JP2011055787A - プライマー固定化基板による標的核酸の特異的検出法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プライマー固定化基板による標的核酸の検出において非特異的反応を抑制する方法を提供する。
【解決手段】生物試料中の標的核酸を検出する方法であって、(1)プライマーを固定化した基板上に、標的核酸及び標識基質を含有しない、かつ未標識基質を含有する、核酸増幅用反応液と、核酸鎖伸長酵素とを添加し、該酵素が機能する温度にて基板を前処理する工程、(2)前処理後の基板上に、標的核酸、標識基質及び未標識基質を含有する核酸増幅用反応液と、核酸鎖伸長酵素とを添加し、該酵素が機能する温度にて標的核酸を鋳型とした固定化プライマーの伸長反応によって固相核酸合成を行う工程、並びに、(3)該標的核酸の合成鎖を検出する工程、を含むことを特徴とする方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、プライマー固定化基板による標的核酸の検出において非特異的反応を抑制する方法に関する。
生物試料中の標的核酸の検出法として、PCR,LAMP,ICAN,SMAP,NASBAなどの核酸増幅技術を使用した手法、サザン,ノザン,in situ等のハイブリダイゼーション技術などが知られている。このような革新的な技術であっても標的核酸を特異的に検出することは必ずしも容易なことではない。
例えば、LAMP法では、反応において副次的に生成されるピロリン酸マグネシウムによる濁度検出によって核酸合成反応の有無を確認する手法が提案されているが、このような副生成物による検出では、その検出シグナルが標的核酸配列増幅によるシグナルなのか、例えばプライマー同士の非特異的反応に由来するシグナルなのか、を判別する術がなく、このことは核酸検査の特異性の観点から大きな問題となる。また、この場合、低濃度検体からの検出には、濁度上昇までに比較的反応時間を要する場合が多いため、非特異的なシグナルを検出することも少なくない。
ハイブリダイゼーション技術では、標的核酸の相補的配列と類似したプローブが存在する場合に非特異的ハイブリダイゼーションが起こるという問題がある。プローブの選択は、標的配列と、複数の他の類似核酸配列との配列アラインメントをとり、同一でないかほとんど同一でない配列を選択することによって行われるが、無数に存在する配列のすべてを比較することは現実的に困難であるため、実際には標的配列と、それと関連する有限数の配列のみとが比較される。このため、予測できない非特異的なハイブリダイゼーションが起こることがある。
上記のような核酸増幅法で増幅した標的核酸自体を検出する手法としては、増幅産物を固相に特異的に固定化し、これをシグナル化することで検出する、ハイブリダイゼーションがよく使用されている。この場合、標的核酸の増幅反応と検出とを別々に行う必要があり、そのような二重の操作の煩雑さだけでなく、検出感度がしばしばハイブリダイゼーション効率に依存するために、十分なハイブリダイゼーション効率を得るために反応時間が数時間程度必要となることが問題としてある。
近年、そうしたハイブリダイゼーションに代替する新たな核酸検出法として、固相核酸合成法(MPEC(Multiple Primer Extension on a Chip))が高感度かつ迅速な検出技術として注目されている。しかしながら、この方法であっても、固相プライマー伸長による検出では高密度に固定化したプライマー同士の非特異的反応が起こる可能性が高いため、標的核酸を鋳型にした伸長反応に由来するシグナルのみを特異的に検出することは著しく困難である。これまで、非特異的な反応が生じにくいプライマーを選定することでこの課題を回避してきたが、これは結果的にプライマーとして利用可能な配列を制限することにもなり、検査技術の汎用性を著しく損ねるものである。
本発明は、前述の非特異的反応に由来する検出シグナルの発生を抑制する手法、及び、非特異的反応を予め抑止した反応場を用いた核酸検査に関するものであるが、本発明と関係する先行技術文献を挙げるとすれば、以下のものが例示されうる。
非特許文献1には、PCR反応に用いる一対のプライマーを固定化した基板において、固相のみでの核酸増幅反応を行う方法について記載されているが、固定化したプライマーを用いた反応の効率の悪さから低濃度試料からの検出において液相PCRと同等の感度を得ることは困難である。
MPEC法は、特許文献1に記載されている。この方法を用いた核酸検出の感度は試料中の標的核酸濃度によって影響を受けるため、低濃度試料からの標的核酸配列検出には、予め標的核酸を増幅して、試料中の標的核酸濃度を高めておく必要がある。
核酸増幅(液相反応)と固相核酸合成法とを組み合わせた方法は、非特許文献2に記載されている。この文献には、PCRとMPEC反応を同一反応場において行うことで、核酸増幅から固相化までの一連の反応を同期化することが可能であるとしている。また、核酸増幅にはPCRを採用している。
