JP2011058610A - 真空用バルブ筐体及び真空用バルブ - Google Patents

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Abstract

【課題】 外径寸法の小さく、低製造コストの真空用バルブ筐体及びこの筐体から構成される真空用バルブを提供する。
【解決手段】 直方体形状の筐体の少なくとも1面の中央部に凹部を設け、前記凹部の底面の中央部に開口面を設け、前記開口面の外周の外側に他の配管のフランジを固定するためのボルト孔を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、真空容器を真空ポンプで真空排気する際に、排気系統を切り換える等の目的で使用される真空バルブ及びこれを構成する筐体に関する。
従来、真空用バルブとして、例えば、特許文献1に開示がされている。この種のバルブは、通常は図1に示すように、ピストンロッド1により中空円筒状の筐体2内の長手方向に移動する弁体3を備え、弁体3により開閉する排気口4を筐体2の長手方向の端面に備え、筐体2の側面にフランジ部を備えた中空円筒体5を立設して、その端面に排気口となる開口面6を形成して、内部流路がL型の真空用バルブとして構成される。
上記のように筐体2の側面に中空円筒体5を立設する構造の場合には、バルブの外形寸法が大きくなるという問題があった。また、少なくとも2つの中空円筒状の部材2,5を溶接により接合するために、真空雰囲気下で溶接部から放出されるガスが問題となり高真空用及び/又は高純度ガス用の真空用バルブとして使用することができないという問題があった。
特開2001−324051号公報
そこで、本発明は、外径寸法の小さく、溶接を行わずに低製造コストの真空用バルブ筐体及びこの筐体から構成される真空用バルブを提供することを目的とする。
本発明の解決手段は、請求項1に記載の通り、直方体形状の筐体の少なくとも1面の中央部に凹部を設け、前記凹部の底面の中央部に開口面を設け、前記開口面の外周の外側に他の配管のフランジを固定するためのボルト孔を設けたことを特徴とする。
また、請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の真空用バルブ筐体において、前記筐体はアルミニウム又はアルミニウム合金のブロックを切削加工することにより得たものであることを特徴とする。
また、請求項3記載の本発明は、請求項1又は2に記載の真空用バルブ筐体において、前記筐体をアルミニウム又はアルミニウム合金から構成し、前記筐体内に形成される流路表面をアノード酸化処理をしたことを特徴とする。
また、請求項4記載の本発明は、請求項1に記載の真空用バルブ筐体において、前記筐体は鍛造成型又は鋳造成型により得たものであることを特徴とする。
また、請求項5に記載の本発明は、請求項1に記載の真空用バルブ筐体において、前記筐体は板金加工により得たものであることを特徴とする。
また、請求項6に記載の本発明は、請求項5に記載の真空用バルブ筐体において、前記ボルト孔を板金加工により有底孔として形成する際に生じるフランジ部を弁座としたことを特徴とする。
また、本発明の真空用バルブは、請求項7に記載の通り、請求項1乃至6の何れか1項に記載の真空用バルブ筐体から構成されることを特徴とする。
本発明によれば、配管と接続するための部位を筐体から突出させずに設けることができ、真空用バルブの省スペース化を図ることができる。また、2つの部材を溶接することなくバルブ筐体を製造することができるので、真空雰囲気下で放出ガスを低減することが可能となる。
従来の真空用バルブの側断面図 (a)本発明の一実施の形態の真空用バルブの側断面図(b)同底面図(c)同右側面図 本発明の他の実施の形態の真空用バルブ筐体の製造例の説明図 図3で説明した実施の形態の変形例の説明図
本発明の真空用バルブ用筐体は、直方体、好ましくは、立方体形状をしたものであり、その筐体内に弁体と弁座とを備えることにより、真空用バルブとして機能するものである。
以下に、図面を参照して、本発明の一実施の形態の真空用バルブを、同バルブ筐体とともに説明する。
図2に示される本発明の一実施の形態の真空用バルブは、略立方体形状の筐体10の底面10aの中央部には、底面10aと垂直方向の軸を有する筒形状(図示したものでは、円筒形状)の凹部10u−1が設けられ、この凹部10uの底面の中央部には開口面11(以下、「弁開口面」とする。)が設けられている。弁開口面11の外周の外側には、同図(b)に示す通り、間隔が均等になるようにボルト孔26が穿孔されている。
