JP2018046396A - 音声再生システム、および、これを構成する終端処理回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】 スイッチングアンプおよびトランスを介して接続するスピーカーを備えていても、消費電力の増大を抑制し、良好な音声再生が可能な音声再生システムを提供する。【解決手段】 音声再生システムは、入力される音声信号をパルス幅変調またはパルス密度変調し、かつ、電力増幅して出力するスイッチングアンプと、スイッチングアンプからの出力信号を一次巻線側に入力し、二次巻線側から電圧レベルを変換した音声信号を出力するトランスと、トランスから出力される音声信号を音波に変換して音声再生するスピーカーと、スイッチングアンプからの出力、並びに、トランス変換回路の一次巻線側の入力の信号電位を、接地電位との間で終端処理する終端処理回路と、を備える。【選択図】 図1
Description
本発明は、スイッチングアンプと、トランスと、スピーカーと、を備える音声再生システムに関し、特に、終端処理回路を用いて周波数特性の乱れを防ぐ音声再生システム、および、これを構成する終端処理回路に関する。
音声信号を音波に変換して再生するスピーカーを含む音声再生システムでは、音声信号を増幅器(アンプ)で電力増幅して、電気音響変換器であるスピーカーへ供給し、可聴音域の音波を再生する。スピーカーでは、磁気回路およびボイスコイルを備える動電型スピーカーが一般的に使用される。動電型スピーカーでは、磁気回路の磁気空隙中に振動可能に配置されたボイスコイルに音声信号電流が供給されると、磁気空隙中の磁界により駆動力を受けるので、ボイスコイルに連結する振動板が振動して、その結果、音波が再生される。
また、アンプでは、電力変換効率の高いスイッチングアンプの使用が増加している。スイッチングアンプは、入力音声信号をパルス幅変調またはパルス密度変調などにより変調して、可聴音域よりも周波数がはるかに高いキャリア信号の成分を含む変調信号として電力増幅する。したがって、スイッチングアンプは、キャリア信号を除去する低域通過フィルタを備えるのが一般的である。スイッチングアンプは、低域通過フィルタを通過させた出力信号を動電型スピーカーへ供給することで、動電型スピーカー並びに動電型スピーカーへ音声信号を供給する接続コードから、不要輻射が発生するのを防止している。スイッチングアンプでは、低域通過フィルタを構成する場合に、コイルおよびコンデンサから構成されるLCフィルタが多用される。
また、音声再生システムでは、アンプの出力とスピーカーの入力との間に、トランスを接続する場合がある。トランスは、磁芯に巻いた一次巻線側に入力した音声信号を、電圧レベルを変換して昇圧または減衰した音声信号を二次巻線側から出力する。音声再生の周波数帯域を、例えば低音域/中音域/高音域などの複数帯域に分割して再生するマルチウェイアンプ/スピーカーシステムでは、複数のスピーカーの間での再生能率の差が存在する場合に、トランス式減衰回路をアンプの出力とスピーカーの入力との間に挿入して再生音圧レベルを調整することがある。
例えば、従来には、共振周波数が異なる二つの響体が合体してなるバッフル板の中間胴部の高共振点の付近にツイーターを設けると共に、二つの響体にウーファーを設け、ツイーターとウーファーがバーチカルツインスピーカーユニットの配列に設け、アンプからの入力信号をウーファーに行く低域信号とツイーターに行く高域信号に分割するパッシブネットワークにおいて、ツイーターへの入力電圧を減少させるアッテネータ回路にアッテネータトランスを採用したスピーカー装置がある。(特許文献1)。なお、特許文献1には、アンプがスイッチングアンプである場合についての記載並びに示唆は、存在しない。
また、音声信号を増幅し、トランスを含む伝送ラインを介してスピーカーに伝送するオーディオ用増幅装置においては、スイッチングアンプが使用される場合がある(特許文献2)。例えば、従来には、電気音響変換器用に適した電力増幅器に関して、PWMアンプと昇圧トランスとLPF(低域通過フィルタ)とを組み合わせた構成(図1(E))が記載されている(特許文献3)。
