JP2011065765A - 透明電極とそれを用いた有機電子デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】平滑性、導電性、透明性に優れ、かつ生産性の高い透明電極を提供する。また、それを用いた有機電子デバイスを提供する。
【解決手段】透明支持体上に、透明樹脂層、金属ナノワイヤ含有導電層、及び導電性高分子層が、この順に設置されていることを特徴とする透明電極。前記透明電極の全光線透過率が、50%以上の透明性を有し、前記金属ナノワイヤの一部が、前記透明樹脂層に埋没し、前記透明樹脂層の膜厚が、前記金属ナノワイヤ含有導電層の膜厚の10%以上であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機EL素子、有機太陽電池といった各種有機電子デバイスの透明電極部分に好適に用いることができる透明電極と、それを用いた有機電子デバイスに関する。
近年、有機EL素子や有機太陽電池といった有機電子デバイスが注目されており、このような有機電子デバイスにおいて、透明電極は必須の構成技術となっている。
従来、透明電極は、ガラスや透明なプラスチックフィルム等の透明基材上に、インジウム−スズの複合酸化物(ITO)膜を真空蒸着法やスパッタリング法で製膜したITO透明電極が主に使用されてきた。
しかし、真空蒸着法やスパッタリング法を用いた透明電極は、生産性が悪いため製造コストが高いことや、可撓性に劣るため可撓性(フレキシブル性)が求められるデバイス用途には適用できないことが問題であった。
それに対し、ITO等の金属酸化物微粒子を塗布することによって透明電極を形成する方法が提案されているが(例えば特許文献1参照)、電極として機能するための十分な導電性を得ることができないという問題を有していた。金属酸化物微粒子の塗膜を焼成処理することにより抵抗値を下げることは可能であるが、プラスチックフィルムのような樹脂基材上に透明電極を形成する場合には適用できない。
また、生産性に優れた透明電極として、π共役系高分子に代表される導電性高分子材料を適当な溶媒に溶解又は分散した塗液を用いて、塗布や印刷によって透明電極を形成する方法も提案されている(例えば特許文献2参照)。しかし、真空成膜法によるITO等の金属酸化物透明電極に較べると、導電性が低くかつ透明性にも劣るという問題を有していた。
さらに、カーボンナノチューブ(CNT)や金属ナノワイヤのような導電性繊維を用いる技術も開示されており、導電性繊維の一部を透明樹脂膜で基板に固定し、かつ導電性繊維の一部を透明樹脂膜表面に突起させて電極を形成することが提案されている(例えば特許文献3及び4参照)。
しかし、このような構成の電極は、表面に導電性繊維が突起した部分にしか導電性がないため、面電極としての機能を有しておらず、加えて、表面に導電性繊維が突起しているため、電極表面の平滑性が求められる技術用途には適用できないという問題を有していた。
このような電極表面の凹凸を低減する方法として、さらに別の層を積層する方法が考えられ、金属ナノワイヤや導電性ナノ粒子からなる第1層上に、第2層として他の導電性材料を積層する方法(例えば特許文献5及び6参照)が開示されている。
しかし、金属ナノワイヤを用いた導電層は、その高アスペクト比から導電層の見かけの膜厚が大きく、このようは方法では、平滑化に必要な第2層が厚膜となり、結果、透明性や導電性が低下する問題を有する。
特開平6−80422号公報 特開平6−273964号公報 特許第3903159号公報 米国特許出願公開第2007/0074316号明細書 国際公開第2008/131304号 特表2008−547186号公報
本発明は、上記問題・事情にかんがみてなされたものであり、その解決課題は、平滑性、導電性、透明性に優れ、かつ生産性の高い透明電極を提供すること及びそれを用いた有機電子デバイスを提供することである。
本発明に係る上記課題は、以下の手段によって解決される。
1.透明支持体上に、透明樹脂層、金属ナノワイヤ含有導電層、及び導電性高分子層が、この順に設置されていることを特徴とする透明電極。
2.全光線透過率が、50%以上の透明性を有することを特徴とする前記1に記載の透明電極。
3.前記金属ナノワイヤの一部が、前記透明樹脂層に埋没していることを特徴とする前記1又は前記2に記載の透明電極。
4.前記透明樹脂層の膜厚が、前記金属ナノワイヤ含有導電層の膜厚の10%以上であることを特徴とする前記1から前記3までのいずれか一項に記載の透明電極。
5.前記透明電極の表面粗さRaが5nm以下であり、かつ、最大高さRyが50nm以下であることを特徴とする前記1から前記4までのいずれか一項に記載の透明電極。
6.前記金属ナノワイヤが、銀ナノワイヤであることを特徴とする前記1から前記5までのいずれか一項に記載の透明電極。
7.前記1から前記6までのいずれか一項に記載の透明電極を用いたことを特徴とする有機電子デバイス。
本発明の上記手段により、平滑性、導電性、透明性に優れ、かつ生産性の高い透明電極を提供すること及びそれを用いた有機電子デバイスを提供することができる。
