JP2011063072A - ユニット輸送治具 - Google Patents

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肇 野口
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Abstract

【課題】 ユニット輸送治具の軽量化と低コスト化を図り、不使用時の保管性を向上し、荷台サイズの異なる各種車両への適合性を向上すること。
【解決手段】 車両1の荷台2に建物ユニット100を積載するためのユニット輸送治具10において、荷台2上の前後方向の2位置に並置される各架台20を有し、各架台20が、荷台2上の幅方向の2位置に配置される各台座21を前後方向に延在し、各台座21に各支柱22を立設し、両支柱22の上端部に横架材23を架け渡して構成されるもの。
【選択図】 図3

Description

本発明はユニット輸送治具に関する。
車両の荷台に建物ユニットを積載するためのユニット輸送治具として、特許文献1に記載の如く、荷台上の4隅に立設される4本の支柱と、それらの支柱に支持される四角枠状のフレームとからなるユニット載置部を備えてなるものがある。ユニット載置部のフレーム上にバルコニーユニットを載置可能にし、フレーム下に屋根パネルを積込み可能にしている。
特開2000-280815
特許文献1に記載のユニット輸送治具には以下の不都合がある。
(1)ユニット載置部を構成するフレームが荷台の幅方向に沿う2本の短尺の枠材だけでなく、車両の荷台の前後方向の概ね全域にわたる2本の長尺の枠材を備えた四角枠状をなすものであり、大重量で取扱い困難かつ高コストである。
(2)ユニット載置部が車両の荷台サイズに近い四角枠状のフレームを4本の支柱に支持させたものであって、大きな外郭をなし、不使用時にコンパクトに保管できない。
(3)車両の荷台の前後方向に沿うユニット載置部の長さが四角枠状のフレームサイズによって固定化されており、大型車両用のユニット輸送治具を小型車両の荷台には設置できず、小型車両用のユニット輸送治具は大型車両の荷台に設置できても、該大型車両で輸送対象とする大型ユニットを積込みできない。荷台サイズの異なる各種車両毎にユニット輸送治具を用意しておく必要がある。
本発明の課題は、ユニット輸送治具の軽量化と低コスト化を図り、不使用時の保管性を向上し、荷台サイズの異なる各種車両への適合性を向上することにある。
請求項1の発明は、車両の荷台に建物ユニットを積載するためのユニット輸送治具において、荷台上の前後方向の2位置に並置される各架台を有し、各架台が、荷台上の幅方向の2位置に配置される各台座を前後方向に延在し、各台座に各支柱を立設し、両支柱の上端部に横架材を架け渡して構成され、両架台の横架材上に建物ユニットを載置可能にし、両架台の間を部材積込スペースとするようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記架台に取付具を設け、荷台に連結される転倒防止用ワイヤを該取付具に取付け可能にするようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記架台の横架材における各種の建物ユニットの幅寸法に応じた位置のそれぞれに、それらの各建物ユニットを位置決めする位置決め具を装備可能にするようにしたものである。
(請求項1)
(a)2個の架台を車両の荷台の前後方向に沿う2位置に並置するものであり、各架台の荷台前後方向への転倒は荷台上で前後方向に延在される台座により防止される。荷台の前後方向の概ね全域にわたって延在されるような長尺の枠材を有しない。これにより、ユニット輸送治具は軽量化されて取扱い容易になり、低コストにもなる。
(b)各架台は車両の荷台前部と荷台後部のそれぞれに設置されるにすぎず、それらの前後方向サイズは小さい。これにより、ユニット輸送治具は不使用時にコンパクトに保管され得るものになる。
(c)2個の架台はそれらの並置間隔を車両の荷台サイズに応ずるように適宜設定されて使用される。従って、1つのユニット輸送治具を荷台サイズの異なる各種車両に対し自在に適合させて使用でき、各種車両毎にユニット輸送治具を用意する必要がない。
(請求項2)
(d)架台に取付具を設け、荷台に連結される転倒防止用ワイヤを該取付具に取付け可能にする。これにより、各架台の荷台前後方向への転倒を一層確実に防止できる。
(請求項3)
(e)架台の横架材における各種の建物ユニットの幅寸法に応じた位置のそれぞれに、それらの各建物ユニットを位置決めする位置決め具を装備可能にする。これにより幅寸法の異なる各種の建物ユニットを1つの架台の横架材上に支持させて位置決めでき、各種建物ユニット毎にユニット輸送治具を用意する必要がない。
