JP2011066326A - 電気化学キャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー密度に優れるとともに、充放電サイクル耐久性の向上を図ることのできる電気化学キャパシタを提供すること。
【解決手段】分極性カーボン材料を含有する正極側塗工層9aを備える正極2と、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出可能な材料を含有する負極側塗工層9bを備え、負極側塗工層9bが正極側塗工層9aに対して対向するように配置される負極3と、リチウム塩を含む有機溶媒を含有し、正極3および負極3が浸漬される電解液6とを備える電気化学キャパシタにおいて、電解液6におけるリチウム塩の濃度を1.5mol/L以下とするとともに、プレサイクルを含む充電における終止電流を、0.2mA/cm未満とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学キャパシタ、詳しくは、電気二重層による蓄電と、酸化還元反応による蓄電とを併有するハイブリッドキャパシタに関する。
従来、ハイブリッド車両や燃料電池車両に搭載される蓄電デバイスとして、高出力かつ長寿命である、電気二重層キャパシタが知られている。
電気二重層キャパシタでは、正極−負極間に電圧が印加されることにより、正極および負極上にそれぞれアニオンおよびカチオンが引き寄せられて電荷層(電気二重層)が形成される。電気二重層キャパシタは、この電気二重層の形成によってエネルギーを蓄えることができる。
さらに近年では、キャパシタのエネルギー密度を向上させるべく、電気二重層に加え、正極もしくは負極における酸化還元反応によってエネルギーを蓄えるハイブリッドキャパシタが提案されている。ハイブリッドキャパシタには、例えば、リチウム塩(例えば、LiPF)を含有する有機溶媒からなる電解液と、セパレータと、セパレータを挟んで対向配置される正極および負極とが備えられる。正極は、例えば、アニオンの物理的な吸着・脱離により電荷を蓄える分極性カーボン電極からなる。一方、負極は、例えば、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵・放出可能なカーボン電極からなる。
しかし、ハイブリッドキャパシタにおいて、正極電位が過剰に高くなる(例えば、4.23V vs.Li/Li以上)と、電解液が酸化分解し、電解液中のアニオン(例えば、LiPFに含まれるPF など)から、負極の電気容量を低下させる遊離酸(例えば、HFなど)などの負極活性阻害物質が生成する場合がある。負極の電気容量が低下すると、キャパシタのエネルギー密度が低下するため、そのような遊離酸を捕捉する必要がある。
そこで、例えば、セラミックスフィルタ製のセパレータと、KOH賦活ソフトカーボン、ケッチェンブラックECPおよびPTEFディスパーションを、85:5:10の重量比で配合した混合物からなる正極と、人造黒鉛、ソフトカーボンおよびPVdFを、22.5:67.5:10の重量比で配合した混合物からなる負極と、LiPFを含むエチレンカーボネート+ジエチルカーボネート溶媒からなる電解液と、LiCO粉末およびPTFEを、80:20の重量比で配合した混合物からなる捕捉剤とを備えるハイブリッドキャパシタが提案されている(例えば、特許文献1(実施例2)参照。)。
特許文献1に記載のハイブリッドキャパシタでは、正極に高電圧(例えば、4.23V vs.Li/Li以上)を印加した場合にも、負極の劣化を抑制でき、エネルギーの高密度化を図ることができる。
特開2008−103697号公報(実施例2)
しかしながら、特許文献1に記載のハイブリッドキャパシタでは、負極活性阻害物質を捕捉剤により捕捉できるものの、電解液の酸化分解が継続して起こるため、充放電サイクル耐久性を十分に得ることができない場合がある。そのため、キャパシタを扱う各種分野では、充放電サイクル耐久性のさらなる向上が要求されている。
一方、例えば、リチウム塩濃度の低い電解液を用いることにより、電解液の酸化分解を抑制し、充放電サイクル耐久性の向上を図ることも検討されるが、電解液のリチウム塩濃度が低い場合には、ハイブリッドキャパシタのエネルギー密度が低下するという不具合がある。
本発明の目的は、エネルギー密度に優れるとともに、充放電サイクル耐久性の向上を図ることのできる電気化学キャパシタを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の電気化学キャパシタは、分極性カーボン材料を含有する正極側塗工層を備える正極と、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出可能な材料を含有する負極側塗工層を備え、前記負極側塗工層が前記正極側塗工層に対して対向するように配置される負極と、リチウム塩を含む有機溶媒を含有し、前記正極および前記負極が浸漬される電解液とを備える電気化学キャパシタであって、前記電解液における前記リチウム塩の濃度が、1.5mol/L以下であるとともに、プレサイクルを含む充電における終止電流が、0.2mA/cm未満であることを特徴としている。
また、本発明の電気化学キャパシタでは、前記電解液における前記リチウム塩の濃度が、1.1〜1.5mol/Lの範囲であることが好適である。
また、本発明の電気化学キャパシタは、さらに、セパレータを備え、前記正極側塗工層および前記負極側塗工層の厚みの合計に対する、前記セパレータの厚みの比が、2以下であることが好適である。
また、本発明の電気化学キャパシタでは、前記正極側塗工層が、KOH賦活ソフトカーボンを含有することが好適である。
また、本発明の電気化学キャパシタでは、前記正極の電位が、4.23V vs.Li/Li以上であることが好適である。
本発明の電気化学キャパシタでは、プレサイクルを含む充電における終止電流が、0.2mA/cm未満とされているため、リチウム塩の濃度が1.5mol/L以下の電解液を用いて、電解液の分解を抑制し、充放電サイクル耐久性の向上を図る場合にも、エネルギー密度の低下を抑制することができる。