前述のように、金属ナノワイヤ層上に、さらに他の導電性材料を積層する従来技術では、平滑性、導電性、透明性を同時に満たす透明電極を得ることはできなかった。
それに対し本発明者は、金属ナノワイヤ層の隣接下層に透明樹脂層を設け、そこに金属ナノワイヤの一部を埋没させることで、前記性能を同時に満たす透明電極を得ることができる事を見いだした。
本発明の透明電極において、金属ナノワイヤの一部が隣接下層の透明樹脂層に埋没する事により、金属ナノワイヤ層の見かけの膜厚が減少し、金属ナノワイヤ層の凹凸を低減するために積層する導電性高分子層の必要膜厚を低減できる。結果、透明性を損なうことなく、表面を平滑化できる。また、金属ナノワイヤと導電性高分子の接触により、金属ナノワイヤ層の導電性を均一化し、面電極として機能させることができる。
すなわち、本発明によれば、平滑性、導電性、透明性に優れた透明電極を、容易かつ安価に提供することができ、該透明電極を用いた有機EL素子、有機太陽電池といった有機電子デバイスを簡便に提供することができる。
本発明の透明電極は、透明支持体上に、透明樹脂層、金属ナノワイヤ含有導電層、及び導電性高分子層が、この順に設置されていることを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項7までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、全光線透過率が、50%以上の透明性を有することが好ましい。また、前記金属ナノワイヤの一部が、前記透明樹脂層に埋没していることが好ましい。さらに、前記透明樹脂層の膜厚が、前記金属ナノワイヤ含有導電層の膜厚の10%以上であることが好ましい。
本発明においては、前記透明電極の表面粗さRaが5nm以下であり、かつ、最大高さRyが50nm以下である態様であることが好ましい。また、前記金属ナノワイヤが、銀ナノワイヤであることが好ましい。
本発明の透明電極は、各種有機電子デバイスに好適に用いることができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。
<支持体>
本発明では、透明支持体として、プラスチックフィルム、プラスチック板、ガラスなどを用いることができ、軽量性と柔軟性の観点から透明プラスチックフィルムを用いることが好ましい。
プラスチックフィルム及びプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。
本発明に係る透明電極の製造方法において、支持体は、表面平滑性に優れているものが好ましい。表面の平滑性は算術平均粗さRaが5nm以下かつ最大高さRzが50nm以下であることが好ましく、Raが2nm以下かつRzが30nm以下であることがより好ましく、さらに好ましくはRaが1nm以下かつRzが20nm以下である。支持体の表面は、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂等の下塗り層を付与して平滑化してもよいし、研磨などの機械加工によって平滑にすることもできる。また高分子層の塗布、接着性を向上させるため、コロナ、プラズマによる表面処理や、易接着層を形成してもよい。ここで、表面の平滑性は、原子間力顕微鏡(AFM)等による測定から、表面粗さ規格(JIS B 0601−2001)に従い、求めることができる。
また、大気中の酸素、水分を遮断する目的でガスバリア層を設けるのが好ましい。ガスバリア層の形成材料としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム等の金属酸化物、金属窒化物が使用できる。これらの材料は、水蒸気バリア機能のほかに酸素バリア機能も有する。特にバリアー性、耐溶剤性、透明性が良好な窒化シリコン、酸化窒化シリコンが好ましい。また、バリア層は必要に応じて多層構成とすることも可能である。ガスバリア層の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。
前記ガスバリア層を構成する各無機層の厚みに関しては特に限定されないが、典型的には1層あたり〜500nmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは1層あたり10〜200nmである。
ガスバリア層は支持体の少なくとも一方の面に設けられ、両面に設けられるのがより好ましい。
<導電層>
本発明における導電層は、金属ナノワイヤからなる層と、これに隣接する導電性高分子からなる層から構成される。また、これら導電層の形成方法は、それぞれ金属ナノワイヤ、導電性高分子を含む分散液を、塗布、乾燥して膜形成する液相成膜法であれば特に制限はない。ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、インクジェット法等の塗布法を用いることができる。なお、塗布液の濃度、目的とする導電性に応じて、塗布を複数回行ってもよい。また、スプレーコート法やインクジェット法により、あるいはマスクを用いて、直接パターン形成してもよい。
