JP2011054833A - 電磁波シールド材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】寒暖差の大きい環境下で用いられても反りが生じないように改良された電磁波シールド材を提供することを主要な目的とする。
【解決手段】電磁波シールド材1は、その一方の面上に電磁波シールドメッシュ層が形成された、環状オレフィン系樹脂で形成された透明樹脂フィルム2を備える。電磁波シールドメッシュ層を間に挟むように、透明樹脂フィルム2の一方の面上に、アクリル系樹脂またはポリカーボネート系樹脂で形成された透明支持基材4が、ホットメルト接着剤3を用いて加熱加圧して貼り合わされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般に電磁波シールド材に関するものであり、より特定的には、寒暖差の大きい環境下で使用しても反りが生じないように改良された電磁波シールド材に関する。この発明はまた、そのような電磁波シールド材の製造方法に関するものである。
従来、電磁波シールドの透明基材としては、金やITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電膜を透明樹脂や無機ガラスからなる窓部材の表面にコーティングし、有害な電磁波を遮断する技術が知られている。
しかしながら、窓部材に透明導電膜をコーティングする場合には、ムラなく均一にコーティングすることが困難であるという問題がある。また電磁波シールド性能を向上させるためには厚くコーティングする必要があるため、電磁波シールド性能を向上させると透明性が低下し、透明性と電磁波シールド性能を両立させることは困難であった。
そこで、特許文献1では、透明な窓部材の表面に、導電性材料からなる薄膜を形成し、該薄膜を処理してメッシュ形状に形成し、電磁波シールド性を有する窓を製造する方法を開示している。この方法によれば、後工程でフォトエッチング法により微細なメッシュを形成することから、透明導電膜をコーティングする場合のように、コーティング後のムラ等の不均一性もなく透明性を大きく低下させずに、均一な密度のメッシュ形状に形成するし電磁波シールド性を付与することができる。
特開2005−104310号公報
しかし、透明な窓部材の表面に形成された導電性材料からなるメッシュ形状の薄膜は、風、雪、雨に曝された場合、また飛行中の圧力や外気温の大きな変動などにより、破断などの損傷を受ける可能性があり、耐久性、耐候性の面において課題があった。このような場合に、後述するプラズマディスプレイパネルに用いる従来の電磁波シールド材を応用することも考えられるが、寒暖差の大きい屋外の環境下でたとえば窓ガラスに取り付けると、張り合わされた部材の線膨張率の差が影響し、反りが発生するという問題点があった。特に温度変化の激しい、自動車用の窓、軍事用の車両の窓やディスプレイ、軍事用のジェット機や民間航空機の窓材料では反りが顕著である。
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、寒暖差の大きい環境下で用いられても反りが生じないように改良された電磁波シールド材を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、透明樹脂フィルムに導電性パターンを印刷した電磁波シールドフィルムを透明支持基材に加熱加圧貼り合わせする際に、カールや変形が少ない、電磁波シールド材の製造方法を提供することにある。
本発明に係る電磁波シールド材は、透明樹脂フィルムと、上記透明樹脂フィルムの一方の面上に設けられた、導電性ペーストインキのにじみを防止するためのインキ受容層と、上記インキ受容層の上に設けられ、導電性ペーストインキの焼成によって形成された電磁波シールドメッシュ層と、上記電磁波シールドメッシュ層を間に挟むように、上記透明樹脂フィルムの上記一方の面上に貼り合わされた、上記透明樹脂フィルムと線膨張率の差が30ppm以内の線膨張率を有する透明支持基材とを備える。
