JP2011055419A - 強結合素子アレーアンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】間引き給電を行っても、地導体板とアンテナ素子配列面との間隔を小さくすることのできる強結合素子アレーアンテナの実現。
【解決手段】誘電体基板の1面に地導体板を設け、他面にアンテナ素子パッチを半波長以下のピッチで直線状或いは平面行列状に配列し、直線或いは行或いは列のいずれで見ても、給電素子パッチと無給電素子パッチが交互になるようにし、給電素子パッチと無給電素子パッチとの間は、両者のパッチ電流が同振幅逆相になる箇所間を線路波長の2分の1の長さの結合線路で結合するか、或いは両者のパッチ電流が同振幅同相になる箇所間を線路波長の1波長の長さの結合線路で結合し、給電素子パッチへは、それぞれ可変移相器と増幅器を介して給電する。
【選択図】図1
【解決手段】誘電体基板の1面に地導体板を設け、他面にアンテナ素子パッチを半波長以下のピッチで直線状或いは平面行列状に配列し、直線或いは行或いは列のいずれで見ても、給電素子パッチと無給電素子パッチが交互になるようにし、給電素子パッチと無給電素子パッチとの間は、両者のパッチ電流が同振幅逆相になる箇所間を線路波長の2分の1の長さの結合線路で結合するか、或いは両者のパッチ電流が同振幅同相になる箇所間を線路波長の1波長の長さの結合線路で結合し、給電素子パッチへは、それぞれ可変移相器と増幅器を介して給電する。
【選択図】図1
Description
本発明は、多数のアンテナ素子が平面状に配列され、個々のアンテナ素子に対する振幅と位相を制御することにより放射ビームの指向方向を制御するフェーズドアレーアンテナの技術分野に属する。
従来、フェーズドアレーアンテナは、上述のように平面状に配列された多数のアンテナ素子に給電し、それぞれの振幅と位相を制御することにより放射ビームの指向方向を制御するものであるから、アンテナ素子1個ずつに増幅器と移相器が設けられていた。そのため、素子数の多い(例えば数百)アレーアンテナの場合、増幅器と移相器の数も同数ずつ必要となり膨大な数となり、アレーアンテナが大きく、重く高価なものとなり、また増幅器や移相器での消費電力も大きくなるため実用例が限定されたものとなっていた。
そこで、配列されたアンテナ素子総てに給電するのではなく、予め定めた所定位置のアンテナ素子には給電しない、所謂、無給電素子とすることにより、増幅器と移相器の数の低減を図る技術(いわゆる間引き給電)が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
そこで、配列されたアンテナ素子総てに給電するのではなく、予め定めた所定位置のアンテナ素子には給電しない、所謂、無給電素子とすることにより、増幅器と移相器の数の低減を図る技術(いわゆる間引き給電)が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
この場合、無給電素子は、給電素子と空間波で結合し、それによって励振され、給電素子とともに放射素子としての機能を果す。無給電素子からの放射は給電素子との結合度が大きくなる程大きくなり、給電素子に近い機能を果すことになる。
これによって、フェーズドアレーアンテナの増幅器や移相器の数を低減することができることになる。
これによって、フェーズドアレーアンテナの増幅器や移相器の数を低減することができることになる。
図10は、地導体板2から4分の1波長の高さの所に2分の1波長間隔で3個のダイポール9a〜9cを配列し、全ダイポールに増幅器5と移相器6を介して給電した例であり、図11は、図10のZX面における指向特性のシミュレーション図であり、実線は同相給電の場合であり、以下、左端のダイポール9aの位相を45度、90度、135度、180度と進めるとともに、中央のダイポール9bは、その2分の1ずつ進めた場合の指向特性のシミュレーション図であり、位相を変えることによりビーム走査が行われることが示されている。
なお、ダイポールアレーアンテナの指向特性のシミュレーションにおける諸元は以下の通りである。
1.計算手法 モーメント法、地導体板は無限平面
2.周波数 12.5GHz 自由空間波長24mm
3.ダイポール導体 導電率5.8×107S/m、半径0.24mm
片側長さ5.25mm
