以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
本実施形態の室内ユニット(1)は、空気調和装置の一部を構成し、室内空間の天井に設置される。空気調和装置は、室外ユニットに設けられる圧縮機、室外熱交換器および膨張弁と、上記室内ユニット(1)に設けられる室内熱交換器(22)とが配管接続されて成る冷媒回路(図示省略)を備えている。冷媒回路は、冷媒が可逆に循環して、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う。空気調和装置では、冷媒回路において室内熱交換器(22)が蒸発器として機能する冷房運転と、冷媒回路において室内熱交換器(22)が凝縮器として機能する暖房運転とが行われる。
〈室内ユニットの構成〉
図1および図2に示すように、上記室内ユニット(1)は、ケーシング(10)と化粧パネル(11)とを備えている。ケーシング(10)内には、室内ファン(21)、室内熱交換器(22)、ドレンパン(23)、エアフィルタ(30)、フィルタ駆動機構(40)、塵埃除去機構(50)、塵埃貯留容器(60)、塵埃搬送機構(80)および塵埃捕集箱(90)が設けられている。
上記ケーシング(10)は、下側が開放された略直方体の箱状に形成され、その下側に化粧パネル(11)が取り付けられている。ケーシング(10)は、図3(A)および(B)にも示すように、上側ケーシング(10a)と、該上側ケーシング(10a)の下部に一体で取り付けられる下側ケーシング(10b)とで構成されている。上側ケーシング(10a)および下側ケーシング(10b)は、何れも下側が開放された略直方体の箱状に形成されている。
上記図1に示すように、上記上側ケーシング(10a)の内面には、断熱材(17)が積層されている。上側ケーシング(10a)の下端面には、ベルマウス(24)が形成され、後述する下側ケーシング(10b)の通気孔(26)に連通している。上側ケーシング(10a)の内部には、室内ファン(21)、室内熱交換器(22)およびドレンパン(23)が配置されている。なお、ケーシング(10)は、下部が天井板の開口に挿通した状態で設置される。
上記化粧パネル(11)は、矩形の板状に形成されている。化粧パネル(11)の平面視形状は、ケーシング(10)の平面視形状よりも一回り大きくなっている。化粧パネル(11)は、シール部材(16)を間に挟んだ状態で下側ケーシング(10b)の下側を覆うように取り付けられる。化粧パネル(11)がケーシング(10)に取り付けられた状態では、化粧パネル(11)が室内に露出する。
上記図1及び図3に示すように、上記化粧パネル(11)には、1つの吸込口(13)および4つの吹出口(14)と、掃除機挿入口(18)とが形成されている。吸込口(13)は、矩形状に形成され、化粧パネル(11)の中央部に形成されている。吸込口(13)には、スリット状に形成された吸込グリル(12)が嵌め込まれている。各吹出口(14)は、細長い矩形状に形成されている。各吹出口(14)は、化粧パネル(11)の各辺に沿うように形成されている。そして、各吹出口(14)には、風向調整板(15)が設けられている。この風向調整板(15)は、回動して風向(吹出方向)を調整するものである。掃除機挿入口(18)は、矩形状に形成され、吸込グリル(12)の側方に形成されている(図3(C)参照。)。
上記室内ファン(21)は、いわゆるターボファンである。室内ファン(21)は、ケーシング(10)の中央付近に配置され、吸込口(13)の上側に位置している。室内ファン(21)は、ファンモータ(21a)と羽根車(21b)とを備えている。ファンモータ(21a)は、ケーシング(10)の天板に固定されている。羽根車(21b)は、ファンモータ(21a)の回転軸に連結されている。室内ファン(21)の下側には、吸込口(13)に連通するベルマウス(24)が設けられている。このベルマウス(24)は、ケーシング(10)内において、室内熱交換器(22)の上流側の空間を室内ファン(21)側と吸込グリル(12)側とに区画している。室内ファン(21)は、ベルマウス(24)を介して下側から吸い込んだ空気を周方向へ吹き出すように構成されている。
上記室内熱交換器(22)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器で構成されている。室内熱交換器(22)は、平面視でロ字状に形成され、室内ファン(21)の周囲を囲むように配置されている。室内熱交換器(22)では、内部を流れる冷媒と室内ファン(21)によって送られる室内空気(吹出空気)との間で熱交換が行われる。
上記ドレンパン(23)は、室内熱交換器(22)の下側に設けられている。ドレンパン(23)は、室内熱交換器(22)において空気中の水分が凝縮して生じるドレン水を受けるためのものである。ドレンパン(23)には、ドレン水を排水するためのドレンポンプが設けられている(図示省略)。ドレンパン(23)は、ドレンポンプを設置した箇所にドレン水が集まるように勾配がついた状態で配置されている。
上記下側ケーシング(10b)の上端面は、仕切板(25)を構成している。この仕切板(25)は、ベルマウス(24)と吸込グリル(12)との間の空間を上下に仕切っている。つまり、仕切板(25)は、室内熱交換器(22)の上流側空間をベルマウス(24)を含む室内熱交換器(22)側と吸込グリル(12)側とに区画している。下側ケーシング(10b)の内部には、図1に示すように、エアフィルタ(30)、フィルタ駆動機構(40)、塵埃除去機構(50)、塵埃貯留容器(60)、塵埃搬送機構(80)および塵埃捕集箱(90)が配置されている。
上記仕切板(25)の中央には、吸込口(13)から吸い込まれた空気がベルマウス(24)へ流入するための通気孔(26)が形成されている。図4に示すように、この通気孔(26)は、円形孔がその径方向に延びる4つの径方向部材(27)によって扇形に仕切られている。各径方向部材(27)は、互いに円中心で繋がっており、その部分に円筒状のフィルタ回転軸(28)が下方に突出している。フィルタ回転軸(28)は、上記エアフィルタ(30)が回転するための回転軸である。また、1つの径方向部材(27)には、フィルタ押さえ(29)が2つ設けられている。
