JP2011064759A - 光学装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】散乱性を持つ新規な光学膜を有する光学装置を提供する。
【解決手段】光学装置は、入射光に対して散乱性を付与する凹凸構造を有し、膜面内方向で第1の方向に屈折率が大きい屈折率異方性を有する光学膜と、第1の方向と平行に透過軸方向が配置された偏光板とを有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、散乱性を持つ光学膜を有する光学装置及びその製造方法に関する。
液晶表示装置のバックライトと液晶表示素子との間に配置する散乱板として、様々なものが提案されている(例えば特許文献1)。
特開2001−155520号公報
本発明の一目的は、散乱性を持つ新規な光学膜を有する光学装置及びその製造方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、入射光に対して散乱性を付与する凹凸構造を有し、膜面内方向で第1の方向に屈折率が大きい屈折率異方性を有する光学膜と、前記第1の方向と平行に透過軸方向が配置された偏光板とを有する光学装置が提供される。
光学膜は、屈折率の大きい第1の方向の偏光成分を、膜面内で第1の方向に交差する方向の偏光成分より強く出射させることができ、また、入射光を散乱させることができる。
図1A〜図1Dは、本発明の実施例による光学膜の主要な製造工程を示す概略断面図である。 図2Aは、2種のサンプルのラビング方向を示す基板の概略平面図であり、図2Bは、スタンパ基板を示す概略平面図である。 図3Aは、実施例の光学膜の偏光顕微鏡写真であり、図3Bは、実施例の光学膜の概略断面形状を示すグラフであり、図3Cは、溝平行サンプルを示す概略平面図であり、図3Dは、溝直交サンプルを示す概略平面図である。 図4は、第1の実験の測定系を示す概略断面図である。 図5は、第1の実験の溝平行サンプルの光透過率を示すグラフである。 図6は、第1の実験の溝直交サンプルの光透過率を示すグラフである。 図7は、第2の実験の測定系を示す概略断面図である。 図8は、第2の実験の溝平行サンプルの10°入射の光透過率を示すグラフである。 図9は、第2の実験の溝直交サンプルの10°入射の光透過率を示すグラフである。 図10は、第2の実験の溝平行サンプルの20°入射の光透過率を示すグラフである。 図11は、第2の実験の溝直交サンプルの20°入射の光透過率を示すグラフである。 図12は、実施例の液晶表示装置の概略断面図である。 図13は、第3の実験の積層散乱板を示す概略斜視図である。 図14は、第3の実験の垂直入射の光透過率を示すグラフである。 図15は、第3の実験の10°入射の光透過率を示すグラフである。 図16は、第3の実験の20°入射の光透過率を示すグラフである。
まず、図1〜図3を参照して、本発明の実施例による光学膜の製造方法について説明する。
図1A〜図1Dは、実施例の光学膜の主要な製造工程を示す概略断面図である。まず、平板状の透明基板1aを準備した。透明基板1aは、例えばガラス基板であり、実施例として、厚さ0.7mmtのソーダライムガラス(青板ガラス)を用いた。なお、無アルカリガラス(白板ガラス)を用いることもできる。
透明基板1aの表面を洗浄した。例えば、純水洗浄もしくは洗剤洗浄の後、プラズマ洗浄もしくは紫外線及び赤外線洗浄等を用いることができる。
そして、透明基板1a上に、配向膜材料(例えば日産化学SE−410)をフレキソ印刷で所定形状に配置し、180℃で1時間焼成して配向膜1bを形成した。配向膜1bに、ラビングマシンでラビング処理を行った。ラビング方向の異なる2種類のサンプルを作成した。なお、透明基板1aと配向膜1bをまとめて、(配向処理が施された)基板1と呼ぶこととする。
図2Aは、2種のサンプルのラビング方向を示す基板1の概略平面図である。後に光学膜に形成される溝の長さ方向(これを溝方向と呼ぶこともある)に対し、第1のサンプルは、溝方向と平行な方向にラビング方向が設定され、第2のサンプルは、溝方向と直交する方向にラビング方向が設定されている。第1のサンプルを溝平行サンプル、第2のサンプルを溝直交サンプルと呼ぶこととする。
