JP2011047063A - 炭素繊維の製造方法 - Google Patents

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岳志 島田
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秀和 吉川
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Abstract

【課題】複合材料の層間破壊靭性の向上に寄与し得る炭素繊維を提供すること。
【解決手段】エポキシ樹脂を主成分とするサイズ剤が、繊維重量に対し0.3〜5.0重量%付着した炭素繊維ストランドを乾燥・熱処理するに際し、該処理後のサイズ剤のエポキシ当量が繊維に付着前のサイズ剤のエポキシ当量の2.0〜4.0倍になるまで、200〜250℃で乾燥・熱処理することからなる炭素繊維の製造方法。コンポジット性能、特に、層間のもろさの指標となる層間破壊靭性に優れた複合材料用の炭素繊維が得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、コンポジット性能に優れた炭素繊維の製造方法に関する。
近年、炭素繊維を強化繊維として用いた複合材料は、軽く、高強度等の優れた機械的特性を有するので、航空機、自動車等の部材として多く用いられるようになってきている。これらの複合材料は、例えば、強化繊維にマトリックス樹脂が含浸された中間製品であるプリプレグから、加熱・加圧といった成形・加工工程を経て成形される。
炭素繊維とマトリックス樹脂との複合化において、高性能化を追求するためには、炭素繊維そのもの自体の強度や弾性率等の機械的物性の向上が必要不可欠である。炭素繊維の特性を改善することによって、より高性能のコンポジット物性(強度、弾性、耐衝撃性、層間破壊靭性等)を有する複合材料を得ることができると期待される。
ところで、複合材料のコンポジット物性の向上、品質及び性能の安定化のために、炭素繊維には各種のサイズ剤(サイジング剤)が付与されている。複合材料を構成するマトリックス樹脂に対する相溶性と接着性が良好で、コンポジット物性を向上させ、同時に炭素繊維のプリプレグ化及び製織などの作製に際して、炭素繊維束の集束性、ハンドリング性及び耐擦過性などを向上させるためにサイズ剤が必要である。
例えば、特許文献1では、従来必ずしも十分に解決されていなかった、エポキシ樹脂などの熱硬化性マトリックス樹脂を用いた複合材料のコンポジット物性において接着特性が劣る、という問題を解決するための提案がなされている。具体的には、特許文献1では、炭素繊維の収束性を上げて、織物やプリプレグへの加工性を良くすると共に、優れたコンポジット性能(引張強度や層間せん断強度)を有する炭素繊維を製造するために、エポキシ樹脂と熱可塑樹脂の質量比が15/1〜2/1の割合で、エポキシ系樹脂を初めに炭素繊維に付与し、180℃で乾燥後に続いて、熱可塑性樹脂を付与する方法が提案されている。
また、特許文献2では、繊維軸方向の引張強度に優れ、かつ繊維軸に対して垂直方向の応力に影響が大きい層間せん断強度に優れた複合材料を得るために適した炭素繊維ストランドを得るために、ダイマー酸型エポキシ樹脂を必須成分とするサイズ剤が0.3〜5.0質量%付着されてなる炭素繊維ストランドが提案されている。しかしながら、これらの特許文献では、複合材料のコンポジット性能の中でも、特に、層間のもろさの指標となる層間破壊靭性の向上については何ら記載するところがない。
特許文献3では、低分子量エポキシ樹脂と高分子量エポキシ樹脂からなる2成分系エポキシ樹脂を含有するサイズ剤を使用した炭素繊維を作製し、これを用いて繊維軸方向の引張強度と繊維軸に対して垂直方向の層間破壊靭性に優れた複合材料を得たことが開示されている。この発明は、特定の樹脂成分の組み合わせに着目したものであるが、本発明者は、サイジング工程の乾燥・熱処理条件の変更に着目し、より簡単な工程条件の採用で、複合材料の層間破壊靭性の向上に寄与する炭素繊維を得ることを試みた。
特開2006−188782号公報 特開2004−149721号公報 特開2005−290614号公報
本発明の課題は、複合材料のコンポジット性能の中でも、特に複合材料の層間のもろさの指標となる層間破壊靭性(GIC)に着目し、かかる物性値の向上に寄与し得る炭素繊維を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、エポキシ樹脂を主成分とするサイズ剤が、繊維重量に対し0.3〜5.0重量%付着した炭素繊維ストランドを乾燥・熱処理するに際し、該処理後のサイズ剤のエポキシ当量が、繊維に付着前のサイズ剤のエポキシ当量の2.0〜4.0倍になるまで、200〜250℃で乾燥・熱処理することを特徴とするコンポジット性能に優れた炭素繊維の製造方法である。
本発明によると、複合材料のコンポジット性能の中でも、特に層間破壊靭性に優れた複合材料を得るのに最適の炭素繊維が、簡単なサイジング処理方法によって提供される。本発明においては、炭素繊維に熱処理を行なうことによりサイズ剤のエポキシ当量が上がり、炭素繊維とサイズ剤の接着性が増大し、その結果、GICの値が向上する。
