JP2011049041A - 走査型電子顕微鏡装置及びそれを用いた試料の検査方法 - Google Patents

走査型電子顕微鏡装置及びそれを用いた試料の検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
一次電子ビームの走査ずれに起因する擬似欠陥を低減する高感度高スループット電子ビーム式検査装置と検査方法を提供する。
【解決手段】
複数の一次電子ビームを有する半導体検査装置において、前記複数一次電子ビームが被検査試料を照射する位置を個別に設定調整手段を有する。前記複数一次電子ビームの試料上の照射位置を前記被検査試料の繰り返しパターン間隔に合わせて設定して、比較対象の繰り返しパターン画像を同時に取得する。同時に取得した複数の画像上に、比較する繰り返しパターンの処に一次電子ビームの走査ずれは同じである。そのため、差画像上に電子ビームの走査ずれに起因する擬似欠陥がなくなって、高感度高スループット電子ビーム式検査装置と検査方法を提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体外観検査技術に関し、特に微細な回路パターンを有する半導体ウエハや、ホトマスク(露光マスク)、液晶等を検査する電子ビームを用いた電子ビーム式検査装置に適用して有効な技術に関する。
本発明者が検討したところによれば、半導体外観検査技術としては、例えば特許文献1〜3と非特許文献1〜3に記載される技術などが挙げられる。以下において、これらの文献に記載された技術の内容や、これらの文献に記載の技術に相当する内容を示した図2〜図4を用いて説明する。
例えば、半導体装置の製造技術では、半導体装置の製造過程における異常や不良発生を、早期に、あるいは、事前に検知するため、各製造工程の終了時において半導体ウエハ上のパターン検査が行われる。ウエハ上の回路等のパターンを検査する電子ビームを用いた検査方法及び検査装置では、検査対象のウエハに電子ビームをスキャンして照射し、発生する二次電子から検出画像を生成し、同様の回路パターンの画像同士を比較し、差が大きい場所を欠陥として判定を行う。
従来の電子ビーム式検査装置について、以下、図2、図3を用いて説明する。なお、図2は電子ビーム式検査装置に関する一般的な動作を説明するために、その構成の一例を示したものであり、図示する構成に限られるものではない。また、図3Aに示したX,Yの座標は、例として電子ビームのスキャン方向をX方向、ステージの移動方向をY方向として図示した。
図2の検査装置において、電子銃2001より射出した電子ビーム2031は、集束レンズ2036で集束され、静電偏向器2032を介して偏向制御され、対物レンズ2037等を経て試料2033をスキャンしながら照射される。電子ビーム2031が照射されると、試料2033からは二次電子2038が発生し、二次電子2038は検出器2035で検出される。
例えば、図3Aに示す試料台2034を図示するY方向へ連続的に移動させながら、電子ビーム2031を、試料2033上で図示するX方向に繰返し走査するように静電偏向器2032を動作させて、前記繰返し走査に同期して試料2033から発生する二次電子2038を検出器2035で検出することで、図3Bに示す試料2033の二次元検出画像イメージ2060を得る。試料台2034をX方向へ移動して検査する場合は、電子ビーム2031が試料2033上をY方向に繰返し走査するように制御を行う。
検出器2035で検出された信号は、検出回路2041によってデジタル信号に変換される。画像処理手段2042は、デジタル信号をもとに二次元の画像を生成して、この画像内にある欠陥を検出し、その検出結果を全体制御手段2010に送信する。全体制御手段2010は、GUI画面2005より入力された検査条件に応じて、電子光学制御手段2002、偏向制御手段2003、機構系制御手段2006の制御を行う。ここでは、試料台2034は、図3に表示するX方向またはY方向の2方向に連続的に移動する例を記したが、試料台2034が物理的に回転し、図示するX方向またはY方向の一方向のみに連続的に移動するものでも構わず、試料台2034の構成を限定するものではない。また、検出器2035は、試料2033から発生する二次電子2038を検出するように構成したが、試料2033から発生する透過電子若しくは吸収電子を検出するように構成してもよい。
特に、特許文献1においては、通常の走査型電子顕微鏡(SEM)の100倍以上(10nA以上)の電子線電流を基板に照射し、発生する二次電子・反射電子・透過電子の何れかを検出し、その検出信号から得られる画像により欠陥を検出する方法が開示されている。この中で、電子ビームをスキャン制御する電子ビーム偏向器は2段に配設した静電偏向器で構成するとともに、ビーム偏向制御回路を偏向波形発生手段と、上下2段偏向器に対して独立な高電圧増幅手段で構成し、±180Vのランプ波形を発生することが開示されている。
特開平5−258703号公報 特開2007−317467号公報 特開2008−215969号公報
P.Sandland et al"An electron−beam inspection system for x−ray mask production",J.Vac.Sci.Tech.B,Vol.9,Issue6,pp1289−1292(1983),pp3005−3009(1991) E.Goto et al"In−lens Deflection system with nonequisectored−type muiltpole electronstatic deflector",J.Vac.Sci.Tech.B,Vol.1,Issue4,pp1289−1292(1983) C.H.Schaefer,"A theoretical performance comparison of six electrostatic e−beam deflectors",J.Vac.Sci.Tech.B,Vol.4,Issue5,pp1237−1242(1986)
ところで、前記特許文献1に記載されるような検査装置では、検査対象であるウエハ上に形成される回路パターンの微細化に伴い、欠陥の検出感度の向上が要求されており、特に電子ビームに走査ずれが発生すると検出感度を向上できないという課題を有している。
図4Aに示すように電子ビーム式検査装置は、検査対象ウエハ上の繰り返しパターン2060aと2060bを比較し、その差異を利用して欠陥2061を検出・判定する。但し、一次電子ビーム2031の試料上における照射位置は、電子ビームの偏向を制御する回路の電気ノイズ、カラム側に流れているリターン電流から生じた磁界ノイズ、ウエハを運搬するステージやカラムなどの機械振動など、各要因の影響により、目標照射位置から走査ずれ:δが発生する。
走査ずれが発生すると、図4Bに示すように本来検出すべき正常部のパターンと異なる位置のパターンまたは信号強度2031a,2031bと2031cを検出することとなり、検出されたパターンは正常部のパターンとは異なる擬似欠陥2062a,2062bと2062cとなり、真の欠陥2061の判別ができなくなる。
このような課題に対して、前記特許文献1には、検査対象であるウエハ上の同一箇所をN回スキャンしてN回分の検出信号を加算することで、ランダムであるノイズの影響を低減する方法が開示されている。しかし上記の方法ではN回スキャンすることから、例えば、重ね合せを2回、4回行うとそれぞれの検査速度は1/2倍、1/4倍となり、原理的に検査速度が低下するという問題を有している。さらに、走査ずれを生じるノイズは、ランダム性以外のノイズ要因も多数ある前記複数回スキャンの加算方法は、スキャン周期に同期する周期的なノイズに起因した走査ずれに対して、低減効果はない。
