JP2011059432A - 電気泳動表示装置及びその製造方法並びに電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気泳動表示装置において、電気泳動層に対する防湿性を高め、高品位な表示を行う。
【解決手段】電気泳動表示装置は、互いに対向するように配置された第1基板(10)及び第2基板(20)と、第1及び第2基板間に設けられた電気泳動層(23)と、第2基板における第1基板に対向する面とは異なる面(20a)に対向するように設けられた防湿シート(50)と、第1基板及び防湿シート間に電気泳動層及び第2基板を囲むように形成された封止部材(500)とを備える。防湿シートは、第2基板の側面(20s)に封止部材を介して対向する側面対向部(52)を有する。
【選択図】図2
【解決手段】電気泳動表示装置は、互いに対向するように配置された第1基板(10)及び第2基板(20)と、第1及び第2基板間に設けられた電気泳動層(23)と、第2基板における第1基板に対向する面とは異なる面(20a)に対向するように設けられた防湿シート(50)と、第1基板及び防湿シート間に電気泳動層及び第2基板を囲むように形成された封止部材(500)とを備える。防湿シートは、第2基板の側面(20s)に封止部材を介して対向する側面対向部(52)を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、電気泳動表示装置及びその製造方法並びに電子機器の技術分野に関する。
この種の電気泳動表示装置として、一対の第1及び第2基板間に電気泳動層を備えてなる電気泳動表示装置が知られている(例えば特許文献1参照)。このような電気泳動表示装置では、例えば電気泳動層が外部の水分を吸収するなどして電気泳動層に保持されている水分の量が変化すると、電気泳動層の電気的特性が変化することにより表示品質が低下してしまうおそれがある。
そこで、例えば特許文献1には、第1及び第2基板間に電気泳動層を介在させてなる電気泳動パネルに対して、その両面をそれぞれ平板状の防湿フィルムで覆い、且つその外縁を封止樹脂によって封止する技術が開示されている。
しかしながら、上述した特許文献1に開示された技術によれば、封止樹脂の厚みが第1及び第2基板並びに電気泳動層の総厚と同程度以上となってしまう。このため、封止樹脂が外部と接触する部分が比較的大きくなり、封止樹脂を介して外部から電気泳動層に水分が侵入してしまうおそれがあるという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、電気泳動層に対する防湿性を高めることができ、高品位な表示を行うことが可能な電気泳動表示装置及びその製造方法、並びにこのような電気泳動表示装置を備えてなる電子機器を提供することを課題とする。
本発明の電気泳動表示装置は上記課題を解決するために、互いに対向するように配置された第1及び第2基板と、前記第1及び第2基板間に設けられた電気泳動層と、前記第2基板における前記第1基板に対向する面とは異なる面に対向するように設けられた防湿シートと、前記第1基板及び前記防湿シート間に前記電気泳動層及び前記第2基板を囲むように形成された封止部材とを備え、前記防湿シートは、前記第2基板の側面に前記封止部材を介して対向する側面対向部を有する。
本発明の電気泳動表示装置によれば、その動作時には、第1及び第2基板間に設けられた電気泳動層に、例えば画像信号に応じた電圧が印加されることにより例えば表示領域に画像が表示される。
第1基板は、例えばガラス基板等からなる。第1基板上には、例えば、画素電極及び該画素電極を駆動するためのトランジスタが表示領域における画素毎に設けられる。
第2基板は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)基板等からなる。第2基板は、典型的には、第1基板よりも小さな基板サイズを有しており、例えば表示領域において電気泳動層を介して第1基板に対向するように配置される。第2基板上には、例えば画素電極に対向する共通電極が設けられる。
防湿シートは、第2基板における第1基板に対向する面とは異なる面(即ち、第2基板における電気泳動層に面しない側の基板面)に対向するように設けられる。防湿シートは、例えばPETシートからなり、例えば、外部から第2基板を介して電気泳動層に水分が侵入することを抑制或いは防止する機能を有する。
封止部材は、第1基板及び防湿シート間に電気泳動層及び第2基板を囲むように形成される。換言すれば、電気泳動層及び第2基板は、第1基板、防湿シート、封止部材によって囲まれた領域に封止される。封止部材は、例えば樹脂等からなり、電気泳動層及び第2基板の側面側を封止し(言い換えれば、電気泳動層及び第2基板の外縁或いは外周側を封止し)、外部から電気泳動層に水分が侵入することを抑制する機能を有する。尚、封止部材は、典型的には、第1基板及び防湿シートを互いに貼り合わせる機能も有する。
本発明では特に、防湿シートは、第2基板の側面に封止部材を介して対向する側面対向部を有する。即ち、防湿シートは、第2基板における第1基板に対向する面とは異なる面に対向する本体部と、該本体部から延在してなり、第2基板の側面に封止部材を介して対向する側面対向部とを有する。典型的には、防湿シートは、第2基板の外縁側において、封止部材を覆いつつ第1基板側に湾曲する(或いは反る)形状を有する。
