JP2011054464A - 角型電池 - Google Patents

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竹規 石津
Naotaka Kimura
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Akihiko Maruyama
昭彦 丸山
Mitsuru Koseki
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Abstract

【課題】 角型電池において、電極集電端子と正極シートまたは電極集電端子と負極シートとの接続構造を生産性のよいものにする。
【解決手段】 正極シート31の正極非処理部32aと負極シート35の負極非処理部36aとを本体ケース11の相対向する側面側に配置する。正極集電端子51を正極シート31の正極非処理部32aに圧接することにより正極集電端子51を正極非処理部32aに導電接続する。また、負極集電端子52を負極シート35の負極非処理部36aに圧接することにより負極集電端子52を負極非処理部36aに導電接続する。
【選択図】 図4

Description

この発明は、角型電池に関する。
リチウム二次電池等に代表される角型電池は、深絞り法により形成された金属製ケース内部に絶縁ケースを収納し、この絶縁ケース内にセパレータを介して捲回された正極板および負極板を有する電極群を収納する。金属製ケースおよび絶縁ケースは、通常、高さおよび長さの寸法が大きく、幅寸法が小さい有底無頭の矩形筒形状を有しており、頭部側に開口部を有している。電極群は、絶縁ケースの開口部から底部に向けて、高さ方向に貫通するように挿入する。つまり、電極群は正極板と負極板の積層方向とは直交する方向に挿入して絶縁ケースに収容される。電極群を収容すると正極端子および負極端子が組み付けられた金属製の電池蓋を金属製ケースに被せて溶接する。
上記のような角型電池では、正極板および負極板が高さ方向、すなわち電流路に沿って配置されることになる。このため、正極端子または負極端子までの抵抗を小さくすることを目的として、正極板と正極端子または負極板と負極端子とを接続する接続用導電板を絶縁ケースの幅寸法よりごく僅かに小さい幅寸法にする。
そのために、電極群を絶縁ケース内に収容する作業に時間がかかり非効率である。また、電極群の挿入時に電極群の構成部材が絶縁ケースの開口部や屈曲部に接触して損傷が生じる。
一方、金属製ケースを、長さと幅をほぼ正方形状の大きな寸法とし、高さ寸法を小さくした有底無頭の角型盥形状とした角型電池が知られている。つまり、金属製ケースの頭部側の開口部は、ほぼ正方形状を有する。電極群は、金属製ケースより少し小さいほぼ正方形状を有し、電極群は正極板と負極板の積層方向に挿入して金属製ケースに収容される。電極群を構成する正極板と接続される正極端子および電極群を構成する負極板と接続される負極端子は金属製ケースの側面に樹脂製のガスケットを介してかしめられる。
この構造では、金属製ケースの開口部が大きくなり、挿入する高さ方向の寸法が小さいので、金属製ケースへの電極群の収容が効率的となる。(例えば、特許文献1参照)
特開平6−251761
上記先行文献1に記載された角型電池では、正極端子および負極端子を、それぞれ、電極群の正極板および負極板に接続し、また、金属製ケースの側面にガスケットを介して接続する工程が必要であり、生産性が低い。
本発明の角型電池は、第1の導電性シートの両面に正極処理部と正極非処理部とを有する正極シートと、第2の導電性シートの両面に負極処理部と負極非処理部とを有する負極シートとがセパレータを介在して積層され、正極シートの正極非処理部がセパレータの一側端部の外部に配置され、負極シートの負極非処理部がセパレータの一側端部に対向する他側面端部の外部に配置された電極群と、電極群が収容され、正極シートの正極非処理部に対向する第1の開口部と、負極シートの負極非処理部に対向する第2の開口部とを有するケースと、ケース内における第1の開口部に対応する位置に配置され、正極シートの正極非処理部に圧接された正極集電端子と、ケース内における第2の開口部に対応する位置に配置され、負極シートの負極非処理部に圧接された負極集電端子と、を具備することを特徴とする。
この発明の角型電池によれば、正極集電シートに正極集電端子を圧接し、負極集電シートに負極集電端子を圧接することにより接続を図る構成であり、組付けと共に接続が行われるので、生産性を向上することができる。