特開2007-105057号公報
C. Adressi et al., Nucleic Acids Research, 28(20), e87, 2000 Y. Anzai et al., J. Health Sci., 54(2), 229-234, 2008
増幅産物を鋳型としてプライマーの固相伸長によって標的核酸を検出する手法において、近接する固相プライマー同士の反応に伴う標識基質取込みによる非特異的シグナルが該手法の検出再現性や感度を低下させる要因となっていた。これは、検出シグナルに色素等を用いて目視で判定する場合において特に顕著である。
本発明の目的は、標的核酸及び標的基質を含まない反応組成において予め固相プライマー同士の非特異的反応を行い、標的核酸を鋳型とした核酸合成のみが可能なプライマーの存在する反応場を提供することである。
本発明は、要約すると、以下の特徴を有する。
本発明は、その態様において、生物試料中の標的核酸を検出する方法であって、
(1)プライマーを固定化した基板上に、標的核酸及び標識基質を含有しない、かつ未標識基質を含有する、核酸増幅用反応液と、核酸鎖伸長酵素とを添加し、該酵素が機能する温度にて基板を前処理する工程、
(2)前処理後の基板上に、標的核酸、標識基質及び未標識基質を含有する核酸増幅用反応液と、核酸鎖伸長酵素とを添加し、該酵素が機能する温度にて標的核酸を鋳型とした固定化プライマーの伸長反応によって固相核酸合成を行う工程、並びに、
(3)該標的核酸の合成鎖を検出する工程、
を含むことを特徴とする方法を提供する。
本発明の実施形態において、工程(2)の核酸増幅用反応液に、標的核酸を増幅するための複数種のプライマーがさらに含まれる。
本発明の別の実施形態において、標的核酸が等温核酸増幅法によって増幅される。
本発明の別の実施形態において、等温核酸増幅法がLAMP法、ICAN法、SMAP法又はNASBA法である。
本発明の別の実施形態において、核酸鎖伸長酵素が、耐熱性のDNAポリメラーゼ、DNAリガーゼ、RNAポリメラーゼなどである。
本発明の別の実施形態において、合成鎖の検出を、蛍光測定又は酵素活性の測定によって行う。
本発明により、プライマーを固定化した基板上で固相核酸合成及び、必要に応じて、核酸増幅を行い、生物試料中の標的核酸を検出する分析系において、近接する固相プライマー同士の反応に伴う非特異的反応をほぼ完全に抑制することが可能になり、これによって、低濃度の標的核酸であっても再現性よくかつ高い感度で検出することができる。
この図は、前処理における基板上での固定化プライマーの反応メカニズムを示す。(A-1)に、プライマー固定化後の基板を示した。プライマーの固定化は反応効率から可能な限り高密度であることが望まれるが、高密度に固定化した場合には、図の中央に示すように、固定化プライマー同士が接触可能な程に近接する可能性がある。仮に、こうした近接するプライマー配列の一部が相補な関係にある場合、(A-2),(A-3)に示すようなプライマー同士の非特異な核酸合成反応が起きる。この際、核酸合成基質に標識基質が含まれる場合、この非特異な核酸合成反応がシグナル発生の由来になりうる。前処理工程では、標識基質および標的核酸を含まない反応組成において上記反応を行うものである。 この図は、上記前処理済み基板を用いた核酸合成及び検出工程に関する。 (B-1)には、液相でのLAMP反応によって増幅される標的核酸配列を含むLAMP増幅産物およびそれを鋳型に伸長する固定化プライマーについて示した。この際、前処理工程において反応したプライマーは合成反応を生じない。よって、この反応の際にはじめて、標識基質を添加して反応を行えば、(B-2)に示すようにLAMP産物を鋳型とした特異的な反応のみを検出することが可能となる。 この図は、標的核酸を含む反応液による検出シグナルの測定値と、標的核酸を含まない反応液による検出シグナル測定値(ブランク)を、前処理を行った系、前処理を行わなかった系についてそれぞれ示す(A)。測定値は、各系3回の実験により得られた計測値の平均値である(B)。前処理を行わなかった系では非特異な検出シグナルが発生し、目視のみでの判定は困難だが、一方、前処理を行った系では非特異シグナルが発生しない。このため、検出シグナルの色の濃淡で判定を行う必要がなく、シグナルの有無によって目視判定が可能である。 この図は、実施例1の実験での目視判定結果を示す。標的核酸濃度は、A:1.78×104, B: 1.78×103, C: 1.78×102, D: 1.78×101, E: 0 copies /reactionとした。 この図は、実施例1における液相反応産物の電気泳動像を示す。A〜Eは、図3と同じである。Mは分子量マーカーを示す。
本発明の方法は、同一反応系内において、液相で標的核酸配列の増幅反応を行い、かつ同時に、固相上で同じ配列を合成し、この固相上の合成鎖を検出する方法において、プライマーを固定化した基板上に、標的核酸及び標識基質を含有しない、かつ未標識基質を含有する、核酸増幅用反応液と、核酸鎖伸長酵素とを添加し、該酵素が機能する温度にて基板を前処理することを特徴とする。
