JP2011049346A - 分布帰還形半導体レーザ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、高い使用温度範囲まで10Gbps以上の高速変調特性と高い単一モード発振特性を併せ持つ半導体レーザを実現することにある。
【解決手段】本発明に係る分布帰還形半導体レーザは、活性層504と、活性層504の上側に配置されたガイド層505と、一方の端面に形成された低反射率端面503と、他方の端面に形成された高反射率端面502と、一方の端面側に形成された回折格子10と、を有し、両端面間の長さLが170μm以上280μm以下であり、回折格子10は、一定の周期でガイド層505の全てが除去され、ガイド層505の除去された部位がクラッド層508に埋め込まれることにより形成され、他方の高反射率端面502側において、ガイド層505の全てが除去されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、分布帰還形半導体レーザに関し、特に、高速変調特性を有し、発振の単一モード性に優れ、使用温度範囲の広い通信用分布帰還形半導体レーザに関するものである。
一般に単一モードで発信する通信用半導体レーザは、分布帰還型(DFB:Disributed Feedback)半導体レーザが中・長距離の光通信システム用として用いられている。特に、近年はインターネットの発展に伴う光通信における伝送容量の爆発的な増大により、低コスト化及び高速化が求められている。低コスト化のためには、冷却手段を用いないことが必要であるが、この場合、半導体レーザの使用環境温度が85℃のとき、半導体レーザの素子温度は95℃となる。そのため、冷却手段を用いずに10Gbpsの変調速度でかつ素子温度95℃以上で動作する直接変調用DFBレーザが望まれる。
上記のような半導体レーザは、最高使用温度で電流−光出力特性が劣化しないことが基本的な要求条件であるが、さらに、低温度領域から高温度領域まで安定した単一モード発振が可能なこと、かつ、高速変調特性が高温度領域で劣化しないことが要求される。しかし、単一モード発振の安定性と高速変調特性を同時に満足させることは、レーザ構造の設計パラメータとして矛盾する項目であるために非常に困難である。
例えば、高効率・高出力特性と高い単一モード発振の安定性を得る半導体レーザが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。従来の半導体レーザは、図12に示すように、共振器方向の一部に回折格子501が形成されたガイド層505と、共振器方向の全体にわたって形成される活性層504と、高反射膜が形成されていた高反射率端面502と、低反射膜が形成された低反射率端面503と、を備え、低反射率端面503からレーザ光が出射される。
上記の半導体レーザは高効率・高出力特性と高い単一モード発振の安定性を得ることを目的としたものであり、素子温度95℃かつ10Gbps以上の高速特性を達成することはできない。その理由として、山谷が形成されない領域にはガイド層505が残るためその残ったガイド層505はDFB発振に寄与しないことは言うまでもないが、ガイド層505はクラッド層508に比べ屈折率が大きい組成であるがゆえに光の吸収ロスが大きくなる。吸収ロスが大きいと発振しきい値の増大と発光効率の低下を招くため、発熱が増え温度特性が悪化する。
また、山谷が形成されないガイド層505が残った領域では、山谷が形成された領域に比べ、光がガイド層505側に引っ張られる。すなわち、ガイド層505が残った領域では活性層504の光閉じ込め係数が小さくなる。光閉じ込め係数の劣化と吸収ロスの増大により、変調時の緩和振動周波数が減少して高速変調特性が劣化する。
以上に述べた理由により、高い使用温度領域で10Gbps以上の高速特性を達成することはできなかった。
一方、特許文献3に記載の従来の半導体レーザでは、山谷が形成されない領域にはガイド層が残らない構造が開示されているが、このレーザはCW(連続)発振で、高出力、スペクトル狭線幅化(1MHz以下)を狙ったもので、共振器長が500μm以上であることから、高速変調特性を有しない。
特開平5−102597号公報 特開平11−68220号公報 特開2004−31402号公報
以上のように、従来の半導体レーザでは、高速変調特性を有し、発振の単一モード性に優れ、かつ、使用温度範囲の広い半導体レーザを実現することは困難であった。本発明の目的は、使用温度範囲の広い特に95℃以上の素子温度領域でも10Gbps以上の高速変調特性を有し、高い単一モード安定性に優れた半導体レーザを実現することにある。