この発明の角型電池の実施形態1を示し、裏面側からの外観斜視図。 図1に示された角型電池を表側からみた外観斜視図。 図1に示された角型電池のIII−III線切断断面図。 図1に示された角型電池のIV−IV線切断断面図。 図1に角型電池内に収容された電極群の一側端部側の拡大断面図。 図4に図示された角型電池の溶接前の分解断面図。 この発明の角型電池に用いられる集電端子の第1実施例を示す外観斜視図。 この発明の角型電池に用いられる集電端子の第2実施例を示す外観斜視図。 この発明の角型電池に用いられる集電端子の第3実施例を示す外観斜視図。 この発明の角型電池に用いられる集電端子の第4実施例を示す外観斜視図。 この発明の角型電池に用いられる集電端子の第5実施例を示す外観斜視図。 この発明の角型電池に用いられる集電端子の第6実施例を示す外観斜視図。 この発明の実施形態2を示す断面図。 この発明の実施形態3を示す断面図。 この発明の実施形態4を示す断面図。
(実施形態1)
以下、この発明の角型電池の一実施形態を、リチウム二次電池を例として図面と共に説明する。
図1は、この発明の角型電池の一実施形態を示す裏面側からの外観斜視図であり、図2は、図1に示された角型電池を表側からみた外観斜視図である。また、図3は、図1に示された角型電池のIII−III線切断断面図であり、図4は、図1に示された角型電池のIV−IV線切断断面図である。
角型電池1は、長さL、幅W、高さH(図1参照)の直方体状の電池容器10を有する。電池容器10は、それぞれ、ステンレス鋼、炭素鋼等の金属板を、プレスおよび絞り加工して形成された本体ケース11および蓋ケース12からなる。本体ケース11および蓋ケース12は、境界部13で溶接により接合されている。
本体ケース11には、幅Wのほぼ中央部、長さL方向の一方の側縁近傍に、図4に図示されるように、内部に突き出す突出部13が形成され、他方の側縁近傍に内部に突き出す突出部14が形成されている。突出部13および14は、本体ケース11の側縁に沿って延出された平面長方形の形状を有している。突出部13の最も高い部分には平坦な上部13aが形成され、突出部14の最も高い部分には平坦な上部14aが形成されている。突出部13の上部13aには、開口部13bが形成されている。開口部13bは、突出部13の上部13aの内周に沿って平面長方形状に形成されている。本体ケース11の突出部13の外部には溝21が形成され、突出部14の外部には溝22が形成されている。
蓋ケース12には、幅Wのほぼ中央部、長さL方向の一方の側縁近傍に、内部に突き出す突出部15が形成され、他方の側縁近傍に内部に突き出す突出部16が形成されている。突出部15および16は、蓋ケース12の側縁に沿って延出された平面長方形の形状を有している。突出部15の最も高い部分には平坦な上部15aが形成され、突出部16の最も高い部分には平坦な上部16aが形成されている。突出部16の上部16aには、開口部16bが形成されている。開口部16bは、突出部16の上部16aの内周に沿って平面長方形状に形成されている。蓋ケース12の突出部15の外部には溝23が形成され、突出部16の外部には溝24が形成されている。
電池容器10内には、電極群30が収容されている。図5の要部拡大断面図に図示されるように、電極群30は、第1のセパレータ41と、正極シート31と、負極シート35と、第2のセパレータ42が捲回されて構成されている。
正極シート31は、アルミニウム箔からなる導電性シート32の両面に正極活物質等を塗布した正極処理部33を有する。正極処理部33は、導電性シート32の一側縁を長手方向に連続的に露出して、導電性シート32の他の全面を覆って形成されている。つまり、正極シート31は、導電性シート32の両面に、一側縁が長手方向に連続して露出された正極非処理部32aと、導電性シート32の他の全面を覆う正極処理部33を有する。
正極シート31の形成方法の一例を説明すれば、正極シート31は正極活物質としてリチウム含有複酸化物粉末と、導電材として鱗片状黒鉛と、結着剤してポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用い、次のように作製される。正極活物質と導電材と結着剤とを重量比で85:10:5の割合で混合し、これに分散溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)を添加、混練したスラリを、厚さ20μmのアルミニウム箔からなる導電性シート32の両面に均一に塗布し正極処理部33を形成する。その後、乾燥、プレス、裁断することにより、例えば、活物質合剤層が配された部分(正極処理部33)の幅80mm、厚さ100μm、長さ4mの正極シート31が作製される。