上記課題を解決するために、本発明では、電子を発生させる電子源と、電子源で発生させた電子を複数のビーム状に引き出して収束させて複数のビームを試料上の所望の領域に同時に照射して走査する電子光学系と、電子光学系により複数の電子ビームが同時に照射されて走査された試料から発生した2次電子を複数の電子ビームごとに対応して検出しての検出信号を出力する2次電子検出手段と、2次電子検出手段から出力された複数の検出信号に基づいて試料の表面の複数の画像を生成して処理する画像処理手段と、電子光学系と2次電子検出手段と画像処理手段とを制御する制御手段と、制御手段で制御する電子光学系の制御条件および画像処理手段の処理条件を入力するとともに画像処理手段の処理の結果を出力する入出力手段とを備えた走査型電子顕微鏡装置において、電子光学系は引き出した複数のビームの間隔を調整するビーム間隔調整部を有し、ビーム間隔調整部は入出力手段から入力されたビーム間隔設定条件に基づいて複数のビームの間隔を設定するようにした。
また、上記課題を解決するために、本発明では、電子を発生させる電子源と、電子源で発生させた電子を収束させて試料上の所望の領域に照射して走査する電子光学系と、電子光学系により電子が照射された試料から発生した2次電子を検出して検出信号を出力する2次電子検出手段と、2次電子検出手段から出力された検出信号に基づいて試料の表面の画像を生成して処理する画像処理手段と、電子光学系と2次電子検出手段と画像処理手段とを制御する制御手段とを備えた走査型電子顕微鏡装置において、電子光学系は電子源で発生させた電子を複数のビームに引き出すビーム引き出し部と、ビーム引き出し部で引き出した複数のビームの間隔を調整するビーム間隔調整部と、ビーム間隔調整部で間隔を調整された複数のビームをX方向とY方向に偏向させて試料上の所望の領域を走査するX方向偏向器とY方向偏向器及びX方向偏向器を制御するX偏向制御部とY方向偏向器を制御して一部の回路をX偏向制御部と共有するY偏向制御部を有するビーム偏向電極部とを有して構成するようにした。
更に、上記課題を解決するために、本発明では、電子源で発生させた電子を複数のビーム状に引き出し、引き出した複数のビームの間隔をビーム間隔調整部により予め設定された間隔に調整して試料上の所望の領域に同時に照射して走査し、複数の電子ビームが同時に照射されて走査された試料から発生した2次電子を複数の電子ビームごとに対応して検出して複数の検出信号を取得し、取得した複数の検出信号に基づいて試料の表面の複数の画像を生成し、生成した複数の画像を処理して試料を検査する走査型電子顕微鏡装置を用いた試料の検査方法において、収束させた複数のビームの間隔をビーム間隔調整部により予め設定することを、予め複数のビームを試料上に同時に照射して走査することにより得られた複数の画像を画面上に表示し、複数の画像が表示された画面上でビーム間隔調整部による複数のビームの間隔の調整条件を設定することにより行うようにした。
更にまた、上記課題を解決するために、本発明では、電子源で発生させた電子ビームを収束させて試料上の所望の領域に照射して走査し、電子が照射して走査された試料から発生した2次電子を検出して検出信号を得、2次電子を検出して得られた検出信号に基づいて試料の表面の画像を生成し、生成した画像を処理して試料上の欠陥を検出する走査型電子顕微鏡装置を用いた試料の検査方法において、電子ビームを試料上の所望の領域に照射して走査するステップを、電子源で発生させた電子から複数のビームを引き出し、引き出した複数のビームの間隔をビーム間隔調整部により予め設定した間隔になるように調整し、間隔を調整した複数のビームをX方向とY方向に偏向させて試料上の所望の領域を走査することを含み、複数のビームをX方向とY方向に偏向させることを一部の回路を共有するX偏向制御部とY偏向制御部とで制御されたX方向偏向器とY方向偏向器とにより行うようにした。
本発明によれば、多段偏向器の制御部の回路を一部共通化したことにより回路ノイズ起因の電子ビームの走査ずれを低減することができ、走査型電子顕微鏡における電子ビームの制御性が向上する。これにより、複数の電子ビームを同時に照射する場合に各電子ビームの間隔を精度よく制御することが可能になり、より高い欠陥検出感度と高い検査速度を両立させ得る電子ビーム式検査装置を実現できる。
本発明の第1の実施例に係る電子ビーム式検査装置の概略の構成を示すブロック図である。 従来の電子ビーム式検査装置の構成概略を示すブロック図である。 電子ビーム式検査装置のビームのスキャンとウェハの移動方向の関係を示すウェハの斜視図である。 試料をY方向に一定の速度で移動させながら電子ビームをX方向にスキャンして撮像したときに得られる試料の二次元画像の例を示す図である。 電子ビームの走査ずれに起因する擬似欠陥の発生状態を示すSEMの電子光学系の概略構成を示すブロック図である。 電子ビームの走査ずれに起因する擬似欠陥があるときの検査画像と参照画像戸から得られる差画像の例を示す図である。 SEMで撮像して得られた試料の広域画像である。 広域画像上でピッチ300で指定した隣接する領域の画像とこの隣接する領域の画像間の差画像を示す図である。 複数本の一次電子ビームの照射位置を調整するためのGUIの例を示す概略図である。 画面上で一次ビームの間隔を設定する手順を示すフロー図である。 本発明の第2の実施例に係る電子ビーム式検査装置の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施例に用いた欠陥判定方法におけるSEMで撮像された試料の広域画像である。 本発明の第2の実施例に用いた欠陥判定方法における検査画像と参照画像及び2枚の差画像である。 本発明の第3の形態に係る電子ビーム式検査装置の概略の構成を示すブロック図である。 検査試料の繰り返すパターン誤差を低減する画像処理 複数本の一次電子ビームの照射位置を設定する場合の粗設定と精設定との処理の流れを示す概略フロー図である。 複数本の一次電子ビームの照射位置を設定する場合の精設定の処理の流れを示す概略フロー図である。 本発明の第5の実施例に係る電子ビーム式検査装置の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の第6の実施例形態に係る電子ビーム式検査装置の偏向制御手段の回路構成例を示す概略ブロック図である。 8極静電偏向器の各極に印加する電圧の関係説明図である。 8極静電偏向器の各電極と試料との寸法の関係を説明するための偏向電極の正面の断面図である。 2段静電偏向器の偏向制御回路のノイズモデルを説明する偏向制御回路の回路ブロック図である。 本発明の第7の実施例に係る電子ビーム式検査装置の偏向制御手段の回路構成例を示す概略ブロック図である。 本発明の第8の実施例に係る電子ビーム式検査装置の偏向制御手段の回路構成例を示す概略ブロック図である。 本発明による欠陥検査のうち、予めビーム間隔を設定しておいて検査を行う場合の処理の流れを示すフロー図である。 本発明による欠陥検査のうち、毎回ビーム間隔を調整する場合の処理の流れを示すフロー図である。 ビーム位置調整手段の概略の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施例について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施例を説明するための全図において、同一の要素には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1、図5と図6は本発明の第一の実施例に関わる電子線半導体検査装置の概略構成を示す図である。
まず、図1を用いて装置構成を説明する。装置全体は、大きく分けて電子顕微鏡(SEM)部100と画像処理・制御部150で構成されている。