本発明において、金属ナノワイヤを塗布後、その隣接上層に導電性高分子が積層されることで、金属ナノワイヤ間の接触による導電性に加え、金属ナノワイヤ間に導電性高分子が入り込むことにより、金属ナノワイヤ及び金属ナノワイヤ間隙部の導電性を均一化することができる。
本発明に係る金属ナノワイヤ、導電性高分子を含有する分散液は、導電性と透明性を両立できる範囲で、透明なバインダー材料や添加剤を含んでいてもよい。
透明なバインダー材料としては、天然高分子樹脂又は合成高分子樹脂から広く選択して使用することができ、水溶性高分子又は水性高分子エマルションが特に好ましい。水溶性高分子としては、天然高分子のデンプン、ゼラチン、寒天等、半合成高分子のヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、合成高分子のポリビニルアルコール、ポリアクリル酸系高分子、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン等が、水性高分子エマルションとしては、アクリル系樹脂(アクリルシリコン変性樹脂、フッ素変性アクリル樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂等)、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等が、使用することができる。
また、合成高分子樹脂としては、透明な熱可塑性樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタクリレート、ニトロセルロース、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、フッ化ビニリデン)や、熱・光・電子線・放射線で硬化する透明硬化性樹脂(例えば、メラミンアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル変性シリケート等のシリコーン樹脂)を使用することができる。
添加剤としては、可塑剤、酸化防止剤や硫化防止剤などの安定剤、界面活性剤、溶解促進剤、重合禁止剤、染料や顔料などの着色剤などが挙げられる。更に、塗布性などの作業性を高める観点から、溶媒(例えば、水や、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、炭化水素類等の有機溶媒)を含んでいてもよい。
<透明樹脂層>
本発明における透明樹脂層は、前述の透明バインダー材料の少なくとも一つから形成され、金属ナノワイヤ層の隣接下層に位置し、金属ナノワイヤの少なくとも一部が埋没している。
透明樹脂層に金属ナノワイヤの一部が埋没した積層構造は、a)透明支持体に、該透明バインダーからなる透明樹脂層を塗設した後、この上に金属ナノワイヤ層を塗設、積層する、又は、b)透明支持体に、透明樹脂層を形成した後、別の支持体に形成した金属ナノワイヤ層を転写し、積層することで得ることができる。転写の際の透明樹脂層としては、金属ナノワイヤ層を剥離、固定するため、硬化性樹脂を用いることが好ましい。
透明樹脂層への金属ナノワイヤの埋没を促進する方法として、例えば、透明樹脂層に水溶性、又は水膨潤性高分子を用い、そこに金属ナノワイヤ層を塗設し、乾燥する。あるいは、膨潤状態の透明樹脂層に金属ナノワイヤ層を塗設し、乾燥する。膨潤状態の透明樹脂層に、金属ナノワイヤの一部が沈降し、さらに、乾燥時の透明樹脂層の収縮により、金属ナノワイヤの一部が埋没される。また、他の方法として、透明支持体に、透明樹脂層、金属ナノワイヤ層を形成した後、カレンダー処理を行い塗膜面に圧力をかける。また、その際、加熱し透明樹脂層を軟化する事が好ましい。
透明樹脂層の膜厚は、積層される金属ナノワイヤ層の膜厚により決めることができ、金属ナノワイヤ層の膜厚の10%以上が好ましく、50%以上がより好ましい。10%未満だと、平滑化効果が小さい。
<パターニング>
本発明は、導電層を透明樹脂層に積層、形成した後、フォトリソグラフィー法等により導電層のパターニングを行うことができる。また、透明樹脂層に導電層を塗設する際、インクジェット法等で直接パターニングしてもよい。また、予めパターニングされた、あるいはパターン塗布された金属ナノワイヤ層を透明樹脂層に転写してもよい。
<金属ナノワイヤ>
一般に、金属ナノワイヤとは、金属元素を主要な構成要素とする線状構造体のことをいう。特に、本発明における金属ナノワイヤとは、原子スケールからnmサイズの直径を有する多数の線状構造体がメッシュ状に形成されたものを意味する。
本発明の金属ナノワイヤとしては、1つの金属ナノワイヤで長い導電パスを形成するために、平均長さが3μm以上であることが好ましく、さらには3〜500μmが好ましく、特に、3〜300μmであることが好ましい。併せて、長さの相対標準偏差は40%以下であることが好ましい。また、平均直径は、透明性の観点からは小さいことが好ましく、一方で、導電性の観点からは大きい方が好ましい。本発明においては、金属ナノワイヤの平均直径として10〜300nmが好ましく、30〜200nmであることがより好ましい。併せて、直径の相対標準偏差は20%以下であることが好ましい。
