JP2011061406A - ディジタル音響システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ディジタルアンプに適したスピーカを使用しつつディジタルアンプの特性を活かして効率よい音響再生を行う。
【解決手段】増幅すべき信号より高い周波数の搬送波信号との比較により、前記信号をパルス信号に変換し、該パルス信号をスイッチングすることにより増幅するD級アンプと、前記D級アンプで増幅されたパルス信号を受けて音響出力するディジタル用スピーカと、を有するディジタル音響システムであって、前記ディジタル用スピーカのボイスコイルは、α>1,(β2/α)<1とした場合に、アナログ信号用のスピーカのボイスコイルの1/βのコイル線長を有し、アナログ信号用のスピーカのボイスコイルの1/αの直流抵抗値であり、前記D級アンプは、アナログ信号用のスピーカを駆動する場合と比較してβ/αの電圧で出力段のスイッチングを行う。
【選択図】図1

Description

本発明はディジタル音響システムに関し、特に、効率に配慮されたディジタル音響システムに関する。
現在は、スピーカとして、磁場中に電線を配置し電流を流すことで発生するローレンツ力を利用した動電型(ダイナミック型)が最も広く普及している。
一般的な動電型では、断面が円もしくは矩形の電線を複数巻回した状態のボイスコイルに駆動電流を供給し、該ボイスコイルに発生するローレンツ力を用いて振動板を動かしている。
ここで、ボイスコイルに発生する力(駆動力)Fを数式で表すと、磁気回路に使用される磁束密度をB、ボイスコイルの線長をL、ボイスコイルに流れる電流をiとした場合、
F=BLi,
と表現できる。
また、以上の数式からわかるように、ボイスコイルの直流抵抗DCRにより電流iを制限しており、線長Lにて必要な駆動力Fを得るようにしている。なお、磁束密度Bや線長Lの値が大きければ、少ない電流iでも必要な駆動力Fが得られることになる。
しかし、線長Lを大きくすると、直流抵抗DCRが増えることになり、電流iが減ることになり、結果として駆動力Fが増えることはない。
一方、断面積の大きい線材を使用して直流抵抗DCRを下げると電流iが増えて駆動力Fが増加することになるものの、あまりにも直流抵抗DCRが低すぎると電流iが流れすぎて、結果としてアンプに悪影響を与えることになる。
このため、直流抵抗DCRが低いスピーカにも対処できるような出力段の増幅回路を備えたアンプも存在するが、価格が上昇してしまう欠点が存在していた。
また、以下の特許文献1のように、ボイスコイルと磁石との配置を工夫し、磁石からの磁力線を有効に活用する提案もなされていた。しかし、この特許文献1のスピーカでは、構造が複雑になり、コストが上昇するという問題があった。
以上のような理由で、スピーカのボイスコイルの駆動力を大きく改善することは、根本的に難しい状態であった。
特開平9−18992号公報
近年、D級増幅を行うディジタルアンプが各種の機器で使用されている。この種のディジタルアンプでは、増幅対象となる音声信号より高い周波数のパルス信号でスイッチングを行う構成となっている。そのため、増幅回路としては高効率という特徴を有している。しかし、このディジタルアンプについては、従来からのアナログアンプに適したスピーカを駆動するものとして使用されており、ディジタルアンプの特性に適した状態のスピーカについては何ら配慮されていなかった。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであって、該ディジタルアンプに適したスピーカを使用しつつディジタルアンプの特性を活かして効率よい音響再生が可能なディジタル音響システムを提供することを目的とする。
以上の課題を解決する本発明は、以下に記載するようなものである。
(1)請求項1記載の発明は、増幅すべき信号より高い周波数の搬送波信号との比較により、前記信号をパルス信号に変換し、該パルス信号をスイッチングすることにより増幅するD級アンプと、前記D級アンプで増幅されたパルス信号を受けて音響出力するディジタル用スピーカと、を有するディジタル音響システムであって、前記ディジタル用スピーカのボイスコイルは、α>1,(β2/α)<1とした場合に、アナログ信号用のスピーカのボイスコイルの1/βのコイル線長を有し、アナログ信号用のスピーカのボイスコイルの1/αの直流抵抗値であり、前記D級アンプは、アナログ信号用のスピーカを駆動する場合と比較してβ/αの電圧で出力段のスイッチングを行う、ことを特徴とするディジタル音響システムである。