なお、ダイポールアレーアンテナの指向特性のシミュレーションにおける諸元は以下の通りである。
1.計算手法 モーメント法、地導体板は無限平面
2.周波数 12.5GHz 自由空間波長24mm
3.ダイポール導体 導電率5.8×107S/m、半径0.24mm
片側長さ5.25mm
図12は、図10の配列に対し、真中のダイポール9bを無給電とした間引き給電の場合の斜視図であり、図13は図11と同様に、図12のアンテナのビーム指向特性およびビーム走査をシミュレーションした図である。ビーム走査範囲において、図11とほぼ同じである。
図14は、誘電体基板1の下面に地導体板2が設けられ、上面に3個のアンテナ素子パッチ3a〜3cが2分の1波長間隔で、直線状に配置されたアレーアンテナの斜視図であり、全アンテナ素子パッチ3a〜3cそれぞれに増幅器5と、移相器6を介して給電しているものである。
図15は、図14のアレーアンテナのZX面における指向特性および位相を変えることにより、ビーム走査が行われることが示されているシミュレーション図である。移相量は図11の場合と同じである。
即ち、実線はアンテナ素子パッチ3a、3b、3cが同相であり、破線Bはアンテナ素子パッチ3aを45度、同3bを22.5度進めた場合であり、破線Cはアンテナ素子パッチ3aを90度、同3bを45度進めた場合、同様に点線Dは135度と67.5度進めた場合、1点鎖線Eは180度と90度進めた場合である。
即ち、実線はアンテナ素子パッチ3a、3b、3cが同相であり、破線Bはアンテナ素子パッチ3aを45度、同3bを22.5度進めた場合であり、破線Cはアンテナ素子パッチ3aを90度、同3bを45度進めた場合、同様に点線Dは135度と67.5度進めた場合、1点鎖線Eは180度と90度進めた場合である。
Tadashi TAKANO他2名、「Simplification of an Array Antenna by Reducing the Fed Elements」、IEICE TRANS.COMMUN.、The Institute of Electronics,Information and Communication Engineers、NO.9 SEPTEMBER 2005、VOL.E88-B P.38 11-3814
前述のような間引き給電における無給電素子と給電素子との空間波による結合度は、地導体板からアンテナ素子配列面までの間隔を大きくすると大きくなり、間隔を小さくすると小さくなるので、無給電素子の放射素子としての機能を上げるために結合度を大きくしようとすると、地導体板とアンテナ素子配列面間の寸法が大きくなるためアンテナが大きくなってしまうという問題がある。
本発明の課題は、上記従来技術の問題点に鑑みて、間引き給電を行っても、地導体板とアンテナ素子配列面間の寸法を大きくせずに、従来のフェーズドアレーアンテナと同程度の放射ビーム指向の制御が可能なフェーズドアレーアンテナを実現することにある。
上記の課題を達成するために、本発明は以下の各手段構成を有する。
本発明の第1の構成は、誘電体基板の一面に地導体板が設けられ、他面には、給電アンテナ素子パッチと無給電アンテナ素子パッチとが、使用周波数の自由空間波長の2分の1以下のピッチで交互に直線状1列に配列され、その両端が給電アンテナ素子パッチであり、隣接する給電アンテナ素子パッチと無給電アンテナ素子パッチとは、各パッチの中心を通る中心線に対して互いに反対側で中心線から同じ距離のパッチ側縁箇所同士が、使用周波数における線路波長の2分の1の長さの結合線路で接続され、給電アンテナ素子パッチへは可変移相器と増幅器を介して給電されるようになっていることを特徴とする1次元配列強結合素子アレーアンテナである。
ここで使用周波数とは、使用周波数帯域中における代表周波数であり、多くの場合中心周波数である。以下、実施例の場合も同様である。
本発明の第1の構成は、誘電体基板の一面に地導体板が設けられ、他面には、給電アンテナ素子パッチと無給電アンテナ素子パッチとが、使用周波数の自由空間波長の2分の1以下のピッチで交互に直線状1列に配列され、その両端が給電アンテナ素子パッチであり、隣接する給電アンテナ素子パッチと無給電アンテナ素子パッチとは、各パッチの中心を通る中心線に対して互いに反対側で中心線から同じ距離のパッチ側縁箇所同士が、使用周波数における線路波長の2分の1の長さの結合線路で接続され、給電アンテナ素子パッチへは可変移相器と増幅器を介して給電されるようになっていることを特徴とする1次元配列強結合素子アレーアンテナである。