本発明に係る金属ナノワイヤの金属組成としては特に制限はなく、貴金属元素や卑金属元素の一種又は複数の金属から構成することができるが、貴金属(例えば、金、白金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム等)及び鉄、コバルト、銅、錫からなる群に属する少なくとも1種の金属を含むことが好ましく、導電性の観点から少なくとも銀を含むことがより好ましい。また、導電性と安定性(金属ナノワイヤの硫化や酸化耐性、及びマイグレーション耐性)を両立するために、銀と、銀を除く貴金属に属する少なくとも1種の金属を含むことも好ましい。本発明に係る金属ナノワイヤが2種類以上の金属元素を含む場合には、例えば、金属ナノワイヤの表面と内部で金属組成が異なっていてもよいし、金属ナノワイヤ全体が同一の金属組成を有していてもよい。
本発明において金属ナノワイヤの製造手段には特に制限はなく、例えば、液相法や気相法等の公知の手段を用いることができる。また、具体的な製造方法にも特に制限はなく、公知の製造方法を用いることができる。例えば、Agナノワイヤの製造方法としては、Adv.Mater.,2002,14,833〜837;Chem.Mater.,2002,14,4736〜4745等、Auナノワイヤの製造方法としては特開2006−233252号公報等、Cuナノワイヤの製造方法としては特開2002−266007号公報等、Coナノワイヤの製造方法としては特開2004−149871号公報等を参考にすることができる。特に、上述した、Adv.Mater.及びChem.Mater.で報告されたAgナノワイヤの製造方法は、水系で簡便にAgナノワイヤを製造することができ、また銀の導電率は金属中で最大であることから、本発明に係る金属ナノワイヤの製造方法として好ましく適用することができる。
<導電性高分子>
本発明に係る導電性高分子としては、特に限定されず、ポリピロール、ポリインドール、ポリカルバゾール、ポリチオフェン(基本のポリチオフェンを含む、以下同様)系、ポリアニリン系、ポリアセチレン系、ポリフラン系、ポリパラフェニレンビニレン系、ポリアズレン系、ポリパラフェニレン系、ポリパラフェニレンサルファイド系、ポリイソチアナフテン系、ポリチアジル等の鎖状導電性高分子や、ポリアセン系導電性高分子も利用することができる。中でも、導電性、透明性等の観点からポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)やポリアニリン系が好ましい。
また、本発明においては、上記導電性高分子の導電性をより高めるために、ドーピング処理を施すことが好ましい。導電性高分子に対するドーパントとしては、例えば、炭素数が6〜30の炭化水素基を有するスルホン酸(以下「長鎖スルホン酸」ともいう。)あるいはその重合体(例えば、ポリスチレンスルホン酸)、ハロゲン、ルイス酸、プロトン酸、遷移金属ハロゲン化物、遷移金属化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属、MClO(M=Li、Na)、R(R=CH、C、C)、又はR(R=CH、C、C)からなる群から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。なかでも、上記長鎖スルホン酸が好ましい。
長鎖スルホン酸としては、ジノニルナフタレンジスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。ハロゲンとしては、Cl、Br、I、ICl、IBr、IF等が挙げられる。ルイス酸としては、PF、AsF、SbF、BF、BCl、BBr、SO、GaCl等が挙げられる。
プロトン酸としては、HF、HCl、HNO、HSO、HBF、HClO、FSOH、ClSOH、CFSOH等が挙げられる。
遷移金属ハロゲン化物としては、NbF、TaF、MoF、WF、RuF、BiF、TiCl、ZrCl、MoCl、MoCl、WCl、FeCl、TeCl、SnCl、SeCl、FeBr、SnI等が挙げられる。遷移金属化合物としては、AgClO、AgBF、La(NO、Sm(NO等が挙げられる。アルカリ金属としては、Li、Na、K、Rb、Cs等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、Be、Mg、Ca、Sc、Ba等が挙げられる。
また、導電性高分子に対するドーパントは、水素化フラーレン、水酸化フラーレン、スルホン酸化フラーレンなどのフラーレン類に導入されていてもよい。上記ドーパントは、導電性高分子100質量部に対して、0.001質量部以上含まれていることが好ましい。さらには、0.5質量部以上含まれていることがより好ましい。尚、本実施形態の透明導電性組成物は、長鎖スルホン酸、長鎖スルホン酸の重合体(例えば、ポリスチレンスルホン酸)、ハロゲン、ルイス酸、プロトン酸、遷移金属ハロゲン化物、遷移金属化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属、MClO、R、及びRからなる群から選ばれる少なくとも一種のドーパントと、フラーレン類との双方を含んでいてもよい。
