JP2011055693A - 駆動装置 - Google Patents

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Kazuhito Hayashi
和仁 林
Hichirosai Oyobe
七郎斎 及部
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Abstract

【課題】d軸およびq軸の電流指令をより適正に設定して同期電動機をより適正に駆動制御する。
【解決手段】最適ラインと損失増加ラインとの間での制御用ラインの変更に伴ってd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を変化させる際には、開始時実効値Irms0から目標実効値Irmstagに向けて変化レートΔIrmsずつ変化させて制御用実効値Irms*を設定し(S130,S180)、設定した制御用実効値Irms*とトルク指令Tm*と制御用電流角度θi*とに基づいて制御用電流角度θi*を設定し(S140)、制御用実効値Irms*と制御用電流角度θi*とに対応するd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定してモータを駆動制御する(S150,S160)。
【選択図】図3

Description

本発明は、駆動装置に関する。
従来、この種の駆動装置としては、3相交流モーターと、直流電源の直流電力を交流電力に変換してモーターに供給するインバーターと、を備え、モーターのトルク指令値と回転速度とに基づいてdq軸電流指令値を決定すると共に決定したdq軸電流指令値を用いてモーターを制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、逆転中のモーターを正転させる場合に、モーターが逆転している間は、モーターとインバーターとで発生する損失がモーターの回生電力よりも大きくなるようトルク指令値と回転速度とdq軸電流指令値との関係として定められた逆転用dq軸電流指令値のマップを用いてdq軸電流指令値を設定してモーターを制御することにより、バッテリーなどの回生電力を吸収できる機器を設置せずに、インバーターの直流電源側を過電圧にすることなくモーターの回生運転を行なうことができる、としている。なお、この装置では、モーターが正転しているときには、正転用dq軸電流指令値のマップを用いてdq軸電流指令値を設定してモーターを制御している。
特開2007−6666号公報
こうした駆動装置では、モーターをより適正に駆動制御することが重要な課題の一つとされている。このため、3相−2相変換を用いてモーター駆動制御する場合、dq軸電流指令値をより適正に設定することが望まれる。
本発明の駆動装置は、d軸およびq軸の電流指令をより適正に設定して同期電動機をより適正に駆動制御することを主目的とする。
本発明の駆動装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1の駆動装置は、
駆動軸に動力を入出力可能な同期電動機と、該同期電動機と電力をやり取りするバッテリと、前記バッテリの充電が制限される充電制限要求がなされていないときには前記同期電動機から出力すべきトルクとしてのトルク指令とd軸およびq軸を座標軸とするd−q座標系における前記d軸および前記q軸の電流指令を成分とする電流ベクトルとの関係である複数のトルク電流関係のうち第1トルク電流関係を制御用トルク電流関係として設定し前記充電制限要求がなされているときには前記複数のトルク電流関係のうち前記第1トルク電流関係よりも前記同期電動機の損失が増加する第2トルク電流関係を前記制御用トルク電流関係として設定する制御用トルク電流関係設定手段と、前記設定した制御用トルク電流関係に対して前記トルク指令を適用して前記d軸および前記q軸の電流指令を設定すると共に該設定したd軸およびq軸の電流指令を用いて前記同期電動機を駆動制御する制御手段と、を備える駆動装置において、