負極シート35は、圧延銅箔からなる導電性シート36の両面に負極活物質等を塗布した負極処理部37を有する。負極処理部37は、導電性シート36の一側縁を長手方向に連続的に露出して、導電性シート36の他の全面を覆って形成されている。つまり、負極シート35は、導電性シート36の両面に、一側縁が長手方向連続して露出された負極非処理部36a(図4参照)と、導電性シート36の他の全面を覆う負極処理部37を有する。
負極シート35の形成方法の一例を説明すれば、負極シート35は負極活物質として非晶質炭素端末、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)、分散溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)を用い次のように作製される。非晶質炭素粉末にPVDFを添加し、これにNMPを添加、混練したスラリを、厚さ10μmの圧延銅箔からなる導電性シート36の両面に均一に塗布して負極処理部37を形成する。その後、乾燥、プレス、裁断することにより、例えば、活物質合剤層が配された部分(負極処理部37)の幅84mm、長さ4.4mの負極シート35が作製される。
第1のセパレータ41と第2のセパレータ42は、例えば、幅92mm、厚さ30μmのポリエチレン製多孔膜である。
電極群30の作製方法の一例を説明する。
第1のセパレータ41を最内周として複数回捲回して軸芯とし、その外周に、正極シート31と、第2のセパレータ42と、負極シート35を、複数回捲回する。図3では、図示の明確化のため、数回のみ捲回した状態を示すが、実際は数十回捲回されている。
捲回に際しては、正極シート31の正極処理部33と負極シート35の負極処理部37が第1のセパレータ41と第2のセパレータ42によって隔離されるように、それぞれの長手方向の側面端部の位置を調整する。この場合、正極シート31の正極非処理部32aが第1のセパレータ41と第2のセパレータ42の長手方向の一方の側面端部よりも外部に位置するようにする。また、負極シート35の負極非処理部36aが第1のセパレータ41と第2のセパレータ42の長手方向の他方の側面端部よりも外部に位置するようにする(図4参照)。ここで、第2のセパレータ42の他方の側面端部とは、第1のセパレータ41の一方の側面端部に対向する側面端部である。
捲回時は、正極シート31、負極シート35、第1セパレータ41、第2セパレータ42ともに、長さ方向に10Nの荷重をかけて伸展する。この場合、正極シート31、負極シート35、第1のセパレータ41、第2のセパレータ42のそれぞれの長手方向の側面端部が上記した位置関係を満足する一定位置になるように蛇行制御しながら作製する。
本体ケース11の突出部13の上部13a上および開口部13bの内面には、ゴムまたは樹脂からなる絶縁材45が設けられている。絶縁材45は、開口部13bの外周に沿う平面長方形状の中空部を有している。絶縁材45上には正極集電端子51が配置されている。
蓋ケース12の突出部16の上部16a上および開口部16bの内面には、ゴム製または樹脂からなる絶縁材46が設けられている。絶縁材46は、開口部16bの外周に沿う平面長方形状の中空部を有している。絶縁材46上には負極集電端子52が配置されている。
正極集電端子51および負極集電端子52は同一の構造を有しており、ここでは、代表として正極集電端子51を集電端子51として説明する。図7は、集電端子51の拡大斜視図である。
集電端子51は、開口部13bの内面に設けられた絶縁材45の中空部に挿入される部分とこの部分より幅広い部分を有するベース部51aと、このベース部51a上に配列された複数の突起51bとを有する。図7に図示された突起51bは、立方体または直方体の形状であるが、これは一例であって、突起51bは、後述する如く、種々の形状を採用することができる。
正極集電端子51の複数の突起51bを、蓋ケース12の突出部15の上部15aに、正極シート31の正極非処理部32a、すなわち、導電性シート32の露出部を圧接する。これにより、正極集電端子51が正極シート31の正極非処理部32aに導電接続される。同様に、負極集電端子52は、複数の突起を、本体ケース11の突出部14の上部14aに、負極シート35の負極非処理部36a、すなわち、導電性シート36の露出部を圧接する。これにより、負極シート35の負極非処理部36aに導電接続される。
図6は、正極集電端子51および負極集電端子52が、それぞれ、正極シート31の正極非処理部32aおよび負極シート35の負極非処理部36aに圧接される前の分解断面図を示す。
