JP2011062123A - 浮遊性微細藻類の培養方法 - Google Patents

浮遊性微細藻類の培養方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
均一に分散してしまう浮遊性微細藻類を容易に回収することを可能にする、浮遊性微細藻類の培養方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
表面が親水性の可視光透過性の繊維を含み、該繊維間の空間径が10μm〜500μmである培養基材で浮遊性微細藻類を培養することを特徴とする、浮遊性微細藻類の培養方法。
【選択図】図1

Description

本発明は浮遊性微細藻類の培養方法に関する。
微細藻類は、増殖のスピードが早く、光合成能力が高いことから、様々な産業分野において利用されている。例えば、微細藻類から有用物質を抽出し、食品、医薬品、飼料、肥料等の原材料とすることが行なわれている。また、微細藻類は光合成能力、すなわち二酸化炭素の固定能力が高いため、温暖化対策として培養することも有用である。また、最近では、微細藻類が細胞内に蓄積する糖質や脂質を利用して、石油やバイオエタノールを生産することが注目されている。したがって、微細藻類を大量に培養する技術が必要である。
微細藻類の大量培養には、一般的にタンクやプール等大型の培養槽が用いられている。また、微細藻類を培養する方法としては、例えば、特許文献1には、雑菌汚染を防ぐため、無孔性親水性フィルムから構成されるリザーバに液体及び藻類を入れその中で培養し、リザーバ外の液体から栄養塩等を取り入れる培養器具を用いる方法が開示されている。また、特許文献2では、野菜類の栽培と食用藻類の培養とを組み合わせた植物工場について開示されており、野菜類の栽培で使われた使用済廃液を食用藻類の培養液として用いている。
特開2007−330215号公報 特開平5−64577号公報
微細藻類の中でも、浮遊性微細藻類は貝類や魚類の飼料として用いられており有用である。浮遊性微細藻類は鞭毛や繊毛を有しており、液体中を自由に移動して生活している藻類であるが、浮遊性微細藻類は密集せず、均一に分散する傾向があり、たとえ水中で集合してもその集合した塊状態のまま水中を落下して、落下すると再び散り散りになって水中を分散する。したがって、従来の微細藻類の培養方法を用いて浮遊性微細藻類をタンクやプールなどの大型の培養槽で大量培養する際、浮遊性微細藻類は培養槽中を浮遊して培養液に均一に分散してしまうため、培養された浮遊性微細藻類を回収するためには、培養槽中の培養液全体を回収する必要があり、大変なコストと手間がかかっていた。
そこで、本発明は、均一に分散してしまう浮遊性微細藻類を容易に回収することを可能にする、浮遊性微細藻類の培養方法を提供することを課題とする。
本発明は、表面が親水性の可視光透過性の繊維を含み、該繊維間の空間径が10μm〜500μmである培養基材で浮遊性微細藻類を培養することを特徴とする、浮遊性微細藻類の培養方法を提供する。
繊維間の空間径が上記範囲である表面が親水性の可視光透過性の繊維を含む培養基材で浮遊性微細藻類を培養したとき、浮遊性微細藻類が培養基材の表面や内部に局所的に高密度で密集するため、その密集している部分を培養基材ごと回収することで容易に浮遊性微細藻類を大量に回収することができる。
上記繊維はロックウールであることが好ましい。ロックウールは適度な保水性、適度な吸水性、適度な光透過性を有するため、浮遊性微細藻類がより培養されやすく、より大量に培養できる。
窒素固定光触媒を用いて空気中の窒素を栄養源として利用し、上記浮遊性微細藻類の培養方法を行なうことが好ましい。空気中の窒素を栄養源として利用することで、培養液中の栄養源を低減することができ、コストが抑えられる上、廃液処理が容易になる。
本発明の培養方法によれば、培養基材に浮遊性微細藻類が高密度で密集するため、浮遊性微細藻類を容易に回収することができる。