上記目的を達成するために、本願発明の分布帰還形半導体レーザは、活性層と、前記活性層の下側又は上側に配置されたガイド層と、一方の端面に形成された低反射膜と、他方の端面に形成された高反射膜と、前記一方の端面側に形成された回折格子と、を有し、前記両端面間の長さが170μm以上280μm以下であり、前記回折格子は、一定の周期で前記ガイド層の全てが除去され、前記ガイド層の除去された部位がクラッド層に埋め込まれることにより形成され、前記他方の端面側において、前記ガイド層の全てが除去されていることを特徴とする。
また、本願発明の分布帰還形半導体レーザにおいて、前記回折格子を形成する領域の長さが、前記両端面間の長さの40%以上80%以下であることを特徴とする。
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
本発明によって、使用温度範囲の広い特に95℃以上の素子温度領域でも10Gbps以上の高速変調特性を有し、高い単一モード安定性に優れた分布帰還形半導体レーザを実現することができる。さらに、低しきい値特性を得ることもできる。
本発明の一実施形態の構成を示す断面図である。 本発明による分布帰還型半導体レーザの構造断面図である。 本発明による分布帰還型半導体レーザの斜視図である。 本実施形態に係る分布帰還形半導体レーザの共振器長と緩和振動周波数の関係を示す図である。 共振器長Lに対する回折格子形成領域の長さLgの割合と本実施例に係る分布帰還形半導体レーザの緩和振動周波数の関係を示す。 共振器長Lに対する回折格子形成領域の長さLgの割合と本実施例に係る分布帰還形半導体レーザの発振しきい値の関係を示す。 共振器長Lに対する回折格子形成領域の長さLgの割合と本実施例に係る分布帰還形半導体レーザの直列抵抗値の関係を示す。 本実施例に係る分布帰還形半導体レーザの効果を説明するための図で、分布帰還形半導体レーザに流す電流と分布帰還形半導体レーザの発光効率の関係を示す図である。 比較例の分布帰還形半導体レーザにおける、分布帰還形半導体レーザに流す電流と分布帰還形半導体レーザの発光効率の関係を示す図である。 本実施例に係る分布帰還形半導体レーザの効果を説明する図で、分布帰還形半導体レーザに流す電流と分布帰還形半導体レーザの緩和振動周波数の関係を示す図である。 比較例の分布帰還形半導体レーザにおける、分布帰還形半導体レーザに流す電流と分布帰還形半導体レーザの緩和振動周波数の関係を示す図である。 従来の半導体レーザの構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰返しの説明は省略する。また、本発明の実施例の形態、効果について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施例の構成を示す断面図である。本実施形態に係る分布帰還形半導体レーザは、活性層504と、活性層504の上側に配置されたガイド層505と、一方の端面に低反射膜が形成された低反射率端面503と、他方の端面に高反射膜が形成された高反射率端面502と、一方の端面側に形成された回折格子10と、を有する。両端面間の長さである共振器長Lが170μm以上280μm以下である。
回折格子10は、一定の周期でガイド層505の全てが除去され、ガイド層505の除去された部位がクラッド層508に埋め込まれることにより形成されている。回折格子10は、他方の高反射率端面502側において、ガイド層505の全てが除去されている。すなわち、本実施形態に係る分布帰還形半導体レーザは、回折格子10は光出射側の低反射率端面503側にのみ形成されており、後方の高反射率端面502側にはガイド層505がまったく存在しない構成になっている。
本実施形態に係る分布帰還形半導体レーザでは、回折格子10を形成する領域の長さLgが、共振器長Lの40%以上80%以下であることが好ましい。これにより、10Gbpsの高速動作を素子温度95℃で実現することができる。
図2は、本実施例による分布帰還形半導体レーザの構造断面図である。一例として、1.3μm帯リッジ導波路型の分布帰還形半導体レーザを示した。本実施例では、n型InPの基板1上に、n型InPのクラッド層2、n型InGaAlAsのSCH層3、図1に示す活性層の504としてのInGaAlAs系の歪量子井戸層からなる多重量子井戸(MQW)層4、p型InGaAlAsのSCH層5、p型InAlAsのキャリアストップ層6、p型InGaAsPのリッジ形成時のエッチングストップ層7、p型InPのスペーサ層(505の下の8の部分)、P型InGaAsPのガイド層505が、有機金属気相成長法で順次、多層成長されてなる。