前記制御手段は、前記制御用トルク電流関係設定手段により設定される制御用トルク電流関係が変更されたとき、前記トルク指令と変更前の前記制御用トルク電流関係とに応じた前記電流ベクトルの大きさである開始時実効値から前記トルク指令と変更後の前記制御用トルク電流関係とに応じた前記電流ベクトルの大きさである目標実効値に向けて前記開始時実効値と前記目標実効値との差よりも小さい所定値ずつ変化させて制御用実効値を設定し、前記トルク指令と前記制御用実効値と制御用の前記電流ベクトルの前記q軸に対する角度である制御用電流角度との関係に対して前記トルク指令と前記設定した制御用実効値とを適用して前記制御用電流角度を設定し、前記設定した制御用実効値と制御用電流角度とに対応する前記d軸および前記q軸の電流指令を設定し、該設定したd軸およびq軸の電流指令を用いて前記同期電動機を駆動制御する、変化時制御を前記制御用実効値が前記目標実効値に至るまで実行する手段である、
ことを特徴とする。
この本発明の第1の駆動装置では、バッテリの充電が制限される充電制限要求がなされていないときには同期電動機から出力すべきトルクとしてのトルク指令とd軸およびq軸を座標軸とするd−q座標系におけるd軸およびq軸の電流指令を成分とする電流ベクトルとの関係である複数のトルク電流関係のうち第1トルク電流関係を制御用トルク電流関係として設定し充電制限要求がなされているときには複数のトルク電流関係のうち第1トルク電流関係よりも同期電動機の損失が増加する第2トルク電流関係を制御用トルク電流関係として設定する制御用トルク電流関係設定手段により設定される制御用トルク電流関係が変更されたときには、トルク指令と変更前の制御用トルク電流関係とに応じた電流ベクトルの大きさである開始時実効値からトルク指令と変更後の制御用トルク電流関係とに応じた電流ベクトルの大きさである目標実効値に向けて開始時実効値と目標実効値との差よりも小さい所定値ずつ変化させて制御用実効値を設定し、トルク指令と制御用実効値と制御用の電流ベクトルのq軸に対する角度である制御用電流角度との関係に対してトルク指令と設定した制御用実効値とを適用して制御用電流角度を設定し、設定した制御用実効値と制御用電流角度とに対応するd軸およびq軸の電流指令を設定し、設定したd軸およびq軸の電流指令を用いて同期電動機を駆動制御する、変化時制御を制御用実効値が目標実効値に至るまで実行する。したがって、制御用トルク電流関係が変更されたときには、開始時実効値から目標実効値に向けて所定値ずつ変化させて制御用実効値を設定し、制御用実効値とトルク指令と制御用電流角度との関係に対してトルク指令と設定した制御用実効値とを適用して制御用電流角度を設定し、設定した制御用実効値と制御用電流角度とに対応するd軸およびq軸の電流指令を設定して同期電動機を駆動制御するから、同期電動機から出力されるトルクが変動しないようにd軸およびq軸の電流指令を変化させることができる。この結果、制御用トルク電流関係の変更に伴ってd軸およびq軸の電流指令を変化させる際の同期電動機から出力されるトルクの変動を抑制することができる。即ち、d軸およびq軸の電流指令をより適正に設定して同期電動機をより適正に駆動制御することができる。
この本発明の第1の駆動装置において、前記所定値は、絶対値が前記同期電動機の駆動に用いられるインバータのキャリア周波数が低いほど小さくなる傾向の制限値以下となる値である、ものとすることもできる。こうすれば、キャリア周波数が低く制御性が低い場合でも、実際の実効値が目標実効値を超えてオーバーシュートしたりアンダーシュートしたりするのを抑制することができる。
本発明の第2の駆動装置は、
駆動軸に動力を入出力可能な同期電動機と、前記同期電動機から出力すべきトルクとしてのトルク指令とd軸およびq軸を座標軸とする制御用の電流ベクトルの大きさである制御用実効値と制御用の前記電流ベクトルの前記q軸に対する角度である制御用電流角度との関係が離散化されて定められたトルク実効値角度関係と前記トルク指令と制御用の制約とを用いて前記制御用実効値と前記制御用電流角度とを設定し、前記設定した制御用実効値と制御用電流角度とに対応する前記d軸および前記q軸の電流指令を設定し、該設定したd軸およびq軸の電流指令を用いて前記同期電動機を駆動制御する制御手段と、を備える駆動装置において、
前記トルク実効値角度関係は、一定の前記制御用実効値に対して、前記制御用電流角度の単位変化量に対する前記トルク指令の変化量である角度トルク変化率が大きいほど隣り合う2つの前記制御用電流角度の間隔が狭くなる傾向に離散化されて定められる関係である、
ことを特徴とする。