ただし、スイッチングアンプと、トランスと、スピーカーと、を備える音声再生システムでは、トランスによって昇圧または減衰した音声信号をスピーカーに出力すると、スイッチングアンプからみた電気インピーダンスが、トランスを接続しない場合に比べて大きく変化して、スイッチングアンプが備える低域通過フィルタのカットオフ周波数付近で鋭いピークを持ったインピーダンス周波数特性になってしまい、その結果、消費電力が増大し、良好な音声再生ができなくなるという問題が生じる場合がある。
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、スイッチングアンプおよびトランスを介して接続するスピーカーを備えていても、消費電力の増大を抑制し、良好な音声再生が可能な音声再生システムを提供することにある。
本発明の音声再生システムは、入力音声信号をパルス幅変調またはパルス密度変調し、かつ、電力増幅して出力するスイッチングアンプと、スイッチングアンプからの出力信号を一次巻線側に入力し、二次巻線側から電圧レベルを変換した音声信号を出力するトランスと、トランスから出力される音声信号を音波に変換して音声再生するスピーカーと、スイッチングアンプからの出力、並びに、トランス変換回路の一次巻線側の入力の信号電位を、接地電位との間で終端処理する終端処理回路と、を備える。
好ましくは、本発明の音声再生システムは、スイッチングアンプが、キャリア信号の成分を減衰させて出力する低域通過フィルタ回路を含み、終端処理回路が、信号電位と接地電位との間を抵抗素子および容量素子で直列接続して終端処理する。
好ましくは、本発明の音声再生システムは、トランスが、一次巻線側に入力する音声信号を二次巻線側から減衰させてスピーカーに出力する。
好ましくは、本発明の音声再生システムは、終端処理回路の抵抗素子および容量素子が、スイッチングアンプの低域通過フィルタ回路におけるカットオフ周波数に応じて選択される。
また、本発明の終端処理回路は、上記の音声再生システムを構成する。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明の音声再生システムは、入力音声信号をパルス幅変調またはパルス密度変調し、かつ、電力増幅して出力するスイッチングアンプと、スイッチングアンプからの出力信号を一次巻線側に入力し、二次巻線側から電圧レベルを変換した音声信号を出力するトランスと、トランスから出力される音声信号を入力して、音波に変換して音声再生するスピーカーと、を備え、さらに、スイッチングアンプからの出力、並びに、トランスの一次巻線側の入力の信号電位を、接地電位との間で終端処理する終端処理回路を備える。終端処理回路は、インピーダンスマッチングをとってスイッチングアンプからみたトランス及びスピーカー側の電気インピーダンス周波数特性の急激な変化を抑制するので、消費電力の増大を抑制し、良好な音声再生が可能な音声再生システムが実現される。
具体的には、終端処理回路は、信号電位と接地電位との間を抵抗素子および容量素子で直列接続して終端処理する回路であり、スイッチングアンプが、キャリア信号の成分を減衰させて出力する低域通過フィルタ回路を含む場合には、鋭いピークを持ちやすい低域通過フィルタのカットオフ周波数付近での急激な特性変化を抑制することができる。終端処理回路は、トランス及びスピーカー側において、トランスを挿入することで発生しやすい共振現象を抑制する。
特に、トランスが一次巻線側に入力する音声信号を二次巻線側から減衰させてスピーカーに出力するアッテネータの場合には、トランス及びスピーカー側の電気インピーダンスが、スピーカーのみの場合に比べて大きく変化してしまう場合がある。したがって、終端処理回路の抵抗素子および容量素子を、スイッチングアンプの低域通過フィルタ回路におけるカットオフ周波数に応じて選択することで、スイッチングアンプの低域通過フィルタのカットオフ周波数付近で発生するピーク特性を防止することができる。