走査型電子顕微鏡部100は電子源101、1次電子を集束させるコンデンサレンズ103、収束させた1次電子から2本のビームを引き出すアパチャアレイ104、引き出した2本の電子ビームを収束させるレンズアレイ105、2本のビームの間隔を調整するビーム位置調整手段106a及び106b、2次電子の軌道を制御するウィーンフィルタ108、2次電子を集束させる静電レンズ121、集束された2次電子を分離するための偏向器122、分離されたそれぞれの2次電子を検出する検出器123a及び123b、対物レンズ107a及び107b、1対の静電偏向器32、試料33を載置するテーブル手段34を備えており、走査型電子顕微鏡部100の内部は図示していない真空排気手段により真空に排気される。(アパチャアレイ104でミクロンオーダーで分離された2本の電子ビームの間隔を制御するビーム位置調整手段106a,106bの具体的な構成と動作について詳細な説明を追加要)
ビーム位置調整手段106a及び106bの構成と動作に関する実現例を図21に示す。
GUI画面2101からの指令を受けて、ビーム調整回路2001は制御電圧或いは電流を生成する。その制御電圧或いは制御電流がディスクリード部品や半導体プロセス上に作成した制御手段2104に印加して、一次電子ビーム2103の位置を調整することを実現する。
画像処理・制御部150は、ビーム位置調整手段106a及び106bを制御するビーム距離制御回路部7、検出器123a及び123bから出力されたアナログ信号をA/D変換するA/D変換器125、A/D変換された信号を処理するための記憶部126aと演算部126b、欠陥判定部126cを備えた画像処理部42と、偏向器122を制御する偏向器制御部127、ウィーンフィルタ108を制御するウィーンフィルタ制御部128、偏向器32を制御する偏向制御手段3、テーブル手段34を制御するテーブル制御部6、GUI132を備えた入出力部131、及び、入出力部131と接続するとともにビーム距離制御回路部7、画像処理部42、偏向器制御部127、ウィーンフィルタ制御部128、偏向制御手段3及びテーブル制御部6を制御する全体制御部130を備えている。
次に、上記構成を備えた電子ビーム式検査装置の動作を説明する。電子源101から発生した一次ビーム102は、コンデンサーレンズ103によって平行に整えられた後、アパーチャーアレイ104によって2本のビーム102aおよび102bに分割される。その後、ビーム102aおよびビーム102bはレンズアレイ105によって個別に集束された後、それぞれのビーム位置調整手段ビーム106aとビーム106bの制御により2本ビーム間の距離を設定して、対物レンズ107aおよび107bによりステージ34上に搭載された試料33上に焦点を結ぶ。偏向器32は時間的に変化する電場または磁場を発生し、偏向制御手段3の出力に基づいて、試料33上の所望の位置に一次ビーム102aおよび102bを同時に走査する。
一次ビームの照射により、試料33からは二次ビーム、反射電子等の二次ビームが発生する。図1では2本の一次ビーム102aおよび102bが試料に照射されるので、これらの一次ビームが照射したされた試料上の2箇所からそれぞれ二次ビーム120aおよび120bが発生する。二次ビーム120aおよび120bは対物レンズ107a及び107bの集束作用を受け、さらに二次ビーム120aおよび120bに対しては偏向作用を持つウィーンフィルター108の作用により、一次ビーム102a及び102bの軌道と分離される。その後、二次ビーム軸調用アライナーにより軌道を補正され、さらに二次ビーム集束用の静電レンズ121の集束作用及び偏向器122による二次ビームの振り戻し作用により、検出器123aおよび123bにそれぞれ到達する。
検出器123aおよび123bにより検出された信号は検出回路124aおよび124bにより検出され、A/D変換機125によりデジタル化され、画像処理部42内の記憶装置126aに画像データとして一旦格納される。その後、演算部126bにおいて一次ビーム102aと102bで同時に取得した画像をそれぞれ参照画像と検出画像として比較して差画像を求め、欠陥判定部126cで欠陥判定を行う。
一次電子ビーム102a及び102bの走査ずれによる擬似欠陥の検出を抑制するためには、検出画像と比較対象である参照画像との本来同一形状になるように作成された繰り返しパターンにおいて、2本のビーム102a及び102bにより同時にスキャンする必要がある。一方、検査対象によって、比較できる繰り返しパターンの場所、間隔は異なるので、それらの異なるパターンに対応可能な装置の構成とする必要がある。
本発明では、2本の一次ビーム102aと102bとの間隔を調整可能にする位置調整制御手段106aと106bとを設けた。ビーム位置調整制御手段106aと106bとの設置場所は、本実施例では対物レンズ107aと偏向器32の上方に置いているが、偏向器32の下方に置いても良い。上記ビーム位置調整手段106aと106bとの設置場所については、ビーム分離用アパーチャーアレイ104に近接するほど調整範囲が広く、一方で、試料33に近接して設置すると調整分解能が高くなるという特性がある。
ユーザは入出力部131にあるビーム102aとビーム102bの位置調整用制御ボタン(後述する)を操作することにより、前記ビームの位置調整制御手段106aと106bを制御して試料33上の照射位置と距離を調整できる。ユーザはGUI132に表示される参照画像と検出画像とを確認しながら、ビーム102aとビーム102bとの試料33上の照射位置がそれぞれ比較対象の参照画像と検出画像との対応する位置と一致するように調整する。
図5Aには、検査対象ウエハ(試料33)を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像して得られる広域の画像の例を示す。この広域の画像は、試料33を図中に矢印で表した方向にステージ34を連続的に移動させながら一次電子ビームを照射してステージ34の移動方向と直角な方向に走査して得た画像を複数枚合成したものに相当する。図中に矢印で示した方向に対して直角な方向に間隔300にて繰り返すパターン群201aと201bとがある場合、試料33に照射する一次ビーム102aと102bの間隔を図5(A)に示すような繰り返しパターン群201aと201bの間隔300に合わせて設定すれば、ビーム102aとビーム102bで同じタイミングで、繰り返しパターン201aと201bの画像202aと202bを図5(B)に示すよう同時に取得できる。従来のシングルビーム装置における場合と同じようにビームずれがあったとしても、画像202aと202bに発生するビームずれ203aと203b或いは204aと204bは必ず同じ場所に発生する。そのため、画像202aと202bとの差画像205には、ビームずれ203a、203b、204aと204bの影響による擬似欠陥が発生せず、真の欠陥2061が認識可能となる。
ビーム1とビーム2の位置、間隔を設定するためのGUI画面の一例を図6に示す。このGUI画面上でビーム1とビーム2との位置、間隔を設定する手順を図6のGUIの画面と図7のフロー図を用いて説明する。まず試料33の設計情報に基づいて一次ビーム102aと102bの初期位置座標データを画面の250aと250bとから入力する(S701)。次に、全体制御部130は、この入力された初期位置座標データに基づいてビーム距離制御回路7を制御してビーム位置調整手段106a106bにより設定した初期位置座標位置から一次ビーム102aと102bとを走査して試料33の比較的広い領域の低倍画像を得る(S702)。次に、一次ビーム102a又は102bを走査して得た試料33の比較的広い領域の低倍画像253を画面上の全体低倍画像の欄に表示する(S703)。次に、この表示された試料33の比較的広い領域の低倍画像253上で繰り返しパターン領域を設定し(S704)、この繰り返しパターンの座標情報から初期位置座標設定画面の250aと250bを修正する(S705)。この修正して設定した一次ビームの初期位置座標に基づいて繰り返しパターン領域を一次ビーム102a又は102bで走査して繰り返しパターン領域の高倍率の画像254aと254bとを得て画面上に表示する(S706)。このとき、一次ビーム102a及び102bが設定した基板上の初期位置座標位置に照射されるように、全体制御部は、一次ビームの初期位置座標の修正に連動して、対物レンズ107a及び107b,偏向電極制御手段3を制御する。