よって、防湿シートの側面対向部によって、封止部材と外部とが接触する部分(言い換えれば、封止部材が外部に曝される部分)を小さくすることができ、封止部材を介して外部から電気泳動層に水分が侵入してしまうことを抑制或いは防止できる。従って、電気泳動層に対する防湿性を高めることができる。この結果、本発明の電気泳動表示装置によれば、高品位な表示を行うことが可能となる。
以上説明したように、本発明の電気泳動表示装置によれば、電気泳動層に対する防湿性を高めることができ、高品位な表示を行うことが可能となる。
本発明の電気泳動表示装置の一態様では、前記側面対向部の少なくとも一部と前記第1基板との間に間隙が設けられている。
この態様によれば、当該電気泳動表示装置の製造プロセスにおいて、側面対向部の少なくとも一部と第1基板との間に設けられた間隙を介して、封止部材を形成するための例えば樹脂等の材料を注入することにより、封止部材を容易に形成することができる。つまり、この態様によれば、側面対向部の少なくとも一部と第1基板との間に設けられた間隙が、製造プロセスにおいて封止部材を形成するための材料を注入するための注入口として機能するので、封止部材を容易に形成することが可能となる。
本発明の電気泳動表示装置の他の態様では、前記側面対向部は、少なくとも部分的に前記第1基板に接するように設けられている。
この態様によれば、防湿シートの側面対向部分によって、封止部材と外部とが接触する部分をより一層小さくすることができる。よって、封止部材を介して外部から電気泳動層に水分が侵入してしまうことをより一層確実に抑制或いは防止できる。
本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法は上記課題を解決するために、第1及び第2基板を、電気泳動層を介して互いに対向するように配置する工程と、前記第2基板における前記第1基板と対向する面とは異なる面に防湿シートを、前記第2基板の側面に第1間隙を介して対向する側面対向部を有するように、且つ、該側面対向部の少なくとも一部と前記第1基板との間に第2間隙が形成されるように設ける工程と、前記第2間隙を介して樹脂を前記第1間隙に注入することにより、前記第1基板及び前記防湿シート間に、前記電気泳動層及び前記第2基板を囲む前記樹脂からなる封止部材を形成する工程とを含む。
本発明に係る電気泳動表示装置によれば、上述した本発明の電気泳動表示装置を製造することができる。
本発明では特に、第2基板における第1基板と対向する面とは異なる面に防湿シートを、第2基板の側面に第1間隙を介して対向する側面対向部を有するように、且つ、該側面対向部の少なくとも一部と第1基板との間に第2間隙が形成されるように設ける工程と、第2間隙を介して樹脂を第1間隙に注入することにより、第1基板及び防湿シート間に、電気泳動層及び第2基板を囲む樹脂からなる封止部材を形成する工程とを含む。
よって、防湿シートの側面対向部によって、封止部材と外部とが接触する部分を小さくすることができ、封止部材を介して外部から電気泳動層に水分が侵入してしまうことを抑制或いは防止できる。
更に、第2間隙を介して樹脂を第1間隙に注入することにより封止部材を形成するので、封止部材を容易に且つ高精度に形成することができる。例えば、仮に、第1及び第2基板を、電気泳動層を介して対向するように配置して、第1基板上に電気泳動層及び第2基板を囲むように樹脂を塗布した後に、防湿シートを配置して樹脂を例えば熱或いは光によって硬化させることにより封止部材を形成する場合と比較して、例えば第1基板と防湿シートとの間の位置合わせを高精度に行いつつ、封止部材を容易に形成することができる。
本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法の他の態様では、前記樹脂は、熱及び光の少なくとも一方によって硬化可能な樹脂である。
この場合には、封止部材を容易に形成することができる。ここで、樹脂は、その硬化収縮率が例えば5%以上であることが好ましい。この場合には、封止部材が形成された後の第2間隙の大きさを小さくすることができる。即ち、封止部材を形成するために第1間隙に注入した樹脂を硬化することにより、該樹脂を収縮させることができ、硬化前と比較して第2間隙を狭くすることができる。よって、封止部材と外部とが接触する部分をより一層小さくすることができ、封止部材を介して外部から電気泳動層に水分が侵入してしまうことをより一層確実に抑制或いは防止できる。
尚、上述した本発明の電気泳動表示装置に係る各種態様と同様の態様を、本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法にも適宜適用可能である。
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明に係る電気泳動表示装置を備える。
本発明の電子機器によれば、上述した本発明の電気泳動表示装置を備えるので、高品位な表示を行うことが可能な、例えば、腕時計、電子ペーパー、電子ノート、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの各種電子機器を実現できる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る電気泳動表示装置について、図1から図3を参照して説明する。