本発明に係る導電性高分子は、導電性増強剤として水溶性有機化合物を含有してもよい。本発明で用いることができる水溶性有機化合物には特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、酸素含有化合物が好適に挙げられる。前記酸素含有化合物としては、酸素を含有する限り特に制限はなく、例えば、式−1で表される化合物、水酸基含有化合物、カルボニル基含有化合物、エーテル基含有化合物、スルホキシド基含有化合物などが挙げられる。前記水酸基含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリンなどが挙げられ、これらの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましい。前記カルボニル基含有化合物としては、例えば、イソホロン、プロピレンカーボネート、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。前記エーテル基含有化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、などが挙げられる。前記スルホキシド基含有化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
式−1 (OH)−R−(COX)
(n、mは、独立して1〜20の整数であり、Rは炭素原子数2〜20のアルキレン基、アリーレン鎖内炭素原子数6〜14のアリーレン基、ピラン基又はフラン基であり、Xは−OH又は−OROH又は−NYZであり、Y及びZは独立して水素又はアルキル基である。)
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ジエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種を用いることが特に好ましい。
<透明電極>
本発明の透明電極において、導電層の表面粗さは、有機EL素子等の性能に影響するため高い平滑性が要求され、具体的には、算術平均粗さRaは、Ra≦5nmであることが好ましく、Ra≦3nmであることがより好ましく、Ra≦1nmであることがさらに好ましい。また、最大高さRyは、Ry≦50nmであることが好ましく、Ry≦30nmであることがより好ましい。
本発明の透明電極において、金属ナノワイヤを含有する導電層の全光線透過率は、70%以上が好ましく、80%以上であることがより好ましい。全光透過率は、分光光度計等を用いた公知の方法に従って測定することができる。
本発明の透明電極において、金属ナノワイヤを含有する導電層の電気抵抗値としては、表面比抵抗として100Ω/□以下であることが好ましく、10Ω/□以下であることがより好ましい。表面比抵抗は、例えば、JIS K6911、ASTM D257、などに準拠して測定することができ、また市販の表面抵抗率計を用いて簡便に測定することができる。表面比抵抗は、金属ナノワイヤ単独の状態で前記表面比抵抗を満たしていれば良く、金属ナノワイヤがバス電極として機能するため、導電性高分子の表面比抵抗が高くても、金属ナノワイヤ含有導電層の導電性を均一化することができる。導電性高分子の表面比抵抗としては、金属ナノワイヤ含有導電層間の電流リークに影響なく、金属ナノワイヤ含有導電層の導電性が均一化可能な、10Ω/□以上10Ω/□以下であることが好ましく、より好ましくは10Ω/□以上10Ω/□以下である。
本発明の透明電極には、アンカーコートやハードコート等を付与することもできる。また必要に応じて更に導電性高分子又は金属酸化物を含有する導電層を設置してもよい。
〈有機電子デバイス〉
本発明の透明電極は、LCD、エレクトロルミネッセンス素子、プラズマディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、太陽電池、タッチパネルなどの透明電極、電子ペーパーならびに電磁波遮蔽材などに用いることができるが、導電性、透明性に優れ、また平滑性も高いため、有機EL素子や有機太陽電池に用いるのが好ましい。
<有機EL素子>
本発明に係る有機EL素子は、本発明の透明電極を有することを特徴とする。本発明における有機EL素子は、本発明の透明電極を陽極として用い、有機発光層、陰極については有機EL素子に一般的に使われている材料、構成等の任意のものを用いることができる。有機EL素子の素子構成としては、陽極/有機発光層/陰極、陽極/ホール輸送層/有機発光層/電子輸送層/陰極、陽極/ホール注入層/ホール輸送層/有機発光層/電子輸送層/陰極、陽極/ホール注入層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極、陽極/ホール注入層/有機発光層/電子注入層/陰極、等の各種の構成のものを挙げることができる。