図4に示すように、上記エアフィルタ(30)は、仕切板(25)の下方に配置され、ベルマウス(24)の入口を覆う大きさの円板状に形成されている。具体的に、エアフィルタ(30)は、環状のフィルタ本体(31)とメッシュ部材(37)とを備えている。フィルタ本体(31)の外周面には、ギア部(32)が設けられている。フィルタ本体(31)の環状中心部には、6つの径方向リブ(34)によって支持される円筒状の軸挿通部(33)が設けられている。つまり、各径方向リブ(34)は、軸挿通部(33)から放射状に延びている。また、フィルタ本体(31)の内円部には、該フィルタ本体(31)と同心の環状に形成された内側周方向リブ(35)および外側周方向リブ(36)が設けられている。外側周方向リブ(36)は、内側周方向リブ(35)よりも大径に形成されている。メッシュ部材(37)は、フィルタ本体(31)の内円部全体に張られている。吸込口(13)から吸い込まれた空気は、エアフィルタ(30)のメッシュ部材(37)を通過してベルマウス(24)へ流入する。その際、空気中の塵埃がメッシュ部材(37)に捕捉される。
また、上記エアフィルタ(30)は、上述したフィルタ押さえ(29)が各周方向リブ(35,36)に当接することによって下方へ付勢される。これにより、エアフィルタ(30)が後述する塵埃除去機構(50)の回転ブラシ(51)に押さえ付けられる。したがって、塵埃除去機構(50)による除去効率が向上する。
図5にも示すように、上記エアフィルタ(30)は、軸挿通部(33)が仕切板(25)のフィルタ回転軸(28)に嵌め込まれて取り付けられる。エアフィルタ(30)は、フィルタ回転軸(28)を中心として回転自在になっている。エアフィルタ(30)の下方には、上記塵埃貯留容器(60)が配置されている。そして、エアフィルタ(30)が軸挿通部(33)に嵌め込まれた状態で、上記塵埃貯留容器(60)のフィルタ取付部(68)が仕切板(25)の軸挿通部(33)に止めネジ(28a)によって固定される。これにより、仕切板(25)と塵埃貯留容器(60)との間にエアフィルタ(30)が保持される。
上記エアフィルタ(30)の近傍には、エアフィルタ(30)を回転駆動するためのフィルタ駆動機構(40)が設けられている(図2参照。)。つまり、このフィルタ駆動機構(40)は、エアフィルタ(30)と回転ブラシ(51)とを相対的に移動させる移動手段を構成している。
具体的に、フィルタ駆動機構(40)は、図6に示すように、フィルタ駆動モータ(41)とリミットスイッチ(44)とを備えている。フィルタ駆動モータ(41)の駆動軸には、駆動ギア(42)が設けられ、該駆動ギア(42)がフィルタ本体(31)のギア部(32)と噛み合っている。駆動ギア(42)の一端面には、突片であるスイッチ作動部(43)が設けられている。このスイッチ作動部(43)は、駆動ギア(42)の回転によりリミットスイッチ(44)のレバー(44a)に作用するようになっている。スイッチ作動部(43)がレバー(44a)に作用すると、リミットスイッチ(44)が検知する。つまり、スイッチ作動部(43)およびリミットスイッチ(44)は、駆動ギア(42)の回転位置を検出するものである。
次に、上記塵埃除去機構(50)、塵埃貯留容器(60)および塵埃搬送機構(80)について、図7〜図11を参照しながら説明する。これらの塵埃除去機構(50)等は、仕切板(25)やエアフィルタ(30)の下方に配置されている(図1や図2を参照。)。
上記塵埃除去機構(50)は、エアフィルタ(30)に捕捉された塵埃を除去するためのものである。塵埃除去機構(50)は、回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)と、ブラシ駆動機構(53)とを備えている。
図9に示すように、上記回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)は、後述する塵埃貯留容器(60)のブラシ用開口(63)に設けられている。
上記回転ブラシ(51)は、細長い円柱状のシャフト(51a)と、該シャフト(51a)の外周面に設けられたブラシ(51b)とを備えている。ブラシ(51b)は、複数の植毛で構成されている。そして、ブラシ(51b)は、シャフト(51a)の周方向における一部分に設けられると共に、シャフト(51a)の長さ方向に亘って設けられている。清掃用ブラシ(52)は、回転ブラシ(51)の後方側に配置されている。
上記清掃用ブラシ(52)は、本体部(52a)と、ブラシ(52b)と、バネ部(52c)とを備えている。本体部(52a)は、板状部材であり、回転ブラシ(51)のシャフト(51a)と同じ長さに形成されている。本体部(52a)は、その板面が回転ブラシ(51)の外周面に対面して設けられている。また、本体部(52a)の上部は、回転ブラシ(51)のシャフト(51a)の外周面に対応する円弧部となっている。この本体部(52a)の円弧部には、本体部(52a)の長さ方向に亘ってブラシ(52b)が設けられている。バネ部(52c)は、本体部(52a)の下端に設けられて、塵埃貯留容器(60)の内壁に取り付けられている。つまり、本体部(52a)は、バネ部(52c)によって支持されている。
上記回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)は、エアフィルタ(30)の半径と同等以上の長さに形成されている。また、回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)は、エアフィルタ(30)の円中心から径方向外方へ延びるように配置されている。
上記回転ブラシ(51)は、回転するエアフィルタ(30)のメッシュ部材(37)にブラシ(51b)が接触することでメッシュ部材(37)から塵埃を除去するように構成されている。また、回転ブラシ(51)は、上記ブラシ駆動機構(53)によって可逆に回転駆動される。図7および図8に示すように、ブラシ駆動機構(53)は、ブラシ駆動モータ(54)と、互いに噛み合う駆動ギア(55)および従動ギア(56)とを備えている。駆動ギア(55)はブラシ駆動モータ(54)の駆動軸に設けられ、従動ギア(56)は回転ブラシ(51)のシャフト(51a)の端部に設けられている。この構成により、回転ブラシ(51)が回転駆動される。そして、詳細については後述するが、ブラシ駆動機構(53)は、回転ブラシ(51)を回転させてそのブラシ(51b)がエアフィルタ(30)に接触する状態とエアフィルタ(30)から離隔する状態とに切り換えるように構成されている。
