JP2011060037A - 位置検出装置及び静電センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で人体を介して混入するノイズも効果的に相殺できる、ノイズに強い静電センサセル、静電センサ、静電スイッチ及び位置検出装置を提供する。
【解決手段】静電センサセルは、二本の受信電極が完全に対称形状である。このため、センサを基板に実装する際の、寸法の調整等が極めて簡便に実行できるので、差動増幅する際の、同相ノイズのキャンセル効果を最大限有効に発揮できる。更に、一本の送信電極の、片方の受信電極の側に近接するランドを設けた。このため、一本の送信電極が差動増幅器から見ると非対称形状である。したがって、差動増幅する際に、同相ノイズのキャンセル効果を失うことなく、指が近接したか否かを確実に検出できる。
【選択図】図1
【解決手段】静電センサセルは、二本の受信電極が完全に対称形状である。このため、センサを基板に実装する際の、寸法の調整等が極めて簡便に実行できるので、差動増幅する際の、同相ノイズのキャンセル効果を最大限有効に発揮できる。更に、一本の送信電極の、片方の受信電極の側に近接するランドを設けた。このため、一本の送信電極が差動増幅器から見ると非対称形状である。したがって、差動増幅する際に、同相ノイズのキャンセル効果を失うことなく、指が近接したか否かを確実に検出できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、位置検出装置及び静電センサに適用して好適な技術に関する。
より詳細には、静電式の位置検出装置の、位置検出平面から混入するノイズを低減し、指の検出精度を向上させる技術に関する。
より詳細には、静電式の位置検出装置の、位置検出平面から混入するノイズを低減し、指の検出精度を向上させる技術に関する。
コンピュータに位置情報を与える入力装置には、様々なものがある。その中で、タッチパネルと呼ばれる、二次元位置情報入力装置(以下「位置検出装置」)がある。
タッチパネルは、指や専用のペン等の入力体で検出平面に触れることで、コンピュータ等の操作を行なう入力装置である。指やペンが触れた位置を検知して画面上の位置を指定し、コンピュータに指示を与える。
タッチパネルは、PDA(Personal Digital Assistant)や銀行のATM(Automated Teller Machine)、駅の券売機等で広く利用されている。
タッチパネルは、指や専用のペン等の入力体で検出平面に触れることで、コンピュータ等の操作を行なう入力装置である。指やペンが触れた位置を検知して画面上の位置を指定し、コンピュータに指示を与える。
タッチパネルは、PDA(Personal Digital Assistant)や銀行のATM(Automated Teller Machine)、駅の券売機等で広く利用されている。
タッチパネルに採用される位置情報検出技術には、様々なものがある。例えば、圧力の変化で位置検出を行う抵抗膜方式や検出平面の表面の膜の静電容量の変化で位置検出を行う静電容量方式等がある。
静電容量方式の位置検出装置の動作原理を説明する。
長方形等の絶縁シートの表と裏に、電極線を格子状に配線する。片方の面の電極線に交流信号を与え、絶縁シートを介した裏側の面の電極線から電流を検出する。格子状に配線される電極線の交点には、絶縁シートを介してコンデンサが形成されるので、両方の電極線に交流電圧を印加すると、電流が流れる。
この時、交流信号の周波数を例えば200kHzに設定し、人体の指を一方の電極線に近づけると、交流電圧によってコンデンサに蓄電される電荷の一部が人体に吸収される現象が生じる。この人体に電荷の一部が吸収されることによって生じるコンデンサの容量変化を、当該コンデンサに流れる電流を通じて検出する。ただし、検出できる電流は極めて微弱であるので、周知のオペアンプによる電流電圧変換回路を介して電圧信号に変換すると共に、電圧増幅を行う。
長方形等の絶縁シートの表と裏に、電極線を格子状に配線する。片方の面の電極線に交流信号を与え、絶縁シートを介した裏側の面の電極線から電流を検出する。格子状に配線される電極線の交点には、絶縁シートを介してコンデンサが形成されるので、両方の電極線に交流電圧を印加すると、電流が流れる。
この時、交流信号の周波数を例えば200kHzに設定し、人体の指を一方の電極線に近づけると、交流電圧によってコンデンサに蓄電される電荷の一部が人体に吸収される現象が生じる。この人体に電荷の一部が吸収されることによって生じるコンデンサの容量変化を、当該コンデンサに流れる電流を通じて検出する。ただし、検出できる電流は極めて微弱であるので、周知のオペアンプによる電流電圧変換回路を介して電圧信号に変換すると共に、電圧増幅を行う。
電流電圧変換処理を施して増幅した信号であっても、元々が微弱な電流であるため、検出した信号には装置の周囲のノイズが混入してしまう。そこで、周知の差動増幅によるノイズキャンセリングを行う。
受信側の電極線から、指を検出できるだけの間隔を空けた二本の電極線を選択し、差動増幅器にそれぞれ受信側の電極線を接続すると、一方の電極線に指が近づいていれば、他方の電極線には指が近づいていないので、それぞれの信号の差をとることで、指の存在を検出できる。また、双方の電極線に同相で混入するノイズ成分は、差動増幅器で相殺される。
なお、本出願人の発明に係る従来技術を、特許文献1に示す。
受信側の電極線から、指を検出できるだけの間隔を空けた二本の電極線を選択し、差動増幅器にそれぞれ受信側の電極線を接続すると、一方の電極線に指が近づいていれば、他方の電極線には指が近づいていないので、それぞれの信号の差をとることで、指の存在を検出できる。また、双方の電極線に同相で混入するノイズ成分は、差動増幅器で相殺される。
なお、本出願人の発明に係る従来技術を、特許文献1に示す。
ところで、一般的に電磁波等を受信する機能を備える電子機器をごく一般的な屋内で使用する場合、周囲の電灯線のハムノイズ等が、人体を介して当該電子機器に混入してしまう。
このような人体を解して混入するノイズの場合、前述のような受信側の電極線の構成では、差動増幅器によって相殺することができない、という問題が生じる。その結果、指の位置を正しく検出できなくなったり、位置検出装置自体の誤動作を引き起こすという問題を生じる。
このような人体を解して混入するノイズの場合、前述のような受信側の電極線の構成では、差動増幅器によって相殺することができない、という問題が生じる。その結果、指の位置を正しく検出できなくなったり、位置検出装置自体の誤動作を引き起こすという問題を生じる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で人体を介して混入するノイズも効果的に相殺できる、ノイズに強い静電センサと、これを用いた位置検出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の位置検出装置は、所定の数のランド部を有する導体パターンが第一の方向に複数配置されるとともに、第一の方向に対して交差する第二の方向であってランド部の近傍に少なくとも二本の導体パターンが互いに近接してランド部を有する導体パターンとは電気的に絶縁されてなるセンサと、第一の方向に配置された導体パターンに所定の信号を供給するための信号供給回路と、第二の方向に配置された二本の導体パターンからの信号が供給されて両者の差動信号を生成するための差動増幅回路を有する信号検出回路と、を備えることで、センサ上の指示体の位置を第一の方向に配置された導体パターンと第二の方向に配置された導体との間の静電結合の変化に基づいて求めるようにしたものである。
センサ基板上に送信電極となる所定の数のランド部を有する導体パターンを交互に配置し、この導体パターンに直交する受信電極となる二本の導体パターンを設けて、静電センサを構成した。この静電センサは、不平衡な信号を出力する導体パターン形状を交互に組み合わせて、通常状態で信号が平衡した状態を形成する。本発明の位置検出装置は、この静電センサを用いている。これにより、回路構成がシンプルで、ノイズに強く、スキャン速度が速い、実用的な位置検出装置を提供できる。
本発明により、簡単な構成で人体を介して混入するノイズも効果的に相殺できる、ノイズに強い静電センサと、これを用いた位置検出装置を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を、図1〜図20を参照して説明する。
[単一の静電センサセルで構成される静電スイッチ]
最初に、発明の原理を説明するために、単一の静電センサセルと、これを用いて構成される静電スイッチについて、説明する。
静電センサセルについて、図1及び図2に従って説明する。ここで、図1は本発明の静電センサセルの斜視図、図2(a)は本発明の静電センサセルの断面図、図2(b)は本発明の静電センサセルの上面図である。
まず、静電センサセルの概略構成について説明する。図1及び図2に示すように、静電センサセル101は、略平板状の絶縁シート202と、送信導体102と、複数の受信電極103と、保護シート203とから構成される。
最初に、発明の原理を説明するために、単一の静電センサセルと、これを用いて構成される静電スイッチについて、説明する。
静電センサセルについて、図1及び図2に従って説明する。ここで、図1は本発明の静電センサセルの斜視図、図2(a)は本発明の静電センサセルの断面図、図2(b)は本発明の静電センサセルの上面図である。
まず、静電センサセルの概略構成について説明する。図1及び図2に示すように、静電センサセル101は、略平板状の絶縁シート202と、送信導体102と、複数の受信電極103と、保護シート203とから構成される。
図2(a)に示すように、送信導体102は、絶縁シート202の一方の面に設けられる。この送信導体102は、図1に示すように、導体からなる本体部102aと、ランド部102bとから構成される。本体部102aは、所定の幅を有し、静電センサセル101のX軸方向(第一の方向)に形成される。ランド部102bは、本体部102aに設けられ、例えば、静電センサセル101のY軸方向(第一の方向に対し直交する方向である第二の方向)に形成される。
受信電極103は、絶縁シート202の他方の面に設けられた導体からなる一対の第一及び第二受信導体103a、103bからなる。この第一及び第二受信導体103a、103bは、互いに略平行に設けられ、それぞれがY軸方向に形成される。
保護シート203は、人体の指と受信電極103とが直接接触することを防止するための略平板状に形成された絶縁体である。この保護シート203は、静電センサセル101の他方の面全体を覆うように設けられる。
保護シート203は、人体の指と受信電極103とが直接接触することを防止するための略平板状に形成された絶縁体である。この保護シート203は、静電センサセル101の他方の面全体を覆うように設けられる。