本発明の炭素繊維は、エポキシ樹脂を主成分とするサイズ剤が、繊維重量に対し0.3〜5.0重量%、好ましくは0.5〜2.5重量%付着した炭素繊維ストランドを乾燥・熱処理するに際し、該処理後のサイズ剤のエポキシ当量が、繊維に付着前のサイズ剤のエポキシ当量の2.0〜4.0倍、好ましくは2.5〜3倍になるまで、200〜250℃、好ましくは205〜230℃で乾燥・熱処理して得られる。サイズ剤の付着量と乾燥・熱処理条件が前記範囲外で、かつ、エポキシ当量の増加割合が前記範囲外の場合には、本発明の効果が十分には達成されない。本発明においてエポキシ当量とは、エポキシ基単位当たりのサイズ剤の重量を意味する
本発明においてはエポキシ樹脂を主成分とする、即ち、エポキシ樹脂成分が50重量%以上を占めるサイズ剤を用いる。エポキシ樹脂としては、通常のエポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ウレタン変性ビスフェノールAエポキシ樹脂、エステル変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ダイマー酸エポキシ樹脂および脂肪族エポキシ樹脂等の単独または混合エポキシ樹脂などが挙げられる。
具体的には、エポキシ化合物として、ジャパンエポキシレジン(株)製エピコート(登録商標、以下同じ)828(エポキシ当量:184〜194)、エピコート834(エポキシ当量:230〜270)、エピコート1001(エポキシ当量:450〜500)、エピコート1004(エポキシ当量:875〜975)などのビスフェノールA型エポキシ化合物、エピコート806(エポキシ当量:160〜170)、エピコート807(エポキシ当量:160〜175)、などのビスフェノールF型エポキシ化合物、エピコート152(エポキシ当量:172〜178)、エピコート157S65(エポキシ当量:200〜220)、エピコート1032S50(エポキシ当量:169〜179)などの多官能型エポキシ化合物、エピコート871(エポキシ当量:390〜470)、エピコート872(エポキシ当量:600〜700)などのダイマー酸型エポキシ化合物、エピコート171などの脂環型エポキシ化合物、エピコート604(エポキシ当量:110〜130)、エピコート630(エポキシ当量:90〜105)などの芳香族アミノエポキシ化合物を挙げることができ、脂肪族ポリエポキシ樹脂としては、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、およびポリグリセロールポリグリシジルエーテルなどを挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は、1種単独でも、2種類以上併用することもできる。
本発明では、上記エポキシ樹脂のうち、特に脂肪族ポリエポキシ樹脂が立体的な障害が少ないため炭素繊維表面との接触機会が多く、炭素繊維表面との接着性が高く好ましく使用される。具体的には、ナガセケムテックス製デナコール(登録商標、以下同じ)EX313(エポキシ当量:141)、デナコールEX512(エポキシ当量:168)、およびデナコールEX612(エポキシ当量:166)などである。
本発明のサイジング剤の主成分として用いられるエポキシ樹脂は、熱処理前のエポキシ当量が100〜600g/eqを満たすことが好ましい。
かかるエポキシ当量が100g/eq未満であると、サイズ剤の粘性が高くなり、ガイドローラ等に単繊維がとられ高次加工性が低下する場合がある。また、エポキシ当量が600g/eqを超えると、エポキシ基が少ないために炭素繊維との接着性が不足し、熱硬化性樹脂コンポジットの機械物性が低くなる場合がある。従って、かかるエポキシ当量の好ましい範囲は、100〜600g/eqの範囲であり、140〜500g/eqの範囲が更に好適である。
本発明のエポキシ樹脂を主成分とするサイズ剤には、他の樹脂成分、例えば、熱可塑性樹脂が50重量%未満含まれていてもよい。熱可塑性樹脂としては、通常の熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリテトラフロロエチレン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、テルペンフェノール樹脂およびポリビニルアルコール樹脂などが挙げられる。
本発明のサイズ剤には樹脂成分の他に界面活性剤、平滑剤等の成分を1種類以上添加して使用することができる。非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪族エステルなどが、陰イオン界面活性剤としてはアルキルベンゼンスルホン酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩などが挙げられる。また、使用する熱硬化性マトリックス樹脂に応じては、本発明のサイジング剤の効果に影響を及ぼさない範囲で、適宜、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、不飽和エステル化合物等を添加することもできる。