上記透明樹脂フィルムと透明支持基材との線膨張率の差が30ppm以内さらに好ましくは20ppm以下にあれば、寒暖差の大きい環境下で用いられる窓に使用する場合においても、反りが認められない。また、線膨張率の差が30ppm以内にあれば、透明樹脂フィルムに導電性パターンを印刷した電磁波シールドフィルムを透明支持基材に加熱加圧貼り合わせする際に、カールや変形が少ない。
プラズマディスプレイパネルに用いる従来の電磁波シールド材では、透明支持基材にアクリル樹脂基材が用いられ、この透明支持基材に、その表面に電磁波シールドメッシュ層が形成されたPET透明樹脂フィルムを貼り合わせている。この場合、PETフィルムの線膨張率は30ppmであり、アクリル樹脂基材の線膨張率は65ppmであり、両者の差は大きい。しかし、民生用のテレビなどのように、寒暖差の小さい環境下で使用する分には、この程度の線膨張率差があっても、反りは生じない。
ところが、PETフィルムを使用した従来の電磁波シールド材をそのまま、寒暖差の大きい環境下で使用すると、例えば航空機の窓ガラスに取り付けると、線膨張率の差が影響し、反りが発生する。
本発明の好ましい実施態様によれば、電磁波シールドメッシュ層を環状オレフィン系樹脂で形成された透明樹脂フィルムの面上に形成し、これをアクリル系樹脂等の透明支持基材に貼り付ける。環状オレフィン系樹脂フィルムの線膨張率は65ppmであり、アクリル樹脂の線膨張率は65ppmであるので、寒暖差の大きい環境下で用いられても反りは生じない。線膨張率の差は30ppm以内にあれば反りは生じないので、環状オレフィン系樹脂フィルムを貼り合せる透明支持基材を、ポリカーボネート系樹脂で形成することもできる。
一方、環状オレフィン系樹脂フィルム及びポリカーボネート系樹脂フィルムの表面は、濡れ性及び接着性に劣るという問題が生じたが、電磁波シールドメッシュ層を形成する側の面に、その表面の濡れ張力が、測定温度23℃で、450μN/cm以上となるように表面改質処理を行うと、そのような問題点が解消されるのが認められた。
上記透明樹脂フィルムの厚みは、20〜200μmであるのが好ましい。
上記透明支持基材の膜厚は、1〜10mmであるのが好ましい。
上記透明樹脂フィルムと上記透明支持基材とは透明な感圧性の粘着剤(PSA)、ホットメルト接着剤、1液硬化型接着剤、2液混合型接着剤で張り合わされる。
上記透明樹脂フィルムとして、その屈折率は1.49〜1.55であり、かつ光線透過率は93.0〜90.8%である環状オレフィン系樹脂フィルムを使用するのが好ましい。このように屈折率は及び光線透過率を選ぶことにより、窓の部分に用いる場合、透明度が低下しない。
上記環状オレフィン系樹脂として、化1に示すようなノルボルネンを開環重合して得られた樹脂、又は化2に示すようなノルボルネンとエチレンを共重合してなる樹脂を選ぶと、線膨張率、屈折率、光線透過率を上述の好ましい範囲にすることができる。式中、R1,R2は、置換基を表す。nは自然数である。X、Yは比率を表している。
Figure 2011054833
Figure 2011054833
この発明の他の局面に従う電磁波シールド材の製造方法においては、まず、環状オレフィン系樹脂で形成された透明樹脂フィルムの一方の面に、その表面の濡れ張力が、測定温度23℃で、450μN/cm以上となるように表面改質処理する。上記透明樹脂フィルムの一方の面上に、導電性ペーストインキのにじみを防止するためのインキ受容層を形成する。上記インキ受容層の上に、導電性ペーストインキ層を形成し、これをメッシュ状にパターニングし、次いで焼成することによって電磁波シールドメッシュ層を形成する。上記電磁波シールドメッシュ層を間に挟むように、上記透明樹脂フィルムの一方の面上に、アクリル系樹脂またはポリカーボネート系樹脂で形成された透明支持基材を貼り合わせる。
上記表面改質処理は、表面の濡れ張力が、測定温度23℃で、500μN/cm以上となるように行うのが好ましい。
