JP2011051891A - チタン酸リチウムの製造方法及び該チタン酸リチウムを用いてなるリチウム電池 - Google Patents

チタン酸リチウムの製造方法及び該チタン酸リチウムを用いてなるリチウム電池 Download PDF

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Abstract

【課題】タップ密度が高く充填性が優れたチタン酸リチウムを工業的有利に製造する方法を提供すること。
【解決手段】チタン化合物とリチウム化合物とを含むスラリーを乾燥造粒した後、加熱焼成してチタン酸リチウムを製造する方法において、チタン化合物として結晶性酸化チタンとチタン酸化合物とを含むものを用い、該スラリーの調製を45℃より低い温度下で行うことを特徴とするチタン酸リチウムの製造方法である。
【効果】上記製法により、製造時にチタン化合物の濃度を高くしても所望のタップ密度、充填性を有するチタン酸リチウムを製造することが可能となり、工業的有利に製造することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、リチウム電池の電極材料などに有用な化合物であるチタン酸リチウムを工業的有利に製造する方法、ならびにその方法で得られたチタン酸リチウムを用いてなるリチウム電池に関する。
リチウム二次電池は、エネルギー密度が高く、充放電サイクル特性に優れていることから、近年急速に普及している。リチウム二次電池としては、コバルト酸リチウムやマンガン酸リチウムを電極活物質に用いた4V級の高電圧型が一般的である。一方、電子機器類は回路駆動電圧の低電圧化が進みつつあり、電子機器分野のリチウム二次電池は前記の高電圧型から低電圧型への代替が検討されている。チタン酸リチウムは安定性、安全性に優れ、しかも低電圧型に適しているので、これを電極活物質に用いたリチウム二次電池の開発が期待されている。ところで、電池の電極は、電極活物質、導電材、バインダーなどを混合した後、成型する方法、電極活物質、導電材などをバインダーを溶解した媒液中で分散させた後、塗布する方法などにより製造される。いずれの方法においても、電極活物質のタップ密度が高ければ、充填性に優れ、電池の単位体積当たりの電池容量を大きくすることができ、また、一般的に、粉体はその粒子径を大きくすると、タップ密度が高くなるので、大粒子径のチタン酸リチウムが求められている。
大粒子径のチタン酸リチウムの製造方法としては、アナターゼ型酸化チタンとリチウム化合物とを含むスラリーを噴霧乾燥した後、加熱焼成して、二次粒子の平均粒子径が1〜50μmの範囲にある球状二次粒子を得る方法(特許文献1参照)、チタン酸化合物とリチウム化合物とを含むスラリーを噴霧乾燥する際に、塩素を添加し、その後、加熱焼成して二次粒子の平均粒子径が0.5〜100μmの範囲にある球状二次粒子を得る方法(特許文献2参照)が知られている。
特開2001−192208号公報(第1頁) 特開2002−211925号公報(第1頁)
特許文献1に記載の方法では、チタン源としてアナターゼ型酸化チタンを用いており、このため、噴霧乾燥時の収縮率が小さく、中空状のチタン酸リチウムの二次粒子が生成し易いため、十分なタップ密度が得られていない。一方、特許文献2に記載の方法では、チタン源にチタン酸化合物を用いることで、所望のタップ密度を有するチタン酸リチウムの二次粒子が得られる。この方法では、濃縮、再分散等の技術的な問題や粘度の点でチタン酸化合物の濃度をあまり高くできない。また、チタン酸化合物は反応性が高いので、リチウム化合物と常温下で混合するだけでも部分的に反応が進むが、濃度を高くするとスラリーが増粘して均一な反応が阻害され、電池特性が優れたチタン酸リチウムが得られ難い、あるいはゲル化が生じて反応自体が困難になるので、希薄な濃度でリチウム化合物と反応させる必要があり大量生産には不向きであった。