そのため、本発明の電気化学キャパシタによれば、優れたエネルギー密度を確保するとともに、充放電サイクル耐久性の向上を図ることができる。
本発明の電気化学キャパシタの一実施形態を示すハイブリッドキャパシタの概略構成図である。 電解液のリチウム塩濃度と、エネルギー密度の維持率との関係を示すグラフである。 電解液のリチウム塩濃度と、漏れ電流との関係を示すグラフである。 電解液のリチウム塩濃度と、エネルギー密度との関係を示すグラフである。 電解液のリチウム塩濃度、および、終止電流と、エネルギー密度との関係を示すグラフである。
図1は、本発明の電気化学セルの一実施形態を示すハイブリッドキャパシタの概略構成図である。
図1において、ハイブリッドキャパシタ1は、正極2と、正極2に対して間隔を隔てて対向配置される負極3と、正極2と負極3との間に介在されるセパレータ4と、正極2、負極3およびセパレータ4を収容するセル槽5と、セル槽5に貯留され、正極2、負極3およびセパレータ4が浸漬される電解液6とを備えている。なお、ハイブリッドキャパシタ1は、ラボスケールで採用される電池セルであって、工業的には、このハイブリッドキャパシタ1を、公知の技術によって適宜スケールアップしたものが採用される。
正極2は、分極性カーボンからなる正極材料(分極性カーボン材料)を含有する正極側塗工層9aと、正極側集電体8aとを備えている。
このような正極2は、例えば、正極材料と、導電剤と、ポリマーバインダとを配合して得られる混合物を正極側集電体8aに塗工し、正極側塗工層9aを形成することによって電極シートを製造し、その電極シートを、所定の形状(例えば、矩形状、円形状)に成形した後、必要により乾燥させることにより、形成される。
正極材料は、例えば、カーボン材を賦活処理することにより得られる。
カーボン材としては、例えば、ハードカーボン、ソフトカーボンなどが挙げられる。
ソフトカーボンは、例えば、不活性雰囲気中での熱処理によって、炭素原子で構成される六角網面が、ハードカーボンの六角網面よりも相対的に規則的な積層構造(黒鉛構造)を形成しやすいカーボンの総称である。具体的には、不活性雰囲気中、2000〜3000℃、好ましくは、2500℃で熱処理されたときに、(002)面の平均面間隔d002が3.40Å以下、好ましくは、3.35〜3.40Åとなる結晶構造を形成するカーボンの総称である。
具体的なソフトカーボンとしては、例えば、石油系ピッチ、石炭系ピッチ、メソフェーズ系ピッチなどのピッチ類、例えば、石油系ニードルコークス、石炭系ニードルコークス、アントラセン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリルなどの易黒鉛化性コークス類などの熱分解物などが挙げられる。これらは単独使用または2種以上併用することができる。
また、ハードカーボンは、例えば、不活性雰囲気中、2500℃で熱処理されたときに、(002)面の平均面間隔d002が3.40Åを超える結晶構造を形成するカーボンの総称である。
具体的なハードカーボンとしては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フルフラール樹脂、レゾルシノール樹脂、シリコーン樹脂、キシレン樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂、例えば、サーマルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、チャネルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、例えば、フリュードコークス、ギルソナイトコークスなど易黒鉛化性コークスとは異なる難黒鉛化性コークス、例えば、やしがら、木粉などの植物系原料、例えば、ガラス状炭素などの熱分解物などが挙げられる。
これらは、単独使用または併用することができる。また、これらのうち、好ましくは、ソフトカーボンが挙げられる。
賦活処理としては、例えば、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化セシウム(CsOH)、水酸化ルビジウム(RbOH)などを賦活剤として用いるアルカリ賦活処理、例えば、塩化亜鉛(ZnCl)、リン酸(HPO)などを賦活剤として用いる薬品賦活処理、例えば、二酸化炭素(CO)、空気などを賦活剤として用いるガス賦活処理、例えば、水蒸気(HO)を賦活剤として用いる水蒸気賦活処理などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、アルカリ賦活処理が挙げられ、さらに好ましくは、水酸化カリウム(KOH)を賦活剤として用いるアルカリ賦活処理(KOH賦活処理)が挙げられる。
賦活処理は、例えば、KOH賦活処理の場合、窒素雰囲気下において、カーボン材を、例えば、500〜800℃で予備焼成し、次いで、700〜1000℃でKOHとともに焼成する。用いられるKOHの量は、例えば、カーボン材1重量部に対して、0.5〜5重量部である。
上記賦活処理によって得られる正極材料を正極2に用いたハイブリッドキャパシタでは、例えば、正極2の電位が4.23V vs.Li/Li以上となる充放電サイクルにおいて、正極2に比較的大きな不可逆容量を発現させることができる。そのため、放電過程において、より低い電位にまで正極の放電が可能となる。その結果、正極2の電気容量を拡大することができる。
正極材料は、混合物全量に対して、例えば、固形分の重量割合が70〜99重量%の割合となるように配合される。
導電剤としては、例えば、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどが挙げられる。これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
また、導電剤は、混合物全量に対して、例えば、固形分の重量割合が0〜20重量%の割合となるように配合される。つまり、導電剤は、配合しても配合しなくてもよい。
ポリマーバインダとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、フルオロオレフィンビニルエーテル共重合体架橋ポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸などが挙げられる。これらは、単独使用または2種以上併用することができる。また、これらのうち、好ましくは、PVdFが挙げられる。
また、ポリマーバインダは、混合物全量に対して、例えば、固形分の重量割合が1〜20重量%の割合となるように配合される。
そして、正極2を形成するには、正極材料、導電剤およびポリマーバインダを配合した混合物を、溶媒中で攪拌してスラリー(固形分:10〜60重量%)を得る。次いで、スラリーを正極側集電体8aの表面に塗工し、正極側塗工層9aを形成した後、例えば、ロールプレスを用いて加圧延伸して、正極側塗工層9aを備える電極シートを得る。次いで、電極シートを所定の形状(例えば、矩形状、円形状)に裁断、または、打ち抜いた後、必要によりさらに乾燥させる。これにより、正極側塗工層9aを備える正極2が得られる。
溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)などの非プロトン性極性溶媒、例えば、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、水などのプロトン性極性溶媒、例えば、トルエン、キシレン、イソホロン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸メチル、フタル酸ジメチルなどの低極性溶媒が挙げられる。これらのうち、好ましくは、非プロトン性極性溶媒が挙げられ、さらに好ましくは、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)が挙げられる。
正極側集電体8aとしては、例えば、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔などの金属箔が挙げられる。
正極側集電体8aの厚さは、ハイブリッドキャパシタ1のスケールにより異なるが、例えば、ラボスケールでは、10〜50μmである。
このような方法により得られる正極2の厚さは、ハイブリッドキャパシタ1のスケールにより異なるが、例えば、ラボスケールでは、厚さが30〜150μmであって、正極側集電体8aを除く厚さ(すなわち、正極側塗工層9aの厚さ)が10〜140μmである。
また、正極2の大きさは、ハイブリッドキャパシタ1のスケールにより異なるが、例えば、ラボスケールでは、例えば、矩形状の場合には、長手方向長さが、例えば、10〜200mm、長手方向と直交する方向(幅方向)長さが、例えば、10〜200mmであり、また、円形状の場合には、直径が、例えば、5〜15mmである。
負極3は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出する電極であって、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出可能な負極材料を含有する負極側塗工層9bと、負極側集電体8bとを備えている。
このような負極3は、例えば、負極材料と、ポリマーバインダとを配合して得られる混合物を負極側集電体8bに塗工し、負極側塗工層8bを形成することによって電極シートを製造し、その電極シートを、所定の形状(例えば、矩形状、円形状)に成形した後、必要により乾燥させることにより、形成される。
負極材料としては、特に制限されないが、例えば、上記したハードカーボン、上記したソフトカーボン、グラファイトなどが挙げられる。
グラファイトとしては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化メソフェーズカーボン小球体、黒鉛化メソフェーズカーボン繊維、黒鉛ウィスカ、黒鉛化炭素繊維、ピッチ、コークスなどの縮合多環炭化水素化合物の熱分解物などのグラファイト系炭素材料が挙げられる。
これらは単独使用または2種以上併用することができる。また、グラファイトは、粉末状のもの(例えば、平均粒径が25μm以下のもの)が好ましく用いられる。
そして、上記のような負極材料は、混合物全量に対して、例えば、固形分の重量割合が80〜99重量%の割合となるように配合される。
ポリマーバインダとしては、例えば、上記したポリマーバインダが挙げられ、好ましくは、PVdFが挙げられる。また、ポリマーバインダは、混合物全量に対して、例えば、固形分の重量割合が1〜10重量%の割合となるように配合される。
また、負極の製造においては、必要により、さらに、導電剤を配合することもできる。
導電剤としては、例えば、上記した導電剤が挙げられる。また、導電剤は、混合物全量に対して、例えば、固形分の重量割合が0〜20重量%の割合となるように配合される。
そして、負極3を形成するには、例えば、まず、負極材料およびポリマーバインダを配合した混合物を、溶媒中で攪拌してスラリー(固形分:10〜60重量%)を得る。次いで、スラリーを負極側集電体8bの表面に塗工し、負極側塗工層9bを形成した後、例えば、ロールプレスを用いて加圧延伸して、負極側塗工層9bを備える電極シートを得る。次いで、電極シートを所定の形状(例えば、矩形状、円形状)に裁断、または、打ち抜いた後、必要によりさらに乾燥させる。これにより、負極側塗工層9bを備える負極3が得られる。
溶媒としては、例えば、上記した溶媒が挙げられ、好ましくは、非プロトン性極性溶媒が挙げられ、さらに好ましくは、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)が挙げられる。
また、負極側集電体8bとしては、例えば、上記した金属箔が挙げられる。
負極側集電体8bの厚さは、ハイブリッドキャパシタ1のスケールにより異なるが、例えば、ラボスケールでは、10〜50μmである。
上記のような方法により得られる負極3の厚さは、ハイブリッドキャパシタ1のスケールにより異なるが、例えば、ラボスケールでは、5〜70μmであって、負極側集電体8bを除く厚さ(すなわち、負極側塗工層9bの厚さ)が5〜60μmである。