図3は、静電スイッチのブロック図である。
図3に示すように、静電スイッチ301は静電センサセル101に所定の回路を接続することで、スイッチとして機能する。静電スイッチ301は、静電センサセル101の点線で囲まれた領域P314に指を近づけると、論理出力が反転する。
信号源302は、交流或はパルス信号等の、一定電圧且つ一定周波数の、周期的な信号を発生する。
この信号源302から発される信号が、送信導体102に与えられる。
図3に示すように、静電スイッチ301は静電センサセル101に所定の回路を接続することで、スイッチとして機能する。静電スイッチ301は、静電センサセル101の点線で囲まれた領域P314に指を近づけると、論理出力が反転する。
信号源302は、交流或はパルス信号等の、一定電圧且つ一定周波数の、周期的な信号を発生する。
この信号源302から発される信号が、送信導体102に与えられる。
一方、第一受信導体103aと第二受信導体103bの二本の受信電極には、夫々抵抗R303及びR304とオペアンプ305及び306が接続される。抵抗R303とオペアンプ305、及び抵抗R304とオペアンプ306は、それぞれ周知の電流電圧変換回路を構成する。
オペアンプ305及び306の出力信号は、それぞれ差動増幅器307に入力される。
以上の、信号源302、静電センサセル101、抵抗R303とオペアンプ305、及び抵抗R304とオペアンプ306、そして差動増幅器307よりなる静電センサ部308が、静電スイッチ301の基本構成である。
オペアンプ305及び306の出力信号は、それぞれ差動増幅器307に入力される。
以上の、信号源302、静電センサセル101、抵抗R303とオペアンプ305、及び抵抗R304とオペアンプ306、そして差動増幅器307よりなる静電センサ部308が、静電スイッチ301の基本構成である。
差動増幅器307の出力信号は非常に微弱な交流信号である。このままではスイッチとしての機能を果たさない。そこで、後続の回路でスイッチとしての機能を実現する。
乗算器309は、差動増幅器307の出力信号と信号源302の出力信号をアナログ乗算処理する回路である。乗算器309によって、信号の負の周期の部分が正の信号に転換され、結果的に全波整流されたものと等しい信号が得られる。なお、この乗算器309は同期検波器であっても良い。
乗算器309の出力信号は、ローパスフィルタ(LPF)310に供給されると、高周波成分が除去され、平滑化される。
LPF310で平滑化された信号は、コンパレータ311で基準電圧と比較される。その比較結果である論理値(出力電圧の高低)が、スイッチ出力として出力される。
乗算器309は、差動増幅器307の出力信号と信号源302の出力信号をアナログ乗算処理する回路である。乗算器309によって、信号の負の周期の部分が正の信号に転換され、結果的に全波整流されたものと等しい信号が得られる。なお、この乗算器309は同期検波器であっても良い。
乗算器309の出力信号は、ローパスフィルタ(LPF)310に供給されると、高周波成分が除去され、平滑化される。
LPF310で平滑化された信号は、コンパレータ311で基準電圧と比較される。その比較結果である論理値(出力電圧の高低)が、スイッチ出力として出力される。
なお、LPF310の代わりに積分器を用いることもできる。積分器を利用する場合は、周期的にリセットを掛ける必要がある。また、積分器を利用する際には、コンパレータ311で電圧比較をする代わりに、A/D変換器でデジタル値に変換して、数値比較をしてもよい。A/D変換器のサンプリングのタイミングは、積分器にリセットを掛ける直前に行うことが望ましい。
以上説明したように、静電センサ部308の後続の回路構成は、様々な変形が可能である。一方、静電センサ部308の回路構成は、前述の、信号源302、静電センサセル101、抵抗R303とオペアンプ305、及び抵抗R304、そして差動増幅器307という構成から大きく逸脱し難い。特に、静電センサセル101の送信導体102が非対称であることが、静電センサセル101の容量変化を検出するために必要であるので、差動増幅器307は必須の構成要素である。
故に、静電センサ部308は、対称形の二本の受信電極と、非対称形の一本の送信導体102よりなる静電センサセル101と、二本の受信電極に接続される差動増幅器307が必須である。
故に、静電センサ部308は、対称形の二本の受信電極と、非対称形の一本の送信導体102よりなる静電センサセル101と、二本の受信電極に接続される差動増幅器307が必須である。
図4及び図5を参照して、静電スイッチ301の原理と等価回路を説明する。図4(a)及び(b)は、静電スイッチ301の原理を説明する図である。図5(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)は、静電スイッチ301の原理を説明する図と等価回路である。図4(a)は、静電センサセル101の上に指が近接している状態を上から見た図である。図4(b)は、静電センサセル101の上に指が近接している状態を横から見た図である。図5(a)は、図4(a)と同じ、静電センサセル101を上から見た図である。但し、指402は省略している。図5(b)は、図4(d)と同じ、静電センサセル101の上に指402が近接していない状態の静電センサセル101を横から見た図である。図5(c)は、図5(b)の等価回路である。但し、電流電圧変換回路は省略している。図5(d)は、図4(c)と同じ、静電センサセル101の上に指402が近接している状態の静電センサセル101を横から見た図である。図5(e)は、図5(d)の等価回路である。但し、電流電圧変換回路は省略している。
図4(a)及び(b)に示すように、指402は静電センサセル101の、送信導体102のランド部102bから第一受信導体103a及び第二受信導体103bの、二本の受信電極に跨るように覆い被さる。
人体は、電気的に見ると導体と等価とみなすことができる。そこで、指402を導体とみなして、図4(b)を電気的に見ると、送信導体102と第一受信導体103aと第二受信導体103bと指402との間に、図5(d)に示すようなコンデンサが形成されるものと考えることができる。
指402がないときは、図5(b)に示すようなコンデンサが形成されるものと考えることができる。
人体は、電気的に見ると導体と等価とみなすことができる。そこで、指402を導体とみなして、図4(b)を電気的に見ると、送信導体102と第一受信導体103aと第二受信導体103bと指402との間に、図5(d)に示すようなコンデンサが形成されるものと考えることができる。
指402がないときは、図5(b)に示すようなコンデンサが形成されるものと考えることができる。
図5(b)及び(c)の状態を考察する。
静電センサセル101の上に指402が近接していない状態では、送信導体102のランド部102bが、第二受信導体103bの長手方向と対向しているので、ランド部102bと第二受信導体103bの長手方向との対向部分に、コンデンサCpaが形成される。
一方、第一受信導体103aと、送信導体102とが対向している箇所の長さはランド部102bと第二受信導体103bの名が手方向との対向部分より短い。送信導体102と第一受信導体103aの長手方向との対向部分には、コンデンサCpaよりも静電容量が小さいコンデンサCmaが形成される。
静電センサセル101の上に指402が近接していない状態では、送信導体102のランド部102bが、第二受信導体103bの長手方向と対向しているので、ランド部102bと第二受信導体103bの長手方向との対向部分に、コンデンサCpaが形成される。
一方、第一受信導体103aと、送信導体102とが対向している箇所の長さはランド部102bと第二受信導体103bの名が手方向との対向部分より短い。送信導体102と第一受信導体103aの長手方向との対向部分には、コンデンサCpaよりも静電容量が小さいコンデンサCmaが形成される。
図3で説明したように、差動増幅器307は、プラス側の受信電極である第二受信導体103bに流れる電流に応じた電圧と、マイナス側の受信電極である第一受信導体103aに流れる電流に応じた電圧との差を出力する。
図5(c)において、第二受信導体103bに流れる電流は、コンデンサCp1とCp2の合成容量に流れる電流である。同様に、第一受信導体103aに流れる電流は、コンデンサCm1とCm2の合成容量に流れる電流である。
周知のように、コンデンサの静電容量は、近接する電極の距離に反比例し、電極の重なる面積に比例する。
図5(c)において、第二受信導体103bに流れる電流は、コンデンサCp1とCp2の合成容量に流れる電流である。同様に、第一受信導体103aに流れる電流は、コンデンサCm1とCm2の合成容量に流れる電流である。
周知のように、コンデンサの静電容量は、近接する電極の距離に反比例し、電極の重なる面積に比例する。
図5(a)を見ると、第二受信導体103bには、送信導体102のランド部102bが近接している。このため、第一受信導体103aと比べると、第二受信導体103bは、その長手方向とランド部102bの辺が近接している箇所で、静電容量が増加している。つまり、指402が近接していない状態では、Cp2>Cm2という関係が成り立っている。
コンデンサに流れる電流はコンデンサの静電容量に反比例するので、図5(c)では差動増幅器307のプラス側端子に偏った検出結果が得られる。
コンデンサに流れる電流はコンデンサの静電容量に反比例するので、図5(c)では差動増幅器307のプラス側端子に偏った検出結果が得られる。
これに対し、図5(d)及び(e)の、指402が近接している状態の等価回路を考察する。なお、図5(e)中、Cfとは、人体自身の静電容量である。
図5(e)において、第二受信導体103bに流れる電流は、コンデンサCp1に流れる電流と、Cpbに流れる電流の和である。Cpbに流れる電流は、CpaとCmaの合成容量(Cpa+Cma)と、CpbとCmbとCfの合成容量(Cpb+Cmb+Cf)との合成容量から、Cpbに流れる電流を計算することとなる。
以上の考察より導かれる、コンデンサCp1と、Cpa、Cma、Cpb、Cmb及びCfの合成容量は、以下の式になる。
図5(e)において、第二受信導体103bに流れる電流は、コンデンサCp1に流れる電流と、Cpbに流れる電流の和である。Cpbに流れる電流は、CpaとCmaの合成容量(Cpa+Cma)と、CpbとCmbとCfの合成容量(Cpb+Cmb+Cf)との合成容量から、Cpbに流れる電流を計算することとなる。
以上の考察より導かれる、コンデンサCp1と、Cpa、Cma、Cpb、Cmb及びCfの合成容量は、以下の式になる。
同様に、第一受信導体103aに流れる電流は、コンデンサCm1と、Cpa、Cma、そしてCmb、Cpb及びCfの合成容量である。