本発明の音声再生システム、および、これを構成する終端処理回路は、低インピーダンスマッチングをとってスイッチングアンプからみたトランス及びスピーカー側の電気インピーダンス周波数特性の急激な変化を抑制し、消費電力の増大を抑制し、良好な音声再生を可能にすることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態による音声再生システム、および、これを構成する終端処理回路について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
図1は、本発明の好ましい実施形態による音声再生システム1について説明する図であり、具体的には、音声再生システム1の構成を示すブロック図である。なお、説明に不要な一部の構造や、内部構造等は、図示ならびに説明を省略している。
音声再生システム1は、スイッチングアンプ2と、終端処理回路5と、トランス6と、動電型スピーカー7と、を含む。音声再生システム1は、スイッチングアンプ2の入力端子11に入力される音声信号を増幅して出力端子12に出力し、終端処理回路5およびトランス6を介して動電型スピーカー7の入力端子に入力する。その結果、音声再生システム1では、動電型スピーカー7が、増幅された音声信号を音波に変換して音声再生を行なう。
音声再生システム1は、スイッチングアンプ2の出力12に接続する他の動電型スピーカー8を含んでいてもよい。動電型スピーカー8は、動電型スピーカー7とともに、増幅された音声信号を音波に変換して音声再生を行なう。図示する音声再生システム1では、音声入力信号は、1チャンネルのみのモノラル信号について説明するが、2チャンネルのステレオ信号であってもよく、また、3チャンネル以上のマルチチャンネル信号であってもよい。
スイッチングアンプ2は、入力端子11に入力される音声信号を増幅して出力するスイッチング増幅部3を内部に含む。スイッチング増幅部3は、グランドされた接地電位を基準電位として、基準電位よりも大きな第1電位を有する第1電源と、基準電位よりも小さく第1電源とは極性が異なる第2電位を有する第2電源と、キャリア信号に基づいて入力音声信号をパルス幅変調するパルス変調回路と、2つのスイッチング素子を含む。2つのスイッチング素子は、パルス変調回路の出力に応じて第1電源および第2電源の電位、並びに基準電位を、スイッチング増幅部3の出力端子に出力する。なお、スイッチングアンプ2の内部構成は、図示を省略している。
パルス変調回路は、キャリア信号に基づいて入力音声信号をパルス幅変調して、第1パルス変調信号を一方のスイッチング素子に出力し、第1パルス変調信号と異なる第2パルス変調信号を他方のスイッチング素子に出力する。キャリア信号は、音声信号の周波数帯域(約20Hz〜20kHz)よりも遙かに高い周波数(例えば、約300kHz以上)の変調信号である。一方のスイッチング素子には、パルス変調回路からの第1パルス変調信号に応答してオン状態またはオフ状態になり、第1電位または基準電位のいずれかを、スイッチング増幅部3の出力端子に出力する。また、他方のスイッチング素子には、パルス変調回路からの第2パルス変調信号に応答してオン状態またはオフ状態になり、第2電位または基準電位のいずれかを、スイッチング増幅部3の出力端子に出力する。
したがって、スイッチング増幅部3の出力端子には、音声信号よりも遙かに周波数帯域が高いキャリア信号成分を含み、第1電位と第2電位との間でスイングする増幅されたパルス変調信号が出力される。増幅されたパルス変調信号は、増幅された入力音声信号を含み、キャリア信号成分を除去する低域通過フィルタを通過させると、入力された音声信号を電力増幅した出力信号として取り出すことができる。
そこで、スイッチング増幅部3からの出力信号は、コイルL/コンデンサC1から構成される低域通過フィルタ部4に入力される。低域通過フィルタ部4において、コイルLは入力及び出力に直列接続され、コンデンサC1は、コイルLの出力側を分岐して接地電位に接続される。低域通過フィルタ部4の出力は、スイッチングアンプ2の出力端子12に接続される。その結果、スイッチングアンプ2の出力端子12は、キャリア信号成分が除去されて、入力された音声信号を電力増幅した出力信号を出力する。
