JP2011045236A - 非接触式充電器 - Google Patents

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Masaya Fujii
雅也 藤井
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祐樹 牧田
Masaaki Konofuji
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Abstract

【課題】複数の二次側機器を同時に非接触充電する充電器において、充電時間を安定化させる。
【解決手段】一次側機器は、各々に二次側コイル及び二次電池を有する二次側機器2[i−1]〜2[i+1]に対して個別に対応する第(i−1)〜第(i+1)の送電部を有する。第(i−1)〜第(i+1)の送電部は、一次側コイルが巻かれた一次側コア12[i−1]〜12[i+1]を有する。各二次側機器内の二次電池を充電する際、隣接する一次側コイルに励磁電流を交互に供給する。即ち、第(i−1)及び第(i+1)の一次側コイルに励磁電流を供給する一方で第iの一次側コイルへの励磁電流供給を停止する期間と、第iの一次側コイルに励磁電流を供給する一方で第(i−1)及び第(i+1)の一次側コイルへの励磁電流供給を停止する期間と、が交互に訪れるようにする。
【選択図】図13

Description

本発明は、二次側機器に設けられた二次電池等の蓄電体を非接触にて充電する非接触式充電器に関する。
二次電池を充電するためには、二次電池の形状に合った接触式充電器を用いることが一般的である。しかしながら、この場合においては、電池形状に応じて専用の充電器を個別に用意する必要があると共に二次電池を充電器に載置する時に電池の極性を適切に合わせる必要がある。それに対し、二次側コイル及び二次電池を電池筐体内部に備えた二次側機器の充電を、電磁誘導を利用して非接触で行う非接触式充電器が提案されている。この非接触式充電器には、一台の充電器にて複数種類の二次側機器の充電が行える、電池の極性を意識する必要がないといった利点がある。
例えば、下記特許文献1には、乾電池型の二次側機器である乾電池型被充電部を1個以上収容できる凹部を備えた充電機能部(一次側機器に対応)が提案されている。下記特許文献2にも同様の構成が示されている。この充電機能部では、凹部を形成する側壁内に一次側コイルが巻かれており、該一次側コイルから凹部内に収容された乾電池型被充電部内の二次側コイルに電力が伝達されて乾電池型被充電部内の二次電池が充電される。
この構成によれば、複数種類の乾電池型被充電部を共通の充電器(充電機能部)にて充電することが可能である。例えば、単三型の乾電池型被充電部も単四型の乾電池型被充電部も共通の充電器にて充電することが可能である。
しかしながら、特許文献1等に記載された従来構成では、充電機能部(一次側機器に対応)の凹部に収容された各物体が、非接触充電に対応した乾電池型被充電部であるか、或いは、非接触充電に対応していない通常の乾電池であるか、或いは、それら以外の任意の導電体であるかに関係なく、充電機能部の凹部に収容された全ての物体に対して同じ条件にて一律に充電を行おうとするため問題も多い。通常の乾電池や上記導電体が凹部に収容されている時において一次側コイルに励磁電流を供給しても電力の無駄であり、乾電池筐体等における渦電流損発熱も懸念される。また、満充電時に個別に充電停止制御を行うことも不可能である。
特開2005−124324号公報 特開2005−117748号公報
これらの問題を解消するために、一次側機器に複数の二次側機器に対応する複数の送電部(一次側コイルを含む)を設けておき、一次側機器に配置された二次側機器ごとに送電部を割り当てるような構成を採用することも考えられる。これによれば、一次側機器に配置された物体ごとに種類を判別することや(一次側機器に配置された各物体が非接触充電に対応した二次側機器であるのか否かの判別等)、一次側機器に配置された二次側機器ごとに適切な充電制御を行うことが可能である。しかしながら、一次側機器の小型化を図った場合、一次側機器に内在する複数の送電部が近接して、或る送電部内の一次側コイルの発生磁束が他の送電部内の一次側コイルに干渉することがあるし、前者の送電部に対応する二次側機器内の二次側コイルに後者の送電部からの磁束が鎖交することもある。