図1は、浮遊性微細藻類の培養装置を示す図である。 図2は、複数の培養装置を使用して培養を行なっている図である。 図3は、培養装置を複数使用して培養室で浮遊性微細藻類の培養を行なっている図である。 図4は、培養初日のユーグレナを表した写真である。 図5は、培養初日のクラミドモナスを表した写真である。 図6は、培養から4日後のユーグレナを表した写真である。 図7は、培養から4日後のクラミドモナスを表した写真である。 図8は、培養から4日後のクラミドモナスを実験培地で培養した写真(A)及び写真(A)と同倍率で撮影した0.03mm格子の写真(B)である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の培養方法に用いられる浮遊性微細藻類の培養装置10を示す図である。培養装置10は、浮遊性微細藻類の培養に用いられる装置である。培養装置10は光源1と培養基材4とを備えており、浮遊性微細藻類3は光源1からの光線2が照射される培養基材4の表面上又は内部に局所的に密集して培養されている。培養基材4の表面上には窒素固定触媒5が設けられている。
光源1からの光線2が培養基材4に照射されると、培養基材表面又は培養基材中に存在する浮遊性微細藻類3は光合成を行い、培養基材4中に浸透した培養液から栄養源を得て増殖を行うことで、培養される。培養基材4の一部に局所的に密集して培養された浮遊性微細藻類3を培養基材4の全部又は浮遊性微細藻類3が密集している一部とともに培養装置10から回収し、濾過、遠心分離、その他適当な方法により培養基材4から分離することで、培養した浮遊性微細藻類3を大量に回収することが可能である。
培養基材4は表面が親水性の可視光透過性の繊維を含み、該繊維間の空間径が10μm〜500μmである。この範囲の空間径であれば、培養液が繊維間を適度に満たすため、浮遊性微細藻類が自由に繊維間を遊泳でき、栄養源を得て増殖していくことが可能となる。また、この範囲の空間径であれば、適度に酸素や二酸化炭素が供給されるため、浮遊性微細藻類が呼吸や光合成をしやすくなり、増殖が可能となる。さらにこの範囲の空間径であれば、浮遊性微細藻類が集合して塊状態になった際でも繊維間に高密度に保持されるので、大型の培養槽で培養する際に浮遊性微細藻類が塊状態のまま水中を落下し、落下後均一に分散してしまう問題が生じない。上記空間径は20μm〜200μmであることがより好ましく、30μm〜100μmであることがさらに好ましい。浮遊性微細藻類をより保持しやすく、浮遊性微細藻類がより増殖しやすくなるためである。
培養基材4に用いられる表面が親水性の繊維とは、繊維自体が親水性である繊維、及び繊維表面に親水性加工を施したことにより表面が親水性となっている繊維のことをいう。繊維自体が親水性である繊維としては、例えば、天然繊維であると、人工繊維であるとを問わず、ロックウールや石綿などの鉱物繊維、ビニロン、ビニラール、アセテート、レーヨン、キュプラ、綿、麻、毛、絹等の親水性繊維を用いることができる。このような繊維を含む培養基材4は吸湿性が良く、保水性が高いため、培養液をよく吸収して繊維と繊維の間に保ち、その結果、浮遊性微細藻類が生育し、増殖しやすい環境が形成される。また、繊維自体が親水性であれば、繊維表面に親水性加工を施す手間を省くことができる。
また、繊維表面に親水性加工を施すことにより表面を親水性とすることができる繊維としては、例えば、グラスウールなどのガラス繊維、ポリプロピレン、ナイロン等のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル、ポリエチレン、トリアセテート等の疎水性繊維を用いることができる。これらの疎水性繊維は繊維表面に親水性基を導入したり、繊維表面を多孔にしたり、繊維表面にコーティング加工したりする等の親水性加工を施すことにより、繊維表面を親水性とすることができる。親水性加工は疎水性繊維の表面全体に施されていてもよいし、疎水性繊維の表面の一部に施されていてもよい。これらの繊維は親水性加工を施すことにより表面が親水性となっているため、上述の親水性繊維と同様に吸湿性と保水性が高く、浮遊性微細藻類が生育し、増殖しやすい環境を形成する。また、これらの疎水性繊維は強度が高いため、これらの疎水性繊維を含む培養基材の強度も高くなり、浮遊性微細藻類を培養基材から分離する際に大きな機械的圧力をかけて効率的に浮遊性微細藻類を分離することができる。また、親水性加工として表面にコーティング加工を施すことで浮遊性微細藻類の大きさに合わせて繊維間の空間径を調節することが容易になる。親水性加工は、疎水性繊維に対してだけでなく、上述の親水性繊維の表面全体又は表面の一部にも施すことができ、さらに吸湿性や保水性を高めたり、繊維間の空間径の調節を容易にしたりすることができる。
表面が親水性の繊維の中でもロックウールを用いることが好ましい。ロックウールを用いたとき、浮遊性微細藻類は培養基材表面上や内部で局所的により高密度で密集するため、浮遊性微細藻類の回収が極めて容易になる。
