JP2011046868A - 熱硬化性重合体組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】オキシラニルを有するラジカル重合性モノマー(a1)と、脂環構造を有するラジカル重合性モノマー(a2)と、特定のアルキルを有する(メタ)アクリル酸エステル(a3)からなる共重合体(A)と、カルボン酸構造又は酸無水物構造を有するラジカル重合性モノマー(b1)、とその他のラジカル重合性モノマー(b2)からなる共重合体(B)と、を含有する熱硬化性重合体組成物を用いて、この組成物の熱硬化による硬化膜を形成し、この硬化膜を有する表示素子を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は以下の構成を有する。
本発明の熱硬化性重合体組成物は、共重合体(A)と共重合体(B)とを含有する。共
重合体(A)及び(B)はそれぞれ一種でも二種以上でもよい。また本発明の熱硬化性重合体組成物は、本発明の効果が得られる範囲において、共重合体(A)及び(B)以外の他の成分をさらに含有していてもよい。
前記共重合体(A)は、オキシラニルとラジカル重合性基とを有するラジカル重合性モノマー(a1)(以下、モノマー(a1)とも言う)と、炭素数3〜20の脂環構造とラジカル重合性基とを有するラジカル重合性モノマー(a2)(以下、モノマー(a2)とも言う)と、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよい炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル鎖を有する、前記式(1)で表わされるラジカル重合性モノマー(a3)(以下、モノマー(a3)とも言う)を重合して得られる重合体である。すなわち、この共重合体(A)は、モノマーの混合物を重合させて得られる共重合体である。前記モノマー(a1)、(a2)、及び(a3)はそれぞれ一種でもよいし二種以上でもよい。
前記モノマー(a1)は、オキシラニルと前記ラジカル重合性基とを有する。モノマー(a1)において、オキシラニルとラジカル重合性基との存在比は、これらの両方を有するモノマーの入手や取り扱いの容易の観点から、オキシラニル対ラジカル重合性基で1:2〜2:1であることが好ましく、1:1であることがより好ましい。
前記モノマー(a2)は、脂環構造と前記ラジカル重合性基とを有する。モノマー(a2)において、脂環構造とラジカル重合性基との存在比は、これらの両方を有するモノマーの入手や取り扱いの容易の観点から、脂環構造対ラジカル重合性基で1:2〜2:1であることが好ましく、1:1であることがより好ましい。
ナン、ノルボルネン、イソボルニル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、アダマンタンが挙げられる。脂環構造は、耐熱性、耐クラック性の観点から、シクロヘキサン、イソボルニル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンであることが好ましい。
前記モノマー(a3)は、下記式(1)で表わされる。下記式(1)において、R1は水素又はメチルを表し、R2は任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよい炭素数3〜20の直鎖又は分岐のアルキルを表す。
前記共重合体(B)は、カルボン酸構造又は酸無水物構造と前記ラジカル重合性基とを有するラジカル重合性モノマー(b1)(以下、「モノマー(b1)」とも言う)と、前記ラジカル重合性基を有し、前記モノマー(b1)以外のラジカル重合性モノマー(b2)(以下、「モノマー(b2)」とも言う)からなる。モノマー(b1)及び(b2)はそれぞれ一種でも二種以上でもよい。共重合体(B)を用いることで、得られる熱硬化性重合体組成物から形成される硬化膜において、耐熱性、耐薬品性、耐クラック性、柔軟性
の点で優れた特性を示す。
前記モノマー(b1)は、カルボン酸構造又は酸無水物構造と前記ラジカル重合性基とを有する。モノマー(b1)は一種でも二種以上でもよい。モノマー(b1)において、カルボン酸構造とラジカル重合性基との存在比は、これらの両方を有するモノマーの入手や取り扱いの容易の観点から、カルボン酸構造対ラジカル重合性基で1:2〜2:1であることが好ましく、1:1であることがより好ましい。同様に、モノマー(b1)において、酸無水物構造とラジカル重合性基との存在比は、これらの両方を有するモノマーの入手や取り扱いの容易の観点から、酸無水物構造対ラジカル重合性基で1:1であることが好ましい。
前記モノマー(b2)は、前記ラジカル重合性基を有する。モノマー(b2)はモノマー(b1)以外のモノマーであれば特に限定されない。ただし、モノマー(b1)がカルボン酸構造とラジカル重合性基とを有するモノマーであるときは、モノマー(b2)は、前記モノマー(a2)と前記モノマー(a3)とを含む。
剤によって変性された共重合体であることが、所期の物性を有し、かつ物性の経時的な変化が抑制される熱硬化性重合体組成物を得る観点から好ましい。