また、本発明において有機発光層に使用できる発光材料又はドーピング材料としては、アントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチルベンゼン誘導体、ジスチルアリーレン誘導体、及び各種蛍光色素及び希土類金属錯体、燐光発光材料等があるが、これらに限定されるものではない。またこれらの化合物のうちから選択される発光材料を90〜99.5質量部、ドーピング材料を0.5〜10質量部含むようにすることも好ましい。有機発光層は上記の材料等を用いて公知の方法によって作製されるものであり、蒸着、塗布、転写などの方法が挙げられる。この有機発光層の厚みは0.5〜500nmが好ましく、特に、0.5〜200nmが好ましい。
本発明における有機EL素子は、自発光型ディスプレイ、液晶用バックライト、照明等に用いることができる。本発明の有機EL素子は、均一にムラなく発光させることができるため、照明用途で用いることが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
《透明電極の作製》
[銀ナノワイヤの作製]
非特許文献(Adv.Mater.,2002,14,833〜837)に記載の方法を参考に、下記の方法で銀ナノワイヤを作製した。
(核形成工程)
反応容器内で170℃に保持したEG液1000mlを攪拌しながら、硝酸銀のEG溶液(硝酸銀濃度:1.5×10−4モル/l)100mlを一定の流量で10秒間で添加した。その後、170℃で10分間熟成を施し、銀の核粒子を形成した。熟成終了後の反応液は、銀ナノ粒子の表面プラズモン吸収に由来した黄色を呈しており、銀イオンが還元されて、銀ナノ粒子が形成されたことが確認された。
(粒子成長工程)
上記の熟成を終了した核粒子を含む反応液を攪拌しながら170℃に保持し、硝酸銀のEG溶液(硝酸銀濃度:1.0×10−1モル/l)1000mlと、PVPのEG溶液(VP濃度換算:5.0×10−1モル/l)1000mlを、ダブルジェット法を用いて一定の流量で100分間で添加した。粒子成長工程において20分毎に反応液を採取して電子顕微鏡で確認したところ、核形成工程で形成された銀ナノ粒子が時間経過に伴って、主にナノワイヤの長軸方向に成長しており、粒子成長工程における新たな核粒子の生成は認められなかった。
(水洗工程)
粒子成長工程終了後、反応液を室温まで冷却した後、フィルターを用いて濾過し、濾別された銀ナノワイヤをエタノール中に再分散した。フィルターによる銀ナノワイヤの濾過とエタノール中への再分散を5回繰り返し、最終的に銀ナノワイヤの水分散液を調製して、銀ナノワイヤを作製した。
得られた分散液を微量採取し、電子顕微鏡で確認したところ、平均直径85nm、平均長さ7.4μmの銀ナノワイヤが形成されたことが確認できた。
[ポリエステル系高分子液−1の調製]
化合物(UL−1) 0.01g
変性ポリエステルA(固形分18%) 3.00g
水 6.00g
Figure 2011065765
(変性水性ポリエステルAの合成)
重縮合用反応容器に、テレフタル酸ジメチル35.4質量部、イソフタル酸ジメチル33.63質量部、5−スルホ−イソフタル酸ジメチルナトリウム塩17.92質量部、エチレングリコール62質量部、酢酸カルシウム一水塩0.065質量部、酢酸マンガン四水塩0.022質量部を投入し、窒素気流下において、170〜220℃でメタノールを留去しながらエステル交換反応を行った後、リン酸トリメチル0.04質量部、重縮合触媒とし三酸化アンチモン0.04質量部及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸6.8質量部を加え、220〜235℃の反応温度で、ほぼ理論量の水を留去しエステル化を行った。その後、さらに反応系内を約1時間かけて減圧、昇温し、最終的に280℃、133Pa以下で約1時間重縮合を行い、変性水性ポリエステルAの前駆体を得た。前駆体の固有粘度は0.33であった。
攪拌翼、環流冷却管、温度計を付した2Lの三つ口フラスコに、純水850mlを入れ、攪拌翼を回転させながら、150gの上記前駆体を徐々に添加した。室温でこのまま30分間攪拌した後、1.5時間かけて内温が98℃になるように加熱し、この温度で3時間加熱溶解した。加熱終了後、1時間かけて室温まで冷却し、一夜放置して、固形分濃度が15質量%の溶液を調製した。
攪拌翼、環流冷却管、温度計、滴下ロートを付した3Lの四つ口フラスコに、上記前駆体溶液1900mlを入れ、攪拌翼を回転させながら、内温度を80℃まで加熱した。この中に、過硫酸アンモニウムの24%水溶液を6.52ml加え、単量体混合液(メタクリル酸グリシジル28.5g、アクリル酸エチル21.4g、メタクリル酸メチル21.4g)を30分間かけて滴下し、さらに3時間反応を続けた。その後、30℃以下まで冷却し、濾過して、固形分濃度が18質量%の変性水性ポリエステルAの溶液を調製した(ポリエステル成分/アクリル成分=80/20)。
[アクリル系高分子エマルション−1の調製]
スチレン20質量部、グリシジルメタクリレート40質量部、ブチルアクリレート40質量部の共重合体ラテックス液(固形分質量30%) 10.00g
化合物(UL−1) 0.01g
水 30.00g
〔透明電極101の作製;比較例1〕
