JP2011065100A - カラートナーセット、静電荷像現像剤セット及びフルカラー画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】定着画像同士が接触するように印刷物を重ねて長期保管した後の画像欠損が発生しないカラートナーセットを提供すること。
【解決手段】着色剤、結着樹脂及び離型剤を含むカラートナーを少なくとも1つと、着色剤、結着樹脂及び離型剤を含む黒色トナーとを含み、式(1)を満たすことを特徴とするカラートナーセット。1.3≦Dk/Dc≦2.5(1)。式(1)中、Dkは黒色トナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表し、Dcはカラートナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表す。
【選択図】なし
【解決手段】着色剤、結着樹脂及び離型剤を含むカラートナーを少なくとも1つと、着色剤、結着樹脂及び離型剤を含む黒色トナーとを含み、式(1)を満たすことを特徴とするカラートナーセット。1.3≦Dk/Dc≦2.5(1)。式(1)中、Dkは黒色トナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表し、Dcはカラートナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表す。
【選択図】なし
Description
本発明は、カラートナーセット、静電荷像現像剤セット及びフルカラー画像形成方法に関する。
一般に画像形成装置において、1色分の定着温度と比較して、複数の色を重ねた場合、多層となるため定着温度は高くなることが知られている。
黒色トナーとカラートナーとを含むトナーセットを用いたフルカラー画像形成方法として、特許文献1〜5が開示されている。
黒色トナーとカラートナーとを含むトナーセットを用いたフルカラー画像形成方法として、特許文献1〜5が開示されている。
本発明が解決しようとする課題は、定着画像同士が接触するように印刷物を重ねて長期保管した後の画像欠損が発生しないカラートナーセットを提供することである。
上記の課題は、以下の手段により解決された。
<1>着色剤、結着樹脂及び離型剤を含むカラートナーを少なくとも1つと、着色剤、結着樹脂及び離型剤を含む黒色トナーとを含み、式(1)を満たすことを特徴とするカラートナーセット、
1.3≦Dk/Dc≦2.5 (1)
式(1)中、Dkは黒色トナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表し、Dcはカラートナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表す、
<2>前記カラートナーを3色以上含む、<1>に記載のカラートナーセット、
<3><1>又は<2>に記載のカラートナーセットにおける黒色トナー及びカラートナーが、それぞれキャリアを含んで静電荷像現像剤を構成することを特徴とする静電荷像現像剤セット、
<4>像保持体の表面にカラー用の静電潜像を形成する潜像形成工程、前記静電潜像をカラートナーにより現像してカラートナー像を形成する現像工程、前記カラートナー像を被転写体表面に転写する転写工程、像保持体の表面に黒色用の静電潜像を形成する潜像形成工程、前記静電潜像を黒色トナーにより現像して黒色トナー像を形成する現像工程、前記黒色トナー像を被転写体表面に転写する転写工程、前記カラートナー像及び黒色トナー像を加熱及び/又は加圧により一括で定着する定着工程を含み、前記カラートナー及び黒色トナーが<1>又は<2>に記載のカラートナーセットに含まれるトナーであることを特徴とするフルカラー画像形成方法。
<1>着色剤、結着樹脂及び離型剤を含むカラートナーを少なくとも1つと、着色剤、結着樹脂及び離型剤を含む黒色トナーとを含み、式(1)を満たすことを特徴とするカラートナーセット、
1.3≦Dk/Dc≦2.5 (1)
式(1)中、Dkは黒色トナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表し、Dcはカラートナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表す、
<2>前記カラートナーを3色以上含む、<1>に記載のカラートナーセット、
<3><1>又は<2>に記載のカラートナーセットにおける黒色トナー及びカラートナーが、それぞれキャリアを含んで静電荷像現像剤を構成することを特徴とする静電荷像現像剤セット、
<4>像保持体の表面にカラー用の静電潜像を形成する潜像形成工程、前記静電潜像をカラートナーにより現像してカラートナー像を形成する現像工程、前記カラートナー像を被転写体表面に転写する転写工程、像保持体の表面に黒色用の静電潜像を形成する潜像形成工程、前記静電潜像を黒色トナーにより現像して黒色トナー像を形成する現像工程、前記黒色トナー像を被転写体表面に転写する転写工程、前記カラートナー像及び黒色トナー像を加熱及び/又は加圧により一括で定着する定着工程を含み、前記カラートナー及び黒色トナーが<1>又は<2>に記載のカラートナーセットに含まれるトナーであることを特徴とするフルカラー画像形成方法。
上記<1>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、定着画像同士が接触するように印刷物を重ねて長期保管した後の画像欠損が発生しない、カラートナーセットが提供される。
上記<2>に記載の発明によれば、文字等の細線部の画像欠損が発生しない、カラートナーセットが提供される。
上記<3>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、定着画像同士が接触するように印刷物を重ねて長期保管した後の画像欠損が発生しない、静電荷像現像剤セットが提供される。
上記<4>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、定着画像同士が接触するように印刷物を重ねて長期保管した後の画像欠損が発生しない、フルカラー画像形成方法が提供される。
上記<2>に記載の発明によれば、文字等の細線部の画像欠損が発生しない、カラートナーセットが提供される。
上記<3>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、定着画像同士が接触するように印刷物を重ねて長期保管した後の画像欠損が発生しない、静電荷像現像剤セットが提供される。
上記<4>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、定着画像同士が接触するように印刷物を重ねて長期保管した後の画像欠損が発生しない、フルカラー画像形成方法が提供される。
I.カラートナーセット
本実施形態のカラートナーセットは、着色剤、結着樹脂及び離型剤を含むカラートナーを少なくとも1つと、着色剤、結着樹脂及び離型剤を含む黒色トナーとを含み、式(1)を満たすことを特徴とする。
1.3≦Dk/Dc≦2.5 (1)
式(1)中、Dkは黒色トナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表し、Dcはカラートナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表す。
以下、本実施形態のカラートナーセットについて詳細に説明する。なお、特に断りのない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上、B以下」と同義であり、数値範囲の両端を数値範囲内に含むものとする。
本実施形態のカラートナーセットは、着色剤、結着樹脂及び離型剤を含むカラートナーを少なくとも1つと、着色剤、結着樹脂及び離型剤を含む黒色トナーとを含み、式(1)を満たすことを特徴とする。
1.3≦Dk/Dc≦2.5 (1)
式(1)中、Dkは黒色トナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表し、Dcはカラートナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表す。
以下、本実施形態のカラートナーセットについて詳細に説明する。なお、特に断りのない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上、B以下」と同義であり、数値範囲の両端を数値範囲内に含むものとする。
定着画像同士を接触させて複数の印刷物を重ねて長期保管した際に、定着画像と他の印刷物の定着画像との間で、着色剤を含む結着樹脂の移行が生じ、画像欠損が生じることがある。画像欠損の発生は、画像構造に影響される。例えば、細線を含まないソリッド画像よりも細線を含む文字画像同士を重ねた方が、定着した画像内部の凝集力の影響が小さいことにより、画像欠損が発生しやすくなる。すなわち、明朝8p以下の細線を含む画像を有する印刷物を重ねて長期保管した場合には着色剤を含む結着樹脂の移行による画像欠損が生じやすい。文字画像の形成には黒色トナーを用いることが多く、かかる画像欠損は黒色の文字画像において特に顕著である。
画像欠損をなくすためには、画像表面に十分な量の離型剤(ワックス)を露出させることが好ましい。画像同士を接触させた際に、着色剤(色材)を含有した結着樹脂同士が直接接触してしまうと、長期保管により他の画像に結着樹脂が着色剤とともに移行してしまい、その結果画像欠損を発生させる。
一方、画像表面に離型剤を露出させると、定着画像同士を接触させた際に、離型剤同士が接触する。離型剤中には着色剤が含まれていないため、長期保管後でも離型剤が移行することはあっても着色剤が移行することはなく、画像欠損はなくなる。本発明者らは、離型剤を文字等の細線画像の表面に露出させるためには、カラートナーに比較してトナー中における離型剤ドメインの個数平均長径が大きい黒色トナーを用いることで解決できることを見出した。
