JP2011053516A - 光ケーブルの製造方法および製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】集合コアの温度とシース被覆成形時の樹脂温度を最適に制御することにより、ケーブル解体性を安定化させる。
【解決手段】光ケーブルの製造において、溝付きスロットの溝内に光ファイバ心線を収納し、スロットの外周に粗巻き紐を巻き、その外周に上巻テープを開き巻きで巻いた集合コア10に対して、押出機13によりシースを押し出し成形で被覆する。ここで加熱装置12は、シースの押し出し時の樹脂温度に基づいて算出される所定の温度で集合コア10を予熱したのち、シースを被覆する。
【選択図】図4

Description

本発明は、溝付スロットの溝内に多数本の光ファイバ心線を収納し、スロットの外周に粗巻き紐、上巻テープ、及びシースを施してなる光ケーブルの製造方法および製造装置に関する。
近年、情報通信におけるブロードバンドの需要が急速に伸びており、それに応じて光ケーブルの布設工事件数も増大している。そして、光ケーブルによる通信回線を迅速に開通させることが工事業者にも求められており、工事の際に安全に且つ、迅速に解体できる光ケーブルが要求されている。このような要求に応えるために、解体性にすぐれた構造を持つ解体容易型の光ケーブルが知られている。
図1は、解体容易型の光ケーブルの構成例を示す図である。解体容易型の光ケーブル1は、光ファイバ心線4を溝2aに収納したスロット2の周囲に、ポリエチレン等からなる熱可塑性樹脂による粗巻き紐5を巻き、さらに不織布や吸水テープなどの上巻テープ6を巻き、その周囲をシース(外被)7により被覆した構造を有している。上巻テープ6は、粗巻き紐5を巻いたスロット2に対して開き巻きにて巻回される。開き巻きでは、上巻テープ6は、互いに重ならないように一定の間隔を開けながら均等なピッチで巻回される。光ファイバ心線4を収納したスロット2に粗巻き紐5と上巻テープ6を巻いた状態のものを集合コアという。
集合コアは、開き巻きにより巻回された上巻テープ6の間でスロット2と粗巻き紐5とが露出している。このような集合コアに対してシース7を被覆成形すると、溶融したシース7の樹脂材料の熱により粗巻き紐5とシース7とが融着する。そして、光ケーブル1を解体するときにシース7を剥ぎ取ると、シース7と融着した部分の粗巻き紐5がシース7に伴って引っ張られ、粗巻き紐5が切断されることになる。そして集合コアから上巻テープ6を剥ぎ取る場合にも、粗巻き紐5が切断されているので確実に粗巻き紐5を除去することができ、粗巻き紐5と上巻テープ6との除去が容易となる。これにより解体性に優れた光ケーブルが得られる。
シース7と粗巻き紐5は、シース7の押出成形時の熱によって融着しているが、その融着強度については、押出成形時のシース7の樹脂温度により変化する。シース7の樹脂温度が低すぎると、シース7と粗巻き紐5が十分に融着せず、光ケーブルの解体が困難になり、一方樹脂温度が高すぎると、シース7と粗巻き紐5との融着が強すぎて、シース7を剥ぎとることができなくなってしまう。
例えば、特許文献1では、LAPテープ(アルミニウムと合成樹脂のラミネートテープ)を用いたシースケーブルにおいて、ケーブルコアの上にLAPテープを縦添えした後シースを被覆する際に、LAPテープの重なり部に熱風を吹き付けて加熱し、冷却することで、シースとLAPテープとの接着力の低下等を防ぐようにしている。
また、特許文献2では、光ファイバケーブルの伝搬特性の温度依存性を改良するために、スペーサの溝内に光ファイバ心線を収容した集合体を60℃以上、150℃以下で高温処理し、その後外被を被覆することで、光ファイバ心線に余長を持たせた状態でスペーサの溝に収容させるようにしている。
特開平1−197919号公報 特開平2−48609号公報