第1実施形態に係る電気泳動表示装置について、図1から図3を参照して説明する。
先ず、本実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の概略構成を示す平面図であり、図2は、図1のII−II’線での断面図である。
図1及び図2において、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、互いに対向するように配置された本発明に係る「第1基板」の一例としてのTFT基板10と本発明に係る「第2基板」の一例としての対向基板20との間に設けられた電気泳動層23に、画像信号に応じた電圧を印加することにより、表示領域10aにおいて表示を行うことが可能な電気泳動表示装置である。
TFT基板10は、ガラス基板からなる。TFT基板10上には、画素電極及び該画素電極を駆動するための薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が、表示領域10aにマトリクス状に配列された画素毎に設けられている。尚、TFT基板10は、可撓性を有していてもよいし、可撓性を有していなくてもよい。TFT基板10を構成するガラス基板を例えば研磨等により薄く形成することで、可撓性を有するTFT基板10を形成することができる。また、TFT基板10は、例えばプラスチック基板、ステンレス基板、アルミニウム基板等であってもよい。
対向基板20は、PET(ポリエチレンテレフタレート)基板からなる。対向基板20は、TFT基板10よりも小さな基板サイズを有しており、表示領域10aにおいて電気泳動層23を介してTFT基板10に対向するように配置されている。対向基板20上におけるTFT基板10との対向面上には、共通電極が、TFT基板10上に設けられた複数の画素電極と対向してベタ状に形成されている。共通電極は、例えばマグネシウム銀(MgAg)、インジウム・スズ酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)等の透明導電材料から形成されている。
電気泳動層23は、TFT基板10及び対向基板20間に設けられている。電気泳動層23は、電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のマイクロカプセル80と、例えば樹脂等からなるバインダー85とを含んでいる。尚、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、製造プロセスにおいて、電気泳動層23が予め対向基板20側にバインダー85によって固定されてなる電気泳動シートが、別途製造された、画素電極等が形成されたTFT基板10側に接着層によって接着されている。
マイクロカプセル80は、TFT基板10上の画素電極と対向基板20上の共通電極との間に挟持され、1つの画素内に(言い換えれば、1つの画素電極に対して)1つ又は複数配置されている。
マイクロカプセル80は、その内部に分散媒と、電気泳動粒子である複数の白色粒子と、複数の黒色粒子とが封入されてなる。マイクロカプセル80は、例えば、50um程度の粒径を有する球状に形成されている。
マイクロカプセル80の外殻として機能する被膜は、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ユリア樹脂、アラビアガム等の透光性を有する高分子樹脂から形成されている。
分散媒は、白色粒子及び黒色粒子をマイクロカプセル80内(言い換えれば、被膜内)に分散させる媒質である。分散媒としては、水や、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセルソルブ等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等の各種エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエンや、キシレン、ヘキシルベンゼン、へブチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン等の長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1、2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩やその他の油類を単独で又は混合して用いることができる。また、分散媒には、界面活性剤が配合されてもよい。
白色粒子は、例えば、二酸化チタン、亜鉛華(酸化亜鉛)、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば負に帯電されている。
黒色粒子は、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば正に帯電されている。
このため、白色粒子及び黒色粒子は、画素電極と共通電極との間の電位差によって発生する電場によって、分散媒中を移動することができる。
これらの顔料には、必要に応じ、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等を添加することができる。
