出させる。或いは、界磁巻線ヨークFY3の外周ヨーク部263が外周鉄心本体252と微小な空隙を介して対向する(面する)ように、外周ヨーク部263の内の、外周鉄心本体252に近い部位を、外周鉄心本体252側に突出させる。或いは、それらの双方の突出を同時に行っても良い。
[第5構造変形例]
また、界磁巻線ヨークFY3の外周ヨーク部263をロータ220側に突出させることなく、突出部251a及び252aの内の何れか一方を削除することが可能である。これは、外周鉄心本体251及び252を含む外周積層鉄心250が、永久磁石のN極にもS極にも繋がっているためである。
外周鉄心本体251は、永久磁石231のS極側に接合された部分(S極接合部)であり、外周鉄心本体252は、永久磁石232のN極側に接合された部分(N極接合部)である。尚、内周鉄心本体241及び242を含む内周積層鉄心240も、外周積層鉄心250と同様、永久磁石のN極及びS極に繋がっている。内周鉄心本体241は、永久磁石231のN極側に接合された部分(N極接合部)であり、内周鉄心本体242は、永久磁石232のS極側に接合された部分(S極接合部)である。
<<第3実施形態>>
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態では、第1又は第2実施形態で説明したモータを利用したモータ駆動システムを説明する。
図27は、第3実施形態に係るモータ駆動システム400内の一部回路図を含む、モータ駆動システム400の全体ブロック図である。モータ駆動システム400は、モータ401と、モータ401内の電機子巻線に電機子電流を供給してモータ401内のロータ420を回転駆動するPWM(Pulse Width Modulation)インバータ402と、マイクロコンピュータ等にて形成されるモータ制御装置403と、モータ401内の界磁巻線部430に界磁電流を供給するための界磁回路404と、電流センサ部405と、直流電源406と、を備える。
モータ401には、ステータ410、ロータ420及び界磁巻線部430が設けられ、モータ制御装置403には、電流検出部451、初期磁極位置推定部452、電圧指令値生成部453及び界磁指令値生成部454が設けられる。
モータ401は、第1又は第2実施形態で述べた任意のモータである。例えば、モータ401が第1実施形態の基本構造を有するモータ1であるとすれば、ステータ410及びロータ420は夫々ステータ10及びロータ20であり(図1参照)且つ界磁巻線部430は界磁巻線ヨークFY1及びFY2並びに界磁巻線FW1及びFW2から成る(図8参照)。
界磁巻線部430に2つの界磁巻線が設けられている場合、2つの界磁巻線は並列接続されて、2つの界磁巻線の各一端は端子431に共通接続され且つ2つの界磁巻線の各他端は端子432に共通接続される(図14(a)参照)。或いは、2つの界磁巻線は直列接続されて1つの合成巻線を形成し、その合成巻線の一端及び他端が夫々端子431及び432に接続される(図14(b)参照)。界磁巻線部430に設けられる界磁巻線が1つである場合、その1つの界磁巻線の一端及び他端が夫々端子431及び432に接続される。本実施形態において、以下、単に界磁巻線といった場合、それは界磁巻線部430に設けられた界磁巻線を意味するものとする。
モータ401は、三相式の永久磁石同期モータとして形成されている。このため、ステータ410には、U相の電機子巻線410u、V相の電機子巻線410v及びW相の電機子巻線410wが設けられる。電機子巻線410u、410v及び410wは、中性点410Nを中心にY結線(スター結線)されている。本実施形態において、以下、単に電機子巻線といった場合、それはステータ410に設けられた電機子巻線を意味するものとする。
PWMインバータ402(以下、インバータ402と略記する)は、U相用のハーフブリッジ回路、V相用のハーフブリッジ回路及びW相用のハーフブリッジ回路を備えた三相ブリッジインバータである。界磁回路404は、第1相用のハーフブリッジ回路及び第2相用のハーフブリッジ回路を備えた二相ブリッジインバータである。