一方、画像表面に離型剤を露出させると、定着画像同士を接触させた際に、離型剤同士が接触する。離型剤中には着色剤が含まれていないため、長期保管後でも離型剤が移行することはあっても着色剤が移行することはなく、画像欠損はなくなる。本発明者らは、離型剤を文字等の細線画像の表面に露出させるためには、カラートナーに比較してトナー中における離型剤ドメインの個数平均長径が大きい黒色トナーを用いることで解決できることを見出した。
本実施形態においては、黒色トナーは文字や線画を含む細線の形成に好ましく用いられる。細線の幅は、明朝8p以下が好ましい。上記の数値の範囲内において、画像欠損がより効果的に抑制される。
(静電荷像現像用トナー)
本実施形態に用いられる黒色トナー及びカラートナー(以下、単に「トナー」というときには、「黒色トナー」及び「カラートナー」のいずれをも意味する。)は、着色剤、結着樹脂及び離型剤を含む。本実施形態においては、トナーは、トナー母粒子と外部添加剤(外添剤)とからなる外添トナーであることが、流動性、帯電特性を制御する上で好ましい。
本実施形態に用いられる黒色トナー及びカラートナー(以下、単に「トナー」というときには、「黒色トナー」及び「カラートナー」のいずれをも意味する。)は、着色剤、結着樹脂及び離型剤を含む。本実施形態においては、トナーは、トナー母粒子と外部添加剤(外添剤)とからなる外添トナーであることが、流動性、帯電特性を制御する上で好ましい。
(着色剤)
着色剤としては、例えば、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、ランプブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、ウルトラマリンブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート等の種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系等の各種染料を単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を例示することができる。
着色剤としては、例えば、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、ランプブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、ウルトラマリンブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート等の種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系等の各種染料を単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を例示することができる。
トナー母粒子における着色剤の含有量としては、結着樹脂100重量部に対して、1〜20重量部の範囲であることが好ましい。また、必要に応じて表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を使用することも有効である。前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等を得ることができる。本実施形態のカラートナーセットは、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーよりなる4色のカラートナーセットであることが好ましい。
(結着樹脂)
結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体及び共重合体を例示することができ、代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。これらの中では、特にスチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエステル樹脂が好ましい。
結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体及び共重合体を例示することができ、代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。これらの中では、特にスチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエステル樹脂が好ましい。
また、トナーに用いられる結着樹脂には、必要に応じて結晶性樹脂を用いてもよい。具体的には、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ビニル系樹脂が挙げられるが、定着時の紙への接着性や帯電性、及び好ましい範囲での融点調整の観点から結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。また、適度な融点をもつ脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。
前記結晶性ビニル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等の長鎖アルキル、アルケニルの(メタ)アクリル酸エステルを用いたビニル系樹脂が挙げられる。なお、本明細書において、“(メタ)アクリル”なる記述は、“アクリル”及び“メタクリル”のいずれか、又は、その両方を含むことを意味する。
一方、前記結晶性ポリエステル樹脂は、酸(ジカルボン酸)成分とアルコール(ジオール)成分とから合成される。本実施形態において、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指す。「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。本実施形態において、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が15℃以内であることを意味する。
また、前記結晶性ポリエステル主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50重量%以下の場合、この共重合体も結晶性ポリエステル樹脂と呼ぶ。
また、前記結晶性ポリエステル主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50重量%以下の場合、この共重合体も結晶性ポリエステル樹脂と呼ぶ。
前記酸由来構成成分としては、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、直鎖型のカルボン酸がより好ましい。直鎖型のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸及び1,18−オクタデカンジカルボン酸、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。中でも、炭素数6〜10のものが結晶融点や帯電性の観点から好ましい。結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジカルボン酸を、酸構成成分の95mol%以上用いることが好ましく、98mol%以上用いることがより好ましい。なお、低級アルキルとは、炭素数1〜8の直鎖、分岐又は環状のアルキル基を表す。
その他に、「高分子データハンドブック:基礎編」(高分子学会編:(株)培風館)に記載されている従来公知の二価のカルボン酸が挙げられる。具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の二塩基酸、及び、これらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アルコール由来構成成分としては脂肪族ジアルコール(脂肪酸ジオール)が好ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられる。中でも、炭素数6〜10のものが結晶融点や帯電性の観点から好ましい。結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジアルコール(ジオール)を、アルコール構成成分の95mol%以上用いることが好ましく、98mol%以上用いることがより好ましい。
その他の二価のジアルコールとしては、例えば、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他の二価のジアルコールとしては、例えば、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調整等の目的で、酢酸、安息香酸等の一価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の一価のアルコールや、ベンゼントリカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど三価のアルコールも使用することができる。