(2)請求項2記載の発明は、増幅すべき信号より高い周波数の搬送波信号との比較により、前記信号をパルス信号に変換し、該パルス信号をスイッチングすることにより増幅するD級アンプと、前記D級アンプで増幅されたパルス信号を受けて音響出力するディジタル用スピーカと、を有するディジタル音響システムであって、前記ディジタル用スピーカのボイスコイルは、アナログ信号用のスピーカのボイスコイルの1/βのコイル線長を有し、アナログ信号用のスピーカのボイスコイルの1/αの直流抵抗値であり、前記D級アンプは、アナログ信号用のスピーカを駆動する場合と比較してβ/αの電圧で出力段のスイッチングを行う際に、該ディジタル用スピーカのボイスコイルの直流抵抗値をR’、前記D級アンプの出力段の直流オン抵抗値をrとした場合に、α>1,((αR’+r)/(R’+r))>β2の条件を満たす、ことを特徴とするディジタル音響システムである。
(3)請求項3記載の発明は、前記ディジタル用スピーカのボイスコイルは、箔状の線材により構成されている、ことを特徴とする請求項1−2に記載のディジタル音響システムである。
本発明によれば、以下のような効果が得られる。
(1)第一の発明では、増幅すべき入力信号より高い周波数の搬送波信号との比較により、入力信号をパルス信号に変換し、該パルス信号をスイッチングすることによりD級アンプでD級増幅し、このD級増幅されたパルス信号をディジタル用スピーカにより音響再生する際に、ディジタル用スピーカのボイスコイルは、α>1,(β2/α)<1とした場合に、アナログ信号用のスピーカのボイスコイルの1/βのコイル線長を有し、アナログ信号用のスピーカのボイスコイルの1/αの直流抵抗値であり、D級アンプは、アナログ信号用のスピーカを駆動する場合と比較してβ/αの電圧で出力段のスイッチングを行う。
この場合、D級アンプの出力段の電圧が従来のβ/αであり、ディジタル用スピーカのボイスコイルが従来の1/βの線長であって抵抗値が1/αであるため、ボイスコイルを流れる電流iは従来のβ倍であるため、ディジタル用スピーカの駆動力F(F=BLi)は従来と同じでありながら、消費電力は従来比(β2/α)と低減される。なお、この場合に、ボイスコイルを箔状の線材で構成することで、ボイスコイルの抵抗値と線長とを適切な特性に設定しやすくなる。
したがって、ディジタルアンプ(D級アンプ)での再生に適した特性を有するスピーカを使用しつつ、ディジタルアンプの特性を活かし、低消費電力で効率よい音響再生が可能になる。
なお、ボイスコイルの線長を従来と同じ、すなわち、β=1とすると、D級アンプの出力段の電圧が従来の1/αであり、ディジタル用スピーカのボイスコイルが従来と同じ線長でありながら抵抗値が1/αであるため、ボイスコイルを流れる電流iは従来と変わらないため、ディジタル用スピーカの駆動力F(F=BLi)は従来と同じでありながら、消費電力は1/αと低減される。なお、この場合に、ボイスコイルを箔状の線材で構成することで、ボイスコイルの抵抗値と線長とを適切な特性に設定しやすくなる。したがって、ディジタルアンプ(D級アンプ)での再生に適した特性を有するスピーカを使用しつつ、ディジタルアンプの特性を活かし、低消費電力で効率よい音響再生が可能になる。
(2)第二の発明では、増幅すべき入力信号より高い周波数の搬送波信号との比較により、入力信号をパルス信号に変換し、該パルス信号をスイッチングすることによりD級アンプでD級増幅し、このD級増幅されたパルス信号をディジタル用スピーカにより音響再生する際に、該ディジタル用スピーカのボイスコイルの直流抵抗値をR’、D級アンプの出力段の直流オン抵抗値をr、α>1,((αR’+r)/(R’+r))>β2とした場合に、ディジタル用スピーカのボイスコイルは、アナログ信号用のスピーカのボイスコイルの1/βのコイル線長を有し、アナログ信号用のスピーカのボイスコイルの1/αの直流抵抗値であり、D級アンプは、アナログ信号用のスピーカを駆動する場合と比較してβ/αの電圧で出力段のスイッチングを行う。
この場合、D級アンプの出力段の電圧が従来のβ/αであり、ディジタル用スピーカのボイスコイルが従来の1/βの線長であって抵抗値が1/αであるため、ボイスコイルを流れる電流iは従来のβ倍であるため、ディジタル用スピーカの駆動力F(F=BLi)は従来と同じでありながら、消費電力は従来比(β2)・((R’+r)/(αR’+r))と低減される。