図1Aに示すように、基板1の配向膜1b上に、紫外線硬化性液晶材料をディスペンサ100により滴下して、液晶材料膜2aを形成した(液晶材料膜2aに後述の処理を行って光学膜2を形成する)。紫外線硬化性液晶材料として、DIC製のUCL−001(Δn=0.152)に反応開始剤を0.1wt%〜0.5wt%添加したものを用いた。
反応開始剤は、紫外線(365nm付近)に感度を持つ材料であれば特に限定はなく、実施例ではチバケミカルズ製のイルガキュア819を用いた。なお、液晶材料は、使用前に充分脱泡させておくのが好ましく、実施例では10Paのチャンバ内に5分〜1時間放置した。
配向膜1b上に形成することにより、液晶材料膜2a中の液晶分子の配向が、ラビング方向に揃う。これにより、光学膜2の面内で、ラビング方向の屈折率が大きくなるように、屈折率異方性が付与される。
図2Bは、スタンパ基板3を示す概略平面図である。スタンパ基板3は、表面に凹凸構造が形成されている。スタンパ基板3として、表面にバイトで溝を形成した銅板を用いた。先端の非対称なバイトを回転させながら、かつ深さを場所で変えながら切削を行って、長さ方向はほぼ一方向に揃うが、ピッチや深さが一定でなく所定範囲に分布する溝を多数形成した。実施例では、ピッチが3μm〜6μm程度の範囲に分布し、深さが1μm〜4μm程度の範囲に分布する(平均ピッチ4.5μm、平均深さ3μmの)溝を形成した。
スタンパ基板3に、スプレイ方式で離型剤をコーティングした。離型剤をコーティングして約8時間放置した後、60℃で1時間加熱処理した。なお、スタンパ基板3には配向処理を行わなかった。
次に、図1Bに示すように、基板1をスタンパ基板3と重ね合わせてプレスし、液晶材料膜2aの表面に、スタンパ基板3の凹凸構造を転写して、光学膜2を形成した。スタンパ基板3の凹凸構造の頂部分が基板1に接する程度に、充分にプレスした。溝平行サンプルでは、スタンパ基板3の溝方向とラビング方向が平行になるように、溝直交サンプルでは、スタンパ基板3の溝方向とラビング方向が直交するように、重ね合わせを行なった。
基板1とスタンパ基板3の重ね合わせ及びプレスは、真空度10Paの真空中で行なった。なお、空気の混入が避けられればよいので、真空度はもっと低くすることもできる。大気中での実施も可能である。大気中の場合、例えば両基板を重ねて仮プレス状態とした後、透明基板側から観察して空気が入っている部分については、個別に圧を加えて空気を基板外へ追いやってから本プレスを行なうとよい。
なお、液晶材料は、光学膜形成に必要な量が基板1上に滴下されていることが理想であるが、多少多くても、スタンパ基板3の溝の両端から溢れさせることができるので構わない。なお、溢れた液晶材料を回収して再利用するようにしてもよい。
次に、図1Cに示すように、両基板1、3をプレスした状態のまま大気中に戻して、透明な基板1側から、基板全面に紫外線4を照射した。波長365nmについて2J/cm以上の照射条件とした。照射強度は、30mW/cm以上が望ましい。紫外線照射により、光学膜2中の紫外線硬化性液晶材料がポリマー化する。
次に、図1Dに示すように、スタンパ基板3を光学膜2から剥離した。基板1及びスタンパ基板3のうち片側の基板の辺に力を加えて徐々に剥がすのではなく、両基板それぞれの辺に力を加えられるようにしておき、一気に加圧して面全体に同時に剥離されるようにすることで、きれいに剥がすことができる。このようにして、実施例の、溝平行サンプル及び溝直交サンプルの光学膜を作製した。なお、基板1と光学膜2をまとめて、散乱板5と呼ぶこともある。
なお、スタンパ基板への離型剤のコーディング処理は、毎回の転写・剥離に対して行う必要はない。実施例の材料では、1回の離型剤のコーディング処理で10回程度の転写・剥離を行なうことができた。なお、離型剤を使わずに、トリアジンコーティング等のコーティングをスタンパ基板に行なってもよい。この場合数万回以上のプレス加工に耐えうるが、コーティング加工は高価となる。
なお、スタンパ基板材料として、硬質材料の一例として銅を示したが、フィルムやプラスチック等の柔軟な材料を用いることもできる。また、硬質材料である銅で作製した母型基板から、フィルム上に凹凸構造を反転転写して作製したスタンパ基板を用いても、同様の光学膜を形成することができた。