本発明で使用されるサイズ剤の溶媒としては、エポキシ樹脂が可溶な通常の溶媒、例えば、水、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、トルエンおよびスチレンなどが挙げられる。これらの溶媒は、1種単独でも、2種類以上併用することもできる。とりわけ、取り扱い性および安全性の面から水溶媒が好適であり、水溶媒に難溶解のサイズ剤は、適宜、界面活性剤などを添加して水分散液として付与することが好適である。サイズ剤濃度は、サイズ剤の付与方法、および付与した後に余剰のサイズ剤を絞り取る絞り量の調整等によって適宜調節する必要があるが、通常は0.2重量%〜20重量%の範囲である。
本発明においては、炭素繊維ストランドにエポキシ樹脂主成分とするサイズ剤を付与した後、200〜250℃で乾燥・熱処理する。ここで具体的な炭素繊維ストランドの製造方法を記載する。
本発明において、サイズ剤が付与される炭素繊維糸条(ストランド)は、ポリアクリロニトリル(PAN)系、レーヨン系あるいはピッチ系などの公知の炭素繊維フィラメントが数千から数万本束になったもので、特に、補強効果を得る上で、高強度の炭素繊維ストランドが得られやすいPAN系炭素繊維ストランドが好ましい。
また、本発明で用いられる炭素繊維ストランドとしては、繊度は好ましくは0.4〜3.0g/mであり、フィラメント数は好ましくは1000〜100000本、さらに好ましくは3000〜50000本であり、また、強度は好ましくは1〜10GPa、さらに好ましくは2〜7GPaであり、弾性率は好ましくは100〜1000GPa、さらに好ましく200〜600GPaである炭素繊維ストランドが好適である。また、炭素繊維には、炭化繊維と黒鉛化繊維が含まれる。
以下に、PAN系炭素繊維ストランドを用いる場合を例にして、詳細を説明する。炭素繊維の紡糸方法としては、湿式、乾式あるいは乾湿式などの紡糸方法を採用することができるが、高強度糸条が得られやすい湿式あるいは乾湿式紡糸が好ましく、特に乾湿式紡糸が好ましい。紡糸原液には、ポリアクリロニトリルのホモポリマーあるいは共重合成分の溶液あるいは懸濁液などを用いることができる。
該紡糸原液を凝固、水洗、延伸して前駆体原糸とする。該前駆体原糸を耐炎化処理、炭化処理まで行なって炭化繊維とするか、必要によっては更に黒鉛化処理をして黒鉛化繊維とする。得られた炭化繊維、黒鉛化繊維は、複合材料化される際に組み合わされるマトリックス樹脂との接着性を良好とするため、電解表面処理やサイズ剤付与がなされ、本発明で用いられる炭素繊維ストランドとなる。
本発明の炭素繊維ストランドの製造方法において、サイズ剤の付与方法は、特に限定されないが、ローラーサイジング法、ローラー浸漬法、スプレー法およびその他公知の方法を用いることができる。中でも、一束あたりの単繊維数が多い炭素繊維ストランドについても、サイズ剤を均一に付与しうるため、ローラー浸漬法が好ましく用いられる。
サイズ剤の液温は、溶媒蒸発によるサイズ剤濃度変動を抑えるため10〜50℃の範囲が好ましい。また、サイズ剤を付与した後に余剰のサイズ剤を絞り取る絞り量の調整することでサイズ剤の付着量及び炭素繊維束内への均一付与ができる。次いで、本発明においては、サイズ剤を付与した炭素繊維は200〜250℃で乾燥・熱処理される。本発明においては、200〜250℃で直接、乾燥と熱処理を行ってもよく、あるいは、乾燥のみは200℃以下の温度で行い、その後、200〜250℃で直接、乾燥と熱処理を行ってもよいが、いずれにしろ、本発明では、200〜250℃での処理を行うことが必須である。かかる処理は、処理後のサイズ剤のエポキシ当量が繊維に付着前のサイズ剤のエポキシ当量の2.0〜4.0倍になるまで行われる。
本発明で用いられる炭素繊維又は炭素繊維ストランドは、特に制限はないが、好ましくは1,000〜50,000フィラメント、更に好ましくは3,000〜30,000フィラメントの炭素繊維ストランドである。炭素繊維が束状、例えば、トウの場合には、単位幅当たりのフィラメント数が5000フィラメント/mm以下、好ましくは2000フィラメント/mm以下が好ましい。5000フィラメント/mmを超えると、サイズ剤付与のバラツキが大きくなることがあるので好ましくない。
本発明の炭素繊維を強化繊維として用い、これとマトリックス樹脂とから種々の公知の手段・方法により複合材料が得られる。炭素繊維は、通常、シート状の強化繊維材料として用いられる。シート状の材料とは、繊維材料を一方向にシート状に引き揃えたもの、これらを、例えば、直交に積層したもの、繊維材料を織編物や不織布等の布帛に成形したもの、ストランド状のもの、多軸織物等を全て含む。繊維の形態としては、長繊維状モノフィラメントあるいはこれらを束にしたものが好ましく使用される。
マトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂が用いられる。熱硬化性マトリックス樹脂の具体例として、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、マレイミド樹脂とシアン酸エステル樹脂の予備重合樹脂、ビスマレイミド樹脂、アセチレン末端を有するポリイミド樹脂及びポリイソイミド樹脂、ナジック酸末端を有するポリイミド樹脂等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上の混合物として用いることもできる。中でも、耐熱性、弾性率、耐薬品性に優れたエポキシ樹脂やビニルエステル樹脂が、特に好ましい。これらの熱硬化性樹脂には、硬化剤、硬化促進剤以外に、通常用いられる着色剤や各種添加剤等が含まれていてもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル、芳香族ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリアリーレンオキシド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアラミド、ポリベンズイミダゾール等が挙げられる。複合材料中に占める樹脂組成物の含有率は、10〜90重量%、好ましくは20〜60重量%、更に好ましくは25〜45重量%である。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例における各種物性値の測定方法は下記のとおりである。
[炭素繊維の樹脂含浸ストランド強度]
炭素繊維の樹脂含浸ストランド強度は、JIS・R・7608に規定された方法により測定した。
[サイズ剤の付着量の測定]
約2gの炭素繊維束を105℃で30分乾燥させた後、デシケーター内において30分室温に冷却し秤量(W1)した。その後、炭素繊維束をアセトン中に浸漬し、サイズ剤を洗浄除去した。洗浄したサンプルを105℃にて1時間乾燥し、デシケーター内で30分室温に冷却して秤量(W2)した。そして、次式よりサイジング剤付着量を求めた。
サイジング付着量(重量%)=[W1(g)−W2(g)]/[W2(g)]×100
[層間破壊靭性試験]
ジャパンエポキシレジン社製EP604(商品名:テトラグリシジルアミノジフェニルメタン樹脂)40質量部、住友化学社製ELM−120(商品名:m−アミノフェノル系エポキシ樹脂)40質量部、を混合した樹脂組成物に、更に硬化剤として住友化学社製3,3’−DDS(商品名:3,3’−ジアミノジフェニルスルホン)20質量部を加え、プリプレグ用樹脂組成物を作製した。
樹脂組成物をフィルムコーターにより離型紙の上に塗布し、樹脂フィルムとした。この樹脂フィルム上にサイズ処理した炭素繊維ストランドを等間隔に引き揃え並べた後、加熱して樹脂を該炭素繊維ストランドに含浸させ、炭素繊維目付150g/m2、樹脂含浸率37重量%の一方向プリプレグを作製した。
作製した一方向プリプレグを成形後の厚みが3mmとなるように積層し、金型に入れ、180℃で2時間、686kPaの圧力で成形し一方向の炭素繊維強化成形板(CFRP板)を作製した。このCFRP板のGIC(層間破壊靭性)をK−7086に準拠して室温にて測定を行った。
[実施例1]
東邦テナックス社製炭素繊維(テナックスIM600−24K)を、アセトンを用いて付着していたサイズを除去した後、サイジング浴に浸漬し、150℃の乾燥機中で乾燥させた後、200℃で熱処理を行なった。その結果エポキシ当量は未処理品に対して2.7倍の値となった。この炭素繊維を使用し、GICを測定した。サイズ剤としてはビスフェノールA系のエポキシ樹脂のサイズ剤を用い、その付着量は0.7重量%、熱処理前のエポキシ当量は470g/eqであった。結果を表1に示した。
[実施例2]
150℃乾燥後の熱処理温度を210℃で行なった以外は実施例1と同様に行ない、GICを測定した。結果を表1に示した。
[比較例1]
150℃乾燥後の熱処理温度を行なわなかった以外は実施例1と同様に行ない、GICを測定した。結果を表1に示した。GICは本発明のものは、比較例のものに比べ25〜40%も増大していることが分かる。
Figure 2011047063

Claims (2)

  1. エポキシ樹脂を主成分とするサイズ剤が、繊維重量に対し0.3〜5.0質量%付着した炭素繊維ストランドを乾燥・熱処理するに際し、該処理後のサイズ剤のエポキシ当量が、繊維に付着前のサイズ剤のエポキシ当量の2.0〜4.0倍になるまで、200〜250℃で乾燥・熱処理することを特徴とするコンポジット性能に優れた炭素繊維の製造方法。
  2. 処理後のサイズ剤のエポキシ当量が、繊維に付着前のサイズ剤のエポキシ当量の2.5〜3倍になるまで、205〜230℃で乾燥・熱処理することを特徴とする請求項1記載のコンポジット性能に優れた炭素繊維の製造方法。
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