この本発明の第2の駆動装置では、同期電動機から出力すべきトルクとしてのトルク指令とd軸およびq軸を座標軸とする制御用の電流ベクトルの大きさである制御用実効値と制御用の電流ベクトルのq軸に対する角度である制御用電流角度との関係が離散化されて定められたトルク実効値角度関係とトルク指令と制御用の制約とを用いて制御用実効値と制御用電流角度とを設定すると共に設定した制御用実効値と制御用電流角度とに対応するd軸およびq軸の電流指令を設定して同期電動機を駆動制御するものにおいて、一定の制御用実効値に対して、制御用電流角度の単位変化量に対するトルク指令の変化量である角度トルク変化率が大きいほど隣り合う2つの制御用電流角度の間隔が狭くなる傾向に離散化してトルク実効値角度関係を定める。即ち、一定の制御用実効値に対して角度トルク変化率が大きいほど隣り合う2つの制御用電流角度の間隔が狭くなる傾向に離散化して定めたトルク実効値角度関係とトルク指令と制御用の制約とを用いて制御用実効値と制御用電流角度とを設定するのである。したがって、トルク指令と制御用の制約とに対応するポイント(以下、対応ポイントという)がトルク実効値角度関係が定められたポイント(以下、関係設定ポイントという)以外であって、対応ポイントに近い2つのポイントを用いた線形補間によって制御用実効値と制御用電流角度とを設定したり対応ポイントに最も近い関係設定ポイントにおける制御用実効値と制御用電流角度とを設定したりする場合に、トルク指令により対応する制御用実効値と制御用電流角度とを設定することができる。この結果、d軸およびq軸の電流指令をより適正に設定して同期電動機をより適正に駆動制御することができる。
本発明の第1実施例としての駆動装置20の構成の概略を示す構成図である。 電流指令設定用マップの一例を示す説明図である。 電子制御ユニット50によって実行されるライン変更時モータ制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 制御用電流角度設定用テーブルの一例を示す説明図である。 最適ラインから損失増加ラインへの制御用ラインの変更に伴ってd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を変化させる様子をの一例を示す説明図である。 最適ラインから損失増加ラインへの制御用ラインの変更に伴ってd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を変化させる様子をの一例を示す説明図である。 制限後変化レートΔIrms2ずつ制御用実効値Irms*を変化させる場合の制御用実効値Irms*と実際の実効値Irmsとの時間変化の様子の一例を示す説明図である。 トルク実効値角度関係マップの一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の第1実施例としての駆動装置20の構成の概略を示す構成図である。第1実施例の駆動装置20は、永久磁石が貼り付けられた回転子と三相コイルが巻回された固定子とからなる同期発電電動機として構成されたモータ30と、複数のスイッチング素子のオンオフによりモータ30を駆動するインバータ32と、バッテリ34と、バッテリ34が接続された低圧側とインバータ32が接続された高圧側との間で電圧を変換して電力のやり取りが可能な昇圧コンバータ36と、バッテリ34と昇圧コンバータ36との接続を切り離し可能なシステムメインリレー38と、モータ30の回転子の回転位置を検出するレゾルバ40からの回転位置θやモータ30の3相コイルのV相,W相を流れる電流をそれぞれ検出する電流センサ42V,42Wからの相電流Iv,Iw,バッテリ34を流れる電流を検出する電流センサ44からのバッテリ電流Ib,バッテリ34の端子間の電圧を検出する電圧センサ46からの端子間電圧Vbを入力すると共にインバータ32や昇圧コンバータ36,システムメインリレー38を制御するための制御信号を出力する電子制御ユニット50と、を備える。
第1実施例の駆動装置20では、基本的には、正弦波制御によりモータ30を駆動制御している。