画素電極と共通電極との間に、相対的に共通電極の電位が高くなるように電圧が印加された場合には、正に帯電された黒色粒子はクーロン力によってマイクロカプセル80内で画素電極側に引き寄せられると共に、負に帯電された白色粒子はクーロン力によってマイクロカプセル80内で共通電極側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル80内の表示面側(即ち、共通電極側)に白色粒子が集まることで、表示面(即ち、対向基板20におけるTFT基板10に対向しない面の表示領域10a)にこの白色粒子の色(即ち、白色)を表示することができる。逆に、画素電極と共通電極との間に、相対的に画素電極の電位が高くなるように電圧が印加された場合には、負に帯電された白色粒子がクーロン力によって画素電極側に引き寄せられると共に、正に帯電された黒色粒子はクーロン力によって共通電極側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル80の表示面側に黒色粒子が集まることで、表示面にこの黒色粒子の色(即ち、黒色)を表示することができる。
尚、画素電極及び共通電極間における白色粒子及び黒色粒子の分布状態によって、白色と黒色との中間階調である、ライトグレー、グレー、ダークグレー等の灰色を表示することも可能である。また、白色粒子、黒色粒子に用いる顔料を、例えば赤色、緑色、青色等の顔料に代えることによって、赤色、緑色、青色等のカラー表示も可能となる。
図2において、対向基板20におけるTFT基板10に対向する面とは異なる面20a(即ち、対向基板20における電気泳動層23に面しない側の基板面)には、例えば透明な樹脂等からなる接着層60を介して防湿シート50が接着されている。
防湿シート50は、PETシート(即ち、ポリエチレンテレフタレートからなるシート状或いはフィルム状の部材)であり、外部から対向基板20を介して電気泳動層23に水分が侵入することを抑制或いは防止する機能を有する。尚、後に詳細に説明するが、防湿シート50は、対向基板20における電気泳動層23に面しない側の基板面20aに対向する本体部51と、この本体部51から延在してなり、対向基板20の側面20sに後述する封止部材500を介して対向する側面対向部52とを有している。また、防湿シート50は、その表面に例えばシリコン等の無機物質を含む材料がコーティングされていてもよい。この場合には、防湿シート50によって、外部から電気泳動層23に水分が侵入することをより一層確実に抑制或いは防止できる。
図1及び図2において、TFT基板10と防湿シート50との間には、電気泳動層23及び対向基板20を囲むように封止部材500が形成されている。
封止部材500は、例えばエポキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂等の樹脂からなり、電気泳動層23及び対向基板20の側面側を封止し(言い換えれば、電気泳動層23及び対向基板20の外縁或いは外周側を封止し)、外部から電気泳動層23に水分が侵入することを抑制する機能を有する。尚、封止部材500は、TFT基板10及び防湿シート50を互いに貼り合わせる機能も有する。また、封止部材500を構成する樹脂中に、シリカ、アルミナ等の無機微粒子が分散されていてもよい。この場合には、外部から封止部材500を介して電気泳動層23に水分が侵入することを抑制することができる。
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置の封止構造について、図1及び図2に加えて図3を参照して詳細に説明する。
図1及び図2において、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、ガラス基板からなるTFT基板10と防湿シート50との間に、電気泳動層23及び対向基板20を含んでなる電気泳動シートが設られ、該電気泳動シートが封止部材500によって取り囲まれた封止構造を有している。このような封止構造によって、外部から電気泳動層23に水分が侵入することを抑制することができる。尚、TFT基板10は上述したようにガラス基板からなるので、外部の水分がTFT基板10を介して電気泳動層23に侵入することは殆ど或いは全くない。
図2に示すように、本実施形態では特に、防湿シート50は、対向基板20の側面に封止部材500を介して対向する側面対向部52を有している。即ち、防湿シート50は、対向基板20における電気泳動層23に面しない側の基板面20aに対向する本体部51と、この本体部51から延在してなり、対向基板20の側面20sに封止部材500を介して対向する側面対向部52とを有している。言い換えれば、防湿シート50は、対向基板20の外縁側において、封止部材500を覆いつつTFT基板10側に湾曲する(或いは反る)形状、或いは対向基板20の外縁側において、封止部材500を覆うようにTFT基板10側に、謂わばクチバシ状に垂れた形状を有している。
図3は、図1及び図2において矢印A1が示す方向から見た場合の本実施形態に係る電気泳動表示装置1の側面図である。
図2及び図3に示すように、側面対向部52は、本体部51から対向基板20の側面20sに沿うようにしてTFT基板10側に延在しており、電気泳動層23及び対向基板20の側面に封止部材500を介して対向している。