なお、スイッチングアンプ2のスイッチング増幅部3は、上記構成の構成に限らず、他の変調方式によるD級アンプであればよい。例えば、スイッチング増幅部3のパルス変調回路は、キャリア信号に基づいて入力音声信号をパルス密度変調する変調回路であってもよい。スイッチング増幅部3は、第1電位と第2電位との間でスイングする増幅された2値のパルス変調信号を出力するものでもよく、基準電位を含む3値のパルス変調信号を出力するものでもよい。
図1において、スイッチングアンプ2の出力端子12には、動電型スピーカー7および8が接続されている。動電型スピーカー7は、他の動電型スピーカー8よりも能率が高く、同じ信号レベルの音声信号が供給された場合の再生音圧レベルが、動電型スピーカー8よりも動電型スピーカー7の方が高い。したがって、動電型スピーカー7および8の再生音圧レベルをそろえる目的で、動電型スピーカー7の入力端子15には終端処理回路5およびトランス6が接続されて、これらを介してスイッチングアンプ2の出力端子12に接続している。なお、動電型スピーカー8は、この音声再生システム1の動作を説明するために接続しているものであって、音声再生システム1における必須の構成要素ではなく、省略可能である。
トランス6は、電磁誘導を利用して入力電圧を異なる出力電圧に変換する変圧器であり、1次コイルT1に入力音声信号を供給し、変動磁場を発生させ、それを相互インダクタンスで結合された2次コイルT2に伝え、異なる信号レベルの出力音声信号を出力する。インピーダンス整合を行うトランス6は、アッテネータとして動作し、スイッチングアンプ2の出力端子12から動電型スピーカー7の入力端子15に入力される音声信号を減衰させる。減衰レベルATT[dB]は、1次コイルT1と2次コイルT2との巻線比により設定される。したがって、音声再生システム1では、動電型スピーカー7および8の再生音圧レベルをそろえることができる。
また、終端処理回路5は、スイッチングアンプ2の出力端子12に入力端子13が接続され、トランス6の1次コイルT1に出力端子14が接続される。終端処理回路5の入力端子13および出力端子14は、入力及び出力の信号電位が同電位になるように直接に接続されている。また、終端処理回路5は、信号電位と接地電位との間を抵抗素子Rおよび容量素子C2で直列接続して終端処理する回路である。
したがって、終端処理回路5は、スイッチングアンプ2からみたトランス6および動電型スピーカー7のインピーダンス整合を行う。終端処理回路5は、インピーダンスマッチングをとって、スイッチングアンプ2からみたトランス6及び動電型スピーカー7の電気インピーダンス周波数特性において発生する共振を抑制する。その結果、音声再生システム1では、動電型スピーカー7で信号レベルを減衰させて、動電型スピーカー8との再生音圧レベルをそろえることができ、良好な音声再生が可能になる。
図2は、音声再生システム1の動電型スピーカー7からみた入力電圧特性を説明する図である。具体的には、図2は、動電型スピーカー7の入力端子15において、以下で述べるそれぞれの場合(a)〜(c)の入力音声信号の電圧周波数特性(横軸:周波数、縦軸:電圧レベル)を表したグラフである。スイッチングアンプ2の出力信号は、低域通過フィルタ部4を介して出力されるので、キャリア信号を除去するように、低域通過フィルタのカットオフ周波数fc[Hz]以上の電圧レベルが低下する。動電型スピーカー7への入力音声信号も、基本的には同様の周波数特性を示す。
図2(a)は、比較例として、動電型スピーカー7に対して終端処理回路5およびトランス6を接続しない場合の電圧周波数特性を表す曲線である。図2(a)の場合には、アッテネータとして動作するトランス6を介していないので、カットオフ周波数fc[Hz]以下の周波数において、高い電圧レベルの音声信号が動電型スピーカー7の入力端子15に入力されることになる。なお、図2(a)の電圧周波数特性の曲線は、図1における動電型スピーカー8への入力音声信号の場合に等価である。