透明支持体としてコロナ放電処理を施した厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下PET)を用い、金属ナノワイヤ層として、作製した銀ナノワイヤの分散液を、銀ナノワイヤの目付け量が0.09g/mとなるように、スピンコーターを用いて塗布し、乾燥した。さらに、導電性高分子層として、PEDOT:PSS(ポリスチレンスルホン酸)=1:2.5の分散液であるBaytron PH510(H.C.Starck社製)にジメチルスルホキシドを5%添加した液(以下、PEDOT分散液)を用い、乾燥膜厚が50nmとなるように、アプリケーター用いて、塗設、乾燥した。これを、50mm×50mm角に裁断し、透明電極101を作成した。
〔透明電極102の作製;比較例2〕
透明電極101の作成において、PRDOTの乾燥膜厚が100nmとした以外は、同様の操作を行い、透明電極102を作製した。
〔透明電極103の作製;比較例3〕
透明電極101の作成において、PRDOTの乾燥膜厚が350nmとした以外は、同様の操作を行い、透明電極103を作製した。
〔透明電極104の作製;本発明1〕
PETフィルム上に、透明樹脂層として、10%カルボキシメチルセルロース(以下、CMC)溶液を、湿潤膜厚3μmにて塗布、乾燥した。さらに、この透明樹脂層に、透明電極102の作製と同様の操作を行い、銀ナノワイヤ及びPEDOTを積層し、透明電極104を作製した。
〔透明電極105の作製;本発明2〕
透明電極104の作製において、透明樹脂層をポリエステル系高分子液−1を用い、湿潤膜厚5μmにて塗布した以外は同様の操作を行い、透明電極105を作製した。
〔透明電極106の作製;本発明3〕
透明電極104の作製において、CMCの濃度を8%、湿潤膜厚3μmとして同様の操作を行い、銀ナノワイヤ層を積層した。これを(線圧1kg/cm)、25℃にてカレンダー処理を行った後、PEDOT(乾燥膜厚60nm)を積層し、透明電極106を作製した。
〔透明電極107の作製;本発明4〕
透明電極105の作製において、ポリエステル系高分子液−1を湿潤膜厚4μmとして同様の操作を行い、銀ナノワイヤ層を積層した。これを(線圧1kg/cm)、80℃(仮)にてカレンダー処理を行った後、PEDOT(乾燥膜厚40nm)を積層し、透明電極107を作製した。
〔透明電極108の作製;本発明5〕
透明樹脂層として、5%ゼラチン水溶液を湿潤膜厚6μmにて塗設した。さらに、ゼラチン層が含水率150%の状態で、導電層として銀ナノワイヤ分散液を銀ナノワイヤの目付け量が0.09g/mとなるように、インクジェットプリンターにて10mm巾のストライプ状パターンを形成し、乾燥した。次いで、PEDOT(乾燥膜厚60nm)を積層し、透明電極108を作製した。
〔透明電極109の作製;本発明6〕
透明電極108の作製において、銀ナノワイヤ層を形成、乾燥する際、ゼラチン層の含水率が20%の状態で、(線圧1kg/cmにて)、カレンダー処理を行った。次いで、PEDOT(乾燥膜厚30nm)を積層し、透明電極109を作製した。
〔透明電極110の作製;本発明7〕
PETフィルムに易接着加工を施し、易接着面上に透明樹脂層として紫外線硬化性樹脂(UVPOTミディアム0、帝国インキ(株)製)を3μmの厚みに塗布して、接着フィルムを作製した。これを、透明電極101の作製において、銀ナノワイヤ層のみを塗設したフィルムと、それぞれの塗布面が対面するように圧着した。次いで、接着フィルムの側から紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂を硬化させ、接着フィルムと銀ナノワイヤ層とを接合した。銀ナノワイヤ層側のPETフィルムを剥離した後、PEDOT(乾燥膜厚60nm)を積層し、透明電極110を作製した。
〔透明電極111の作製;本発明8〕
透明電極110の作製において、PEDOTの乾燥膜厚を30nmとした以外は、同様の操作を行い、透明電極111を作製した。
[測定]
下記方法で、透明電極101〜111の平滑性Ra、Ry及び透過率、表面抵抗について評価した。
(表面粗さ)
本発明において、導電層表面の平滑性を表すRaとRyは、Ra=算術平均粗さと、Ry=最大高さ(表面の山頂部と谷底部との高低差)を意味し、JIS B601(1994)に規定される表面粗さに準ずる値である。本発明においてRaやRyの測定には、市販の原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)を用いることができ、以下の方法で測定した。
AFMとして、セイコーインスツル社製SPI3800Nプローブステーション及びSPA400多機能型ユニットを使用し、約1cm角の大きさに切り取った試料を、ピエゾスキャナー上の水平な試料台上にセットし、カンチレバーを試料表面にアプローチし、原子間力が働く領域に達したところで、XY方向にスキャンし、その際の試料の凹凸をZ方向のピエゾの変位で捉える。ピエゾスキャナーは、XY20μm、Z2μmが走査可能なものを使用する。カンチレバーは、セイコーインスツルメンツ社製シリコンカンチレバーSI−DF20で、共振周波数120〜150kHz、バネ定数12〜20N/mのものを用い、DFMモード(Dynamic Force Mode)で測定する。測定領域80×80μmを、走査周波数1Hzで測定する。