PWMインバータ402及び界磁回路404内の各ハーフブリッジ回路は、直列接続された一対のスイッチング素子を有し、各ハーフブリッジ回路に直流電源406から出力される直流電圧が印加される。また、各スイッチング素子には、直流電源406の低電圧側から高電圧側に向かう方向を順方向とするフリーホイールダイオードが並列接続される。各スイッチング素子は、例えば、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)である。
U相用、V相用及びW相用のハーフブリッジ回路を形成する一対のスイッチング素子間の接続点は、夫々、中性点410Nと反対側の電機子巻線410u、410v及び410wの一端に接続される。第1相用及び第2相用のハーフブリッジ回路を形成する一対のスイッチング素子間の接続点は、夫々、端子431及び432に接続される。
インバータ402は、モータ制御装置403から与えられた三相電圧指令値に基づいてU相、V相及びW相のハーフブリッジ回路に対するPWM信号(パルス幅変調信号)を生成し、該PWM信号をインバータ402内の各スイッチング素子の制御端子(ゲート)に与えることで、各スイッチング素子をスイッチング動作させる。三相電圧指令値は、U相電圧指令値vu *、V相電圧指令値vv *及びW相電圧指令値vw *から構成される。
直流電源406の出力電圧であるインバータ402への入力電圧は、三相電圧指令値に従うインバータ402内の各スイッチング素子のスイッチング動作によって、PWM変調(パルス幅変調)された三相交流電圧に変換される。その三相交流電圧がモータ401(ステータ410内の電機子巻線)に印加されることによって、電機子巻線410u、410v及び410wに、三相交流電圧に応じた電流が流れてロータ420が回転駆動される。
ステータ410内の電機子巻線に対してインバータ402が印加する全体電圧をモータ印加電圧Vaと呼び、インバータ402からステータ410内の電機子巻線に供給される全体電流をモータ供給電流Iaと呼ぶ。インバータ402によるスイッチング制御によって、モータ印加電圧VaのU相成分、V相成分及びW相成分の電圧値は、夫々、U相電圧指令値vu *、V相電圧指令値vv *及びW相電圧指令値vw *に従う。
界磁回路404は、モータ制御装置403から与えられた界磁電圧指令値に基づいて第1相用及び第2相用のハーフブリッジ回路に対するPWM信号(パルス幅変調信号)を生成し、該PWM信号を界磁回路404内の各スイッチング素子の制御端子(ゲート)に与えることで、各スイッチング素子をスイッチング動作させる。界磁電圧指令値は、第1相電圧指令値ve1 *及び第2相電圧指令値ve2 *から構成される。界磁指令値生成部454が電圧指令値生成部453からの界磁電流指令に従って第1相及び第2相電圧指令値ve1 *及びve2 *を生成及び出力する。
直流電源406の出力電圧である界磁回路404への入力電圧は、界磁電圧指令値に従う界磁回路404内の各スイッチング素子のスイッチング動作によって、PWM変調(パルス幅変調)された交流電圧又はパルス状電圧などに変換される。その変換によって得られた電圧が界磁巻線部430の界磁巻線に印加されることによって、その電圧に応じた界磁電流が界磁巻線に流れ、その界磁電流によって生じた副界磁磁束が電機子巻線を鎖交する。
電流センサ部405は、モータ供給電流IaのU相成分であるU相電流iuの電流値を表すアナログ信号と、モータ供給電流IaのV相成分であるV相電流ivの電流値を表すアナログ信号と、を出力する2つの電流センサからなる。電流検出部451は、その2つの電流センサからのアナログ信号をデジタル信号に変換することによって、U相電流iu及びV相電流ivの電流値を検出する。また、必要に応じて、関係式「iw=−iu−iv」に基づき、モータ供給電流IaのW相成分であるW相電流iwの電流値も検出される。尚、モータ供給電流IaのU相成分、V相成分、W相成分とは、夫々、モータ供給電流Iaの内の、電機子巻線410u、410v及び410wに流れる電流成分である。