ここで使用周波数とは、使用周波数帯域中における代表周波数であり、多くの場合中心周波数である。以下、実施例の場合も同様である。
本発明の第2の構成は、誘電体基板の一面に地導体板が設けられ、他面には、給電アンテナ素子パッチと無給電アンテナ素子パッチとが、使用周波数の自由空間波長の2分の1以下のピッチで交互に直線状1列に配列され、その両端が給電アンテナ素子パッチであり、隣接する給電アンテナ素子パッチと無給電アンテナ素子パッチとは、各パッチの中心を通る中心線に対して互いに同じ側で中心線から同じ距離のパッチ側縁箇所同士が、使用周波数における線路波長1波長の長さの結合線路で接続され、給電アンテナ素子パッチへは可変移相器と増幅器を介して給電されるようになっていることを特徴とする1次元配列強結合素子アレーアンテナである。
本発明の第3の構成は、前記第1の構成の1次元配列強結合素子アレーアンテナと、該アレーアンテナの給電アンテナ素子パッチを無給電アンテナ素子パッチに置き換え、同じく無給電アンテナ素子パッチを給電アンテナ素子パッチに置き換えた置換え1次元配列強結合素子アレーアンテナとが、使用周波数の自由空間波長の2分の1以下のピッチで、交互に複数列が端部を揃えて平行で平面的に配列され、最初の列と最後の列が前記第1の構成の1次元配列強結合素子アレーアンテナであることを特徴とする2次元配列強結合素子アレーアンテナである。
本発明の第4の構成は、前記第2の構成の1次元配列強結合素子アレーアンテナと、該アレーアンテナの給電アンテナ素子パッチを無給電アンテナ素子パッチに置き換え、同じく無給電アンテナ素子パッチを給電アンテナ素子パッチに置き換えた置換え1次元配列強結合素子アレーアンテナとが、使用周波数の自由空間波長の2分の1以下のピッチで、交互に複数列が端部を揃えて平行で平面的に配列され、最初の列と最後の列が前記第2の構成の1次元配列強結合素子アレーアンテナであることを特徴とする2次元配列強結合素子アレーアンテナである。
本発明の第1の構成では、隣り合う給電アンテナ素子パッチと無給電アンテナ素子パッチとは、各パッチの中心を通る中心線に対して互いに反対側で中心線から同じ距離のパッチ側縁箇所、即ちパッチ上を流れる電流が丁度逆相になる箇所同士を、線路波長の半分の長さの結合線路で結合しているので、結局、無給電アンテナ素子パッチは左右の給電アンテナ素子パッチとそれぞれ同相で導体結合されることになり、左右の両給電アンテナ素子からの結合電力の合成電力によって励振されたようになり、放射素子として機能することになり、全アンテナ素子を給電素子とした場合に近い特性が得られる。
このように、結合線路により強結合を得るようにしているので、従来のように無給電素子と給電素子間との結合を空間波で行っている場合のように、強結合を得るために、地導体板とアンテナ素子配列面との間隔を大きくする必要がなく、誘電体基板の一面に地導体板を設け、他面にアンテナ素子パッチを配列するというように両者の間隔を小さくできるので、間引き給電を行ってもアレーアンテナの厚さ寸法を従来のものより薄くできるという効果がある。
本発明の第2の構成では、給電アンテナ素子パッチと無給電アンテナ素子パッチとの結合は、各パッチの中心を通る中心線に対して、互いに同じ側で中心線から同じ距離のパッチ側縁箇所同士を、即ちパッチ上を流れる電流が丁度同相になる箇所同士を使用周波数における線路波長1波長の長さの結合線路で結合しているので、結局は、無給電アンテナ素子パッチは、前記第1の構成の場合と同様に、両側の給電アンテナ素子パッチと同相で強結合されることになる。その結果、第1の構成の場合と同様の効果が得られることになる。
第3の構成は、第1の構成の1次元配列強結合素子アレーアンテナと、該アンテナの給電素子を無給電素子に、無給電素子を給電素子に置き換えたものとが、自由空間の2分の1波長以下のピッチで交互に複数列が端部を揃えて平行で平面的に配列されたものであるので、第1の構成の効果を有するとともに、放射指向方向を2次元的に制御できるという効果がある。