上記のように、解体容易型の光ケーブルにおいては、シース7と粗巻き紐5との融着強度を最適なレベルに保つ必要があるが、季節要因等の環境温度の変化により、集合コアの温度が変動してしまう。このような集合コアの温度の変動は、シース7と粗巻き紐5との融着強度の変動につながる。この場合、集合コアの温度の変動を避けてシース7と粗巻き紐5との融着強度を一定のレベルに維持するために、環境温度の変化に合わせて押出成形時のシース7の樹脂温度を調整せざるを得ない。更に、光ケーブルの解体性の良否は、光ケーブルの製造後に破壊検査により確認するしかなく、不良品となった場合の損失が多大となる。従って、光ケーブルの製造条件の標準化による品質保証が重要となる。
特許文献1のように、LAPテープ(上巻テープに相当)のような光ケーブルの部材の温度を制御したり、特許文献2のように、集合体をシース被覆前に高温で処理しただけでは、光ケーブルの解体性を安定化させることは困難である。また、予熱する温度自体も、例えば、光ファイバに伸び歪みを与える程度の温度で不十分である。解体性を考慮して集合コアとシースとの融着強度を制御する場合には、集合コアの全体を暖める必要があり、特許文献2に記載された程度の温度で集合コアを予熱したとしても、融着強度を制御できる程度に集合コアが暖まらず、解体性を安定化させることはできない。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、集合コアの温度とシース被覆成形時の樹脂温度とを最適に制御することにより、ケーブル解体性を安定化させるようにした光ケーブルの製造方法及び製造装置の提供を目的とする。
本発明によれば、集合コアの温度とシースの被覆成形時の樹脂温度を最適に制御することにより、ケーブル解体性を安定化させることができる。
本発明による光ケーブルの製造方法は、溝付きスロットの溝内に光ファイバ心線を収納し、スロットの外周に粗巻き紐を巻き、その外周に上巻テープを開き巻きで巻いた集合コアに、シースを押し出し成形で被覆する光ケーブルの製造方法で、シースの押し出し時の樹脂温度に基づいて算出される所定の温度で集合コアを予熱したのち、シースを被覆することを特徴とする。
この場合、予熱された集合コアの温度をTs(℃)、シースの押し出し時の樹脂温度をTc(℃)、スロットの比熱をα(J/kg・℃)、シースの比熱をβ(J/kg・℃)、γを定数460850J/kgとしたときのTe(J/kg)=α×Ts+β×Tc+γの値が、17000≦Te≦60000となるように、集合コアの予熱温度とシースの押し出し時の樹脂温度とを制御する。
また、本発明による光ケーブルの製造装置は、溝付きスロットの溝内に光ファイバ心線を収納し、スロットの外周に粗巻き紐を巻き、その外周に上巻テープを開き巻きで巻いた集合コアに、シースを押し出し成形で被覆する光ケーブルの製造装置で、シースの押し出し時の樹脂温度に基づいて算出される所定の温度で予熱する加熱装置と、予熱された集合コアにシースを被覆する押し出し機を備えたことを特徴とする。
上記の加熱装置は、集合コアの温度を測定する温度センサと、測定した温度をもとに加熱装置の温度を制御する制御機構とを備えている。
本発明に適用可能な解体容易型の光ケーブルの構成例を示す図である。 本発明に適用可能な解体容易型の光ケーブルの他の構成例を示す図である。 本発明に適用可能な解体容易型の光ケーブルの更に他の構成例を示す図である。 本発明による光ケーブルのシース被覆工程における製造装置の一例を説明する図である。 本発明による光ケーブルのシース被覆工程における製造装置の他の例を説明する図である。 本発明による光ケーブルのシース被覆工程における製造装置の他の例を説明する図である。 本発明により集合コアの温度とシースの樹脂温度とを変化させて解体容易性を判定した結果を示す図である。
本発明の光ケーブルの製造方法により製造される解体容易型の光ケーブルは、上述の図1に示したような構成をもっている。また、本発明により製造される光ケーブルの他の構成例を図2及び図3に示す。