ここで、図28を参照する。図28は、モータ401の解析モデル図である。図28には、U相、V相、W相の電機子巻線固定軸(以下、U相軸、V相軸及びW相軸という)が示されている。ロータ420内の永久磁石が作る磁束の回転速度と同じ速度で回転する回転座標系において、その永久磁石が作る磁束の方向をd軸にとり、d軸から電気角で90度進んだ位相にq軸をとる。ロータ420の回転時において、d軸及びq軸は回転しており、その回転速度をωで表す。また、U相軸から見たd軸の角度(位相)をθにより表す。図28において、半時計回り方向が位相の進み方向であり、θは、U相軸から見た、d軸の進み方向の角度(位相)である。θにて表される角度は、電気角における角度であり、それを磁極位置と呼ぶ。ωにて表される回転速度は、電気角における角速度である。尚、V相及びW相軸は、U相軸から見て、夫々、電気角で120度及び240度だけ進んでいる。
[ロータ静止時における磁極位置推定]
初期磁極位置推定部452は、ロータ420の静止時において、界磁巻線部430を利用して磁極位置θを推定する。
具体的には例えば、ロータ420の静止時において、電圧指令値生成部453及び界磁指令値生成部454が協働し、界磁巻線にパルス状の界磁電流を流すことによって電機子巻線に副界磁磁束に由来する誘起電圧を発生させる。この際、誘起電圧に由来する電流が電機子巻線を介して流れることが可能なようにインバータ402内のスイッチング素子をオンとしておく(通電状態にしておく)ことにより、磁極位置θの推定を実現する。
例えば、インバータ402内のU相、V相及びW相の下アームを全てオンとし且つ上アームを全てオフとするための三相電圧指令値(vu *、vv *及びvw *)を生成する一方で、界磁巻線にパルス状の界磁電流を流すための界磁電圧指令値(ve1 *及びve2 *)を生成する。この界磁電流を流すことによって電機子巻線に流れた電流の電流値は電流センサ部405及び電流検出部451によって検出され、初期磁極位置推定部452は、その検出値(iu、iv及びiw)に基づいて磁極位置θを推定する。
或いは、界磁巻線にパルス状の界磁電流を流しつつ、インバータ402内のスイッチング素子を1相ずつ順番にオンにし、各相の電機子巻線への通電の有無に基づいて磁極位置θを推定してもよい。即ち例えば、界磁巻線にパルス状の界磁電流を流しつつ、U相の下アーム、V相の下アーム及びW相の下アームのみを1つずつ順番にオンとする。そして、U相の下アームをオンとしている時においてU相電流iuが流れたか否かを検出し、且つ、V相の下アームをオンとしている時においてV相電流ivが流れたか否かを検出し、且つ、W相の下アームをオンとしている時においてW相電流iwが流れたか否かを検出する。初期磁極位置推定部452は、それらの検出結果に基づいて磁極位置θを推定する。この場合は、60度単位にて磁極位置θを推定することが可能である。
尚、U相の上アーム及び下アームとは、夫々、U相のハーフブリッジ回路を形成する一対のスイッチング素子の内の、高電圧側及び低電圧側のスイッチング素子を指す。V相及びW相に対しても同様である。
また、ロータ420の静止時において、パルス状の界磁電流ではなく交番電流を界磁電流として界磁巻線に流すことにより、磁極位置θを推定してもよい。つまり、ロータ420の静止時において、電圧指令値生成部453及び界磁指令値生成部454が協働し、界磁巻線に交番電流を流すことによって電機子巻線に副界磁磁束に由来する誘起電圧を発生させる。この際、誘起電圧に由来する交番電流が電機子巻線を介して流れることが可能なようにインバータ402内のスイッチング素子をオンとしておく(通電状態にしておく)ことにより、磁極位置θの推定を実現する。