次にこの繰り返しパターン領域の高倍率の画像254aと254bとの差分を算出し、算出して得た差分画像255を表示する(S707)。この差分画像255が表示された状態で、ビーム102aの座標調整ボタン251a(X座標設定用)と251b(Y座標設定用)を操作して画像の取得場所を調整する。同様に、ビーム102bの座標調整ボタン252a(X座標設定用)と252b(Y座標設定用)を操作して画像の取得場所を調整する(S708)。調整後の差分画像255(S709)にパターンの差をチェックし(S710),差がなくなるまでビーム102aとビーム102bの画像取得位置を調整する。ここで、ビーム1の座標調整ボタン251aと251bを操作して画像の取得場所を調整した後に差分画像255でパターンの差を確認することを、最初に取得した高倍率の画像254aの座標データを記憶しておいてビーム1の座標調整ボタン251aと251bとを操作して修正した分だけ記憶しておいた画像の座標データをずらして差画像を取得するようにする。これにより、座標データを修正するたびにSEM画像を取らなくてすみ、画像取得位置の調整が短時間で容易に行える。また、この画像取得位置調整の操作は、必ずしもビーム1とビーム2の両方について行う必要は無く、ビーム1又はビーム2の何れか一方について行うだけでも良い。
ここで、2本ビームの位置調整GUI画面構成を一つの例として説明したが、上記説明と同じ効果があるGUI画面のその他構成も本発明の範囲に含まれる。さらに、上記ビーム位置の設定と調整用GUI画面は、2本ビームの例を説明したが、2本以上の複数本ビームの構成でも、基本的に類似するGUI画面で操作できる。
次に、以上に説明した手順でGUI画面上でビーム102aと102bとの位置、間隔を設定した電子ビーム式検査装置を用いて、試料上に形成されたパターンを検査して欠陥を抽出する方法について図19を用いて説明する。
まず、検査装置の初期条件の設定段階で、図7で説明したフローに従って、GUI画面上で検査対象試料の検査パターンデータに応じて2つの電子ビームの初期設定座標を設定して画像処理手段42に記憶部126aに記憶しておく(S1901)。
次に、検査方法を記載したレシピ情報を全体制御手段1の記憶部から読み込む(S1902)。
次に、テーブル34に検査対照試料を載置した状態で,電子線源101から発射された電子ビーム102をアパーチャアレイ104で2つの電子ビーム102aと102bとを形成し、レンズアレイ105で集束させ、それぞれのビーム位置が記憶部126aに記憶されている初期条件設定段階で設定された検査対照試料上の初期位置に照射されるように設定されたビーム位置調整手段106a及び106b、対物レンズ107a及び107b、偏向器32を通過させて、全体制御部130で制御されたテーブル制御部6で駆動されているテーブル34により一方向に一定の速度で移動している試料33上をテーブル34の移動と同期させて上記した初期条件設定段階で設定された領域を2つの電子ビーム102aと102bとを間隔が一定に維持された状態で走査する(S1903)。
このようにして2つの電子ビーム102aと102bとが照射され走査された試料33から発生した二次電子(反射電子も含む)子120aと120bとをウィーンフィルタ108で一次電子ビームの軌道から逸らし、静電レンズ121、偏向器122で集束させて検出器123a及び123bで電子ビーム102aの照射により発生した二次電子120aと電子ビーム102bの照射により発生した二次電子102bとを分離して同時に検出し(S1904)、検出したそれぞれの信号をA/D変換器125でデジタル信号に変換し、画像処理部42の記憶部126aにおいて検出器123aで検出して得られた画像から検査画像を順次作成して記憶し、検出器123bで検出して得られた画像から参照画像を順次作成して記憶する(S1905)。次に、演算部126bにおいて、記憶された検査画像と参照画像との位置を合わせ、検査画像と参照画像とを比較して差異を抽出し、欠陥を検出する。
ここで、電子ビーム102aと102bとは、初期条件設定段階で設定された領域を互いの間隔が一定に維持された状態で走査するので、検出器123aで検出して得られた検査画像と検出器123bで検出して得られた参照画像との間には理想的には位置ずれが発生しないはずであるが、実際には、初期条件設定段階での設定誤差や、それぞれの検出系の誤差のために検出して得られた検査画像と参照画像との間には位置ずれが生じてしまう。そこで、検査画像と参照画像とを比較して差異を抽出し、欠陥を検出するに際して、先ず両画像間の位置ずれをチェックし(S1906)、ずれを検出した場合には、両画像間の位置合わせを行った(S1907)後に検査画像と参照画像とを比較して差異を抽出して欠陥を検出する(S1908)。
この2つの電子ビームの照射・走査により同時に得られた検査画像と参照画像とを比較して欠陥を抽出することをテーブル34を連続的に移動させながら試料33上の予め指定されて領域又は全部の領域について行い、検査を終了後試料33をテーブル34から取り外して検査を終了する(S1909)。
次に、毎回の検査ごとに検査対象試料の検査パターンデータに応じて2つの電子ビームの初期設定座標を決定して検査を行う場合の処理フローについて、図20を用いて説明する。
先ず、検査方法を記載したレシピ情報を全体制御手段1の記憶部から読み込み(ステップS20)、 検査対象物ウェハ33をロードし(ステップS30)、 検査方法に応じて電子光学系の条件を調整し(ステップS40)、 あらかじめ登録されているパターンに計測・座標系を補正するアライメントを行い(ステップS50)、検査領域の設定を実施後(ステップS60)、参照画像を取得する電子ビームと検出画像を取得する電子ビームの距離を繰り返しパタンの間隔とあわせるように設定し(ステップS70)、図6のGUI画面に示したように取得画像と差分画像を確認しながらビームの間隔を最適化まで調整した後(ステップS80)、対象物ウェーハ33を順次走査し、検出画像を処理して欠陥を検出する画像検出・欠陥判定し(ステップS90)、分類した欠陥情報を全体制御部の記憶部の検査結果ファイル(図示せず)に記載することにより演算結果を格納し(ステップS100)、 対象物ウェーハ6をアンロードして元のカセットに格納し(ステップS110)、 検査を完了する。
以上に説明した実施例においては、一方の電子ビームの照射で検査画像を作成し、他方の電子ビームの照射で参照画像を作成し、これらの画像を比較して欠陥を抽出する方法について説明したが、ウェハ上に同時に照射する2つの電子ビームでそれぞれに画像を検出して記憶し、先に記憶した画像を参照画像とし、後に記憶した画像を検査画像として検査画像と参照画像とを順次比較するようにしても良い。
本発明の第2の実施の形態に係る検査装置について、図8を用いて説明する。本実施の形態における電子ビーム式検査装置の基本構成は、前記第1の実施の形態とほぼ同様であるため、一部説明を省略する。ここでは、第1の実施の形態と異なる部分を主として説明する。