前記ポリエステル樹脂は、前記のモノマー成分の中から任意の組合せで、例えば、「重縮合」((株)化学同人)、「高分子実験学(重縮合と重付加)」(共立出版(株))や「ポリエステル樹脂ハンドブック」((株)日刊工業新聞社編)等に記載の従来公知の方法を用いて合成することができ、エステル交換法や直接重縮合法等を単独で、又は、組み合わせて用いることができる。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のmol比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、直接重縮合の場合は通常1/1程度、エステル交換法の場合は、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールなど真空下で脱留可能なモノマーを過剰に用いる場合が多い。前記ポリエステル樹脂の製造は、通常、重合温度180〜250℃の間で行われ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーとそのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と供に重縮合させるとよい。
前記ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物、亜リン酸化合物、リン酸化合物、及び、アミン化合物等が挙げられ、具体的には、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、オクチル酸ジルコニウム、酸化ゲルマニウム等の化合物が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂の融点は50〜120℃であることが好ましく、60〜100℃であることがより好ましい。融点が50℃以上であると、トナーの保存性や、定着後のトナー画像の保存性に優れる。また、120℃以下であると、十分な低温定着性を得ることができる。
なお、本実施形態において、前記結晶性ポリエステル樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。なお、結晶性の樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本実施形態においては、最大のピークをもって融点とみなす。
なお、本実施形態において、前記結晶性ポリエステル樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。なお、結晶性の樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本実施形態においては、最大のピークをもって融点とみなす。
(離型剤)
本実施形態のカラートナーセットは、式(1)を満たすことを特徴とする。
1.3≦Dk/Dc≦2.5 (1)
式(1)中、Dkは黒色トナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表し、Dcはカラートナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表す。
Dk/Dcの値が1.3未満であると、印刷物を重ねての長期保管後、文字等の黒色の細線部において、着色剤を含む結着樹脂の移行が生じ、画像欠損が生じる。
Dk/Dcの値が2.5を超えると、黒色トナーからの離型剤揮発成分が、定着部材や通紙センサー部に固着する場合がある。
本実施形態においては、Dk/Dcの値は、1.4〜2.3が好ましく、1.5〜2.1がより好ましい。
本実施形態のカラートナーセットは、式(1)を満たすことを特徴とする。
1.3≦Dk/Dc≦2.5 (1)
式(1)中、Dkは黒色トナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表し、Dcはカラートナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表す。
Dk/Dcの値が1.3未満であると、印刷物を重ねての長期保管後、文字等の黒色の細線部において、着色剤を含む結着樹脂の移行が生じ、画像欠損が生じる。
Dk/Dcの値が2.5を超えると、黒色トナーからの離型剤揮発成分が、定着部材や通紙センサー部に固着する場合がある。
本実施形態においては、Dk/Dcの値は、1.4〜2.3が好ましく、1.5〜2.1がより好ましい。
各トナーにおける離型剤ドメイン長径は、0.3〜1.5μmであることが好ましい。上記の数値の範囲内であると、定着部材との剥離性を確保しながら、画像表面に離型剤が留まりやすく、保存中の画像欠損を防ぐことができる。
中でも、黒色トナーにおいては0.6〜1.5μmが好ましく、0.7〜1.3μmがより好ましい。上記の数値の範囲内であると、文字等の細線での画像表面の離型剤が適切な量となる。
また、カラートナーにおいては0.3〜1.0μmが好ましく、0.4〜0.8μmがより好ましい。上記の数値の範囲内であると、ソリッド画像等の画像凹部が大きい画像表面での離型剤量が適切となる。
中でも、黒色トナーにおいては0.6〜1.5μmが好ましく、0.7〜1.3μmがより好ましい。上記の数値の範囲内であると、文字等の細線での画像表面の離型剤が適切な量となる。
また、カラートナーにおいては0.3〜1.0μmが好ましく、0.4〜0.8μmがより好ましい。上記の数値の範囲内であると、ソリッド画像等の画像凹部が大きい画像表面での離型剤量が適切となる。
離型剤ドメイン長径は、透過型電子顕微鏡(TEM)の画像解析によって求める。具体的には、以下の方法で測定する。トナー粒子をエポキシ樹脂によって包埋硬化し、ミクロトームによって厚さ100nmに切片化する。このトナー断面を透過型電子顕微鏡(TEM)によって観察すると、トナーの結着樹脂からなる連続相の中に、離型剤の相および着色剤の相がドメインとして見られる。これらを写真撮影し、TEMに接続した画像解析装置によって、離型剤ドメインの形状、個数を求め、離型剤ドメインの最長の径を離型剤ドメインひとつの長径として、離型剤ドメイン500個を無作為に測定することで、離型剤ドメインの平均個数長径が得られる。
黒色トナーにおける、離型剤ドメインの長径と短径との比率(長径/短径)は、1.1〜2.1が好ましく、1.1〜1.9がより好ましく、1.1〜1.7がさらに好ましい。上記の数値の範囲内であると、トナー内の離型剤ドメイン形状が球状に近くなり、トナー表面へ露出する際の表面積が大きくなり、画像保存性が良好となる。
一方、カラートナーにおいては、離型剤ドメインの長径と短径との比率(長径/短径)は、2.1〜3.3が好ましく、2.2〜3.1がより好ましく、2.3〜2.9がさらに好ましい。上記の数値の範囲内であると、トナー内の離型剤ドメイン形状が針状もしくは板状に近くなり、トナー表面へ露出する際の表面積が大きくなりすぎず、定着部材や通紙センサーへの離型剤揮発成分による汚染が防止されるため好ましい。
一方、カラートナーにおいては、離型剤ドメインの長径と短径との比率(長径/短径)は、2.1〜3.3が好ましく、2.2〜3.1がより好ましく、2.3〜2.9がさらに好ましい。上記の数値の範囲内であると、トナー内の離型剤ドメイン形状が針状もしくは板状に近くなり、トナー表面へ露出する際の表面積が大きくなりすぎず、定着部材や通紙センサーへの離型剤揮発成分による汚染が防止されるため好ましい。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス、水添ヒマシ油、カルナバワックス、ライスワックス等の植物系ワックス、ステアリン酸エステル、ベヘン酸エステル、モンタン酸エステル等の高級脂肪酸エステル系ワックス、アルキル変性シリコーン、ステアリン酸等の高級脂肪酸ステアリルアルコール等の高級アルコール、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン等、公知のものが用いられる。
黒色トナー及びカラートナーにおける離型剤の含有量としては、結着樹脂100重量部に対して、1〜25重量部であることが好ましく、5〜15重量部であることがより好ましい。
また、本実施形態のカラートナーセットの第2の実施形態として、以下のカラートナーセットを用いることもできる。すなわち、第2の実施形態のカラートナーセットは、着色剤、結着樹脂及び離型剤を含み、明朝8p以下の幅の細線部を現像する細線形成用トナーを少なくとも1つと、着色剤、結着樹脂及び離型剤を含み、明朝8pを超える幅をもつソリッド画像部を現像するソリッド画像形成用トナーを少なくとも1つとを含み、式(1’)を満たすことを特徴とする。
1.3≦DA/DB≦2.5(1’)
式(1’)中、DAは細線形成用トナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表し、DBはソリッド画像形成用トナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表す。
第2の実施形態のトナーセットにおいては、文字等の細線を形成するトナーを黒色トナーに限定せず、また、細線以外のソリッド画像を形成するトナーをカラートナーに限定しない。この点を除いて、第2の実施形態のカラートナーセットの好ましい実施態様は、先に述べた本実施形態のカラートナーセットと同様である。
また、第2の実施形態においても細線形成用のトナーとして黒色トナーを含むものが好ましく、ソリッド画像形成用トナーとして、カラートナーを3色以上含むものがより好ましい。
1.3≦DA/DB≦2.5(1’)
式(1’)中、DAは細線形成用トナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表し、DBはソリッド画像形成用トナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表す。
第2の実施形態のトナーセットにおいては、文字等の細線を形成するトナーを黒色トナーに限定せず、また、細線以外のソリッド画像を形成するトナーをカラートナーに限定しない。この点を除いて、第2の実施形態のカラートナーセットの好ましい実施態様は、先に述べた本実施形態のカラートナーセットと同様である。
また、第2の実施形態においても細線形成用のトナーとして黒色トナーを含むものが好ましく、ソリッド画像形成用トナーとして、カラートナーを3色以上含むものがより好ましい。