例えば、インバータ402内のU相、V相及びW相の下アームを全てオンとし且つ上アームを全てオフとするための三相電圧指令値(vu *、vv *及びvw *)を生成する一方で、界磁巻線に交番電流を流すための界磁電圧指令値(ve1 *及びve2 *)を生成する。初期磁極位置推定部452は、界磁巻線に交番電流を流すことによって電機子巻線に流れた交番電流の位相を、電流センサ部405及び電流検出部451と協働して検出することにより磁極位置θを推定する。例えば、界磁巻線に流した交番電流の位相が、検出された交番電流としてのU相電流iuの位相と同じであれば磁極位置θは0度と推定され、界磁巻線に流した交番電流の位相が、検出された交番電流としてのV相電流ivの位相と同じであれば磁極位置θは120度と推定される。尚、界磁巻線に交番電流を流すことによって電機子巻線に流れた交番電流の位相は、U相、V相及びW相軸から成る固定座標面上における、その交番電流の電流ベクトルの向きを表している。従って、この手法は、その電流ベクトルの向きに基づいて磁極位置θを推定する手法である、と言える。
或いは、界磁巻線に界磁電流として交番電流を流しつつ、インバータ402内のスイッチング素子を1相ずつ順番にオンにし、各相の電機子巻線への通電の有無に基づいて磁極位置θを推定してもよい。即ち例えば、界磁巻線に交番電流を流しつつ、U相の下アーム、V相の下アーム及びW相の下アームのみを1つずつ順番にオンとする。そして、U相の下アームをオンとしている時においてU相電流iuが流れたか否かを検出し、且つ、V相の下アームをオンとしている時においてV相電流ivが流れたか否かを検出し、且つ、W相の下アームをオンとしている時においてW相電流iwが流れたか否かを検出する。初期磁極位置推定部452は、それらの検出結果に基づいて磁極位置θを推定する。この場合は、60度単位にて磁極位置θを推定することが可能である。
[ロータ回転時における動作]
ロータ420の静止時における磁極位置θが推定された後、電圧指令値生成部453は、その推定された磁極位置θをもとにロータ420を回転始動させる。モータ駆動システム400の内部又は外部にて生成された回転速度指令値ω*が電圧指令値生成部453に与えられる。ロータ420を回転始動後、電圧指令値生成部453は、フィードバック制御を用い、電流検出部451の検出結果(iu、ivの検出値)に基づいて磁極位置θを逐次推定すると共にロータ420の回転速度ωが回転速度指令値ω*に追従するように三相電圧指令値(vu *、vv *及びvw *)を生成及び出力する。この際、ベクトル制御を用いることが可能である。尚、逐次推定された磁極位置θは、所望の界磁電圧指令値(ve1 *及びve2 *)を生成するために、界磁指令値生成部454によって参照される。
ロータ420の回転時において、電圧指令値生成部453は、必要に応じ、界磁電流指令を界磁指令値生成部454に出力することによって、モータ401の界磁磁束を制御する。
例えば、ロータ420の高速回転時において、永久磁石に由来してモータ内で生じる誘起電圧の過度の上昇を抑える必要がある場合には、弱め界磁制御(弱め磁束制御)を実現するための界磁電流指令を界磁指令値生成部454に与える。この場合、界磁指令値生成部454は、弱め界磁制御用の副界磁磁束が界磁巻線に発生するように界磁電圧指令値(ve1 *及びve2 *)を生成する。弱め界磁制御用の副界磁磁束は、ロータ420内の永久磁石による電機子巻線の鎖交磁束を弱める方向の磁束であり、その磁束の発生の有無及びその磁束の大きさは、ロータ420の回転速度ωに応じて決定される。
また例えば、ロータ420の負荷トルクが大きく、ロータ420に発生させるべきトルク(必要トルク)を高める必要がある場合、強め界磁制御(強め磁束制御)を実現するための界磁電流指令を界磁指令値生成部454に与える。この場合、界磁指令値生成部454は、強め界磁制御用の副界磁磁束が界磁巻線に発生するように界磁電圧指令値(ve1 *及びve2 *)を生成する。強め界磁制御用の副界磁磁束は、ロータ420内の永久磁石による電機子巻線の鎖交磁束を強める方向の磁束であり、その磁束の発生の有無及びその磁束の大きさは、必要トルクの大きさに応じて決定される。
尚、第1又は第2実施形態で述べたように、副界磁磁束の発生時には、永久磁石による主界磁磁束と界磁巻線による副界磁磁束の合成磁束が、ステータ410の電機子巻線の鎖交磁束となり、弱め界磁制御用の副界磁磁束によって、その合成磁束は弱められ、強め界磁制御用の副界磁磁束によって、その合成磁束は強められる。