本発明の原理は、図1A及び図1Bに記載されている。固相上にプライマーを高密度に固定化したとき、固定化プライマー同士が接触可能な程に近接しているプライマー配列の一部が相補な関係にある場合に、図1Aの(A-2)及び(A-3)に示すようなプライマー同士の非特異な核酸合成反応を予め起こすことによって、図2に示すようにそのような非特異的反応に基づく検出シグナルの量を著しく減少させることが可能になる。
本発明の方法を、以下に詳細に説明する。
本発明において、標的核酸が含まれる生物試料は、原核生物及び真核生物由来のいずれの試料でもよい。生物試料は、標的核酸が含有されている限り制限はないが、例えば、微生物、動物及び植物由来の細胞、組織、体液、滲出液、抽出液、などを含む。ここで、細胞は、試料から直接採取された細胞、培養細胞、継代細胞、株化細胞などのいずれでもよいし、また、哺乳動物細胞であれば正常細胞又は疾患細胞でもよい。疾患細胞は、障害されている細胞であり、それが原因で臓器、器官等の組織の障害を引き起こしているような細胞である。例えば、疾患細胞には、炎症のある臓器や器官由来の細胞、悪性又は良性腫瘍細胞、遺伝子変異のある造血系細胞、などが含まれる。
生物試料から核酸を得るためには、DNA又はRNAを抽出するための一般的な手法が用いられる。また、今日ではDNA又はRNA抽出キットが市販されているので、そのようなキットを使用すると便利である。
DNA又はRNAの抽出は、細胞又は組織の破壊上清、体液又は滲出液の低浸透圧処理後の上清などを、DNAの場合、例えばフェノール/クロロホルム、ISOGEN/クロロホルム/エタノール等、RNAの場合、例えばグアニジウムチオシアネート/フェノール/クロロホルム、ISOGEN(ニッポンジーン社)/クロロホルム/イソプロパノール等によって処理することによって行うことができる。
標的核酸は、上記の細胞、組織、体液、滲出液、抽出液等に含有される任意の核酸であり、制限はない。例えば、それはヒト由来の核酸であり、疾患(遺伝病を含む)や発病リスクに関係する遺伝子変異、遺伝子多型などを含む核酸、検査に関係する核酸、などである。遺伝子多型のなかで一塩基多型(SNP; Single Nucleotide Polymorphism)は、疾患易罹患性や薬剤反応性に関連する遺伝子を探索する際の有用なマーカーになりうることが知られている。検査に関係する核酸は、例えば、動物や植物の病原体(例えば、ウイルス、細菌、菌類など)、飲食品、水等の汚染菌などの微生物に由来する核酸である。
上記核酸には、DNA及びRNAが含まれ、それらは、場合により化学修飾されていてもよい。DNAには遺伝子、cDNA、ゲノムDNAなどが含まれる。また、RNAにはmRNA、rRNA、aRNAなどが含まれる。RNAは、分析にかける前に、cDNA等のDNAに変換されてもよい。
さらにまた、標的核酸の量が微量である場合には、予め、PCR法などの核酸増幅法によって増幅されてもよい。
本発明の方法は、上記のとおり、第1から第3の3つの工程を含む。
(第1工程)
第1の工程は、プライマーを固定化した基板上に、標的核酸及び標識基質を含有しない、かつ未標識基質を含有する、核酸増幅用反応液と、核酸鎖伸長酵素とを添加し、該酵素が機能する温度にて基板を前処理する工程である。
この工程では、はじめに、プライマーを固定化した基板を準備する。
基板は、ガラス、シリカ、セラミック、ポリマー、セルロース、ニトロセルロースなどの硬質又は準硬質の材質からなり、平面、球状、凹凸などの任意構造の形状からなる。ポリマーは、好ましくは樹脂またはプラスチックであり、例えばポリスチレン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、フッ化ポリビニリデン(PVDF)などのポリマーからなる。基板の表面には、核酸であるプライマーを固定するために化学的な表面処理が施されていることが好ましい。このような表面処理は、例えば、アミノ基、マレイミド基、スクシンイミド基、メルカプト基、水酸基、カルボキシル基、酸ハロゲン化物、ハロゲン、イソチオシアネート基、塩化スルフォニル基、ホルミル基などの化学官能基を基板の表面に結合させることによって行われる。核酸アレイ用の基板の処理でよく知られる処理剤には、例えばポリリジン(特開2001-186880号公報)、シランカップリング剤/EMCS [N-(6-Maleimidocaproyloxy) succinimide]、アビジンもしくはストレプトアビジン((Sosnowski, R.G. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94:1119-1123 (1997))などが含まれる。あるいは、別の例として特開2007-105057号公報に記載されるような、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第1単位と電子吸引性置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第2単位とを含む高分子物質である。このような高分子物質で処理された基板(ウエル)は市販されている(住友ベークライト/DNAチップ研究所;S-Bio(登録商標) Prime SurfaceTM)。