(トナー母粒子の製造方法)
トナー母粒子の製造は、例えば、結着樹脂と、着色剤及び離型剤を混練、粉砕、分級する混練粉砕法;混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力又は熱エネルギーにて形状を変化させる方法;結着樹脂を乳化して分散した分散液と、着色剤及び離型剤の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー母粒子を得る乳化凝集法;結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤及び離型剤の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー母粒子を得る乳化重合凝集法;結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤及び離型剤とを水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂と着色剤、及び離型剤を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法;等が使用できる。また上記方法で得られたトナー母粒子をコアにして、さらに結着樹脂等を付着、加熱融合してコアシェル構造を持たせる製造方法を行ってもよい。これらの中でも、本実施形態においては、トナーは、乳化凝集法、又は、乳化重合凝集法により得られたトナー(乳化凝集トナー)であることが好ましい。
トナー母粒子の製造は、例えば、結着樹脂と、着色剤及び離型剤を混練、粉砕、分級する混練粉砕法;混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力又は熱エネルギーにて形状を変化させる方法;結着樹脂を乳化して分散した分散液と、着色剤及び離型剤の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー母粒子を得る乳化凝集法;結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤及び離型剤の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー母粒子を得る乳化重合凝集法;結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤及び離型剤とを水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂と着色剤、及び離型剤を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法;等が使用できる。また上記方法で得られたトナー母粒子をコアにして、さらに結着樹脂等を付着、加熱融合してコアシェル構造を持たせる製造方法を行ってもよい。これらの中でも、本実施形態においては、トナーは、乳化凝集法、又は、乳化重合凝集法により得られたトナー(乳化凝集トナー)であることが好ましい。
さらに、トナー内部の離型剤ドメイン形状を制御する方法として、結着樹脂粒子分散液及び着色剤粒子分散液を混合する混合工程と、結着樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集させて第1の凝集粒子を形成する第1の凝集工程と、第1の凝集粒子に離型剤粒子分散液を混合し、第1の凝集粒子と離型剤粒子とを凝集させて第2の凝集粒子を形成する第2の凝集工程と、第2の凝集粒子が分散された第2の凝集粒子分散液を加熱して融合・合一する融合・合一工程と、を含むトナーの製造方法が好適である。
この方法では、結着樹脂粒子と着色剤粒子とによる第1の凝集粒子を形成した後に、第1の凝集粒子と離型剤粒子とを凝集させる。かかる製法により、離型剤がトナー内部に細かく分散しにくくなり、表面近傍で大きなドメインを形成しやすくなる。
この方法では、結着樹脂粒子と着色剤粒子とによる第1の凝集粒子を形成した後に、第1の凝集粒子と離型剤粒子とを凝集させる。かかる製法により、離型剤がトナー内部に細かく分散しにくくなり、表面近傍で大きなドメインを形成しやすくなる。
トナー母粒子の粒径は、体積平均粒径で2〜8μmの範囲であることが好ましく、3〜7μmの範囲であることがより好ましい。体積平均粒径が2μm以上であると、トナーの流動性が良好であり、また、キャリアから十分な帯電能が付与されるので、背景部へのカブリの発生や濃度再現性の低下を生じ難いので好ましい。また、体積平均粒径が8μm以下であると、微細なドットの再現性、階調性、粒状性の改善効果が良好であり、高画質画像を得ることができる。
したがって、上述したトナーの体積平均粒径を有することによって、写真や絵画、パンフレット等の画像面積が大きく、濃度階調がある原稿の繰り返し複写においても微細な潜像のドットに対して、忠実な再現性が期待できる。
したがって、上述したトナーの体積平均粒径を有することによって、写真や絵画、パンフレット等の画像面積が大きく、濃度階調がある原稿の繰り返し複写においても微細な潜像のドットに対して、忠実な再現性が期待できる。
トナー母粒子は、現像性・転写効率の向上、高画質化の観点から擬似球形であることが好ましい。トナー母粒子の球形化度は、下記の形状係数SF1を用いて表すことができる。本実施形態に用いられるトナー母粒子の形状係数SF1の平均値(平均形状係数)は、145以下であることが好ましく、115〜140あることがより好ましく、120〜140の範囲であることがさらに好ましい。上記の数値の範囲内であると、良好な転写効率が得られ、画質に優れる。
上記式において、MLは各々のトナー母粒子の最大長を表し、Aは各々のトナー母粒子の投影面積を表す。
なお、前記形状係数SF1の平均値(平均形状係数)は、250倍に拡大した1,000個のトナー像を光学顕微鏡から画像解析装置(LUZEX III、(株)ニレコ製)に取り込み、その最大長及び投影面積から、個々の粒子について前記SF1の値を求め平均したものである。
なお、前記形状係数SF1の平均値(平均形状係数)は、250倍に拡大した1,000個のトナー像を光学顕微鏡から画像解析装置(LUZEX III、(株)ニレコ製)に取り込み、その最大長及び投影面積から、個々の粒子について前記SF1の値を求め平均したものである。
(添加剤)
本実施形態において、トナーには必要に応じて、本実施形態の結果に影響を与えない範囲で公知の添加剤が1種又は複数を組み合わせて配合される。例えば、難燃剤、難燃助剤、光沢剤、防水剤、撥水剤、磁性体、無機充填剤(表面改質剤)、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤、分散剤、滑剤、充填剤、体質顔料、結着剤、帯電制御剤等である。
本実施形態において、トナーには必要に応じて、本実施形態の結果に影響を与えない範囲で公知の添加剤が1種又は複数を組み合わせて配合される。例えば、難燃剤、難燃助剤、光沢剤、防水剤、撥水剤、磁性体、無機充填剤(表面改質剤)、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤、分散剤、滑剤、充填剤、体質顔料、結着剤、帯電制御剤等である。
(外添剤)
本実施形態において、トナーは、流動性付与やクリーニング性向上等の目的で無機粒子を混合、又は、樹脂粒子表面へ添加して用いることが好ましい。本実施形態に用いられる無機粒子は、好ましくは一次粒径が5nm〜2μmであり、より好ましくは5nm〜500nmである。またBET法による比表面積は20〜500m2/gであることが好ましい。トナーに混合される割合は0.01〜5重量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜2.0重量%である。
このような無機粒子としては例えば、シリカ粉末、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などが挙げられるが、シリカ粉末が特に好ましい。
本実施形態において、トナーは、流動性付与やクリーニング性向上等の目的で無機粒子を混合、又は、樹脂粒子表面へ添加して用いることが好ましい。本実施形態に用いられる無機粒子は、好ましくは一次粒径が5nm〜2μmであり、より好ましくは5nm〜500nmである。またBET法による比表面積は20〜500m2/gであることが好ましい。トナーに混合される割合は0.01〜5重量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜2.0重量%である。
このような無機粒子としては例えば、シリカ粉末、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などが挙げられるが、シリカ粉末が特に好ましい。
ここでいうシリカ粉末はSi−O−Si結合を有する粉末であり、乾式法及び湿式法で製造されたもののいずれも含まれる。また、無水二酸化ケイ素の他、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛などいずれでもよいが、SiO2を85重量%以上含むものが好ましい。
これらシリカ粉末の具体例としては種々の市販のシリカがあるが、表面に疎水性基を有するものが好ましく、例えばAEROSIL R−972、R−974、R−805、R−812(以上、日本アエロジル(株)製)、タラックス500(タルコ社製)等が挙げられる。その他シランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコンオイル、側鎖にアミンを有するシリコンオイル等で処理されたシリカ粉末などが使用される。