次に、図2(b)は、比較例として、動電型スピーカー7に対して終端処理回路5を接続せず、トランス6のみを接続する場合の電圧周波数特性を表す曲線である。図2(b)の場合には、アッテネータとして動作するトランス6を介しているので、カットオフ周波数fc[Hz]以下の音声信号の周波数帯域において、図2(a)の場合に比べて電圧レベルがATT[dB]減衰した音声信号が動電型スピーカー7の入力端子15に入力されることになる。ただし、この場合には、スイッチングアンプ2からみた動電型スピーカー7側の電気インピーダンスが、トランス8を接続しない場合に比べて大きく変化して、スイッチングアンプ2が備える低域通過フィルタ部4のカットオフ周波数fc付近で共振が発生し、出力電圧周波数特性も鋭いピークを持周波数特性になってしまう。
図2(b)のような場合には、スイッチングアンプ2が発振するなどの不具合を招くので、音声再生システム1は、良好な音声再生ができなくなるという問題が生じる場合がある。また、カットオフ周波数fc付近で発生する共振は、スイッチングアンプ2の消費電力を増大させるという不都合を生じる。
次に、図2(c)は、本実施例として、動電型スピーカー7に対して終端処理回路5およびトランス6を接続する場合の電圧周波数特性を表す曲線である。図2(c)の場合には、アッテネータとして動作するトランス6を介しているので、図2(b)の場合と同様に、カットオフ周波数fc[Hz]以下の音声信号の周波数帯域において、図2(a)の場合に比べて電圧レベルがATT[dB]減衰した音声信号が動電型スピーカー7の入力端子15に入力されることになる。
さらに、この場合には、スイッチングアンプ2が備える低域通過フィルタ部4のカットオフ周波数fc付近で共振が発生しないように終端処理回路5がインピーダンス整合を行うので、カットオフ周波数fc付近でも減衰レベルATT[dB]をほぼ一定に保つことができ、本来のアッテネータとしてのトランス6の動作を確保することができている。スイッチングアンプ2が発振するなどの不具合が発生しないので、音声再生システム1は、良好な音声再生が可能になる。また、カットオフ周波数fc付近で共振が発生しないので、スイッチングアンプ2の消費電力を増大することもない。
終端処理回路5は、抵抗素子Rおよび容量素子C2を、スイッチングアンプ2の低域通過フィルタ部4におけるカットオフ周波数fcと、トランス6および動電型スピーカー7の電気インピーダンス特性に応じて、適切に選択すればよい。例えば、図2(b)の場合に、動電型スピーカー7の電気インピーダンスが4Ωであり、トランス6の減衰レベルATTが約20[dB]であり、低域通過フィルタ部4におけるカットオフ周波数fcを規定するコイルLのインダクタンスが0.15mHであり、コンデンサC1の容量が0.33μFである場合には、カットオフ周波数fcが約70kHzになる。したがって、図2(c)の場合には、終端処理回路5は、抵抗素子Rを4Ωに設定し、容量素子C2を6.8μFに設定すればよい。
したがって、音声再生システム1では、上記実施例で説明するように、スイッチングアンプ2においてキャリア信号の成分を低減する低域通過フィルタ部4を備えていても、トランス6を用いて適切な減衰特性を動電型スピーカー7に対して与えることができる。終端処理回路5は、スイッチングアンプ2の消費電力を増大させるカットオフ周波数fc付近で発生する共振を防止して、良好な音声再生が可能になる。
なお、トランス6が、一次巻線側に入力する音声信号を二次巻線側から昇圧させてスピーカーに出力する昇圧トランスの場合であっても、終端処理回路5は、インピーダンスマッチングをとってスイッチングアンプ2からみたトランス6及び動電型スピーカー7側の電気インピーダンス周波数特性の急激な変化を抑制する。したがって、音声再生システム1は、良好な音声再生が可能になる。
