JP2011053646A - 光偏向器、光偏向器の製造方法および画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可動板11と、一端が可動板11と連結され、回転軸Xの周りに可動板11を回動可能に支持する弾性支持部12と、弾性支持部12の他端と連結された支持部材13とを備え、弾性支持部12、支持部材13は、上面、下面、及び側面を有し、側面は、上面又は下面よりも外側に存在する1つ又は複数の斜面によって形成され、弾性支持部12、支持部材13の上面、下面、及び側面に、光吸収膜30が設けられている。
【選択図】図3
Description
例えば、特許文献1には、平板状の可動板と、該可動板を回動可能に軸支する一対のトーションバーと、可動板に形成されたミラー部を有し、ミラー部以外の部分に反射防止膜を形成したプレーナ型アクチュエータが開示されている。
また、特許文献2には、光スキャナにおいて、不要光が入射するはり部や固定部が光を反射する反射能力を、反射面よりも低下させることが記載されている。
このように、特許文献1に記載のアクチュエータでは、可動板やトーションバー等の側面の光反射を防止する機能が不十分となるため、可動板を回動させたときに、可動板やトーションバー等の側面で光が反射し、その反射した光が迷光となって、画像に対して悪影響を与えるという問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、迷光の発生を防止することができる光偏向器、光偏向器の製造方法および画像表示装置を提供することにある。
これにより、スパッタ等の一般的な成膜方法を用いても、弾性支持部の側面にも均一な光吸収部を成膜することができるので、弾性支持部の側面での反射を防止することができる。
これにより、スパッタ等の一般的な成膜方法を用いても、支持部材の側面にも均一な光吸収部を成膜することができるので、支持部材の側面での反射を防止することができる。
これにより、スパッタ等の一般的な成膜方法を用いても、可動板の側面にも均一な光吸収部を成膜することができるので、可動板の側面での反射を防止することができる。
これにより、スパッタ等の一般的な成膜方法を用いても、弾性支持部の側面にも均一な光吸収部を成膜することができるので、弾性支持部の側面での反射を防止することができる。
これにより、スパッタ等の一般的な成膜方法を用いても、支持部材の側面にも均一な光吸収部を成膜することができるので、支持部材の側面での反射を防止することができる。
これにより、スパッタ等の一般的な成膜方法を用いても、可動板の側面にも均一な光吸収部を成膜することができるので、可動板の側面での反射を防止することができる。
支持部と、
前記可動板を前記支持部に対して回動可能に連結する連結部とを備え、
前記連結部は、前記可動板の回動中心軸に垂直な断面でみたときに、前記可動板の一方の面側から他方の面側へ向けて幅が漸次増加し、その幅の増加に伴って前記可動板の板面の法線方向に対して傾斜する傾斜面を有し、
前記連結部の傾斜面には、光吸収性を有する光吸収部が設けられていることを特徴とする。
支持部と、
前記可動板を前記支持部に対して回動可能に連結する連結部とを備え、
前記支持部は、前記可動板の回動中心軸に垂直な断面でみたときに、前記可動板の一方の面側から他方の面側へ向けて幅が漸次増加し、その幅の増加に伴って前記可動板の板面の法線方向に対して傾斜する傾斜面を有し、
前記支持部の傾斜面には、光吸収性を有する光吸収部が設けられていることを特徴とする。
前記可動板の傾斜面には、光吸収性を有する光吸収部が設けられているのが好ましい。
これにより、スパッタ、蒸着等の一般的な成膜方法を用いても、可動板の傾斜面に均一な光吸収部を成膜することができる。そのため、可動板の傾斜面に形成された光吸収部の光反射を防止する機能(光を吸収する機能)を優れたものとすることができる。そのため、可動板を回動させたときに、この傾斜面に光が入射しても、迷光の発生を防止し、例えば、光偏向器を画像表示装置に用いた場合に、迷光による画像品質の劣化を防止することができる。
面方位(100)のシリコン基板をエッチングすることにより、前記可動板、前記支持部および前記連結部を形成する第1の工程と、
前記光吸収部を形成する第2の工程と、
前記光反射部を形成する第3の工程とを有することを特徴とする。
本発明の画像表示装置は、光を出射する光出射部と、本発明の光偏向器とを備え、前記光出射部から出射した光を前記光偏向器で走査することにより、画像を表示することを特徴とする。