また、負極3の大きさは、ハイブリッドキャパシタ1のスケールにより異なるが、例えば、ラボスケールでは、例えば、矩形状の場合には、長手方向長さが、例えば、10〜200mm、長手方向と直交する方向(幅方向)長さが、例えば、10〜200mmであり、また、円形状の場合には、直径が、例えば、5〜15mmである。
このような負極3は、図1に示すように、負極側塗工層9bが、正極側塗工層9aに対して対向するように配置される。
セパレータ4としては、例えば、ガラス繊維、セラミックス繊維、ウィスカなどの無機繊維、例えば、セルロースなどの天然繊維、例えば、ポリオレフィン、ポリエステルなどの有機繊維などからなるセパレータが挙げられる。
そして、このハイブリッドキャパシタ1において、セパレータ4の厚さは、好ましくは、上記の正極側塗工層9a(厚み:例えば、10〜140μm)および負極側塗工層9b(厚み:例えば、5〜60μm)の合計に対するセパレータ4の厚みの比が、2以下、より好ましくは、1以下、さらに好ましくは、0.25未満、通常、0.05以上である。
セパレータ4の厚みが上記上限を超過する場合には、ハイブリッドキャパシタ1のエネルギー密度が低下する場合がある。
また、セパレータ4の厚みが上記下限未満である場合には、正極2と負極3との短絡が発生し、耐久性や安全性が低下する場合がある。
このようなセパレータ4の厚みは、具体的には、ハイブリッドキャパシタ1のスケールにより異なるが、ラボスケールでは、例えば、15〜100μmである。
なお、詳しくは後述するが、ハイブリッドキャパシタ1に捕捉剤が含有される場合において、その捕捉剤が2つのセパレータ4(セパレータ4aおよびセパレータ4b)の間に設けられる場合には、セパレータ4の厚みは、2つのセパレータ4(セパレータ4aおよびセパレータ4b)と捕捉剤との合計とされる。
また、セパレータ4の大きさは、ハイブリッドキャパシタ1のスケールにより異なるが、例えば、ラボスケールでは、例えば、矩形状の場合には、長手方向長さが、例えば、15〜220mmであり、幅方向長さが、例えば、15〜220mmである。また、円形状の場合には、直径が、例えば、10〜25mmである。
電解液6は、リチウム塩を含む有機溶媒を含有しており、具体的には、例えば、リチウム塩を有機溶媒に溶解させることにより調製される。
リチウム塩としては、ハロゲンを含むアニオン成分を有し、例えば、LiClO、LiCFSO、LiC(SOCF、LiCSO、LiC17SO、LiB[C(CF−3,5]、LiB(C、LiB[C(CF)−4]、LiBF、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiCFCO、LiN(CFSOなどが挙げられる。なお、上式中[C(CF−3,5]は,フェニル基の3位と5位に、[C(CF)−4]はフェニル基の4位に、それぞれ−CFが置換されているものを意味する。これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、プロピレンカーボネート誘導体、エチレンカーボネート、エチレンカーボネート誘導体、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,3−ジオキソラン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジオキソラン、リン酸トリエステル、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、1,3−プロパンスルトン、4,5−ジヒドロピラン誘導体、ニトロベンゼン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン誘導体、シドノン化合物、アセトニトリル、ニトロメタン、アルコキシエタン、トルエンなどが挙げられる。これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
電解液6におけるリチウム塩の濃度は、1.5mol/L以下であって、好ましくは、1.1〜1.5mol/Lの範囲、より好ましくは、1.1〜1.4mol/Lの範囲である。
電解液6のリチウム塩の濃度が上記上限以下であれば、電解液6の酸化分解の抑制、および、漏れ電流の発生を良好に抑制することができ、ハイブリッドキャパシタ1の充放電サイクル耐久性(エネルギー密度維持率)の向上を図ることができる。
一方、電解液6のリチウム塩濃度が上記上限を超過すると、電解液6の酸化分解により、ハイブリッドキャパシタ1の充放電サイクル耐久性が低下する。
また、電解液6のリチウム塩濃度が上記下限未満であると、ハイブリッドキャパシタ1のエネルギー密度が低下する場合がある。
このような電解液6を調製するには、例えば、リチウム塩の濃度が、上記範囲となるように、また、電解液6中の水分量が、例えば、50ppm以下、好ましくは、10ppm以下となるように、リチウム塩を有機溶媒に溶解する。
そして、このハイブリッドキャパシタ1では、正極2の電位が、好ましくは、4.23V vs Li/Li以上とされる。
正極2の電位を4.23V vs Li/Li以上とするには、例えば、負極3にソフトカーボンおよび/またはハードカーボンを用いた場合には、セル電圧を3V以上で印加する。
正極2の電位を4.23V vs Li/Li以上とすれば、ハイブリッドキャパシタ1のエネルギー密度の向上を図ることができる。
一方、このハイブリッドキャパシタ1では、正極2の電位を4.23V vs Li/Li以上などの高電位とした場合に、正極2の不可逆容量の発現に起因して、電解液6に含まれるアニオン(例えば、LiPFに含まれるPF など)から誘導される負極活性阻害物質が生成する場合がある。
負極活性阻害物質が生成する過程、例えば、正極2の不可逆容量の発現に起因してHFが生成する過程は、以下のように推考される。
まず、正極2および負極3に上記した所定電圧(すなわち、4.23V vs Li/Li以上)を印加すると、電解液6内では、例えば、正極2や電解液6に含まれる水分や有機物から、下記式(1)(2)に示すように、プロトン(H)が生成する。
(1)2HO→O+4H+4e
(2)R−H→R+H+e(Rは、アルキル基)