電極群10の正極シート31の正極非処理部32aは、本体ケース11の突出部13の上部13a上に絶縁材45を介在して配置された正極集電端子51と、蓋ケース12の突出部15の上部15aとの間に位置している。電極群10の負極シート35の負極非処理部36aは、蓋ケース12の突出部16の上部16a上に絶縁材46を介在して配置された負極集電端子52と、本体ケース11の突出部14の上部14aとの間に位置している。
この状態で、本体ケース11と蓋ケース12とを、開口部側が一致するように位置合わせして閉じると、正極集電端子51が正極シート31の正極非処理部32aを圧接し、負極集電端子52が負極シート35の負極非処理部36aを圧接する。
図6には図示されていないが、加圧装置により、本体ケース11と蓋ケース12とを加圧しながら、本体ケース11と蓋ケース12との境界部13を溶接すると、正極集電端子51が正極シート31の正極非処理部32aに導電接続され、負極集電端子52が負極シート35の負極非処理部36aに導電接続された図4に図示された状態となる。
この後は、図示はしないが、電池容器10に形成された注入口より、電池容器10内部に非水電解液を注入し、注入後に注入口を閉塞すれば、角型電池1が作製される。
上述の如く、本発明によれば、本体ケース11と蓋ケース12とを接合する工程時に、正極集電端子51が正極シート31の正極非処理部32aに圧接して導電接続がなされ、負極集電端子52が負極シート35の負極非処理部36aを圧接して導電接続されるので、工程数が削減され、作業性が向上する。
表1は、従来の構造による組立時間を1とし、これに対する本願発明の組立時間の相対値を比較したものである。但し、従来の構造とは、特許文献1に記載にタイプではなく、電極群が正極板と負極板の積層方向と直交する方向に収容されるタイプである。
表1に示されるように、本発明によれば、集電端子を電極群に接続するための導電接続部材を接合する工程が必要でないので、この作業時間を省略することができる。また、電極群を電池容器に収容する際の工程時間を従来の70%程度にすることができる。
集電端子の突起の形状は、実施例1として図7に図示した立法体または直方体以外に、種々、適用することができる、図8〜図12は、それぞれ、集電端子の実施例2〜6を示す斜視図である。
図8は、集電端子51の実施例2を示す。この実施例2における集電端子51の各突起部51bは、半球状をしている。ここで、半球状とは、底面と平行な面で切断した形状が円形のもののみでなく、楕円形のものも含む。
図9は、集電端子51の実施例3を示す。この実施例3における集電端子51の各突起部51bは、側面が三角形状をしている。
図10は、集電端子51の実施例4を示す。この実施例4における集電端子51の各突起部51bは、四角錐台である。
図11は、集電端子51の実施例5を示す。この実施例5に示された集電端子51は、2種類の突起51bを有する。1つは、図9に図示された側面が三角形状の突起であり、もう1つは、各三角形状の突起の間に配置された細長い四角柱体の突起である。
図12は、集電端子51の実施例6を示す。この実施例6に示された集電端子51は、2種類の突起51bを有する。1つは、図8に図示された半球状の突起であり、もう1つは、各半球状の突起の間に配置された細長い四角柱体の突起である。
表2は、集電端子の実施例1に対して、実施例2〜6における出力の相対値を示したものである。

実施例1〜6のいずれにおいても、出力に大きな相違は無く、いずれの形状の突起も良好な結果が得られた。なお、図面として図示されてはいないが、突起としては、図7〜図12に図示された形状以外に、円柱・角柱等の柱体、半球台、あるいは、これらと実施例1〜6との組合せたものを使用することができる。
表3は、集電端子の導電シートに接触する圧接面の面積と、出力値の関係を示す。この表では、圧接部の面積1mm2の場合に得られる出力値に対する各面積における出力相対値を示している。
表3に記載の通り、圧接部の面積1mm2が未満になると出力が極端に低減することが確認された。一方、圧接部の面積が1mm2以上であれば、その面積が数倍になっても出力は殆ど変化せず良好であることが確認された。
従って、圧接部の面積は1mm2以上であることが望ましい。
なお、本発明は、実施形態1に限られるものではなく、種々、その形態を変更することが可能である。以下に、他の実施形態を示す。
(実施形態2)
図13は、本発明の角型電池の実施形態2を示す断面図である。
実施形態2が実施形態1と相違する点は、正極および負極の集電端子を共に本体ケース11側に配置した構成とした点である。以下においては、実施形態1と同一の部材には同一の参照番号を付し、適宜、その説明を省略する。