これらシリカ粉末の具体例としては種々の市販のシリカがあるが、表面に疎水性基を有するものが好ましく、例えばAEROSIL R−972、R−974、R−805、R−812(以上、日本アエロジル(株)製)、タラックス500(タルコ社製)等が挙げられる。その他シランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコンオイル、側鎖にアミンを有するシリコンオイル等で処理されたシリカ粉末などが使用される。
本実施形態のカラートナーセットは、黒色トナー及び前記カラートナーを3色以上含むカラートナーセットであることが好ましく、黒、シアン、マゼンタ、イエローのカラートナーを含むカラートナーセットであることがより好ましい。
II.静電荷像現像剤セット
本実施形態において、前記各トナーは、そのまま一成分現像剤として、又は、二成分現像剤として用いられるが、二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。すなわち、静電荷像現像剤セットは、本実施形態のカラートナーセットにおける黒色トナー及びカラートナーが、それぞれキャリアを含んで静電荷像現像剤を構成するものであることが好ましい。
本実施形態において、前記各トナーは、そのまま一成分現像剤として、又は、二成分現像剤として用いられるが、二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。すなわち、静電荷像現像剤セットは、本実施形態のカラートナーセットにおける黒色トナー及びカラートナーが、それぞれキャリアを含んで静電荷像現像剤を構成するものであることが好ましい。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが用いられる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等が挙げられる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、さらに酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが好ましい。
キャリアの芯材の体積平均粒子径としては、好ましくは10〜500μmの範囲であり、より好ましくは30〜100μmの範囲である。上記の数値の範囲内であると、像保持体へのキャリアの飛翔が抑制され、かつトナーへの撹拌ストレスが軽減される。
キャリアの芯材の体積平均粒子径としては、好ましくは10〜500μmの範囲であり、より好ましくは30〜100μmの範囲である。上記の数値の範囲内であると、像保持体へのキャリアの飛翔が抑制され、かつトナーへの撹拌ストレスが軽減される。
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、及び、必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
前記二成分現像剤におけるトナーと上記キャリアとの混合比(重量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100の範囲であり、3:100〜20:100の範囲がより好ましい。上記の数値の範囲内であると、トナー帯電量が好適に保たれる。
III.フルカラー画像形成方法
本実施形態のフルカラー画像形成方法(以下、単に「画像形成方法」ともいう。)は、像保持体の表面にカラー用の静電潜像を形成する潜像形成工程、前記静電潜像をカラートナーにより現像してカラートナー像を形成する現像工程、前記カラートナー像を被転写体表面に転写する転写工程、像保持体の表面に黒色用の静電潜像を形成する潜像形成工程、前記静電潜像を黒色トナーにより現像して黒色トナー像を形成する現像工程、前記黒色トナー像を被転写体表面に転写する転写工程、前記カラートナー像及び黒色トナー像を加熱及び/又は加圧により一括で定着する定着工程を含み、前記カラートナー及び黒色トナーが、本実施形態のカラートナーセットに含まれるトナーであることを特徴とする。
また、必要に応じて各色の潜像保持体表面に残ったトナーをクリーニングするクリーニング工程を含んでもよい。
本実施形態のフルカラー画像形成方法(以下、単に「画像形成方法」ともいう。)は、像保持体の表面にカラー用の静電潜像を形成する潜像形成工程、前記静電潜像をカラートナーにより現像してカラートナー像を形成する現像工程、前記カラートナー像を被転写体表面に転写する転写工程、像保持体の表面に黒色用の静電潜像を形成する潜像形成工程、前記静電潜像を黒色トナーにより現像して黒色トナー像を形成する現像工程、前記黒色トナー像を被転写体表面に転写する転写工程、前記カラートナー像及び黒色トナー像を加熱及び/又は加圧により一括で定着する定着工程を含み、前記カラートナー及び黒色トナーが、本実施形態のカラートナーセットに含まれるトナーであることを特徴とする。
また、必要に応じて各色の潜像保持体表面に残ったトナーをクリーニングするクリーニング工程を含んでもよい。
(潜像形成工程)
本実施形態の画像形成方法は、像保持体の表面にカラー用の静電潜像を形成する潜像形成工程、及び、像保持体の表面に黒色用の静電潜像を形成する潜像形成工程を含む。
前記潜像形成工程とは、潜像保持体の表面を、帯電手段により一様に帯電した後、レーザー光学系やLEDアレイなどで像保持体に露光し、静電潜像を形成する工程である。前記帯電手段としては、コロトロン、スコロトロンなどの非接触方式の帯電機、及び、潜像保持体表面に接触させた導電性部材に電圧を印加することにより、像保持体表面を帯電させる接触方式の帯電機が挙げられ、いかなる方式の帯電機でもよい。しかし、オゾンの発生量が少なく、環境に優しく、かつ耐刷性に優れるという効果を発揮するという観点から、接触帯電方式の帯電機が好ましい。前記接触帯電方式の帯電機においては、導電性部材の形状はブラシ状、ブレード状、ピン電極状、ローラ状等のいずれでもよいが、ローラ状部材が好ましい。
本実施形態の画像形成方法は、像保持体の表面にカラー用の静電潜像を形成する潜像形成工程、及び、像保持体の表面に黒色用の静電潜像を形成する潜像形成工程を含む。
前記潜像形成工程とは、潜像保持体の表面を、帯電手段により一様に帯電した後、レーザー光学系やLEDアレイなどで像保持体に露光し、静電潜像を形成する工程である。前記帯電手段としては、コロトロン、スコロトロンなどの非接触方式の帯電機、及び、潜像保持体表面に接触させた導電性部材に電圧を印加することにより、像保持体表面を帯電させる接触方式の帯電機が挙げられ、いかなる方式の帯電機でもよい。しかし、オゾンの発生量が少なく、環境に優しく、かつ耐刷性に優れるという効果を発揮するという観点から、接触帯電方式の帯電機が好ましい。前記接触帯電方式の帯電機においては、導電性部材の形状はブラシ状、ブレード状、ピン電極状、ローラ状等のいずれでもよいが、ローラ状部材が好ましい。
(現像工程)
本実施形態の画像形成方法は、前記静電潜像をカラートナーにより現像してカラートナー像を形成する現像工程、及び、前記静電潜像を黒色トナーにより現像して黒色トナー像を形成する現像工程を含む。
前記現像工程とは、像保持体表面に、少なくともトナーを含む現像剤層を表面に形成させた現像剤保持体を接触若しくは近接させて、前記像保持体表面の静電潜像にトナーの粒子を付着させ、像保持体表面にトナー画像を形成する工程である。現像方式は、既知の方式を用いて行うことができるが、本実施形態に用いられる二成分現像剤による現像方式としては、カスケード方式、磁気ブラシ方式などがある。本実施形態の画像形成方法は、現像方式に関し、特に制限を受けるものではない。
本実施形態の画像形成方法は、前記静電潜像をカラートナーにより現像してカラートナー像を形成する現像工程、及び、前記静電潜像を黒色トナーにより現像して黒色トナー像を形成する現像工程を含む。
前記現像工程とは、像保持体表面に、少なくともトナーを含む現像剤層を表面に形成させた現像剤保持体を接触若しくは近接させて、前記像保持体表面の静電潜像にトナーの粒子を付着させ、像保持体表面にトナー画像を形成する工程である。現像方式は、既知の方式を用いて行うことができるが、本実施形態に用いられる二成分現像剤による現像方式としては、カスケード方式、磁気ブラシ方式などがある。本実施形態の画像形成方法は、現像方式に関し、特に制限を受けるものではない。
(転写工程)
本実施形態の画像形成方法は、前記カラートナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、前記黒色トナー像を被転写体表面に転写する転写工程を含む。
前記転写工程とは、像保持体表面に形成されたトナー画像を、被記録体に直接転写、或いは中間転写体に一度転写した画像を被転写体に再度転写して転写画像を形成する工程である。像保持体からのトナー画像を紙等に転写する転写装置としては、コロトロンが利用できる。コロトロンは用紙を均一に帯電する手段としては有効であるが、被転写体である用紙に所定の電荷を与えるために、数kVという高圧を印加しなければならず、高圧電源を必要とする。また、コロナ放電によってオゾンが発生するため、ゴム部品や像保持体の劣化を引き起こすので、弾性材料からなる導電性の転写ロールを像保持体に圧接して、用紙にトナー画像を転写する接触転写方式が好ましい。本実施形態の画像形成方法においては、転写装置に関し、特に制限を受けるものではない。
本実施形態の画像形成方法は、前記カラートナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、前記黒色トナー像を被転写体表面に転写する転写工程を含む。
前記転写工程とは、像保持体表面に形成されたトナー画像を、被記録体に直接転写、或いは中間転写体に一度転写した画像を被転写体に再度転写して転写画像を形成する工程である。像保持体からのトナー画像を紙等に転写する転写装置としては、コロトロンが利用できる。コロトロンは用紙を均一に帯電する手段としては有効であるが、被転写体である用紙に所定の電荷を与えるために、数kVという高圧を印加しなければならず、高圧電源を必要とする。また、コロナ放電によってオゾンが発生するため、ゴム部品や像保持体の劣化を引き起こすので、弾性材料からなる導電性の転写ロールを像保持体に圧接して、用紙にトナー画像を転写する接触転写方式が好ましい。本実施形態の画像形成方法においては、転写装置に関し、特に制限を受けるものではない。