培養基材4に含まれる繊維は可視光透過性である。可視光透過性であるとは、繊維の可視光線透過率が高いこと、すなわち可視光線、波長が380nm〜750nmの光を浮遊性微細藻類が光合成を行なうのに十分な程度に透過することをいう。可視光線透過率は分光光度法に準じた方法により測定できる。本発明においては、繊維の可視光線透過率は5mm厚で30%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上である。浮遊性微細藻類3は培養基材4において、光線2が照射される表面上で主に培養されるが、培養基材4に含まれる繊維が可視光透過性であるために、培養基材4の中にも可視光線が届き、培養基材4の中でも浮遊性微細藻類3を培養することができる。
培養基材4の形態としては、繊維間の空間径が10μm〜500μmで、表面が親水性の可視光透過性の繊維を含むものであれば、不織布、織布のいずれでもよく、これらは、フィルム状、シート状、粒状、スポンジ状、ロープ状とすることができ、これらは単独で又は積層や混合等することにより組み合わせて用いることができる。
培養基材4の形態をシート状とした場合、該シートの厚さは1mm〜20mmとすることが好ましく、3mm〜15mmとすることがより好ましく、5mm〜10mmとすることがさらに好ましい。また、培養基材4の形態を粒状とした場合、粒の最大直径を粒径とすると平均粒径が1mm〜20mmとすることが好ましく、3mm〜15mmとすることがより好ましく、5mm〜10mmとすることがさらに好ましい。
培養基材4には表面が親水性の可視光透過性の繊維の他にも種々の物質が含まれていてもよい。例えば、培養基材4は窒素、リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫黄、鉄、マンガン、亜鉛、銅、ホウ素、モリブデン、ナトリウム、アルミニウム、コバルト、ケイ酸等を含む浮遊性微細藻類の栄養源となる物質を含んでいてもよい。さらに、培養基材4は、給水剤、保水剤、キレート化合物、界面活性剤、補強剤等を含んでいてもよい。
補強剤としては繊維片、紙片、金属片、プラスチック片、セラミック片、木片等の物質を用いることができ、上記表面が親水性の可視光透過性の繊維と補強剤とを混合して培養基材4を成形することができる。
さらに、培養基材4の強度、取り扱い性等を考慮して、成形された培養基材4に支持体を組み合わせて培養装置10に用いることができる。支持体は、例えば、培養基材4に積層や貼り合わせ等することにより組み合わせられる。シート状の培養基材4に支持体を積層、貼り合わせ等する際は、光線2が照射される面と反対側の面に支持材料を積層、貼り合わせ等することが好ましい。支持体の材料としては、例えば、金属、プラスチック、セラミック、木材等硬い材料が挙げられる。
培養基材4の表面上及び繊維と繊維の間では、浮遊性微細藻類3が培養される。本発明において、浮遊性微細藻類とは、鞭毛や繊毛、粘性物質等の移動に必要な器官や成分を有することにより、液体中を遊泳できる微細藻類のことをいう。本発明で培養される浮遊性微細藻類としては、黄金色藻(サヤツナギ、オクロモナス、マロモナス、シヌラ)、ラフィド藻(ゴニオストムム、バクオラリア、メロトリキア)、珪藻(タラシオシラ、コスキノディスクス、ビドゥルフィア、ケトセラス、フラジラリア、コアミケイソウ)、黄色鞭毛藻(ウログレナ)、ユーグレナ(ユーグレナ、ウチワヒゲムシ、モノモルフィナ、カラヒゲムシ)、褐色鞭毛藻(ロドモナス)、渦鞭毛藻(ヤコウチュウ、プロロケントルム、ディノフィシス、ギムノディニウム、ペリディニウム、ゴニオラクス、ディノコックス)、クリプト藻(クリプトモナス、クロオモナス)、ハプト藻類(パブロバ、ファエオキスチス、プリムネシウム、イソクリシス)、緑藻(クラミドモナス、クロロゴニウム、ヘマトコッカス、カルテリア、ボルボックス、ヒゲマワリ、ゴニウム、テトラバエナ、ボトリオコッカス)等を挙げることができる。
培養基材4の表面又は培養基材4の中で培養された浮遊性微細藻類は、培養基材4の全部又は浮遊性微細藻類が局所的に密集している部分と一緒に回収し、その後、培養基材4を濾過、遠心分離等することにより、培養基材4から分離して回収することができる。例えば、肥料として用いる等、浮遊性微細藻類の用途によっては、培養基材4から分離しなくても、培養基材4ごと浮遊性微細藻類を利用することができる。培養基材4中で浮遊性微細藻類が局所的に密集している部分は、浮遊性微細藻類が緑色を呈するために、容易に見分けることができる。