上記の基板に固定化されるプライマーは、少なくとも、標的核酸配列に特異的に結合可能な(もしくは、アニーリング可能な)配列を含み、これによって標的核酸配列を鋳型にして核酸増幅/DNA合成を可能にする。プライマーのサイズは、増幅が可能な限り制限されないが、通常、10〜50塩基長、好ましくは15〜40塩基長、より好ましくは、20〜30塩基長である。
プライマーの種類や数は特に制限されないものとし、少なくとも標的核酸配列に特異的に結合可能な(もしくは、アニーリング可能な)配列を含むのでよい。また、一般にプライマー設計では理論的なプライマー設計条件だけでは対応仕切れない場合も多く、そうして設計されたプライマーには互いに相補的な配列部分を有するプライマー類が含まれることもある。したがって固定化プライマーにそのようなプライマー類が含まれるときに、本発明の方法が有利に使用されうる。
プライマーは、基板表面に共有結合によって、又は非共有結合によって結合される。プライマーの5'末端が基板に結合されることによって、プライマーが鋳型に正しくアニーリングし、核酸基質の存在下で5'→3'方向に核酸合成を起こす。プライマーの5'末端にはリン酸基が存在するので、塩基性官能基、水酸基、メルカプト基、マレイイミド基、スクシンイミド基などとの結合を可能にする。あるいは、5'デオキシリボース基又は5'塩基(アデニン、グアニン、チミジン/ウラシル、又はシトシン)を、基板表面に結合しうるような化学官能基で修飾することができる。必要に応じて、プライマーと基板との間にスペーサー基を介在してもよく、これによってプライマーと鋳型とのアニーリングが容易になると考えられる。スペーサー基は、例えば、化学官能基を有する、置換又は未置換のC3〜C8炭化水素鎖などである。基板表面にアビジンもしくはストレプトアビジンをコートする場合には、プライマーの5'末端側にビオチンを結合することによって、プライマーと基板とが非共有結合を介して容易に結合する((Sosnowski, R.G. et al.,上記)。
プライマーを基板表面に結合する手法としては、例えば公知の、スポッティング方式、ドット方式、インクジェット方式、ピン方式などの方法が挙げられる(例えば、Lamture, J B. et al. Nucl. Acids Res., 22:2121-2125 (1994);Guo, Z. et al., Nucl. Acids Res., 22:5456-5465 (1994); 特開2001-116750号公報;特開2001-186881号公報;米国特許第5,807,5223号;特開2001-186880号公報;国際公開第WO 03/038089号など)。あるいは、別の手法として、フォトリソグラフィ方法も知られている(米国特許第5,143,854号;米国特許第5,489,678号;国際公開第WO 94/10128号;Pease et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 91:5022-5026(1994)など)。本発明では、上記のような公知の手法を用いて、基板にプライマーを固定化することができる。
本発明の方法において、第1工程は非常に重要である。なぜなら、この工程によって、基板上のプライマー同士で起こる非特異的反応、それにより生じる非特異的シグナルの発生を著しく抑制することができるからである。具体的には、プライマー固定化基板上に、標的核酸及び標識基質を含有しない、かつ未標識基質を含有する、核酸増幅用反応液と、核酸鎖伸長酵素とを添加し、該酵素が機能する温度にて基板を前処理する。
核酸増幅用反応液は、例えばPCR法、LAMP法、SMAP法、NASBA法などの核酸増幅法で一般的に使用されるような反応液であるが、ただし、該反応液には標的核酸及び標識基質が含有していない。核酸増幅用反応液には、少なくともバッファー、核酸鎖伸長酵素、酵素用未標識基質(例えば、dNTP(ここで、N=C, G, A, T, U))などが含まれる。核酸増幅用反応液にはさらに、マグネシウム塩(例えばMgSO4)、界面活性剤(例えばTween20)、ベタイン(Betaine)などを含有させることができる。このような反応液は、第2工程でも使用されるが、該第2工程における反応液にはさらに標的核酸と標識基質、及び必要に応じて複数種の遊離プライマー、が存在する点で異なる。