モータ30の正弦波制御は、例えば、レゾルバ40からの回転位置θから得られるモータ30の電気角θeと電流センサ42V,42Wからの相電流Iv,Iwとに基づいて相電流Iv,Iwをd軸,q軸の電流Id,Iqに座標変換(3相−2相変換)し、トルク指令Tm*に基づいてd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定し、d軸の電流Idと電流指令Id*との偏差(Id*−Id)に基づくフィードバック制御によりd軸の電流Idが電流指令Id*に近づくようにd軸の電圧指令Vd*を設定すると共にq軸の電流Iqと電流指令Iq*との偏差(Iq*−Iq)に基づくフィードバック制御によりq軸の電流Iqが電流指令Iq*に近づくようにq軸の電圧指令Vq*を設定し、設定したd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に座標変換(2相−3相変換)し、座標変換した電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に応じた電圧がモータ30の3相コイルの各々に印加されるようにインバータ32のスイッチング素子をスイッチング制御することにより行なわれる。ここで、d軸はモータ30のロータの永久磁石により形成される磁束の方向であり、q軸はd軸に対してモータ30を正回転させる方向に電気角θeをπ/2だけ進角させた方向である。また、d軸,q軸の電流指令Id*,Iq*の設定は、第1実施例では、モータ30に対して損失増加要求がなされているか否かを判定し、損失増加要求がなされていないときにはトルク指令Tm*に応じたトルクをモータ30から出力させるための電流指令の実効値Irms(d軸の電流指令Id*の二乗値とq軸の電流指令Iq*の二乗値との和の平方根、以下、単に実効値という)が最小となるよう定められたラインである最適ラインを制御用ラインとして設定し、損失増加要求がなされているときには最適ラインよりもモータ30やインバータ32で消費すべき損失量が大きくなるよう定められたラインである損失増加ラインを制御用ラインとして設定し、設定した制御用ラインとトルク指令Tm*とに基づいてd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定するものとした。電流指令設定用マップの一例を図2に示す。図2の例では、トルク指令Tm*がトルクT3のときにこのトルク指令Tm*に対応するd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定する際の様子を示している。なお、図2には、トルク指令Tm*や電流指令Id*,Iq*の他に、d軸,q軸の電流指令Id*,Iq*に対応する電流ベクトル(三相コイルに通電される電流によって形成される磁界の方向、図2中、矢印参照)の大きさに相当する実効値Irmsである制御用実効値Irms*と、電流ベクトルのq軸に対する角度である制御用電流角度θi*と、についても図示した。なお、損失増加要求は、例えば、バッテリ34の残容量(SOC)が満充電に近い高SOC状態(例えば、70%や80%など)でモータ30から制動トルクを出力する必要があるときなどになされる要求である。
次に、第1実施例の駆動装置20の動作、特に、最適ラインと損失増加ラインとの間での制御用ラインの変更に伴ってd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を変化させる際の動作について説明する。図3は、電子制御ユニット50によって実行されるライン変更時モータ制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、制御用ラインが変更されたときに実行される。
ライン変更時モータ制御ルーチンが実行されると、電子制御ユニット50は、まず、モータ30から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm*を入力すると共に(ステップS100)、入力したトルク指令Tm*に基づいて、d−q座標系における、変化前の制御用ラインについての実効値Irmsである開始時実効値Irms0と変化後の制御用ラインについての実効値Irmsである目標実効値Irmstagとを設定する(ステップS110)。ここで、開始時実効値Irms0および目標実効値Irmstagは、第1実施例では、モータ30のトルク指令Tm*と最適ラインおよび損失増加ラインと実効値Irmsとの関係として予め実験などにより定められた実効値設定用マップに対してトルク指令とラインとを適用して設定するものとした。この実効値設定用マップとしては、例えば、前述の図2のマップなどを用いることができる。