そして、生成したプロトンが、電解液6に含まれるアニオン(例えば、LiPFに含まれるPF など)と反応し、HFが生成する(下記式(3)参照)。
(3)PF +H→PF+HF
HFのような負極活性阻害物質は、負極3の電気容量を低下させて、ハイブリッドキャパシタ1のエネルギー密度を低下させるおそれがある。
そのため、このハイブリッドキャパシタ1では、好ましくは、正極2と負極3との間、正極2内部および負極3内部の少なくともいずれかに、電解液6に含まれるアニオンから誘導される負極活性阻害物質を捕捉する捕捉剤を含有させる。
ハイブリッドキャパシタ1に捕捉剤を含有させることにより、例えば、正極2の不可逆容量の発現に起因して負極活性阻害物質が生成しても、その負極活性阻害物質を捕捉剤で捕捉することができる。
捕捉剤としては、例えば、炭酸リチウム(LiCO)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)など、アルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。これらは、単独または2種以上併用することができる。また、これらのうち、好ましくは、炭酸リチウムが挙げられる。
より具体的には、例えば、捕捉剤が、正極2と負極3との間に含有(配置)される場合には、捕捉剤は、好ましくは、捕捉部材7として形成される。
捕捉部材7は、例えば、負極活性阻害物質を捕捉するための捕捉剤と、ポリマーバインダとを加圧延伸することにより得られるシートである。
ポリマーバインダとしては、例えば、上記したポリマーバインダが挙げられ、好ましくは、PTFEが挙げられる。
そして、捕捉部材7を形成するには、例えば、まず、捕捉剤と、ポリマーバインダとを、例えば、捕捉剤:ポリマーバインダの配合割合が、固形分の重量割合で20:80〜98:2、好ましくは、50:50〜90:10となるように配合して、混合物を調製する。次いで、混合物を、例えば、ロールプレスを用いて加圧延伸して捕捉剤含有シートを得る。
そして、捕捉剤含有シートを所定の形状(例えば、矩形状、円形状)に打ち抜いた後、必要により乾燥させる。これにより、捕捉部材7が得られる。
そして、このハイブリッドキャパシタ1では、例えば、図1に示されるように、セパレータ4として、正極2側に配置されるセパレータ4aと負極3側に配置されるセパレータ4bとを設け、これらセパレータ4aと4bとの間に、捕捉部材7を設ける。
捕捉部材7を設けることによって、例えば、正極2の不可逆容量の発現に起因して負極活性阻害物質が生成しても、その負極活性阻害物質を捕捉部材7で捕捉することができる。また、このような捕捉部材7は、捕捉剤含有セパレータとして、セパレータを兼ねることができる。
また、このハイブリッドキャパシタ1では、例えば、捕捉部材7を形成することなく、捕捉剤として、上記の炭酸塩を、セパレータ4aとセパレータ4bとの間に配置することもできる。
炭酸塩をセパレータ4aとセパレータ4bとの間に配置するには、例えば、粉末状の炭酸塩をセパレータ4aまたはセパレータ4bの一方の表面に添加し、当該表面と他方のセパレータ4a(4b)の表面とで、炭酸塩を挟み込む。
また、このハイブリッドキャパシタ1において、炭酸塩は、正極2および/または負極3の表面にコーティングされていてもよい。
炭酸塩を正極2および/または負極3の表面にコーティングするには、例えば、炭酸塩および結合剤を配合した混合物を、溶媒中で攪拌混合し、それを正極2および/または負極3上に塗布後、乾燥させる。
結合剤としては、例えば、上記したポリマーバインダなどが挙げられる。
溶媒としては、例えば、上記した溶媒が挙げられ、好ましくは、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)や水が挙げられる。
さらに、このハイブリッドキャパシタ1では、捕捉剤として、リチウム箔を用いることもできる。
リチウム箔としては、公知のリチウム箔を用いることができ、例えば、円形状、矩形状に形成される。
また、リチウム箔は、好ましくは、その表面積が正極2および負極3の表面積と略同一面積、または、より広い面積となるように形成される。リチウム箔の表面積がこのような面積であると、負極活性阻害物質(例えば、HFなど)を、効率よく捕捉することができる。
さらに、その厚みは、例えば、0.01〜0.1mmであり、好ましくは、0.01〜0.05mmである。
また、リチウム箔には、その厚み方向に複数の孔が形成されている。このような孔が形成されることによって、電解液6が、セパレータ4aとセパレータ4bとの間を通過することができ、充放電することができる。
なお、リチウム箔は、リチウム金属であればよく、例えば、捕捉剤として、リチウム粉末やペースト状のリチウムを設けることもできる。
また、上記したリチウム金属のほか、Si−N結合を有する化合物(例えば、ペルヒドロポリシラザン、メチルポリシラザンなど)をセル槽5内に含めることによっても、負極活性阻害物質を捕捉することができる。この場合、負極活性阻害物質は、Si−N結合を有する化合物に捕捉されて安定化する。
また、捕捉剤が、正極2内部および/または負極3内部に含有される場合には、捕捉剤は、例えば、正極2および/または負極3の材料成分として用いられる。
すなわち、このような場合には、捕捉剤(例えば、炭酸塩、リチウム粉末など)が、正極2および/または負極3の製造工程において、正極材料または負極材料とともに配合される。これにより、捕捉剤が、正極2内部および/または負極3内部に含有される。
そして、このような捕捉剤(捕捉部材7)は、正極2で発現する不可逆容量1mAhに対して、好ましくは、2×10−5mol〜175×10−5molの割合で含まれる。
捕捉剤の量が、このような範囲であると、より一層優れたエネルギー密度を発現することができる。
例えば、上記式(1)〜(3)を参照すると、電子1molの流れに伴い、HFが1mol生成する。すなわち、正極2で発現する不可逆容量をQ(mAh)とし、ファラデー定数を96500(C/mol)すると、ハイブリッドキャパシタ1で発生するHFの発生量MHFは、MHF=3.6×Q×F−1(mol)となる。