このような干渉等が存在すると、一次側機器に対する二次側機器の配置状態に依存して、二次側機器の充電条件が変化したり、それに伴って満充電までに必要な時間が変化したりする(この内容は後に詳説される)。このような変化は、安定した充電性能の実現にとって好ましくない。また更に、電磁誘導によって二次側コイルに誘導電流が流れた際、該二次側コイルに磁束を発生するが、その発生磁束が他の二次側コイルを鎖交して、意図しない充電を引き起こすことも考えられる。このような意図しない充電も、安定した充電性能の実現にとって好ましくない。
そこで本発明は、安定した充電性能の実現に寄与する非接触式充電器を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の非接触式充電器は、各々に二次側コイル及び蓄電体が設けられた複数の二次側機器が配置されるべき機器配置部と、前記機器配置部に配置された前記複数の二次側機器に個別に対応し、対応する二次側機器内の二次側コイルと磁気的に結合する複数の一次側コイルと、各一次側コイルに個別に交流の電流を供給することによって、前記機器配置部に配置された各二次側機器の二次側コイルに起電力を生じさせて各二次側機器内の蓄電体を充電する電流供給部と、を備えた非接触式充電器であって、前記複数の二次側機器は、前記機器配置部に配置された第1及び第2の二次側機器を含み、前記複数の一次側コイルは、前記第1及び第2の二次側機器に対応する、互いに隣接した第1及び第2の一次側コイルを含み、前記電流供給部は、前記第1の一次側コイルに電流を供給しているときにおいて前記第2の一次側コイルへの電流の供給を停止し、前記第2の一次側コイルに電流を供給しているときにおいて前記第1の一次側コイルへの電流の供給を停止することを特徴とする。
これにより、第1及び第2の一次側コイルにおける発生磁束間の干渉が抑制され、第1の一次側コイルに対応する第1の二次側機器の充電と第2の一次側コイルに対応する第2の二次側機器の充電を、安定的に所望のものとすることができる。
より具体的には例えば、前記複数の二次側機器は、前記機器配置部に配置された第3の二次側機器を更に含み、前記複数の一次側コイルは、前記第3の二次側機器に対応する第3の一次側コイルを更に含み、前記第1の一次側コイルは、前記第3の一次側コイルよりも、前記第2の一次側コイルの近くに配置され、前記電流供給部は、前記第1の一次側コイルに電流を供給しているときにおいて前記第2の一次側コイルへの電流の供給を停止する一方で前記第3の一次側コイルには電流を供給し、前記第2の一次側コイルに電流を供給しているときにおいて前記第1及び第3の一次側コイルへの電流の供給を停止する。
また具体的に例えば、前記複数の一次側コイルは、第1〜第nの一次側コイルから成り(nは2以上の整数)、第iの一次側コイルと第(i+1)の一次側コイルが互いに隣接するように、前記第1〜第nの一次側コイルは所定方向に沿って並べて配置され(iは1以上であって且つ(n−1)以下の整数)、前記電流供給部は、前記複数の二次側機器としての第1〜第nの二次側機器内の蓄電体を充電する際、前記第iの一次側コイルへの電流の供給と前記第(i+1)の一次側コイルへの電流の供給を交互に実行する。
また例えば、前記電流供給部は、前記第1及び第3の一次側コイルに電流を供給する際、前記第1の一次側コイルに供給する電流の位相と前記第3の一次側コイルに供給する電流の位相とを互いに異ならせる。
これにより、前記第1及び第3の一次側コイルへの電流供給に基づいて、第2の二次側機器の二次側コイルに電流が流れるといった事態の発生を抑制することが可能となる。即ち、意図しない充電の発生を抑制することが可能となり、第2の二次側機器の充電を、安定的に所望のものとすることができる。
本発明に係る第2の非接触式充電器は、各々に二次側コイル及び蓄電体が設けられた複数の二次側機器が配置されるべき機器配置部と、前記機器配置部に配置された前記複数の二次側機器に個別に対応し、対応する二次側機器内の二次側コイルと磁気的に結合する複数の一次側コイルと、各一次側コイルに個別に交流の電流を供給することによって、前記機器配置部に配置された各二次側機器の二次側コイルに起電力を生じさせて各二次側機器内の蓄電体を充電する電流供給部と、を備えた非接触式充電器であって、前記複数の二次側機器は、前記機器配置部に配置された第1〜第3の二次側機器を含み、前記複数の一次側コイルは、前記第2の二次側機器に対応する第2の一次側コイルと、前記第2の一次側コイルに隣接する第1及び第3の一次側コイルを含み、前記電流供給部は、前記第1の一次側コイルに供給する電流の位相と前記第3の一次側コイルに供給する電流の位相とを互いに異ならせることを特徴とする。