本実施の形態の電子ビーム式検査装置において、電子源101から発生した一次ビーム102は、コンデンサーレンズ803によって平行に整えられた後、アパーチャーアレイ804によって3本のビーム802a、802bおよび802cに分割される。その後、ビーム802a、802bと802cはレンズアレイ805によって個別に集束された後、それぞれのビーム位置調整手段806a、806bと806cの制御により3本ビーム間の距離を設定して、対物レンズ807aおよび807bによりステージ34上に搭載された試料33上に焦点を結ぶ。偏向器832は時間的に変化する電場または磁場を発生する偏向器であり、試料33上の所望の位置に一次ビーム802a、802bおよび802cを同時に走査する。
一次ビームの照射により、試料33からは二次ビーム、反射電子等の二次ビームが発生する。図8では3本の一次ビーム802a、802aおよび802cが試料に照射されるので、これらの一次ビームが照射した試料上3箇所からそれぞれ二次ビーム820a、820bおよび820cが発生する。二次ビーム820a,820bおよび820cは図面に表示しない対物レンズの集束作用を受け、さらに二次ビームに対しては偏向作用を持つウィーンフィルター808により、一次ビームの軌道と分離される。その後、二次ビーム軸調用アライナーにより軌道を補正され、さらに二次ビーム集束用レンズ821の集束作用により、検出器823a、823bおよび823cにそれぞれ到達する。検出器823a、823bおよび823cにより検出された信号は検出回路824a,824bおよび824cにより検出され、A/D変換機125によりデジタル化され、画像処理部842内の記憶装置826aに画像データとして一旦格納される。その後、演算部826bにおいて一次ビーム802a、802bと802cで同時にスキャンして取得した画像をそれぞれ参照画像と検出画像として比較して、欠陥判定部826cで欠陥判定を行う。
3本の一次電子ビーム802a〜802cが試料33上の照射位置について、実施例1に説明したように、GUI画面での確認と操作により、ビームの位置調整手段806a,806bと806cを制御して検査対象ウエハの繰り返しパターンに合わせる。比較検査用画像は、3本の一次ビームを同じ偏向制御手段32の制御のもとに、図9Aに示すように同じタイミングで901a、901bと901cを走査して図9Bの(a)〜(c)に示すような3枚の画像を取得する。偏向制御回路32のノイズやその他システムノイズに起因する一次ビームのずれは、取得した画像902a〜902c上の同じ場所で、903a〜903aと904a〜904cが発生するが、差画像905aと905bに表示しない。画像905aは画像902aが検出、902bが参照画像として、検出―参照の差画像である。画像905bは画像902bが検出、902cが参照画像として、検出―参照の差画像である。差画像905aと905b両方には同じ座標に差分画素があるので、元画像の802bに欠陥があることは判明できる。一方、もし差画像905a上にしか差画素がなければ、元画像の902aに欠陥があることをいえる。同じく、差画像905b上にしか差画素がなければ、元画像の902cに欠陥がある。
このように3枚の画像と2枚の差画像を利用して、欠陥が元々どちらの画像上にあることを判定する方法はリアル・ゴースト欠陥判定法として従来のシングルビーム検査装置も良く知られている。実施例2に示した装置構成では、一回のスキャンでリアル・ゴースト法を使用可能であり、且つ電子ビームのずれによる擬似欠陥が発生せず、高速且つ高感度欠陥検出装置と方法を提供できる。
本実施例では、例として3本ビームによる高速且つ高感度欠陥検出装置と方法を説明したが、本発明の基本概念は3本以上複数一次ビームを使って同時にスキャンして比較画像を取得する検査装置と検査方法も同じように適用できる。
本実施の形態の電子ビーム式検査装置の基本構成は図10に示す。ビームの本数は4本構成を示しているが、基本構成は第1、2の実施の形態とほぼ同様であるため、詳細説明を省略する。ここでは、第1、2の実施の形態と異なる部分を主として説明する。
今までの実施例では、複数本の一次電子ビームの同時撮影した画像を比較するため、検査対象試料の繰り返すパターンにあわせて同時に撮影複数本ビームの位置・距離を高精度に設定する手段を提供した。一方、それぞれの検査対象試料に対して、元々パターンの繰り返すパターン間に製造誤差が存在し、これらの製造上記差画像上のパターン差の影響を低減できることについて説明する。
図11のフローに示すように、検査対象試料の繰り返しパターンに対応して照射位置・間隔を設定済みの4本ビームが同時に撮影し(S1101),撮像して得た画像1002a、1002b、1002cと1002dを一旦システムのメモリに保存する(S1102)。次に、保存された4枚画像を加算して平均演算処理をおこなう(S1103)。これにより、各画像の繰り返すパターン間に元の製造誤差やビーム間距離の合わせ調整精度に起因して若干誤差が存在しても、平均化処理によりその誤差を低減可能となる。次に、元の画像と平均化画像間に差分演算を行い(S1104)、得た差画像上の残差レベルと閾値を比較する(S1105)。閾値を超える場合が、元画像上に欠陥候補があり(S1106)、閾値を超えない場合が欠陥候補はないと判定する(S1107)。
本実施例に示した方法を利用すれば、同時に撮影した画像間に繰り返しパターンに若干誤差がある場合でも誤差の影響を低減でき、高感度の欠陥検出か可能である。さらに、本実施例では、図10に示した4本ビームの装置構成を用いて説明したが、2本以上の複数本ビームに構成される装置に全て適用できる。さらに、ビームの本数を多くした場合、本実施例で示した効果は大きくなる。
本実施例では、前記実施例1,2と3に示した装置構成において、複数本ビームの照射位置とビーム間の間隔設定方法について図12を用いて説明する。複数本一次電子ビームの位置設定は、レシピ作成や試し検査段階で行う。設定の手順として、効率化するために粗設定と精調整2段階に分けて設定を行う。
まず図12Aで示すように粗設定段階では、検査対象試料のセルピッチや、ダイサイズ等繰り返すパターン情報(S1201)と、既知情報として装置のデータベースに登録済みの各ビームの位置やビーム間距離(S1202)、ビーム調整手段の感度などの情報(S1203)を用いて、各一次電子ビームの照射目標位置座標と制御信号を計算する(S1204)。計算された情報の制御に用いて、各ビームを目標照射位置の付近に移動する。そして、次の精調整段階に移行する。
精調整は、自動的に行う方法(S1205)と手動度的に行う方法(S1206)がある。手動的に行う方法は、基本的に第1実施例で説明したようにユーザがGUI画面を確認しながら,調整ボタンを操作して行う方法であり、ここでの説明は省略する。もう一つの精調整方法として、図12(B)に示すフローで画像処理を行うこうとが考えられる。
粗設定済みの複数本一次ビーム中から、一つの基準ビームを選択する(S1210)。そして、残ったビームを一本づつ調整対象ビームとして精調整を行う(S1211)。基準ビームと調整対象ビーム使用して同時に撮影して(S1212)、得た画像間に差分演算を行う(S1213)。差画像上にパターンの残差を計算し(S1214)、予め判定基準として決定した閾値に比較する(S1215)。閾値を超えた場合に対して、調整対象ビームを予め設定したステップに微小移動させ(S1216)、基準ビームと同時に再撮影・差画像で判定する(S1212〜S1215)。次に、差画像上のパターン残差が閾値以下になるまで移動・撮影・判定を繰り返し、全てのビームに対して上記調整が終われば(S1217)、一次ビームの位置調整は終了する(S1218)。最後の調整結果を用いて、検査を行う。
本実施例について、図13を用いて装置の構成を説明する。
本実施例に示す装置構成は、上記第1〜第4実施例までと同じ基本構成であり、詳細な説明を省略する。ここでは、これまでの実施の形態と異なる部分を主として説明する。