光源1は、太陽などの天然光源又は人工光源などの光源や、天然光源又は人工光源からの光を導く導光体であって、光合成及び浮遊性微細藻類の増殖に効果のある光線2を発するものである。光源1としては、例えば、太陽、白熱灯、蛍光灯、ナトリウムランプ、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプ、発光ダイオード、レーザーダイオード、発光板、導光板が挙げられる。
光線2は浮遊性微細藻類の光合成及び増殖に効果のある光線であって、光源1から発せられ、培養基材4を照射する。光線2は、培養基材4を照射する光照度が10〜1000μE/m・sとなるように照射されることが好ましい。また、光線2は、浮遊性微細藻類の光合成及び増殖に効果のある光線として、波長が380nm〜750nmの光を含む光線であることが好ましい。
培養基材4には窒素固定光触媒5が設けられている。窒素固定光触媒5は酸化チタン等から形成され、空気中の窒素、一酸化窒素、二酸化窒素等のガス態窒素を、アンモニア態窒素や硝酸態窒素等の、栄養源として浮遊性微細藻類が利用できる形態に固定する。窒素固定光触媒5は培養基材4の表面又は内部に配置することができる。培養装置10は窒素固定光触媒5を有していてもよいし、有していなくてもよい。
培養基材4には培養液が供給される。本発明の培養方法における培養液、培養条件等については、一般のタンク培養やプール培養において使用される浮遊性微細藻類の培養液、培養条件等を使用することが可能である。例えば、浮遊性微細藻類を培養する温度は5〜40℃とし、また、湿度は30%〜100%とすることができる。また、用いられる培養液としては、Cramer−Myers培地、C培地、Koren−Hutner培地、Hutner培地、Euglena培地、TAP培地、MAF−6培地、f/2培地、CSi培地、Allen培地、BG−11培地、CA培地、CAM培地、CB培地、CT培地、CYT培地、HUT培地、MBM培地、MDM培地、MG培地、P35培地、Pro培地、SOT培地、SW培地、URO培地、VT培地等を挙げることができる。培養液を培養基材4に供給する方法としては、培養基材4に培養液が浸透する方法であれば、培養基材4を培養液が満たされた容器に入れる方法、培養基材4に向けて培養液を散布する方法等、いずれの方法を用いてもよい。培養液は、培養基材4が完全に浸るように加えてもよく、培養基材4の一部が培養液に浸らずに空気に露出するように加えてもよい。後者の場合、空気に露出した培養基材4の内部も毛細管現象により、培養液が満たされ、そこで浮遊性微細藻類が増殖することが可能であり、しかも前者の場合よりも高密度に浮遊性微細藻類を培養することが可能である。培養液には0〜50%の濃度で二酸化炭素を含有する空気を通気量0.01〜1vvmで通気することが好ましい。
培養装置10は、培養基材4の光線2が照射される面を地面から垂直に立てて、培養装置10全体を縦置きすることもできる。また、培養装置10は斜めに傾けて、壁に立てかけてもよい。縦置きや斜めに置くことで、狭いスペースでも培養を行なうことが可能である。
培養装置10単独で浮遊性微細藻類を培養することが可能であるが、培養装置10を複数組み合わせて、浮遊性微細藻類を多段培養することもできる。図2は複数の培養装置10を積層した浮遊性微細藻類の培養装置20を示す図である。多段培養することにより、省スペース化を図りつつ、浮遊性微細藻類を効率よく、大量に培養することができる。また、多段培養の際、導光体を利用すれば、光源からの光が直接届かない段の培養基材にも導光することができ、省エネルギー化が図れる。また、多段培養の際、培養液を複数の段で循環させることもできる。
図3は、太陽光及び導光体を利用して培養室で本発明の培養方法により培養を行なっている様子を表す。太陽光11からの光が培養室100に設けられた培養装置の導光体12を通じて培養基材4に届く。培養基材4の表面又は内部に存在する浮遊性微細藻類3は、導光された光を用いて光合成を行い、培養基材4中に浸透した培養液から栄養源を得て培養される。培養基材4の一部に局所的に密集して培養された浮遊性微細藻類3は、培養基材4の全部又は浮遊性微細藻類が密集している一部とともに回収され、その後培養基材4から分離されて回収される。