これにより、前記第1及び第3の一次側コイルへの電流供給に基づいて、第2の二次側機器の二次側コイルに電流が流れるといった事態の発生を抑制することが可能となる。即ち、意図しない充電の発生を抑制することが可能となり、第2の二次側機器の充電を、安定的に所望のものとすることができる。
具体的には例えば、第1又は第2の非接触式充電器において、前記電流供給部は、前記第1の一次側コイルへの電流の供給に基づく前記第1の二次側機器内の二次側コイルでの発生磁束と、前記第3の一次側コイルへの電流の供給に基づく前記第3の二次側機器内の二次側コイルでの発生磁束とが、前記第2の二次側機器内の二次側コイルにおいて互いに打ち消しあうように、前記第1の一次側コイルに供給する電流の位相と前記第3の一次側コイルに供給する電流の位相とを互いに異ならせる。
本発明によれば、安定した充電性能の実現に寄与する非接触式充電器を提供することができる。
本発明の意義ないし効果は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも本発明の一つの実施形態であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
本発明の実施形態に係る一次側機器の外観斜視図である。 本発明の実施形態に係る二次側機器の外観斜視図である。 一次側機器における各窪み部に二次側機器が配置されている状態における、一次側機器及び二次側機器の外観斜視図である。 一次側機器内の一次側コアが見えるように示した、一次側機器の透視図である。 一次側機器に設けられる一次側コア及び一次側コイルの外観斜視図である。 二次側機器の外観正面図である。 二次側筐体の外形形状である円筒の軸方向に沿った、二次側機器の断面図である。 二次側機器の分解図である。 二次側機器が一次側機器の窪み部上に配置されている状態における、一次側機器及び二次側機器の断面図である。 一次側機器に設けられる電気回路のブロック図である。 二次側機器の概略的な電気回路図である。 一次側機器に設けられた駆動回路と二次側機器に設けられた回路の例を示す図である。 一次側機器に対する二次側機器の配置状態例を示す図である。 3つの二次側機器における充電電流の変化の様子を示す図である。 8つの一次側コイルへの励磁電流の供給方法例を示す図である。 解析モデルにおける複数の一次側コイル及び複数の二次側コイルを示す図である。 解析モデルにおける誘導電流及び発生磁束の様子を示す図である。 解析モデルにおける、中央の二次側コイルの誘導起電力の波形例を示す図である。 2つの一次側コイルごとに、励磁電流の極性が反転している様子を示す図である。 16個の窪み部を備えた一次側機器に16個の二次側機器が設置されている様子を示す図(a)と、16個の二次側機器に対応する符号を示す図(b)である。 図20(a)の一次側機器における励磁電流の位相状態を説明するための図である。 駐車場に複数の電動車両が設置されている様子を示す図である。
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、或る物体の断面図においては、後述の図7等の如く一般的に該物体の断面部位に対して斜線が施されるが、後に参照される一部の断面図(例えば図9)においては、図示煩雑化の防止のため、該斜線の図示を省略することがある。
本発明の実施形態に係る充電システムは、一次側機器1と二次側機器2とから成る。一次側機器1は、コイルを用いた電磁誘導により、非接触にて二次側機器2内の二次電池を充電する非接触式充電器である。
図1は一次側機器1の外観斜視図であり、図2は二次側機器2の外観斜視図である。一次側機器1は、上面に8つの窪みが設けられた直方体形状の筐体(以下、一次側筐体という)10を備える。この8つの窪みを、窪み部11[1]〜11[8]と呼ぶ。二次側機器2は、内部に空洞を有する円筒形状の筐体(以下、二次側筐体という)20と、二次側コイル(図2において不図示)と、を有する。二次側コイルは、二次側筐体20内に配置されている。以下の説明では、一次側筐体10の上面及び下面が水平面と平行になるように、一次側筐体10が机などに上に置かれていることを想定する。