第4の構成は、第2の構成の1次元配列強結合素子アレーアンテナと、該アンテナの給電素子を無給電素子に、無給電素子を給電素子に置き換えたものとが、自由空間の2分の1波長以下のピッチで交互に複数列が端部を揃えて平行で平面的に配列されたものであるので、第2の構成の効果を有するとともに、放射指向方向を2次元的に制御できるという効果がある。
本発明のアレーアンテナは、給電素子と無給電素子が交互に直線的に配列された間引き給電アレーアンテナにおいて、給電素子と無給電素子を導体伝送路で結合することにより給電素子と無給電素子との強結合を図っているので、従来の空間波結合の場合のように、強結合を得るために地導体板と素子配列面の間隔を大きくしなくてよいため、薄い誘電体板の一面に地導体板を密着させ、他面にアンテナ素子パッチおよび結合線路をプリントしたプリント基板型のアレーアンテナとすることができる。
図1は、本発明の第1の実施例のプリント基板型1次元配列強結合パッチアレーアンテナであり、誘電体基板1の下面には地導体板2が密着しており、上面にはアンテナ素子パッチ3a〜3cが自由空間波長の2分の1以下のピッチ(隣り合うパッチの中心間間隔)で直線状に配列プリントされており、アンテナ素子パッチ3a、3cは、励振源から増幅器5、移相器6を介して給電される給電素子であり、アンテナ素子パッチ3bは、給電されない無給電素子である。アンテナ素子パッチ3bは、左右のアンテナ素子パッチ3a、3cと結合線路4で結合されている。
結合線路4のパッチに対する接続点AとBはパッチの中心点を結ぶ中心線に対して、距離は同じであるが反対側にある。このため、接続点Aを流れるパッチ電流と接続点Bを流れるパッチ電流は等振幅逆位相となっている。
他方、結合線路4の長さは、使用周波数における線路波長の2分の1となっている。従って、結合線路で位相が180度回転する。
このため、接続点Bは接続点Aと同相で励振されることになり、結局、無給電素子であるアンテナ素子パッチ3bは、左右の給電素子であるアンテナ素子パッチ3aと3cとからそれぞれ同相で励振されることになり、アンテナ素子パッチ3a、3cとともに、放射素子とし機能することになる。
他方、結合線路4の長さは、使用周波数における線路波長の2分の1となっている。従って、結合線路で位相が180度回転する。
このため、接続点Bは接続点Aと同相で励振されることになり、結局、無給電素子であるアンテナ素子パッチ3bは、左右の給電素子であるアンテナ素子パッチ3aと3cとからそれぞれ同相で励振されることになり、アンテナ素子パッチ3a、3cとともに、放射素子とし機能することになる。
図2は、図1の1次元配列強結合パッチアレーアンテナのZX面における指向特性およびビーム走査をシミュレーションした図である。実線Aは、アンテナ素子パッチ3aと同3cが同相で励振された場合であり、以下、アンテナ素子パッチ3aの方の励振位相を破線Bは45度、破線Cは90度、点線Dは135度、1点鎖線Eは180度と進めていった場合の指向特性であり、位相を変えることによりビーム走査が可能なことを示している。そのビーム走査角は、位相進み180度の場合で約27度となっており、図14の全パッチ給電の場合における図15のビーム走査範囲約27度と殆ど同じである。
なお、本発明の強結合アレーのシミュレーションにおける諸元は以下の通りである。
1.計算手法 2.5次元モーメント法
誘電体と地導体は無限平面
2.周波数 12.5GHz
自由空間波長:24mm
3.誘電体基板 比誘電率:2.5
誘電正接:0.001
誘電体厚さ:0.787mm
4.導体 導電率:5.8×107S/m
厚み:18μm
5.パッチ寸法 7×7mmの正方形
6.給電点 パッチ中心からのオフセット:2.4mm
給電ピンの直径:1mm
7.結合線路 線路幅:0.2mm
パッチ中心線からのオフセット:2mm
等価比誘電率:1.888
管内波長:17.455mm
線路のインピーダンス:150.48Ω
1.計算手法 2.5次元モーメント法
誘電体と地導体は無限平面
2.周波数 12.5GHz
自由空間波長:24mm
3.誘電体基板 比誘電率:2.5
誘電正接:0.001
誘電体厚さ:0.787mm
4.導体 導電率:5.8×107S/m
厚み:18μm
5.パッチ寸法 7×7mmの正方形
6.給電点 パッチ中心からのオフセット:2.4mm
給電ピンの直径:1mm
7.結合線路 線路幅:0.2mm
パッチ中心線からのオフセット:2mm
等価比誘電率:1.888