なお、この場合に、ボイスコイルを箔状の線材で構成することで、ボイスコイルの抵抗値と線長とを適切な特性に設定しやすくなる。
したがって、ディジタルアンプ(D級アンプ)での再生に適した特性を有するスピーカを使用しつつ、ディジタルアンプの特性を活かし、低消費電力で効率よい音響再生が可能になる。
本発明の実施形態のディジタル音響システムの構成を示す構成図である。 本発明の実施形態のディジタル音響システムの構成を示す構成図である。 本発明の実施形態のディジタル音響システムで使用されるスピーカの構成を示す構成図である。 本発明の実施形態のディジタル音響システムの動作を示す説明図である。 本発明の実施形態のディジタル音響システムの動作を示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態)を詳細に説明する。
〔実施形態の構成〕
〔実施形態のディジタル音響システム全体の構成〕
図1は本発明の実施形態のディジタル音響システムの構成を示すブロック図である。
この図1において、入力信号源110は、音響再生すべきオーディオ信号を出力するものであり、各種オーディオ機器、各種映像機器の音声出力部、各種受信機の音声出力部などが該当する。なお、この入力信号源110は、実施形態のディジタル音響システムに含まれていても良いし、着脱や挿抜や接続が可能な各種の外付けの機器であっても良い。
搬送波発振部120は、再生すべきオーディオ信号の上限周波数の2倍以上の周波数であって、再生すべきオーディオ信号との比較に使用される三角波などの搬送波信号を生成し、比較部130の一方の端子に該搬送波信号を供給する。
比較部130は、入力信号源110からのオーディオ信号と、搬送波発振部120からの搬送波信号とが入力され、これら2つの信号の振幅を比較して、搬送波信号と同じ周波数であってオーディオ信号によりパルス幅変調されたパルス信号を生成する。なお、ここでは、パルス幅変調(PWM)方式を例にするが、ΔΣ変調方式であってもよい。
スイッチング部140は、比較部130で生成されたパルス幅変調されたパルス信号に基づいて、後述する電源電圧E’にて、FETなどのスイッチング素子でスイッチング(D級増幅)を行って、スピーカ駆動用のパルス信号を生成する。
ここで、以上の搬送波発振部120,比較部130,スイッチング部140が、ディジタル音響システムにおけるD級アンプを構成している。
フィルタ部18は、パルス信号に含まれるオーディオ信号の周波数成分を通過させて、オーディオ信号以外の周波数成分を減衰させるローパスフィルタあるいはバンドパスフィルタなどにより構成されたフィルタ部である。
なお、このフィルタ部18は、独立して設ける以外に、スイッチング部140やスピーカ160に内蔵させること、省略すること、などの変形も可能である。
スピーカ160は、以上のパルス信号を受けて音響出力するディジタル用スピーカであり、後述するように、特定の条件を満たすよう構成されたボイスコイルを備えている。
図2は実施形態の変形例であり、図1と異なる部分として、制御部101、操作表示部105、電圧変更部140aを備えたスイッチング部140、を備えて構成されている。ここで、制御部101は、スピーカ160の特性について、スピーカ160を所定条件で駆動して特性を読み取る、あるいは、スピーカ160に備えられたメモリやICチップなどから特性を読み取る、といったことが可能に構成されており、スピーカ160の特性に応じて、電圧変更部140aに対してスイッチング電圧の変更を指示するよう構成されている。また、操作表示部105から入力された設定値に基づいて、電圧変更部140aに対してスイッチング電圧の変更を指示するよう構成されている。これにより、スイッチング部140では、可変の電圧でスイッチングすることが可能である。
〔実施形態のディジタル音響システムで使用されるスピーカの構成〕
図3は本発明の実施形態のディジタル音響システムで使用される、ディジタル用スピーカとしてのスピーカ160の構成を断面で示す断面図である。なお、ここに示した構造は具体例として示した一例であり、各部の配置を異なる構成とすることも可能である。