本発明者は、これらの問題点を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、チタン化合物とリチウム化合物とを含むスラリーを乾燥造粒した後、加熱焼成してチタン酸リチウムを製造する方法において、チタン化合物として結晶性酸化チタンとチタン酸化合物とを含むものを用い、該スラリーの調製を45℃より低い温度下で行うと、チタン源の濃度を高くでき、工業的に有利な方法であること、しかも調製したスラリーを乾燥造粒した後、加熱焼成して得られるチタン酸リチウムは、タップ密度が高く充填性が優れたものであることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、チタン化合物とリチウム化合物とを含むスラリーを乾燥造粒した後、加熱焼成してチタン酸リチウムを製造する方法において、チタン化合物として結晶性酸化チタンとチタン酸化合物とを含むものを用い、該スラリーの調製を45℃より低い温度下で行うことを特徴とするチタン酸リチウムの製造方法である。
本発明は充填性が高く電池特性が優れたチタン酸リチウムを工業的に有利に製造することができ、このチタン酸リチウムを電極活物質として用いると、電池特性が優れたリチウム電池が得られる。
本発明はチタン酸リチウムの製造方法であって、チタン化合物とリチウム化合物とを含むスラリーを乾燥造粒した後、加熱焼成してチタン酸リチウムを製造する方法において、チタン化合物として結晶性酸化チタンとチタン酸化合物とを含むものを用い、該スラリーの調製を45℃より低い温度下で行うことを特徴とする。本発明により、リチウム化合物が存在するスラリー中でもチタン成分の濃度を高くでき、また、チタン源として結晶性酸化チタンを用いても、タップ密度が高く充填性が優れ、電池特性に優れた二次粒子からなるチタン酸リチウムを工業的に有利に生産できる。例えば、チタン酸化合物とリチウム化合物とをスラリー中で混合する方法では、チタン成分の濃度をTiO換算で最大でも60g/リットルにまでしかできないが、本発明ではチタン化合物として結晶性酸化チタンとチタン酸化合物とを含むものを用いることで、チタン成分の濃度の合計を、TiO換算で70〜300g/リットルの範囲、好ましくは100〜250g/リットルの範囲にすることができる。
本発明においては、まず、チタン化合物とリチウム化合物とを含むスラリーの調製において、チタン化合物として結晶性酸化チタンとチタン酸化合物とを含むものを用い、該スラリーの調製を45℃より低い温度で行う(第1の工程)。スラリー化に用いる媒液には水またはアルコール等の有機溶媒、あるいはそれらの混合物を用いることができ、特に制限は無いが、工業的には水を用いるのが好ましい。リチウム化合物、チタン酸化合物、結晶性酸化チタンの添加順序は、リチウム化合物と結晶性酸化チタンとを含むスラリーに、チタン酸化合物を添加するか、または、リチウム化合物を含むスラリーに、並行添加したり、混合物として添加する等してチタン酸化合物と結晶性酸化チタンとを同時に添加すると、増粘やゲル化が一層生じ難く、チタン源を高濃度にし易いので好ましい。結晶性酸化チタンの添加量は、チタン酸化合物に対し重量比で同量以上にすると、工業的に有利にチタン酸リチウムを生産できる。また、その添加量が4倍量より大きいと、タップ密度の大きいチタン酸リチウムが得られ難く、また、高温で焼成しないと均一な組成のチタン酸リチウムが得られ難くなり、生成する二次粒子を焼結させる要因となるので、最大で4倍量とするのが好ましい。前記スラリーの調整は、45℃より低い温度で行うと、リチウム化合物とチタン酸化合物との反応が進み難いので、スラリー粘度が適度なものとなり室温以下に保持すると更に好ましい。
本発明で用いるリチウム化合物には特に制限はないが、水または水を主成分とする水性媒液を用いてスラリーを調製する場合は、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウムなどの水溶性リチウム化合物を用いることが好ましく、中でも反応性の高い水酸化リチウムを用いるのが好ましい。