基質の標識は、制限されないが、例えば蛍光標識(例えばローダミン、フルオレサミン、ダンシル、シアニン、それらの誘導体など、例えばCy3、Cy5、フルオレサミンイソチオシアネート(FITC)、スルホローダミン、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)など)、酵素(例えばアルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼなど)、放射性同位体(例えば125I、131I、32P、90Y、111In、47Sc、67Cu、99mTcなど)、ビオチン、ジゴキシゲニン(DIG)などを含む。該ビオチンはビオチン標識dUTPの形態で使用され、合成鎖に取り込まれたビオチンに対し、酵素標識ストレプトアビジンが結合される。
バッファーは、例えばトリス(Tris)バッファー、リン酸バッファーなどであり、pHとしては、8.0以上9.0未満の範囲が好適であるが、通常、使用する酵素の至適pHを選択すればよい。
核酸鎖伸長酵素は、PCR法、LAMP法、SMAP法、NASBA法などの核酸増幅法で使用されるような耐熱性酵素であり、例えば耐熱性の、DNAポリメラーゼ、DNAリガーゼ、RNAポリメラーゼなどである。DNAポリメラーゼには、DNA依存性DNAポリメラーゼ、RNA依存性DNAポリメラーゼなどが含まれる。このような酵素は、市販酵素、又は文献記載の方法によって天然から完全にもしくは部分的に精製された酵素である。
耐熱性DNAポリメラーゼには、例えばTaq DNAポリメラーゼ、Pfu DNAポリメラーゼ、Tth DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼなどが含まれる。DNAポリメラーゼにはさらに、RNA依存性DNAポリメラーゼ、例えば好熱性細菌サーマス・カワライェンシス(Thermus kawarayensis)由来の耐熱性DNAポリメラーゼ(特開2007-104909号公報)などが含まれる。
耐熱性DNAリガーゼには、例えば超好熱始原菌Aeropyrum pernix(アエロパイラム・ペルニックス)由来超好熱性DNAリガーゼ(特開2004-248636号公報;Wako(カタログNo. 294-64201))などが含まれる。
RNAポリメラーゼには、例えばT7 RNAポリメラーゼ、変異型T7 RNAポリメラーゼ(特開2009-136153)が含まれる。
第1工程での基板の前処理では、遊離プライマーの非存在下で、約50〜約100℃、好ましくは約60〜約80℃、より好ましくは約60〜70℃の定温条件に少なくとも約30分、好ましくは少なくとも約60〜70分の時間、反応液を静置する。これによって相補的関係にある固定化プライマー同士の非特異的反応を行い、このような反応に起因した第2工程での非特異的シグナルの発生を回避することができる。
(第2工程)
この工程では、前処理後の基板上に、標的核酸、標識基質及び未標識基質を含有する核酸増幅用反応液と、核酸鎖伸長酵素とを添加し、該酵素が機能する温度にて標的核酸を鋳型とした固定化プライマーの伸長反応によって固相核酸合成を行う。
標的核酸、標識基質、未標識基質、核酸鎖伸長酵素は、第1工程で説明したのと同様である。核酸増幅用反応液は、標的核酸、標識基質、及び必要に応じて複数種の遊離プライマー、をさらに含有する点で第1工程の反応液と異なる。
遊離プライマーを反応液に含有させるときには、反応系内で標的核酸の増幅と、基板(固相)上での核酸合成とがほぼ同時に起こる。標的核酸が極微量で存在するときには、このような方法が有利であり、1つの系(すなわち、ワンポット(one pot))で標的核酸が増幅される。
固定化プライマーを使用する核酸伸長は、例えばMPEC(Multiple Primer Extension on a Chip)法(特開2007-105057号公報)として知られているが、本発明では、固相での核酸合成と核酸増幅とを組み合わせて1つの系で行うことによって、また第1工程を組み合わせることによって、非特異的反応を著しく抑制し、高い感度、高い精度で、標的核酸を検出することを可能にする。
MPECによる固定化プライマー伸長を行うときには、固相表面にリン脂質と同様の環境を設けることで細胞内と同様の環境下で行うため、固相核酸合成をよりマイルドな条件で行うことが可能である(特開2007-105057号公報)。具体的には、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第1単位と電子吸引性置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第2単位とを含む高分子物質を有する基板をプライマー基板として用いることで、固相核酸合成に最適な反応条件を得ることができる。
核酸増幅は、PCR法、LAMP法、ICAN法、SMAP法、NASBA法などの核酸増幅法で行うことができる。そのため、核酸増幅用反応液、核酸鎖伸長酵素、及びその他の反応条件(pH、温度、バッファー、反応時間、サイクルなど)は、上記のいずれかの方法で慣用されるような反応条件を好ましく使用できる。液相での標的核酸の増幅方法に関して、後述の実施例ではLAMP反応に特化して記載しているが、本発明の方法は、それに限定されるものではなく、PCR、ICAN、SMAP、NASBA等のいずれの核酸増幅法にも適用可能である。好ましい核酸増幅法は、装置の簡易化の点で、LAMP法、ICAN法、SMAP法、NASBA法などの等温核酸増幅法である。