以上の考察より導かれる、コンデンサCm1と、Cma、Cpa、Cmb、Cpb及びCfの合成容量は、以下の式になる。
以上の考察より導かれる、コンデンサCm1と、Cma、Cpa、Cmb、Cpb及びCfの合成容量は、以下の式になる。
次に、上述の二つの式の、合成容量を引き算する。引き算して得られる静電容量の値が、最終的に差動増幅器307で得られる電流値を決定する。
第二受信導体103bと第一受信導体103aの太さ、高さ等のサイズが全く等しいことを考慮すると、
Cp1≒Cm1
Cpb≒Cmb
が導ける。
すると、以下のように、式の結果はほぼゼロとなる。
第二受信導体103bと第一受信導体103aの太さ、高さ等のサイズが全く等しいことを考慮すると、
Cp1≒Cm1
Cpb≒Cmb
が導ける。
すると、以下のように、式の結果はほぼゼロとなる。
以上の考察により言えることは、導体である指402が静電センサセル101を覆うと、プラス側受信電極とマイナス側受信電極の静電容量の差が殆どなくなる、ということである。
図6(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)及び(h)は、静電スイッチ301の動作を説明するための波形図である。図5に基づく各種波形の考察である。なお、図6では、説明を判り易くするため、第一受信導体103aをマイナス側受信電極と、第二受信導体103bをプラス側受信電極と読み替える。図6(a)は、静電センサセル101の上に指402が近接していない状態で、プラス側受信電極に現れる電流の波形である。図6(b)は、静電センサセル101の上に指402が近接していない状態で、マイナス側受信電極に現れる電流の波形である。図6(c)は、静電センサセル101の上に指402が近接していない状態で、差動増幅器307に現れる電圧波形である。図6(d)は、静電センサセル101の上に指402が近接している状態で、プラス側受信電極に現れる電流の波形である。図6(e)は、静電センサセル101の上に指402が近接している状態で、マイナス側受信電極に現れる電流の波形である。図6(f)は、静電センサセル101の上に指402が近接している状態で、差動増幅器307に現れる電圧波形である。図6(g)は、静電センサセル101の上に指402が近接していない状態で、乗算器309に現れる電圧波形である。図6(h)は、静電センサセル101の上に指402が近接している状態で、乗算器309に現れる電圧波形である。
静電センサセル101の上に指402が近接していない状態の、静電センサ部308の動作を説明する。
図6(a)と(b)を比較すると、前述のCp2>Cm2という関係から、プラス側受信電極に現れる電流の波形の振幅の方が、マイナス側受信電極に現れる電流の波形の振幅より大きい。
したがって、図6(a)の波形の信号から(b)の波形の信号を差し引いた結果である、差動増幅器307の出力信号は、図6(c)のようになる。
図6(a)と(b)を比較すると、前述のCp2>Cm2という関係から、プラス側受信電極に現れる電流の波形の振幅の方が、マイナス側受信電極に現れる電流の波形の振幅より大きい。
したがって、図6(a)の波形の信号から(b)の波形の信号を差し引いた結果である、差動増幅器307の出力信号は、図6(c)のようになる。
次に、静電センサセル101の上に指402が近接している状態の、静電センサ部308の動作を説明する。
指402が静電センサセル101の上に近接すると、プラス側受信電極及びマイナス側受信電極から見た静電センサセル101の静電容量が増加する。このため、図6(d)と(e)は、それぞれ図6(a)と(b)と比べて、波形の振幅が大きくなっている。また、前述の式にて説明したように、図6(d)と(e)の波形の振幅は殆ど同じである。
したがって、図6(d)の波形の信号から(e)の波形の信号を差し引いた結果である、差動増幅器307の出力信号は、図6(f)のようになる。図6(c)の波形と比べると、その振幅は非常に小さい。
指402が静電センサセル101の上に近接すると、プラス側受信電極及びマイナス側受信電極から見た静電センサセル101の静電容量が増加する。このため、図6(d)と(e)は、それぞれ図6(a)と(b)と比べて、波形の振幅が大きくなっている。また、前述の式にて説明したように、図6(d)と(e)の波形の振幅は殆ど同じである。
したがって、図6(d)の波形の信号から(e)の波形の信号を差し引いた結果である、差動増幅器307の出力信号は、図6(f)のようになる。図6(c)の波形と比べると、その振幅は非常に小さい。
図6(c)の信号を乗算器309に入力すると、図6(g)のように所定の振幅を持つ脈流が得られる。図6(f)の信号を乗算器309に入力すると、図6(h)のように図6(g)より振幅の小さい脈流が得られる。
つまり、指402が静電センサセル101に近づくと、出力信号の振幅が小さくなる。静電スイッチ301はこの出力信号の振幅の変化を認識する。
つまり、指402が静電センサセル101に近づくと、出力信号の振幅が小さくなる。静電スイッチ301はこの出力信号の振幅の変化を認識する。
[二つの静電センサセル101で構成される静電スイッチ]
次に、先に説明した単一の静電センサセルを二つ互い違いに組み合わせたものを用いて構成される静電スイッチについて説明する。
図7は、静電スイッチのブロック図である。なお、図7に示す構成要素のうち、図3と同じものには同じ符号を付している。
図7の静電スイッチ701は、図3に示した静電スイッチ301と比べると、回路部分の構成は全く同じである。唯一異なるのは、静電センサセル101が二つ組み合わされている点である。これ以降、二つの静電センサセル101が互い違いに組み合わされているものを、静電センサユニット702と呼ぶ。静電センサユニット702は、第一受信導体103a及び第二受信導体103bを共通する、二つの静電センサセル101を互い違いに組み合わせた集合体である。
次に、先に説明した単一の静電センサセルを二つ互い違いに組み合わせたものを用いて構成される静電スイッチについて説明する。
図7は、静電スイッチのブロック図である。なお、図7に示す構成要素のうち、図3と同じものには同じ符号を付している。
図7の静電スイッチ701は、図3に示した静電スイッチ301と比べると、回路部分の構成は全く同じである。唯一異なるのは、静電センサセル101が二つ組み合わされている点である。これ以降、二つの静電センサセル101が互い違いに組み合わされているものを、静電センサユニット702と呼ぶ。静電センサユニット702は、第一受信導体103a及び第二受信導体103bを共通する、二つの静電センサセル101を互い違いに組み合わせた集合体である。
第一受信導体103a及び第二受信導体103bの、二本の受信電極の下側には、第一送信電極703及び第二送信電極704の、二本の送信電極が互い違いに、且つ受信電極と直交する向きに並べられている。
指402の存在を検出する際には、指402は点線で囲まれた領域P705に近づける。領域P705は、静電センサユニット702を構成する二つの静電センサセル101のうちの、片方を覆う領域である。
指402の存在を検出する際には、指402は点線で囲まれた領域P705に近づける。領域P705は、静電センサユニット702を構成する二つの静電センサセル101のうちの、片方を覆う領域である。
図8(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)は、静電スイッチ701の動作を説明するための波形図である。図8(a)は、領域P705の上に指402が近接していない状態で、第一送信電極703にのみ信号源302を接続したと仮定した場合に、差動増幅器307に現れる電圧波形である。図8(b)は、領域P705の上に指402が近接していない状態で、第二送信電極704にのみ信号源302を接続したと仮定した場合に、差動増幅器307に現れる電圧波形である。図8(c)は、領域P705の上に指402が近接していない状態で、第一送信電極703及び第二送信電極704に信号源302を接続している場合に、差動増幅器307に現れる電圧波形である。図8(d)は、領域P705の上に指402が近接している状態で、第一送信電極703にのみ信号源302を接続したと仮定した場合に、差動増幅器307に現れる電圧波形である。図8(e)は、領域P705の上に指402が近接している状態で、第一送信電極703及び第二送信電極704に信号源302を接続している場合に、差動増幅器307に現れる電圧波形である。
図8(a)の波形は、図6(c)の波形と同じである。つまり、指402が領域P705に近づいていない状態で、静電センサセル101が一つだけの状態の、差動増幅器307の出力信号である。
図8(b)の波形は、図6(c)の波形の、位相が180°反転している。第二送信電極704の方向が第一送信電極703とは反対だからである。
図8(c)は、振幅が同じで、位相が180°反転している関係にある、図8(a)と(b)の波形を合成した結果である。つまり、指402が領域P705に近づいていない状態では、互い違いに配された静電センサセル101同士から得られる信号は、それぞれが打ち消し合ってゼロになる。
図8(b)の波形は、図6(c)の波形の、位相が180°反転している。第二送信電極704の方向が第一送信電極703とは反対だからである。
図8(c)は、振幅が同じで、位相が180°反転している関係にある、図8(a)と(b)の波形を合成した結果である。つまり、指402が領域P705に近づいていない状態では、互い違いに配された静電センサセル101同士から得られる信号は、それぞれが打ち消し合ってゼロになる。
これに対し、図8(d)の波形は、図6(f)の波形と同じである。つまり、指402が領域P705に近づいている状態の、差動増幅器307の出力信号である。
図8(e)は、図8(d)と(b)の波形を合成した結果である。つまり、指402が領域P705に近づいている状態では、互い違いに配された静電センサセル101同士から得られる信号は、片方の振幅が小さくなったために完全に打ち消し合わされず、差動増幅器307から信号が現れる。
図8(e)は、図8(d)と(b)の波形を合成した結果である。つまり、指402が領域P705に近づいている状態では、互い違いに配された静電センサセル101同士から得られる信号は、片方の振幅が小さくなったために完全に打ち消し合わされず、差動増幅器307から信号が現れる。
前述の第一の実施形態では、指402が静電センサセル101を覆うことで、プラス側受信電極に現れる静電容量と、マイナス側受信電極に現れる静電容量の差が殆どなくなる現象を利用した、静電スイッチを開示した。
しかしながら、図6(i)で示したように、実際には指402が静電センサセル101にかかっても静電容量の差が完全にゼロになる訳ではない。様々な要因により、ある程度の差が生じる。また、ノイズによって誤差が生じる余地もある。