この後、フォトリソグラフィ技術、電子線描画技術、及びエッチング技術を用いて、共振器方向の一方の端面側において一定の周期でガイド層505を除去し、回折格子10の構造を形成し、同時に他方の端面側においてはガイド層505を全て除去する。一方の端面側の回折格子構造は、p型InGaAsPのガイド層505が完全に除去された部分と完全に残った部分が共振器方向に周期的に形成される。
次に、再び有機金属気相成長法を用いて、回折格子構造を形成した多層基板上に、ガイド層505を埋め込む構造でp型InPのクラッド層8を再成長する。これにより、ガイド層505の除去された部位がクラッド層で埋められ共振器方向の一方の端面側に回折格子10が形成される。そして、p型InPのクラッド層8上にp型InGaAsのコンタクト層9を再成長する。
次に、図3に示すように、熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法などの絶縁膜形成技術、フォトリソグラフィ技術、およびエッチング技術を用いて、p型InGaAsPのエッチングストップ層7を用いて、p型InPのクラッド層8をエッチングして、リッジ形状の光導波路構造を形成する。
次に、光導波路構造にp型InGaAsのコンタクト層9を介して電気的に接続されるp型電極12と、n型InPの基板1に電気的に接続されたn型電極11とを形成する。このリッジの頂上を除く表面にはSiO絶縁膜が配置され、p型電極12とリッジ頂上を除く半導体層とは絶縁されている。図3ではSiO絶縁膜とリッジ頂上以外の部分のp型電極は省略した。n型電極11は、p型電極12を形成した後に、バー状にへき開が可能な厚さにまでn型InPの基板1の裏面側を研磨した後に形成される。
その後、出射端面側と後端面側でバー状にへき開し、半導体レーザの回折格子層が形成された出射端面側に低反射率膜を形成し、半導体レーザの後端面側に高反射率膜を形成した後、半導体レーザ素子にチップ化する。
<レーザの変調特性についての検討>
変調周波数特性Rmは次式で表される。
Figure 2011049346
は緩和振動周波数、Γはダンピングレート、Cはn型電極11とp型電極12の間の寄生容量、Rはn型電極11とp型電極12の間の直列抵抗を示す。
3dB帯域制限を考慮すると、緩和振動周波数fを変化させたときに変調周波数特性Rmが3dB変化するのは、周波数fが1.55fのときである。寄生容量C及び直列抵抗Rを変化させたときに変調周波数特性Rmが3dB変化するのは、周波数fが1/(2πCR)のときである。したがって、高速特性を上げるためには、緩和振動周波数fを大きくし、寄生容量C又は直列抵抗Rを小さくする必要がある。
寄生容量Cを小さくするには共振器長Lを短くすればよい。一方、直列抵抗Rを小さくするには多重量子井戸層4の幅を広く、共振器長Lを長くすればよいが、後者は寄生容量Cを小さくすることと逆行する。
<レーザの温度特性についての検討>
レーザの温度特性を向上する方法としては、3つの方法が考えられる。
第1の方法は、発光効率を上げることである。これにはレーザの低しきい値化が有効である。レーザの発振しきい値を下げることによって動作電流が小さくなり、発熱量が減少するからである。発熱量の減少によって、吸収ロスは低減する。
第2の方法は、直列抵抗Rを小さくすることである。これは、直列抵抗Rでの発熱量が減少することによる。
第3の方法は、熱拡散を大きくすることである。これには共振器長Lを長くしたり、ペルチェ素子を利用したりすることが有効である。共振器長Lを長くすると直列抵抗Rも小さくなる。しかし、共振器長Lを長くすると寄生容量Cが大きくなるため、変調周波数特性Rmが劣化する。一方のペルチェ素子は、アンクールドレーザの場合は利用できない。
上記検討より、本実施形態に係る分布帰還形半導体レーザでは、第1の方法を採用し、レーザの発振しきい値を下げることでレーザの温度特性を改善している。具体的には、図1に示す回折格子10の構成を採用することで、ガイド層505での吸収ロスを減らしてレーザの発振しきい値を下げている。
<分布帰還形半導体レーザの共振器長Lについての検討>
図4に、本実施形態に係る分布帰還形半導体レーザの共振器長Lと緩和振動周波数fの関係を示す。レーザの素子温度は95℃、電流値は60mA、Lg/Lは60%である。