側面対向部52の一部とTFT基板10との間には間隙71が設けられている。間隙71は、製造プロセスにおいて封止部材500を形成するための樹脂を注入するための注入口として機能する(以下、間隙71を「注入口71」と適宜称する)。注入口71は、対向基板20の4辺の各々に対応して1つ或いは複数ずつ設けられている。このような注入口71が設けられていることにより、製造プロセスにおいて防湿シート50を対向基板20に接着層60を介して接着した後でも封止部材500を容易に形成することが可能となる。
上述した防湿シート50の側面対向部52によって、封止部材500と外部とが接触する部分(言い換えれば、封止部材500が外部に曝される部分)を、仮に、何らの対策も施さず、防湿シート50が平板状である(即ち、防湿シート50が側面対向部52を有さない)場合と比較して、小さくすることができる。よって、封止部材500を介して外部から電気泳動層23に水分が侵入してしまうことを抑制或いは防止できる。従って、電気泳動層23に対する防湿性を高めることができる。この結果、本実施形態に係る電気泳動表示装置1によれば、高品位な表示を行うことが可能となる。
図3において、本実施形態では特に、側面対向部52のうち注入口71が形成される一部を除く部分は、TFT基板10に接するように設けられている。従って、防湿シート50の側面対向部分52によって、封止部材500と外部とが接触する部分をより一層小さくすることができる。よって、封止部材500を介して外部から電気泳動層23に水分が侵入してしまうことをより一層確実に抑制或いは防止できる。
以上説明したように、本実施形態に係る電気泳動表示装置1によれば、電気泳動層23に対する防湿性を高めることができ、高品位な表示を行うことが可能となる。
次に、上述した電気泳動表示装置1を製造する製造方法について、図4を参照して説明する。
図4は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の製造方法の主要な工程を順に示す工程断面図である。尚、図4は、図2に示した断面図に対応して示してある。
先ず、図4(A)に示す工程において、画素電極及び該画素電極を駆動するためのTFTが形成されたTFT基板10に、電気泳動層23が予め対向基板20側に固定されてなる電気泳動シートを接着層によって接着する。この際、電気泳動シート(即ち、対向基板20及び電気泳動層23)は、TFT基板10における表示領域10aとなるべき領域に重なるように配置される。
次に、図4(B)に示す工程において、防湿シート50を、対向基板20における電気泳動層23に面しない側の基板面20aに接着層60を介して接着する。この際、防湿シート50を、対向基板20の側面20sに間隙72を介して対向する側面対向部52を有するように、且つ、側面対向部52の部とTFT基板10との間に間隙71が形成されるように設ける。ここで、間隙72は、図1及び図2を参照して上述した封止部材500が形成されるべき空間であり、電気泳動層23及び対向基板20を囲むように形成される。また、間隙71は、上述したように、封止部材500を形成するための樹脂を後に注入するための注入口として機能する。間隙72は「第1間隙」の一例であり、間隙71は「第2間隙」の一例である。
防湿シート50としては、対向基板20よりも大きな平面サイズを有し、且つ、その外縁側において一方側に湾曲した形状を有するPETシートを用いる。
次に、図4(C)に示す工程において、間隙(注入口)71を介して樹脂を間隙72に注入することにより封止部材500を形成する。具体的には、先ず、注入口71を介して例えば熱硬化型の樹脂を間隙72に注入する。その後、間隙72に注入された樹脂を、例えば約70℃に加熱して硬化させることにより、封止部材500を形成する。尚、封止部材500を形成するための樹脂としては、熱硬化型の樹脂のほか、紫外線(UV)硬化型の樹脂、或いは熱及び紫外線によって硬化可能な樹脂等を用いてもよい。また、封止部材500を形成するための樹脂としては、硬化収縮率が5%以上である樹脂を用いることが好ましい。この場合には、封止部材500が形成された後の注入口71の大きさを確実に小さくすることができる。即ち、封止部材500を形成するために間隙72に注入した樹脂を硬化することにより、該樹脂を確実に収縮させることができ、硬化前と比較して注入口71を確実に狭くすることができる。よって、封止部材500と外部とが接触する部分をより一層小さくすることができ、封止部材500を介して外部から電気泳動層23に水分が侵入してしまうことをより一層確実に抑制或いは防止できる。
このようにして、上述した電気泳動表示装置1を製造することができる。
ここで本実施形態では特に、注入口71を介して樹脂を間隙72に注入することにより封止部材500を形成するので、封止部材500を容易に且つ高精度に形成することができる。例えば、仮に、TFT基板10及び対向基板20を、電気泳動層23を介して対向するように配置して(即ち、図4(A)に示した工程の後に)、TFT基板10上に電気泳動層23及び対向基板20を囲むように樹脂を塗布した後に、防湿シート50を配置して樹脂を例えば熱或いは光によって硬化させることにより封止部材500を形成する場合と比較して、例えばTFT基板10と防湿シート50との間の位置合わせを高精度に行いつつ、封止部材500を容易に形成することができる。