チタン酸化合物としては、TiO(OH)またはTiO・HOで表されるメタチタン酸、Ti(OH)またはTiO・2HOで表されるオルトチタン酸、あるいはそれらの混合物などを用いることができる。チタン酸化合物はチタン化合物の加熱加水分解や中和加水分解により得られ、例えば、メタチタン酸は硫酸チタニル(TiOSO)の加熱加水分解、塩化チタンの高温下での中和加水分解等で、オルトチタン酸は硫酸チタン(Ti(SO)、塩化チタンの低温下での中和加水分解で、また、メタチタン酸とオルトチタン酸の混合物は塩化チタンの中和加水分解温度を適宜制御することで得られる。中和加水分解に用いる中和剤としては、アンモニア、炭酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムなどアンモニウム化合物を用いれば、焼成時に分解、揮散させることができる。チタン化合物としては前記の硫酸チタン、硫酸チタニル、塩化チタンなどの無機系のもの以外に、チタンアルコキシドのような有機系のものも用いてもよい。
結晶性酸化チタンは、平均粒子径が0.01〜0.4μmのものを用いると、高濃度にしてもスラリーの粘度が高くなり難いので好ましい。尚、結晶性酸化チタンとは、TiO2で表され、アナターゼ型、ルチル型またはブルッカイト型の結晶構造を有する酸化チタンのことである。本発明においてはX線回折パターンが、単一の結晶構造からの回折ピークのみを有する結晶性酸化チタンのほか、例えばアナターゼ型の回折ピークとルチル型の回折ピークを有するもの等、複数の結晶構造からの回折ピークを有するものであってもよい。また、X線回折パターンに現れない非晶質のものを一部含んでいてもよい。
第1の工程で得られたスラリーを乾燥造粒した後、加熱焼成してチタン酸リチウムを得る。乾燥造粒の方法には制限は無く、例えば、前記スラリーから固形分を固液分離、乾燥後、粉砕して、所望の大きさの二次粒子に造粒する方法、前記スラリーを噴霧乾燥し、二次粒子に造粒する方法等が挙げられる。特に、噴霧乾燥を用いる方法は、粒子径の制御が容易であり、球状二次粒子が得られ易いので好ましい。噴霧乾燥を適用する場合、用いる噴霧乾燥機の能力に応じ、希釈してスラリーの粘度を調整してもよい。本発明においては、第1の工程で得られたスラリーを湿式加熱処理すると、再度、室温まで冷却しても粘度が低減され、高い濃度で噴霧乾燥できるので好ましい。湿式加熱温度は、低くとも50℃であるとスラリー粘度が適度なものとなり、本発明の効果が得られ易いので好ましく、100℃以下であると耐圧容器等の特殊な機器を要しないので、50〜100℃の範囲とするのがより好ましい。
噴霧乾燥に用いる噴霧乾燥機はディスク式、圧力ノズル式、二流体ノズル式など、スラリーの性状や処理能力に応じて適宜選択することができる。二次粒子径の制御は、例えば上記のディスク式ならディスクの回転数を、圧力ノズル式や二流体ノズル式などならば噴霧圧やノズル径を調整して、噴霧される液滴の大きさを制御することにより行える。より粒子径を制御し易くするために、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ゼラチンなどのバインダーや、ノニオン系、アニオン系、両性、非イオン系などの界面活性剤など各種の添加剤を用いてもよい。これら添加剤は有機物系で金属成分を含有しないものであれば、後の加熱焼成工程で分解、揮散するので望ましい。乾燥温度としては入り口温度を200〜450℃の範囲、出口温度を80〜120℃の範囲とするのが好ましい。
加熱焼成温度としては、焼成雰囲気などにより異なるが、本発明ではチタン酸リチウムを生成するためには概ね600℃以上でよく、二次粒子間の焼結を防ぐため、1000℃以下とするのが好ましい。より好ましい加熱焼成温度は650〜850℃であり、700〜800℃であればさらに好ましい。加熱焼成後、得られたチタン酸リチウム二次粒子同士が焼結、凝集していれば、必要に応じてフレーククラッシャ、ハンマミル、ピンミルなどを用いて粉砕してもよい。