また、ロータ420が一定速度で回転している時において、横軸に磁極位置θをとり且つ縦軸に永久磁石による電機子巻線の鎖交磁束をとって該鎖交磁束の波形を描いた場合、その波形は理想的には正弦波となる。但し、実際には、複数のティースが分散配置されている事などに由来して、その正弦波は歪む。この歪みの存在は、モータに対する制御精度を劣化させる方向に作用する。これを考慮し、ロータ420の回転時において、電機子巻線の鎖交磁束整形用の副界磁磁束を界磁巻線に発生させるようにしてもよい。電機子巻線の鎖交磁束整形用の副界磁磁束は上記の歪みを低減するための磁束であり、その副界磁磁束の発生によって、永久磁石及び界磁電流による電機子巻線の鎖交磁束(上記合成磁束に相当)の波形は正弦波に近づく。
<<変形等>>
上述した説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。上述の実施形態の変形例または注釈事項として、以下に、注釈1〜注釈5を記す。各注釈に記載した内容は、矛盾なき限り、任意に組み合わせることが可能である。
[注釈1]
第3実施形態では、磁極位置θを推定によって導出しているが、磁極位置θに応じた信号を出力する磁極位置センサ(ホール素子、レゾルバ等)の出力信号に基づいて、それを導出するようにしてもよい。
[注釈2]
第3実施形態では、電流センサ部405を用いてU相電流iu及びV相電流ivを直接検出するようにしているが、直流電源406とインバータ402との間に流れる直流電流に基づいて、それらを検出するようにしてもよい。
[注釈3]
第3実施形態で述べた各種の指令値(vu *及びve1 *など)や状態量(θ、ωなど)を含む、導出されるべき全ての値の導出手法は任意である。即ち、例えば、それらを、モータ制御装置403内での演算によって導出するようにしてもよいし、予め設定しておいたテーブルデータから導出するようにしてもよい。
[注釈4]
モータ制御装置403の機能の一部または全部は、例えば汎用マイクロコンピュータ等に組み込まれたソフトウェア(プログラム)を用いて実現される。ソフトウェアを用いてモータ制御装置403を実現する場合、モータ制御装置403の各部の構成を示すブロック図は機能ブロック図を表すこととなる。勿論、ソフトウェア(プログラム)ではなく、ハードウェアのみによって、或いは、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって、モータ制御装置403を形成することも可能である。
[注釈5]
上述の実施形態で述べたモータ及びモータ駆動システムは、モータを利用する任意の機器に適用可能である。その機器には、圧縮機、電気自動車などが含まれる。圧縮機は、モータの回転力(厳密にはロータの回転力)を駆動源として冷媒ガス(不図示)の圧縮を行う。
1、201 モータ
10、210 ステータ
11、211 ステータ積層鉄心
12、212 スロット
13、213 ティース
20、220 ロータ
21 ロータ積層鉄心
22 シャフト
31〜34、231〜234 永久磁石
40、240 内周積層鉄心
250 外周積層鉄心
41、42、241、242 内周鉄心本体
51〜54、251、252 外周鉄心本体
41a、41b、42a、42b、51b、52a、251a、241a、242b、252a及び252b 突出部
FW1、FW2、FW3 界磁巻線
FY1、FY2、FW3 界磁巻線ヨーク
60、70、260 底面ヨーク部
61、71、261 内周ヨーク部
63、73、263 外周ヨーク部
AG1〜AG4 空隙

Claims (9)

  1. 第1界磁磁束を発生する永久磁石が設けられたロータと、
    前記ロータを回転駆動するための電機子巻線が設けられたステータと、
    前記ロータの回転軸方向における端部の外側に配置された、第2界磁磁束を発生させるための界磁巻線と、を備えた
    ことを特徴とする永久磁石同期モータ。
  2. 前記第2界磁磁束の発生時において、前記第1及び第2界磁磁束の合成界磁磁束が前記電機子巻線を鎖交するように、前記界磁巻線は配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の永久磁石同期モータ。