これにより、迷光による画像品質の劣化を防止することができる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による光偏向器1の概略構成を示す上面図である。図2は、図1のA−A線における断面図、図3は、図1のB−B線における断面図である。ただし、図3は、光偏向器1の弾性支持部12及び支持部材13のみを示している。
各々の弾性支持部12は2本の棒12aで形成されている。棒12aは断面(回動中心軸に垂直な断面)が平行四辺形であり、上面側(図3にて上側)に向かうに従って2本の棒12aの間隔が広がるように配置されている。また、この2本の棒12aの間隔が拡がる角度θ=54.73°である。
そして、前述したような連結部12の傾斜面、支持部材13の傾斜面および可動板11の傾斜面には、それぞれ、光吸収性を有する光吸収膜30が設けられている。
(第1の工程)
図4に示すように、例えば、シリコンからなる基板10を用意する。そして、図5に示すように、熱酸化により、基板10の両面に酸化シリコンからなるマスク31,32を形成する。マスク31,32には、SiO2マスク、SiNマスクなどを用いることができる。
ここで、基板10としては、特に限定されないが、板面における面方位が(100)であるシリコン基板(シリコン単結晶板)を用いるのが好ましい。面方位(100)のシリコン基板をエッチングすることにより、前述したような傾斜面を有する可動板11、支持部材13および弾性支持部12を簡単に形成することができる。
次に、図8に示すように、基板10の下面側のレジスト42を露光及び現像して、レジスト42に所定の開口パターンP2を形成する。開口パターンP2は、例えば、可動板11、弾性支持部12、支持部材13以外の領域を開口するパターンである。
次に、図10に示すように、基板両面のレジスト41,42を除去する。レジスト41,42の除去には、硫酸洗浄又はアッシングが用いられる。
次に、図13に示すように、基板10の表面側のレジスト44を露光及び現像して、レジスト44に所定の開口パターンP1を形成する。なお、本実施形態では、図13に示す断面においては、開口パターンP1は形成されていないが、図3と同様の断面においては、図20に示すような開口パターンP1を形成する。
次に、図15に示すように、基板両面のレジスト43,44を除去する。レジスト43,44の除去には、硫酸洗浄又はアッシングが用いられる。
次に、図17に示すように、マスク31,32を除去する。マスクの除去は、SiO2マスクの場合には希フッ酸やバッファードフッ酸等によるウェットエッチング、あるいは、CF4ガスを用いたドライエッチングによって行うことができる。SiNマスクの場合には、CF4ガスを用いたドライエッチングによって行うことができる。
次に、図18に示すように、基板10の表面に光吸収膜30を形成する。光吸収膜30の形成は、例えば、スパッタやメッキ等の方法によりクロム膜を成膜することにより行う。成膜する際には、まず基板10の上面(または下面)側からクロムを当て、基板10に付着させる。次に反対側の面からクロムを当て、基板10に付着させる。基板10の上面側からクロムを当てた場合、可動板11及び支持部材13の側面は、それぞれの上面よりも内側にあるため、側面にはクロムを付着させることができない。一方、基板10の下面側からクロムを当てた場合には、可動板11及び支持部材13の側面は、下面よりも外側にあり、側面全体が見えているため、側面にも均一にクロムを付着させることができる。
なお、光吸収膜30の膜厚は1500Å程度が望ましい。クロム膜を形成することにより、可視光の反射率を10%以下に抑えることができる。
次に、図19に示すように、可動板11の表面に金属膜を成膜しパターニングすることにより、可動板11上に反射膜21を形成する。金属膜の成膜方法としては、真空蒸着、スパッタリング、電気メッキ、無電解メッキ、金属箔の接合等が挙げられる。さらに、可動板11の裏面に、接着剤を介して磁石22を固定する。
以上のようにして一枚の基板10を用いて形成された可動板11、弾性支持部12、支持部材13を含む構造体を、ホルダ50に取り付けることにより、光偏向器1が製造される。
図22に示すように、可動板11の側面15は、回転軸X側に窪んでいる。具体的には、主面が(100)面のSiウェハの基板10を用いて可動板11を形成した場合には、可動板11の側面15は、Siの(111)面で構成される。Siの(111)面と主面とのなす角度θは、54.73°である。