続いて、目標実効値Irmstagから開始時実効値Irms0を減じたものを所定値n(2以上の整数、例えば、10や20など)で除することにより、実効値Irmsを開始時実効値Irms0から目標実効値Irmstagに向けて変化させる際の変化レートΔIrmsを計算し(ステップS120)、計算した変化レートΔIrmsを開始時実効値Irmsに加えることにより制御用実効値Irms*を計算し(ステップS130)、トルク指令Tm*と制御用実効値Irms*とに基づいて制御用電流角度θi*を設定し(ステップS140)、制御用実効値Irms*と制御用電流角度θi*とd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*との関係(図2参照)により、制御用実効値Irms*と制御用電流角度θi*とに対応するd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定する(ステップS150)。ここで、制御用電流角度θi*は、第1実施例では、制御用実効値Irms*とトルク指令Tm*と制御用電流角度θi*との関係をとして予め実験などにより定められた制御用電流角度設定用テーブルに対してトルク指令Tm*と制御用実効値Irms*とを適用して設定するものとした。制御用電流角度設定用テーブルの一例を図4に示す。図4中、「×」印は、トルク指令Tm*と制御用実効値Irms*とに対応する制御用電流角度θi*がない、即ち、制御用実効値Irms*に応じたモータ30から出力可能なトルクの最大値よりもトルク指令Tm*が大きいことを示す。このように、トルク指令Tm*と制御用実効値Irms*とに応じた制御用電流角度θi*と、制御用実効値Irms*と、を用いてd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定することにより、制御用ラインの変更に伴ってd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を変化させる際に、トルク指令Tm*に応じたd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定する即ちモータ30から出力されるトルクが変動しないようd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定することができる。
そして、設定したd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*に基づいてフィードバック制御により電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を求めてこの電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に応じた電圧がモータ30の3相コイルの各々に印加されるようにインバータ32のスイッチング素子をスイッチング制御し(ステップS160)、制御用実効値Irms*が目標実効値Irmstagに等しいか否かを判定し(ステップS170)、制御用実効値Irms*が目標実効値Irmstagに等しくないときには、本ルーチンを終了しないと判断し、現在の制御用実効値Irms*に変化レートΔIrmsを加えて制御用実効値Irms*を更新して(ステップS180)、ステップS140に戻る。こうしてステップS140〜S180の処理を繰り返し実行して制御用実効値Irms*を徐々に目標実効値Irmstagに近づけていき、ステップS170で制御用実効値Irms*が目標実効値Irmstagに等しくなったときに本ルーチンを終了する。最適ラインから損失増加ラインへの制御用ラインの変更に伴ってd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を変化させる様子の一例を図5および図6に示す。図5および図6中、「●」の点A,点Bはそれぞれ変化前のライン(ここでは最適ライン),変化後のライン(ここでは損失増加ライン)における指令値(制御用実効値Irms*,制御用電流角度θi*,d軸,q軸の電流指令Id*,Iq*)であり、「□」の点は指令値の変化の様子を示す。
以上説明した第1実施例の駆動装置20によれば、最適ラインと損失増加ラインとの間での制御用ラインの変更に伴ってd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を変化させる際には、開始時実効値Irms0から目標実効値Irmstagに向けて変化レートΔIrmsずつ変化させて制御用実効値Irms*を設定し、制御用実効値Irms*とトルク指令Tm*と制御用電流角度θi*との関係に対して制御用実効値Irms*とトルク指令Tm*とを適用して制御用電流角度θi*を設定し、制御用実効値Irms*と制御用電流角度θi*とに対応するd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定してモータ30を駆動制御するから、モータ30から出力されるトルクの変動を抑制することができる。即ち、d軸,q軸の電流指令Id*,Iq*をより適正に設定してモータ30をより適正に駆動制御することができる。