フィルムを用いた柔軟なスタンパ基板の場合、プレス加工は、ラミネータによる貼り合せ加工も採用可能なので、硬質のスタンパ基板よりも作業は容易になる。また、紫外線処理後の剥離で、片側の基板側から徐々に剥がしてもきれいに剥がすことができる。さらに、スタンパ基板側から紫外線を照射することも可能となる。
ラミネータによる貼り合わせプレス加工工程を採用する場合は、転写される凹凸形状にほとんど気泡が含まれないため、プレス加工装置全体を真空度の高い環境で稼動する必要がなく、簡易な設備での生産を可能とする。ラミネータによる貼り合わせプレス加工で気泡の発生が少ないのは、ラミネータによる順次加圧操作により膜材料の型内部への充填とともに、型内部に残る空気が徐々に外部へ移動するためと考えられる。硬質の型を用いるプレス加工では、加圧操作が面一括に行なわれるため、このような効果が得られない。
なお、透明基板材料として、硬質材料の一例としてガラスを示したが、フィルムやプラスチック等の柔軟な材料を用いることもできる。この場合も、プレス加工は、ラミネータによる貼り合せ加工により実現可能であるので、硬質のスタンパ基板によるプレス加工よりも作業は容易になる。また、紫外線処理後のスタンパ基板剥離工程で、透明基板も柔軟な材料で構成されている場合は、より容易に、片側の基板側から徐々に剥がしてもきれいに剥がすことができる。
なお、光学膜形成に適した紫外線硬化性液晶材料は、DIC製のUCL−001に限らない。それ以外でも、一方向に長い液晶分子形状を有し、長軸方向の屈折率がその直交方向の屈折率より大きい(Δn>0)紫外線硬化性液晶材料を用いることができる。
なお、光学膜の形成方法として、ディスペンサ方式を例示したが、インクジェットやフレキソ等の印刷方式、スリットコート、スプレーコート、ワイヤーバーコート方式などを用いてもよい。なお、スピンコート方式もむろん適用可能であるが、材料使用効率の面から他の方式が望ましい。
光学膜の形成方法として、滴下法を例示したが、毛細管現象を利用してもよい。特に、実施例のようなストライプ状の溝の場合、両基板が完全に重なった状態で、溝の一端から液晶材料を溝内に入れていくことができる。溝表面に沿って光学膜が形成されることで、凹凸構造が形成される。
溝の他端側より減圧を行なってもよいが、特に減圧しなくても毛細管現象により液晶材料が溝内に浸透するため、容易に封入することができる。なお、真空注入法を用いることもできるが、真空槽内で基板を液晶材料に浸漬する工程を要する等封入量に対して液晶材料が多く必要となること(使用効率も低いこと)、溝内の真空度、気密度を保持するために両基板の周りにシールを形成する必要があること等、注意を要する。
図3Aは、実施例の光学膜の偏光顕微鏡写真である。倍率は50倍である。スタンパから転写された不規則な凹凸構造(長さ方向は一方向にほぼ揃っているが、ピッチや深さが一定でない溝構造)が、光学膜表面に形成されている。偏光板を固定して、光学膜を回転させて観察したところ、回転角度によって明るさが変化し、所望の屈折率異方性が付与されていることがわかった。
図3Bは、実施例の光学膜の概略断面形状を示すグラフである。断面形状は、触針式段差計(ディックタック)で測定した。溝のピッチ(溝の長さ方向に直交する方向の、隣接凸部の頂点間距離)は、3μm〜6μmに分布していた。なお、段差計の触針が太いため、深さについては正確な値が得られなかった。
図3Cは、溝平行サンプルを示す概略平面図である。溝平行サンプルでは、溝方向(実線の矢印方向)と、屈折率の大きい方向(破線の矢印方向)とが、平行である。
図3Dは、溝直交サンプルを示す概略平面図である。溝直交サンプルでは、溝方向(実線の矢印方向)と、屈折率の大きい方向(破線の矢印方向)とが、直交している。
次に、図4〜図11を参照して、溝平行サンプルと溝直交サンプルの光透過率を測定した第1及び第2の実験について説明する。
図4は、第1の実験の測定系を示す概略断面図である。基板1上に形成された光学膜2の上方に、基板1と平行に偏光板6が配置され、偏光板6の上方に、受光器11が配置され、基板1の下方に、投光器10が配置されている。