今までの実施例と従来の電子ビーム検査装置では、検出された信号を画像として一旦メモリに保存する。その後、画像処理系ではメモリ保存した画像を差分演算して、欠陥判定を行う。本実施例では、一次電子ビームの位置調整やスキャン偏向及び二次電子の検出までの構成は前記の実施例と同じであるが、検出器123aと123bで検出・増幅器124aと124bで増幅された二次電子信号120aと120bを、通常のA/D変換機125によりデジタル化され、画像処理部1342の記憶部1326aに保存されると同時に、アナログ信号比較器400で比較され、リアルタイムで差分情報を得ることが可能となる。差分情報を画像と同時に画像処理部1342の記憶部1326aに保存され、予め設定した閾値を超えると欠陥候補フラグが立つ。これにより、フラグが立っているところだけを対象に画像処理部1342の演算部1326bで演算されて欠陥判定部126cで欠陥特性解析を行い、従来方式で行っていた画像処理のタスクを大幅に減少でき、高スループットを実現すると共に、装置コストを大幅に低減できる。
実施例1〜5を説明するために用いた装置構成例では、複数本の一次電子ビームを同一の偏向手段32に制御に用いて偏向スキャンを行うことを説明したが、場合によって各一次電子ビームのスキャン制御は別々の偏向手段になる構成もあり得る。例えば、偏向手段として良く使っている静電或いは電磁偏向器は、検査ができる最大偏向範囲(視野)が約数百umである。この範囲は、メモリパターンのセル比較に対して問題がないが、ダイ比較で必要な数十mmの範囲に対して偏向範囲が不足する。そのため、別々の偏向器を利用して、数mm以上離れた各一次電子ビームの偏向スキャンを制御する構成とすれば、本発明の基本原理を利用してダイ比較が実現できる。この場合、別々の偏向器を制御する偏向制御手段3は同一の手段を利用することで、各一次電子ビームの走査ずれのバラつきを最大に低減できる。
さらに、比較用パターンの距離が離れる場合に対応するために、これまで説明したマルチビームの構成以外に、マルチカラムの装置構成も考えられる。マルチカラムの装置構成で本発明の基本原理を実現する場合、各一次電子ビームの生成用電子光学手段とカラムは別々に構成するが、電子ビームの偏向スキャンを制御する偏向制御手段3は同一の物を利用する必要がある。
上記に説明した実施例1〜5においては、上下1対の偏向器32を偏向制御手段3又は103で制御して複数の電子ビーム102a〜nを同時に試料上の複数の所望の位置に照射することについて説明したが、複数の電子ビーム102a〜nの試料33上へそれぞれの照射位置を正確にコントロールするためには、個々の電子ビームについて試料33上への照射位置を正確にコントロールする必要がある。偏向制御手段3で上下1対の偏向器32を制御する制御信号にノイズが載らないようにする必要がある。
そこで、本実施例においては、個々の電子ビームの試料上への照射位置を正確にコントロールすることが可能な偏向制御手段3の構成について説明する。
実施例1〜5に説明した装置構成例では、複数本ビームのスキャンを制御する偏向手段32について、高速偏向スキャンを実現する電子ビーム式検査装置において、多段多極静電偏向器を用いる場合が多い。このような静電偏向器は、電極間隔が等間隔である8極形、あるいは電極間隔が非等間隔である12極形、20極形が主に用いられ、各偏向器方式に対する静電偏向器が必要になる。
静電偏向器における偏向歪や収差を最小にするために、偏向器では均一な電界を広範囲に発生させる必要であり、偏向器の形状によって広範囲な電界範囲を得る条件が異なってくることが知られている。偏向器32を8極静電偏向器で構成する場合は、X、Y方向に印加が必要な偏向電圧Vx、Vyから図15Aに示すような関係で各極(32-1〜32-8)に分割された電圧を印加することが必要である。そのため、8極静電偏向器を制御する偏向制御回路では、前記の関係で電極電圧を演算して出力する8極信号演算手段が必要となる。一方、12極形と20極形の静電偏向器では、電極幅と間隔を変えることで、均一な電界範囲を広くすることが可能であり、電極信号演算手段は必要なくなる。但し、20極形は製造工程が複雑であり、また12極形の方は3次歪と収差があることなどの問題がある。
また、技術の進歩に伴い、検査装置が対象とする回路パターンを形成する材質や構成は複雑化し、これに応じて欠陥の種類も増大している。従来の検査装置では、ウエハに照射する電子線のエネルギーである加速電圧や、対象物上での電界強度などを適切に設定することにより、各種の欠陥に対応した検出条件を設定していた。特に電子光学系では、NVC(Negative Voltage Contrast:正帯電)モード、およびPVC(Positive Voltage Contrast:負帯電)モードと称されるウエハ上の帯電状態により、検出可能となる欠陥の種類が大幅に異なることから、これら2つの検査モードを1台の検査装置で両立することが要求されている。
偏向制御手段3は、複数の電子ビームのスキャン偏向を制御する基本の偏向制御信号を生成し、生成された偏向制御信号から静電偏向器32の各極に印加する電極制御信号を演算し、この電極制御信号を増幅して静電偏向器32の各段に印加するように構成される。ここで、偏向制御手段3の電気回路を構成する素子から発生した電気的なノイズが電子ビームの走査位置ずれの要因の一つになる。
本実施例では、この回路を構成する素子から発生する電気的なノイズに起因する電子ビームの走査ずれを低減する偏向制御回路3の最適な構成について説明する。本実施例に説明した回路構成は、一次電子ビームの本数に関係なく効果を得ることが出来る。
まず、偏向制御回路のノイズと電子ビームの走査ずれの関係について、図15Bを用いて説明する。図 15Bでは2段静電偏向器(X方向走査用偏向器とY方向走査用偏向器)を用いて説明するが、偏向制御回路のノイズと電子ビームの走査ずれの関係については、特に2段静電偏向器を用いた構成に限られるものではない。
図15Bに示す2段静電偏向器において、試料(ウエハ)33上の電子ビーム偏向量Sは、電子ビーム31の入射電圧V、上段静電偏向器32aの長さD、下段静電偏向器32bの長さD、上段静電偏向器32aの偏向電圧V,−V、下段静電偏向器32bの偏向電圧V,−V、静電偏向器32a,32bの内径g、偏向支点371から試料33までの距離S3とした場合、以下の簡略式(1)で与えられる。
S=2×(D×V−D×V)×S3/(g×V) ・・・(数1)
上下静電偏向器に印加する偏向電圧をV=V=Vとした場合、電子ビーム偏向量Sは、
S=2×V×(D−D)×S3/(g×V) ・・・(数2)
となる。
電子ビーム走査ずれの要因である偏向制御回路のランダムノイズは、図16に示すように、上下2段の静電偏向器32に対する共通なノイズN_comと、独立で非共通なノイズN_nocom_U,N_nocom_Lに分けられる。共通なノイズN_comに起因する電子ビーム走査ずれ量は、
δS_com=2×N_com×(D−D)×S3/(g×V) ・・・(数3)
である。
一方、独立な非共通ノイズN_nocom_UとN_nocom_Lの大きさが同じ値N_nocomと仮定すると、発生する電子ビーム走査ずれ量は、
δS_nocom=2×N_nocom×((D +D (0.5)×S3/(g×V)) ・・・(数4)
となる。
比較するために、N_com=N_nocomと仮定すると、
(D +D (0.5)>>(D−D) ・・・(数5)
であるから、
δS_nocom>>δS_com ・・・(数6)
となる。
上記より、偏向制御回路のノイズにおいて、上下2段静電偏向器で非共通なノイズ成分が電子ビームの走査ずれの主要因であることがわかる。
従って、本実施例においては、回路ノイズに起因する電子ビームの走査ずれを低減するために、上下2段の静電偏向器32を制御する偏向制御手段3において、上下それぞれの静電偏向器32aと32bとの偏向制御回路の構成部品についてできるだけ共通化を図り、共通化できない部分(図16の回路部25)の回路ノイズを低減するようにした。