本発明に係る電磁波シールド材によれば、透明樹脂フィルムと透明支持基材との線膨張率の差が30ppm以内であるので、寒暖差の大きい環境下で用いられる飛行機の窓に使用する場合においても、反りが認められない。また、透明樹脂フィルムに導電性パターンを印刷した電磁波シールドフィルムを透明支持基材に加熱加圧貼り合わせする際に、線膨張率の差が30ppm以内さらに好ましくは20ppm以下にあれば、カールや変形が少ない。
本発明の実施例1に係る電磁波シールド材の分解斜視図である。 電磁波シールドメッシュ層が形成された透明樹脂フィルムの平面図である。 (A) 図2におけるIII−III線に沿う断面図である。 (B) 電磁波シールドメッシュ層部分の拡大図である。 電磁波シールド材を、例えば航空機の窓を構成する2枚のガラスの間に挟み込まれて使用された場合の概念図である。 本発明の実施例2に係る電磁波シールド材の製造方法を工程順に示す断面図である。 本発明の実施例3に係る航空機用窓材の斜視図(A)とその断面図(B)である。
寒暖差の大きい環境下で用いられても反りが生じないように改良された電磁波シールド材を得るという目的を、環状オレフィン系樹脂で形成された透明樹脂フィルムの一方の面に電磁波シールドメッシュ層を形成し、これをアクリル系樹脂またはポリカーボネート系樹脂で形成された透明支持基材に貼り合せることによって実現した。以下、この発明の実施例を、図を用いて説明する。
図1は、本発明に係る電磁波シールド材の分解斜視図である。
電磁波シールド材1は、その一方の面上に電磁波シールドメッシュ層が形成された、環状オレフィン系樹脂で形成された透明樹脂フィルム2を備える。電磁波シールドメッシュ層を間に挟むように、透明樹脂フィルム2の一方の面上に、アクリル系樹脂またはポリカーボネート系樹脂で形成された透明支持基材4が、ホットメルト接着剤3を用いて加熱加圧して貼り合わされている。加熱加圧条件は用いる材料の組み合わせで適宜最適条件を決めればよいが、一般的には100℃、18kg/cm2、1時間の条件が適している。
本実施例によれば、環状オレフィン系樹脂で形成された透明樹脂フィルムに導電性パターンを印刷した電磁波シールドフィルムを、アクリル系樹脂またはポリカーボネート系樹脂で形成された透明支持基材に加熱加圧貼り合わせする際に、線膨張係数が合っているので、カールや変形が少ない。なお、環状オレフィン系樹脂の代わりにPET樹脂を用いると、PETフィルムの線膨張率は30ppmなので、アクリル樹脂の線膨張率65ppmとの差が35ppmになり、現象として反りが生じる。
透明支持基材4は、電磁波シールドフィルムに必要な強度や腰を付与するものである。なかでも、透明性、コスト、耐久性、耐熱性等の観点から総合的に判断すると、アクリル系樹脂またはポリカーボネート系樹脂が好適である。
ここで透明支持基材4における透明性とは、航空機の窓用途に用いられ得る程度の透明性であれば特に限定されない。通常、JIS K7105で測定した全光線透過率が85から90%程度、及びJIS K7105で測定したヘイズ値が0.1〜3%程度であることを意味する。
透明支持基材4の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は300μmである。10μm未満であると、あまりに薄いため、折れやしわが発生するなど、加工工程での取扱い性に不具合が生じることがあり、300μmを超えると、あまりに厚いため、可とう性が低下して、基材フィルムを連続加工する際の障害となる。より好ましい下限は20μm、より好ましい上限は200μmである。
図2は、電磁波シールドメッシュ層が形成された透明樹脂フィルム2の平面図であり、図3(A)は、図2におけるIII−III線に沿う断面図である。図3(B)は、電磁波シールドメッシュ層部分の拡大図である。
これらの図を参照して、透明樹脂フィルム2は、環状オレフィン系樹脂フィルム5を備える。環状オレフィン系樹脂フィルム5の一方の面に、フレーム処理、紫外線処理、コロナ処理、プラズマ処理、イトロ処理、プライマー処理、化学薬品処理などの表面改質処理が行われている。図中、×印でそれを表現している。この処理(×)により、その表面の濡れ性及び接着性が向上する。