投光器10は、一方向に進む光を出射し、投光器10から出射された光が、基板1の法線方向から入射するように、投光器10が配置されている。基板1に入射した光は、光学膜2の凹凸構造により散乱され、散乱光の一部が、偏光板6を透過して受光器11で測定される。基板1の法線方向を0°とし、光学膜2の溝方向に直交する面内で受光器角度(視角)を変化させる。様々な受光器角度での光透過率を測定した。
溝平行サンプル及び溝直交サンプルのそれぞれに対し、偏光板6の透過軸を溝方向と平行にした配置(これを偏光板平行配置と呼ぶこととする)、及び偏光板6の透過軸を溝方向と(平面視上)直交にした配置(これを偏光板直交配置と呼ぶこととする)について、測定を行なった。
図5及び図6は、それぞれ、溝平行サンプル及び溝直交サンプルの光透過率を示すグラフである。横軸が受光器角度を度単位で示し、縦軸が光透過率を%単位で示す。なお、散乱板5及び偏光板6のない場合の全光量を光透過率100%としている。投光器の光源として、白色のC光源を用いた。
図5に示すように、溝平行サンプルにおいて、偏光板平行配置の方が、偏光板直交配置に比べて、0°〜50°の受光器角度全域で高い光透過率となる傾向が見られる。
一方、図6に示すように、溝直交サンプルでは、偏光板直交配置の方が、偏光板平行配置に比べて、0°〜50°の受光器角度全域で高い光透過率となる傾向が見られる。
これらの実験より、偏光板透過軸方向が溝方向と平行であっても直交であっても、偏光板透過軸方向が光学膜の屈折率の大きい方向と揃っているときに、高い透過率が得られるといえる。つまり、実施例の光学膜は、膜面内で屈折率の大きい方向の偏光成分を、屈折率の小さい方向の偏光成分に比べて強く出射する機能があると考えられる。
投光器から出射された光は、光学膜に入射して凹凸構造により乱反射・散乱するが、光学膜面内で屈折率が大きい方向と平行な偏光成分は、上方に抜けやすく、屈折率が小さい方向と平行な偏光成分は、反射もしくは光学膜内部で導光されるなどして上方に抜けにくいものと推測される。
偏光板透過軸方向が光学膜の屈折率の大きい方向と揃っている場合の光透過量(受光器角度についての積分値)をAとし、偏光板透過軸方向が光学膜の屈折率の小さい方向と揃っている場合の光透過量(受光器角度についての積分値)をBとする。(A−B)/Bを、明るさの差と定義する。第1の実験で、明るさの差は、溝平行サンプル、溝直交サンプルとも15%〜16%程度であり、両サンプル同程度であった。
なお、光学膜面内の屈折率異方性を大きくすれば、明るさの差を大きくできるものと思われる。屈折率異方性を大きくするために、紫外線硬化性液晶材料に、他の液晶材料を混ぜてもよい。なお、例示した紫外線硬化性液晶材料UCL−001に対しては、概ね50wt%程度までは、他の液晶材料を添加しても固体状の膜が得られることを確認している。
図7は、第2の実験の測定系を示す概略断面図である。第1の実験の測定系との違いについて説明する。第2の実験では、基板法線方向を0°とし、溝方向に直交する面内で投光器角度(入射角度)を変化させて、散乱板に光線が斜め入射する場合の光透過率を測定した。
図8及び図9は、それぞれ、入射角度10°のときの、溝平行サンプル及び溝直交サンプルの光透過率を示すグラフである。
図10及び図11は、入射角度20°のときの、溝平行サンプル及び溝直交サンプルの光透過率を示すグラフである。
第1の実験(入射角度0°)の場合と同様に、溝平行サンプル及び溝直交サンプルのそれぞれに対し、偏光板透過軸を溝方向と平行にした偏光板平行配置、及び偏光板透過軸を溝方向と直交にした偏光板直交配置について、測定を行なった。
図8〜図11に示すように、溝平行サンプル及び溝直交サンプルにおいて、入射角度10°及び20°ともに、第1の実験と同様に、偏光板透過軸方向が光学膜の屈折率の大きい方向と揃っているときに、高い透過率が得られている。
ただし、斜め入射の第2の実験では、溝平行サンプルの方が、溝直交サンプルよりも明るさの差が大きい傾向が見られる。特に、入射角度20°の場合、溝平行サンプルの明るさの差が20%程度であるのに対し、溝直交サンプルの明るさの差は14%程度である。これより、光学膜の溝方向と、膜面内で屈折率の大きい方向を揃えることにより、屈折率の大きい方向の偏光成分の光透過量を増やせることが示唆される。