本体ケース11の突出部13の上部13aには、開口部13bが形成されており、本体ケース11の突出部14の上部14aには開口部14bが形成されている。突出部13の上部13aの上面および開口部13bの内側には、中空部を有する絶縁材45が設けられ、この絶縁材45の上面および中空部の内側には正極集電端子51が配置されている。また、突出部14の上部14aの上面および開口部14bの内側には、中空部を有する絶縁材46が設けられ、この絶縁材46の上面および中空部の内側には負極集電端子52が配置されている。
蓋ケース12には、突出部15および16が形成されている。突出部16の上部16bには、実施形態1と異なり、開口部は形成されておらず、突出部16は突出部15と同様な構造を有する。
正極集電端子51は、蓋ケース12の突出部15の上部15aに正極シート31の正極非処理部32aを圧接することにより、正極非処理部32aに導電接続される。従って、正極集電端子51と正極シート31の正極非処理部32aとの接続は実施形態1と同一である。負極集電端子52は、蓋ケース12の突出部16の上部16aに負極シート35の負極非処理部36aを圧接することにより、負極非処理部36aに導電接続される。従って、実施形態2では、本体ケース11の突出部14の上部14a上に配置された負極集電端子14aに導電接続される点が実施形態1と相違する。
実施形態2においても、実施形態1の場合と同様な効果を奏する。また、正極および負極の集電端子が本体ケース側に配置されているので、外部装置との接続が容易となる。
上記においては、正極および負極の集電端子を本体ケース11側に配置した態様で図示したが、逆に、正極および負極の集電端子を蓋ケース12側に配置するようにしてもよい。
(実施形態3)
図14は、本発明の角型電池の実施形態3を示す断面図である。
実施形態3が実施形態1と相違する点は、正極および負極の集電端子を蓋ケース12側に配置した点および本体ケースの突出部上に弾性材を配置するようにした点である。以下においては、実施形態1と同一の構成には同一の参照番号を付し、適宜、その説明を省略する。
蓋ケース12の突出部15の上部15aには、開口部15bが形成されており、蓋ケース12の突出部16の上部16a上には開口部16bが形成されている。突出部15の上部15aの上面および開口部15bの内側には、中空部を有する絶縁材45が設けられ、この絶縁材45の上面および中空部の内側には正極集電端子51が配置されている。また、突出部16の上部16aの上面および開口部16bの内側には、中空部を有する絶縁材46が設けられ、この絶縁材46の上面および中空部の内側には負極集電端子52が配置されている。
本体ケース11には、突出部13および14が形成されている。実施形態1の場合と異なり突出部13の上部13bおよび突出部14の上部14bには開口部は形成されていない。また、実施形態1の場合と異なり、本体ケース11の突出部13の上部13a上には絶縁性材料からなる弾性材48が配置され、本体ケース11の突出部14の上部14a上には絶縁性材料からなる弾性材49が配置されている。
正極集電端子51は、本体ケース16の突出部16の上部16a上に配置された弾性材48に、正極シート31の正極非処理部32aを圧接することにより、正極非処理部32aに導電接続される。また、負極集電端子52は、本体ケース11の突出部14の上部14a上に配置された弾性材49に負極シート35の負極非処理部36aを圧接することにより、負極非処理部36aに導電接続される。
実施形態3においても、実施形態1の場合と同様な効果を奏する。また、正極および負極の集電端子が蓋ケース側に配置されているので、外部装置との接続が容易となる。加えて、正極および負極の集電端子に対向する突出部上に弾性材を配置し、正極および負極の非処理部を、この弾性材に圧接する構造であるので、接続が確実となり信頼性が向上する。
上述の実施形態3の態様は、種々、変形することができる。本体ケース11側に正極および負極の集電端子を配置し、これと対向する蓋ケース12側に弾性材を配置する構成としてもよい。また、正極および負極の集電端子の一方を本体ケース11側に、他方を蓋ケース側に配置するようにしてもよい。この場合、各集電端子に対向するケース側に、それぞれ、弾性材が配置される構造となる。
また、弾性材を配置する側のケースに突出部を形成せず、平坦にし、弾性材の厚さを、突出部の厚さ分、厚くする構成としてもよい。図14の場合で説明すれば、本体ケース11の突出部13および14を形成せず、弾性材48および49の厚さを突出部13または14の高さと同程度にする構造とする。また、突出部13および14の中、一方の突出部を形成せず、平坦にし、この一方側に弾性材を配置する構造とすることもできる。これらの構造において、厚さ全体に亘り弾性材とする必要は無く、上層部のみ弾性材とし、他は非弾性材としてもよい。