また、LiCOを捕捉剤として用いた場合、下記式(4)に示すように、HFがLiCOに捕捉されて(LiCOと反応して)、LiFおよびHCOが生成する。
(4)LiCO+2HF→2LiF+HCO
上記式(4)に示すように、1molのHFを捕捉するためには、0.5molのLiCOが必要である。より具体的には、LiCOの必要量MLi2CO3は、MLi2CO3=0.5MHF=1.8×Q×F−1(mol)であり、F=96500を代入すると、MLi2CO3=2×10−5×Q(mol)である。すなわち、LiCOが、不可逆容量Q(mAh)に対して2×10−5×Qmol以上含まれることによって、HFを十分捕捉することができる。その結果、負極活性阻害物質(HF)に起因するエネルギー密度の低下を抑制できるので、より一層優れたエネルギー密度を発現することができる。
なお、ハイブリッドキャパシタ1に捕捉剤(捕捉部材7)を含有させる場合において、その捕捉剤(捕捉部材7)が、正極2側のセパレータ4aと、負極3側のセパレータ4bとの間に設けられる場合には、上記したセパレータ4の厚みは、セパレータ4aの厚みと、セパレータ4bの厚みと、捕捉剤(捕捉部材7)の厚みとの合計とされる。
そして、このハイブリッドキャパシタ1では、プレサイクルを含む充電における終止電流(CV終止電流)が、0.2mA/cm未満とされる。
すなわち、通常、ハイブリッドキャパシタ1の充電では、定電流定電圧充電方式が採用される。
この方式によって放電状態のハイブリッドキャパシタ1を充電する場合には、例えば、まず、所定の電圧(例えば、4.8V)に達するまで所定の電流(例えば、1mA/cm)で充電(定電流充電)する。
次いで、ハイブリッドキャパシタ1を、所定の電圧(好ましくは、4.5V以上、とりわけ好ましくは、4.8V以上)で維持するとともに、電流を降下させながら継続して充電(定電圧充電)し、その後、終止電流(充電停止の基準となる電流値)に達した時点で、充電を終了する。
このとき、ハイブリッドキャパシタ1の充放電サイクル(プレサイクルを含む)において、終止電流は、上記したように、0.2mA/cm未満、好ましくは、0.15mA/cm未満、より好ましくは、0.125mA/cm未満、通常、0.001mA/cm以上である。
終止電流が上記上限未満であれば、ハイブリッドキャパシタ1のエネルギー密度の向上を図ることができ、例えば、電解液6のリチウム塩の濃度を低下させた場合にも、優れたエネルギー密度を確保することができる。
一方、終止電流が上記上限以上であると、電解液6のリチウム塩の濃度が低い(例えば、1.5mol/L以下)場合において、十分なエネルギー密度を確保することができない。
また、終止電流が上記下限未満であると、電解液6の酸化分解が多くなり、耐久性が低下する場合や、プレサイクルに要する時間が長くなり、生産性が低下する場合がある。
そして、このハイブリッドキャパシタ1では、プレサイクルを含む充電における終止電流が、0.2mA/cm未満とされているため、リチウム塩の濃度が1.5mol/L以下の電解液6を用いて、電解液6の分解を抑制し、充放電サイクル耐久性の向上を図る場合にも、エネルギー密度の低下を抑制することができる。
そのため、このハイブリッドキャパシタ1によれば、優れたエネルギー密度を確保するとともに、充放電サイクル耐久性の向上を図ることができる。
そして、本発明の電気化学キャパシタは、例えば、自動車(ハイブリッド車両など)に搭載される駆動用電池、ノートパソコン、携帯電話などのメモリバックアップ電源などの各種工業製品として、好適に用いることができる。
次に、本発明を参考例、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。
実施例1〜6、比較例1
1.正極の作製
メソフェーズ系ピッチ(三菱ガス化学株式会社製 AR樹脂)を大気中350℃で2時間加熱した。次いで、加熱後のピッチを、窒素雰囲気下800℃で2時間予備焼成した。これにより、ソフトカーボンを得た。得られたソフトカーボンをアルミナ製の坩堝に入れ、ソフトカーボン1重量部に対して4重量部のKOHを加えた。次いで、ソフトカーボンを、窒素雰囲気下800℃で2時間、KOHとともに焼成することにより、KOH賦活した。次いで、KOH賦活したソフトカーボンを超純水で洗浄した。洗浄は、廃液が中性になるまで行なった。これにより、KOH賦活ソフトカーボン(正極材料)を得た。洗浄後、KOH賦活ソフトカーボンを乳鉢で粉砕し、篩(32μm)で分級した。そして、ほぼ全てのKOH賦活ソフトカーボンが篩を通過できる粒径になるまで、乳鉢での粉砕操作を繰り返した。
分級後、KOH賦活ソフトカーボン粉末と、導電剤(カーボンブラック、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製 VXC−72R)と、ポリマーバインダ(株式会社クレハ製 PVdF)とを、固形分75:8.3:16.7の重量割合で、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)溶媒に投入し、室温(25℃〜30℃)で12時間攪拌することにより、混合物のスラリー(固形分:30重量%)を得た。
次いで、得られたスラリーを厚み15μmのアルミニウム箔(正極側集電体)の表面に塗工し、80℃で12時間乾燥させて、正極側塗工層を形成した。次いで、乾燥後のアルミニウム箔を、ロールプレスで加圧延伸することにより、アルミニウム箔を除く塗工層(正極側塗工層)の厚さが72μmの電極シートを得た。
次いで、電極シートを、直径13mmの円形状に打ち抜いた後、乾燥機に搬入し、120℃で12時間真空乾燥した。そして、乾燥機内を窒素パージした後、電極シートを、ドライAr雰囲気のグローブボックスへ大気に触れないように搬入した。以上の操作により、正極側塗工層を備える正極を作製した。
2.負極の作製
人造黒鉛と、ソフトカーボンと、ポリマーバインダ(株式会社クレハ製 PVdF)とを、固形分67.5:22.5:10の重量割合で、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)溶媒に投入し、室温(25℃〜30℃)で12時間攪拌することにより、混合物のスラリー(固形分:40重量%)を得た。