しかしながら、図6(i)で示したように、実際には指402が静電センサセル101にかかっても静電容量の差が完全にゼロになる訳ではない。様々な要因により、ある程度の差が生じる。また、ノイズによって誤差が生じる余地もある。
スイッチに求められる性能は、オンの状態とオフの状態が明確であることである。つまり、指402が近接している状態、或は近接していない状態のどちらかで、完全にゼロの状態が得られることが望ましい。そこで、非対称に形成されている送信導体102を、もう一つ、反対方向に設ける。つまり、第一の実施形態の静電センサセルの対称形となるもう一つの静電センサセルを、組み合わせる。すると、相互に非対称の信号が打ち消しあって、指402がない状態でゼロの状態を、差動増幅器307から得ることができる。
[静電センサセルを用いた位置検出装置]
非対称形状の静電センサセル101を交互に組み合わせてなる静電センサユニット702を、平面上に多数展開したセンサ基板を構成すると、位置検出装置が実現できる。
前述の第一の実施形態と、第二の実施形態は、この第三の実施形態の位置検出装置の動作原理の説明でもある。
非対称形状の静電センサセル101を交互に組み合わせてなる静電センサユニット702を、平面上に多数展開したセンサ基板を構成すると、位置検出装置が実現できる。
前述の第一の実施形態と、第二の実施形態は、この第三の実施形態の位置検出装置の動作原理の説明でもある。
本発明が適用される位置検出装置の概略構成を図9に従って説明する。図9は、本発明が適用される位置検出装置を示す斜視図である。
本発明の実施の形態例(以下、「本例」という。)である位置検出装置901は、パーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)等の図示しない外部装置に接続して、これら外部装置の入力装置として用いられるものである。なお、特に図示して説明していないが、かかる位置検出装置901をパーソナルコンピュータ等に内蔵しても良い。
本発明の実施の形態例(以下、「本例」という。)である位置検出装置901は、パーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)等の図示しない外部装置に接続して、これら外部装置の入力装置として用いられるものである。なお、特に図示して説明していないが、かかる位置検出装置901をパーソナルコンピュータ等に内蔵しても良い。
本発明の実施の形態例(以下、「本例」という。)である位置検出装置901は、パーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)等の図示しない外部装置に接続することで、これら外部装置の入力装置として用いられるものである。なお、特に図示して説明していないが、かかる位置検出装置901をパーソナルコンピュータ等に内蔵しても良い。
この位置検出装置901は、指示体である人体(手指)や専用のペン(図示せず)を検出する位置検出平面902と、この位置検出平面902を有する中空の薄い略直方体をなす筐体等から構成されている。
そして、使用者がこの位置検出平面902上を指示体である人体(手指)や専用のペン(図示せず)を介してポインティング操作による文字や図等の入力や、各種操作が行われる。
この位置検出装置901は、指示体である人体(手指)や専用のペン(図示せず)を検出する位置検出平面902と、この位置検出平面902を有する中空の薄い略直方体をなす筐体等から構成されている。
そして、使用者がこの位置検出平面902上を指示体である人体(手指)や専用のペン(図示せず)を介してポインティング操作による文字や図等の入力や、各種操作が行われる。
この位置検出装置901の位置検出平面902の直下には、図10で後述する静電センサが埋め込まれている。
次に、本発明の位置検出装置の回路構成を図10に従って説明する。
位置検出装置901は、静電センサ1002と、送信スイッチ部1003と、受信スイッチ部1004と、アナログ信号処理部1005と、A/D変換器1006と、制御部1007とから構成されている。
静電センサ1002は、略平板状の絶縁体の両面に導体からなる送信導体102と受信電極103とを複数設けて構成したセンサである。この複数の送信導体102は送信スイッチ部1003に接続され、複数の受信電極103は受信スイッチ部1004に接続されている。
位置検出装置901は、静電センサ1002と、送信スイッチ部1003と、受信スイッチ部1004と、アナログ信号処理部1005と、A/D変換器1006と、制御部1007とから構成されている。
静電センサ1002は、略平板状の絶縁体の両面に導体からなる送信導体102と受信電極103とを複数設けて構成したセンサである。この複数の送信導体102は送信スイッチ部1003に接続され、複数の受信電極103は受信スイッチ部1004に接続されている。
受信スイッチ部1004は、検出しようとする受信電極103を選択するためのスイッチである。この受信スイッチ部1004は、後述する制御部1007からの制御信号が入力されるようになっており、この制御信号に基づいて任意の受信電極103を選択する。この受信スイッチ部1004の出力端子にはアナログ信号処理部1005が接続されている。受信スイッチ部1004の出力信号はアナログ信号処理部1005に供給される。
アナログ信号処理部1005は、受信スイッチ部1004からの出力信号に所定の処理を施すためのものである。このアナログ信号処理部1005に入力された信号は、所定の処理が施されて出力される。なお、この信号処理については後述する。
アナログ信号処理部1005は、受信スイッチ部1004からの出力信号に所定の処理を施すためのものである。このアナログ信号処理部1005に入力された信号は、所定の処理が施されて出力される。なお、この信号処理については後述する。
アナログ信号処理部1005から出力された出力信号は、A/D変換器1006に供給され、入力信号の電圧がデジタルデータに変換される。
A/D変換器1006の出力データは、例えばマイコンよりなる制御部1007に供給される。
制御部1007は送信スイッチ部1003、受信スイッチ部1004及びA/D変換器1006を制御すると共に、A/D変換器1006の出力データを基に、静電センサ1002上の指402の存在の有無とその位置を示す情報を出力する。
A/D変換器1006の出力データは、例えばマイコンよりなる制御部1007に供給される。
制御部1007は送信スイッチ部1003、受信スイッチ部1004及びA/D変換器1006を制御すると共に、A/D変換器1006の出力データを基に、静電センサ1002上の指402の存在の有無とその位置を示す情報を出力する。
次に、静電センサ1002の詳細について、図10と、図1及び図2を参照して説明する。
まず、静電センサ1002の概略構成について説明する。図1及び図2(a)に示すように、静電センサ1002は、略平板状の絶縁シート202と、互いに略平行に設けられた複数の送信導体102と、複数の受信電極103と、保護シート203とから構成される。図10と、図1及び図2を参照してわかるように、静電センサ1002は、静電センサセルの集合体である。静電センサ1002は、周知のガラスエポキシ基板或はフレキシブルプリント基板等で形成される。
まず、静電センサ1002の概略構成について説明する。図1及び図2(a)に示すように、静電センサ1002は、略平板状の絶縁シート202と、互いに略平行に設けられた複数の送信導体102と、複数の受信電極103と、保護シート203とから構成される。図10と、図1及び図2を参照してわかるように、静電センサ1002は、静電センサセルの集合体である。静電センサ1002は、周知のガラスエポキシ基板或はフレキシブルプリント基板等で形成される。
図2(a)に示すように、送信導体102は、絶縁シート202の一方の面に設けられる。この送信導体102は、図1と図10を参照してわかるように、導体からなる本体部102aと、複数のランド部102bとから構成される。本体部102aは、所定の幅を有し、静電センサ1002のX軸方向(第一の方向)に延伸して形成される。ランド部102bは、本体部102aに設けられ、例えば、静電センサ1002のX軸方向(第一の方向に対し直交する方向である第二の方向)に延伸して形成される。そして、このランド部102bは、図10に示すように、本体部102aの延伸方向(Y軸方向)に、等間隔に設けられる。
受信電極103は、絶縁シート102の他方の面に設けられた導体からなる一対の第一及び第二受信導体103a、103bからなる。この第一及び第二受信導体103a、103bは、互いに略平行に設けられ、それぞれがY軸方向に延伸して形成される。
保護シート203は、人体の指と受信電極103とが直接接触することを防止するための略平板状に形成された絶縁体である。この保護シート203は、静電センサ1002の他方の面全体をを覆うように設けられる。
保護シート203は、人体の指と受信電極103とが直接接触することを防止するための略平板状に形成された絶縁体である。この保護シート203は、静電センサ1002の他方の面全体をを覆うように設けられる。
次に、静電センサ1002を構成する送信導体102と受信電極103との配置関係について、図1及び図10を参照して詳述する。絶縁シート202の一方の面に設けられた複数の送信導体102は、Y軸方向へ互いに略平行に配置される。図1と図10を参照してわかるように、送信導体102は、一の送信導体102のランド部102bと、この送信導体102に対しY軸方向に隣接する二本の送信導体102とが、この隣接する二本の送信導体102のそれぞれの本体部102aとが互いに隣接して設けられる。すなわち、この送信導体102の任意の一のランド部102bに着目すると、Y軸方向に向かって本体部102aとランド部102bとが交互に並ぶように配置される。
絶縁シート102の他方の面に設けられた一対の受信導体103a、103bからなる一の受信電極は、隣接する二本の送信導体102のランド部102bの間に位置するように設けられる。すなわち、二本の受信導体103a、103bは、送信導体102の本体部102aと直交して配置される。ここで、任意の一の受信電極103を構成する一対の受信導体103a、103bと任意の一の送信導体102とに着目すると、一対の受信導体103a、103bと送信導体102とは、この送信導体102の本体部102aにおいて直交すると共に、一方の第一受信導体103aと送信導体102の一のランド部102bとが近接し、他方の第二受信導体103bと他の一のランド部102bとが近接することになる。
次に、送信スイッチ部1003について図11を参照して説明する。この送信スイッチ部1003は、シフトレジスタ1102と、複数のNOTゲート1103とから構成される。