上記清掃用ブラシ(52)のブラシ(52b)は、回転ブラシ(51)がブラシ駆動機構(53)によって回転すると、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)と接触するように構成されている。その接触により、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)から塵埃が除去される。つまり、清掃用ブラシ(52)は、回転ブラシ(51)から塵埃を除去して該回転ブラシ(51)を清掃するものである。これら回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)の塵埃除去作用については、後で詳述する。
また、上記回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)の各ブラシ(51b,52b)は、いわゆるパイル織物で構成されている。このパイル織物は、基布に毛(パイル糸)が織り込まれてなる有毛繊維であり、毛足が比較的短い。そして、このパイル織物は、毛並みが一定方向に傾斜する傾斜パイルである。
具体的に、上記回転ブラシ(51)におけるブラシ(51b)の毛並みは、図9においてシャフト(51a)から右側に向かって傾斜している。つまり、このブラシ(51b)の毛並みは、エアフィルタ(30)の回転方向に対して対向するように傾斜している。このように、エアフィルタ(30)がブラシ(51b)の毛並みに対して対向するように回転すると、メッシュ部材(37)の塵埃が効率良く掻き出される。一方、ブラシ(51b)の毛並みに対してその傾斜方向にエアフィルタ(30)が回転すると、メッシュ部材(37)の塵埃は掻き出されず、逆にブラシ(51b)に捕捉されている塵埃が除去される。また、清掃用ブラシ(52)におけるブラシ(52b)の毛並みは、図9において本体部(52a)から下側に向かって傾斜している。つまり、このブラシ(52b)の毛並みは、回転ブラシ(51)が図9において反時計回りに回転する際に、その回転方向に対して対向するように傾斜している。
上記塵埃貯留容器(60)は、清掃用ブラシ(52)によって回転ブラシ(51)から除去された塵埃が貯留されるもの、即ち塵埃除去機構(50)によって除去された塵埃を貯留するものである。塵埃貯留容器(60)は、側面視形状(図7において右側から視た形状)がやや逆くの字に屈曲している柱状の容器である。塵埃貯留容器(60)は、上側部分がエアフィルタ(30)の塵埃が除去される除去部(61)であり、下側部分がエアフィルタ(30)から除去された塵埃が貯留される塵埃貯留部(62)となっている。
上記除去部(61)の上板には、その長手方向に延びるブラシ用開口(63)が形成され、上述したようにそのブラシ用開口(63)に回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)が設けられている。なお、図7及び図8などに示すように、除去部(61)の一側面に上述したフィルタ取付部(68)が設けられている。また、ブラシ用開口(63)の後方側(即ち、清掃用ブラシ(52)側と反対側)の縁部(61a)は、回転ブラシ(51)に向かって漸次細くなる先細形状であり、端面が回転ブラシ(51)のブラシ(51b)に沿うように円弧状に形成されている。これにより、縁部(61a)と回転ブラシ(51)との隙間をできるだけ小さくすることができる。
上記塵埃貯留部(62)は、下端側(底部側)が円弧状に膨出している。そして、その塵埃貯留部(62)の円弧部には、清掃用ブラシ(52)によって回転ブラシ(51)から除去された塵埃が落下して貯留される。塵埃貯留部(62)は、長手方向における両端部(66,67)が開口している。図2や図7等に示すように、その塵埃貯留部(62)の第1端部(66)には、後述する塵埃搬送機構(80)のダンパボックス(81)が接続され、第2端部(67)には、後述する塵埃搬送機構(80)の搬送用ダクト(88)が接続されている。
また、図9に示すように、上記塵埃貯留容器(60)には、塵埃貯留部(62)の塵埃量(塵埃貯留量)を検出するための貯留量検出機構(70)が設けられている。
上記貯留量検出機構(70)は、センサボックス(71)を備えている。このセンサボックス(71)は、塵埃貯留容器(60)の塵埃貯留部(62)の第2端部(67)寄りに設けられている(図7や図8等を参照)。センサボックス(71)は、塵埃貯留部(62)の横断方向に延びてその底部を覆うように形成されている。一方、センサボックス(71)によって覆われる塵埃貯留部(62)の壁面(貯留壁)には、互いに対峙する第1開口(64)と第2開口(65)が形成されている。そして、塵埃貯留部(62)の壁面を覆うセンサボックス(71)の円弧部材(75)には、塵埃貯留部(62)の第1開口(64)および第2開口(65)を塞ぐ第1透明窓(76)および第2透明窓(77)が設けられている。
そして、上記センサボックス(71)内には、第1透明窓(76)および第1開口(64)に対応する位置に発光LED(72)が配置され、第2透明窓(77)および第2開口(65)に対応する位置にフォトトランジスタ(73)が配置されている。貯留量検出機構(70)では、発光LED(72)の光が第1透明窓(76)および第2透明窓(77)を順に透過しフォトトランジスタ(73)によって受光される。フォトトランジスタ(73)では受光した光の光度が検出され、その光度に応じて塵埃貯留部(62)における塵埃の貯留量(即ち、充填度)が検出される。例えば、塵埃の貯留量が少ないと、塵埃貯留部(62)において第1透明窓(64)から第2透明窓(65)への光の透過率(透過量)が高くなり、検出光度が高くなる。逆に、塵埃の貯留量が多いと、塵埃貯留部(62)において第1透明窓(64)から第2透明窓(65)への光の透過率(透過量)が低くなり、検出光度が低くなる。