  3. 前記ロータは、前記永久磁石の内周側に位置する内周鉄心及び前記永久磁石の外周側に位置する外周鉄心を有し、前記内周鉄心及び前記外周鉄心間に前記永久磁石を配設して構成され、
    前記ロータの回転軸方向における端部の外側に、前記界磁巻線と共に界磁巻線ヨークが配置され、
    前記界磁巻線によって発生した前記第2界磁磁束が、前記界磁巻線ヨーク、前記内周鉄心、前記外周鉄心及び前記ステータを形成するステータ鉄心を経由する磁路を通るように、前記界磁巻線ヨーク、前記内周鉄心及び前記外周鉄心が形成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の永久磁石同期モータ。
  4. 前記ロータはインナーロータであり、
    前記界磁巻線ヨークは、前記界磁巻線の前記ステータ側に位置する外周ヨーク部及び前記界磁巻線よりも内周側に位置する内周ヨーク部を含み、
    前記内周鉄心及び前記外周鉄心の夫々は、前記永久磁石のN極側に接合されたN極接合部及び前記永久磁石のS極側に接合されたS極接合部を含み、
    前記外周鉄心のN極接合部及びS極接合部の内の何れか一方にのみ前記回転軸方向に突出した突出部を持たせ、前記突出部と前記外周ヨーク部を対向させることによって、その対向両者間の経路を前記磁路に含め、
    前記内周鉄心のN極接合部及びS極接合部の内の何れか一方又は双方を前記内周ヨーク部に対向させることによって、その対向両者間の経路を前記磁路に含める
    ことを特徴とする請求項3に記載の永久磁石同期モータ。
  5. 前記ロータはアウターロータであり、
    前記界磁巻線ヨークは、前記界磁巻線の前記ステータ側に位置する内周ヨーク部及び前記界磁巻線よりも外周側に位置する外周ヨーク部を含み、
    前記内周鉄心及び前記外周鉄心の夫々は、前記永久磁石のN極側に接合されたN極接合部及び前記永久磁石のS極側に接合されたS極接合部を含み、
    前記内周鉄心のN極接合部及びS極接合部の内の何れか一方にのみ前記回転軸方向に突出した突出部を持たせ、前記突出部と前記内周ヨーク部を対向させることによって、その対向両者間の経路を前記磁路に含め、
    前記外周鉄心のN極接合部及びS極接合部の内の何れか一方又は双方を前記外周ヨーク部に対向させることによって、その対向両者間の経路を前記磁路に含める
    ことを特徴とする請求項3に記載の永久磁石同期モータ。
  6. 前記界磁巻線ヨーク及び前記突出部の内の何れか一方又は双方は、圧粉磁性材料を用いて形成される
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の永久磁石同期モータ。
  7. 請求項1〜請求項6の何れかに記載の永久磁石同期モータを制御するモータ制御装置であって、
    前記ロータの静止時に、前記ロータの磁極位置を推定するための前記第2界磁磁束を前記界磁巻線に発生させる界磁磁束制御部を備えた
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  8. 請求項1〜請求項6の何れかに記載の永久磁石同期モータを制御するモータ制御装置であって、
    前記ロータの回転時に、前記ロータの回転速度に応じて前記合成界磁磁束を弱めるための前記第2界磁磁束を前記界磁巻線に発生させる、或いは、必要トルクに応じて前記合成界磁磁束を強めるための前記第2界磁磁束を前記界磁巻線に発生させる界磁磁束制御部を備えた
    ことを特徴とするモータ制御装置。
  9. 請求項1〜請求項6の何れかに記載の永久磁石同期モータと、
    前記モータを回転駆動するために前記モータ内の前記電機子巻線に電機子電流を供給するインバータと、
    前記第2界磁磁束を発生させるために前記モータ内の前記界磁巻線に界磁電流を供給する界磁回路と、
    前記インバータ及び前記界磁回路に対する制御を介して前記モータを制御するモータ制御装置と、を備えた
    ことを特徴とするモータ駆動システム。
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