本発明で得られるチタン酸リチウムは、二次粒子が1〜100μmの範囲の大きい粒子径(レーザー散乱法による50%メジアン径)を有するので、タップ密度が1.0〜2.5g/cm3の範囲、好ましくは1.2〜2.0g/cm3の範囲と大きく、充填性が優れている。本発明における二次粒子とは、一次粒子同士が強固に結合した状態にあり、ファンデルワース力等の粒子間の相互作用で凝集したり、機械的に圧密化されたものではなく、工業的に用いられる通常の機械的粉砕では容易に崩壊せず、ほとんどが二次粒子として残るものである。二次粒子の形状は球状、多面体状、不定形等特に制限は無いが、電池特性上できるだけ異方性の小さい形状が有利であり、球状がより好ましい。二次粒子を構成する個々の一次粒子の形状も、球状、多面体状、不定形状等特に制限は無い。一次粒子の組成は、一般式LiTi4で表され、チタン酸リチウムの単一相であれば好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で若干の酸化チタンが混合していてもよい。前記一般式中のx、yの値は、x/yの値で表して0.5〜2の範囲が好ましい。
次に、本発明はリチウム電池であって、前記方法で得られたチタン酸リチウムを電極活物質として用いることを特徴とする。リチウム電池用電極は、チタン酸リチウムにカーボンブラックなどの導電材とフッ素樹脂などのバインダを加え、適宜成形または塗布して得られる。リチウム電池は前記の電極、対極及び電解液とからなり、チタン酸リチウムを正極に用いる場合は、対極として金属リチウム、リチウム合金など、あるいはグラファイト、コークスなどの炭素系材料などが用いられる。また、チタン酸リチウムを負極として用いる場合の対極にはリチウム含有酸化マンガン、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、五酸化バナジウムなどが用いられる。電解液にはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタンなどの溶媒にLiPF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiBF4などのリチウム塩を溶解させたものなど常用の材料を用いることができる。
以下に本発明の実施例を示すが、これらは本発明を限定するものではない。
実施例1
(1)スラリーの調製
4.9モル/リットルの水酸化リチウム水溶液1151ミリリットルに結晶性酸化チタン(アナターゼ型とルチル型の回折ピークを有する)371gを添加し分散させた。このスラリー(a)を攪拌しながら、チタン酸化合物(オルトチタン酸)をTiO2に換算して155g/リットルの濃度になるように純水に分散させたスラリー(b)1195ミリリットルを添加し、リチウム化合物とチタン酸化合物、結晶性酸化チタン粉末を含むスラリー(c)を得た。スラリー(c)中のチタン成分の濃度の合計はTiO2換算で230g/リットルであった。
(2)乾燥造粒物の調製
スラリー(c)に純水500ミリリットルを加え、粘度750mPa・sに調整した。この時のチタン成分の濃度の合計はTiO2換算で190g/リットルであった。このスラリーをモービルマイナー型噴霧乾燥機(ニロ社製)を用いて、入口温度250℃、出口温度110℃の条件で噴霧乾燥を行い乾燥造粒物を得た。
(3)乾燥造粒物の加熱焼成
得られた乾燥造粒物を大気中750℃の温度で3時間加熱焼成を行い、本発明のチタン酸リチウム(試料A)を得た。
実施例2