管内波長:17.455mm
線路のインピーダンス:150.48Ω
図3は、図1のような3素子パッチのアレーアンテナにおいて、給電素子であるアンテナ素子パッチ3a、3cと、無給電素子であるアンテナ素子パッチ3bとの間の結合線路4の態様4態を示したものである。結合された接続点AとBは、いずれも中心線に対する距離は同じであるが、互いに中心線の反対側にある。このため、パッチ上におけるA点とB点の電流は同振幅で逆相である。そして、結合線路4の長さは、使用周波数における線路波長の2分の1の長さとなっている。
従って、結合線路による位相回転は丁度180度となり、接続点Aで励振された信号は接続点Bでアンテナ素子パッチ3bにおける電流と同相になる。
結合線路4の形状は、図3では1ステップの階段状になっているが、形状はこれに限定されるものではなく、線路波長の2分の1の長さになっていればよい。
従って、結合線路による位相回転は丁度180度となり、接続点Aで励振された信号は接続点Bでアンテナ素子パッチ3bにおける電流と同相になる。
結合線路4の形状は、図3では1ステップの階段状になっているが、形状はこれに限定されるものではなく、線路波長の2分の1の長さになっていればよい。
図4は、接続点A、Bが中心線に対して同じ側で、中心線から同じ距離の所に設けられている。従って、パッチ上での電流位相は同相である。
この場合、結合線路8は、使用周波数における線路波長の1波長の長さにしてある。従って、結合線路8での位相回転は360°となり、接続点Aと同相で接続点Bを励振することになる。結合線路8の形状は、図4の形状に限定されるものではなく、中心線方向での往き還りのない形で1線路波長であればよい。
この場合、結合線路8は、使用周波数における線路波長の1波長の長さにしてある。従って、結合線路8での位相回転は360°となり、接続点Aと同相で接続点Bを励振することになる。結合線路8の形状は、図4の形状に限定されるものではなく、中心線方向での往き還りのない形で1線路波長であればよい。
図5は、本発明の第2の実施例のプリント基板型2次元配列強結合パッチアレーアンテナであり、図1の1次元配列のものを3行平行に並べたものである。
各行間のピッチは、自由空間波長の2分の1以下である。
各行間のピッチは、自由空間波長の2分の1以下である。
図6は、図5の2次元配列強結合パッチアレーアンテナのZX面(H面)における指向特性およびビーム走査をシミュレーションした図である。
実線Aは、全給電素子が同相の場合であり、以下破線Bは第1列の給電素子を45度進め、第2列の給電素子を22.5度進めた場合、破線Cは同様に90度、45度進めた場合、点線Dは135度、67.5度進めた場合、および1点鎖線Eは180度、90度進めた場合の指向特性であり、約25度のビーム走査が可能になっている。
実線Aは、全給電素子が同相の場合であり、以下破線Bは第1列の給電素子を45度進め、第2列の給電素子を22.5度進めた場合、破線Cは同様に90度、45度進めた場合、点線Dは135度、67.5度進めた場合、および1点鎖線Eは180度、90度進めた場合の指向特性であり、約25度のビーム走査が可能になっている。
図7は、図5の2次元配列強結合パッチアレーアンテナのZY面(E面)における指向特性およびビーム走査をシミュレーションした図である。
実線Aは、全給電素子が同相の場合であり、以下破線Bは第3行の位相を45度進め、第2行の位相を22.5度進めた場合、破線Cは第3行の位相を90度進め、第2行の位相を45度進めた場合、点線Dは第3行の位相を135度進め、第2行の位相を67.5度進めた場合、および1点鎖線Eは第3行の位相を180度進め、第2行の位相を90度進めた場合の各指向特性が示されており、位相を前述のように変えることにより、約26度のビーム走査が可能であることが示されている。
実線Aは、全給電素子が同相の場合であり、以下破線Bは第3行の位相を45度進め、第2行の位相を22.5度進めた場合、破線Cは第3行の位相を90度進め、第2行の位相を45度進めた場合、点線Dは第3行の位相を135度進め、第2行の位相を67.5度進めた場合、および1点鎖線Eは第3行の位相を180度進め、第2行の位相を90度進めた場合の各指向特性が示されており、位相を前述のように変えることにより、約26度のビーム走査が可能であることが示されている。