図23は、実施の形態2による光偏向器1の概略構成を示す上面図である。図24は、図23のA−A線における断面図、図25は、図23のB−B線における断面図である。ただし、図24,25は、光偏向器1の可動板11、弾性支持部16、及び支持部材13のみを示している。図1〜3と同一の符号は、同一の、或いは対応する構成要素を示している。
実施の形態2では、実施の形態1と弾性支持部16の形状が異なっている、図に示すように、弾性支持部16は、下面から上面に向かって広がる台形形状になっている。このため、側面17を形成する斜面は、下面よりも外側に形成されている。
実施の形態2では、可動板11、弾性支持部16、支持部材13の側面が、それぞれの上面または下面よりも外側に存在する斜面によって形成されている。すなわち、可動板11、弾性支持部16、及び支持部材13は、下面から上面に向かって広がる台形形状になっている。これにより、基板10の上面及び下面の両側からスパッタ等による成膜を行うことにより、可動板11、弾性支持部16、及び支持部材13の側面にも均一な光吸収膜30を成膜することができる。
図28は、実施の形態3による光偏向器1を、基板10をエッチングして形成する際の、マスク31,32のパターンを示す断面図である。図26は、図1の
A−A線における断面を示している。図26に示すようなマスク31,32を形成することにより、断面が六角形の可動板18、支持部材19を形成することができる。基板10の上面からのエッチングにより形成された孔と、基板10の下面からのエッチングにより形成された孔の底同士が接触することにより、基板10を貫通する1つの孔が形成される。このとき、KOHなどのウェットエッチングでは、Siの結晶面方位(111)面がエッチングストッパとして機能するため、表面との角度θ=54.73°の面で構成された側面形状が自動的に形成される。このため、通常、ウェットエッチングで基板10を加工した場合には、図26に示すように、可動板18、支持部材19の側面は、回転軸Xとは反対に向かって凸状に形成される。なお、弾性支持部についても同様にマスクパターンを形成することにより、断面を六角形に形成することができる。
断面を六角形に形成すると、側面が2つの斜面から形成され、上面側の斜面は上面よりも外側に、下面側の斜面は下面よりも外側に存在するので、基板10の上面及び下面の両側からスパッタ等による成膜を行うことにより、可動板18及び支持部材19の側面にも均一な光吸収膜30を成膜することができる。
本発明に係る光偏向器1の応用例(画像表示装置の一例)として、投射型の表示装置(プロジェクター)を説明する。図29は、投射型の表示装置の概略構成を示す図である。図29に示す光走査装置は、水平走査ミラーとして本発明に係る光偏向器1を用いている。
レーザー光源101は、赤色レーザー光を出射する赤色レーザー光源101Rと、青色レーザー光を出射する青色レーザー光源101Bと、緑色レーザー光を出射する緑色レーザー光源101Gとを有する。ただし、2色以下又は4色以上のレーザー光源を用いてもよい。
フォトダイオード103(103R,103G,103B)は、各ダイクロイックミラー102R,102G,102Bに反射されずに透過した赤色レーザー光、緑色レーザー光、青色レーザー光の光量を検出する。
垂直ミラー104は、光偏向器1により反射されたレーザー光を垂直方向に走査する。垂直ミラー104は、例えば、ガルバノミラーにより構成される。ガルバノミラーとはミラーに軸を付け、電気振動に応じてミラーの回動角を変えられるようにした偏向器である。光偏向器1によるレーザー光の水平走査、及び垂直ミラー104によるレーザー光の垂直走査により画像が表示される。
記憶手段114は、例えば、各種のプログラムを収納するROMと、変数等を収納するRAMと、不揮発性メモリとにより構成される。
本実施形態に係る光偏向器1を表示装置に適用することにより、表示性能の良好な表示装置を実現できる。
例えば、可動板は円形以外の多角形でもよい。また、実施の形態1,2では、1次元1自由度で駆動するタイプの可動板を例示したが、2次元に駆動するタイプの可動板であってもよく、また、1次元2自由度で駆動するタイプの可動板であってもよい。2次元に駆動するタイプの振動ミラーを用いた場合には、垂直ミラー104は不要である。
また、光偏向器1は、表示装置以外にもレーザプリンタ等に適用可能である。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
Claims (11)
- 可動板と、