シフトレジスタ1102は、送信導体102と同数の複数のビットセル1102aから構成される。このビットセル1102aは、それぞれNOTゲート1103を介して各送信導体102に接続されている。そして、このシフトレジスタ1102には、制御部1007から、クロックパルス、リセットパルス、送信側スイッチデータが入力される。
シフトレジスタ1102は、送信導体102と同数の複数のビットセル1102aから構成される。このビットセル1102aは、それぞれNOTゲート1103を介して各送信導体102に接続されている。そして、このシフトレジスタ1102には、制御部1007から、クロックパルス、リセットパルス、送信側スイッチデータが入力される。
次に、受信スイッチ部1004の構成を図12を参照して説明する。この受信スイッチ部1004は、複数のアナログスイッチ1203と、シフトレジスタ1202とから構成される。
アナログスイッチ1203は、一対のアナログマルチプレクサよりなるスイッチ1203a、1203bからなる。受信スイッチ部1004にはこのアナログスイッチ1203が受信電極103と同数設けられている。また、このアナログスイッチ1203は、後述するシフトレジスタ1202からの制御信号が入力されるようになっており、この制御信号に基づいてオンオフ動作するようになっている。
そして、このアナログスイッチ1203を構成する一対のスイッチ1203a、1203bの入力端子は、それぞれ受信導体103a及び103bに接続され、出力端子はプラス側出力ライン1204又はマイナス側出力ライン1205に接続される。
そして、このアナログスイッチ1203を構成する一対のスイッチ1203a、1203bの入力端子は、それぞれ受信導体103a及び103bに接続され、出力端子はプラス側出力ライン1204又はマイナス側出力ライン1205に接続される。
シフトレジスタ1202は、受信電極103と同数の複数のビットセル1202aから構成される。このビットセル1202aは、それぞれアナログスイッチ1203と接続されている。このシフトレジスタ1202には、制御部1007から出力されたクロックパルス、リセットパルス及びデータ信号が入力される。
次に、アナログ信号処理部1105について図13を参照して説明する。
アナログ信号処理部1105は、2つの電流電圧変換部1105a、1105bと、差動増幅器307と、ローパスフィルタ1302(以下、LPFと略す)とから構成される。
電流電圧変換部1105aは、抵抗R303とオペアンプ305とから構成され、同様に、電流電圧変換部1105bは、抵抗R304とオペアンプ306とから構成される。これら電流電圧変換部1105a及び1105bは、それぞれマイナス側出力ライン1205及びプラス側出力ライン1206に接続され、これらの出力ラインから出力される電流を電圧に変換すると共に増幅して、後段の差動増幅器307に出力する。
アナログ信号処理部1105は、2つの電流電圧変換部1105a、1105bと、差動増幅器307と、ローパスフィルタ1302(以下、LPFと略す)とから構成される。
電流電圧変換部1105aは、抵抗R303とオペアンプ305とから構成され、同様に、電流電圧変換部1105bは、抵抗R304とオペアンプ306とから構成される。これら電流電圧変換部1105a及び1105bは、それぞれマイナス側出力ライン1205及びプラス側出力ライン1206に接続され、これらの出力ラインから出力される電流を電圧に変換すると共に増幅して、後段の差動増幅器307に出力する。
差動増幅器307は、電流電圧変換部1105a及び1106bの出力端子に接続されており、これらの電流電圧変換部1105a及び1106bから出力された電圧信号を差動増幅して出力する。
差動増幅器307から出力された信号は、LPF1302を介してA/D変換器1006に出力される。
差動増幅器307から出力された信号は、LPF1302を介してA/D変換器1006に出力される。
次に、制御部1007の構成及び動作を図14に従って説明する。
この制御部1007は、クロック生成部1402と、送信側アドレスカウンタ1403と、送信側スイッチデータ生成部1404と、受信側アドレスカウンタ1405と、受信側スイッチデータ生成部1406と、バッファメモリ1407と、重心演算部1408とから構成される。
この制御部1007は、クロック生成部1402と、送信側アドレスカウンタ1403と、送信側スイッチデータ生成部1404と、受信側アドレスカウンタ1405と、受信側スイッチデータ生成部1406と、バッファメモリ1407と、重心演算部1408とから構成される。
クロック生成部1402は、送信導体102に供給する所定周波数のクロックパルスを発生する。このクロックパルスは、後段の送信側アドレスカウンタ1403と、送信側スイッチデータ生成部1404とに供給される。このクロックパルスは、A/D変換器1006に供給されてこのA/D変換回路のタイミングパルスとして用いられると共に、送信スイッチ部1003を介して送信導体102に供給されて、送信信号として用いられる。
送信クロックパルスは送信側アドレスカウンタ1403と送信側スイッチデータ生成部1404に供給される。
送信クロックパルスは送信側アドレスカウンタ1403と送信側スイッチデータ生成部1404に供給される。
送信側アドレスカウンタ1403は、送信電極1008の数を最大数として数えるループカウンタである。この送信側アドレスカウンタ1403の桁溢れ(オーバフロー)端子の出力パルス信号は、送信側スイッチデータ生成部1404及び送信スイッチ部1003のリセットパルスとして出力される。また、このリセットパルスは、受信側アドレスカウンタ1405、受信側スイッチデータ生成部1406及び受信スイッチ部1004のクロックパルスとして、供給される。これ以降、このクロックパルスを受信クロックパルスと称す。
受信側アドレスカウンタ1405は、受信電極の組の数を最大数として数えるループカウンタである。受信側アドレスカウンタ1405の桁溢れ(オーバフロー)端子の出力信号が、受信側スイッチデータ生成部1406及び受信スイッチ部1004のリセットパルスとして出力される。
送信側スイッチデータ生成部1404は、送信側アドレスカウンタ1403が生成するリセットパルス(受信クロックパルス)と送信クロックパルスで起動し、送信側スイッチデータを生成して、送信スイッチ部1003に送出する。
この送信側スイッチデータは、送信クロックパルスの半周期の整数倍の矩形波信号である。送信側スイッチデータ生成部1404は、リセットパルスが入ったタイミングから送信クロックパルスのアップエッジ及びダウンエッジを所定の数だけ計数し、その間、論理の真(高電位)の状態を維持する。そして、計数値がその所定の数に達したら論理の偽(低電位)の状態に戻り、以後再びリセットパルスが入るまで論理の偽の状態を維持する。
なお、このアップエッジ及びダウンエッジの「所定の数」を「4」とする。
この送信側スイッチデータは、送信クロックパルスの半周期の整数倍の矩形波信号である。送信側スイッチデータ生成部1404は、リセットパルスが入ったタイミングから送信クロックパルスのアップエッジ及びダウンエッジを所定の数だけ計数し、その間、論理の真(高電位)の状態を維持する。そして、計数値がその所定の数に達したら論理の偽(低電位)の状態に戻り、以後再びリセットパルスが入るまで論理の偽の状態を維持する。
なお、このアップエッジ及びダウンエッジの「所定の数」を「4」とする。
受信側スイッチデータ生成部1406は、受信側アドレスカウンタ1405が生成するリセットパルスと受信クロックパルスで起動し、受信側スイッチデータを生成して、受信スイッチ部1004に送出する。
この受信側スイッチデータは、受信クロックパルスの半周期の整数倍の矩形波信号である。受信側スイッチデータ生成部1406は、リセットパルスが入ったタイミングから受信クロックパルスのアップエッジ及びダウンエッジを所定の数だけ計数し、その間、論理の真(高電位)の状態を維持する。そして、計数値がその所定の数に達したら論理の偽(低電位)の状態に戻り、以後再びリセットパルスが入るまで論理の偽の状態を維持する。
なお、このアップエッジ及びダウンエッジの「所定の数」を「2」とする。
この受信側スイッチデータは、受信クロックパルスの半周期の整数倍の矩形波信号である。受信側スイッチデータ生成部1406は、リセットパルスが入ったタイミングから受信クロックパルスのアップエッジ及びダウンエッジを所定の数だけ計数し、その間、論理の真(高電位)の状態を維持する。そして、計数値がその所定の数に達したら論理の偽(低電位)の状態に戻り、以後再びリセットパルスが入るまで論理の偽の状態を維持する。
なお、このアップエッジ及びダウンエッジの「所定の数」を「2」とする。
送信側アドレスカウンタ1403が出力する送信アドレスデータと、受信側アドレスカウンタ1405が出力する受信アドレスデータは、バッファメモリ1407に供給される。バッファメモリ1407は、A/D変換器1006の出力データを一時的に記憶するためのメモリである。このバッファメモリ1407は、A/D変換器1006の出力データが供給され、送信アドレスデータと受信アドレスデータで定められたアドレスにA/D変換器1006の出力データを記憶する。
重心演算部1408はバッファメモリ1407に記憶されたデータを読み込んで重心演算を行い、指の存在の有無と位置情報を出力する。
重心演算部1408はバッファメモリ1407に記憶されたデータを読み込んで重心演算を行い、指の存在の有無と位置情報を出力する。
次に、位置検出装置901の動作原理を図15に従って説明する。図15は、位置検出装置901の原理を説明するための等価回路である。この図15に示すように、位置検出装置901の送信スイッチ部1003は、矩形波信号源1502と等価となる。以下、任意の第一送信電極703及びこの第一送信電極703に隣接する第二送信電極704と、任意の第一及び第二受信導体103a、103bからなる受信電極103に指402が領域P1503が近接した場合を例示して説明する。
矩形波信号源1502は、送信スイッチ部1003を等価的に表す仮想的な回路である。矩形波信号源1502はその名の通り、矩形波信号を生成する。
矩形波信号源1502は、送信スイッチ部1003を等価的に表す仮想的な回路である。矩形波信号源1502はその名の通り、矩形波信号を生成する。