また、斜め入射の第2の実験では、溝平行サンプル及び溝直交サンプルにおいて、偏光板平行配置及び偏光板直交配置ともに、入射角度よりも小さい角度に光透過率分布のピークが位置する傾向が見られる。すなわち、上方向(基板法線方向)に多くの光を出射できる。
第1及び第2の実験より、入射角度が大きくなるほど、光学膜を透過する光透過量(受光器角度についての積分値)が大きくなる傾向が見られた。例えば、溝平行サンプルで偏光板平行配置の場合、光透過量は、入射角度0°に比べて入射角度20°で約1.5倍であった。
実施例の光学膜は、溝構造により、特に、溝方向に直交する方向に光の進行方向を広げる。例えば、溝方向と平行な一方向に長い線状光源からの入射光を散乱させて、面内で光強度が均一に近づけられた面状光源的な出射光を得ることができる。
次に、図12を参照して、実施例の液晶表示装置について説明する。図12は、実施例の液晶表示装置の概略断面図である。実施例の液晶表示装置は、バックライト20と、散乱板21と、液晶表示素子22とを含む。バックライト20は、例えば直下型構造であるが、サイドライト型構造とすることもできる。液晶表示素子22は、例えばクロスニコル配置された一対の偏光板22a、22cと、これら偏光板22a、22cに挟まれた液晶セル22bを含む。
散乱板21は、実施例の光学膜とその基板を含み、バックライト20と、液晶表示素子22のバックライト側偏光板22aとの間に配置される。散乱板21の光学膜の膜面内の屈折率の大きい方向と、バックライト側偏光板22aの透過軸方向とが揃っている。
このような、散乱板21とバックライト側偏光板22aとの配置により、バックライト側偏光板22aを透過する光量の増加が図られ、また、面内での光強度の均一化が図られる。
上述のように、実施例の光学膜を1枚使うことにより、線状光源から出射された光を面状に広げることができる。点状光源から出射された光を面状に広げるには、実施例の光学膜を、溝方向を交差させて2枚重ねて用いるのが好ましいと考えられる。1枚目の光学膜で、点状光源からの光を線状光源的に広げ、2枚目の光学膜で、線状光源的に広がった光をさらに面状光源的に広げる。
次に、図13〜図16を参照して、2枚重ねの散乱板の光透過率を測定した第3の実験について説明する。
図13は、第3の実験の散乱板の積層構造を示す概略斜視図である。第3の実験では、光入射側から、溝平行サンプル30と溝直交サンプル31とを重ねて、積層散乱板を形成した。
溝平行サンプル30の光学膜面内の屈折率が大きい方向(破線矢印で示す)と、溝直交サンプル31の光学膜面内の屈折率が大きい方向(破線矢印で示す)とが、平行に揃えられている。従って、溝平行サンプル30の溝方向(実線矢印で示す)と、溝直交サンプル31の溝方向(実線矢印で示す)とが、(平面視上)直交に配置されている。
第3の実験は、積層散乱板について、垂直入射光及び斜め入射光に対する光透過率を測定した。第3の実験の測定系は、第1及び第2の実験の測定系(図4及び図7参照)と同様である。ただし、第1及び第2の実験の測定系の単層の散乱板5が、積層散乱板に置き換わり、受光器角度(視角)と、投光器角度(入射角度)は、基板法線方向を0°とし、屈折率の大きい方向に直交する面内で変化させた。
積層散乱板に対し、偏光板透過軸を屈折率の大きい方向と平行にした偏光板平行配置、及び偏光板透過軸を屈折率の大きい方向と直交にした偏光板直交配置について、光透過率の測定を行なった。なお、第1及び第2の実験での偏光板平行・直交配置は、溝方向に対して定義したが、ここでは屈折率の大きい方向に対して定義している。
図14〜図16は、それぞれ、入射角度0°、10°、及び20°の光透過率を示すグラフである。横軸が受光器角度を度単位で示し、縦軸が光透過率を%単位で示す。
図14〜図16に示すように、入射角度0°、10°、及び20°において、第1及び第2の実験と同様に、偏光板透過軸方向が積層光学膜の屈折率の大きい方向と揃っているときに、高い透過率が得られている。明るさの差は、入射角度0°、10°、20°でそれぞれ、13%程度、13%程度、20%程度であり、入射角度が大きくなるほど大きくなる傾向が見られる。
また、第2の実験と同様に、斜め入射(入射角度10°、20°)の場合、偏光板平行配置及び偏光板直交配置ともに、斜め入射の入射角度よりも小さい角度に光透過率分布のピークが位置し、上方向(基板法線方向)に多くの光が出射される傾向が見られる。