光ケーブル1は、中心にテンションメンバ(抗張力体とも言う)3を埋設一体化し、複数の溝2aを設けたプラスチック材からなるスロット(スペーサとも言う)2により構成される。スロット2の溝2aは、一定の周期で反転するSZ状に形成され、溝2a内には複数本の光ファイバ心線又はテープ状の光ファイバ心線4が収納される。また、スロット2としては、溝2aが一定の方向に螺旋状に形成されたものであってもよい。そして、光ケーブルの製造過程で光ファイバ心線4が溝2a内に収納された後、溝2aから脱落する(特にSZスロットの場合)のを防止するために、粗巻き紐5が直ちにスロット2の外周に巻き付けられる。
粗巻き紐5は、例えば、太さが1260デニールのナイロン繊維を束ねた紐状のものが用いられたり、テープ形状のものが用いられる。また、100心程度の光ケーブルで、スロット外径が9mm程度の場合、粗巻き紐5は20mmピッチで2条の紐を巻きつけて(10mmピッチとなる)形成される。なお、粗巻き紐5は、ナイロン、アラミド繊維などのポリアミド系、ポリエステル系、アクリル系、ポレオレフィン系などの種々の材料を用いることができるが、上巻テープ6を施す前に光ファイバ心線4が溝2aから脱落しない程度に保持されていればよく、取扱い性がよくて安価なものが用いられる。但し、粗巻き紐5の材料としては、シース7の押出被覆成形時の熱によってシース7と融着する熱可塑性樹脂を用いる。
粗巻き紐5が施されたスロット2の外周には、光ケーブル内への止水のため、またはシース7の成形時に成形材が光ファイバ心線に直接接触しないように熱絶縁のための上巻テープ6が施される。上巻テープ6には、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の繊維からなる種々のものが用いられ、テープ幅としては例えば20mm〜30mm程度のものが用いられるが、これに限ったものではない。
上巻テープ6は、螺旋巻き(図1,図2)あるいは縦添えで(図3)で施され、その外側をシース7で被覆して光ケーブル1とされる。これら螺旋巻きや縦添えの場合のいずれであっても上巻テープ6の重ね巻きは行わず、隙間6aを設けるように巻く。
従って、螺旋巻きで押え巻き層を形成する場合には、図1及び図2に示すようにスロット2に対して横巻きで且つ隙間6aをもたせた開き巻きが採用される。図1に示す上巻テープ6は、粗巻き紐5と巻き方向を逆方向で(クロスした状態で)、且つわずかに開き巻き状態で巻かれている。図2に示す上巻テープ6は、粗巻き紐5と同方向に巻かれているが、少なくとも隙間6aから粗巻き紐5の一部5aが露出するように巻きピッチを最適化する。また、縦添えで押え巻き層を形成する場合は、図3に示すように、重ねしろを含まないようなテープ幅のものが用いられる。すなわち、上巻テープ6を縦添えで施す場合には、スロット2の外周よりも小さい幅の上巻テープを使用することにより、粗巻き紐5の露出部分5aを設ける。
粗巻き紐5及び上巻テープ6の巻き方について、図1〜図3に例示したが、上巻テープ6は、粗巻き紐5の一部が露出した露出部分5aを有するように隙間6aをもたせて施されていればよい。そして、このような押え巻き構成で作られた集合コアの上にシース7を施すと、隙間6aからその一部が覗いている粗巻き紐5は、押し出しされたシース7の溶融樹脂と直接接触するため、シース7の熱で粗巻き紐5が溶融し、その隙間6aから覗いている露出部分5aがシース7の内面と融着する。
上述のごとくの構造によって、スロット直上の粗巻き紐5はシース7を剥いだ時に、シース7と融着している部分で引っ張られ、その結果、粗巻き紐5が露出部分5aで切断されるため、光ケーブル1の解体作業においてもっとも煩雑な作業である粗巻き紐5の除去を容易に短時間で行うことが可能となっている。