スラリー(c)の調製において、結晶性酸化チタンの添加量を278g、チタン酸化合物の水性スラリー(b)の添加量を1794ミリリットル、噴霧乾燥前の純水添加量を1000ミリリットルとした以外は、実施例1と同様にしてチタン酸リチウム(試料B)を得た。噴霧乾燥前のチタン成分の濃度の合計はTiO2換算で139g/リットルで、スラリー粘度は960mPa・sであった。
実施例3
スラリー(c)の調製において、結晶性酸化チタンの添加量を445g、チタン酸化合物の水性スラリー(b)の添加量を718ミリリットル、噴霧乾燥前の純水添加量を550ミリリットルとした以外は、実施例1と同様にしてチタン酸リチウム(試料C)を得た。噴霧乾燥前のチタン成分の濃度の合計はTiO2換算で220g/リットルで、スラリー粘度は800mPa・sはあった。
実施例4
実施例1と同様にして調製したスラリー(c)を希釈せず、80℃の温度で加熱処理した後、室温まで冷却した以外は、実施例1と同様にしてチタン酸リチウム(試料D)を得た。室温まで冷却したスラリーの粘度は105mPa・sであった。
実施例5
(1)スラリーの調製
実施例1で用いた結晶性酸化チタン371gを1550ミリリットルの純水に分散させたスラリー(d)に、水酸化リチウム一水塩の粉末237gを添加した。このスラリーを攪拌し、実施例1で用いたチタン酸化合物のスラリー(b)1195ミリリットルを添加してスラリー(e)を得た。スラリー(e)中のチタン成分の合計の濃度はTiO2換算で196g/リットルであった。
(2)乾燥造粒物の調製及びその加熱焼成
スラリー(e)に純水650ミリリットルを加え、粘度1050mPa・sに調整した。この時のチタン成分の濃度の合計はTiO2換算で160g/リットルであった。このスラリーを、実施例1と同様に造粒乾燥物の調製、加熱焼成してチタン酸リチウム(試料E)を得た。
実施例6
(1)スラリーの調製
実施例1で用いたチタン酸化合物をTiO2に換算して110g/リットルの濃度になるように純水に分散させたスラリー(f)1684ミリリットルに実施例1で用いた結晶性酸化チタン371gを添加し、チタン酸化合物と結晶性酸化チタンの混合スラリー(g)を調製した。4.9モル/リットルの水酸化リチウム水溶液1151ミリリットルを攪拌し、この中にスラリー(g)を添加し、スラリー(h)を得た。スラリー(h)中のチタン成分の合計の濃度はTiO2換算で190g/リットルであった。
(2)乾燥造粒物の調製及びその加熱焼成
スラリー(h)に純水300ミリリットルを加え、粘度880mPa・sに調整した。この時のチタン成分の濃度の合計はTiO2換算で172g/リットルであった。このスラリーを、実施例1と同様に造粒乾燥物の調製、加熱焼成してチタン酸リチウム(試料F)を得た。
比較例1
2.46モル/リットルの水酸化リチウム水溶液1527ミリリットルを攪拌し、実施例1で用いた結晶性酸化チタン371gを添加した。この水酸化リチウムと結晶性酸化チタンとを含むスラリーを、希釈せずに、実施例1と同様に造粒、加熱焼成して、比較試料のチタン酸リチウム(試料G)を得た。スラリー中の結晶性酸化チタンの濃度はTiO2換算で230g/リットルで、スラリー粘度は530mPa・sあった。
比較例2
実施例1のスラリー(c)の調製において、結晶性酸化チタンを加えずに、チタン酸化合物のスラリー(b)を合計で3585ミリリットルを添加しようとしたところ、添加中にゲル化してスラリーが調製できなかった。
評価1:二次粒子径の測定
実施例1〜6及び比較例1で得られたチタン酸リチウム(試料A〜G)の水性スラリーを十分に超音波分散し、レーザー光による透過率が85±1%になるように調製した後、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−910:堀場製作所製)を用い体積基準で平均粒子径をメジアン径として測定した。
評価2:タップ密度の測定
実施例1〜6及び比較例1で得られたチタン酸リチウム(試料A〜G)をそれぞれ50gを100ミリリットルのメスシリンダーに入れ、100回タッピングしてタップ密度を測定した。