次に、本発明の角型電池を積層して組電池とする場合について説明する。
(実施形態4)
図15は、角型電池が積層された組電池の断面図を示す。各角型電池は実施形態1の場合と異なり、正極集電端子51が、突出部13の外部、すなわち、溝21を貫通して、本体ケース11の外面よりも外方に突き出したエクステンション部51cを有する。エクステンション部51cはベース部51aと同一材料で一体に形成されている。
角型電池は1個置きに正極側と負極側が反対の側面に位置するよう、左右を逆にして配置されている。
すなわち、図15に図示されるように、最上段の角型電池を1Uとし、その下段に配置された角型電池を1Lとする。上から奇数番目の角型電池1Uは、正極集電端子51が、図15に向かって左側に位置し、上から偶数番目の角型電池1Lは、正極集電端子51が、図15に向かって右側に位置している。この場合、負極集電端子52は正極集電端子51と対応する位置に配置されている。そして、上段側の角型電池の正極集電端子51のエクステンション部51cが、順次、下段側の負極集電端子52に接続されている。
正極集電端子51と負極集電端子52とは溶接してもよい。
図15では、4個の角型電池1を積層した組電池として図示されているが、この構成を繰り返して何個でも積層することができる。また、図15では、正極集電端子51にのみエクステンション部51cを設けたが、負極集電端子にもエクステンション部を設けてもよい。正極集電端子と負極集電端子の両方にエクステンション部を設ける場合には、両方の集電端子のエクステンション部の長さの合計が、両集電端子間の間隔に等しくなるようにする。
なお、上述したように正極集電端子と負極集電端子は溶接して組電池とすることができる。正極集電端子と負極集電端子を溶接するには、最下段の角型電池1L上部に角型電池1Uを載置し、この状態で超音波溶接により、上段側の角型電池1Uの正極集電端子と下段側の角型電池1Lの負極集電端子とを溶接する。次に、角型電池1Uの上部に角型電池1を載置し、この状態で超音波溶接により、上段側の角型電池1の正極集電端子と下段側の角型電池1の負極集電端子とを溶接する。以下、この工程を繰り返すことにより、正極集電端子と負極集電端子とが溶接により接合されて多数個積層された組電池を作製することができる。
但し、上述した超音波による溶接工程において、正極シート同士または負極シート同士が溶接されたり、正極シートと正極集電端子または負極シートと負極集電端子が溶接されることがある。この発明は、このように、後工程により正極シート同士または負極シート同士が接合されたり、正極シートと正極集電端子または負極シートと負極集電端子が接合されたものを含むものである。
実施形態4の場合においても、実施形態1の場合と同様な効果を奏することができる。加えて、角型電池を積層して上下の集電端子を接続する組立を効率よく行うことができるという効果を奏する。
なお、上記した各実施形態では、リチウム二次電池の場合で説明したが、この発明は、リチウム二次電池に限られるものではなく、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池など、他の角型電池にも適用をすることができる。
上記した各実施形態では、正極シートと負極シートは、長尺状のシートをセパレータと共に捲回したものを電池容器内に収容したが、正極シートおよび負極シートは電池容器の面積より小さい面積のシートに裁断して、セパレータを介在して積層したものを電池容器内に収容してもよい。
その他、本発明の角型電池は、発明の趣旨の範囲内において、種々、変形して構成することが可能であり、要は、第1の導電性シートの両面に正極処理部と正極非処理部とを有する正極シートと、第2の導電性シートの両面に負極処理部と負極非処理部とを有する負極シートとがセパレータを介在して積層され、正極シートの正極非処理部がセパレータの一側端部の外部に配置され、負極シートの負極非処理部がセパレータの一側端部に対向する他側面端部の外部に配置された電極群と、電極群が収容され、正極シートの正極非処理部に対向する第1の開口部と、負極シートの負極非処理部に対向する第2の開口部とを有するケースと、ケース内における第1の開口部に対応する位置に配置され、正極シートの正極非処理部に圧接された正極集電端子と、ケース内における第2の開口部に対応する位置に配置され、負極シートの負極非処理部に圧接された負極集電端子と、を具備するものであればよい。