次に、本発明に係る光ケーブルの製造方法及び製造装置の実施の形態について具体的に説明する。光ケーブルの製造工程は、通常、大きく分けて(1)スロット製造工程、(2)集合工程、(3)シース被覆工程、よりなっている。これらの製造工程では、(1)スロットの製造工程において、中心にテンションメンバ3を埋設し、SZ状に一定周期で反転する溝または螺旋状の溝2aを備えたスロット2を製造し、(2)集合工程において、スロット2の溝2aに光ファイバ心線4を集合させて収容し、さらに粗巻き紐5と上巻テープ6とを順次巻回して巻き取り、(3)さらにシース被覆工程において、上巻テープ6が巻回されたスロット2(集合コア)の周囲にシース7を被覆して巻き取ることにより、光ケーブル1が製造される。
図4は、光ケーブルのシース被覆工程における製造装置の一例を説明する図である。光ケーブルのシース被覆工程は、まず、上巻テープ6が巻き付けられた状態の集合コア10をサプライリール11から繰出す。繰り出された集合コア10は、加熱装置12によって所定の条件で加熱され、押出機13に取り付けられたダイス(成型ダイ)14に送られる。ダイス14には、押出機13から加熱溶融されたシース7用の樹脂材料が供給される。このときに押出機13の樹脂押出量とライン線速(集合コア10の移動速度)とを制御することにより、集合コア10の周囲に所定の厚さのシース7が被覆成形される。ラインの線速は、引き取りキャプスタン16により制御される。シース7を被覆した光ケーブルは、冷却装置15で冷却された後、引き取りキャプスタン16を通り、巻取器17で巻き取られる。
押出機13の押出し出口付近(もしくはダイス14の樹脂流路)には、図示しない樹脂温度センサが設けられていて、集合コア10に被覆する溶融樹脂の樹脂温度を測定する。樹脂温度の測定結果は、適宜表示装置等により表示させることができる。樹脂温度センサとしては、熱電対のような接触式のようなもの、あるいは放射温度計のような非接触式のものを用いることができる。
押出機13で溶融混練される樹脂の樹脂温度は、樹脂材料の特性、押出機の制御温度、単位時間当たりの押出量、スクリューの仕様等の設備上の条件、あるいは環境温度等によって変動する。従って、シース被覆工程においては、温度センサによる温度検出結果を監視しながら、押出機13の押出条件を設定することで、樹脂温度が所定のレベル値となるようにする。この場合、押出機13の温度設定、あるいはスクリュー回転数の設定、もしくはこの両方により溶融樹脂の樹脂温度を制御する。押出機13の温度設定を行う場合には、押出機13のヒータ温度の設定を変更する。また、押出機13のバレルは空冷または水冷で冷却され、ヒータと連動してバレル温度を設定温度に維持するように制御する。ヒータ温度設定値を上げれば、通常、樹脂温度は上昇する。勿論、押し出し安定性の観点からヒータ温度設定の変更には制限が生じる。
また、上記のような押出機13のヒータ温度の設定変更は、溶融樹脂の樹脂温度を制御するにはその応答が遅いため、押出機13のスクリューの回転数による押出量を変化させることで、応答性がよく細かな温度制御を行うことができる。スクリューの回転数を上げれば、樹脂の混練・搬送時の剪断発熱等により樹脂温度が上昇する。この場合、シース7の被覆厚さを一定にするために、押出量の変化に応じてラインの線速を変更する。つまり、引き取りキャプスタン16の引き取り速度をスクリューの回転数の変換に応じて変化させて、常に一定の厚さで集合コア10に対してシース7を被覆成形させるようにする。
加熱装置12は、押出機13でシース7を被覆成形する前段で、集合コア10を加熱してその温度が所定の温度となるように制御する。つまり加熱装置12によって、シース被覆前の集合コアが所定の温度となるように予熱される。加熱装置12の加熱方式は特に限定されるものではないが、熱風を吹き付けるホットジェットや赤外線ヒータなどの加熱方式を適宜適用することができる。
本発明においては、光ケーブルのシース被覆工程におけるシース7の樹脂温度を制御するとともに、加熱装置12により集合コア10の温度を適正に制御することにより、粗巻き紐5とシースとの融着強度を最適化することができ、これにより、光ケーブルの解体性を安定化させることができる。