共振器長Lが220μm付近で緩和振動周波数fが最大値を示した。共振器長Lが大きい場合は、しきい値電流が大きくなるとともにレーザの寄生容量Cが大きくなるため、緩和振動周波数fが劣化する。逆に、共振器長Lが小さい場合は、しきい値電流は小さくかつレーザの寄生容量Cも小さくなるが、レーザの発光効率の温度特性が発熱の影響で劣化するため、緩和振動周波数fが劣化する。
10Gbpsの高速変調動作を満足するためには緩和振動周波数fが10GHz以上の条件を満たす必要があり、図4に示すように、共振器長Lが170μm以上280μm以下の範囲で緩和振動周波数fが10GHz以上であることから、共振器長Lは170μm以上280μm以下であることが好ましい。
<共振器長Lに対する回折格子形成領域の長さLgの割合についての検討>
図5は、共振器長Lに対する回折格子形成領域の長さLgの割合と本実施例に係る分布帰還形半導体レーザの緩和振動周波数の関係を示す。横軸は、共振器長Lに対する回折格子形成領域の長さLgの割合すなわちLg/Lを示し、縦軸は緩和振動周波数f(GHz)を示す。素子温度は95℃で、緩和振動周波数fは電流値60mAでの値である。
Lg/Lが100%の場合、すなわち回折格子領域が共振器長Lの全体の場合では、分布帰還形半導体レーザの発振しきい値が大きくなり、かつ発光効率が小さく、吸収ロスも大きくなるため緩和振動周波数fも小さくなる。Lg/Lが100%から少なくなるに従い、発振しきい値が小さくなり、緩和振動周波数fも大きくなる。Lg/Lが60%付近で緩和振動周波数fが最大となり、Lg/Lがさらに小さくなると緩和振動周波数fが小さくなる。Lg/Lが60%より小さくなるに従い緩和振動周波数fが小さくなるのは、回折格子領域の減少により微分利得が小さくなるためである。
ここで、10Gbpsの高速動作を素子温度95℃で実現するためには、10GHz以上の緩和振動周波数fが必要である。本実施例に係る分布帰還形半導体レーザでは、Lg/Lの値が、40%以上80%以下の範囲で緩和振動周波数fが10GHz以上であることから、回折格子を形成する領域の長さLgは、共振器長Lの40%以上80%以下であることが好ましい。
なお、図6に、共振器長Lに対する回折格子形成領域の長さLgの割合と本実施例に係る分布帰還形半導体レーザの発振しきい値の関係を示す。横軸は共振器長Lに対する回折格子形成領域の長さLgの割合すなわちLg/Lを示し、縦軸は分布帰還形半導体レーザの発振しきい値(mA)を示す。素子温度は95℃である。
Lg/Lが大きい場合は、回折格子10の吸収ロスの増加により発振しきい値が大きくなるため、発振特性は劣化する。一方、Lg/Lが小さい場合は、DFBの微分利得の低下により発振しきい値が大きくなるため、発振特性は劣化する。
また、図7に、共振器長Lに対する回折格子形成領域の長さLgの割合と本実施例に係る分布帰還形半導体レーザの直列抵抗値の関係を示す。横軸は共振器長Lに対する回折格子形成領域の長さLgの割合すなわちLg/Lを示し、縦軸は分布帰還形半導体レーザの直列抵抗値を示す。素子温度は95℃、直列抵抗値は電流値60mAでの値である。
共振器長Lに対する回折格子形成領域の割合が大きいと回折格子10を構成するガイド層505とクラッド層8とのヘテロ界面領域が多くなり、このヘテロ界面による抵抗増加によって直列抵抗Rが大きくなる。直列抵抗Rが大きいと抵抗による発熱量が増加するため、高温度領域でのレーザ特性(発振効率、高速特性)が劣化する。
<本実施例に係る分布帰還形半導体レーザの効果>
次に、本実施例に係る分布帰還形半導体レーザの効果について図を用いて説明する。
図8は、本実施例に係る分布帰還形半導体レーザの効果を説明するための図で、分布帰還形半導体レーザに流す電流と分布帰還形半導体レーザの発光効率の関係を示す図である。多重量子井戸層(図2に示す符号4)の層数が8、共振器長Lが200μm、低反射率端面503側に配置される低反射率膜の反射率が1%、高反射率端面502側に配置される高反射率膜の反射率が80%、回折格子領域が共振器長Lの67%の134μm、回折格子10の結合係数κと回折格子形成領域の長さLgの積が1.2で、素子温度95℃の場合を示す。縦軸は、発光効率(W/A)で、この値が大きいほど分布帰還形半導体レーザの光出力特性が優れていることを示す。発光効率がゼロから急激に大きくなっている電流値がいわゆるしきい値電流である。