また、弁開口面11から筐体10の内部に向かっては流路が形成されており、該流路は横方向に設けられた流路と直交する部位において断面が狭くなるように形成され、この部位に弁座12が形成される。
弁座12の上面に着座して弁の開閉を行う弁体13は、筐体10の上面から挿通されるピストンロッド14の先端部に固定される。図示した例では、ピストンロッド14の先端部の鍔部に弁体13の上部を嵌合することにより固定している。また、弁体13の下面には、その外周に沿った溝が形成されており、この溝内にリング状のシール部材15を設けることにより、弁体13が弁座12に当接する際のシール性が高められている。尚、筐体10の上壁10hには、ピストンロッド14が挿通される通孔16が設けられているが、この通孔16の内周面にもシール部材17を設け、ピストンロッド14と通孔16とのシール性を高めるようにしている。また、筐体10の上面を構成する上壁10hと、筐体の側面を構成する側壁(図示したものでは、10d,10f)との接合面にも同様の目的でOリング等のシール部材が介挿されている。
上述の通り、筐体10の内部には横方向に流路が形成されており、この流路は筐体10の右側面10bにおいて開口面18で終端し、左側面において開口面20で終端する。開口面18,20は、本実施の形態では同形態としているため、以下の説明では開口面18を中心に説明する。開口面18は、底面10aと同様に右側面の中央部に形成される筒形状(図示したものでは、円筒状)の凹部10u−2の底面の中央部に形成される。開口面18の外周の外側には、同図(c)に示す通り、間隔が均等になるようにボルト孔24が穿孔されている。
本実施の形態では、筐体10の底面10a及び右側面10bには、それぞれ凹部10u−1,10u−2が設けられていることにより、直方体形状の筐体10の底面10a及び右側面10bから接続配管等のための開口部を備えた突起物を設ける必要がない。また、突起物を溶接する必要もないため、真空用のバルブとして有用なものとなる。更に、筐体10が立方体を含む直方体形状となるので搬送や取り扱いがし易くなる。
上記説明した筐体10に設ける凹部10u−1,10u−2は、筐体10を構成する平面の少なくとも1つの面であればよい。
また、凹部10u−1,10u−2の平面形状は、図示したもの(図2(b)及び(c))では円形状としたが、接続される配管を収容することができる形状であれば特に制限をするものではない。また、凹部10u−1,10u−2の底面の内周部に形成されるボルト孔24,26の間隔についても、接続部の気密性を保つことができれば必ずしも等間隔で設ける必要はない。尚、ボルト孔24,26の内周面を含む凹部10u−1,10u−2の内周面には、接続部の耐久性を高めるべく、金属皮膜やタフラム(登録商標)(アルマイトにフッ素樹脂を含浸する処理)等の処理することが好ましい。
尚、本明細書における筐体10の直方体形状とは、弁開口面11と、これに直交する4面(筐体側面)とが平面で構成された形状をいうものとする。図2(a)で示すように、筐体10の上面を構成する板材10hは、通常、弁体13、ピストンシリンダ14及びエアシリンダ等の駆動機構22とともに一体として構成されて、筐体10の上面側からボルト19により固定されるため、若干の段差が生じるからである。
また、上記筐体10の構成部材は、直方体乃至は立方体のアルミニウム又はアルミニウム合金のブロックから切削加工により得ることが好ましい。複数の板材を溶接により接合すると放出ガスが多くなり、内部流路のシール性を高く保つことが困難となるからである。
一例を図2を参照して説明すると、筐体10の上壁10hを除いた上面開口の箱体、即ち、底壁10cとその周りに立設する4枚の側壁(図示されるものは、2枚の側壁10d,10f)と上壁10hとを、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるブロックを切削加工して得る。この場合、凹部10u−1,10u−2、通孔16、開口面18,20も切削加工により形成する。
また、筐体10を、アルミニウム又はアルミニウム合金から構成し、前記筐体内に形成される流路表面をアノード酸化処理することが好ましい。筐体10の内部の流路表面にまで、回り込んで確実に皮膜形成することができるからである。また、切削加工により得られた部材表面へも十分な皮膜を形成することができるからである。