第1実施例の駆動装置20では、開始時実効値Irms0から目標実効値Irmstagに向けて制御用実効値Irms*を変化させる際には、目標実効値Irmstagから開始時実効値Irms0を減じたものを所定値nで除して得られる変化レートΔIrmsずつ制御用実効値Irms*を変化させるものとしたが、これに代えて、変化レートΔIrmsを、絶対値がインバータ32のキャリア周波数Fcが低いほど小さくなる傾向の制限値以下となるように(変化レートΔIrmsと同一符号で大きさが制限値以下となるように)制限した制限後変化レートΔIrms2ずつ制御用実効値Irms*を変化させるものとしてもよい。インバータ32の制御では、インバータ32のスイッチング損失や熱損失を低減するために、比較的低いキャリア周波数Fcでインバータ32のスイッチング素子がオンオフされることがあるが、この場合、スイッチングの間隔が長くなるため、制御性は低下する。このことを考慮して、この変形例では、前述の制限後変化レートΔIrms2ずつ制御用実効値Irms*を変化させるものとした。これにより、キャリア周波数Fcが低い場合でも、実際の実効値Irmsactが目標実効値Irmstagを超えてオーバーシュートしたりアンダーシュートしたりするのを抑制することができる。なお、キャリア周波数Fcが高い場合には、開始時実効値Irms0から目標実効値Irmstagに向けて実際の実効値Irmsactを迅速に変化させることができる。参考のために、この変形例の場合の制御用実効値Irms*と実際の実効値Irmsactとの時間変化の様子の一例を図7に示す。図7(a)はキャリア周波数Fcが高い場合の様子を示し、図7(b)はキャリア周波数Fcが低い場合の様子を示す。また、実線は制御用実効値Irms*を示し、一点鎖線は実際の実効値Irmsactを示す。
第1実施例の駆動装置20では、開始時実効値Irms0から目標実効値Irmstagに向けて変化レートΔIrmsずつ制御用実効値Irms*を変化させるものとしたが、この制御用実効値Irms*を変化させる間隔(制御用実効値Irms*を保持する時間)を、一律ではなく、インバータ32のキャリア周波数Fcが低いほど長くなる傾向に設定するものとしてもよい。前述したように、キャリア周波数Fcが低い場合には制御性が低下するため、インバータ32のキャリア周波数Fcが低いほど長くなる傾向の間隔で制御用実効値Irms*を変化させることにより、キャリア周波数Fcが低い場合でも、実際の実効値Irmsactが目標実効値Irmstagを超えてオーバーシュートしたりアンダーシュートしたりするのを抑制することができる。なお、キャリア周波数Fcが高い場合には、開始時実効値Irms0から目標実効値Irmstagに向けて実際の実効値Irmsactを迅速に変化させることができる。
次に、本発明の第2実施例としての駆動装置20Bについて説明する。第2実施例の駆動装置20Bは、第1実施例の駆動装置20Bと同一のハード構成をしている。したがって、重複した記載を避けるために、第2実施例の駆動装置20のハード構成については、第1実施例の駆動装置20と同一の符号を付し,その詳細な説明は省略する。
第2実施例の駆動装置20Bでは、基本的には、第1実施例の駆動装置20と同様にモータ30を駆動制御している。第2実施例では、モータ30の駆動制御において、モータ30のトルク指令Tm*と制御用実効値Irms*と制御用電流角度θi*との関係であるトルク実効値角度関係が予め実験などに基づいて離散化されて定められたトルク実効値角度関係マップまたはこれに対応するテーブルとトルク指令Tm*と前述の制御用ライン(最適ラインや損失増加ライン)とを用いて制御用実効値Irms*と制御用電流角度θi*とを設定し、設定した制御用実効値Irms*と制御用電流角度θi*とに対応するd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定する。