(定着工程)
本実施形態の画像形成方法は、前記カラートナー像及び黒色トナー像を加熱及び/又は加圧により一括で定着する定着工程を含む。
定着装置としては、ヒートロールを用いる加熱定着装置が好ましく用いられる。加熱定着装置は、円筒状芯金の内部に加熱用のヒータランプを備え、その外周面に耐熱性樹脂被膜層あるいは耐熱性ゴム被膜層により、いわゆる離型層を形成した定着ローラと、この定着ローラに対し圧接して配置され、円筒状芯金の外周面あるいはベルト状基材表面に耐熱弾性体層を形成した加圧ローラあるいは加圧ベルトと、で構成される。未定着トナー画像の定着プロセスは、定着ローラと加圧ローラあるいは加圧ベルトとの間に未定着トナー画像が形成された被記録体を挿通させて、トナー中の結着樹脂、添加剤等の熱溶融による定着を行う。
本実施形態の画像形成方法は、前記カラートナー像及び黒色トナー像を加熱及び/又は加圧により一括で定着する定着工程を含む。
定着装置としては、ヒートロールを用いる加熱定着装置が好ましく用いられる。加熱定着装置は、円筒状芯金の内部に加熱用のヒータランプを備え、その外周面に耐熱性樹脂被膜層あるいは耐熱性ゴム被膜層により、いわゆる離型層を形成した定着ローラと、この定着ローラに対し圧接して配置され、円筒状芯金の外周面あるいはベルト状基材表面に耐熱弾性体層を形成した加圧ローラあるいは加圧ベルトと、で構成される。未定着トナー画像の定着プロセスは、定着ローラと加圧ローラあるいは加圧ベルトとの間に未定着トナー画像が形成された被記録体を挿通させて、トナー中の結着樹脂、添加剤等の熱溶融による定着を行う。
(クリーニング工程)
クリーニング工程とは、ブレード、ブラシ、ロール等を像保持体表面に直接接触させ、像保持体表面に付着しているトナー、紙粉、ゴミなどを除去する工程である。
最も一般的に採用されている方式として、ポリウレタン等のゴム製のブレードを潜像保持体に圧接させるブレードクリーニング方式である。これに対し、内部に磁石を固定配置し、その外周に回転可能な円筒状の非磁性体のスリーブを設け、そのスリーブ表面に磁性キャリアを保持させてトナーを回収する磁気ブラシ方式や、半導電性の樹脂繊維や動物の毛をロール状に回転可能にし、トナーと反対極性のバイアスをそのロールに印加してトナーを除去する方式でもよい。前者の磁気ブラシ方式では、クリーニングの前処理用コロトロンを設置してもよい。本実施形態の画像形成方法においては、クリーニング方式については少なくともブレードを有するクリーニング工程である。
クリーニング工程とは、ブレード、ブラシ、ロール等を像保持体表面に直接接触させ、像保持体表面に付着しているトナー、紙粉、ゴミなどを除去する工程である。
最も一般的に採用されている方式として、ポリウレタン等のゴム製のブレードを潜像保持体に圧接させるブレードクリーニング方式である。これに対し、内部に磁石を固定配置し、その外周に回転可能な円筒状の非磁性体のスリーブを設け、そのスリーブ表面に磁性キャリアを保持させてトナーを回収する磁気ブラシ方式や、半導電性の樹脂繊維や動物の毛をロール状に回転可能にし、トナーと反対極性のバイアスをそのロールに印加してトナーを除去する方式でもよい。前者の磁気ブラシ方式では、クリーニングの前処理用コロトロンを設置してもよい。本実施形態の画像形成方法においては、クリーニング方式については少なくともブレードを有するクリーニング工程である。
なお、本実施形態の画像形成方法において、フルカラー画像を作製する場合には、複数の像保持体がそれぞれ各色の現像剤保持体を有しており、その複数の像保持体及び現像剤保持体それぞれによる潜像形成工程、現像工程、転写工程及びクリーニング工程からなる一連の工程により、同一の被記録体表面に前記工程ごとの各色トナー画像が順次積層形成され、その積層されたフルカラーのトナー画像を、定着工程で熱定着する画像形成方法が好ましく用いられる。そして、前記電子写真用現像剤を、前記画像形成方法に用いることにより、例えば、小型、カラー高速化に適したタンデム方式においても、安定した現像、転写、定着性能を得ることができる。
トナー画像を転写する被転写体(被記録媒体)としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、前記被転写体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
第2のフルカラー画像形成方法として、像保持体の表面に細線部となる静電潜像を形成する潜像形成工程、前記静電潜像を細線形成用トナーにより現像して細線部となるトナー像を形成する現像工程、前記細線部となるトナー像を被転写体表面に転写する転写工程、像保持体の表面にソリッド画像部となる静電潜像を形成する潜像形成工程、前記静電潜像をソリッド画像形成用トナーにより現像してソリッド画像部となるトナー像を形成する現像工程、前記ソリッド画像部となるトナー像を被転写体表面に転写する転写工程、前記細線部となるトナー像及びソリッド画像部となるトナー像を加熱及び/又は加圧により一括で定着する定着工程を含み、前記細線形成用トナー及びソリッド画像形成用トナーが前記第2の実施形態のカラートナーセットに含まれるトナーであることを特徴とするフルカラー画像形成方法が挙げられる。各工程については、既に説明した通りである。
IV.画像形成装置
画像形成装置としては、本実施形態のカラートナーセットを用いた画像形成装置であればよく、限定されないが、像保持体と、前記像保持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記像保持体を露光して前記像保持体表面に静電潜像を形成させる露光手段と、トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記像保持体から被転写体表面に転写する転写手段と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を定着する定着手段とを有し、前記トナーとして本実施形態のカラートナーセットに含まれるトナーを用いる装置であることが好ましい。前記転写手段では、中間転写体を用いて2回以上の転写を行ってもよい。
画像形成装置としては、本実施形態のカラートナーセットを用いた画像形成装置であればよく、限定されないが、像保持体と、前記像保持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記像保持体を露光して前記像保持体表面に静電潜像を形成させる露光手段と、トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記像保持体から被転写体表面に転写する転写手段と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を定着する定着手段とを有し、前記トナーとして本実施形態のカラートナーセットに含まれるトナーを用いる装置であることが好ましい。前記転写手段では、中間転写体を用いて2回以上の転写を行ってもよい。
前記像保持体、及び、前記の各手段は、前記の画像形成方法の各工程で述べた構成を好ましく用いることができる。前記の各手段は、いずれも画像形成装置において公知の手段が利用できる。また、本実施形態で用いる画像形成装置は、前記した構成以外の手段や装置等を含むものであってもよい。また、本実施形態の画像形成装置は前記した手段のうちの複数を同時に行ってもよい。
以下に実施例を挙げて本実施形態をさらに詳細に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を意味する。
(評価方法)
以下に評価方法について説明する。各実施例及び比較例における評価結果については表1に示した。
(1)離型剤ドメイン長径の測定
離型剤ドメイン長径は、透過型電子顕微鏡(TEM)の画像解析によって求めた。
まず、トナー粒子をエポキシ樹脂によって包埋硬化し、ミクロトームによって厚さ100nmに切片化した。これらを写真撮影し、TEMに接続した画像解析装置によって、離型剤ドメインの形状、個数を求め、離型剤ドメインの最長の径を離型剤ドメインひとつの長径として、離型剤ドメイン500個を無作為に測定することで、離型剤ドメインの平均個数長径とした。
以下に評価方法について説明する。各実施例及び比較例における評価結果については表1に示した。
(1)離型剤ドメイン長径の測定
離型剤ドメイン長径は、透過型電子顕微鏡(TEM)の画像解析によって求めた。
まず、トナー粒子をエポキシ樹脂によって包埋硬化し、ミクロトームによって厚さ100nmに切片化した。これらを写真撮影し、TEMに接続した画像解析装置によって、離型剤ドメインの形状、個数を求め、離型剤ドメインの最長の径を離型剤ドメインひとつの長径として、離型剤ドメイン500個を無作為に測定することで、離型剤ドメインの平均個数長径とした。
(2)定着画像サンプル作製方法
富士ゼロックス(株)製ApeosPortIII C7600改造機を用いてカラー3色を重ねたソリッドパッチの未定着像(紙上トナー量:4.8g/cm2×3色)を作製し、その後、定着設定温度を150℃から5℃ずつ、徐々に上げてソリッドパッチを定着し、折り曲げ試験をしてソリッドパッチに剥がれ、ひび割れが生じなくなった温度を定着温度に設定した。
その後プロセス方向に対して半分がカラー3色を重ねたソリッド画像、残りの半分が黒色の文字画像(明朝6P)のA4チャートを20枚連続でプリントし(用紙は富士ゼロックス(株)製SP紙、坪量60g/cm2)、19枚目と20枚目の文字部分を6cm×6cmの大きさにカットした。