上記塵埃搬送機構(80)は、図2、図7、図8等に示すように、上述したダンパボックス(81)および搬送用ダクト(88)と、導入用ダクト(86)と、吸引用ダクト(87)とを備えている。
上記ダンパボックス(81)は、塵埃貯留容器(60)の塵埃貯留部(62)の長手方向に沿って延びる直方体状に形成されている。ダンパボックス(81)の長手方向における一端には、塵埃貯留部(62)の第1端部(66)が接続されている。図10および図11に示すように、ダンパボックス(81)内には、上記室内ファン(21)の吹出空気が上記塵埃貯留部(62)に導入される状態とその導入を禁止する状態とに切り換えるダンパ(82)が1つ設けられている。このダンパ(82)が閉まると、ダンパボックス(81)の内部空間がその長手方向に仕切られる。つまり、ダンパボックス(81)の内部空間が第1室(81a)と第2室(81b)とに仕切られる。第2室(81b)には、上述したように塵埃貯留部(62)の第1端部(66)が接続されている。
図8や図11に示すように、上記塵埃搬送機構(80)は、ダンパ(82)を開閉駆動するためのダンパ駆動モータ(83)と駆動ギア(84)と従動ギア(85)とを備えている。駆動ギア(84)はダンパ駆動モータ(83)の駆動軸に設けられ、従動ギア(85)はダンパ(82)の回動軸に設けられている。駆動ギア(84)および従動ギア(85)は、互いに噛み合っている。この構成では、ダンパ駆動モータ(83)の回転が各ギア(84,85)を介してダンパ(82)の回動軸に伝達される。これにより、ダンパ(82)が回動軸を中心に回動し、開閉動作が行われる。
上記導入用ダクト(86)は、ダンパボックス(81)の上面に接続されて第1室(81a)に連通している。図10に示すように、導入用ダクト(86)は、ダンパボックス(81)から鉛直上方に延びており、仕切板(25)を貫通している。導入用ダクト(86)は、横断面が円形の上流側ダクト(86a)および下流側ダクト(86b)を備え、その2つの部材が止めネジ(86c)によって上下方向に連結されている。上流側ダクト(86a)の横断面積(流路面積)は、下流側ダクト(86b)の横断面積(流路面積)よりも大きい。下流側ダクト(86b)の下端(図10における下側)は、ダンパボックス(81)に接続されている。上流側ダクト(86a)の上端(図10における上側)は、ベルマウス(24)の水平に延びる部材にシール部材(86e)を介して当接している。このベルマウス(24)の水平部材には、貫通孔である導入口(86d)が形成されている。そして、この導入口(86d)を通じて、上流側ダクト(86a)が室内ファン(21)側の空間と連通している。つまり、この導入用ダクト(86)は、室内ファン(21)の吹出空気をダンパボックス(81)内へ導入するためのものである。
また、上記導入用ダクト(86)は、上流側ダクト(86a)と下流側ダクト(86b)との連結部分が仕切板(25)の貫通部に位置している。具体的に、上流側ダクト(86a)の底板と下流側ダクト(86b)の上端フランジとで仕切板(25)の貫通孔周縁を挟み込むように、両ダクト(86a,86b)が連結されている。そして、この連結部分およびシール部材(86e)の部分は、導入用ダクト(86)とダンパボックス(81)と塵埃貯留容器(60)とが一体で導入用ダクト(86)の軸心を中心にして回動するように構成されている。
上記吸引用ダクト(87)は、流入側である一端がダンパボックス(81)の下面に接続されて第2室(81b)に連通している。吸引用ダクト(87)の流出側である他端は、化粧パネル(11)の掃除機挿入口(18)に接続されている。掃除機挿入口(18)は、掃除機のホース等が挿入されて吸引するための開口である。
上記搬送用ダクト(88)は、図1〜図3に示すように、一端が塵埃貯留容器(60)における塵埃貯留部(62)の第2端部(67)に接続され、他端が後述する塵埃捕集箱(90)に接続されている。この搬送用ダクト(88)は、フレキシブルチューブで構成されている。
上記塵埃搬送機構(80)では、冷暖房を行う通常運転の場合、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉じられる(図11(A)参照。)。これにより、室内ファン(21)の吹出空気はダンパボックス(81)へ導入されない。また、塵埃搬送機構(80)では、塵埃貯留容器(60)内の塵埃を塵埃捕集箱(90)に搬送する場合、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が開く(図11(B)参照。)。これにより、室内ファン(21)の吹出空気が導入用ダクト(86)およびダンパボックス(81)を通じて塵埃貯留容器(60)へ導入される。その結果、塵埃貯留容器(60)内の塵埃は、空気と共に搬送用ダクト(88)を通じて塵埃捕集箱(90)へ搬送される。このように、塵埃搬送機構(80)は、室内ファン(21)の吹出空気を塵埃貯留部(62)に導入することによる送風作用によって、塵埃貯留部(62)内の塵埃を塵埃捕集箱(90)に搬送するように構成されている。
さらに、上記塵埃搬送機構(80)では、塵埃捕集箱(90)内の塵埃をケーシング(10)外へ排出する場合も、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉じられる(図11(C)参照。)。この場合、掃除機によって掃除機挿入口(18)から吸引することで、塵埃捕集箱(90)内の塵埃が搬送用ダクト(88)、ダンパボックス(81)および吸引用ダクト(87)を通じて掃除機に吸引される。
−塵埃捕集箱の構成−
塵埃捕集箱(90)は、上述のように塵埃貯留容器(60)から空気とともに搬送される塵埃を捕集するためのものである。この塵埃捕集箱(90)内に捕集された塵埃は、上述のように、外部から吸引される。
塵埃捕集箱(90)は、図1〜図3、図12に示すように、上記塵埃貯留容器(60)よりも大きな容積を有する細長い略直方体状の箱本体(91)を備えている。
また、塵埃捕集箱(90)は、下側ケーシング(10b)の内方に、平面視でエアフィルタ(30)と重ならないように仕切板(25)の一端辺に沿って配置されている。これにより、塵埃捕集箱(90)が、吸込グリル(12)から吸い込まれる空気の流通の邪魔になるのを防止することができる。また、箱本体(91)の側板のうちエアフィルタ(30)側に位置する側板(91b)は、該エアフィルタ(30)の外周に対応して円弧状に形成されている。