次いで、得られたスラリーを厚み10μmの銅箔(負極側集電体)の表面に塗工し、80℃で12時間乾燥した。次いで、乾燥後の銅箔を、ロールプレスで加圧延伸することにより、銅箔を除く塗工層(負極側塗工層)の厚さが14μmの電極シートを得た。
次いで、電極シートを、直径14mmの円形状に打ち抜いた後、乾燥機に搬入し、120℃で12時間真空乾燥した。そして、乾燥機内を窒素パージした後、電極シートを、ドライAr雰囲気のグローブボックスへ大気に触れないように搬入した。以上の操作により、負極側塗工層を備える負極を作製した。
3.捕捉剤含有セパレータの作製
炭酸リチウム(LiCO)粉末(キシダ化学社製 平均粒径85.0μm)と、ポリマーバインダ(ダイキン工業株式会社製 PTFEディスパージョン)とを、固形分80:20の重量割合で、乳鉢で混練することにより、それらの混合物を得た。
次いで、混合物を、手動ロールプレスを用いて加圧延伸することにより、厚み30μmのセパレータシートを得た。ただし、ロール温度を室温(25〜30℃)とした。次いで、セパレータシートを、直径2.4cmの円形状に打ち抜いた後、乾燥機に搬入し、120℃で12時間真空乾燥した。そして、乾燥機内を窒素パージした後、捕捉剤含有セパレータを、ドライAr雰囲気のグローブボックスへ大気に触れないように搬入した。以上の操作により、捕捉剤含有セパレータを製作した。
4.セパレータの作製
厚さ25μmのセルロース製セパレータ(ニッポン高度紙製 TF40−25)を、直径2.4cmの円形状に打ち抜くことにより、セパレータを作製した。
5.電解液の調製
LiPF(リチウム塩)を、エチレンカーボネート−エチルメチルカーボネート混合溶媒(体積比1:1)に溶解することにより調製した。
なお、実施例1〜4および比較例において、電解液におけるリチウム塩の濃度は、実施例1では1.5mol/L、実施例2では1.4mol/L、実施例3では1.25mol/L、実施例4では1.2mol/L、実施例5では1.0mol/L、実施例6では0.75mol/Lとし、比較例1では、2.0mol/Lとした。
各実施例および比較例における電解液のリチウム塩濃度を、表1に示す。
Figure 2011066326
6.ラミネートセルの組み立て
正極1枚、負極1枚、捕捉剤含有セパレータ1枚およびセパレータ2枚、ならびに、電解液1mLを用いて、試験セルを組み立てた。
より具体的には、まず、1枚の捕捉剤含有セパレータを、2枚のセパレータで挟み、その後、積層されたセパレータの一方側に正極を、他方側に負極を、それぞれ積層した後、それらをセル槽に収容し、電解液を注入した。なお、正極および負極は、正極側塗工層と負極側塗工層とが対向するように配置した。
このとき、正極側塗工層の厚みと負極側塗工層との厚みの合計が86μm、セパレータの厚み(1枚の捕捉剤含有セパレータの厚みと、2枚のセパレータの厚みとの合計)が80μmであり、正極側塗工層および負極側塗工層の厚みの合計に対する、セパレータの厚みの比は、約0.93であった。
評価実験
1.電解液のリチウム塩濃度と、エネルギー密度の維持率(充放電サイクル耐久性)との関係
実施例1および比較例1で組み立てた試験セルに対して、以下に示す方法により充放電試験を実施した。
(1)1サイクル目
セル電圧が4.8Vに上昇するまで1mA/cmで定電流充電した。充電後、電流値が0.5mA/cmに降下するまでセル電圧を4.8Vに保持し(定電圧充電)、その後、セル電圧が2.3Vに降下するまで1mA/cmで定電流放電した。
(2)2〜6サイクル目
セル電圧が4.6Vに上昇するまで1mA/cmで定電流充電した。充電後、セル電圧が2.3Vに降下するまで1mA/cmで定電流放電した。
(3)7サイクル目以降
セル電圧が4.6Vに上昇するまで5mA/cmで定電流充電した。充電後、セル電圧が2.3Vに降下するまで5mA/cmで定電流放電した。
(評価)
以下の式から、プレサイクル(上記1〜6サイクル)後の充放電サイクル(7サイクル目以降)における「エネルギー密度の維持率」を算出し、電解液のリチウム塩濃度と、エネルギー密度の維持率(充放電サイクル耐久性)との関係について確認した。その結果を図2に示す。
ER=(DE/VP+N)/(DE/VP+N)=DE/DE
ER:エネルギー密度の維持率(Energy density retention)
DE:Xサイクル目の放電エネルギー量(Discharging energy)[Wh]
DE:7サイクル目の放電エネルギー量(Discharging energy)[Wh]
P+N:正極側塗工層の厚みおよび負極側塗工層の厚みの和と、塗工層面積との積(Volume)[L]
なお、上記式のVP+Nにおいて、塗工層面積としては、正極側塗工層と負極側塗工層とで大きいほう(負極側塗工層)の塗工面積を採用した。
(考察)
図2に示すように、電解液のリチウム塩濃度を低下させた試験セル(実施例1)は、充放電サイクル数を増加させても、エネルギー密度の維持率を高く保つことができ、リチウム塩濃度が高い試験セル(比較例1)に比べ、充放電サイクル耐久性に優れていた。
2.電解液のリチウム塩濃度と、漏れ電流(充放電サイクル耐久性)との関係
実施例1〜2、4〜6および比較例1で組み立てた試験セルに対して、以下に示す方法により充放電試験を実施した。
(1)1サイクル目
セル電圧が4.8Vに上昇するまで1mA/cmで定電流充電した。充電後、電流値が0.5mA/cmに降下するまでセル電圧を4.8Vに保持し(定電圧充電)、その後、セル電圧が2.3Vに降下するまで1mA/cmで定電流放電した。
(2)2〜6サイクル目
セル電圧が4.6Vに上昇するまで1mA/cmで定電流充電した。充電後、セル電圧が2.3Vに降下するまで1mA/cmで定電流放電した。
(3)7〜57サイクル目以降
セル電圧が4.6Vに上昇するまで5mA/cmで定電流充電した。充電後、セル電圧が2.3Vに降下するまで5mA/cmで定電流放電した。
(4)58サイクル目
セル電圧が4.6Vに上昇するまで5mA/cmで定電流充電した。充電後、10時間、セル電圧を4.6Vに保持した。