ン、メトキシプロピルアミン、エトキシプロピルアミン、メトキシブチルアミン、エトキシブチルアミン、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、o−エチルアニリン、m−エチルアニリン、p−エチルアニリン、o−n−プロピルアニリン、m−n−プロピルアニリン、p−n−プロピルアニリン、o−イソプロピルアニリン、m−イソプロピルアニリン、p−イソプロピルアニリン、o−n−ブチルアニリン、m−n−ブチルアニリン、p−n−ブチルアニリン、o−イソブチルアニリン、m−イソブチルアニリン、p−イソブチルアニリン、o−sec−ブチルアニリン、m−sec−ブチルアニリン、p−sec−ブチルアニリン、o−tert−ブチルアニリン、m−tert−ブチルアニリン、p−tert−ブチルアニリン、o−n−ペンチルアニリン、m−n−ペンチルアニリン、p−n−ペンチルアニリン、o−イソペンチルアニリン、m−イソペンチルアニリン、p−イソペンチルアニリン、o−sec−ペンチルアニリン、m−sec−ペンチルアニリン、p−sec−ペンチルアニリン、o−tert−ペンチルアニリン、m−tert−ペンチルアニリン、及びp−tert−ペンチルアニリンが挙げられる。
好ましい。
前記共重合体(B)は、前記モノマー(b1)、(b2)を重合させて得ることができる。共重合体(B)の重合方法は、前述した共重合体(A)と同様に製造することができる。
本発明の熱硬化性重合体組成物は、本発明の効果が得られる範囲で、塗布均一性、接着性、膜面内均一性、可撓性、弾性、耐薬品性等の各種の特性をさらに向上させる観点から、共重合体(A)及び(B)以外の他の成分をさらに含有させることができる。このような他の成分としては、例えば、エポキシ硬化剤、酸化防止剤、溶媒、アクリル系、スチレン系、ポリエチレンイミン系もしくはウレタン系の高分子分散剤、アニオン系、カチオン系、ノニオン系もしくはフッ素系の界面活性剤、シリコン樹脂系塗布性向上剤、シランカップリング剤等の密着性向上剤、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤、エポキシ、メラミン化合物もしくはビスアジド化合物等の熱架橋剤が挙げられる。前記他の成分は全体で一種でも二種以上でも添加してもよく、またそれぞれにおいても一種でも二種以上でもよい。
本発明の熱硬化性重合体組成物は、硬化膜の耐熱性、耐薬品性、可撓性、柔軟性を向上させるためにエポキシ硬化剤を含有することが好ましい。エポキシ硬化剤としては、例えばカルボン酸系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、及び触媒型硬化剤が挙げられる。エポキシ硬化剤は、着色の抑制及び耐熱性の点から、カルボン酸系硬化剤、酸無水物硬化剤、又はフェノール系硬化剤であることがより好ましい。
ェノンテトラカルボン酸二無水物、TMEG、TMTA−C、TMEG−500、TMEG−600、(商品名;新日本理化(株)製)、EpiclonB−4400(商品名;DIC(株)製)、YH−306、YH−307、YH−309(商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、SL−12AH、SL−20AH、IPU−22AH(商品名;岡村製油(株)製)、OSA−DA、DSA、PDSA−DA(商品名;三洋化成(株)製)が挙げられる。
,4−ジヒドロキシベンジルアルコール、3,5−ジヒドロキシベンジルアルコール、が挙げられる。
−ヒドロキシ−α,α−ジメチルベンジル)エチルベンゼン、が挙げられる。
本発明の熱硬化性重合体組成物は、耐候性の点から酸化防止剤をさらに含有することが好ましい。酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系化合物が挙げられる。酸化防止剤は、中でもヒンダードフェノール系がより好ましい。
本発明の熱硬化性重合体組成物は、塗布均一性の観点から、溶媒をさらに含有することが好ましい。前記溶媒は、共重合体(A)と共重合体(B)を溶解する溶媒が好ましく、エポキシ硬化剤や酸化防止剤等の、溶解性の前記他の成分をさらに溶解する溶媒がより好ましい。
ピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トルエン、キシレン、γ−ブチロラクトン、及びN,N−ジメチルアセトアミドが挙げられる。
本発明の熱硬化性重合体組成物は、塗布均一性をさらに向上させる観点から、高分子分散剤をさらに含有することが好ましい。このような観点から、高分子分散剤の含有量は、熱硬化性重合体組成物において、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.05〜8重量%であることがより好ましく、0.1〜5重量%であることがさらに好ましい。
本発明の熱硬化性重合体組成物は、塗布均一性をさらに向上させる観点から、界面活性剤をさらに含有することが好ましい。このような観点から、界面活性剤の含有量は、熱硬化性重合体組成物において、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.05〜8重量%であることがより好ましく、0.1〜5重量%であることがさらに好ましい。
本発明の熱硬化性重合体組成物は、塗布均一性をさらに向上させる観点から、シリコン樹脂系塗布性向上剤をさらに含有することが好ましい。このような観点から、シリコン樹脂系塗布向上剤の含有量は、熱硬化性重合体組成物において、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.05〜8重量%であることがより好ましく、0.1〜5重量%であることがさらに好ましい。
本発明の熱硬化性重合体組成物は、形成される硬化膜と基板との密着性をさらに向上させる観点から、密着性向上剤をさらに含有することが好ましい。このような観点から、密着性向上剤の含有量は、熱硬化性重合体組成物の固形分100重量部に対し10重量部以下であることが好ましい。