また、試料上の帯電状態が異なるPVCとNVCの両方の検査モードを1つの電子ビーム式検査装置上で両立させるために、帯電制御電極に印加する電圧に応じて上下2段静電偏向器に印加する偏向制御電圧の比率を切り替える回路方式とその制御手段を採用することにした。
図14に上記要求を満足する偏向制御手段の回路の例を示す。静電偏向器32を構成する上下それぞれの静電偏向器32aと32bとを動作させるためには、上側の静電偏向器32aを制御する回路と下側の静電偏向器32bを制御する回路とが必要であるが、本実施例においては、先ず、それぞれの偏向器を制御する回路に共通する偏向波形生成部301と8極信号演算部302について共通化した。
一方、偏向信号出力手段303は、8極信号演算手段302で演算された電極制御信号を増幅する偏向信号増幅部303aと、偏向信号増幅部303aで増幅された電極制御信号から上段静電偏向器32aと下段静電偏向器32bに印加する信号を分岐する擬似インバーター回路303bから構成される。さらに、擬似インバーター回路303bの信号入力部分には、上段静電偏向器32aと下段静電偏向器32bに違う電圧を印加するために、上段静電偏向器32aへの印加電圧に対する下段静電偏向器32bへの印加電圧の比を外部から入力されるPCV/NCVモード切替制御信号304に基づいて切り替える偏向電圧比切替手段303cを有する。
この偏向電圧比切替手段303cは、例えば一端が共通に接続された2つの抵抗をスイッチで切り替えるような構成からなり、このスイッチを制御して抵抗値を変えることにより、上段静電偏向器32aと下段静電偏向器32bに印加する電圧は、PVCモードとNVCモードのそれぞれに必要な偏向電圧比に切り替えられる。
したがって、偏向信号出力手段303においては、偏向信号増幅部303aを共通化した。一方、擬似インバータ回路303bについては下側の静電偏向器32b特有の回路であるために共通化できない回路として扱った。
このように、上下2段の静電偏向器を制御する偏向制御手段3の回路を構成する部品についてできるだけ共通化を図ることにより、上下2段静電偏向器で非共通な回路から発生する非共通なノイズ成分を低減するようにした
これにより、本実施の形態の構成では、電子ビーム走査ずれの要因である上段静電偏向器32a及び下段静電偏向器32bに対する非共通な回路ノイズが大幅に低減でき、電子ビーム式検査装置の検出感度向上が実現できるようになった。
電子ビーム検査装置以外に、電子ビーム式欠陥レビュー装置や電子ビーム式測長装置にも、検査・計測感度を影響する帯電問題の対策やスループット向上のニーズに対応するため、電子ビームの高速スキャンは必要である。そのため、多段多極静電偏向方式の採用が回避できなく、偏向器を制御する回路ノイズに起因する電子ビームの走査ずれ問題は検査・計測感度が10倍〜数10倍高く要求されている欠陥レビュー装置や測長装置に対して、非常に大きいな課題になる。そのため、本実施例に説明した電子ビームの低走査ずれ回路方式の採用は必須である。特に、一次電子ビームの高い位置精度が求められる測長SEM(CDSEM)においては、ビーム位置の高い再現精度を確保する上で本実施例で示したような偏向電極の制御は重要になる。
実施例6に説明した偏向制御手段3のもう一つの実施例を図17で示す。本実施の形態は、前記第6の実施の形態とほぼ同様であるため、一部説明を省略する。ここでは、第6の実施の形態と異なる部分を主として説明する。
本実施の形態の電子ビーム式検査装置において、前記第6の実施の形態と異なる部分は、電極間隔が非等間隔である12極あるいは20極の静電偏向器を制御する偏向制御手段3’の回路である。12極あるいは20極の静電偏向器を使用する場合は、偏向収差を最小にするため均一電界が最も広くとれる条件が電極幅の最適設計であり、電極に印加する電圧は±Xと±Yの4つのみが必要である(非特許文献2と非特許文献3)。そのため、偏向制御手段2に電極の信号演算手段の回路ブロックがなくでもよい。
この場合の偏向制御手段3の最適構成は、図17に示すように、偏向波形生成手段301’と偏向信号出力手段303’の偏向信号増幅手段303a’は上段静電偏向器32a’と下段静電偏向器32b’に対して共通化し、増幅された制御信号を2分岐して、片方を上段静電偏向器32a’に直接印加し、残りの片方を擬似インバーター回路303b’を経由して下段静電偏向器32b’に印加する。擬似インバーター回路303b’中に、前記第6の実施の形態と同様に、PVCモードとNVCモードで必要となる上段静電偏向器32a’と下段静電偏向器32b’で異なる偏向電圧比の偏向電圧比切替手段303c’を配設し、PVC/NVCモード切替制御信号304の制御により偏向電圧比切替手段303cのスイッチを切り換え、PVCモードあるいはNVCモードに必要な上下偏向電圧比率を生成する。
これにより、本実施の形態の電子ビーム式検査装置によれば、2段構成の12極あるいは20極の静電偏向器32を用いた場合でも、前記第1の実施の形態と同様に、PVCモードとNVCモードに対応し、非共通ノイズを最小化することで偏向制御手段2の回路ノイズに起因する電子ビーム走査ずれを低減して、検出画像の画質を改善し、欠陥検出感度を向上できる。
なお、本実施の形態では、2段12極あるいは20極構成の静電偏向器32に基づいた回路構成と動作を説明したが、その他の3段以上、電極間隔が非等間隔である静電偏向器を使用する場合は、本発明の基本思想から簡単に構成できることはいうまでもない。
前記第6の実施の形態で示した2段8極構成の静電偏向器に用いた電子ビーム式検査装置の偏向制御手段の回路は、非共通ノイズを低減することによる電子ビームの走査ずれ低減という基本思想に基づいて、図18に示す構成例でも可能である。本実施の形態の電子ビーム式検査装置において、図18に示す偏向制御手段3’’の回路構成は、偏向波形生成手段301と8極信号演算手段302までは上段静電偏向器32aと下段静電偏向器32bに対して共通化し、分割演算された信号を増幅する偏向信号増幅手段を上段偏向信号増幅手段306aと下段偏向信号増幅手段306bで個別に配設した回路構成である。上段偏向信号増幅手段306aと下段偏向信号増幅手段306b中に、PVCモードとNVCモードで必要となる上段静電偏向器32aと下段静電偏向器32bで異なる偏向電圧比の偏向電圧比切替手段307a、307bも個別に配設する。そして、PVC/NVCモード切替制御信号304により偏向電圧比切替手段303c’’、303c’’’のスイッチを切り換え、PVCモードあるいはNVCモードに必要な上下偏向電圧比率を生成する。
これにより、偏向制御手段3の回路の非共通ノイズは低減され、欠陥検出感度の向上効果がある。さらに、PVCモードとNVCモードに対応した偏向電圧比切替手段307aと307bとを個別に配設しているため、上下異なる偏向電圧種類へ対応でき、適用範囲が広くなる。
1…全体制御手段 2…電子光学制御手段 3…偏向制御手段 5…GUI画面 6…機構系制御手段 7…電子ビーム撮影位置・距離制御回路、
30…電子銃 31…一次電子ビーム 32…静電偏向器 32a…上段静電偏向器 32b…下段静電偏向器 33…試料 34…試料台 35…検出器 36…集束レンズ 37…対物レンズ 38…二次電子 41…検出回路 42…画像処理手段 101…電子源 103…コンデンサーレンズ 104…アパーチャーアレイ 105…レンズアレイ 106a〜d…一次電子ビーム位置調整手段 107a…対物レンズ、107b…対物レンズ 123a〜d…検出器 124a〜d…検出回路、124b…検出回路、124c…検出回路、124d…検出回路、125…A/D変換回路、126a…記憶装置、126b…演算部、126c…欠陥判定部、125…A/D変換回路。