図3(a)において、振動板1617や各部を支える筐体としてのフレーム1611に対して、振動板1617の背面方向(音声出力方向と反対方向、ここでは図面下方向)には、リング状のトッププレート1612b、リング状(筒状)で軸方向に着磁された永久磁石1613、底部となるヨーク1612aが取り付けられている。なお、ヨーク1612aの中央部には、トッププレート1612bの方向に向かって、円柱状のセンターポール1612acを有している。
そして、ヨーク1612aの中央部に設けられたセンターポールの先端部付近の外周面は、トッププレート1612bの内周面と向かい合って、磁路における磁気ギャップが形成されている。
また、センターポールの外周面とトッププレート1612bの内周面との間のリング状の空間には、振動板1617に一端が取り付けられたコイルボビン1614が配置されており、このコイルボビン1614にはボイスコイル1615が巻回されている。
そして、振動板1617とコイルボビン1614とが接している部分近傍には、外周部がフレーム1611に取り付けられたダンパー1618が取り付けられており、振動板1617とコイルボビン1614とがセンターポールの軸方向に振動可能な状態になるように支持している。
また、この実施形態では、図3(a),(b)に示す如く、コイルボビン1614の周囲に、少なくとも一方の面に絶縁材が付された箔状の導電性の線材(金属箔)が巻回されることによって、ボイスコイル1615が形成されている。ここでは、ボイスコイル1615の軸方向の長さに相当する幅の金属箔を用意して、該金属箔を所定回数巻回することで、ボイスコイル1615を形成している。
〔実施形態のディジタル音響システムにおける各部の特性〕
なお、以上のディジタル音響システムで使用されるスピーカ160のボイスコイル1615は、定数αと定数βとについて、従来からのアナログ信号用の一般的なスピーカ(従来型スピーカ)のボイスコイルの1/αの直流抵抗値を有し、従来型スピーカのボイスコイルの1/βのコイル線長を有する、ものとして、構成されている。
また、図1または図2の構成のディジタル音響システムにおいて、以上のスイッチング部140では、定数αと定数βとについて、従来からのアナログ信号用の一般的なスピーカ(従来型スピーカ)を駆動する場合と比較して、β/αの電圧で出力段のスイッチング素子のスイッチングを行うよう構成されている。
そして、該スピーカ160のボイスコイル1615の直流抵抗値をR’、スイッチング部140の出力段の直流オン抵抗値をrとした場合に、α>1,((αR’+r)/(R’+r))>β2の条件を満たす、ように、本実施形態のディジタル音響システムは構成されている。
〔実施形態のディジタル音響システムの動作説明〕
以下、数式、具体的数値を用いて、本実施形態のディジタル音響システムの動作について説明を行う。
ここでは、スピーカのボイスコイルに発生する力(駆動力)をF、磁気回路に使用される磁束密度をB、ボイスコイルの線長をL、ボイスコイルに流れる電流をiとした場合、実施形態のディジタル音響システムにおいてボイスコイル1615の駆動力F(F=BLi)を従来型スピーカと同等に保ちつつ、低消費電力で効率よい音響再生を可能にする動作について説明する。
ここで、
スイッチング部140の出力段のスイッチング素子の直流オン抵抗値をr、
従来型スピーカのボイスコイルの直流抵抗値をR、
スピーカ160のボイスコイル1615の直流抵抗値をR’、
従来型スピーカのボイスコイルの線長をL、
スピーカ160のボイスコイル1615の線長をL’、
従来型スピーカのボイスコイルを流れる電流をi、
スピーカ160のボイスコイル1615を流れる電流をi’、
従来型スピーカを駆動するスイッチング部140の出力段の電圧をE、
スピーカ160を駆動するスイッチング部140の出力段の電圧をE’、
とする
そして、以上の条件において、定数α、定数βを用いた場合、
スピーカ160のボイスコイル1615の線長L’は従来型スピーカのボイスコイルの線長Lの1/β、
スピーカ160のボイスコイル1615の直流抵抗値R’は従来型スピーカのボイスコイルの抵抗値Rの1/α、
である。なお、スピーカ160のボイスコイル1615は従来型スピーカのボイスコイルより低抵抗である必要があるため、α>1である。
また、スイッチング部140は、従来型スピーカを駆動する電圧Eと比較してβ/αの電圧E’で出力段のスイッチングを行う。
そして、この実施形態では、後述するように、以下の条件、