一端が前記可動板と連結され、所定の軸の周りに前記可動板を回動可能に支持する、弾性支持部と、
前記弾性支持部の他端と連結された支持部材と、を備え、
前記弾性支持部は、上面、下面、及び側面を有し、前記側面は、前記上面又は前記下面よりも外側に存在する1つ又は複数の斜面によって形成され、
前記弾性支持部の上面及び側面に、光吸収部が設けられている、光偏向器。 - 可動板と、
一端が前記可動板と連結され、所定の軸の周りに前記可動板を回動可能に支持する、弾性支持部と、
前記弾性支持部の他端と連結された支持部材と、を備え、
前記支持部材は、上面、下面、及び側面を有し、前記側面は、前記上面又は前記下面よりも外側に存在する1つ又は複数の斜面によって形成され、
前記支持部材の上面及び側面に、光吸収部が設けられている、光偏向器。 - 請求項1又は2に記載の光偏向器であって、
前記可動板は、反射部が形成された上面、下面、及び側面を有し、前記可動板の側面は、前記可動板の上面又は下面よりも外側に存在する1つ又は複数の斜面によって形成され、
前記可動板の側面に、光吸収部が設けられている、光偏向器。 - 上面、下面、及び側面を有する可動板と、
上面、下面、及び側面を有し、一端が前記可動板と連結され、所定の軸の周りに前記可動板を回動可能に支持する、弾性支持部と、
前記弾性支持部の他端と連結された支持部材と、を形成する第1工程と、
前記弾性支持部の上面及び側面に、光吸収部を形成する第2工程と、
前記可動板の上面に反射部を形成する第3工程と、を備え、
前記第1工程において、
前記弾性支持部の側面は、前記弾性支持部の上面又は下面よりも外側に存在する1つ又は複数の斜面によって形成する、光偏向器の製造方法。 - 上面、下面、及び側面を有する可動板と、
一端が前記可動板と連結され、所定の軸の周りに前記可動板を回動可能に支持する、弾性支持部と、
上面、下面、及び側面を有し、前記弾性支持部の他端と連結された支持部材と、を形成する第1工程と、
前記支持部材の上面及び側面に光吸収部を形成する第2工程と、
前記可動板の上面に反射部を形成する第3工程と、を備え、
前記第1工程において、
前記支持部材の側面は、前記支持部材の上面又は下面よりも外側に存在する1つ又は複数の斜面によって形成する、光偏向器の製造方法。 - 請求項4又は5に記載の光偏向器の製造方法であって、
前記第1工程において、
前記可動板の側面は、前記可動板の上面又は下面よりも外側に存在する1つ又は複数の斜面によって形成し、
前記第2工程において、前記可動板の側面に光吸収部を形成する、光偏向器の製造方法。 - 光反射性を有する光反射部が設けられた可動板と、
支持部と、
前記可動板を前記支持部に対して回動可能に連結する連結部とを備え、
前記連結部は、前記可動板の回動中心軸に垂直な断面でみたときに、前記可動板の一方の面側から他方の面側へ向けて幅が漸次増加し、その幅の増加に伴って前記可動板の板面の法線方向に対して傾斜する傾斜面を有し、
前記連結部の傾斜面には、光吸収性を有する光吸収部が設けられていることを特徴とする光偏向器。 - 光反射性を有する光反射部が設けられた可動板と、
支持部と、
前記可動板を前記支持部に対して回動可能に連結する連結部とを備え、
前記支持部は、前記可動板の回動中心軸に垂直な断面でみたときに、前記可動板の一方の面側から他方の面側へ向けて幅が漸次増加し、その幅の増加に伴って前記可動板の板面の法線方向に対して傾斜する傾斜面を有し、
前記支持部の傾斜面には、光吸収性を有する光吸収部が設けられていることを特徴とする光偏向器。 - 前記可動板は、その回動中心軸に垂直な断面でみたときに、前記可動板の一方の面側から他方の面側へ向けて幅が漸次増加し、その幅の増加に伴って前記可動板の板面の法線方向に対して傾斜する傾斜面を有し、
前記可動板の傾斜面には、光吸収性を有する光吸収部が設けられている請求項7または8に記載の光偏向器。 - 請求項7ないし9のいずれかに記載の光偏向器の製造方法であって、
面方位(100)のシリコン基板をエッチングすることにより、前記可動板、前記支持部および前記連結部を形成する第1の工程と、
前記光吸収部を形成する第2の工程と、
前記光反射部を形成する第3の工程とを有することを特徴とする光偏向器の製造方法。 - 光を出射する光出射部と、
請求項7ないし9のいずれかに記載の光偏向器とを備え、
前記光出射部から出射した光を前記光偏向器で走査することにより、画像を表示することを特徴とする画像表示装置。
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