前記アノード酸化処理は、被処理物を、アルカリ溶液中に浸漬して、火花放電を伴うアノード酸化処理をして、被処理物表面に酸化皮膜を形成するものであり、200V以上の第1の電圧で所定の時間処理する工程と、電流密度に応じて第1の電圧よりも低い他の電圧で所定の時間処理する工程とを含むものである。
前記アルカリ溶液の電解液の例としては、りん酸水素二ナトリウム、トリポリりん酸ナトリウム、りん酸二水素ナトリウム、ウルトラポリりん酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化カリウム、二リン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム及び水酸化ナトリウム等の中の1種類又はこれらの中の混合物を、水に溶解させたものを用いることができる。
また、被処理物としては、アルミニウム又はアルミニウム合金を使用するが、アルミニウム合金の鋳物材料、ダイキャスト材料はシリコンを代表として、一般的に含有されている元素が多く、ポーラス型アノード酸化皮膜が形成し難いといわれている。
本発明によれば、このようなシリコンが多い鋳物、ダイキャストでも耐食性良好な皮膜を形成することができる。また、展伸材の中でもAl−Si合金の4000番系の処理も同様な理由でポーラス型アノード酸化処理の耐食性は悪いが、本発明によれば、良好な酸化皮膜が形成できる。シリコンが析出していないような展伸材、1000番〜3000番、5000番から7000番台のアルミニウム合金についても複雑形状の場合や100℃以上の高温になる場合には効果がある。
上記アノード酸化処理は、被処理物をアルカリ溶液中に浸漬して、火花放電を伴うアノード酸化処理を行うものであるが、その際、200V以上の第1の電圧(a(V))で所定の時間処理を行う工程と、電流密度に応じて、第1の電圧よりも低い他の電圧(b(V))で所定の時間処理を行う工程を含むようにする。具体的には、電流密度(iA/cm)を監視しながら、第1の電圧の処理開始時の電流密度に対して、100%以下の所望の値(例えば、80%等)で他の電圧に切り換えるための目標となる電流密度を設定しておき、その電流密度になった際に、即ち、所定の電流密度に低下した際に、第1の電圧(a(V))よりも低い電圧(b(V))まで降下させ、その電圧で処理を継続する。第1の電圧の処理開始時の電流密度としては、0.02A/cm〜0.1A/cmの範囲とすることが好ましい。0.02A/cm未満であると、電圧が上がらず放電しないことがあり、0.1A/cmを超えると電圧が高くなり形成された膜が放電により破壊され皮膜構造が粗くなり耐食性が悪化するからである。尚、他の電圧による処理は、1回以上であればよく、他の電圧まで降下させる方法は、段階的であってもリニアであってもよい。また、第1の電圧による処理時間は、上記の通り、所定の電流密度となるまで継続され、他の電圧による処理時間は、当初の電流密度(iA/cm)に対して、例えば、100%以下の所望の値(例えば、30〜40%等)の電流密度となるまで継続される。尚、第1の電圧による処理時間は、通常は、10分以上となる。
また、印加する電圧及び電流の波形に関しては、交流、直流や交流と直流の重畳のいずれでもよく、交流の場合には、電流又は電圧は、正弦波でも、正弦波でなくてもよい。
上記のように、電圧を一定で処理することにより、電流の流れやすいところ、即ち、酸化皮膜が形成されていないところに順次酸化皮膜を形成させることができ、被処理物の凹んだ部分や貫通孔内に電極を配置することなく孔の内部表面までも酸化皮膜を形成させることができる。
また、他の電圧は、200V〜400Vとすることが好ましい。400Vを超えると、皮膜厚さは厚くできるものの、形成された膜が放電で破壊され、被処理物に設けられた貫通孔や複雑に入り組んだ電極を装着することが困難な形状において、皮膜を成長させることができず、また、皮膜構造が粗くなり耐食性が悪化するからである。また、200V未満であると、放電が起こらず皮膜が200nm程度の薄い皮膜しか形成できず、耐食性が劣ることになるからである。
また、上記電圧までは、一定の電流密度で上昇させることが好ましい。