ここで、トルク実効値角度関係マップを用いて制御用実効値Irms*と制御用電流角度θi*とを設定する際には、実施例では、トルク指令Tm*と制御用ラインとに対応するポイント(以下、対応ポイントという)がトルク実効値角度関係が予め定められているポイント(以下、関係設定ポイントという)のときにはその関係設定ポイントにおける制御用実効値Irms*と制御用電流角度θi*とを設定し、対応ポイントが関係設定ポイント以外のときにはその対応ポイントに近い2つの関係設定ポイントを用いた線形補間によってその対応ポイントにおける制御用実効値Irms*と制御用電流角度θi*とを設定したりその対応ポイントに最も近い関係設定ポイントにおける制御用実効値Irms*と制御用電流角度θi*とを設定したりする(以下、これを調整設定処理という)ものとした。
図8は、トルク実効値角度関係マップの一例を示す説明図である。図8中、「●」は、一定の制御用実効値Irms*(破線参照)に対して前述の関係設定ポイント、即ち、トルク実効値角度関係が定められていることを示す。第2実施例では、図8に示すように、一定の制御用実効値Irms*に対して、制御用電流角度θi*の単位変化量に対するトルク指令Tm*の変化量(以下、角度トルク変化率という)が大きいほど隣り合う2つの制御用電流角度θi*の間隔Δθiが狭くなる傾向に離散化して関係設定ポイントを定めるものとした。これにより、対応ポイントが関係設定ポイント以外であって調整設定処理により制御用実効値Irms*と制御用電流角度θi*とを設定する場合に、トルク指令Tm*により対応する制御用実効値Irms*と制御用電流角度θi*を設定することができる。
以上説明した第2実施例の駆動装置20Bによれば、一定の制御用実効値Irms*に対して、角度トルク変化率が大きいほど隣り合う2つの制御用電流角度θi*の間隔Δθiが狭くなる傾向に離散化して関係設定ポイントを定めるから、トルク指令Tm*と制御用ラインとに対応するポイントである対応ポイントが関係設定ポイント以外であって対応ポイントに近い2つの関係設定ポイントを用いた線形補間によってその対応ポイントにおける制御用実効値Irms*と制御用電流角度θi*とを設定したりその対応ポイントに最も近い関係設定ポイントにおける制御用実効値Irms*と制御用電流角度θi*とを設定したりする場合に、トルク指令Tm*により対応する制御用実効値Irms*と制御用電流角度θi*を設定することができる。この結果、d軸,q軸の電流指令Id*,Iq*をより適正に設定してモータ30をより適正に駆動制御することができる。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。第1実施例では、モータ30が「同期電動機」に相当し、バッテリ34が「バッテリ」に相当し、モータ30に対して損失増加要求がなされていないときにはトルク指令Tm*に応じたトルクをモータ30から出力させるための電流指令の実効値Irmsが最小となるよう定められたラインである最適ラインを制御用ラインとして設定し、損失増加要求がなされているときには最適ラインよりもモータ30やインバータ32で消費すべき損失量が大きくなるよう定められたラインである損失増加ラインを制御用ラインとして設定する電子制御ユニット50が「制御用トルク電流関係設定手段」に相当し、設定した制御用ラインとトルク指令Tm*とに基づいてd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定してインバータ32のスイッチング素子をスイッチング制御し、制御用ラインが変更されたときには、開始時実効値Irms0から目標実効値Irmstagに向けて変化レートΔIrmsずつ変化させて制御用実効値Irms*を設定し、設定した制御用実効値Irms*とトルク指令Tm*と制御用電流角度θi*との関係に対して制御用実効値Irms*とトルク指令Tm*とを適用して制御用電流角度θi*を設定し、制御用実効値Irms*と制御用電流角度θi*とに対応するd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定してモータ30を駆動制御する図3のライン変更時モータ制御ルーチンを、制御用実効値Irms*が目標実効値Irmstagに至るまで実行する電子制御ユニット50が「制御手段」に相当する。