なお、上記において、防湿シート50の側面対向部52のうち注入口71が形成される一部を除く部分は、TFT基板10に接するように設けられているが、これに代えて、側面対向部52の全体がTFT基板10とは接しない構成としてもよい。このような構成によれば、側面対向部52とTFT基板10との間隙から容易に封止部材500を注入することができる。また、このような構成においても、側面対向部50は、対向基板20の外縁側において、封止部材500を覆いつつTFT基板10側に湾曲する(或いは反る)形状、或いは対向基板20の外縁側において、封止部材500を覆うようにTFT基板10側に、謂わばクチバシ状に垂れた形状を有しているため、防湿シート50が平板状である構成と比較して、封止部材500が外部に曝される部分を小さくすることができる。すなわち、封止部材500を介して外部から電気泳動層23に水分が侵入してしまうことを抑制或いは防止することができる。
<電子機器>
次に、上述した電気泳動表示装置を適用した電子機器について、図5及び図6を参照して説明する。以下では、上述した電気泳動表示装置を電子ペーパー及び電子ノートに適用した場合を例にとる。
次に、上述した電気泳動表示装置を適用した電子機器について、図5及び図6を参照して説明する。以下では、上述した電気泳動表示装置を電子ペーパー及び電子ノートに適用した場合を例にとる。
図5は、電子ペーパー1400の構成を示す斜視図である。
図5に示すように、電子ペーパー1400は、上述した実施形態に係る電気泳動表示装置1を表示部1401として備えている。電子ペーパー1400は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書き換え可能なシートからなる本体1402を備えて構成されている。
図6は、電子ノート1500の構成を示す斜視図である。
図6に示すように、電子ノート1500は、図5で示した電子ペーパー1400が複数枚束ねられ、カバー1501に挟まれているものである。カバー1501は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力するための表示データ入力手段(図示せず)を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパーが束ねられた状態のまま、表示内容の変更や更新を行うことができる。
上述した電子ペーパー1400及び電子ノート1500は、上述した実施形態に係る電気泳動表示装置を備えるので、信頼性が高く、高品質な画像表示を行うことが可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気泳動表示装置及びその製造方法、並びに該電気泳動表示装置を備えてなる電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1…電気泳動表示装置、10…TFT基板、20…対向基板、23…電気泳動層、50…防湿シート、51…本体部、52…側面対向部、71…間隙(注入口)、72…間隙、80…マイクロカプセル、85…バインダー、500…封止部材
Claims (6)
- 互いに対向するように配置された第1及び第2基板と、
前記第1及び第2基板間に設けられた電気泳動層と、
前記第2基板における前記第1基板に対向する面とは異なる面に対向するように設けられた防湿シートと、
前記第1基板及び前記防湿シート間に前記電気泳動層及び前記第2基板を囲むように形成された封止部材と
を備え、
前記防湿シートは、前記第2基板の側面に前記封止部材を介して対向する側面対向部を有する
ことを特徴とする電気泳動表示装置。 - 前記側面対向部の少なくとも一部と前記第1基板との間に間隙が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
- 前記側面対向部は、少なくとも部分的に前記第1基板に接するように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気泳動表示装置。
- 第1及び第2基板を、電気泳動層を介して互いに対向するように配置する工程と、
前記第2基板における前記第1基板と対向する面とは異なる面に防湿シートを、前記第2基板の側面に第1間隙を介して対向する側面対向部を有するように、且つ、該側面対向部の少なくとも一部と前記第1基板との間に第2間隙が形成されるように設ける工程と、
前記第2間隙を介して樹脂を前記第1間隙に注入することにより、前記第1基板及び前記防湿シート間に、前記電気泳動層及び前記第2基板を囲む前記樹脂からなる封止部材を形成する工程と
を含むことを特徴とする電気泳動表示装置の製造方法。 - 前記樹脂は、熱及び光の少なくとも一方によって硬化可能な樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
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JP2009209650A JP2011059432A (ja) | 2009-09-10 | 2009-09-10 | 電気泳動表示装置及びその製造方法並びに電子機器 |
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2009
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