α>1,((αR’+r)/(R’+r))>β2
を満たすことを特徴としている。
まず、従来型スピーカでの消費電力は、
(R+r)i2
である。
一方、本実施形態のスピーカ160での消費電力は、
(R’+r)i’2
である。
したがって、本実施形態のスピーカ160が従来型スピーカより高効率であるためには、
(R’+r)i’2<(R+r)i2
を満たす必要がある。
ここで、R=αR’であり、E=(α/β)E’であるため、i=(1/β)・i’である。
従って、
(R+r)i2=(αR’+r)・((1/β)・i’)2
となる。
これにより、本実施形態のスピーカ160が高効率であるためには、
(R’+r)i’2<(αR’+r)・(i’/β)2
となる。
以上の式を整理すると、
β2<(αR’+r)/(R’+r),
となる。
よって、以上のようなαを満たすようにボイスコイル1615の抵抗値R’を定め、かつ、以上のようなβを満たすようにボイスコイル1615の線長L’を定め、以上のようなαとβとに基づいたスイッチング部140のスイッチング電圧E’を定めることで、従来型スピーカより低消費電力、すなわち、高効率を実現できる。
なお、L’=L/βと定めており、また、以上のようにi’=βiであるため、
F=BLi=BL’i’
となり、本実施形態のスピーカ160は、従来型スピーカと同等の駆動力(音響出力)を得ることができる。
なお、以上のように、ボイスコイル1615の抵抗値R’と線長L’とを定めた場合に、丸断面あるいはスクエア断面の線材を使用するよりは、ボイスコイル1615の軸方向の長さに相当する幅であって、抵抗値R’を実現する断面積の金属箔を用意して、該金属箔を線長L’に該当する分の所定回数巻回することが、R’とL’とを容易かつ忠実に守る上で容易である。
〔実施形態のディジタル音響システムの具体例(1)〕
なお、以上の条件に基づいて、具体的数値を当てはめた具体例(1)を、図4の一覧に示す。
ここで、従来例(1)として、スイッチング部140のオン抵抗r=0.1(Ω)、従来型スピーカとして、R=8Ω、スイッチング電圧E=8(V)、コイル線長L=1(m)、電流i=1(A)とした場合、スイッチング部140(アンプ)での消費電力は0.1(W)、従来型スピーカでの消費は8(W)、合計で8.1(W)となる。
そして、定数α=8、定数β=3、とした実験例(1)では、スピーカ160として、R’=1Ω、コイル線長L’=1/3(m)、スイッチング電圧E=3(V)、電流i=3(A)とした場合、スイッチング部140(アンプ)での消費電力は0.9(W)、スピーカ160での消費は9(W)、合計で9.9(W)となる。この場合、以上のβ2<(αR’+r)/(R’+r)の条件を満足していないため、低消費電力を実現できていない。
また、定数α=8、定数β=2.8、とした実験例(2)では、スピーカ160として、R’=1Ω、コイル線長L’=1/2.8(m)、スイッチング電圧E=2.8(V)、電流i=2.8(A)とした場合、スイッチング部140(アンプ)での消費電力は0.784(W)、スピーカ160での消費は7.84(W)、合計で8.624(W)となる。この場合、以上のβ2<(αR’+r)/(R’+r)の条件を満足していないため、低消費電力を実現できていない。
また、定数α=8、定数β=2.7、とした実験例(3)では、スピーカ160として、R’=1Ω、コイル線長L’=1/2.7(m)、スイッチング電圧E=2.7(V)、電流i=2.7(A)とした場合、スイッチング部140(アンプ)での消費電力は0.729(W)、スピーカ160での消費は7.29(W)、合計で8.019(W)となる。この場合、以上のβ2<(αR’+r)/(R’+r)の条件を満足しているため、低消費電力を実現できる。
また、定数α=8、定数β=2.5、とした実験例(4)では、スピーカ160として、R’=1Ω、コイル線長L’=1/2.5(m)、スイッチング電圧E=2.5(V)、電流i=2.5(A)とした場合、スイッチング部140(アンプ)での消費電力は0.625(W)、スピーカ160での消費は6.25(W)、合計で6.875(W)となる。この場合、以上のβ2<(αR’+r)/(R’+r)の条件を満足しているため、低消費電力を実現できる。