第2実施例では、モータ30が「同期電動機」に相当し、モータ30のトルク指令Tm*と制御用実効値Irms*と制御用電流角度θi*との関係であるトルク実効値角度関係が予め実験などに基づいて一定の制御用実効値Irms*に対して角度トルク変化率が大きいほど隣り合う2つの制御用電流角度θi*の間隔Δθiが狭くなる傾向に離散化されて定められたトルク実効値角度関係マップまたはこれに対応するテーブルに対してトルク指令Tm*と制御用ライン(最適ラインや損失増加ライン)とを適用して制御用実効値Irms*と制御用電流角度θi*とを設定し、設定した制御用実効値Irms*と制御用電流角度θi*とに対応するd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定してモータ30を駆動制御する電子制御ユニット50が「制御手段」に相当する。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、駆動装置の製造産業に利用可能である。
20,20B 駆動装置、30 モータ、32 インバータ、34 バッテリ、36 昇圧コンバータ、38 システムメインリレー、40 レゾルバ、42V,42W,44 電流センサ、46 電圧センサ、50 電子制御ユニット。

Claims (3)

  1. 駆動軸に動力を入出力可能な同期電動機と、該同期電動機と電力をやり取りするバッテリと、前記バッテリの充電が制限される充電制限要求がなされていないときには前記同期電動機から出力すべきトルクとしてのトルク指令とd軸およびq軸を座標軸とするd−q座標系における前記d軸および前記q軸の電流指令を成分とする電流ベクトルとの関係である複数のトルク電流関係のうち第1トルク電流関係を制御用トルク電流関係として設定し前記充電制限要求がなされているときには前記複数のトルク電流関係のうち前記第1トルク電流関係よりも前記同期電動機の損失が増加する第2トルク電流関係を前記制御用トルク電流関係として設定する制御用トルク電流関係設定手段と、前記設定した制御用トルク電流関係に対して前記トルク指令を適用して前記d軸および前記q軸の電流指令を設定すると共に該設定したd軸およびq軸の電流指令を用いて前記同期電動機を駆動制御する制御手段と、を備える駆動装置において、
    前記制御手段は、前記制御用トルク電流関係設定手段により設定される制御用トルク電流関係が変更されたとき、前記トルク指令と変更前の前記制御用トルク電流関係とに応じた前記電流ベクトルの大きさである開始時実効値から前記トルク指令と変更後の前記制御用トルク電流関係とに応じた前記電流ベクトルの大きさである目標実効値に向けて前記開始時実効値と前記目標実効値との差よりも小さい所定値ずつ変化させて制御用実効値を設定し、前記トルク指令と前記制御用実効値と制御用の前記電流ベクトルの前記q軸に対する角度である制御用電流角度との関係に対して前記トルク指令と前記設定した制御用実効値とを適用して前記制御用電流角度を設定し、前記設定した制御用実効値と制御用電流角度とに対応する前記d軸および前記q軸の電流指令を設定し、該設定したd軸およびq軸の電流指令を用いて前記同期電動機を駆動制御する、変化時制御を前記制御用実効値が前記目標実効値に至るまで実行する手段である、
    ことを特徴とする駆動装置。
  2. 請求項1記載の駆動装置であって、
    前記所定値は、絶対値が前記同期電動機の駆動に用いられるインバータのキャリア周波数が低いほど小さくなる傾向の制限値以下となる値である、
    駆動装置。
  3. 駆動軸に動力を入出力可能な同期電動機と、前記同期電動機から出力すべきトルクとしてのトルク指令とd軸およびq軸を座標軸とする制御用の電流ベクトルの大きさである制御用実効値と制御用の前記電流ベクトルの前記q軸に対する角度である制御用電流角度との関係が離散化されて定められたトルク実効値角度関係と前記トルク指令と制御用の制約とを用いて前記制御用実効値と前記制御用電流角度とを設定し、前記設定した制御用実効値と制御用電流角度とに対応する前記d軸および前記q軸の電流指令を設定し、該設定したd軸およびq軸の電流指令を用いて前記同期電動機を駆動制御する制御手段と、を備える駆動装置において、
    前記トルク実効値角度関係は、一定の前記制御用実効値に対して、前記制御用電流角度の単位変化量に対する前記トルク指令の変化量である角度トルク変化率が大きいほど隣り合う2つの前記制御用電流角度の間隔が狭くなる傾向に離散化されて定められる関係である、
    ことを特徴とする駆動装置。
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