Claims (12)

  1. 電子を発生させる電子源と、
    該電子源で発生させた電子を複数のビーム状に引き出して収束させて該複数のビームを試料上の所望の領域に同時に照射して走査する電子光学系と、
    該電子光学系により複数の電子ビームが同時に照射されて走査された前記試料から発生した2次電子を前記複数の電子ビームごとに対応して検出して複数の検出信号を出力する2次電子検出手段と、
    該2次電子検出手段から出力された複数の検出信号に基づいて前記試料の表面の複数の画像を生成して処理する画像処理手段と
    前記電子光学系と前記2次電子検出手段と前記画像処理手段とを制御する制御手段と、
    該制御手段で制御する前記電子光学系の制御条件および前記画像処理手段の処理条件を入力するとともに前記画像処理手段の処理の結果を出力する入出力手段と
    を備えた走査型電子顕微鏡装置であって、
    前記電子光学系は前記引き出した複数のビームの間隔を調整するビーム間隔調整部を有し、該ビーム間隔調整部は前記入出力手段から入力されたビーム間隔設定条件に基づいて前記複数のビームの間隔を設定することを特徴とする走査型電子顕微鏡装置。
  2. 前記入出力手段は画面を備え、前記2次電子検出手段で前記複数の電子ビームごとに対応して検出した画像を前記画面に表示し、前記制御手段は前記入出力手段の画面に表示された画像上で設定されたビーム間隔設定条件に基づいて前記ビーム間隔調整部を制御して前記複数のビームの間隔を設定することを特徴とする請求項1記載の走査型電子顕微鏡装置。
  3. 前記画像処理手段は、前記生成した試料の表面の複数の画像のうちの一つを検査画像とし、他の画像を参照画像として前記検査画像と参照画像とを比較して欠陥を検出することを特徴とする請求項1記載の走査型電子顕微鏡装置。
  4. 電子を発生させる電子源と、
    該電子源で発生させた電子を収束させて試料上の所望の領域に照射して走査する電子光学系と、
    該電子光学系により電子が照射された前記試料から発生した2次電子を検出して検出信号を出力する2次電子検出手段と、
    該2次電子検出手段から出力された検出信号に基づいて前記試料の表面の画像を生成して処理する画像処理手段と
    前記電子光学系と前記2次電子検出手段と前記画像処理手段とを制御する制御手段と
    を備えた走査型電子顕微鏡装置であって、
    前記電子光学系は前記電子源で発生させた電子を複数のビームに引き出すビーム引き出し部と、該ビーム引き出し部で引き出した複数のビームの間隔を調整するビーム間隔調整部と、該ビーム間隔調整部で間隔を調整された複数のビームをX方向とY方向に偏向させて前記試料上の所望の領域を走査するX方向偏向器とY方向偏向器及び該X方向偏向器を制御するX偏向制御部と該Y方向偏向器を制御して一部の回路を前記X偏向制御部と共有するY偏向制御部を有するビーム偏向電極部とを有することを特徴とする。
  5. 表示画面を有する入出力手段を更に備え、前記ビーム偏向電極部で偏向を制御された複数のビームが照射された前記試料から発生した2次電子を前記2次電子検出手段で検出して得られた複数の画像を前記入出力手段の画面に表示し、前記制御手段は前記入出力手段の画面に表示された画像上で設定されたビーム間隔設定条件に基づいて前記電子光学系ビーム間隔調整部を制御して前記複数のビームの間隔を設定することを特徴とする請求項4記載の走査型電子顕微鏡装置。
  6. 前記画像処理手段は、前記ビーム偏向電極部で偏向を制御された複数のビームが照射された前記試料から発生した2次電子を前記2次電子検出手段で検出して得られた複数の画像のうちの一つを検査画像とし、他の画像を参照画像として前記検査画像と参照画像とを比較して欠陥を検出することを特徴とする請求項4記載の走査型電子顕微鏡装置。
  7. 電子源で発生させた電子を複数のビーム状に引き出し、
    該引き出した複数のビームの間隔をビーム間隔調整部により予め設定された間隔に調整して試料上の所望の領域に同時に照射して走査し、
    該複数の電子ビームが同時に照射されて走査された前記試料から発生した2次電子を前記複数の電子ビームごとに対応して検出して複数の検出信号を取得し、
    該取得した複数の検出信号に基づいて前記試料の表面の複数の画像を生成し、
    該生成した複数の画像を処理して前記試料を検査する走査型電子顕微鏡装置を用いた試料の検査方法であって、
    前記収束させた複数のビームの間隔をビーム間隔調整部により予め設定することを、予め前記複数のビームを前記試料上に同時に照射して走査することにより得られた複数の画像を画面上に表示し、該複数の画像が表示された画面上で前記ビーム間隔調整部による前記複数のビームの間隔の調整条件を設定することにより行うことを特徴とする走査型電子顕微鏡装置を用いた試料の検査方法。
  8. 前記収束させた複数のビームの間隔をビーム間隔調整部により予め設定することを、前記試料の低倍率の画像が表示された画面上で前記複数のビームのそれぞれで画像を取得する領域を設定し、該設定したそれぞれの領域を前記複数のビームで撮像して複数の高倍率の画像を得、該得た複数の高倍率の画像間の差に基づいて前記複数のビームの間隔を調整し、該調整した結果に基づいて前記複数のビームの間隔を設定することを特徴とする請求項7記載の走査型電子顕微鏡装置を用いた試料の検査方法。
  9. 前記生成した複数の画像を処理して前記試料を検査するステップにおいて、前記生成した複数の画像のうちの一つを検査画像とし、他の画像を参照画像として前記検査画像と参照画像とを比較して欠陥を検出することを特徴とする請求項7記載の走査型電子顕微鏡装置を用いた試料の検査方法。
  10. 電子源で発生させた電子ビームを収束させて試料上の所望の領域に照射して走査し、
    該電子が照射して走査された前記試料から発生した2次電子を検出して検出信号を得、
    該2次電子を検出して得られた検出信号に基づいて前記試料の表面の画像を生成し、
    該生成した画像を処理して前記試料上の欠陥を検出する走査型電子顕微鏡装置を用いた試料の検査方法であって、
    前記電子ビームを試料上の所望の領域に照射して走査するステップにおいて、
    前記電子源で発生させた電子から複数のビームを引き出し、
    該引き出した複数のビームの間隔をビーム間隔調整部により予め設定した間隔になるように調整し、
    該間隔を調整した複数のビームをX方向とY方向に偏向させて前記試料上の所望の領域を走査することを含み、
    前記複数のビームをX方向とY方向に偏向させることを一部の回路を共有するX偏向制御部とY偏向制御部とで制御されたX方向偏向器とY方向偏向器とにより行われることを特徴とする走査型電子顕微鏡装置を用いた試料の検査方法。
  11. 前記複数のビームの間隔を予め設定することを、前記複数のビームを前記試料上に同時に照射して走査することにより得られた複数の画像を画面上に表示し、該複数の画像が表示された画面上で前記ビーム間隔調整部による前記複数のビームの間隔の調整条件を設定することにより行うことを特徴とする請求項10記載の走査型電子顕微鏡装置を用いた試料の検査方法。
  12. 前記生成した画像を処理して前記試料上の欠陥を検出することを、前記間隔を調整した複数のビームを照射して走査することにより前記試料から発生した2次電子を検出して得られた検出信号に基づいて生成された複数の画像のうちの一つを検査画像とし、他の画像を参照画像として前記検査画像と参照画像とを比較して欠陥を検出することを特徴とする請求項10記載の走査型電子顕微鏡装置を用いた試料の検査方法。
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