また、定数α=8、定数β=2、とした実験例(5)では、スピーカ160として、R’=1Ω、コイル線長L’=1/2(m)、スイッチング電圧E=2(V)、電流i=2(A)とした場合、スイッチング部140(アンプ)での消費電力は0.4(W)、スピーカ160での消費は4(W)、合計で4.4(W)となる。この場合、以上のβ2<(αR’+r)/(R’+r)の条件を満足しているため、低消費電力を実現できる。
以上のように、本実施形態で定めた条件(以上のようなαを満たすようにボイスコイル1615の抵抗値R’を定め、かつ、以上のようなβを満たすようにボイスコイル1615の線長L’を定め、以上のようなαとβとに基づいたスイッチング部140のスイッチング電圧E’を定める条件)を満足することで、従来型スピーカと同等の駆動力を得つつ、従来型スピーカより低消費電力、すなわち、高効率を実現できる。
なお、このような条件を満たすように、図1のディジタル音響システムの各部の定数を定めること、また、図2においては制御部101がスイッチング部140のスイッチング電圧変更を指示すること、によって、従来型スピーカと同等の駆動力を得つつ、従来型スピーカより低消費電力、すなわち、高効率を実現できる。
〔実施形態のディジタル音響システムの具体例(2)〕
なお、以上の条件に基づいて、具体的数値を当てはめた具体例(2)を、図5の一覧に示す。
ここで、従来例(2)として、スイッチング部140のオン抵抗r=0.01(Ω)、従来型スピーカとして、R=8Ω、スイッチング電圧E=8(V)、コイル線長L=1(m)、電流i=1(A)とした場合、スイッチング部140(アンプ)での消費電力は0.01(W)、従来型スピーカでの消費は8(W)、合計で8.01(W)となる。
そして、定数α=8、定数β=3、とした実験例(A)では、スピーカ160として、R’=1Ω、コイル線長L’=1/3(m)、スイッチング電圧E=3(V)、電流i=3(A)とした場合、スイッチング部140(アンプ)での消費電力は0.09(W)、スピーカ160での消費は9(W)、合計で9.09(W)となる。この場合、以上のβ2<(αR’+r)/(R’+r)の条件を満足していないため、低消費電力を実現できていない。
また、定数α=8、定数β=2.8、とした実験例(B)では、スピーカ160として、R’=1Ω、コイル線長L’=1/2.8(m)、スイッチング電圧E=2.8(V)、電流i=2.8(A)とした場合、スイッチング部140(アンプ)での消費電力は0.0784(W)、スピーカ160での消費は7.84(W)、合計で7.918(W)となる。この場合、以上のβ2<(αR’+r)/(R’+r)の条件を満足しているため、低消費電力を実現できる。
また、定数α=8、定数β=2.7、とした実験例(C)では、スピーカ160として、R’=1Ω、コイル線長L’=1/2.7(m)、スイッチング電圧E=2.7(V)、電流i=2.7(A)とした場合、スイッチング部140(アンプ)での消費電力は0.0729(W)、スピーカ160での消費は7.29(W)、合計で7.363(W)となる。この場合、以上のβ2<(αR’+r)/(R’+r)の条件を満足しているため、低消費電力を実現できる。
また、定数α=8、定数β=2.5、とした実験例(D)では、スピーカ160として、R’=1Ω、コイル線長L’=1/2.5(m)、スイッチング電圧E=2.5(V)、電流i=2.5(A)とした場合、スイッチング部140(アンプ)での消費電力は0.0625(W)、スピーカ160での消費は6.25(W)、合計で6.313(W)となる。この場合、以上のβ2<(αR’+r)/(R’+r)の条件を満足しているため、低消費電力を実現できる。
また、定数α=8、定数β=2、とした実験例(E)では、スピーカ160として、R’=1Ω、コイル線長L’=1/2(m)、スイッチング電圧E=2(V)、電流i=2(A)とした場合、スイッチング部140(アンプ)での消費電力は0.04(W)、スピーカ160での消費は4(W)、合計で4.04(W)となる。この場合、以上のβ2<(αR’+r)/(R’+r)の条件を満足しているため、低消費電力を実現できる。
以上のように、本実施形態で定めた条件(以上のようなαを満たすようにボイスコイル1615の抵抗値R’を定め、かつ、以上のようなβを満たすようにボイスコイル1615の線長L’を定め、以上のようなαとβとに基づいたスイッチング部140のスイッチング電圧E’を定める条件)を満足することで、従来型スピーカと同等の駆動力を得つつ、従来型スピーカより低消費電力、すなわち、高効率を実現できる。