表面改質処理後の環状オレフィン系樹脂フィルム5の一方の面に、導電性ペーストインキのにじみ(線太り)を防止するためのインキ受容層6(厚み1μm)が設けられている。表面改質処理がなされているので、環状オレフィン系樹脂フィルム5とインキ受容層6との馴染みは優れる。上記インキ受容層6の上に、導電性ペーストインキの焼成によって形成された電磁波シールドメッシュ層7が設けられている。この焼成により熱がかかるが、環状オレフィン系樹脂フィルム5は耐熱性を有するので、変形などは生じない。
電磁波シールドメッシュ層7は、導電性粉末とバインダーとからなる、例えば銀ペーストを用いてスクリーン印刷により、格子状に形成される。スクリーン印刷によれば、電磁波シールドメッシュ層7の傾斜角度θは、20°〜50°の範囲になる。
図4を参照して、このように形成された電磁波シールド材1は、例えば航空機の窓を構成する2枚のガラス8,8の間に挟み込まれて使用される。本実施例によれば、電磁波シールド材1を構成する環状オレフィン系樹脂フィルムの線膨張率は65ppmであり、透明支持基材であるアクリル樹脂の線膨張率は65ppmであるので、寒暖差の大きい環境下で用いられても反りは生じない。電磁波シールド材1を2枚のガラス8,8の間に挟み込むという構成により、窓が、風、雪、雨に曝された場合でも、また飛行中の圧力や外気温の大きな変動を受けても、電磁波シールド材1は、破断などの損傷を受けず、耐久性、耐候性に優れる。
図5を参照して、電磁波シールド材の製造方法について説明する。
図5(A)を参照して、まず、環状オレフィン系樹脂で形成された透明樹脂フィルム5を準備する。図5(B)を参照して、透明樹脂フィルム5の一方の面に、その表面の濡れ張力が、測定温度23℃で、450μN/cm以上となるように表面改質処理する(×印が表面改質の結果を表している)。
図5(C)を参照して、透明樹脂フィルム5の一方の面上に、導電性ペーストインキのにじみを防止するためのインキ受容層6を形成する。
図5(D)を参照して、インキ受容層6の上に、導電性ペーストインキ層をメッシュ状に形成し、次いで焼成することによって電磁波シールドメッシュ層7を形成する。これによって、その一方の面上に電磁波シールドメッシュ層が形成された、環状オレフィン系樹脂で形成された透明樹脂フィルムが完成する。
図5(E)を参照して、電磁波シールドメッシュ層7を間に挟むように、透明樹脂フィルム5の一方の面上に、ホットメルト接着剤3を用いて、加熱加圧して、アクリル系樹脂またはポリカーボネート系樹脂で形成された透明支持基材4を貼り合わせる。これにより、電磁波シールド材1が完成する。透明樹脂フィルムに導電性パターンを印刷した電磁波シールドフィルムを透明支持基材に加熱加圧貼り合わせする際に、線膨張率を合わせているので、カールや変形が少ない。
以下、本発明の主要要素である、表面改質処理がなされた環状オレフィン系樹脂フィルム5の製造にあたって留意すべき点について説明する。
(環状オレフィン系樹脂)
環状オレフィン系樹脂として具体的には、(a)環状オレフィンの開環(共)重合体を必要に応じ水素添加した重合体、(b)環状オレフィンの付加(共)重合体、(c)環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとのランダム共重合体、(d)上記(a)〜(c)を不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト変性体等が例示できる。環状オレフィンとしては特に限定するものでなく、例えばノルボルネン、テトラシクロドデセンや、それらの誘導体(例えば、カルボキシル基やエステル基を有するもの)が例示できる。