なお、光入射側に溝直交サンプルを配置した積層散乱板構造としても、同様な特性が得られるであろう。
このように、屈折率の大きい方向を揃えて複数枚の光学膜を積層した場合も、屈折率の大きい方向の偏光成分が多く出射されることがわかった。
以上説明したように、入射光を散乱させる凹凸構造を有し、膜面内の一方向に屈折率が大きい屈折率異方性を有する光学膜により、屈折率が大きい方向の偏光成分を、屈折率が小さい方向の偏光成分に比べて強く出射させることができる。
このような光学膜と、透過軸方向が光学膜の屈折率の大きい方向と揃った偏光板とを組み合わせることにより、明るい偏光を出射する光学装置が得られる。
このような光学膜は、例えば、紫外線硬化性液晶材料にスタンパで凹凸構造を転写することにより、容易に作製することができる。
なお、実施例の光学膜は、例えば車載用表示、遊戯用表示、携帯電話・デジタルカメラ用表示、オーディオ表示、パソコンモニター表示、テレビ表示など、バックライトを用いる液晶表示装置関連全般に応用することができる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
1a 透明基板
1b 配向膜
1 (配向処理が施された)基板
2 光学膜
3 スタンパ基板
4 紫外線
5 散乱板
6 偏光板
10 投光器
11 受光器
20 バックライト
21 散乱板
22 液晶表示素子
22a、22c 偏光板
22b 液晶セル
30 溝平行サンプル
31 溝直交サンプル

Claims (10)

  1. 入射光に対して散乱性を付与する凹凸構造を有し、膜面内方向で第1の方向に屈折率が大きい屈折率異方性を有する第1の光学膜と、
    前記第1の方向と平行に透過軸方向が配置された偏光板と
    を有する光学装置。
  2. 前記凹凸構造は、長さ方向が膜面内の第2の方向に沿う溝を含む請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記第2の方向が、前記第1の方向と揃っている請求項2に記載の光学装置。
  4. さらに、
    前記第1の方向に配向処理が施された基板を有し、
    前記第1の光学膜は、液晶材料で形成され、前記基板上に形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学装置。
  5. さらに、
    バックライトと、
    前記偏光板を前記バックライト側に配置した一対の偏光板に挟まれた液晶セルを有する液晶表示素子と
    を有し、
    前記バックライトと、前記バックライト側の偏光板との間に、前記第1の光学膜が配置されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学装置。
  6. さらに、
    入射光に対して散乱性を付与する凹凸構造を有し、膜面内方向で前記第1の方向と平行な第3の方向に屈折率が大きい屈折率異方性を有し、該凹凸構造は、長さ方向が膜面内の、該第3の方向に交差する第4の方向に沿う溝を含み、前記第1の光学膜と前記偏光板との間、または、前記第1の光学膜に対して前記偏光板と反対側に配置された第2の光学膜を有する請求項3に記載の光学装置。
  7. (a)液晶材料に対する配向処理が施された基板上に、紫外線硬化性液晶材料で形成され表面に凹凸構造を有する光学膜を形成する工程と、
    (b)前記光学膜に紫外線を照射する工程と、
    を有する光学装置の製造方法。
  8. 前記工程(a)は、前記基板上に紫外線硬化性液晶材料膜を形成する工程と、凹凸構造を有する型から該液晶材料膜に凹凸構造を転写する工程とを含む請求項7に記載の光学装置の製造方法。
  9. 前記工程(a)は、前記基板と凹凸構造を有する型との間に、紫外線硬化性液晶材料を注入する工程を含む請求項7に記載の光学装置の製造方法。
  10. さらに、
    (c)前記光学膜の膜面内で屈折率が大きい方向と、透過軸方向が平行になるように、偏光板を配置する工程を有する請求項7〜9のいずれか1項に記載の光学装置の製造方法。
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