窪み部11[1]〜11[8]は、同じ形状を有する窪み部であり、各窪み部上に1つの二次側機器2を安定して保持できるように設計されている。窪み部11[i]は斜面を含んで形成されており、その斜面上に二次側機器2を置くと二次側機器2は該斜面上を転がって窪み部11[i]の底部にて静止する。ここで、iは、1以上8以下の整数である。図3は、窪み部11[1]〜11[8]の夫々に1つずつ二次側機器2が配置されている状態における一次側機器1及び二次側機器2の外観斜視図である。窪み部11[i]上に配置された二次側機器2を、特に符号2[i]によって参照する。尚、窪み部11[i]上に二次側機器2が配置されているという表現は、特に断りなき限り、二次側機器2が窪み部11[i]の底部にて静止しているという表現と同義である。
一次側筐体10の内部には、一次側コイルが巻かれた、磁性材料(強磁性体)から成る一次側コアが8つ設けられている。この8つの一次側コアを符号12[1]〜12[8]によって参照し、一次側コア12[i]に巻かれた一次側コイルを符号13[i]によって参照する。一次側コア12[1]〜12[8]は互いに同じ一次側コアであるものとし、一次側コイル13[1]〜13[8]も互いに同じ一次側コイルであるものとする。図4は、一次側コア12[1]〜12[8]が見えるように示した、一次側機器1の透視図である。図5は、一次側コア12[1]及び一次側コイル13[1]の外観斜視図である。一次側コア12[2]〜12[8]及び一次側コイル13[2]〜13[8]は、一次側コア12[1]及び一次側コイル13[1]と同じものであるため、それらの外観斜視図の明示を省略する。
一次側コア12[1]〜12[8]は、夫々、一次側筐体10の上面と平行な面を有し且つ窪み部11[1]〜11[8]の下方に配置された板状のコア(例えば、フェライトコア)である。1つの窪み部に対して1つの一次側コアが1対1で割り当てられている。図5に示す如く、一次側コア12[1]の中心軸の1つと一致する、一次側コイル13[1]の中心軸を符号14[1]によって参照する。一次側コイル13[1]は、一次側コア12[1]の外周面に沿って中心軸14[1]周りに巻かれている。一次側コイル13[2]〜[8]についても同様である。つまり、一次側コイル13[i]は、一次側コア12[i]の外周面に沿って中心軸14[i]周りに巻かれている。中心軸14[i]は、一次側コア12[i]の中心軸の1つと一致する、一次側コイル13[i]の中心軸である。
また、一次側筐体10の上面に平行なX軸及びY軸を、以下のように定義する(図4参照)。X軸及びY軸は互いに直交する。中心軸14[1]〜14[8]は、全てY軸に平行であって且つ同一平面上に位置する。窪み部11[1]〜11[8]はX軸方向に沿って且つX軸の負側から正側に向かって、窪み部11[1]、11[2]、11[3]、11[4]、11[5]、11[6]、11[7]及び11[8]の順番で並んでいる。これに伴って、一次側コア12[1]〜12[8]もX軸方向に沿って且つX軸の負側から正側に向かって、一次側コア12[1]、12[2]、12[3]、12[4]、12[5]、12[6]、12[7]及び12[8]の順番で並んでいると共に、当然、一次側コイル13[1]〜13[8]もX軸方向に沿って且つX軸の負側から正側に向かって、一次側コイル13[1]、13[2]、13[3]、13[4]、13[5]、13[6]、13[7]及び13[8]の順番で並んでいる。
従って、窪み部11[i]に隣接する窪み部は窪み部11[i−1]及び11[i+1]であり、一次側コア12[i]に隣接する一次側コアは一次側コア12[i−1]及び12[i+1]であり、一次側コイル13[i]に隣接する一次側コイルは一次側コイル13[i−1]及び13[i+1]である。窪み部11[i]は窪み部11[i+1]よりも窪み部11[i−1]の近くに配置され、一次側コア12[i]は一次側コア12[i+1]よりも一次側コア12[i−1]の近くに配置され、一次側コイル13[i]は一次側コイル13[i+1]よりも一次側コイル13[i−1]の近くに配置されている。
詳細は後述するが、二次側機器2内の二次側コイルは、二次側機器2の外形形状である円筒の中心軸周りに巻かれている(図6〜図8参照)。加えて、図3に示す如く一次側機器1の各窪み部の底部に二次側機器2が静止している状態において、各二次側機器2に設けられた二次側コイルの中心軸がY軸方向を向くように各窪み部の形状が設計されている。従って、この状態において、一次側コイル13[i]に交流の励磁電流を流せば、一次側コイル13[i]にて発生した磁束がY軸方向に沿って二次側機器2[i]の二次側コイルを鎖交し、該二次側コイルに誘導起電力が発生する。つまり、電力が一次側コイル(送電側コイル)13[i]から二次側機器2[i]の二次側コイル(受電側コイル)へと非接触で伝達され、この電力を用いて二次側機器2[i]内の二次電池を充電することができる。