図5は、光ケーブルのシース被覆工程における製造装置の他の例を説明する図である。図5の製造装置は、図4の製造装置の構成に加えて、ダイス14に進入する集合コア10の温度を測定する温度センサ18を備えている。温度センサ18の測定結果t1は、加熱装置12にフィードバックされ、加熱装置12よって熱源の温度管理を行うようにする。加熱装置は、温度センサ18により測定された温度をもとに、加熱装置の温度を制御する制御機構を備えている。このようなオンライン制御により、更に安定して集合コア10の温度制御を行うことができるようになる。その他の構成については、図4と同じである。
図6は、光ケーブルのシース被覆工程における製造装置の更に他の例を説明する図である。図6の製造装置は、図5の製造装置の構成に加えて、押出機13の制御と引き取りキャプスタン16の引き取り速度の制御とをオンラインで行う制御装置19を備えている。押出機13の樹脂温度を測定する樹脂温度センサの測定結果t2は、制御装置19に出力される。制御装置19では、押出機13の樹脂温度センサによる測定結果を監視しながら、押出機13の押出条件を設定することで、樹脂温度が所定のレベル値となるようにする。この場合、制御装置19は、押出機13のヒータ温度の設定の変更、あるいはスクリュー回転数の設定の変更、もしくはこの両方により溶融樹脂の樹脂温度を制御する。制御方法は、図4で説明した例と同様である。
また、制御装置10は、スクリューの回転数による押出量を変化させることにより押出量が変化する場合、シース7の被覆厚さを一定にするために、引き取りキャプスタン16を制御して、押出量の変化に応じてラインの線速を変更する。つまり、引き取りキャプスタン16の引き取り速度をスクリューの回転数の変換に応じて変化させて、常に一定の厚さで集合コア10に対してシース7を被覆成形させるようにする。
また、このときに、シースの被覆成形・冷却後の光ケーブル1の外径を計測する外径計測センサ20を設け、その計測結果を制御装置19にフィードバックし、成形された光ケーブル1が一定の外径となるように引き取りキャプスタン16の引き取り速度を制御するようにしてもよい。
次に、集合コア10に対するシース7の被覆成形工程におけるシース7の樹脂温度と、集合コア10の温度との制御条件について説明する。
本発明では、シース7の被覆成形工程において、集合コア10の温度をTs(℃)、被覆成形時のシース7の樹脂温度をTc(℃)、スロット2の比熱をα(J/kg・℃)、シース材料の比熱をβ(J/kg・℃)、γを定数とするとき、
Te = α × Ts + β × Tc + γ ・・・(1)
で示される計算式に基づき、Teが一定の範囲となるように、Ts、Tcを制御する。以下に具体例を示す。
図7は、集合コアの温度とシースの樹脂温度とを変化させて解体容易性を判定した結果を示す図である。この例は、スロット2の材料としてHDPE(高密度ポリエチレン)を使用し、シース7にLDPE(低密度ポリエチレン)を使用して、集合コア10の温度とシース7の樹脂温度とを変化させ、得られた光ケーブル1の解体容易性を判定した。使用したHDPEの比熱αは2300(J/kg・℃)、LDPEの比熱βは1955(J/kg・℃)である。
また、γはPEの融点に基づく定数であり、スロット2の材料の融点をSm、シース7の材料の融点をQm、とするとき、
γ=α×Sm+β×Qm ・・・(2)
で表される定数である。ここでスロットの材料の融点Sm及びシースの材料の融点Qmをともに110℃とすると、(2)式により、
γ=2300×110+1955×110=468050 ・・・(3)
となる。
従って(1)式に上記数値を代入すると、
Te=2300×Ts+1955×Tc+468050 ・・・(4)
となる。