本発明の熱硬化性重合体組成物は、硬化膜の劣化防止能をさらに向上させる観点から、紫外線吸収剤をさらに含有することが好ましい。このような観点から、紫外線吸収剤の含有量は、熱硬化性重合体組成物において、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.05〜8重量%であることがより好ましく、0.1〜5重量%であることがさらに好ましい。
本発明の熱硬化性重合体組成物は、耐熱性、耐薬品性、膜面内均一性、可撓性、柔軟性、弾性をさらに向上させる観点から、エポキシをさらに含有することが好ましい。このような観点によるエポキシの含有量は、上記熱硬化性重合体組成物の固形分100重量部に対し20重量部以下であることが好ましい。
ピコート4250、エピコート4275(商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON TSR−960、EPICLON TSR−601、EPICLON TSR−250−80BX、EPICLON 1600−75X(商品名;DIC(株)製)、YD−171、YD−172、YD−175X75、PG−207、ZX−1627、YD−716(商品名;東都化成(株)製)、アデカレジンEP−4000、アデカレジンEP−4000S、アデカレジンEPB1200、アデカレジンEPB1200(商品名;ADEKA(株)製)、EX−832、EX−841、EX−931、デナレックスR−45EPT(商品名;ナガセケムテックス(株)製)、BPO−20E、BPO−60E(商品名;新日本理化(株)製)、エポライト400E、エポライト400P、エポライト3002(商品名;共栄社化学(株)製)、SR−8EG、SR−4PG(商品名;阪本薬品(株)製)、Heloxy 84、Heloxy 505(商品名;Hexion(株)製)、SB−20G、IPU−22G(商品名;岡村製油(株)製)、エポリードPB3600(商品名;ダイセル化学(株)製)、EPB−13(商品名;日本曹達(株)製)が挙げられる。
本発明の熱硬化性重合体組成物は、耐熱性、耐薬品性をさらに向上させる観点から、熱架橋剤をさらに含有することが好ましい。このような観点から、熱架橋剤の含有量は、熱硬化性重合体組成物において、0.1〜30重量%であることが好ましく、0.05〜20重量%であることがより好ましく、1〜10重量%であることがさらに好ましい。
本発明の熱硬化性重合体組成物は、耐熱性、耐薬品性等をさらに向上させる観点から、上記熱硬化性重合体以外の熱硬化性ポリマーをさらに含有することが好ましい。このような観点から、その他の熱硬化性ポリマーの含有量は、熱硬化性重合体組成物において、0.1〜30重量%であることが好ましく、0.5〜20重量%であることがより好ましく、1〜10重量%であることがさらに好ましい。
本発明の熱硬化性重合体組成物は、硬化収縮による基板の反りを防ぐ観点から、熱可塑性エラストマー又は熱可塑性重合体をさらに含有することが好ましい。このような観点から、熱可塑性エラストマー又は熱可塑性重合体の含有量は、熱硬化性重合体組成物において、0.01〜30重量%であることが好ましく、0.05〜20重量%であることがより好ましく、0.1〜10重量%であることがさらに好ましい。熱可塑性エラストマー又は熱可塑性重合体としては、スチレン系、オレフィン系、アクリル系、エステル系、ウレタン系、アミド系の熱可塑性エラストマー又は熱可塑性重合体が挙げられる。熱可塑性エラストマー又は熱可塑性重合体には、熱硬化時における応力の緩和を高めるため、柔軟性に優れたものを選択することが好ましい。
本発明の熱硬化性重合体組成物は、共重合体(A)と共重合体(B)とエポキシ硬化剤と酸化防止剤とを混合し、それらを均一に混合溶解することにより得ることができる。また、目的とする特性によっては、さらに溶剤、カップリング剤、エポキシ、その他のポリマー又は界面活性剤を必要により選択して添加し、それらを均一に混合溶解することにより得ることができる。又は本発明の熱硬化性重合体組成物は、共重合体(A)、共重合体(B)、及び必要に応じて溶解性の前述した他の成分を均一に混合、溶解させることによって得ることができる。
本発明の硬化膜は、前述した本発明の熱硬化性重合体組成物を用いて形成された膜を熱によって硬化させてなる膜である。熱硬化性重合体組成物を用いて形成された膜は、基板上に液状の熱硬化性重合体組成物を塗布することによって形成することができる。基板及び塗布方法には、表示素子において通常使用される基板や技術を用いることができる。
まず、熱硬化性重合体組成物をスピンコート、ロールコート、スリットコート等の公知の方法により、ガラス等の基板上に塗布する。基板としては、例えば、白板ガラス、青板ガラス、シリカコート青板ガラス等の透明ガラス基板、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエステル、アクリル樹脂、塩化ビニール樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミド等の合成樹脂製シート、フィルム又は基板、アルミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板等の金属基板、その他セラミック板、光電変換素子を有する半導体基板等を挙げることができる。これらの基板には所望により、シランカップリング剤等の薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の前処理を行うことができる。