図16(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)、(j)、(k)及び(l)は、位置検出装置901の動作を説明するための、図15の等価回路図に基づく波形図である。指402が図15の領域P1503に近づいている状態と、近づいていない状態を想定する。図16(a)は、矩形波信号源1502から出力される電圧波形である。図16(b)は、領域P1503の上に指402が近接していない状態で、第一送信電極703にのみ信号源を接続したと仮定した場合に、プラス側受信電極に現れる電流の波形である。図16(c)は、領域P1503の上に指402が近接していない状態で、第一送信電極703にのみ信号源を接続したと仮定した場合に、マイナス側受信電極に現れる電流の波形である。図16(d)は、領域P1503の上に指402が近接していない状態で、第一送信電極703にのみ信号源を接続したと仮定した場合に、差動増幅器307に現れる電圧波形である。図16(e)は、領域P1503の上に指402が近接していない状態で、第二送信電極704にのみ信号源を接続したと仮定した場合に、プラス側受信電極に現れる電流の波形である。図16(f)は、領域P1503の上に指402が近接していない状態で、第二送信電極704にのみ信号源を接続したと仮定した場合に、マイナス側受信電極に現れる電流の波形である。図16(g)は、領域P1503の上に指402が近接していない状態で、第二送信電極704にのみ信号源を接続したと仮定した場合に、差動増幅器307に現れる電圧波形である。図16(h)は、領域P1503の上に指402が近接していない状態で、且つ、第一送信電極703及び第二送信電極704に信号源を接続した状態で、差動増幅器307に現れる電圧波形である。図16(i)は、領域P1503の上に指402が近接している状態で、第一送信電極703にのみ信号源を接続したと仮定した場合に、プラス側受信電極に現れる電流の波形である。図16(j)は、領域P1503の上に指402が近接している状態で、第一送信電極703にのみ信号源を接続したと仮定した場合に、マイナス側受信電極に現れる電流の波形である。図16(k)は、領域P1503の上に指402が近接している状態で、第一送信電極703にのみ信号源を接続したと仮定した場合に、差動増幅器307に現れる電圧波形である。図16(l)は、領域P1503の上に指402が近接している状態で、且つ、第一送信電極703及び第二送信電極704に信号源を接続した状態で、差動増幅器307に現れる電圧波形である。
図16(a)に示すように、矩形波電圧源は、低電位から高電位に転換する、ステップ関数に類似する波形の信号を生成する。
先ず、指402が領域P1503に近づいていない状態で、静電センサセル101及び差動増幅器307に現れる波形を考察する。
第一送信電極703とプラス側受信電極を注目する。この二つの電極が形成するコンデンサには、図16(b)に示すように、矩形波電圧源の低電位から高電位に転換する瞬間に電流が流れ、その後は時間と共に減衰する。
先ず、指402が領域P1503に近づいていない状態で、静電センサセル101及び差動増幅器307に現れる波形を考察する。
第一送信電極703とプラス側受信電極を注目する。この二つの電極が形成するコンデンサには、図16(b)に示すように、矩形波電圧源の低電位から高電位に転換する瞬間に電流が流れ、その後は時間と共に減衰する。
次に、第一送信電極703とマイナス側受信電極を注目する。この二つの電極が形成するコンデンサには、図16(c)に示すように、矩形波電圧源の低電位から高電位に転換する瞬間に電流が流れ、その後は時間と共に減衰する。
周知のように、コンデンサに流れる電流は、コンデンサの容量に比例する。したがって、図6(a)と(b)の関係と同様に、プラス側受信電極に現れる電流の波形の振幅の方が、マイナス側受信電極に現れる電流の波形の振幅より大きい。
図16(b)の電流と、(c)の電流波形がそれぞれ電流電圧変換されて、差動増幅器307で差を取ると、図16(d)のような電圧波形が得られる。
周知のように、コンデンサに流れる電流は、コンデンサの容量に比例する。したがって、図6(a)と(b)の関係と同様に、プラス側受信電極に現れる電流の波形の振幅の方が、マイナス側受信電極に現れる電流の波形の振幅より大きい。
図16(b)の電流と、(c)の電流波形がそれぞれ電流電圧変換されて、差動増幅器307で差を取ると、図16(d)のような電圧波形が得られる。
更に、第二送信電極704とプラス側受信電極、及びマイナス側受信電極を注目する。
図16(e)は、第二送信電極704とプラス側受信電極が形成するコンデンサに流れる電流の波形である。図16(c)と同じである。
図16(f)は、第二送信電極704とマイナス側受信電極が形成するコンデンサに流れる電流の波形である。図16(b)と同じである。
つまり、第二送信電極704は、プラス側受信電極及びマイナス側受信電極に対し、第一送信電極703と対称に配置されているので、波形の振幅も逆の関係となる。
図16(e)の電流と、(f)の電流波形がそれぞれ電流電圧変換されて、差動増幅器307で差を取ると、図16(g)のような電圧波形が得られる。この波形は、図16(d)の、電圧極性が逆になった電圧波形である。
図16(e)は、第二送信電極704とプラス側受信電極が形成するコンデンサに流れる電流の波形である。図16(c)と同じである。
図16(f)は、第二送信電極704とマイナス側受信電極が形成するコンデンサに流れる電流の波形である。図16(b)と同じである。
つまり、第二送信電極704は、プラス側受信電極及びマイナス側受信電極に対し、第一送信電極703と対称に配置されているので、波形の振幅も逆の関係となる。
図16(e)の電流と、(f)の電流波形がそれぞれ電流電圧変換されて、差動増幅器307で差を取ると、図16(g)のような電圧波形が得られる。この波形は、図16(d)の、電圧極性が逆になった電圧波形である。
以上を踏まえて、指402が領域P1503に近づいていない状態で、矩形波電圧源から第一送信電極703及び第二送信電極704に同じ波形の信号が与えられた場合の、差動増幅器307から出力される電圧波形は、図16(d)と図16(g)の合成波形となる。これが、図16(h)である。図8(c)の電圧波形と同様に、指402が領域P1503に近づいていない状態では、互い違いに配された静電センサセル101同士から得られる信号は、それぞれが打ち消し合ってゼロになる。
次に、指402が領域P1503に近づいている状態の、静電センサセル101及び差動増幅器307に現れる波形を考察する。
第一送信電極703とプラス側受信電極を注目する。この二つの電極が形成するコンデンサには、図16(i)に示すように、矩形波電圧源の低電位から高電位に転換する瞬間に電流が流れ、その後は時間と共に減衰する。
第一送信電極703とプラス側受信電極を注目する。この二つの電極が形成するコンデンサには、図16(i)に示すように、矩形波電圧源の低電位から高電位に転換する瞬間に電流が流れ、その後は時間と共に減衰する。
次に、第一送信電極703とマイナス側受信電極を注目する。この二つの電極が形成するコンデンサには、図16(j)に示すように、矩形波電圧源の低電位から高電位に転換する瞬間に電流が流れ、その後は時間と共に減衰する。
図6(d)及び(e)で説明したように、指402が領域P1503の上に近接すると、プラス側受信電極及びマイナス側受信電極から見た静電センサセル101の静電容量が増加する。このため、図16(i)と(j)は、それぞれ図16(b)と(c)と比べて、波形の振幅が大きくなっている。また、前述の式にて説明したように、図16(i)と(j)の波形の振幅は殆ど同じである。
図6(d)及び(e)で説明したように、指402が領域P1503の上に近接すると、プラス側受信電極及びマイナス側受信電極から見た静電センサセル101の静電容量が増加する。このため、図16(i)と(j)は、それぞれ図16(b)と(c)と比べて、波形の振幅が大きくなっている。また、前述の式にて説明したように、図16(i)と(j)の波形の振幅は殆ど同じである。
以上を踏まえて、指402が領域P1503に近づいている状態で、矩形波電圧源から第一送信電極703及び第二送信電極704に同じ波形の信号が与えられた場合の、差動増幅器307から出力される電圧波形は、図16(k)と図16(g)の合成波形となる。これが、図16(l)である。図8(e)の電圧波形と同様に、指402が領域P1503に近づいている状態では、互い違いに配された静電センサセル101同士から得られる信号は、片方の振幅が小さくなったために打ち消し合わされず、差動増幅器307から信号が現れる。
図17は、指402を検出する動作原理を説明する説明図である。
図17の右側には、左側に示される複数の送信電極に入力される、シフトレジスタ1102によって出力タイミングがずらされた電圧波形が表示されている。なお、偶数番目の電圧波形は、NOTゲート1103で反転された波形である。
図17の右側には、左側に示される複数の送信電極に入力される、シフトレジスタ1102によって出力タイミングがずらされた電圧波形が表示されている。なお、偶数番目の電圧波形は、NOTゲート1103で反転された波形である。
時刻t1701では、第一送信電極1711及び第四送信電極1714に、矩形波のダウンエッジが印加される。第一送信電極1711及び第四送信電極1714には指402に覆われていないので、静電容量の変化は起きていない。したがって、差動増幅器307から出力される電圧はゼロのままである。
時刻t1702では、第二送信電極1712及び第五送信電極1715に、矩形波のアップエッジが印加される。第二送信電極1712は指402に覆われていないが、第五送信電極1715には指402に覆われているので、第五送信電極1715と二つの受信電極同士で形成されるコンデンサの静電容量の変化が起きている。したがって、差動増幅器307から出力される電圧がプラスに転化する。
時刻t1703では、第三送信電極1713及び第六送信電極1716に、矩形波のダウンエッジが印加される。第三送信電極1713は指402に覆われていないが、第六送信電極1716には指402に覆われているので、第六送信電極1716と二つの受信電極同士で形成されるコンデンサの静電容量の変化が起きている。したがって、差動増幅器307から出力される電圧がプラスに転化する。
以下、同様の効果が重複していく。
各時点で発生する電流の波形が点線で示される。この電流の波形の合成波形が、実線で示される。
以下、同様の効果が重複していく。
各時点で発生する電流の波形が点線で示される。この電流の波形の合成波形が、実線で示される。
図16で説明したように、二本の受信電極を共通にして、送信導体102が互い違いに配されている二つの静電センサセル101で、指402の存在を検出するには、二本の送信導体102に同じ位相の信号を与える必要がある。
図11に示されるように、各送信導体102にはシフトレジスタ1102でクロックのタイミングでずらされた矩形波信号が与えられる。矩形波信号の立ち上がりと立ち下りを二本の送信導体102に与える際、片方をNOTゲート1103で反転させないと、二本の送信導体102に同じ位相の信号を与えることができない。
図11に示されるように、各送信導体102にはシフトレジスタ1102でクロックのタイミングでずらされた矩形波信号が与えられる。矩形波信号の立ち上がりと立ち下りを二本の送信導体102に与える際、片方をNOTゲート1103で反転させないと、二本の送信導体102に同じ位相の信号を与えることができない。