また、更に、上記酸化皮膜が形成された部材は、大気下において、150℃〜500℃で加熱することが好ましい。形成された酸化皮膜をより緻密なものとして、耐食性を向上させることができるからである。尚、上記範囲とした理由は、150℃未満であると酸化が促進されず、500℃を超えるとエネルギーを消費するだけで大きな効果は望めないためである。
また、筐体10は、鍛造成型又は鋳造成型により得るようにしてもよい。金属製のブロックからの削り出し成型よりも製造コストが安く、しかも、溶接部からの放出ガスをなくすことができ、また、内部流路のシール性を高めることができるからである。
鍛造成型の場合には、工程を簡略化するために、上記切削加工で説明した箱体と、ピストンロッド14の通孔16が設けられた上壁10hを構成する板材とを別体として成型することが好ましい。また、工程を簡略化するために、筐体10内部はアンダーカットのない形状とすることが好ましい。
また、更に、図3に示すように、前記箱体を、板金加工により形成してもよい。この場合、同図(a)で示される一枚の平板25、或いは、一本の管から、同図(b)〜(g)に示すようにして、プレス加工や油圧等液体によるバルジ成型加工により形成することができる。
詳細には、同図(b)で示されるように、断面形状が円形、楕円形又は四角形状の型を使用して浅めの絞り加工を行い、同断面形状の型により深く絞り(同図(c))、ボルト孔24,26のタップとなる有底の下孔24a,26aをバーリング加工により成型し(同図(d))、下孔24a,26aの内周面にタップを形成し(同図(e))、内周に開口側からCリング用溝28及びOリング用溝29を機械加工により形成し、更に、弁開口面11及び開口面18を機械加工により形成する(同図(f))。
その後、図2に示されるように、板材10fにピストンロッド14を挿通し、ピストンロッド14の先端部に弁体13を設けることにより構成された空気等で駆動されるシリンダユニットを箱体に装着して真空用バルブとなる。
尚、上記工程(d)においてタップ用の下孔26aは、筐体10の底面側からの押圧され延伸されて形成され、工程(f)で弁開口面11が打ち抜かれた際に、下孔26aのフランジ部25aを弁座12とすることが好ましい。工程を簡素化できるからである。
尚、図3(f)におけるCリング用溝28を設けることなく、図4に示すように、上壁10hを構成する板材をボルト締めするためのタップ30を、箱体のフランジに形成するようにしてもよい。
1 ピストンロッド
2 筐体
3 弁体
4 排気口
5 中空円筒体
6 開口面
10 筐体
10a筐体底面
10b筐体右側面
10u−1 底面の凹部
10u−2 右側面の凹部
10c底壁
10d側壁
10f側壁
10h上壁
11 開口面(弁開口面)
12 弁座
13 弁体
14 ピストンロッド
14aピストンロッドの鍔部
15 シール部材
16 通孔
17 シール部材
18 開口面(右側面)
19 ボルト
20 第2の開口面(第1の開口面と対向位置の開口面)
22 駆動機構
23 ボルト
24 ボルト孔
25 平板
26 ボルト孔
27 シール部材
28 Cリング用溝
29 Oリング用溝
30 タップ

Claims (7)

  1. 直方体形状の筐体の少なくとも1面の中央部に凹部を設け、前記凹部の底面の中央部に開口面を設け、前記開口面の外周の外側に他の配管のフランジを固定するためのボルト孔を設けたことを特徴とする真空用バルブ筐体。
  2. 前記筐体の構成部材はアルミニウム又はアルミニウム合金のブロックを切削加工することにより得たものであることを特徴とする請求項1に記載の真空用バルブ筐体。
  3. 前記筐体をアルミニウム又はアルミニウム合金から構成し、前記筐体内に形成される流路表面をアノード酸化処理をしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の真空用バルブ筐体。
  4. 前記筐体は鍛造成型又は鋳造成型により得たものであることを特徴とする請求項1に記載の真空用バルブ筐体。
  5. 前記筐体は板金加工により得たものであることを特徴とする請求項1に記載の真空用バルブ筐体。
  6. 前記ボルト孔を板金加工により有底孔として形成する際に生じるフランジ部を弁座としたことを特徴とする請求項5に記載の真空用バルブ筐体。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載の真空用バルブ筐体から構成されることを特徴とする真空用バルブ。
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