PCR(Polymerase Chain Reaction)法は、変性、アニーリング及び伸長を1サイクルとして約20〜45サイクルからなる。変性では、二本鎖DNAを約94℃の高温で約1〜5分程度処理し解離させる。アニーリングでは、約50〜65℃の温度、約10〜60秒の時間で一本鎖DNAにプライマーを結合させる。伸長では、約70〜80℃の温度、約30秒〜約10分の時間処理し、一本鎖DNAを鋳型にしてDNAを合成、増幅する。PCRでは、温度と時間のコントロールが必要になるため、サーマルサイクラー(thermal cycler)の使用が望ましい場合もある。PCR法は、例えばSaiki, R.K. et al., Science, 230:1350-1354 (1985); Mullis, K and Faloona, F., Meth. Enzymol., 55:335-350 (1987); Innis, M.A. et al., eds. PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, Academic, N.Y., 1990; Ausubel, F.M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y., 1991などに記載されている。
LAMP(Loop-mediated isothermal amplification)法では、4種類のプライマーが必要とされ、それらが6箇所の領域を認識することにより、標的核酸の増幅が可能になる(国際公開第WO 00/28082号)。4種類のプライマーは、FIPプライマー、F3プライマー、B3プライマー、BIPプライマーである((注)プライマーの命名は栄研化学による(http://loopamp.eiken.co.jp/lamp/primer.html))。この方法では、PCR法におけるような変性反応が不要であり、まず、第1のプライマーが鋳型鎖にアニーリングして伸長反応が起こり、つぎに、第1のプライマーよりも上流側に設計された第2のプライマーによる鎖置換反応により第1のプライマーによる伸長鎖が分離する。このときに、剥ぎ取られた第1のプライマー伸長産物の構成に起因して伸長鎖の5'末端部分でステムループ構造が形成される。これと同様の反応が二本鎖核酸のもう一方の鎖、もしくは、剥ぎ取られた第1のプライマー伸長産物の3'末端側についても行われ、これらの反応が繰り返されることによって標的核酸が増幅される。この方法では、プライマー伸長鎖に対する相補鎖合成により3'末端においてステムループ構造を形成する増幅産物が得られ、その3'末端を合成起点とする相補鎖合成が連続して生じるため、多くの標的核酸配列がプライマー配列を介して連結された長い増幅産物が得られる。LAMP法では、約55〜65℃の範囲の温度による等温核酸増幅が行われる。DNAポリメラーゼとして、鎖置換型DNAポリメラーゼ、例えばBst DNAポリメラーゼ、が使用される。等温核酸増幅であるため、サーマルサイクラーなどの装置を必要としないため、簡易化を目的とする本発明では、LAMP法は好ましい核酸増幅法の1つである。
ICAN(Isothermal and Chimeric primer-initiated Amplification of Nucleic acids)法は、等温遺伝子増幅法の1つであり、キメラプライマーが鋳型と結合した後、DNAポリメラーゼにより相補鎖が合成され、その後、RNase Hがキメラプライマー由来のRNA部分を切断し、切断部分から鎖置換反応と鋳型交換反応を伴った伸長反応が起きるこの反応が繰り返し起こることにより遺伝子が増幅される(特表平11-509406号公報;特開2002-233379号公報)。この方法は、DNA-RNAキメラプライマー対を使用すること、LAMP法と同様に変性反応を要しないことなどの特徴を有する。
SMAP(SMart Amplification Process)法は、国際公開第WO2005/063977号に記載される等温核酸増幅法の1つであり、国際公開第WO2004/040019号に記載のループ形成プライマーと、相互に相補的な配列を一本鎖上に連結した折り畳み配列を5'末端部分に含む折り畳みプライマーとからなるプライマー対が用いられ、この方法では、プライマー伸長鎖に対する相補鎖合成により3'末端においてステムループ構造又は折り畳み構造を形成する増幅産物が得られ、その3'末端を合成起点とする相補鎖合成が連続して生じるため、多くの標的核酸配列がプライマー配列を介して連結された長い増幅産物が得られる(特開2007-325534号公報)。