富士ゼロックス(株)製ApeosPortIII C7600改造機を用いてカラー3色を重ねたソリッドパッチの未定着像(紙上トナー量:4.8g/cm2×3色)を作製し、その後、定着設定温度を150℃から5℃ずつ、徐々に上げてソリッドパッチを定着し、折り曲げ試験をしてソリッドパッチに剥がれ、ひび割れが生じなくなった温度を定着温度に設定した。
その後プロセス方向に対して半分がカラー3色を重ねたソリッド画像、残りの半分が黒色の文字画像(明朝6P)のA4チャートを20枚連続でプリントし(用紙は富士ゼロックス(株)製SP紙、坪量60g/cm2)、19枚目と20枚目の文字部分を6cm×6cmの大きさにカットした。
(3)画像サンプル保管方法及び官能評価
画像サンプルを印字部同士を重ねて2kgの重りを乗せ、55℃50%RHチャンバーに入れて1ヶ月保管した。1種類のカラートナーセットにつき4組のカットサンプルを作製し、1週間毎に取り出して文字画像の欠損の有無を確認した。評価基準を以下に示す。◎及び○を合格とした。
◎:4組すべてのカットサンプルにおいて、画像の色写りがなかった。
○:4組のカットサンプルのうち、1組は画像欠損が若干見られるが、実用上、問題ないレベル。
△:4組のカットサンプルのうち、2組以上に画像欠損が所々見られ、細線の画像では見づらい部分もあるレベル。
×:4組のカットサンプル全てに画像欠損が著しく見られ、実用上問題となるレベル。
画像サンプルを印字部同士を重ねて2kgの重りを乗せ、55℃50%RHチャンバーに入れて1ヶ月保管した。1種類のカラートナーセットにつき4組のカットサンプルを作製し、1週間毎に取り出して文字画像の欠損の有無を確認した。評価基準を以下に示す。◎及び○を合格とした。
◎:4組すべてのカットサンプルにおいて、画像の色写りがなかった。
○:4組のカットサンプルのうち、1組は画像欠損が若干見られるが、実用上、問題ないレベル。
△:4組のカットサンプルのうち、2組以上に画像欠損が所々見られ、細線の画像では見づらい部分もあるレベル。
×:4組のカットサンプル全てに画像欠損が著しく見られ、実用上問題となるレベル。
(実施例1)
(樹脂粒子分散液(1)の調製)
<ポリエステル樹脂(1)の調製>
テレフタル酸ジメチル97部、イソフタル酸ジメチル97部、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物240部、1,9−ノナンジオール31部、ジブチル錫オキシド0.13部を窒素雰囲気下で、180℃で8時間撹拌した。その後減圧しながら3時間撹拌した後、無水トリメリット酸8部を加えさらに2時間撹拌し、ポリエステル樹脂(1)を得た。
(樹脂粒子分散液(1)の調製)
<ポリエステル樹脂(1)の調製>
テレフタル酸ジメチル97部、イソフタル酸ジメチル97部、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物240部、1,9−ノナンジオール31部、ジブチル錫オキシド0.13部を窒素雰囲気下で、180℃で8時間撹拌した。その後減圧しながら3時間撹拌した後、無水トリメリット酸8部を加えさらに2時間撹拌し、ポリエステル樹脂(1)を得た。
上記のポリエステル樹脂(1)400部に、ソルビタンセスキオレエートを8.0部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8部を溶解したメチルエチルケトン(MEK)120部を添加し、還流冷却管、撹拌機、イオン交換水滴下装置、加熱装置の付いた反応器に投入後、65℃にてよく混合した。その後、65℃にて1時間加熱混合を行った後、1,000部のイオン交換水を1部/minの速度で滴下し、ポリエステル樹脂(1)の転相乳化を行った。さらに転相乳化物を冷却し、エバポレーターを用い、60℃減圧下において、乳化液からMEKを除去し、樹脂粒子分散液(1)を得た。
得られた樹脂粒子分散液(1)中の樹脂粒子の体積平均粒子径は210nm、固形分濃度40重量%であった。
得られた樹脂粒子分散液(1)中の樹脂粒子の体積平均粒子径は210nm、固形分濃度40重量%であった。
(着色剤粒子分散液の調製)
<シアン色の着色剤粒子分散液(C1)の調製>
シアン顔料(大日精化工業(株)製、銅フタロシアニン C.I.Pigment Blue15:3) 50部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンR) 5部
イオン交換水 200部
前記成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)により5分間分散した後、超音波バスにより10分間分散し、中心径190nm、固形分量21.5重量%のシアン着色剤粒子分散液を得た。
<シアン色の着色剤粒子分散液(C1)の調製>
シアン顔料(大日精化工業(株)製、銅フタロシアニン C.I.Pigment Blue15:3) 50部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンR) 5部
イオン交換水 200部
前記成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)により5分間分散した後、超音波バスにより10分間分散し、中心径190nm、固形分量21.5重量%のシアン着色剤粒子分散液を得た。
マゼンタの着色剤粒子分散液(M1)、イエローの着色剤粒子分散液(Y1)及び黒色の着色剤粒子分散液(Kuro)は、シアン顔料の代わりにマゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド57:2)、イエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー97)、ブラック顔料(カーボンブラック R330)を用いた以外は、シアン色の着色剤粒子分散液(C1)と同様にして調製した。
(離型剤粒子分散液(1)の調製)
・HiMic1080(マイクロクリスタリンワックス:日本精蝋(株)製) 50部
・アニオン界面活性剤(ネオゲンR−K、第一工業製薬(株)製) 2部
・イオン交換水 200部
上記成分を100℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径260nm、固形分20重量%の離型剤粒子分散液(1)を得た。
・HiMic1080(マイクロクリスタリンワックス:日本精蝋(株)製) 50部
・アニオン界面活性剤(ネオゲンR−K、第一工業製薬(株)製) 2部
・イオン交換水 200部
上記成分を100℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径260nm、固形分20重量%の離型剤粒子分散液(1)を得た。
(黒色トナー1の作製)
・上記樹脂粒子分散液(1) 150部
・上記着色剤粒子分散液(Kuro) 30部
・上記離型剤粒子分散液(1) 45部
・ポリ塩化アルミニウム 0.4部
上記の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でIKA社製のウルトラタラックスT50を用い十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら48℃まで加熱した。48℃で80分保持した後、ここに上記と同じ樹脂粒子分散液(1)を緩やかに70部追加した。
・上記樹脂粒子分散液(1) 150部
・上記着色剤粒子分散液(Kuro) 30部
・上記離型剤粒子分散液(1) 45部
・ポリ塩化アルミニウム 0.4部
上記の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でIKA社製のウルトラタラックスT50を用い十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら48℃まで加熱した。48℃で80分保持した後、ここに上記と同じ樹脂粒子分散液(1)を緩やかに70部追加した。
その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを6.0に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、撹拌軸のシールを磁力シールして撹拌を継続しながら90℃まで加熱して3時間保持した。反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を行った。これをさらに40℃のイオン交換水3Lを用いて再分散し、15分間300rpmで撹拌・洗浄した。この洗浄操作をさらに5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5Aろ紙を用いて固液分離を行った(濾液のpHが6.54、電気伝導度6.4μS/cm)。次いで真空乾燥を12時間継続して黒色トナー母粒子1を得た。
トナー母粒子中離型剤ドメイン長径は、1.0μmであった。
トナー母粒子中離型剤ドメイン長径は、1.0μmであった。
50部の上記黒色トナー母粒子1に対し、RY−50(平均粒径40nm、シリコンオイル処理シリカ、日本アエロジル(株)製)1.5部を添加し、サンプルミルで混合して黒色トナー1を得た。そして、シリコーン樹脂(商品名:SR2411、固形分20重量%、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)を1重量%被覆した平均粒径50μmのフェライトキャリアを用い、トナー濃度が5%になるように前記の外添トナーを秤量し、両者をボールミルで5分間撹拌・混合して黒色トナー1を含む静電荷像現像剤を調製した。
(YMCトナーの作製)