環状オレフィン系樹脂としては、市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、日本ゼオン社製、商品名「ZEONOR(登録商標)」、「ZEONEX(登録商標)」、JSR社製、商品名「ARTON(登録商標)」、三井化学社製、商品名「APEL(登録商標)」、TOPAS Advanced Polymers社製、商品名「TOPAS(登録商標)」等を挙げることができる。
本発明で使用する環状オレフィン系樹脂の吸水率(23℃/24時間)は、通常、0.005〜0.1%であるのが好ましい。吸水率が、0.1%を超えると、得られる基板のガスバリア性が低下する傾向にある。
本発明で使用する環状オレフィン系樹脂の屈折率は1.49〜1.55であり、光線透過率は、93.0〜90.8%であるのが好ましい。
環状オレフィン系樹脂には紫外線吸収剤、無機や有機のアンチブロッキング剤、滑材、静電気防止剤、安定剤等各種公知の添加剤を合目的に添加してもよい。
(フィルムの製造方法)
環状オレフィン系樹脂からフィルムを得る方法は特に限定なく、例えば溶液流延法、押出し法、カレンダー法等が例示できる。
(表面処理)
環状オレフィン系樹脂フィルム5の一方の面に、その表面の濡れ性及び接着性を向上させるために、フレーム処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、イトロ処理、プライマー処理、化学薬品処理などの表面改質処理が行われている。コロナ放電処理及び紫外線照射処理は、空気中、窒素ガス中、希ガス中等で行うことができる。このような表面改質処理によって、環状オレフィン系樹脂フィルムの表面の濡れ張力を、測定温度23℃で、450μN/cm以上となるように、より好ましくは500μN/cmとなるようにすることができる。
(延伸)
環状オレフィン系樹脂フィルムを延伸することによって、リタデーションを制御する手法は特に限定はなく、例えばロール延伸法、テンタークリップ延伸法、圧延法等が例示できる。
(位相差に関して)
環状オレフィン系樹脂フィルムを延伸加工してなる位相差フィルムを用いることで、より好適にLCD用途等にも使用可能である。位相差機能を付与する意味は、LCD用途の場合は光学補償である。また円偏光機能によりディスプレイの内部構造からの反射光を低減するため、従来は偏光板にさらに位相差フィルムを積層することでこの効果を得ていた。ディスプレイ基材フィルムに位相差機能を付与することで、薄型化とコストダウンが図られることになる。
(具体的実施例)
1) ノルボルネンとエチレンとの共重合体(TOPAS Advanced Polymers社製、Topas6017、ガラス転移点180℃)を溶融成形Tダイ法にて、樹脂温度270℃、引き取りロール温度140℃の条件下で、厚さ200μmのフィルムを製膜した。得られたフィルムの両面を、空気中で、処理強度100W/m2・分でコロナ放電処理することにより、濡れ張力を500μN/cm(23℃)とした。
2) 環状オレフィン系樹脂(日本ゼオン株式会社製 ZEONOR1600R)を溶融成形Tダイ法にて、樹脂温度250℃、引き取りロール温度110℃の条件下で、厚さ150μmのフィルムを製膜した。得られたフィルムの両面を空気中で処理強度100W/m2・分でコロナ放電処理することにより、濡れ張力を500μN/cm(23℃)とした。
3) 流延溶液として環状オレフィン系樹脂(日本ゼオン株式会社製 ZEONEX 490K)30重量部をキシレン70重量部に溶解し、流延法により厚み100μmのフィルムを製膜した。得られたフィルムの両面を空気中で処理強度100W/m2・分でコロナ放電処理することにより、濡れ張力を500μN/cm(23℃)とした。
なお、上記実施の形態では、透明支持基材としてアクリル系樹脂またはポリカーボネート系樹脂を例示したが、透明樹脂フィルムと透明支持基材の線膨張率の差が30ppm(3×10E−5/℃)以内となる組み合わせのものなら、いずれも使用できる。
透明樹脂フィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂フィルム、シリコーン系樹脂フィルム、ポリアリレート系樹脂フィルム、ポリエーテルスルホン系樹脂フィルム、ポリイミド系樹脂フィルム、ポリスチレン系樹脂フィルムから選ばれる。