特に、この音声再生システム1は、音声再生の周波数帯域を、例えば低音域/中音域/高音域などの複数帯域に分割して再生するマルチウェイアンプ/スピーカーシステムの一部として利用可能である。例えば、低音域を再生するスピーカーと、中音高音域を再生するスピーカーとの間で再生能率の差が存在する場合に、一方側にトランス式減衰回路を挿入して再生音圧レベルを調整することがある。このような場合に、増幅器にスイッチングアンプ2を利用していても、終端処理回路5およびトランス6を介して動電型スピーカー7を接続すれば、スイッチングアンプ2の消費電力を増大させるカットオフ周波数fc付近で発生する共振を防止して、良好な音声再生が可能になる。
なお、本実施例の音声再生システム1では、別筐体のスイッチングアンプ2、終端処理回路5、トランス6、および動電型スピーカー7から構成される場合を説明及び図示したが、これらの構成要素は、一つの筐体に含まれてスピーカーシステムとして構成されていてもよく、また、組み立てて一つの音声再生システム1に構成するものであってもよい。終端処理回路5およびトランス6は、一体に構成されていてもよく、スイッチングアンプ2に含まれて構成されていてもよく、また、動電型スピーカー7に含まれる形で構成されていてもよい。また、動電型スピーカー7は、図示するような外磁型の磁気回路を備えて振動板及びボイスコイルが振動する直接放射型の動電型スピーカーに限らず、内磁型の磁気回路を備える動電型スピーカーであってもよい。
本発明の音声再生システムおよびこれを構成する終端処理回路は、音声信号を再生する音響装置、ステレオ装置のみならず、ディスプレイ等の映像・音響機器に内蔵するヘッドホン用増幅器を内蔵するゲーム機、電話機にも適用が可能である。
1 音声再生システム
2 スイッチングアンプ
3 スイッチング増幅部
4 低域通過フィルタ部
5 終端処理回路
6 トランス
7、8 動電型スピーカー
2 スイッチングアンプ
3 スイッチング増幅部
4 低域通過フィルタ部
5 終端処理回路
6 トランス
7、8 動電型スピーカー
Claims (5)
- 入力される音声信号をパルス幅変調またはパルス密度変調し、かつ、電力増幅して出力するスイッチングアンプと、
該スイッチングアンプからの出力信号を一次巻線側に入力し、二次巻線側から電圧レベルを変換した音声信号を出力するトランスと、
該トランスから出力される該音声出力信号を音波に変換して音声再生するスピーカーと、
該スイッチングアンプからの出力、並びに、該トランスの該一次巻線側の入力の信号電位を、接地電位との間で終端処理する終端処理回路と、
を備える、音声再生システム。 - 前記スイッチングアンプが、キャリア信号の成分を減衰させて出力する低域通過フィルタ回路を含み、
前記終端処理回路が、前記信号電位と前記接地電位との間を抵抗素子および容量素子で直列接続して終端処理する、
請求項1に記載の音声再生システム。 - 前記トランスが、前記一次巻線側に入力する音声信号を前記二次巻線側から減衰させて前記スピーカーに出力する、
請求項1または2に記載の音声再生システム。 - 前記終端処理回路の前記抵抗素子および前記容量素子が、前記スイッチングアンプの前記低域通過フィルタ回路におけるカットオフ周波数に応じて選択される、
請求項3に記載の音声再生システム。 - 請求項1から4のいずれかに記載の音声再生システムを構成する終端処理回路。
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Cited By (1)
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CN116761115A (zh) * | 2023-08-11 | 2023-09-15 | 上海海栎创科技股份有限公司 | 一种低成本高效能的放音电源控制电路及控制方法 |
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CN116761115B (zh) * | 2023-08-11 | 2023-12-12 | 上海海栎创科技股份有限公司 | 一种低成本高效能的放音电源控制电路及控制方法 |
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