(評価)
以下の式から「漏れ電流値」を算出し、電解液のリチウム塩濃度と、漏れ電流値(充放電サイクル耐久性)との関係について確認した。その結果を図3に示す。
LC=AC/EA
LC:漏れ電流(Leakage current)[A]
AC:4.6V保持開始8時間後から10時間後までの平均電流(Average current)[A]
EA:電力面積(Electrode erea)[cm
なお、EA(電力面積)としては、正極と負極とで大きいほう(負極)の面積を採用した。
(考察)
図3に示すように、電解液のリチウム塩濃度を低下させた試験セル(実施例1〜2および4〜6)は、リチウム塩濃度が高い試験セル(比較例1)に比べ、漏れ電流が少ない(すなわち、副反応が抑制されている)ことが確認された。
このことから、電解液のリチウム塩濃度を低下させた試験セル(実施例1〜2および4〜6)は、充放電サイクル耐久性に優れるものと推考される。
3.電解液のリチウム塩濃度と、エネルギー密度との関係
実施例1、3、5〜6および比較例1で組み立てた試験セルに対して、以下に示す方法により充放電試験を実施した。
(1)1サイクル目
セル電圧が4.8Vに上昇するまで1mA/cmで定電流充電した。充電後、電流値が0.5mA/cmに降下するまでセル電圧を4.8Vに保持し(定電圧充電)、その後、セル電圧が2.3Vに降下するまで1mA/cmで定電流放電した。
(2)2サイクル目
セル電圧が4.6Vに上昇するまで1mA/cmで定電流充電した。充電後、セル電圧が2.3Vに降下するまで1mA/cmで定電流放電した。
(評価)
以下の式から「エネルギー密度」を算出し、電解液のリチウム塩濃度と、エネルギー密度との関係を確認した。その結果を図4に示す。
ED=DE/VP+N
ED:エネルギー密度(Energy density)[Wh/L]
DE:2サイクル目の放電エネルギー量(Discharging energy)[Wh]
P+N:正極側塗工層の厚みおよび負極側塗工層の厚みの和と、塗工層面積との積(Volume)[L]
なお、上記式のVP+Nにおいて、塗工層面積としては、正極側塗工層と負極側塗工層とで大きいほう(負極側塗工層)の塗工面積を採用した。
(考察)
図4に示すように、電解液のリチウム塩濃度を低下させた試験セル(実施例1、3および5〜6)は、リチウム塩濃度が高い試験セル(比較例1)に比べ、エネルギー密度が低い場合があった(実施例3および5〜6参照)。
4.電解液のリチウム塩濃度、および、終止電流と、エネルギー密度との関係
実施例1、3、5および比較例1で組み立てた試験セル(それぞれ6つ)に対して、以下に示す方法により充放電試験を実施した。
(1)1サイクル目
セル電圧が4.8Vに上昇するまで1mA/cmで定電流充電した。充電後、電流値が0.02mA/cm、0.05mA/cm、0.1mA/cm、0.15mA/cm、0.2mA/cm、および、0.5mA/cmに降下するまで、それぞれのセル電圧を4.8Vに保持し(定電圧充電)、その後、セル電圧が2.3Vに降下するまで1mA/cmで定電流放電した。
(2)2サイクル目
セル電圧が4.6Vに上昇するまで1mA/cmで定電流充電した。充電後、セル電圧が2.3Vに降下するまで1mA/cmで定電流放電した。
上記の式から「エネルギー密度」を算出し、電解液のリチウム塩濃度、および、1サイクル目の終止電流と、エネルギー密度との関係(すなわち、塩濃度および1サイクル目の充電におけるCV終止電流が及ぼすエネルギー密度への影響)を確認した。その結果を図5に示す。
(考察)
図5に示すように、CV終止電流が0.2mA/cm未満であれば、電解液のリチウム塩濃度を低下させた試験セル(実施例1、3および5)においても、リチウム塩濃度が高い試験セル(比較例1)と同様に、高いエネルギー密度を確保することができる。
また、これら電解液のリチウム塩濃度を低下させた試験セルは、リチウム塩濃度が高い試験セルと異なり、その高いエネルギー密度を、良好に維持することができ、優れた充放電サイクル耐久性を確保することができる(図2参照)。
1 ハイブリッドキャパシタ
2 正極
3 負極
4 セパレータ
5 セル槽
6 電解液
7 捕捉部材
8a 正極側集電体
8b 負極側集電体
9a 正極側塗工層
9b 負極側塗工層

Claims (5)

  1. 分極性カーボン材料を含有する正極側塗工層を備える正極と、
    リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出可能な材料を含有する負極側塗工層を備え、前記負極側塗工層が前記正極側塗工層に対して対向するように配置される負極と、
    リチウム塩を含む有機溶媒を含有し、前記正極および前記負極が浸漬される電解液とを備える電気化学キャパシタであって、
    前記電解液における前記リチウム塩の濃度が、1.5mol/L以下であるとともに、
    プレサイクルを含む充電における終止電流が、0.2mA/cm未満であることを特徴とする、電気化学キャパシタ。
  2. 前記電解液における前記リチウム塩の濃度が、1.1〜1.5mol/Lの範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の電気化学キャパシタ。
  3. さらに、セパレータを備え、
    前記正極側塗工層および前記負極側塗工層の厚みの合計に対する、前記セパレータの厚みの比が、2以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の電気化学キャパシタ。
  4. 前記正極側塗工層が、KOH賦活ソフトカーボンを含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の電気化学キャパシタ。
  5. 前記正極の電位が、4.23V vs.Li/Li以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の電気化学キャパシタ。
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