NASBA(Nucleic Acid Sequence-Based Amplification)法は、転写反応を利用したRNA特異的な等温核酸増幅法である(特許第3241717号;特許第2650159号; Compton J. et al., Nature, 350(6313):91-92 (1991); Romano J.W. et al., Clinics Laboratory Medicine, 16(1):89-103 (1996))。この方法によれば、41℃の温度で、3種類の酵素(逆転写酵素(AMV-RT)、RNA分解酵素(RNase H)、RNA合成酵素(T7 RNAポリメラーゼ))、鋳型特異的な2種のプライマーの共同作用によって、鋳型RNAに相補的な一本鎖アンチセンスRNAが増幅産物として得られる。
本発明の方法で、上記の核酸増幅法を実施するときには、上記文献に記載の反応条件(プライマーの選択、酵素、バッファー(pH)、温度、時間など)を利用することができる。
(第3工程)
この工程では、第2工程で基板上にて合成された、上記標的核酸の合成鎖を検出する。ここで、鋳型としての該標的核酸は、第2工程内で核酸増幅法で増幅された、標的核酸の増幅産物であってもよい。
該基板上の合成鎖には、標識が結合されているため、例えば標識が蛍光標識であれば蛍光の存在又は蛍光強度の測定によって、標的核酸を検出することができる。同様に、標識が放射性標識であれば放射能を測定することによって標的核酸の検出が可能である。
あるいは、標識がビオチンであれば、上述のように酵素結合ストレプトアビジンを該ビオチン標識に結合し、酵素に対する基質を添加し酵素活性により発色させて標的核酸を検出してもよい。このような酵素標識は、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼなどの上記例示の酵素類である。β-ガラクトシダーゼの基質は、例えば1,2-ジオキセタン化合物(特許第3365517号)などであり、アルカリホスファターゼの基質としては、例えばニューフクシン発色基質、BCIP/NBT、ファーストレッド発色基質などが挙げられる。西洋ワサビペルオキシダーゼの基質としては、例えば3,3'-5,5'-テトラメチルベンジジン(TMB)などが挙げられる。検出は、発色に基づく吸光度の測定によって行うことができる。
合成鎖がRNAである場合には、例えばインターカレーターを用いて増幅産物を検出することができる。
本発明の方法は、標的核酸を簡易にかつ特異的に検出することを特徴とするため、等温核酸増幅方法による核酸増幅と核酸合成、並びに、発色法による合成鎖の検出を組み合わせることによって、簡単な設備のみでかつ目視によって結果を判定することを可能にする。
本発明を以下に実施例を挙げて説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例によって制限されないものとする。
(実施例1)
以下に,本発明による核酸検出までの実験手順を示す。
1. プライマーの固定化
5'末端にNH2が修飾されたループプライマー(LF)を20μMまで炭酸バッファーで希釈したプライマー溶液と,2 ×固定化バッファー(住友ベークライト)を等倍量で混和し、この溶液をピペットで1μL/スポット(10pmol)ずつPrimer Surface DNA固定化用ウェル(住友ベークライト)にスポットした。スポットしたウェルは80℃のインキュベータ内に1時間静置し、プライマーをウェル表面に固定化した。固定化後、ブロッキングバッファー(住友ベークライト)を300μL/ウェル注入し、5分間静置することで未反応基をブロッキングした。
2. 基板の前処理
プライマー固定化ウェルに、標的核酸を含まない反応液1を注入し、63℃の等温条件下において60分間静置した。これにより、固定化プライマー同士の非特異反応を予め行うことで、標的核酸を鋳型とした伸長反応のみ可能な固定化プライマーのみとし、以降の核酸の増幅及び検出におけるこの非特異反応由来の検出シグナルの影響を排除した。
3. 核酸の増幅反応及び検出
上記2.の処理をしたプライマー固定化ウェルに標的核酸(1.78×104 DNA copies/reaction)(ノロウイルスG2由来;配列番号1)を含む反応液2を注入し、63℃等温条件下において90分間静置した。反応液中の増幅用プライマーセットによる標的核酸の増幅と同時に、固定化したプライマーの伸長によって固相に標的核酸配列を合成する。この核酸合成反応に用いるdNTPとしてdTTPの代わりにビオチン標識dUTP(コスモバイオ)を用いれば、合成鎖にビオチンが取込まれる。
反応後ウェルはPBSで洗浄後、固相に合成された標的核酸配列に取込まれたビオチンに対して牛血清アルブミン(PBS中)で500倍希釈したアルカリホスファターゼ標識ストレプトアビヂン(KPL)を特異的に結合させ、アルカリホスファターゼとBCIP-NBT基質(KPL)との反応に伴う色素沈着を検出シグナルとして、固相の核酸合成鎖を検出した。結果を図2〜図4に示した。
4. 検出シグナルの数値化
検出シグナルは、イメージスキャナ(キャノン製,PIXUS MP470)でパソコンに取り込み、画像解析ソフト(住友ベークライト製, DNAアレイ解析ソフト)で発色強度を数値化した。