上述したように、8つの窪み部11[1]〜11[8]の形状は互いに同一であり、窪み部11[i]上に配置された二次側機器2[i]内の二次側コイルと一次側コイル13[i]との間の距離(二次側機器2[i]内の二次側コイルの中心軸及び一次側コイル13[i]の中心軸間距離)は、窪み部11[i]上に配置された二次側機器2[i]についてのそれと同じである(但し、当然に誤差は含まれうる)。従って、一次側コイル13[i]及び13[i]が十分に離れていると仮定した場合において、一次側コイル13[i]及び13[i]に同一の励磁電流が供給されているとしたならば、二次側コイルを鎖交する磁束の量は二次側機器2[i]及び2[i]間で同じである。i及びiは1以上且つ8以下の整数であって、i≠iである。
尚、図1及び図3に示される一次側筐体10には、二次側機器2[i]のY軸方向への滑り落ちを防止するための端面が設けられていないが、該端面を一次側筐体10に設けるようにしても良い。該端面は、Y軸に直交する面であり、一次側筐体10の上面及び下面が水平面から傾いた時に生じうる二次側機器2[i]のY軸方向への移動を制限して、二次側機器2[i]が窪み部11[i]から落下するのを防止する。
図6〜図8を参照して、二次側機器2の構造を説明する。図6は、二次側機器2の外観正面図である。図7は、二次側筐体20の外形形状である円筒の軸方向に沿った、二次側機器2の断面図である。図8は、二次側機器2の分解図である。本実施形態に係る二次側機器2の外形形状は、汎用の乾電池の外形形状と同じとなっており、二次側機器2を汎用の乾電池と同じように用いることができる。
本実施形態では、二次側機器2の外形形状(二次側筐体20の外形形状)は、単三型の乾電池のそれと同じであることを想定する。但し、二次側機器2の外形形状は単四型の乾電池のそれと同じであっても良い。二次側機器2の外形形状が単三型の乾電池の外形形状及び単四型の乾電池の外形形状の何れであっても二次側機器2内の二次電池を充電できるように、一次側機器1は設計される。
図7及び図8に示すように、二次側機器2には、2つの外装部材20a、二次電池21、磁性フィルム22、二次側コイル23及びフレキシブル基板24が設けられている。
二次電池21は、ニッケル水素二次電池等の二次電池である。二次電池21として、任意の形状を有する二次電池を利用することができる。但し、二次電池21として、汎用の二次電池を用いることも可能である。例えば、図6〜図8に示す構成とは異なるが、二次電池21として単四型の二次電池を用いると共に二次側筐体20の外形を単三型の乾電池のそれと同じにし、更に、二次電池21の正及び負の電極に接続された2つの電極を二次側筐体20の両端に設けておくようにしてもよい。これにより、二次側機器2を汎用の単三型二次電池と同じように使用することができる。
本実施形態では、汎用の乾電池及び二次電池と同様、二次電池21の外形が円筒形状であって、その円筒の両端面に二次電池21の正及び負の電極が設けられていることを想定する。更に、二次電池21の正及び負の電極がそのまま二次側機器2の正及び負の電極として用いられることを想定する。二次電池21の外形形状である円筒の軸(中心軸)を、中心軸CXと呼ぶ。
磁性フィルム22は、磁性材料(強磁性体)を用いて形成された可撓性を有するフィルムであり、中心軸CX周りに二次電池21の外周面に巻かれている。この磁性フィルム22上に二次側コイル23が中心軸CX周りに巻かれている。二次側機器2[i]において、磁性フィルム22は、一次側コイル13[i]によって誘導される、二次側コイル23の鎖交磁束の磁束密度を大きくするための二次側コアとして機能する。尚、磁性フィルム22の代わりに、剛性を有する二次側コア(例えばフェライトコア)を磁性フィルム22と同じ位置に設けるようにしても構わない。
磁性フィルム22は二次電池21の外周面の一部に巻かれている。二次電池21の外周面の残部にはフレキシブル基板24が巻きつけてある。フレキシブル基板24には、整流回路を含む電気回路が実装される。
絶縁素材から成る2つの外装部材20aを結合することで、二次側筐体20が形成される。2つの外装部材20aを結合した時にできる二次側筐体20の内部空間に、二次電池21、磁性フィルム22、二次側コイル23及びフレキシブル基板24が収容される。尚、2つの外装部材20aにて二次側筐体20を形成するのではなく、内部が空洞となっている、円筒形状を有する1つの外装部材にて二次側筐体20を形成するようにしてもよい。