離型剤粒子分散液1を離型剤粒子分散液2に、着色剤粒子分散液(Kuro)をシアンの着色剤粒子分散液(C1)、マゼンタの着色剤粒子分散液(M1)、イエローの着色剤粒子分散液(Y1)に、合一温度を82℃に変更した以外は黒色トナー1と同様にして、シアントナー1、マゼンタトナー1、イエロートナー1を作製し、各静電荷像現像剤を調製した。トナー中離型剤ドメイン長径は、0.5μmであった。黒色トナー1、シアントナー1、マゼンタトナー1及びイエロートナー1の静電荷像現像剤を含む静電荷像現像剤セットを作製し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
離型剤粒子分散液1を離型剤粒子分散液2に、着色剤粒子分散液(Kuro)をシアンの着色剤粒子分散液(C1)、マゼンタの着色剤粒子分散液(M1)、イエローの着色剤粒子分散液(Y1)に、合一温度を82℃に変更した以外は黒色トナー1と同様にして、シアントナー1、マゼンタトナー1、イエロートナー1を作製し、各静電荷像現像剤を調製した。トナー中離型剤ドメイン長径は、0.5μmであった。黒色トナー1、シアントナー1、マゼンタトナー1及びイエロートナー1の静電荷像現像剤を含む静電荷像現像剤セットを作製し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
(比較例1)
(離型剤粒子分散液2の調製)
・HiMic1080(マイクロクリスタリンワックス:日本精蝋(株)製) 50部
・アニオン界面活性剤(ネオゲンR−K、第一工業製薬(株)製) 5部
・イオン交換水 200部
上記成分を130℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径190nm、固形分20重量%の離型剤粒子分散液を得た。
(離型剤粒子分散液2の調製)
・HiMic1080(マイクロクリスタリンワックス:日本精蝋(株)製) 50部
・アニオン界面活性剤(ネオゲンR−K、第一工業製薬(株)製) 5部
・イオン交換水 200部
上記成分を130℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径190nm、固形分20重量%の離型剤粒子分散液を得た。
(黒色トナー2の作製)
離型剤粒子分散液1を離型剤粒子分散液2に、合一温度を82℃に変更した以外は黒色トナー1と同様にして、黒色トナー2を作製した。トナー中離型剤ドメイン長径は、0.5μmであった。
黒色トナー2、シアントナー1、マゼンタトナー1及びイエロートナー1の静電荷像現像剤を含む静電荷像現像剤セットを作製し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
離型剤粒子分散液1を離型剤粒子分散液2に、合一温度を82℃に変更した以外は黒色トナー1と同様にして、黒色トナー2を作製した。トナー中離型剤ドメイン長径は、0.5μmであった。
黒色トナー2、シアントナー1、マゼンタトナー1及びイエロートナー1の静電荷像現像剤を含む静電荷像現像剤セットを作製し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
(実施例2)
(黒色トナー3の作製)
離型剤粒子分散液1を離型剤粒子分散液2に、合一温度を86℃に変更した以外は黒色トナー1と同様にして、黒色トナー3を作製した。トナー中離型剤ドメイン長径は、0.65μmであった。
黒色トナー3、シアントナー1、マゼンタトナー1及びイエロートナー1の静電荷像現像剤を含む静電荷像現像剤セットを作製し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
(黒色トナー3の作製)
離型剤粒子分散液1を離型剤粒子分散液2に、合一温度を86℃に変更した以外は黒色トナー1と同様にして、黒色トナー3を作製した。トナー中離型剤ドメイン長径は、0.65μmであった。
黒色トナー3、シアントナー1、マゼンタトナー1及びイエロートナー1の静電荷像現像剤を含む静電荷像現像剤セットを作製し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
(実施例3)
(黒色トナー4の作製)
合一温度を95℃に変更した以外は黒色トナー1と同様にして、黒色トナー4を作製した。トナー中離型剤ドメイン長径は、1.25μmであった。
黒色トナー4、シアントナー1、マゼンタトナー1及びイエロートナー1の静電荷像現像剤を含む静電荷像現像剤セットを作製し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
(黒色トナー4の作製)
合一温度を95℃に変更した以外は黒色トナー1と同様にして、黒色トナー4を作製した。トナー中離型剤ドメイン長径は、1.25μmであった。
黒色トナー4、シアントナー1、マゼンタトナー1及びイエロートナー1の静電荷像現像剤を含む静電荷像現像剤セットを作製し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
(比較例2)
(離型剤粒子分散液3の調製)
・HiMic1080(マイクロクリスタリンワックス:日本精蝋(株)製) 50部
・アニオン界面活性剤(ネオゲンR−K、第一工業製薬(株)製) 1部
・イオン交換水 200部
上記成分を90℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径300nm、固形分20重量%の離型剤粒子分散液を得た。
(離型剤粒子分散液3の調製)
・HiMic1080(マイクロクリスタリンワックス:日本精蝋(株)製) 50部
・アニオン界面活性剤(ネオゲンR−K、第一工業製薬(株)製) 1部
・イオン交換水 200部
上記成分を90℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径300nm、固形分20重量%の離型剤粒子分散液を得た。
(黒色トナー5の作製)
離型剤粒子分散液1を離型剤粒子分散液3に、合一温度を100℃に変更した以外は黒色トナー1と同様にして、黒色トナー5を作製した。トナー中離型剤ドメイン長径は、1.5μmであった。
黒色トナー5、シアントナー1、マゼンタトナー1及びイエロートナー1の静電荷像現像剤を含む静電荷像現像剤セットを作製し、評価を行ったところ、定着時に、離型剤が定着部材に移行したことによると思われる画像ムラが生じたため、評価を中止した。
離型剤粒子分散液1を離型剤粒子分散液3に、合一温度を100℃に変更した以外は黒色トナー1と同様にして、黒色トナー5を作製した。トナー中離型剤ドメイン長径は、1.5μmであった。
黒色トナー5、シアントナー1、マゼンタトナー1及びイエロートナー1の静電荷像現像剤を含む静電荷像現像剤セットを作製し、評価を行ったところ、定着時に、離型剤が定着部材に移行したことによると思われる画像ムラが生じたため、評価を中止した。
Claims (4)
- 着色剤、結着樹脂及び離型剤を含むカラートナーを少なくとも1つと、
着色剤、結着樹脂及び離型剤を含む黒色トナーとを含み、
式(1)を満たすことを特徴とする
カラートナーセット。
1.3≦Dk/Dc≦2.5 (1)
式(1)中、Dkは黒色トナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表し、Dcはカラートナー中の離型剤ドメインの個数平均長径を表す。 - 前記カラートナーを3色以上含む、請求項1に記載のカラートナーセット。
- 請求項1又は2に記載のカラートナーセットにおける黒色トナー及びカラートナーが、それぞれキャリアを含んで静電荷像現像剤を構成することを特徴とする
静電荷像現像剤セット。 - 像保持体の表面にカラー用の静電潜像を形成する潜像形成工程、
前記静電潜像をカラートナーにより現像してカラートナー像を形成する現像工程、
前記カラートナー像を被転写体表面に転写する転写工程、
像保持体の表面に黒色用の静電潜像を形成する潜像形成工程、
前記静電潜像を黒色トナーにより現像して黒色トナー像を形成する現像工程、
前記黒色トナー像を被転写体表面に転写する転写工程、
前記カラートナー像及び黒色トナー像を加熱及び/又は加圧により一括で定着する定着工程を含み、
前記カラートナー及び黒色トナーが請求項1又は2に記載のカラートナーセットに含まれるトナーであることを特徴とする
フルカラー画像形成方法。
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JP2009218021A JP2011065100A (ja) | 2009-09-18 | 2009-09-18 | カラートナーセット、静電荷像現像剤セット及びフルカラー画像形成方法 |
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JP (1) | JP2011065100A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020052211A (ja) * | 2018-09-26 | 2020-04-02 | 富士ゼロックス株式会社 | 画像形成装置及び画像形成方法 |
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2009
- 2009-09-18 JP JP2009218021A patent/JP2011065100A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020052211A (ja) * | 2018-09-26 | 2020-04-02 | 富士ゼロックス株式会社 | 画像形成装置及び画像形成方法 |
JP7286934B2 (ja) | 2018-09-26 | 2023-06-06 | 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 | 画像形成装置及び画像形成方法 |
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