シャルピー衝撃強さ(kJ/m2)、線膨張率(ppm)については、例えば環状ポリオレフィン系樹脂「Topas6017S−04」(TOPAS Advanced Polymers社製)は、それぞれ1.6kJ/m2、65ppmであり、PMMA(株式会社クラレ製 パラペットHR−L(光学・耐熱)は、1.4KJ/m2、70ppmであり、PC(ポリカーボネート)(帝人化成株式会社製 パンライトAD−5503(光学用))は、3kJ/m2、70ppmであり、PC(ポリカーボネート)(三菱ガス化学株式会社製 ユーピロンH−4000(disk))は、7kJ/m2、70ppmであり、PES(ポリエーテルスルホン)(BASFジャパン株式会社製 ウルトラゾーンE2010)は、6kJ/m2、55ppmである。
透明樹脂基材は、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂基材、ポリカーボネート系樹脂基材、シリコーン系樹脂基材、ポリアリレート系樹脂基材、ポリスチレン系樹脂基材から選ばれる。透明樹脂基板をそのまま用いてもまた、延伸して用いてもよい。アクリル板を延伸加工することにより強化することによりさらに好適に用いることができる。
透明接着剤は、ホットメルト接着剤としてポリビニルブチラール系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン酢ビ系、ポリオレフィン系樹脂の、フィルムまたは溶液から選ばれる。感圧性の粘着剤として、水系粘着剤として、酢ビ系 、エチレン酢ビ系 、アクリル系 、スチレンアクリル系 、SBR等ラテックス系、溶剤系では酢ビ系、アクリル系 、スチレンアクリル系、無溶剤系 、エポキシ系 、ポリエステル系 、シアノアクリレート樹脂などを適宜利用できる。
以下、航空機窓に応用する本発明の実施例について説明する。図6(A)に、例えばキャビン窓に用いられる航空機用窓材11を示す。航空機用窓材11は、平板形状が図示されているが、適用される位置に応じて曲面形状であってもよい。航空機用窓材11は、基板となる窓本体13と、窓本体13上に貼付されたフィルム15と、フィルム15上に形成された導電性メッシュ17とを備える。この航空機用窓材11は、導電性メッシュ17によって電磁波シールド性を有するとともに、視界確保のための光透過性を有しており、例えば、可視光線の透過率が90%程度とされる。
図6(B)に、航空機用窓材11の端部における部分断面図を示す。同図に示すように、窓本体13上に、接着層19を介して、導電性メッシュ17及びフィルム15がこの順で積層されている。窓本体13は、アクリル樹脂製、より具体的にはPMMA(メタクリル酸メチル樹脂)で形成されている。フィルム15は、環状オレフィン系樹脂で形成される。フィルム15の厚さは、例えば、125μmである。導電性メッシュ17は、格子状に形成されており、電磁シールド性および視界確保が両立される。環状オレフィン系樹脂で形成されたフィルム15とアクリル系樹脂またはポリカーボネート系樹脂で形成された窓本体13とは、線膨張係数が合っているので、後述する加熱加圧貼り合わせする際に、カールや変形が少ない。
接着層19は、ウレタン系接着剤で形成されている。接着層19は、接着後に、フィルム15と導電性メッシュ17との間の空間まで進入し、導電性メッシュ17の導電材料の周りを覆うように直接接触する。上記構成の航空機用窓材11の製造は、実施例2に記載された方法で行い、導電性メッシュ17付きのフィルム15が得られる。そして、窓本体13上にシート状のウレタン系接着剤とされた接着層19を設置した後に、導電性メッシュ17が窓本体13に対向するようにしてフィルム15を貼付する。次に、オートクレーブを用いて、熱処理を行うことにより、接着層19を硬化させて窓本体13上にフィルム15を固定する。オートクレーブによる処理条件としては、温度が85〜95℃、圧力が1.03MPa、処理時間が1時間が好ましい。そして、オートクレーブから取り出して冷却することにより、航空機用窓材11が得られる。このように製造された航空機用窓材11は、後に窓枠等に組み付けられることにより、航空機用窓組立体が得られる。