図9は、一次側機器1及び二次側機器2[1]の、鉛直線及びY軸に平行な断面による断面図である。窪み部11[1]上に配置された二次側機器2[1]の二次側コイル23と、窪み部11[1]に対応する一次側コイル13[1]とは磁気的に結合しており、それらは一次側コア12[1]及び二次側機器2[1]の磁性フィルム22と共に磁気回路(電磁結合回路)を形成する。二次側機器2[2]〜2[8]における二次側コイル23と一次側コイル13[2]〜13[8]についても同様である。尚、図9では、図示の簡略化上、磁気フィルム22等の図示を省略している。
一次側機器1では、一次側機器1内で生成された直流電圧が発振回路(後述の駆動回路32[i]に相当)を用いて交流電圧に変換される。この交流電圧が一次側コイル13[i]に印加されて交流の励磁電流が一次側コイル13[i]に流れることで、電磁誘導によって二次側機器2[i]内の二次側コイル23に誘導起電力が生じる。この誘導起電力にて二次側機器2[i]内の二次電池21を充電することができる。図9において、破線曲線301は、一次側コイル13[1]に励磁電流を流すことによって生じる磁束の流れを表している。
図10に、一次側機器1に設けられる電気回路のブロック図を示す。一次側機器1は、整流回路31、駆動回路32[1]〜32[8]、電流検出部33及び制御回路34を備える。整流回路31は、一次側機器1に設けられたACプラグ(不図示)を介して一次側機器1に供給された商用交流電圧を直流電圧VDCに変換する。駆動回路32[1]〜32[8]には、夫々、一次側コイル13[1]〜13[8]が接続されている。発振回路としての駆動回路32[i]は、整流回路31からの直流電圧VDCを交流電圧に変換し、該交流電圧を一次側コイル13[i]に印加することで一次側コイル13[i]に交流の励磁電流を供給する。制御回路34は、電流検出部33の検出結果に基づき、駆動回路32[1]〜32[8]における発振状態を個別に制御することによって、一次側コイル13[1]〜13[8]への励磁電流の供給を個別に制御する(制御方法については後に詳説)。
尚、励磁電流の周波数は駆動回路32[1]〜32[8]間で同じであるとする。但し、励磁電流の周波数を、異なる駆動回路間で異ならせることも可能である。また、駆動回路32[1]〜32[8]、電流検出部33及び制御回路34の基準電位は共通であり、直流電圧VDCを駆動源として電流検出部33及び制御回路34を動作させることができる。
電流検出部33は、整流回路31から駆動回路32[1]〜32[8]に供給される入力電流IIN[1]〜IIN[8]を検出対象電流として取り扱って、駆動回路32[1]〜32[8]に供給される検出対象電流の電流値(即ち、入力電流IIN[1]〜IIN[8]の大きさ)を対象電流値IDET[1]〜IDET[8]として個別に検出する。入力電流IIN[i]は脈動するが、平滑化回路等を必要に応じて用いつつ、電流検出部33は、入力電流IIN[i]の直流成分を検出し、その直流成分の大きさを対象電流値IDET[i]として検出することができる。例えば、電流検出部33を、入力電流IIN[1]〜IIN[8]が流れる8つの配線の夫々に直列に介在するシャント抵抗(不図示)と、それらのシャント抵抗の両端間電圧のアナログ信号をサンプリングしてデジタル電圧信号に変換するA/D変換器(不図示)と、で形成することができる。
便宜上、1組の一次側コア12[i]及び一次側コイル13[i]から成る部位を送電部と呼び、1組の磁気フィルム22及び二次側コイル23から成る部位を受電部と呼ぶ。1つの送電部とそれに対応する1つの受電部とから成る磁気回路をトランスとみなすことができる。窪み部11[i]に対する二次側機器2の配置状態の変化は、一次側コイル13[i]を含んで形成されるトランスの二次側負荷の変化として現れ、該二次側負荷の変化は、一次側コイル13[i]を含んで形成されるトランスの一次側電流の変化となって現れる。駆動回路32[i]への入力電流IIN[i]を、一次側コイル13[i]を含んで形成されるトランスの一次側電流とみなすことができる。
制御回路34は、一次側電流が二次側負荷に依存するという事実を利用し、電流検出部33の検出結果に基づいて、二次側機器2の配置状態を個別に検出する処理(以下、個別検出処理ともいう)を実行する。この個別検出処理によって、窪み部ごとに、窪み部11[i]上に二次側機器2が配置されているか否かが検出される。加えて、窪み部ごとに、窪み部11[i]上に異物が配置されているのか否かを検出することも可能である。ここで、異物とは、二次側機器2とは異なる汎用の乾電池や任意の導電体を指す。例えば、駆動回路32[i]が一次側コイル13[i]に励磁電流を供給している時に検出された対象電流値IDET[i]を所定の閾値ITHと比較し、不等式「IDET[i]≧ITH」が成立する場合に二次側機器2が窪み部11[i]に配置されていると判断する一方、該不等式が不成立の場合には二次側機器2が窪み部11[i]に配置されていないと判断する。