なお、この図5に示した例では、R’=1、r=0.01であり、R’に比較してrが1/100程度であり、充分に小さい。このため、以上のβ2<(αR’+r)/(R’+r)の条件におけるrの影響を無視することができる。
そこで、以上のβ2<(αR’+r)/(R’+r)の条件を、請求項1に示したように、(β2/α)<1と近似してもよい。これにより、計算を簡素化することが可能になる。
〔実施形態における変形〕
以上の実施形態では、ディジタル音響システムにおいてボイスコイル1615の駆動力F(F=BLi)を従来型スピーカと同等に保ちつつ、低消費電力で効率よい音響再生を可能にする動作について説明したが、これに限定されるものではない。
たとえば、以上の条件を満たしつつ、条件を一部変更することで、従来型スピーカと同等の消費電力にして、実施形態の駆動力F(F=BLi)を従来型スピーカより大きくする、従来型スピーカより低消費電力にして、実施形態の駆動力F(F=BLi)を従来型スピーカより大きくする、とすることも可能である。このような変形も、低消費電力で効率よい音響再生の動作に含まれる。
101 制御部
110 入力信号源
120 搬送波発振部
130 比較部
140 スイッチング部
150 フィルタ部
160 スピーカ

Claims (3)

  1. 増幅すべき信号より高い周波数の搬送波信号との比較により、前記信号をパルス信号に変換し、該パルス信号をスイッチングすることにより増幅するD級アンプと、
    前記D級アンプで増幅されたパルス信号を受けて音響出力するディジタル用スピーカと、
    を有するディジタル音響システムであって、
    前記ディジタル用スピーカのボイスコイルは、
    α>1,(β2/α)<1とした場合に、
    アナログ信号用のスピーカのボイスコイルの1/βのコイル線長を有し、
    アナログ信号用のスピーカのボイスコイルの1/αの直流抵抗値であり、
    前記D級アンプは、アナログ信号用のスピーカを駆動する場合と比較してβ/αの電圧で出力段のスイッチングを行う、
    ことを特徴とするディジタル音響システム。
  2. 増幅すべき信号より高い周波数の搬送波信号との比較により、前記信号をパルス信号に変換し、該パルス信号をスイッチングすることにより増幅するD級アンプと、
    前記D級アンプで増幅されたパルス信号を受けて音響出力するディジタル用スピーカと、
    を有するディジタル音響システムであって、
    前記ディジタル用スピーカのボイスコイルは、
    アナログ信号用のスピーカのボイスコイルの1/βのコイル線長を有し、
    アナログ信号用のスピーカのボイスコイルの1/αの直流抵抗値であり、
    前記D級アンプは、アナログ信号用のスピーカを駆動する場合と比較してβ/αの電圧で出力段のスイッチングを行う際に、
    該ディジタル用スピーカのボイスコイルの直流抵抗値をR’、前記D級アンプの出力段の直流オン抵抗値をrとした場合に、
    α>1,((αR’+r)/(R’+r))>β2の条件を満たす、
    ことを特徴とするディジタル音響システム。
  3. 前記ディジタル用スピーカのボイスコイルは、箔状の線材により構成されている、
    ことを特徴とする請求項1−2に記載のディジタル音響システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015186256A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 信一 細田 音声信号とバイアスを一つの電磁パルス波で兼ね、全面制動力駆動と無線空間浮揚動作を可能にした、多段型全帯域単一振動板による非アナログスピーカーシステム。

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JP2015186256A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 信一 細田 音声信号とバイアスを一つの電磁パルス波で兼ね、全面制動力駆動と無線空間浮揚動作を可能にした、多段型全帯域単一振動板による非アナログスピーカーシステム。

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