図17で判るように、第三の実施形態の位置検出装置901では、位相をずらした矩形波を複数の送信導体102に順番に与える。矩形波の半波長を印加するだけであり、また位相をずらしつつ複数の送信導体102に同時に矩形波を印加するので、極めて高速な位置検出を実現できる。
[静電センサセル101を用いた位置検出装置]
図18は、位置検出装置の、指402を検出する動作原理を説明する説明図である。
本実施形態の位置検出装置は、ハードウェアの構成は図9に示した実施形態と全く変わらない。違う点は、制御部1007から出力される信号、それも受信側スイッチデータ生成部1406が出力する受信側スイッチデータである。
受信側スイッチデータ生成部1406は、受信側アドレスカウンタ1405が生成するリセットパルスと受信クロックパルスで起動し、受信側スイッチデータを生成して、受信スイッチ部1004に送出する。
受信側スイッチデータは、受信クロックパルスの半周期の整数倍の矩形波信号である。受信側スイッチデータ生成部1406は、リセットパルスが入ったタイミングから受信クロックパルスのアップエッジ及びダウンエッジを所定の数だけ計数し、その間、論理の真(高電位)の状態を維持する。そして、その所定の数に達したら論理の偽(低電位)の状態に戻り、以後再びリセットパルスが入るまで論理の偽の状態を維持する。
第四の実施形態では、このアップエッジ及びダウンエッジの「所定の数」を「3」とする。
つまり、図9の位置検出装置901では、受信スイッチ部1004でオン制御信号を出力するシフトレジスタ1202のセルは一つだけであったが、図18の位置検出装置では、受信スイッチ部1004でオン制御信号を出力するシフトレジスタ1202のセルが二つになる。
図18は、位置検出装置の、指402を検出する動作原理を説明する説明図である。
本実施形態の位置検出装置は、ハードウェアの構成は図9に示した実施形態と全く変わらない。違う点は、制御部1007から出力される信号、それも受信側スイッチデータ生成部1406が出力する受信側スイッチデータである。
受信側スイッチデータ生成部1406は、受信側アドレスカウンタ1405が生成するリセットパルスと受信クロックパルスで起動し、受信側スイッチデータを生成して、受信スイッチ部1004に送出する。
受信側スイッチデータは、受信クロックパルスの半周期の整数倍の矩形波信号である。受信側スイッチデータ生成部1406は、リセットパルスが入ったタイミングから受信クロックパルスのアップエッジ及びダウンエッジを所定の数だけ計数し、その間、論理の真(高電位)の状態を維持する。そして、その所定の数に達したら論理の偽(低電位)の状態に戻り、以後再びリセットパルスが入るまで論理の偽の状態を維持する。
第四の実施形態では、このアップエッジ及びダウンエッジの「所定の数」を「3」とする。
つまり、図9の位置検出装置901では、受信スイッチ部1004でオン制御信号を出力するシフトレジスタ1202のセルは一つだけであったが、図18の位置検出装置では、受信スイッチ部1004でオン制御信号を出力するシフトレジスタ1202のセルが二つになる。
第一受信電極1811と第二受信電極1812は、図示しない第一シフトレジスタセルによって同時にオン/オフ制御される。
第三受信電極1813と第四受信電極1814は、図示しない第二シフトレジスタセルによって同時にオン/オフ制御される。
第五受信電極1815と第六受信電極1816は、図示しない第三シフトレジスタセルによって同時にオン/オフ制御される。
第七受信電極1817と第八受信電極1818は、図示しない第四シフトレジスタセルによって同時にオン/オフ制御される。
第九受信電極1819と第十受信電極1820は、図示しない第五シフトレジスタセルによって同時にオン/オフ制御される。
第一受信電極1811、第四受信電極1814、第五受信電極1815、第八受信電極1818及び第九受信電極1819は、プラス側受信電極として後続のアナログ信号処理部1005に接続される。
第二受信電極1812、第三受信電極1813、第六受信電極1816、第七受信電極1817及び第十受信電極1820は、マイナス側受信電極として後続のアナログ信号処理部1005に接続される。
第三受信電極1813と第四受信電極1814は、図示しない第二シフトレジスタセルによって同時にオン/オフ制御される。
第五受信電極1815と第六受信電極1816は、図示しない第三シフトレジスタセルによって同時にオン/オフ制御される。
第七受信電極1817と第八受信電極1818は、図示しない第四シフトレジスタセルによって同時にオン/オフ制御される。
第九受信電極1819と第十受信電極1820は、図示しない第五シフトレジスタセルによって同時にオン/オフ制御される。
第一受信電極1811、第四受信電極1814、第五受信電極1815、第八受信電極1818及び第九受信電極1819は、プラス側受信電極として後続のアナログ信号処理部1005に接続される。
第二受信電極1812、第三受信電極1813、第六受信電極1816、第七受信電極1817及び第十受信電極1820は、マイナス側受信電極として後続のアナログ信号処理部1005に接続される。
以下、図18を参照して、第四の実施形態に係る位置検出装置901の動作を説明する。
受信側スイッチデータ生成部1406から生成される受信側スイッチデータは、隣接する二つのシフトレジスタセルをオン制御する。このため、時刻t1801では、第一シフトレジスタセルと第二シフトレジスタセルが論理の真の信号を出力し、第一受信電極1811と第二受信電極1812、そして第三受信電極1813と第四受信電極1814が同時にオン制御される。
受信側スイッチデータ生成部1406から生成される受信側スイッチデータは、隣接する二つのシフトレジスタセルをオン制御する。このため、時刻t1801では、第一シフトレジスタセルと第二シフトレジスタセルが論理の真の信号を出力し、第一受信電極1811と第二受信電極1812、そして第三受信電極1813と第四受信電極1814が同時にオン制御される。
第一受信電極1811と第四受信電極1814の合成信号が、プラス側出力ライン1204を通じて(プラス側受信電極の信号として)、アナログ信号処理部1005へ出力される。
第二受信電極1812と第三受信電極1813の合成信号が、マイナス側出力ライン1205を通じて(マイナス側受信電極の信号として)、アナログ信号処理部1005へ出力される。
この、時刻t1801の時点では、第一受信電極1811乃至第四受信電極1814が指402によって覆われていないので、コンデンサの容量変化は生じておらず、出力波形は現れない。
第二受信電極1812と第三受信電極1813の合成信号が、マイナス側出力ライン1205を通じて(マイナス側受信電極の信号として)、アナログ信号処理部1005へ出力される。
この、時刻t1801の時点では、第一受信電極1811乃至第四受信電極1814が指402によって覆われていないので、コンデンサの容量変化は生じておらず、出力波形は現れない。
時刻t1802では、第二シフトレジスタセルと第三シフトレジスタセルが論理の真の信号を出力し、第三受信電極1813と第四受信電極1814、そして第五受信電極1815と第六受信電極1816が同時にオン制御される。
第四受信電極1814と第五受信電極1815の合成信号が、プラス側出力ライン1204を通じて(プラス側受信電極の信号として)、アナログ信号処理部1005へ出力される。
第三受信電極1813と第六受信電極1816の合成信号が、マイナス側出力ライン1205を通じて(マイナス側受信電極の信号として)、アナログ信号処理部1005へ出力される。
この、時刻t1802の時点では、第五受信電極1815及び第六受信電極1816が指402によって覆われているので、コンデンサの容量変化が生じ、出力波形が現れる。
第四受信電極1814と第五受信電極1815の合成信号が、プラス側出力ライン1204を通じて(プラス側受信電極の信号として)、アナログ信号処理部1005へ出力される。
第三受信電極1813と第六受信電極1816の合成信号が、マイナス側出力ライン1205を通じて(マイナス側受信電極の信号として)、アナログ信号処理部1005へ出力される。
この、時刻t1802の時点では、第五受信電極1815及び第六受信電極1816が指402によって覆われているので、コンデンサの容量変化が生じ、出力波形が現れる。
時刻t1803では、第三シフトレジスタセルと第四シフトレジスタセルが論理の真の信号を出力し、第五受信電極1815と第六受信電極1816、そして第七受信電極1817と第八受信電極1818が同時にオン制御される。
第五受信電極1815と第八受信電極1818の合成信号が、プラス側出力ライン1204を通じて(プラス側受信電極の信号として)、アナログ信号処理部1005へ出力される。
第六受信電極1816と第七受信電極1817の合成信号が、マイナス側出力ライン1205を通じて(マイナス側受信電極の信号として)、アナログ信号処理部1005へ出力される。
この、時刻t1803の時点では、第五受信電極1815及び第六受信電極1816のみならず、第七受信電極1817及び第八受信電極1818も指402によって覆われているので、コンデンサの容量変化が生じ、時刻t1802よりも大きな振幅の出力波形が現れる。
第五受信電極1815と第八受信電極1818の合成信号が、プラス側出力ライン1204を通じて(プラス側受信電極の信号として)、アナログ信号処理部1005へ出力される。
第六受信電極1816と第七受信電極1817の合成信号が、マイナス側出力ライン1205を通じて(マイナス側受信電極の信号として)、アナログ信号処理部1005へ出力される。
この、時刻t1803の時点では、第五受信電極1815及び第六受信電極1816のみならず、第七受信電極1817及び第八受信電極1818も指402によって覆われているので、コンデンサの容量変化が生じ、時刻t1802よりも大きな振幅の出力波形が現れる。
図18の位置検出装置は、図9の位置検出装置901と比べると、複数の受信電極の合成信号を得ることで、より大きな振幅の信号波形を得ることができる。
本実施形態には、以下のような応用例が考えられる。
(1)受信電極と送信電極との間に形成されるコンデンサの容量をより大きくするために、受信電極を送信電極のランドに沿って蛇行させるパターンを形成することができる。
図19は、センサ基板の配線パターンの一例を示す概略図である。
送信電極1902のランド1902aは菱形の形状になり、受信電極1903はこの菱形を蛇行するべく形成されている。このようにパターンを形成すると、ランド1902aのある側のコンデンサの静電容量は、菱形の辺の長さだけ、図1等に示した静電センサセル101よりも大きくすることができる。ランド1902aのある側のコンデンサの静電容量が大きくなる、ということは、ランド1902aのない側のコンデンサの静電容量と大きく差をつけることができることを意味する。すなわち、静電センサ1002のS/N比が向上し、より強い感度を得ることができる。