そして、制御回路34は、二次側機器2が配置されていると判断された窪み部に対応する一次側コイルを駆動対象コイルとして設定し、該駆動対象コイルに励磁電流を供給することで、駆動対象コイルに対応する二次側機器2内の二次電池21を充電する。即ち例えば、窪み部11[1]〜11[8]の内、窪み部11[1]〜11[4]にのみ二次側機器2が配置されていると判断される場合には、一次側コイル13[1]〜13[4]を駆動対象コイルとして設定する一方で一次側コイル13[5]〜13[8]を非駆動対象コイルとして設定し、駆動対象コイルに接続された駆動回路32[1]〜32[4]においてのみ、二次側機器2[1]〜2[4]内の各二次電池21の充電を目的とした発振を行わせる。これにより、各駆動対象コイルに励磁電流が供給されて窪み部11[1]〜11[4]上の二次側機器2[1]〜2[4]における各二次電池21が充電される(二次側機器2の配置状態の個別検出処理を目的とする以外、非駆動対象コイルへの励磁電流の供給は成されない)。また例えば、窪み部11[1]〜11[8]の全てに二次側機器2が配置されていると判断される場合には、一次側コイル13[1]〜13[8]の全てが駆動対象コイルとして設定されて、窪み部11[1]〜11[8]上の二次側機器2[1]〜2[8]における各二次電池21が充電される。
窪み部11[i]に二次側機器2[i]が配置されていると判断して一次側コイル13[i]に対する励磁電流の供給を開始した後、所定の時間(例えば、12時間)が経過すると、制御回路34は、二次側機器2[i]内の二次電池21が満充電状態になったと判断して、一次側コイル13[i]に対する励磁電流の供給を停止する。
図11は、二次側機器2の概略的な電気回路図である。1つの二次側機器2において、二次側コイル23は整流回路25の入力側に接続され、整流回路25の出力側には二次電池21が接続される。整流回路25は、上述のフレキシブル基板24上に実装される。1つの二次側機器2において、一次側コイル13[1]〜13[8]の何れかから二次側コイル23に交流電力が伝達されるとともに該交流電力は整流回路25にて直流電力に変換され、整流回路25からの直流電力によって二次電池21が充電される。二次電池21を充電するための、整流回路25から二次電池21に供給される電流を充電電流と呼ぶ。
交流の励磁電流を一次側コイル13[i]に流すことで二次側機器2[i]内の二次側コイル23に誘導起電力を生じさせて該誘導起電力にて二次側機器2[i]内の二次電池21を充電することができる任意の回路を、一次側機器1及び二次側機器2[i]に搭載することができる。例えば、図12に示すような回路構成を有する駆動回路32[1]及び整流回路25を、一次側機器1及び二次側機器2[1]に設けることができる。図12に示される駆動回路32[1]はコンデンサ35及び36並びにFET(電界効果トランジスタ)37及び38から成り、図12に示される整流回路25はダイオード41及び42並びにコンデンサ43から成る。駆動回路32[2]〜32[8]の回路構成は駆動回路32[1]のそれと同じである。
このように、一次側機器1は、最大8つの二次側機器2を同時に充電することが可能であり、一次側コイルごとに駆動回路の動作を制御することで二次側機器ごとに充電制御を行うことが可能である。以下、上述の構成を基本とした複数の実施例を説明する。
<<第1実施例>>
第1実施例を説明する。一次側機器1のように複数の一次側コイルを並べた場合において、仮に近接した一次側コイルに対して同時に励磁電流を供給すると、それらの一次側コイルの発生磁束の影響により、対応する二次側機器2の充電電流が増大方向に向かう。
例えば、図13(a)に示す如く、二次側機器2[i]が存在する一方で二次側機器2[i−1]及び2[i+1]が存在しない第1ケースと、図13(b)に示す如く、二次側機器2[i−1]〜2[i−1]が存在する第2ケースと、を考える。第1及び第2ケースを考える場合においては、iは2以上7以下の整数である。図13(a)及び(b)は、夫々、第1及び第2ケースにおける、Y軸方向から見た二次側機器2[i]の周辺イメージ図である。第1ケースにおいては、一次側コイル13[i−1]〜13[i+1]の内、一次側コイル13[i]にのみ励磁電流が供給されて二次側機器2[i]内の二次電池21に充電電流IC[i]が供給される。第2ケースにおいては、一次側コイル13[i−1]〜13[i+1]の全てに励磁電流が供給されて二次側機器2[i]内の二次電池21に充電電流IC’[i]が供給されると共に、二次側機器2[i−1]及び2[i+1]内の二次電池21にも充電電流が供給される。