評価3:電池特性の測定
実施例1〜6及び比較例1で得られたチタン酸リチウム(試料A〜G)を電極活物質とした場合のリチウムニ次電池の充放電特性を評価した。電池の形態や測定条件について説明する。
上記各試料と、導電剤としてのグラファイト粉末、及び結着剤としてのポリ四フッ化エチレン樹脂を重量比で5:4:1で混合し、乳鉢で練り合わせ、直径10mmの円形に成型してペレット状とした。ペレットの重量は20mgであった。このペレットに直径10mmに切り出したアルミニウム製のメッシュを重ね合わせ、14.7MPaでプレスして作用極とした。
この作用極を120℃4時間真空乾燥した後、露点−70℃以下のグローブボックス中で、密閉可能なコイン型評価用セルに組み込んだ。評価用セルには材質がステンレス製(SUS316)で外径20mm、高さ1.6mmのものを用いた。対極には厚み0.5mmの金属リチウムを直径14mmの円形に成形したものを用いた。非水電解液として1モル/リットルとなる濃度でLiPFを溶解したエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶液(体積比で1:2に混合)を用いた。
作用極は評価用セルの下部缶に置き、その上にセパレーターとして多孔性ポリプロピレンフィルムを置き、その上から非水電解液をスポイドで7滴滴下した。さらにその上に負極をのせ、プロピレン製ガスケットのついた上部缶を被せて外周縁部をかしめて密封した。
充放電容量の測定は、電圧範囲を1V〜2Vに、充放電電流を0.4mA(約3サイクル/日)に設定して、定電流で行った。
評価4:比表面積の測定
実施例1〜6及び比較例1で得られたチタン酸リチウム(試料A〜G)の比表面積を、比表面積測定装置(モノソーブ:ユアサイアオニクス製)を用いて、BET法により測定した。
試料A〜Gの平均粒子径、タップ密度、放電容量及び比表面積を表1に示す。本発明のチタン酸リチウムは粒子径が大きく充填性が優れ、放電容量が高いことが分かる。また、本発明で得られたチタン酸リチウムは式:LiTiにおいて、x/yが約0.8の組成を有する。
Figure 2011051891
本発明で得られたチタン酸リチウムは、高容量のリチウム電池に有用である。

Claims (9)

  1. チタン化合物とリチウム化合物とを含むスラリーを乾燥造粒した後、加熱焼成してチタン酸リチウムを製造する方法において、チタン化合物として結晶性酸化チタンとチタン酸化合物とを含むものを用い、該スラリーの調製を45℃より低い温度下で行うことを特徴とするチタン酸リチウムの製造方法。
  2. リチウム化合物と結晶性酸化チタンとを含むスラリーにチタン酸化合物を添加して前記スラリーを調製することを特徴とする請求項1記載のチタン酸リチウムの製造方法。
  3. リチウム化合物を含むスラリーにチタン酸化合物と結晶性酸化チタンとを同時に添加して前記スラリーを調製することを特徴とする請求項1記載のチタン酸リチウムの製造方法。
  4. 前記スラリー中のチタン成分の合計の濃度がTiO換算で70〜300g/リットルの範囲であることを特徴とする請求項1記載のチタン酸リチウムの製造方法。
  5. 結晶性酸化チタンをチタン酸化合物に対しTiO換算の重量比で1〜4倍量の範囲で用いることを特徴とする請求項1記載のチタン酸リチウムの製造方法。
  6. 噴霧乾燥により乾燥造粒することを特徴とする請求項1記載のチタン酸リチウムの製造方法。
  7. 乾燥造粒する前に前記スラリーを湿式加熱処理することを特徴とする請求項1記載のチタン酸リチウムの製造方法。
  8. 低くとも50℃の温度で湿式加熱処理することを特徴とする請求項7記載のチタン酸リチウムの製造方法。
  9. 請求項1記載の方法で得られたチタン酸リチウムを電極活物質として用いることを特徴とするリチウム電池。
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