また、ランド1902aの形状は菱形に限定されるものではなく、円形にする等の応用も可能である。
(1)受信電極と送信電極との間に形成されるコンデンサの容量をより大きくするために、受信電極を送信電極のランドに沿って蛇行させるパターンを形成することができる。
図19は、センサ基板の配線パターンの一例を示す概略図である。
送信電極1902のランド1902aは菱形の形状になり、受信電極1903はこの菱形を蛇行するべく形成されている。このようにパターンを形成すると、ランド1902aのある側のコンデンサの静電容量は、菱形の辺の長さだけ、図1等に示した静電センサセル101よりも大きくすることができる。ランド1902aのある側のコンデンサの静電容量が大きくなる、ということは、ランド1902aのない側のコンデンサの静電容量と大きく差をつけることができることを意味する。すなわち、静電センサ1002のS/N比が向上し、より強い感度を得ることができる。
また、ランド1902aの形状は菱形に限定されるものではなく、円形にする等の応用も可能である。
(2)受信電極と送信電極との間に形成されるコンデンサの容量をより大きくするために、受信電極と送信電極のランドとの間に凹凸を設けたパターンを形成することができる。
図20は、センサ基板の配線パターンの一例を示す概略図である。
送信電極2002のランド2002aは櫛状の切り込みが設けられ、受信電極2003にはこの切り込みに対向する突起が設けられる。このようにパターンを形成すると、ランド2002aのある側のコンデンサの静電容量は、切り込みと突起の周辺の長さだけ、図1等に示した静電センサセル101よりも大きくすることができる。
図20の配線パターンも、図19と同様の効果、すなわち静電センサ1002のS/N比が向上し、より強い感度を得ることができる。
図20は、センサ基板の配線パターンの一例を示す概略図である。
送信電極2002のランド2002aは櫛状の切り込みが設けられ、受信電極2003にはこの切り込みに対向する突起が設けられる。このようにパターンを形成すると、ランド2002aのある側のコンデンサの静電容量は、切り込みと突起の周辺の長さだけ、図1等に示した静電センサセル101よりも大きくすることができる。
図20の配線パターンも、図19と同様の効果、すなわち静電センサ1002のS/N比が向上し、より強い感度を得ることができる。
上述の(1)及び(2)で説明した、図19の受信電極1903と、図20の受信電極2003は、これまで図1乃至図18で説明した第一受信電極及び第二受信電極のような、第一受信電極及び第二受信電極の間の線を中心とする線対称の関係にはない。むしろ、二つの静電センサセルを構成する共通の第一受信電極及び第二受信電極の中点を中心とする、回転対称の関係にあるものと解することができる。
なお、上述の(1)及び(2)で説明した、図19の受信電極1903と、図20の受信電極2003は、これまで図1乃至図18で説明した第一受信電極及び第二受信電極のような、直線状に形成された受信電極ではない。このため、静電センサセル単体では受信電極の対称性を確保できない。つまり、図19の受信電極1903や、図20の受信電極2003等の、特殊形状を備える受信電極を採用する場合は、回転対象性を維持するために静電センサセルを二つ組み合わせる必要がある。
本実施形態においては、静電センサセルと、これの集合体である静電スイッチと、これを応用した位置検出装置を開示した。
本実施形態の静電センサセルは、二本の受信電極が完全に対称形状である。このため、センサを基板に実装する際の、寸法の調整等が極めて簡便に実行できるので、差動増幅器を接続した際の、同相ノイズのキャンセル効果を最大限有効に発揮できる。
更に、本実施形態の静電センサセルは、一本の送信電極の、片方の受信電極の側に近接するランドを設けた。このため、一本の送信電極が差動増幅器から見ると非対称形状である。したがって、差動増幅器を接続した際に、同相ノイズのキャンセル効果を失うことなく、指が近接したか否かを確実に検出できる。
本実施形態の静電センサセルは、二本の受信電極が完全に対称形状である。このため、センサを基板に実装する際の、寸法の調整等が極めて簡便に実行できるので、差動増幅器を接続した際の、同相ノイズのキャンセル効果を最大限有効に発揮できる。
更に、本実施形態の静電センサセルは、一本の送信電極の、片方の受信電極の側に近接するランドを設けた。このため、一本の送信電極が差動増幅器から見ると非対称形状である。したがって、差動増幅器を接続した際に、同相ノイズのキャンセル効果を失うことなく、指が近接したか否かを確実に検出できる。
本実施形態の静電スイッチは、前述の静電センサセルを、二本の受信電極を共通にしつつ、二本の送信電極を、ランドを互い違いに設けた。受信電極側から見ると、非対称形状の送信電極が、二本対称に並んでいる。このため、指が近づいていない時は送信電極の非対称形状に由来する信号同士が打ち消し合うので、差動増幅器に信号が現れない。つまり、検出信号が平衡状態を保っている。そして、片方の静電センサセルに指を近づけると、この平衡状態が崩れ、差動増幅器に信号が現れる。したがって、指が近づいていない時は「ゼロ」状態であり、指が近づいている時は「非ゼロ」状態になるので、単一の静電センサセルを用いる場合よりも、より明確且つ確実に論理の真偽を出力することができる。つまり、ノイズに強い静電スイッチを実現できる。
本実施形態の位置検出装置は、センサ基板上に前述の静電センサセルを縦横に展開した。そして、クロックパルスの半周期の整数倍のワンショットパルスを、クロックパルスの半周期単位で位相を遅らせて、送信電極に順番に印加する。その際、一本飛ばしでNOTゲートを介在させ、一本の受信電極に同時に二本の送信電極から立ち上がり或は立ち下りのエッジが印加されるように、送信スイッチ部を構成した。
以上の構成により、ノイズに強い静電スイッチを応用した、回路構成がシンプルで、ノイズに強く、スキャン速度が速い、実用的な位置検出装置を提供できる。
以上の構成により、ノイズに強い静電スイッチを応用した、回路構成がシンプルで、ノイズに強く、スキャン速度が速い、実用的な位置検出装置を提供できる。
以上、本発明の実施形態例について説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
101…静電センサセル、102…送信導体、103…受信電極、202…絶縁シート、203…保護シート、301…静電スイッチ、302…信号源、R303…抵抗、R304…抵抗、305…オペアンプ、306…オペアンプ、307…差動増幅器、308…静電センサ部、309…乗算器、310…LPF、310…ローパスフィルタ、311…コンパレータ、402…指、Cm1…コンデンサ、Cma…コンデンサ、Cp1…コンデンサ、Cpa…コンデンサ、701…静電スイッチ、702…静電センサユニット、703…第一送信電極、704…第二送信電極、901…位置検出装置、902…位置検出平面、1002…静電センサ、1003…送信スイッチ部、1004…受信スイッチ部、1005…アナログ信号処理部、1006…A/D変換器、1007…制御部、1008…送信電極、1102…シフトレジスタ、1102a…ビットセル、1103…NOTゲート、1105…アナログ信号処理部、1105a…電流電圧変換部、1105b…電流電圧変換部、1202…シフトレジスタ、1202a…ビットセル、1203…アナログスイッチ、1203a…スイッチ、1204…プラス側出力ライン、1205…マイナス側出力ライン、1206…プラス側出力ライン、1302…LPF、1402…クロック生成部、1403…送信側アドレスカウンタ、1404…送信側スイッチデータ生成部、1405…受信側アドレスカウンタ、1406…受信側スイッチデータ生成部、1407…バッファメモリ、1408…重心演算部、1502…矩形波信号源、1711…第一送信電極、1712…第二送信電極、1713…第三送信電極、1714…第四送信電極、1715…第五送信電極、1716…第六送信電極、1811…第一受信電極、1812…第二受信電極、1813…第三受信電極、1814…第四受信電極、1815…第五受信電極、1816…第六受信電極、1817…第七受信電極、1818…第八受信電極、1819…第九受信電極、1820…第十受信電極、1902…送信電極、1902a…ランド、1903…受信電極、2002…送信電極、2002a…ランド、2003…受信電極
Claims (6)
- 所定の数のランド部を有する導体パターンが第一の方向に複数配置されるとともに、前記第一の方向に対して交差する第二の方向であって前記ランド部の近傍に少なくとも二本の導体パターンが互いに近接して前記ランド部を有する導体パターンとは電気的に絶縁されてなるセンサと、
前記第一の方向に配置された導体パターンに所定の信号を供給するための信号供給回路と、
前記第二の方向に配置された前記二本の導体パターンからの信号が供給されて両者の差動信号を生成するための差動増幅回路を有する信号検出回路と、
を備えることで、前記センサ上の指示体の位置を前記第一の方向に配置された導体パターンと前記第二の方向に配置された導体との間の静電結合の変化に基づいて求めるようにした、
位置検出装置。 - 前記信号供給回路から出力される信号を前記少なくとも二本の導体パターンに選択的に供給するための送信導体選択回路を更に設けた、
請求項1に記載の位置検出装置。 - 前記第二の方向に配置された導体パターンからの信号を前記差動増幅回路に供給するための受信導体選択回路を更に設けた、
請求項2に記載の位置検出装置。 - 前記第二の方向に配置された導体パターンは、所定のパターン形状を有している、
請求項2に記載の位置検出装置。 - 前記第二の方向に配置された導体パターンは、前記ランド部の外周の少なくとも一部を周回する形状に形成した、
請求項3に記載の位置検出装置。 - 所定数のランド部を有する導体パターンが信号送信用導体として第一の方向に複数配置され、
前記第一の方向に対して交差する第二の方向であって前記ランド部の近傍に少なくとも二本の導体パターンが互いに近接して前記ランド部を有する導体パターンとは電気的に絶縁されて配置されてなる導体パターンが信号受信用導体として配置された、
静電センサ。
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- 2009-09-10 JP JP2009209691A patent/JP2011060037A/ja active Pending
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