図1はユニット輸送治具を車両の荷台上に設置した状態を示し、(A)は全体斜視図、(B)はジョイントピンの取付構造を示す端面図である。 図2はユニット輸送治具への部材積込状態を示す斜視図である。 図3はユニット輸送治具への屋根ユニット積込過程を示す斜視図である。 図4はユニット輸送治具への屋根ユニット積込状態を示す斜視図である。 図5はユニット輸送治具を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。
図1〜図5に示すユニット輸送治具10は、ユニット建物の工法において、車両(トラック)1の荷台2に、屋根ユニット又はバルコニーユニット等の建物ユニット100(図3、図4は屋根ユニットを示す)及びパネル等の部材200を積載するために用いられる。即ち、ユニット建物の工法は、工場で生産した建物ユニット100や部材200を車両1に積載して建築現場に輸送し、これらの建物ユニット100や部材200を建築現場で接合するものである。
ユニット輸送治具10は、図1〜図4に示す如く、荷台2上の前後方向の2位置に、互いに平行をなすように並置される各門型架台20を有する。
門型架台20は、図1、図5に示す如く、荷台2上の幅方向の両側2位置に配置される各台座21を前後方向に延在し、各台座21の上面の前後方向の中央に各支柱22を立設し、各支柱22の上端部に横架材23を架け渡して構成される。
尚、本実施例の門型架台20にあっては、両側の台座21の内側面中央同士をつなぐ連結材21Aを有するとともに、両側の支柱21の間で連結材21Aの上面と横架材23の下面とをつなぐ複数本の中柱22Aを有する。
台座21は例えば角鋼管からなり、門型架台20の荷台2上における前後方向への転倒を防止するに適当な長さKとされる。支柱22は例えば角鋼管からなり、門型架台20の架台高さH(図5)を定める長さとされ、この架台高さHは荷台2上に設置された門型架台20の上に載置した建物ユニット100の地上高さが法令等の制限に納まる高さとされる。横架材23は例えばC型鋼からなり、荷台2の全幅に納まる長さFとされる。本実施例のC型鋼からなる横架材23は、該C型鋼のウエブに相対する開口部を塞ぐスチフナ23A(図5)を、長手方向に所定の間隔をあける複数位置でその上下フランジに溶接してある。
ユニット輸送治具10は、荷台2上に並置した両門型架台20の横架材23上に建物ユニット100を載置可能にし、両門型架台20の間で荷台2の上面より上部、かつ横架材23の上面より下部の範囲を部材200の積込スペース30とする。
このとき、ユニット輸送治具10は、門型架台20の両側の支柱22(横架材23の両端部でも可)の前面及び後面(前面又は後面の一方でも可)に取付具たるアイボルト24を設けている。荷台2の両側縁部に予め設けられているシャックル等に連結される転倒防止用ワイヤ25(図4)がこのアイボルト24に取付けられ、門型架台20の前後方向への転倒を確実に防止する。
また、ユニット輸送治具10は、門型架台20の横架材23における各種の建物ユニット100の幅寸法(妻寸法)に応じた位置のそれぞれに、それらの各建物ユニット100を位置決めする位置決め具たるジョイントピン26(図1)を装備可能にする。横架材23は、図1、図5に示す如く、例えば長手方向の4位置で、C型鋼のスチフナ23Aにより塞がれていない上フランジの下面に裏ナット23Bを溶接してあり、この裏ナット23Bに下方からジョイントピン26を螺入して取付け可能にする。横架材23の上述の4位置に設けられる裏ナット23Bの間隔は、図5に示す如く、横架材23の一端側の裏ナット23Bを基準位置としたとき、この基準位置に対して長さL1、L2、L3をなす。従って、基準位置の裏ナット23Bにジョイントピン26を取付けるとともに、横架材23に載置される建物ユニット100の幅寸法に応じ、基準位置からL1、L2、L3をなす各裏ナット23Bのいずれかにジョイントピン26を取付ける。このようにして各裏ナット23Bに取付けられて横架材23の上フランジから突出するジョイントピン26に、建物ユニット100の下枠材等に設けてあるジョイント孔を差し入れるように、建物ユニット100を門型架台20の横架材23上に吊り降ろす等により該建物ユニット100を位置決め可能にする。
また、ユニット輸送治具10は、図1に示す如く、2個の門型架台20の並置間隔Wを車両1の荷台サイズに応ずるように設定する。各種の建物ユニット100を載置する車両1は、それらの荷台サイズがそれらの建物ユニット100の長手寸法(桁寸法)に応ずるように選定されたものである。
従って、ユニット輸送治具10は以下の如くに使用される。
(1)輸送対象たる建物ユニット100の高さに応じた架台高さHの門型架台20を用意する。