上記箱本体(91)の一端側(図12の左側)の端面の上側には、搬送用ダクト(88)につながる搬送口(89)が形成されている。この搬送口(89)は、上記箱本体(91)の一端側の端面に一体形成された円筒部(95)内に形成されている。また、この搬送口(89)は、詳しくは後述するが、塵埃貯留容器(60)から塵埃捕集箱(90)に塵埃を搬送する「塵埃搬送動作」時、及び、塵埃捕集箱(90)からケーシング(10)外へ塵埃を排出する「塵埃排出動作」時に、塵埃を通過させるためのものである。つまり、上記搬送口(89)は、塵埃捕集箱(90)からの塵埃の流出、及び、塵埃捕集箱(90)への塵埃の流入、の両方を許容するものである。
上記円筒部(95)の外周面上には、搬送用ダクト(88)の略円筒状の接続部材(88a)に設けられた係止部(88b)と係合する被係止部(95a)が設けられている。この被係止部(95a)は、先端が鈎状に形成された上記係止部(88b)が係合可能なように、上記円筒部(95)の外周面上に膨出している。上記係止部(88b)は、被係止部(95a)に対して着脱可能に取り付けられている。
塵埃捕集箱(90)には、該塵埃捕集箱(90)と外部との間で空気の出入りを許容する第1通風口(93)及び第2通風口(94)が設けられている。すなわち、これらの通風口(93,94)は、塵埃貯留容器(60)から塵埃捕集箱(90)に塵埃とともに搬送される空気を外部へ排出する一方、該塵埃を掃除機で吸引する際に塵埃捕集箱(90)内へ空気を流入させることにより、該塵埃捕集箱(90)に捕集された塵埃を上記搬送口(89)からスムーズに排出する。
上述のような構成において、掃除機によって掃除機挿入口(18)を介して塵埃捕集箱(90)内を吸引すると、該塵埃捕集箱(90)内の塵埃は、上記第1通風口(93)及び第2通風口(94)から流入して搬送口(89)へ向かって流れる空気の流れによって該搬送口(89)へ運ばれて、搬送用ダクト(88)等を介して掃除機へ吸い込まれる。
また、上述のように、上記塵埃捕集箱(90)に、第1通風口(93)及び第2通風口(94)を形成することにより、該塵埃捕集箱(90)内には、第1通風口(93)から搬送口(89)に向かって流れる空気の流れと、第2通風口(94)から搬送口(89)に向かって流れる空気の流れと、が形成される。つまり、塵埃捕集箱(90)内に空気の流れを複数、発生させることができる(図12の白抜き矢印)ため、これらの複数の空気の流れによって塵埃を搬送口(89)へ運びつつ、該複数の空気の流れ同士が衝突して発生する気流の乱れ(図12の点線矢印)によって、塵埃を塵埃捕集箱(90)の内方へ巻き上げて、上記搬送口(89)へ運ぶことが可能となる。したがって、塵埃捕集箱(90)内の塵埃を効率良く回収することができる。
しかも、上述のように複数の通風口(93,94)を形成することで、塵埃捕集箱(90)内の塵埃を効率良く回収できるようになるため、例えば塵埃捕集箱(90)の内面を空気が流れやすい流線形状などにする必要がなくなる。これにより、塵埃捕集箱(90)の容積が減少するのを防止でき、該塵埃捕集箱(90)内により多くの塵埃を捕集できるようになる。したがって、上述の構成により、ユーザーによる塵埃の回収頻度の増大を防止できる。
上記第1通風口(93)は、塵埃捕集箱(90)の搬送口(89)とは反対側の端面に設けられている。この第1通風口(93)は、上記反対側の端面の全体に開口するように形成されている。これにより、塵埃捕集箱(90)内に第1通風口(93)から多くの空気を流入させることができるとともに、該第1通風口(93)の近傍に空気が流れにくい部分ができるのを防止でき、当該部分に塵埃が溜まるのを防止することができる。なお、該第1通風口(93)よりも塵埃捕集箱(90)の内方には、該塵埃捕集箱(90)内から第1通風口(93)を介して外部へ流出しようとする塵埃を捕捉するためのエアフィルタ(93a)が取り付けられている。
このように、細長い箱本体(91)の一端側に搬送口(89)を設ける一方、該箱本体(91)の他端側に第1通風口(93)を設けることで、第1通風口(93)から流入する空気を、箱本体(91)の内部の一端側から他端側に向けて流すことができる。これにより、上記塵埃捕集箱(90)内の広い範囲に、スムーズに空気を流すことができるため、塵埃捕集箱(90)内の塵埃を効率良く搬送口(89)へ運んで、該搬送口(89)から効率良く回収することができる。
上記第2通風口(94,94)は、図3(B)にも示すように、塵埃捕集箱(90)の底板(91a)及びエアフィルタ(30)側に位置する側板(91b)の搬送口(89)側に設けられている。つまり、これらの第2通風口(94,94)は、塵埃捕集箱(90)の搬送口(89)側の角部近傍に、該第2通風口(94,94)の開口方向が該搬送口(89)の開口方向に対して交差するように設けられている。
ここで、塵埃捕集箱(90)の搬送口(89)側の角部近傍には空気が流れにくく塵埃が残留しやすいため、上述のように該角部近傍に第2通風口(94,94)を設けることにより、該第2通風口(94,94)から空気を流入させて、該角部近傍の塵埃を搬送口(89)へ運ぶことができる。
さらに、図12に示すように、本実施形態では、搬送口(89)は塵埃捕集箱(90)の上側に設けられており、上記第1通風口(93)から流入する空気は、該塵埃捕集箱(90)の上側に設けられた搬送口(89)に向かって流れるため、塵埃は塵埃捕集箱(90)の底部に溜まりやすい。これに対して、上述のように、第2通風口(94)の1つを、塵埃捕集箱(90)の底板(91a)に設けることで、該塵埃捕集箱(90)内に溜まった塵埃を該第2通風口(94)から流入する空気の流れによって効率良く搬送口(89)へ運んで、該搬送口(89)から排出することができる。したがって、塵埃捕集箱(90)内の塵埃をより効率良く回収することができる。