本発明を以下の実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
浮遊性微細藻類として、単細胞鞭毛藻類であるユーグレナ(Euglena gracilis strain Z)とクラミドモナス(Chlamydomonas reinhardtii NIES−2235)とを用いた。培養基材としては、細粒状ロックウールを用いた。ロックウールの空間径は10μm〜500μmであり、平均粒径は4mmである。Cramer−Myers培地及びC培地から液体培地を作成した。プラスチックシャーレに細粒状ロックウール2gを入れ、液体培地30mlを満たし、実験培地とした。ロックウールを入れずに液体培地30mlのみをプラスチックシャーレに入れて、コントロール培地とした。実験培地及びコントロール培地でユーグレナとクラミドモナスの培養をそれぞれ開始した。実験は2回行い、培養開始時に、ユーグレナを第1回目は細胞数が40±8個/μL、第2回目は15±3個/μLとなるように、実験培地及びコントロール培地それぞれに加えた。クラミドモナスは、第1回目は細胞数が45±9個/μL、第2回目は60±10個/μLとなるように、実験培地及びコントロール培地それぞれに加えた。ユーグレナ及びクラミドモナスの第1回目の培養開始時の写真をそれぞれ図4及び図5に示す。左がコントロール培地、右が実験培地である。
培養開始から4日後のユーグレナ及びクラミドモナスの写真(第1回目)を図6及び図7に示す。左がコントロール培地、右が実験培地である。培地の色が濃くなっていることは、浮遊性微細藻類の増殖が盛んであることを表す。ユーグレナ及びクラミドモナスは、ロックウールの培養液面から出て空気に露出し、光がよく当る部分に特に集積していた。
培養開始から4日後のユーグレナ及びクラミドモナスの実験培地及びコントロール培地の細胞数を比較した。コントロール培地からは200μL取り出して、実験培地からは細粒状ロックウールのうち、液面に出ており緑色が濃くなっている10粒を採取し(体積200μLに相当)、ユーグレナ又はクラミドモナスの細胞数を数えた。それぞれの培地における、体積あたりの細胞数を表1に示す。
実験培地とコントロール培地とを比較すると、1回目及び2回目でほぼ同等の結果を得ることができた。すなわち、実験培地では、培養4日後で、ユーグレナではコントロールの1.8倍、クラミドモナスではコントロールの5.2〜7.8倍に細胞数が増加した。なお、1回目と2回目でデータ間に差異が生じたのは、培養開始時の細胞数が1回目と2回目で異なるためである。
培養4日後、クラミドモナスを実験培地で培養した写真(A)、及び写真(A)と同倍率で撮影した0.03mm格子の写真(B)を図8に示す。図8の写真(A)中、丸い粒状物質がクラミドモナスで、繊維状の物質がロックウールである。多数のクラミドモナスの細胞がロックウールの繊維間に分布している。ロックウールを培養基材として用いてクラミドモナスやユーグレナを培養した場合、クラミドモナスやユーグレナは培養液に均一に分散せず、ロックウールの表面や中に局所的に高密度で集積する傾向にあった。
本発明の培養方法によれば、浮遊性微細藻類が均一に分散せず、浮遊性微細藻類を培養基材に局所的に密集させて培養することができるために、大量培養した際でも培養基材中、浮遊性微細藻類が局所的に密集した部分だけを回収することで、大量の浮遊性微細藻類を簡便に回収することができる。また、培養基材と浮遊性微細藻類を一緒に回収した後、残った液体培地に新しい培養基材を入れて新たに培養を開始することもできる。さらに、培養基材を多段に配置することで、効率よく大量に培養することもできる。
1・・・光源、2・・・光線、3・・・浮遊性微細藻類、4・・・培養基材、5・・・窒素固定光触媒、10、20・・・培養装置、11・・・太陽、12・・・導光体、100・・・培養室

Claims (3)

  1. 表面が親水性の可視光透過性の繊維を含み、該繊維間の空間径が10μm〜500μmである培養基材で浮遊性微細藻類を培養することを特徴とする、浮遊性微細藻類の培養方法。
  2. 前記繊維がロックウールである、請求項1記載の浮遊性微細藻類の培養方法。
  3. 窒素固定光触媒を用いて空気中の窒素を栄養源として利用する、請求項1又は2に記載の浮遊性微細藻類の培養方法。
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