2個の門型架台20を車両1の荷台2上の前後2位置に並置する(図1)。門型架台20の並置間隔Wは車両1の荷台サイズ、換言すればこの車両1により輸送される建物ユニット100の長手寸法(桁寸法)に応ずる間隔に設定される。
門型架台20の横架材23の長手方向の適宜位置にジョイントピン26を取付ける。ジョイントピン26は車両1により輸送される建物ユニット100の幅寸法(妻寸法)に応ずる位置に設けられている裏ナット23Bに螺入されて取付けられる。
(2)荷台2上に並置した両門型架台20の間に設けた前述の積込スペース30に部材200を積込む(図2)。部材200の積込高さが門型架台20の架台高さH以下になるように注意する。
(3)部材200のまわりに荷締めロープ27をかけ、この荷締めロープ27の両端部を荷台2の両側縁部に予め設けられているシャックル等に緊結する(図2)。
(4)荷台2上に並置してある両門型架台20の横架材23上に建物ユニット100を吊り降ろして積込む(図3)。建物ユニット100は幌(カバー)101で被覆されている。このとき、建物ユニット100の下枠材等に設けてあるジョイント孔を、横架材23に設けてあるジョイントピン26に差し入れて位置決めする。
(5)建物ユニット100のまわりに荷締めロープ28をかけ、この荷締めロープ28の両端部を荷台2の両側縁部に予め設けられているシャックル等に緊結する(図4)。
(6)門型架台20の両側の支柱22に設けてあるアイボルト24と、荷台2の両側縁部に予め設けられているシャックル等とを転倒防止用ワイヤ25により緊結し、荷台2上での門型架台20の浮上り、滑りを防止する。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)2個の門型架台20を車両1の荷台2の前後方向に沿う2位置に並置するものであり、各門型架台20の荷台前後方向への転倒は荷台2上で前後方向に延在される台座21により防止される。荷台2の前後方向の概ね全域にわたって延在されるような長尺の枠材を有しない。これにより、ユニット輸送治具10は軽量化されて取扱い容易になり、低コストにもなる。
(b)各門型架台20は車両1の荷台2の前部と荷台2の後部のそれぞれに設置されるにすぎず、それらの前後方向サイズは小さい。これにより、ユニット輸送治具10は不使用時にコンパクトに保管され得るものになる。
(c)2個の門型架台20はそれらの並置間隔Wを車両1の荷台サイズに応ずるように適宜設定されて使用される。従って、1つのユニット輸送治具10を荷台サイズの異なる各種車両1に対し自在に適合させて使用でき、各種車両1毎にユニット輸送治具10を用意する必要がない。
(d)門型架台20にアイボルト24を設け、荷台2に連結される転倒防止用ワイヤ25を該アイボルト24に取付け可能にする。これにより、各門型架台20の荷台前後方向への転倒を一層確実に防止できる。
(e)門型架台20の横架材23における各種の建物ユニット100の幅寸法に応じた位置のそれぞれに、それらの各建物ユニット100を位置決めするジョイントピン26を装備可能にする。これにより幅寸法の異なる各種の建物ユニット100を1つの門型架台20の横架材23上に支持させて位置決めでき、各種建物ユニット100毎にユニット輸送治具10を用意する必要がない。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
本発明によれば、ユニット輸送治具の軽量化と低コスト化を図り、不使用時の保管性を向上し、荷台サイズの異なる各種車両への適合性を向上することができる。
1 車両
2 荷台
10 ユニット輸送治具
20 門型架台(架台)
21 台座
22 支柱
23 横架材
24 アイボルト(取付具)
25 転倒防止用ワイヤ
26 ジョイントピン(位置決め具)
30 積込スペース
100 建物ユニット
200 部材

Claims (3)

  1. 車両の荷台に建物ユニットを積載するためのユニット輸送治具において、
    荷台上の前後方向の2位置に並置される各架台を有し、
    各架台が、荷台上の幅方向の2位置に配置される各台座を前後方向に延在し、各台座に各支柱を立設し、両支柱の上端部に横架材を架け渡して構成され、
    両架台の横架材上に建物ユニットを載置可能にし、両架台の間を部材積込スペースとすることを特徴とするユニット輸送治具。
  2. 前記架台に取付具を設け、荷台に連結される転倒防止用ワイヤを該取付具に取付け可能にする請求項1に記載のユニット輸送治具。
  3. 前記架台の横架材における各種の建物ユニットの幅寸法に応じた位置のそれぞれに、それらの各建物ユニットを位置決めする位置決め具を装備可能にする請求項1又は2に記載のユニット輸送治具。
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