図8は、図5の2次元配列強結合パッチアレーアンテナの第3行第1列のパッチの中心と第1行第3列のパッチの中心を結んだ直線を含む垂直面内における指向特性およびビーム走査をシミュレーションした図である。
実線Aは、全給電点同相励振の場合であり、破線Bは1番給電点を90度、2〜4番給電点を45度進めた場合であり、破線Cは、1番給電点を180度、2〜4番給電点を90度進めた場合であり、点線Dは1番給電点を270度、2〜4番給電点を135度進めた場合、1点鎖線Eは1番給電点を360度、2〜4番給電点を180度進めた場合である。
以上のように、各給電点の位相を変えることにより、約25度のビーム走査が可能であることを示している。
実線Aは、全給電点同相励振の場合であり、破線Bは1番給電点を90度、2〜4番給電点を45度進めた場合であり、破線Cは、1番給電点を180度、2〜4番給電点を90度進めた場合であり、点線Dは1番給電点を270度、2〜4番給電点を135度進めた場合、1点鎖線Eは1番給電点を360度、2〜4番給電点を180度進めた場合である。
以上のように、各給電点の位相を変えることにより、約25度のビーム走査が可能であることを示している。
図9は、アンテナ素子パッチを5行5列(25素子)に配列した2次元配列の拡張例である。どの程度の規模の配列にするかは、必要とするアンテナ利得や指向特性によって定まる。
1 誘電体基板
2 地導体板
3a〜3c アンテナ素子パッチ
4 結合線路
5 増幅器
6 移相器
7 給電点
8 結合線路
9a〜9c ダイポール
10 給電素子パッチ
11 無給電素子パッチ
2 地導体板
3a〜3c アンテナ素子パッチ
4 結合線路
5 増幅器
6 移相器
7 給電点
8 結合線路
9a〜9c ダイポール
10 給電素子パッチ
11 無給電素子パッチ
Claims (4)
- 誘電体基板の一面に地導体板が設けられ、他面には、給電アンテナ素子パッチと無給電アンテナ素子パッチとが、使用周波数の自由空間波長の2分の1以下のピッチで交互に直線状1列に配列され、その両端が給電アンテナ素子パッチであり、隣接する給電アンテナ素子パッチと無給電アンテナ素子パッチとは、各パッチの中心を通る中心線に対して互いに反対側で中心線から同じ距離のパッチ側縁箇所同士が、使用周波数における線路波長の2分の1の長さの結合線路で接続され、給電アンテナ素子パッチへは可変移相器と増幅器を介して給電されるようになっていることを特徴とする1次元配列強結合素子アレーアンテナ。
- 誘電体基板の一面に地導体板が設けられ、他面には、給電アンテナ素子パッチと無給電アンテナ素子パッチとが、使用周波数の自由空間波長の2分の1以下のピッチで交互に直線状1列に配列され、その両端が給電アンテナ素子パッチであり、隣接する給電アンテナ素子パッチと無給電アンテナ素子パッチとは、各パッチの中心を通る中心線に対して互いに同じ側で中心線から同じ距離のパッチ側縁箇所同士が、使用周波数における線路波長1波長の長さの結合線路で接続され、給電アンテナ素子パッチへは可変移相器と増幅器を介して給電されるようになっていることを特徴とする1次元配列強結合素子アレーアンテナ。
- 請求項1の1次元配列強結合素子アレーアンテナと、該アレーアンテナの給電アンテナ素子パッチを無給電アンテナ素子パッチに置き換え、同じく無給電アンテナ素子パッチを給電アンテナ素子パッチに置き換えた置換え1次元配列強結合素子アレーアンテナとが、使用周波数の自由空間波長の2分の1以下のピッチで、交互に複数列が端部を揃えて平行で平面的に配列され、最初の列と最後の列が請求項1の1次元配列強結合素子アレーアンテナであることを特徴とする2次元配列強結合素子アレーアンテナ。
- 請求項2の1次元配列強結合素子アレーアンテナと、該アレーアンテナの給電アンテナ素子パッチを無給電アンテナ素子パッチに置き換え、同じく無給電アンテナ素子パッチを給電アンテナ素子パッチに置き換えた置換え1次元配列強結合素子アレーアンテナとが、使用周波数の自由空間波長の2分の1以下のピッチで、交互に複数列が端部を揃えて平行で平面的に配列され、最初の列と最後の列が請求項2の1次元配列強結合素子アレーアンテナであることを特徴とする2次元配列強結合素子アレーアンテナ。
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