しかも、上述のように、上記第2通風口(94)を、第1通風口(93)よりも搬送口(89)に近い位置に、且つ、該搬送口(89)が開口する方向に対して交差する方向に開口するように設けたため、第2通風口(94)から流入する空気を、第1通風口(93)から搬送口(89)へ流れる空気に対して衝突させることができる。すなわち、第2通風口(94)から流入する空気によって塵埃捕集箱(90)内の塵埃を搬送口(89)へ運びつつ、上記複数の空気の衝突によって発生した気流の乱れによって、塵埃を塵埃捕集箱(90)の内方へ巻き上げて、上記搬送口(89)へ運ぶことができる。したがって、塵埃捕集箱(90)内の塵埃をさらに効率良く回収することができる。
また、図3(B)及び図12に示すように、上記第2通風口(94)は、略長方形状であって、上記第1通風口(93)よりも開口面積が小さくなるように形成されている。
このように、上記第2通風口(94)の開口面積を第1通風口(93)の開口面積よりも小さくすることで、該第1通風口(93)の通風抵抗を第2通風口(94)の通風抵抗よりも小さくすることができる。これにより、塵埃捕集箱(90)内で広範囲に亘って流れる第1通風口(93)から流入する空気の流量を増大させることができる。したがって、該空気によって塵埃捕集箱(90)内の塵埃を効率的に搬送口(89)へ運んで、塵埃捕集箱(90)内の塵埃をより効率良く回収することができる。
なお、第2通風口(94)にも、第1通風口(93)と同様、エアフィルタ(94a)が取り付けられている。このエアフィルタ(94a)は、第2通風口(94)を覆うように取り付けられていればよいため、塵埃捕集箱(90)の内側、外側のどちら側に取り付けられていてもよい。
−運転動作−
次に、上記室内ユニット(1)における運転動作について説明する。室内ユニット(1)は、冷暖房を行う通常運転と、エアフィルタ(30)の清掃を行うフィルタ清掃運転とが切換可能に構成されている。
〈通常運転〉
通常運転では、回転ブラシ(51)を回転させてそのブラシ(51b)を清掃用ブラシ(52)側に位置させる。つまり、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)がエアフィルタ(30)に接触しない位置まで回転ブラシ(51)を回転させて、回転ブラシ(51)の非ブラシ面(即ち、ブラシ(51b)が設けられていないシャフト(51a)の外周面)をエアフィルタ(30)に対面させる。また、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉じられる(図11(A)の状態。)。なお、エアフィルタ(30)は停止状態である。
この状態において、室内ファン(21)が駆動される。そうすると、室内ユニット(1)では、吸込口(13)から吸い込まれた室内空気がエアフィルタ(30)を通過してベルマウス(24)へ流入する。空気がエアフィルタ(30)を通過する際、空気中の塵埃がエアフィルタ(30)のメッシュ部材(37)に捕捉される。ベルマウス(24)に流入した空気は室内ファン(21)から吹き出される。この吹出空気は、室内熱交換器(22)の冷媒と熱交換して冷却または加熱された後、各吹出口(14)から室内へ供給される。これにより、室内の冷房または暖房が行われる。
このように、通常運転では、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉じられているため、室内ファン(21)の吹出空気が塵埃貯留容器(60)へ導入されることはない。また、この通常運転では、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)とエアフィルタ(30)とが非接触状態となる。したがって、ブラシ(51b)のエアフィルタ(30)に接触し続けることによる劣化を防止することができる。これにより、回転ブラシ(51)の耐久性が向上する。
〈フィルタ清掃運転〉
フィルタ清掃運転では、冷媒回路において圧縮機が停止されて冷媒が循環しない状態となる。このフィルタ清掃運転では、「塵埃除去動作」と「ブラシ清掃動作」と「塵埃搬送動作」と「塵埃排出動作」とが切換可能に構成されている。
「塵埃除去動作」は、エアフィルタ(30)に捕捉された塵埃を除去する動作である。「ブラシ清掃動作」は、回転ブラシ(51)に捕捉された塵埃を除去する動作である。「塵埃搬送動作」は、塵埃貯留容器(60)から塵埃捕集箱(90)に塵埃を搬送する動作である。「塵埃排出動作」は、塵埃捕集箱(90)からケーシング(10)外へ塵埃を排出する動作である。
本実施形態では、「塵埃除去動作」と「ブラシ清掃動作」とが交互に行われる。先ず「塵埃除去動作」では、室内ファン(21)が停止される。そして、回転ブラシ(51)を回転させてそのブラシ(51b)をエアフィルタ(30)に接触させる。この状態において、エアフィルタ(30)は回転ブラシ(51)のブラシ(51b)の毛並みに対向するように回転(移動)する。なお、このとき回転ブラシ(51)は停止させたままである。
そうすると、エアフィルタ(30)の塵埃が回転ブラシ(51)のブラシ(51b)に捕捉される(図13(A)を参照。)。そして、フィルタ駆動機構(40)のリミットスイッチ(44)のレバー(44a)が作動すると、フィルタ駆動モータ(41)が停止されてエアフィルタ(30)が停止する。この動作では、ブラシ(51b)の毛並みがエアフィルタ(30)の回転方向(移動方向)に対向して傾斜しているため、エアフィルタ(30)の塵埃がブラシ(51b)によって容易に掻き取られる。よって、回転ブラシ(51)による塵埃の除去効率が向上する。エアフィルタ(30)が停止すると、「塵埃除去動作」から「ブラシ清掃動作」へ切り換えられる。
「ブラシ清掃動作」では、引き続き室内ファン(21)および回転ブラシ(51)が停止した状態で、先ず、エアフィルタ(30)が「塵埃除去動作」時とは逆方向(即ち、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)の毛並みと同じ方向)に回転する。そうすると、エアフィルタ(30)とブラシ(51b)との間に溜まった塵埃、即ちエアフィルタ(30)から除去されかかった塵埃がブラシ(51b)に均一に付着する。そのため、エアフィルタ(30)の塵埃がブラシ(51b)に確実に捕捉され、回転ブラシ(51)による塵埃除去効率を向上させることができる。