本発明の表示素子は、前述した本発明の硬化膜を有する。本発明の表示素子は、本発明
の硬化膜を有する以外は、通常の表示素子と同様の構成を有する。このような表示素子としては、例えば、液晶表示素子、タッチパネル、液晶素子とタッチパネル一体型の素子、及びOLED素子等の、有機化合物による発光層を有する表示素子とタッチパネルとの一体型の素子が挙げられる。このような表示素子において、前記硬化膜は、例えば、タッチパネルを有する表示素子におけるタッチパネルに好適に用いられる。
攪拌器付4つ口フラスコにモノマー(a1)としてグリシジルメタクリレート、モノマー(a2)としてイソボルニルメタクリレート、モノマー(a3)としてn−ブチルメタクリレート、溶媒として3−メトキシプロピオン酸メチル(以下MMPとも言う)、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を用いて下記の組成で仕込み、加熱して100℃で4時間重合を行った。このようにして得られた共重合体(A−1)をGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)は、4,800であった。
3−メトキシプロピオン酸メチル 50.0g
グリシジルメタクリレート 25.0g
イソボルニルメタクリレート 12.5g
n−ブチルメタクリレート 12.5g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 5.0g
モノマー(a2)としてトリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルメタクリレートを使用した以外は、合成例1と同じ成分を下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で重合を行った。このようにして得られた共重合体(A−2)をGPC分析したところ重量平均分子量(Mw)は、4,900であった。
3−メトキシプロピオン酸メチル 50.0g
グリシジルメタクリレート 25.0g
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルメタクリレート 12.5g
n−ブチルメタクリレート 12.5g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 5.0g
モノマー(a2)としてシクロヘキシルメタクリレートを使用した以外は、合成例1と同じ成分を下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で重合を行った。このようにして得られた共重合体(A−3)をGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)は、5,400であった。
3−メトキシプロピオン酸メチル 50.0g
グリシジルメタクリレート 25.0g
シクロヘキシルメタクリレート 12.5g
n−ブチルメタクリレート 12.5g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 5.0g
モノマー(a3)として2−エチルヘキシルメタクリレートを使用した以外は、合成例1と同じ成分を下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で重合を行った。このようにして得られた共重合体(A−4)をGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)は、5,500であった。
3−メトキシプロピオン酸メチル 50.0g
グリシジルメタクリレート 25.0g
イソボルニルメタクリレート 12.5g
2−エチルヘキシルメタクリレート 12.5g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 5.0g
モノマー(a3)としてラウリルメタクリレートを使用した以外は、合成例1と同じ成分を下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で重合を行った。このようにして得られた共重合体(A−5)をGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)は、5,700であった。
3−メトキシプロピオン酸メチル 50.0g
グリシジルメタクリレート 25.0g
イソボルニルメタクリレート 12.5g
ラウリルメタクリレート 12.5g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 5.0g
モノマー(b1)としてメタクリル酸、モノマー(b2)としてイソボルニルメタクリレート、及びn−ブチルメタクリレートを使用した以外は、合成例1と同じ成分を下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で重合を行った。このようにして得られた共重合体(B−1)のGPC分析により求めた重量平均分子量(Mw)は、4,700であった。
3−メトキシプロピオン酸メチル 75.0g
メタクリル酸 10.0g
イソボルニルメタクリレート 20.0g
n−ブチルメタクリレート 20.0g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 5.0g