(透過率)
透過率は、東京電色社製AUTOMATICHAZEMETER(MODEL TC−HIIIDP)を用いて、導電層パターン部の全光線透過率(%)を測定した。
(表面比抵抗)
表面比抵抗は、ダイアインスツルメンツ製抵抗率計ロレスタGPを用いて導電層パターン部の表面比抵抗(Ω/□)を四端子法で測定した。
測定及び評価の結果を表1に示す。
Figure 2011065765
表1に示した結果より、本発明の透明電極は、導電性(表面比抵抗)、透明性(透過率)に優れ、平滑性(表面形状)が高いことが分かる。
《有機EL素子の作製》
作製した透明電極101〜111を第一電極に用いて、以下の手順でそれぞれ有機EL素子201〜211を作製した。
市販の真空蒸着装置内の蒸着用るつぼの各々に、各層の構成材料を各々素子作製に最適の量を充填した。蒸着用るつぼはモリブデン製またはタングステン製の抵抗加熱用材料で作製されたものを用いた。
まず、真空度1×10−4Paまで減圧した後、A−1の入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で、第一電極上に蒸着し、30nmの正孔輸送層を設けた。
次いで、以下の手順で各発光層を設けた。
A−2が13質量%、A−3が3.7質量%の濃度になるように、A−2、A−3及びA−4を蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、発光極大波長が622nm、厚さ10nmの緑赤色燐光発光層を形成した。
次いで、A−5が10質量%になるように、A−5及びA−4を蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、発光極大波長が471nm、厚さ15nmの青色燐光発光層を形成した。
その後、A−6を膜厚5nmに蒸着して正孔阻止層を形成し、更にCsFを膜厚比で10%になるようにA−6と共蒸着し、厚さ45nmの電子輸送層を形成した。
更に、アルミニウム110nmを蒸着して陰極を形成し、有機EL素子201〜211を作製した。
〈封止膜の形成〉
形成した電子輸送層の上に、ポリエチレンテレフタレートを基材とし、Alを厚さ300nmで蒸着した可撓性封止部材を使用した。第1電極及び第2電極の外部取り出し端子が形成できる様に端部を除き第2電極の周囲に接着剤を塗り、可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させた。
Figure 2011065765
[発光輝度ムラ]
作製した有機EL素子201〜211に、KEITHLEY製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流電圧を印加し発光させた。200cdで発光させた各有機EL素子について、点灯時の発光面全体の発光ムラを、目視観察により下記基準で評価した。
◎:90%以上が均一に発光している
○:80%以上が均一に発光している
△:70%以上が均一に発光している
×:70%未満しか発光していない
××:全く発光せず
上記評価結果を表2に示す。
Figure 2011065765
表2に示した結果より明らかなように、導電性、透明性に優れ、平滑性が高い本発明の透明電極を有機エレクトロルミネッセンス素子の電極として使用した場合、有機エレクトロルミネッセンス素子は発光輝度ムラが少ないことが分かる。

Claims (7)

  1. 透明支持体上に、透明樹脂層、金属ナノワイヤ含有導電層、及び導電性高分子層が、この順に設置されていることを特徴とする透明電極。
  2. 全光線透過率が、50%以上の透明性を有することを特徴とする請求項1に記載の透明電極。
  3. 前記金属ナノワイヤの一部が、前記透明樹脂層に埋没していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の透明電極。
  4. 前記透明樹脂層の膜厚が、前記金属ナノワイヤ含有導電層の膜厚の10%以上であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の透明電極。
  5. 前記透明電極の表面粗さRaが5nm以下であり、かつ、最大高さRyが50nm以下であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の透明電極。
  6. 前記金属ナノワイヤが、銀ナノワイヤであることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の透明電極。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の透明電極を用いたことを特徴とする有機電子デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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