図9は、比較例の分布帰還形半導体レーザにおける、分布帰還形半導体レーザに流す電流と分布帰還形半導体レーザの発光効率の関係を示す図である。比較例で作製した構造は、図2に示す回折格子10の構造が異なるのみであり、その他の構造は図2に示す本実施例に係る分布帰還形半導体レーザと同じとした。具体的には、比較例で作製した構造は、回折格子10が、本実施例の図2及び図3で示したp型InGaAsPのガイド層505とは異なり、p型InGaAsPのガイド層505に図12に示す回折格子501のような山谷が形成された形状となっている。
本実施例に係る分布帰還形半導体レーザのしきい値電流は、図8に示すように、15.7mAであった。一方、比較例に係る分布帰還形半導体レーザのしきい値電流は、図9に示すように、21.1mAであった。このように、本実施例に係る分布帰還形半導体レーザのしきい値電流の方が大幅に小さくなっている。これは、本実施例では、山谷が形成されていないガイド層505が残った領域による吸収ロスがないためである。また、発光効率についても、本実施例に係る分布帰還形半導体レーザの方が比較例よりも大きいことがわかる。
さらに、電流値を大きくしていくと、発光効率がいずれはゼロになる、すなわち、これ以上電流を増やしてもレーザの光出力が増えない電流値は、図9に示す比較例では約92mAであるに対し、図8に示す本実施例では100mAよりはるかに大きくなった。このように、本実施例に係る分布帰還形半導体レーザは、半導体レーザの温度特性の大幅な改善が達成されたことが、この電流−発光効率特性でわかる。
図10は、本実施例に係る分布帰還形半導体レーザの効果を説明する図で、分布帰還形半導体レーザに流す電流と分布帰還形半導体レーザの緩和振動周波数の関係を示す図である。図2と同じ素子で、同じ条件、すなわち素子温度95℃での電流−緩和振動周波数特性を示す。図11は、比較例の分布帰還形半導体レーザにおける、半導体レーザに流す電流と半導体レーザの緩和振動周波数の関係を示す図である。
図10及び図11から明らかなように、本実施例では、電流値60mAのときに、緩和振動周波数fは11.1GHzであった。比較例では、電流値60mAのときに、緩和振動周波数fは9.0GHzであり、本実施例の緩和振動周波数fが大幅に大きくできていることがわかる。本実施例では、山谷が形成されていないガイド層505が残った領域による、光閉じ込め係数の劣化と吸収ロスの増大がないためである。
なお、図2及び図3に示す本実施例では、回折格子10が多重量子井戸層4上側に形成された場合を示したが、多重量子井戸層4の下側、いわゆる基板1側に形成された場合も効果は同様である。また、本実施例では、基板1としてn型InP基板を用いたが、p型InP基板を用いることも可能である。
また、本実施例では、光の横方向の閉じ込め構造として、リッジ導波路型を用いたが、埋め込みヘテロ構造型を用いることも可能である。さらに、本実施例では、多重量子井戸層4の材料として、InGaAlAs系を用いたが、InGaAsP系を用いることも可能である。
本発明の分布帰還形半導体レーザは、通信用半導体レーザに用いられるため、情報通信産業に適用することができる。
1:n型InPの基板
2:n型InPのクラッド層
3:n型InGaAlAsのSCH層
4:InGaAlAs系の多重量子井戸層
5:p型InGaAlAsのSCH層
6:p型InAlAsのキャリアストップ層
7:p型InGaAsPのエッチングストップ層
8:p型InPのクラッド層
9:p型InGaAsのコンタクト層
10:回折格子
11:n型電極
12:p型電極
501:回折格子
502:高反射率端面
503:低反射率端面
504:活性層
505:ガイド層
506:n型電極
507:p型電極
508:クラッド層

Claims (2)

  1. 活性層と、
    前記活性層の下側又は上側に配置されたガイド層と、
    一方の端面に形成された低反射膜と、
    他方の端面に形成された高反射膜と、
    前記一方の端面側に形成された回折格子と、を有し、
    前記両端面間の長さが170μm以上280μm以下であり、
    前記回折格子は、一定の周期で前記ガイド層の全てが除去され、前記ガイド層の除去された部位がクラッド層に埋め込まれることにより形成され、
    前記他方の端面側において、前記ガイド層の全てが除去されていることを特徴とする分布帰還形半導体レーザ。
  2. 前記回折格子を形成する領域の長さが、前記両端面間の長さの40%以上80%以下であることを特徴とする請求項1に記載の分布帰還形半導体レーザ。
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