続いて、「ブラシ清掃動作」では、室内ファン(21)が停止した状態で、回転ブラシ(51)が図13における右回り(時計回り)に回転する。その際、回転ブラシ(51)は、ブラシ(51b)に塵埃を捕捉したまま回転する。また、回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)のブラシ(51b,52b)同士が接触しながら、回転ブラシ(51)が回転する(図13(B)を参照。)。そして、回転ブラシ(51)は、所定の回転角度だけ回転すると停止する。
続いて、回転ブラシ(51)は、上記とは逆回り(即ち、図13における左回り(反時計回り))に回転する。そうすると、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)に捕捉されていた塵埃が清掃用ブラシ(52)のブラシ(52b)によって除去される(図13(C)を参照。)。これは、清掃用ブラシ(52)のブラシ(52b)の毛並みが下向き、即ち毛並みが回転ブラシ(51)の回転方向に対向する向きに傾斜しているため、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)から塵埃が掻き取られる。また、双方のブラシ(51b,52b)同士が接触することによって清掃用ブラシ(52)の本体部(52a)が後方へ押されるが、バネ部(52c)によって本体部(52a)が回転ブラシ(51)側へ付勢される。これにより、ブラシ(51b,52b)同士が離れることはなく、清掃用ブラシ(52)が適切に回転ブラシ(51)に押し付けられる。したがって、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)から塵埃がより確実に除去される。以上により、清掃用ブラシ(52)のブラシ(52b)に塵埃が捕捉される。回転ブラシ(51)は、元の状態(図13(A)の状態)まで回転して停止する。
続いて、回転ブラシ(51)は、再び右回り(時計回り)に所定の回転角度だけ回転する。そうすると、清掃用ブラシ(52)のブラシ(52b)に捕捉されていた塵埃が回転ブラシ(51)のブラシ(51b)によって掻き取られ、塵埃貯留容器(60)の塵埃貯留部(62)に落下する(図13(D)を参照。)。これは、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)の毛並みが回転方向に向かって傾斜しているため、清掃用ブラシ(52)のブラシ(52b)から塵埃が確実に掻き取られる。その際も、上記と同様に、バネ部(52c)によって清掃用ブラシ(52)が回転ブラシ(51)に適切に押し付けられるため、清掃用ブラシ(52)から塵埃がより確実に除去される。以上により、回転ブラシ(51)に捕捉された塵埃が除去され、塵埃貯留容器(60)の塵埃貯留部(62)に貯留される。その後、回転ブラシ(51)は再び左回り(反時計回り)に回転して元の状態(図13(A)の状態)に戻り、「ブラシ清掃動作」が一旦終了する。
「ブラシ清掃動作」が終了すると、再び上述した「塵埃除去動作」が行われる。つまり、再びエアフィルタ(30)が回転し、リミットスイッチ(44)のレバー(44a)が再び作動するとエアフィルタ(30)が停止する。これにより、エアフィルタ(30)において回転ブラシ(51)のブラシ(51b)を通過した領域の塵埃が回転ブラシ(51)のブラシ(51b)に捕捉される(図13(A)の状態)。このように、「塵埃除去動作」と「ブラシ清掃動作」とが交互に繰り返される。その結果、エアフィルタ(30)において所定の領域毎に塵埃が除去されていく。そして、エアフィルタ(30)の全領域において塵埃が除去されると、「塵埃除去動作」および「ブラシ清掃動作」が完全に終了する。例えば、リミットスイッチ(44)のレバー(44a)が所定回数作動すると、エアフィルタ(30)が1回転したと判断して上記動作が終了する。
ここで、上述した「塵埃除去動作」および「ブラシ清掃動作」時には、貯留量検出機構(70)によって塵埃貯留容器(60)における塵埃貯留量が検出される。フォトトランジスタ(73)の検出光度が設定値(下限値)以下になると、塵埃貯留容器(60)において塵埃が所定量まで貯留されたと判断して、「塵埃搬送動作」に切り換えられる。
「塵埃搬送動作」では、回転ブラシ(51)が図13(A)の状態で停止されると共に、エアフィルタ(30)が停止状態となる。また、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が開状態(図11(B)の状態)になる。この状態において、室内ファン(21)が駆動される。室内ファン(21)の吹出空気は、導入用ダクト(86)およびダンパボックス(81)を順に介して塵埃貯留容器(60)へ導入される。これにより、塵埃貯留容器(60)の塵埃が空気と共に搬送用ダクト(88)を介して塵埃捕集箱(90)へ搬送される。そうすると、塵埃貯留容器(60)において塵埃の貯留量が減少し、それに伴いフォトトランジスタ(73)の検出光度が高くなる。そして、その検出光度が設定値(上限値)以上になると、塵埃貯留容器(60)において塵埃が殆ど搬送(排出)されたと判断して、「塵埃搬送動作」が終了する。その後、「塵埃除去動作」または「ブラシ清掃動作」が再開される。
「塵埃搬送動作」では、塵埃が空気と共に塵埃捕集箱(90)に搬送されると共に、塵埃捕集箱(90)の通風口(93,94)からケーシング(10)の内側へ空気が排出される。このように排出された空気は、室内ファン(21)によってエアフィルタ(30)を通過し吸引される。室内ファン(21)によって吸引された空気は、再び、塵埃貯留容器(60)へ導入されることになる。ここで、上述のように、塵埃捕集箱(90)の通風口(93,94)から排出される空気は、ケーシング(10)の内側へ排出されるため、塵埃が上記通風口(93,94)に設けられたエアフィルタ(93a,94b)を通過して塵埃捕集箱(90)外へ流出した場合であっても、ケーシング(10)外へ塵埃が流出することはない。
また、本実施形態のフィルタ清掃運転では、所定条件によって「塵埃排出動作」が行われる。例えば、「塵埃搬送動作」中においてフォトトランジスタ(73)の検出光度が上昇しない場合、塵埃捕集箱(90)および搬送用ダクト(88)において塵埃が満杯になったと判断して「塵埃排出動作」が行われる。それ以外にも、「塵埃搬送動作」が所定回数(所定時間)行われると「塵埃排出動作」を自動的に行うようにしてもよいし、ユーザーによるリモコン操作によって任意に行うようにしてもよい。