モノマー(b1)として無水マレイン酸、モノマー(b2)としてイソボルニルメタクリレート、及びn−ブチルメタクリレートを使用した以外は、合成例1と同じ成分を下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で重合を行った。次いで、この共重合体に対し1,4−ブタンジオールを加え80℃で3時間加熱還流した。このようにして得られた共重合体(B−2)のGPC分析により求めた重量平均分子量(Mw)は、8,800であった。
3−メトキシプロピオン酸メチル 75.0g
無水マレイン酸 10.0g
イソボルニルメタクリレート 20.0g
n−ブチルメタクリレート 20.0g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 5.0g
1,4−ブタンジオール 18.0g
モノマー(b1)として無水マレイン酸、モノマー(b2)としてスチレンを使用した以外は合成例1と同じ成分を下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で重合を行った。次いで、得られた共重合体に対し1,4−ブタンジオールを加え80℃で3時間加熱還流した。このようにして得られた共重合体(B−3)をGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)は、16,000であった。
3−メトキシプロピオン酸メチル 93.3g
無水マレイン酸 20.0g
スチレン 20.0g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 5.0g
1,4−ブタンジオール 18.0g
モノマー(b1)として無水マレイン酸、モノマー(b2)としてスチレンを使用した以外は合成例1と同じ成分を下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で重合を行った。次いで、得られた共重合体に対し1,5−ペンタンジオールを加え80℃で3時間加熱還流した。このようにして得られた共重合体(B−4)をGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)は、16,600であった。
3−メトキシプロピオン酸メチル 93.3g
無水マレイン酸 20.0g
スチレン 20.0g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 5.0g
1,5−ペンタンジオール 18.4g
モノマー(b1)として無水マレイン酸、モノマー(b2)としてスチレンを使用した以外は合成例1と同じ成分を下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で重合を行った。次いで、得られた共重合体に対しイソボルネオールを加え140℃で8時間加熱還流した。このようにして得られた共重合体(B−5)をGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)は、9,300であった。
3−メトキシプロピオン酸メチル 93.3g
無水マレイン酸 20.0g
スチレン 20.0g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 5.0g
イソボルネオール 18.4g
モノマー(b1)として無水マレイン酸、モノマー(b2)としてスチレンを使用した以外は合成例1と同じ成分を下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で重合を行った。次いで、得られた共重合体に対し2−エタノールアミンを加え20℃で1時間撹拌した。このようにして得られた共重合体(B−6)をGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)は、8,800であった。
3−メトキシプロピオン酸メチル 93.3g
無水マレイン酸 20.0g
スチレン 20.0g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 5.0g
2−エタノールアミン 18.4g
モノマー(b1)として無水マレイン酸、モノマー(b2)としてスチレンを使用した以外は合成例1と同じ成分を下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で重合を行った。次いで、得られた共重合体に対しシクロヘキサノールを加え140℃で8時間加熱還流した。このようにして得られた共重合体(B−7)をGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)は、9,100であった。
3−メトキシプロピオン酸メチル 93.3g
無水マレイン酸 20.0g
スチレン 20.0g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 5.0g
シクロヘキサノール 18.4g
イソボルニルメタクリレートを使用しない以外は合成例1と同じ成分を下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で重合を行った。このようにして得られた比較共重合体(E−1)をGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)は、5,000であった。
3−メトキシプロピオン酸メチル 50.0g
グリシジルメタクリレート 30.0g
n−ブチルメタクリレート 20.0g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 5.0g