今回開示された実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明に係る電磁波シールド材は、寒暖差の大きい環境下で用いられても反りが生じない。
1 電磁波シールド材
2 透明樹脂フィルム
3 ホットメルト接着剤
4 透明支持基材
5 環状オレフィン系樹脂フィルム
6 インキ受容層
7 電磁波シールドメッシュ層
8 ガラス
11 航空機用窓材
13 窓本体
15 フィルム
17 導電性メッシュ
19 接着層

Claims (9)

  1. 透明樹脂フィルムと、
    前記透明樹脂フィルムの一方の面上に設けられた、導電性ペーストのにじみを防止するためのインキ受容層と、
    前記インキ受容層の上に設けられ、導電性ペーストインキの焼成によって形成された電磁波シールドメッシュ層と、
    前記電磁波シールドメッシュ層を間に挟むように、前記透明樹脂フィルムの前記一方の面上に貼り合わされた、前記透明樹脂フィルムと線膨張率の差が30ppm以下の線膨張率を有する透明支持基材と、を備えた電磁波シールド材。
  2. 前記透明樹脂フィルムは環状オレフィン系樹脂で形成され、
    前記透明支持基材は、アクリル系樹脂またはポリカーボネート系樹脂で形成された請求項1に記載の電磁波シールド材。
  3. 前記透明樹脂フィルムの前記一方の面には、その表面の濡れ張力が、測定温度23℃で、450μN/cm以上となるように表面改質処理が行われ、その上に前記インキ受容層が形成されている請求項1又は2に記載の電磁波シールド材。
  4. 前記透明樹脂フィルムの厚みが20〜200μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の電磁波シールド材。
  5. 前記透明支持基材の膜厚は、1〜10mmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の電磁波シールド材。
  6. 前記透明樹脂フィルムの屈折率は1.49〜1.55であり、光線透過率は93.0〜90.8%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電磁波シールド材。
  7. 前記透明樹脂フィルムは、(a)環状オレフィンの開環(共)重合体を必要に応じ水素添加した重合体、(b)環状オレフィンの付加(共)重合体、(c)環状オレフィンとエチレン、プロピレン等α−オレフィンとのランダム共重合体、(d)前記(a)〜(c)を不飽和カルボン酸やその誘導体等で変性したグラフト変性体のいずれかで形成されている請求項6に記載の電磁波シールド材。
  8. 環状オレフィン系樹脂で形成された透明樹脂フィルムの一方の面に、その表面の濡れ張力が、測定温度23℃で、450μN/cm以上となるように表面改質処理する工程と、
    前記透明樹脂フィルムの一方の面上に、導電性ペーストインキのにじみを防止するためのインキ受容層を形成する工程と、
    前記インキ受容層の上に、導電性ペーストインキ層を形成し、これをメッシュ状にパターニングし、次いで焼成することによって電磁波シールドメッシュ層を形成する工程と、
    前記電磁波シールドメッシュ層を間に挟むように、前記透明樹脂フィルムの一方の面上に、アクリル系樹脂またはポリカーボネート系樹脂で形成された透明支持基材を貼り合わせる工程と、を備えた電磁波シールド材の製造方法。
  9. 前記表面改質処理は、表面の濡れ張力が、測定温度23℃で、500μN/cm以上となるように行う請求項8に記載の電磁波シールド材の製造方法。
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