なお、上記の実験で使用した標的核酸、プライマー(固定化用、増幅用)及び反応液は以下のとおりである。
(標的核酸配列)
上記実験で使用した配列は下記の配列だが、GenBank登録番号AB058555(Norwalk virus),AB039781(Norwalk-like virus)等の配列についても同様の検出結果が得られた。
Figure 2011055787
(固定化プライマー配列)
LF1: GTGCTCARATCWGARAACCTC(配列番号2)
LF2: GTGCTGAGGTCWGARAATCTC(配列番号3)
LF3: GTGCTCAAATCTGAGAATCTC(配列番号4)
LF4: GTGCTCAAGTCTGAGAAYCTC(配列番号5)
(増幅用プライマーセット)
FIP1: GGGAGCMAGATTGCGATCGCTTTTGAGBCNATGTTYAGRTGGAT(配列番号6)
FIP2: GGGAGCMAGATTGCGATCGCTTTTGAGCCCATGTTCAGRTGGAT(配列番号7)
FIP3: GGGAGCGAGATTGCGATCGCTTTTGAGTCAATGTTYAGGTGGAT(配列番号8)
BIP1:TGTGAATGAATGAAGATGGCGTCGTTTTCTCATTRTTRVTCTCTGGBACGAG(配列番号9)
BIP2:TGTGAATGAATGAAGATGGCGTCGTTTTCTCATTRTTGCYCTCTGGYACGAG(配列番号10)
BIP3:TGTGAATGAATGAAGATGGCGTCGTTTTCTCATTGTTGAYCTCTGGKACGAG(配列番号11)
BIP4:TGTGAATGAATGAAGATGGCGTCGTTTTCTCATTRTTACTTTCTGGCACGAG(配列番号12)
F3:GGNMTGGANTTTTAYGTGCCMAG(配列番号13)
B3:CCRCCNGCATRHCCRTTRTACAT(配列番号14)
(反応液1)
表示の濃度は、終末濃度で記載している。
20mM Tris-HCl (pH: 8.8), 10mM KCl, 8mM MgSO4, 10mM (NH4)2SO4, 0.1% Tween20, 0.8M Betaine, 1.4mM dNTPs(dATP,dTTP,dGTP,dCTP), 8.0U Bst DNAポリメラーゼ。
(反応液2)
表示の濃度は、終末濃度で記載している。
20mM Tris-HCl (pH: 8.8), 10mM KCl, 8mM MgSO4, 10mM (NH4)2SO4, 0.1% Tween20, 0.8M Betaine, 1.4mM dNTPs(dATP, dGTP,dCTP),1.3mM dTTP, 0.1mM dUTP-Biotin, 8.0U Bst DNAポリメラーゼ, 40pmol FIP1,BIP1, 20pmol FIP2, FIP3, BIP2, BIP3, BIP4。
本発明は、生物試料中の標的核酸を検出する方法に関し、標的核酸を簡易にかつ特異的に検出することを可能にするため、核酸の検出を必要とする医療、食品、農業などのあらゆる分野で利用しうる。等温核酸増幅法を利用する場合にはサーマルサイクラーなどの増幅装置を必要としないし、また発色系を利用する場合には蛍光検出器も必要でないため、検出コストの低減に導くことから、本発明の方法は、特別な設備のない現場でも使用できるという利点がある。
配列番号2〜14:プライマー

Claims (6)

  1. 生物試料中の標的核酸を検出する方法であって、
    (1)プライマーを固定化した基板上に、標的核酸及び標識基質を含有しない、かつ未標識基質を含有する、核酸増幅用反応液と、核酸鎖伸長酵素とを添加し、該酵素が機能する温度にて基板を前処理する工程、
    (2)前処理後の基板上に、標的核酸、標識基質及び未標識基質を含有する核酸増幅用反応液と、核酸鎖伸長酵素とを添加し、該酵素が機能する温度にて標的核酸を鋳型とした固定化プライマーの伸長反応によって固相核酸合成を行う工程、並びに、
    (3)該標的核酸の合成鎖を検出する工程、
    を含むことを特徴とする、前記方法。
  2. 工程(2)の核酸増幅用反応液に、標的核酸を増幅するための複数種のプライマーがさらに含まれる、請求項1に記載の方法。
  3. 標的核酸が等温核酸増幅法によって増幅される、請求項2に記載の方法。
  4. 等温核酸増幅法がLAMP法、ICAN法、SMAP法又はNASBA法である、請求項3に記載の方法。
  5. 核酸鎖伸長酵素が、耐熱性の、DNAポリメラーゼ、DNAリガーゼ、又はRNAポリメラーゼである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 合成鎖の検出を、蛍光測定又は酵素活性の測定によって行う、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
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