n−ブチルメタクリレートを使用しない以外は合成例1と同じ成分を下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で重合を行った。このようにして得られた比較共重合体(E−2)をGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)は、4,900であった。
3−メトキシプロピオン酸メチル 50.0g
グリシジルメタクリレート 30.0g
イソボルニルメタクリレート 20.0g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 5.0g
イソボルニルメタクリレートを使用しない以外は合成例6と同じ成分を下記の重量で仕
込み、合成例1と同じ条件で重合を行った。このようにして得られた比較共重合体(E−3)をGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)は、4,500であった。
3−メトキシプロピオン酸メチル 40.0g
メタクリル酸 10.0g
n−ブチルメタクリレート 40.0g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 5.0g
n−ブチルメタクリレートを使用しない以外は合成例6と同じ成分を下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で重合を行った。このようにして得られた比較共重合体(E−4)をGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)は、4,700であった。
3−メトキシプロピオン酸メチル 40.0g
メタクリル酸 10.0g
イソボルニルメタクリレート 40.0g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 5.0g
イソボルニルメタクリレート及びn−ブチルメタクリレートに代えてグリシジルメタクリレートを使用した以外は合成例6と同じ成分を下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で重合を行った。このようにして得られた比較共重合体(E−5)をGPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)は、4,600であった。
3−メトキシプロピオン酸メチル 40.0g
メタクリル酸 10.0g
グリシジルメタクリレート 40.0g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 5.0g
合成例1で得られた共重合体(A−1)、合成例4で得られた共重合体(B−1)、エポキシ硬化剤として無水トリメリット酸、酸化防止剤としてIrganox1010、界面活性剤であるBYK−344、溶媒としてMMPを下記の重量で混合溶解し、メンブレンフィルター(0.5μm)で濾過して熱硬化性重合体組成物を得た。得られた熱硬化性重合体組成物の組成を表1に示す。
共重合体(A−1) 20.00g
共重合体(B−1) 6.00g
MMP 4.00g
トリメリット酸無水物 2.00g
Irganox1010 0.24g
BYK−344 0.10g
以下同様にして、表1〜6に示す組成(重量比)で混合溶解し、実施例2〜70及び比較例1〜14の熱硬化性重合体組成物を得た。なお、表1〜6中の括弧内の数字は重量比を表し、TMAはトリメリット酸無水物、BHPCは1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの略号である。
1)透明膜の形成
ガラス基板上に実施例1で合成された熱硬化性重合体組成物を400〜1,000rpmの任意の回転数で10秒間スピンコートし、100℃のホットプレート上で5分間プリベイク乾燥した。次いで、この基板をオーブン中190℃で30分ミドルベイクした。さらに、この基板をオーブン中230℃で30分ポストベイクし、膜厚が約100μmの透明膜を形成した。1度塗りで所望の膜厚(約100μm)に達しない場合は、プリベイク後、ミドルベイク後、又はポストベイク後、製膜された基板に重ね塗りしたあと乾燥ベイ
クを行い、これを数回繰り返すことで、十分な膜厚を有する透明膜を前記基板の表面に得た。
上記1)で得られた透明膜のクラックの有無を目視により観察した。膜面にクラックが生じなかった場合は良好(G:Good)と、膜面にクラックが生じた場合は不良(NG:No Good)と判定した。
上記1)で得られた透明膜の白濁の有無を目視により観察した。膜面に白濁が生じなかった場合は良好(G:Good)と、膜面に白濁が生じた場合は不良(NG:No Good)と判定した。
有限会社東京電色製TC−1800を使用し、透明膜を形成していないガラス基板をリファレンスとして、上記1)で得られた透明膜が形成されている基板の波長400nmでの光透過率を測定した。透過率が95T%以上の場合は良好(G:Good)と、95T%未満の場合は不良(NG:No Good)と判定した。
上記1)で得られた透明膜が形成されている基板を50℃のγ−ブチロラクトン中に20分間浸漬し、膜厚の変化を測定した。浸漬の前後で上記1)と同様に膜厚を測定し、次式から計算した。
(浸漬後膜厚/浸漬前膜厚)×100(%)
膜厚の変化率が−5〜5%の時が良好(G:Good)、膨潤により5%を超えたり、溶解により−5%より減少した時は不良(NG:No Good)と判定した。