1、1U、1L 角型電池
10 電池容器
11 本体ケース
12 蓋ケース
13 境界部
13、14 突出部
13a、14a 上部
13b、14b 開口部
15、16 突出部
15a、16a 上部
15b、16b 開口部
21、22、23、24 溝
30 電極群
31 正極シート
32 導電シート
32a 正極非処理部
33 正極処理部
35 負極シート
36 導電シート
36a 負極非処理部
37 負極処理部
41、42 セパレータ
45、46 絶縁材
48、49 弾性材
51 正極集電端子
51a ベース部
51b 突起
51c エクステンション部
52 負極集電端子

Claims (10)

  1. 第1の導電性シートの両面に正極処理部と正極非処理部とを有する正極シートと、第2の導電性シートの両面に負極処理部と負極非処理部とを有する負極シートとがセパレータを介在して積層され、前記正極シートの正極非処理部が前記セパレータの一側端部の外部に配置され、前記負極シートの負極非処理部が前記セパレータの前記一側端部に対向する他側面端部の外部に配置された電極群と、
    前記電極群が収容され、前記正極シートの正極非処理部に対向する第1の開口部と、前記負極シートの負極非処理部に対向する第2の開口部とを有するケースと、
    前記ケース内における前記第1の開口部に対応する位置に配置され、前記正極シートの正極非処理部に圧接された正極集電端子と、
    前記ケース内における前記第2の開口部に対応する位置に配置され、前記負極シートの負極非処理部に圧接された負極集電端子と、
    を具備することを特徴とする角型電池。
  2. 請求項1に記載の角型電池において、前記ケースは、前記第1の開口部およびその周縁部が前記ケース内部に突き出して形成された第1の突出部と、前記第2の開口部およびその周縁部が前記ケース内部に突き出して形成された第2の突出部を有し、前記正極集電端子は前記第1の突出部上に配置され、前記負極集電端子は前記第2の突出部上に配置されていることを特徴とする角型電池。
  3. 請求項1または2のいずれか1項に記載の角型電池において、前記ケースは金属により形成されており、前記ケースと前記正極集電端子との間に、前記ケースと前記正極集電端子とを絶縁する第1絶縁材が設けられ、前記ケースと前記負極集電端子との間に、前記ケースと前記負極集電端子とを絶縁する第2絶縁材が設けられていることを特徴とする角型電池。
  4. 請求項3に記載の角型電池において、前記ケースは、金属製の第1ケースと金属製の第2ケースとからなり、前記第1ケースおよび前記第2ケースは、それぞれ、前記正極シートの正極非処理部に対応して前記ケース内部に突き出して形成された第1の突出部と前記負極シートの負極非処理部に対応して前記ケース内部に突き出して形成された第2の突出部を有することを特徴とする角型電池。
  5. 請求項4に記載の角型電池において、前記第1ケースと前記第2ケースとは、溶接されていることを特徴とする角型電池。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の角型電池において、前記正極集電端子および前記負極集電端子は、それぞれ、ベース部と、このベース部上に設けられた複数の突起を有することを特徴とする角型電池。
  7. 請求項6に記載の角型電池において、前記突起は、立方体、直方体、柱状、錐体、半球、半球台、角錐台、+文字型およびこれらの組合せからなる形状の群からなる少なくとも一つ以上の形状を有することを特徴とする角型電池。
  8. 請求項6または7のいずれか1項に記載の角型電池において、前記正極集電端子および負極集電端子は前記正極非処理部または前記負極非処理部を圧接する面を有し、この面は1mm以上の面積を有することを特徴とする角型電池。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の角型電池において、前記正極集電端子は前記第1の開口部内に導入され、前記負極集電端子は前記第2の開口部内に導入されていることを特徴とする角型電池。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の角型電池において、前記正極集電端子および前記負極集電端子の少なくともいずれか一方は、前記ケースの内部から、前記第1の開口部または前記第2の開口部を貫通して前記ケースの外面よりも突出して延出されていることを特徴とする角型電池。
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