「塵埃排出動作」では、上述した「塵埃搬送動作」と同様に、回転ブラシ(51)が図13(A)の状態で停止されると共に、エアフィルタ(30)が停止状態になる。また、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉状態(図11(C)の状態)になる。この状態において、掃除機のホースが化粧パネル(11)の掃除機挿入口(18)に挿入される。この吸引動作により、塵埃捕集箱(90)の塵埃が搬送用ダクト(88)、塵埃貯留容器(60)および吸引用ダクト(87)を順に介して掃除機へ吸い込まれる。その際、塵埃貯留容器(60)内の塵埃も吸引用ダクト(87)を介して掃除機へ吸い込まれる。その結果、塵埃捕集箱(90)および塵埃貯留容器(60)の塵埃がケーシング(10)外へ排出される。
上述のように掃除機挿入口(18)を介して掃除機によって塵埃捕集箱(90)内の塵埃を吸引する際には、該塵埃捕集箱(90)に形成された第1通風口(93)及び第2通風口(94)から空気が流入する。これにより、該流入した空気によって塵埃捕集箱(90)内の塵埃は搬送口(89)へ運ばれる。上記第1通風口(93)は、塵埃捕集箱(90)において搬送口(89)とは反対側の端面に形成されている一方、上記第2通風口(94)は、塵埃捕集箱(90)の搬送口(89)側の角部近傍、すなわち、塵埃捕集箱(90)内において塵埃が残留しやすい場所に形成されているため、塵埃捕集箱(90)内に溜まった塵埃を効率良く搬送口(89)から回収することができる。
−実施形態の効果−
以上より、本実施形態では、エアフィルタ(30)から除去された塵埃を捕集する塵埃捕集箱(90)において、搬送口(89)以外に、空気の流出入が可能な複数の通風口(93,94)を設けたため、塵埃捕集箱(90)内に、複数の空気の流れを発生させることができる。これにより、塵埃捕集箱(90)内の広範囲で塵埃を搬送口(89)へ運んで、効率良く回収することができる。
しかも、上記複数の通風口(93,94)を設けることによって、塵埃を効率良く回収するために該塵埃捕集箱(90)の内面を流線形状などにする必要もなくなる。したがって、塵埃捕集箱(90)の容積を減少させることなく、塵埃を効率良く回収することが可能になる。
また、細長い箱本体(91)の一端側に搬送口(89)を、他端側に第1通風口(93)を設けたため、塵埃捕集箱(90)内の広い範囲にスムーズに空気を流すことができる。これにより、塵埃捕集箱(90)内の塵埃をより効率良く回収することができる。
さらに、第2通風口(94,94)を、塵埃捕集箱(90)の底板(91a)及び側板(91b)の搬送口(89)側に設けたため、塵埃が溜まりやすい搬送口(89)側の角部近傍から空気を流入させて、該角部近傍に溜まった塵埃を搬送口(89)側へ運ぶことができる。しかも、上記第2通風口(94,94)の1つは、塵埃の溜まりやすい底板(91a)に設けられているため、該底板(91a)上に溜まった塵埃を搬送口(89)へ効率良く運ぶことができる。これにより、塵埃捕集箱(90)内に溜まった塵埃を効率良く回収できる。
しかも、上記第2通風口(94)を、開口方向が該搬送口(89)の開口方向に対して交差するように形成することで、第2通風口(94)から流入する空気を、第1通風口(93)から搬送口(89)へ向かう空気の流れに対して交差させることができる。これにより、塵埃捕集箱(90)内に気流の乱れが生じやすくなり、その気流の乱れによって、塵埃捕集箱(90)内の塵埃をより効率良く回収することができる。
また、上記第2通風口(94)の開口面積を、上記第1通風口(93)の開口面積よりも小さくすることで、第1通風口(93)から流入して塵埃捕集箱(90)内の広い範囲に流れる空気の流量を増大させることができる。これにより、塵埃捕集箱(90)内の塵埃をより効率良く搬送口(89)へ運んで、塵埃捕集箱(90)内の塵埃をより効率良く回収できる。
《その他の実施形態》
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、第2通風口(94)を、塵埃捕集箱(90)の搬送口(89)側の角部近傍に設けているが、この限りでなく、塵埃捕集箱(90)の他の角部近傍に設けてもよいし、また、角部近傍以外の塵埃が残留しやすい場所に設けてもよい。さらに、第2通風口を、上記塵埃が残留しやすい場所でなくても、該第2通風口から流入する空気と他の通風口から流入する空気とを衝突させて気流の乱れを発生させ、該気流の乱れによって塵埃捕集箱内で残留する塵埃を排出できるような位置であれば、どの位置に設けてもよい。
また、上記実施形態では、第2通風口(94)は、第1通風口(93)よりも開口面積が小さくなるように形成されているが、この限りでなく、第2通風口の開口面積が第1通風口の開口面積と同等若しくはそれよりも大きくなるように第2通風口を形成してもよい。
また、上記実施形態では、箱本体(91)は、細長い略直方体状であるが、この限りでなく、例えば三角錐や五面体等の多面体など、塵埃が残留しやすい形状であればどのような形状でもよい。
また、上記実施形態では、箱本体(91)の搬送口(89)が形成される一端側とは反対側に第1通風口(93)が設けられていて、該第1通風口(93)よりも搬送口(89)に近い位置に第2通風口(94)が設けられているが、この限りでなく、第1通風口が第2通風口よりも搬送口(89)に近い位置に設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、塵埃捕集箱(90)に、第1通風口(93)が1つ、第2通風口(94,94)が2つ、設けられているが、この限りでなく、第1通風口を2つ以上設けたり、第2通風口を1つ若しくは3つ以上設けてもよい。
また、上記実施形態では、塵埃捕集箱(90)に搬送口(89)を1つ、設けているが、この限りでなく、搬送口を2つ以上設けてもよい。例えば、塵埃捕集箱に、塵埃貯留部に接続される搬送用ダクトがつながる第1搬送口と、該塵埃捕集箱の外部につながる第2搬送口と、を設けてもよい。