上記1)で得られた透明膜が形成されている基板を50℃の塩酸/硝酸/水=4/2/4(重量比)に10分間浸漬し、膜厚の変化を測定した。浸漬の前後で上記1)と同様に膜厚を測定し、次式から計算した。
(浸漬後膜厚/浸漬前膜厚)×100(%)
膜厚の変化率が−5〜5%の時が良好(G:Good)、膨潤により5%を超えたり、溶解により−5%より減少した時は不良(NG:No Good)と判定した。
上記1)で得られた透明膜が形成されている基板を60℃の5%水酸化ナトリウム水溶液に10分間浸漬し、膜厚の変化を測定した。浸漬の前後で上記1)と同様に膜厚を測定し、次式から計算した。
(浸漬後膜厚/浸漬前膜厚)×100(%)
膜厚の変化率が−5〜5%の時が良好(G:Good)、膨潤により5%を超えたり、溶解により−5%より減少した時は不良(NG:No Good)と判定した。
上記1)で得られた透明膜が形成されている基板を230℃のオーブンで1時間加熱し、上記4)と同様に光透過率を測定し、さらに加熱の前後で上記1)と同様に膜厚を測定
し、次式から計算した。
(加熱後膜厚/加熱前膜厚)×100(%)
膜厚の変化率が−5%未満の時が良好(G:Good)、加熱後の膜厚の変化率が−5%以上の時は不良(NG:No Good)と判定した。
Claims (11)
- オキシラニルとラジカル重合性基とを有するラジカル重合性モノマー(a1)、炭素数3〜20の脂環構造とラジカル重合性基とを有するラジカル重合性モノマー(a2)、及び下記式(1)で表わされるラジカル重合性モノマー(a3)からなる共重合体(A)と、
カルボン酸構造又は酸無水物構造とラジカル重合性基とを有するラジカル重合性モノマー(b1)、及びラジカル重合性基を有し、前記モノマー(b1)以外のラジカル重合性モノマー(b2)からなる共重合体(B)とを含有する熱硬化性重合体組成物であって、
前記モノマー(b1)がカルボン酸構造とラジカル重合性基とを有するモノマーであるとき、前記モノマー(b2)は前記モノマー(a2)と前記モノマー(a3)とを含む熱硬化性重合体組成物。
- 前記モノマー(a1)がグリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる一以上である請求項1に記載の熱硬化性重合体組成物。
- 前記モノマー(a2)がイソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル(メタ)アクリレート、及びシクロヘキシル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる一以上である請求項1又は2に記載の熱硬化性重合体組成物。
- 前記モノマー(a3)がn−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及びラウリル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる一以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱硬化性重合体組成物。
- 前記モノマー(b1)が(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、及びイタコン酸無水物からなる群から選ばれる一以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱硬化性重合体組成物。
- 前記モノマー(b1)が酸無水物構造とラジカル重合性基とを有するモノマーであるとき、前記共重合体(B)は、酸無水物構造を変性させる変性剤によって変性された共重合体であり、
前記変性剤は、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよい炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル、炭素数3〜20の脂環構造、及び炭素数6〜20の芳香環の一以上と、ヒドロキシル基及びアミノ基の一方又は両方とを有する化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱硬化性重合体組成物。 - 前記モノマー(a1)がグリシジル(メタ)アクリレートであり、前記モノマー(a2)がイソボルニル(メタ)アクリレートであり、前記モノマー(a3)がn−ブチル(メタ)アクリレートであり、前記モノマー(b1)が(メタ)アクリル酸又は無水マレイン酸であり、前記モノマー(b2)が、前記モノマー(b1)が(メタ)アクリル酸である
ときはイソボルニル(メタ)アクリレート及びn−ブチル(メタ)アクリレートであり、前記モノマー(b1)が無水マレイン酸であるときはスチレンである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱硬化性重合体組成物。 - エポキシ硬化剤をさらに含有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱硬化性重合体組成物。
- 酸化防止剤をさらに含有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の熱硬化性重合体組成物。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の熱硬化性重合体組成物を用いて形成された膜を熱によって硬化させてなる硬化膜。
- 請求項10に記載の硬化膜を有する表示素子。
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