図7において、被覆工程における集合コア10の温度を8〜30℃の範囲で変化させ、また、シース7の樹脂温度を185〜215℃の範囲で変化させて集合コア10に対するシース7の被覆成形を行い、解体容易性の合否の判定を行った。図7は解体容易性の判定結果(○または×)とともに、このときの(4)式に基づくTeの値を示している。
解体容易性の判定は、実際の解体手順に従って光ケーブルの解体を行ってその合否を判定した。ここでは、まず光ケーブル1からシース7を除去し、上巻テープ6と粗巻き紐5が巻かれた状態の集合コア10に対してカッターで切り込みを入れ、上巻テープ6と粗巻き紐5とをスロット2から取り外す。シース7と粗巻き紐5との融着強度が適正であれば、シース7を剥ぎ取るときに、シース7と融着した部分の粗巻き紐5がシースに伴って引っ張られ、粗巻き紐5が切断される。そして集合コアから上巻テープ6を剥ぎ取る場合にも、粗巻き紐5が切断されているので確実に粗巻き紐5を除去することができ、粗巻き紐5と上巻テープ6との除去が容易となる。
これに対して、粗巻き紐5とシース7との融着が不十分であると、シース7の剥ぎ取り時に粗巻き紐5がうまく切断されず、その後の上巻テープ6を取り除く際にも粗巻き紐5の緩み等によりカッターの刃から逃げて切断がうまくいかず、解体が困難になる。また、粗巻き紐5とシースとの融着が強すぎると、シース7の除去がうまくできなくなる。
図7に示すように、Teが特定の範囲内にあるときに、解体容易性の判定結果が合格(○)となった。その合格の範囲は、Te=17000〜60000にある。
つまり、シース7の被覆工程においては、Teの値が上記の範囲内になるように集合コア10の温度及びシース7の温度を調整することにより、良好な解体性を有した光ケーブルを安定的に製造することができる。
1…光ケーブル、2…スロット、2a…溝、3…テンションメンバ、4…光ファイバ心線、5…粗巻き紐、5a…露出部分、6…上巻テープ、6a…隙間、7…シース、10…集合コア、11…サプライリール、12…加熱装置、13…押出機、14…ダイス、15…冷却装置、16…引き取りキャプスタン、17…巻取器、18…温度センサ、19…制御装置、20…外径計測センサ。

Claims (4)

  1. 溝付きスロットの溝内に光ファイバ心線を収納し、前記スロットの外周に粗巻き紐を巻き、その外周に上巻テープを開き巻きで巻いた集合コアに、シースを押し出し成形で被覆する光ケーブルの製造方法であって、
    前記シースの押し出し時の樹脂温度に基づいて算出される所定の温度で前記集合コアを予熱したのち、前記シースを被覆することを特徴とする光ケーブルの製造方法。
  2. 予熱された前記集合コアの温度をTs(℃)、前記シースの押し出し時の樹脂温度をTc(℃)、前記スロットの比熱をα(J/kg・℃)、前記シースの比熱をβ(J/kg・℃)、γを定数460850J/kgとしたときのTe(J/kg)=α×Ts+β×Tc+γの値が、
    17000≦Te≦60000となるように、
    前記集合コアの予熱温度と前記シースの押し出し時の樹脂温度を制御することを特徴とする請求項1記載の光ケーブルの製造方法。
  3. 溝付きスロットの溝内に光ファイバ心線を収納し、前記スロットの外周に粗巻き紐を巻き、その外周に上巻テープを開き巻きで巻いた集合コアに、シースを押し出し成形で被覆する光ケーブルの製造装置であって、
    前記シースの押し出し時の樹脂温度に基づいて算出される所定の温度で前記集合コアを予熱する加熱装置と、予熱された前記集合コアに前記シースを被覆する押し出し機を備えたことを特徴とする光ケーブルの製造装置。
  4. 前記加熱装置は、前記集合コアの温度を測定する温度センサと、測定した温度をもとに前記加熱装置の温度を制御する制御機構とを備えていることを特徴とする請求項3記載の光ケーブルの製造装置。
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