そして、第2ケースにおいて一次側コイル13[i−1]〜13[i+1]の全てに励磁電流を同時に且つ連続的に供給すると仮定したならば、充電電流IC[i]よりも充電電流IC’[i]の方が大きくなる。一次側コイル13[i−1]及び13[i+1]と二次側機器2[i]内の二次側コイル23との距離が比較的近いことに起因して、一次側コイル13[i]だけでなく一次側コイル13[i−1]及び13[i+1]の発生磁束も二次側機器2[i]内の二次側コイル23を鎖交するからである。更に、上記仮定の下において、二次側機器2[i−2]が存在しないならば、二次側機器2[i−1]内の二次電池21への充電電流が充電電流IC’[i]よりも小さくなることが想定される(二次側機器2[i+2]が存在しない場合における二次側機器2[i+1]の充電電流についても同様)。
図14に、第2ケースにおいて、一次側コイル13[i−1]〜13[i+1]への励磁電流供給を実験的に変化させた時における、二次側機器2[i−1]〜2[i+1]の充電電流の波形を示す(図14に示すような充電電流制御は、実稼動時において制御回路34が実際に行うものと異なる)。図14に示す実験では、時刻tに至るまで一次側コイル13[i−1]〜13[i+1]へ同時に且つ連続的に励磁電流を供給し、時刻t以降において、一次側コイル13[i−1]に対する励磁電流の供給のみを停止した。図14における波形311〜313は、夫々、この実験において得られた、二次側機器2[i−1]〜2[i+1]内の二次電池21に対する充電電流の波形である。
時刻tにおいて一次側コイル13[i−1]への励磁電流の供給を停止すると、二次側機器2[i−1]内の二次電池21に対する充電電流は急峻にゼロ又は略ゼロに向かうが、この際、二次側機器2[i]内の二次電池21への充電電流も相当量低下する(波形311及び312参照)。このことからも、二次側機器2[i]内の二次電池21の充電に、一次側コイル13[i−1]の発生磁束が大きく影響していることが分かる。一方で、二次側機器2[i+1]内の二次電池21に対する充電電流は、時刻t以前と時刻t以後とで殆ど変化しない。これは、一次側コイル13[i−1]の発生磁束が二次側機器2[i+1]内の二次電池21の充電に殆ど影響しない程度に、一次側コイル13[i−1]が二次側機器2[i+1]から離れていることを示している。
このように、駆動対象コイル(上記第2ケースにおいては一次側コイル13[i−1]〜13[i+1])に対して単純に励磁電流を連続供給したとしたならば、窪み部11[1]〜11[8]に対する二次側機器2の配置状態に依存して充電電流が様々に変化し、満充電までに要する時間にばらつきが生じる。一方で、図14からも分かるように、一次側コイル13[i−1]の発生磁束は二次側機器2[i+1]内の二次電池21の充電に殆ど影響を与えない。
これを考慮し、制御回路34は、互いに隣接する複数の窪み部の夫々に二次側機器2が配置されている場合、互いに隣接する駆動対象コイルへの励磁電流の供給が同時に行われないように各駆動対象コイルへの励磁電流の供給を間欠的に行い、これによって各窪み部に配置された二次側機器2内の二次電池21の充電電流を平準化する。
例えば、窪み部11[1]〜11[8]の全てに二次側機器2が配置されている第3ケースにおいて、図15に示すようなタイミングで励磁電流の供給を行う。図15の実線折れ線331〜338は、夫々、第3ケースにおいて一次側コイル13[1]〜13[8]に供給される励磁電流の大きさ(振幅)I13[1]〜I13[8]の時間変化を表している。
制御回路34は、時刻t(2j−1)及び時刻t2j間では、駆動回路32[1]、32[3]、32[5]及び32[7]のみを発振状態にさせることで、一次側コイル13[1]、13[3]、13[5]及び13[7]に励磁電流を同時に且つ連続的に供給する一方で一次側コイル13[2]、13[4]、13[6]及び13[8]に対する励磁電流の供給を停止する。逆に、時刻t2j及び時刻t(2j+1)間では、駆動回路32[2]、32[4]、32[6]及び32[8]のみを発振状態にさせることで、一次側コイル13[2]、13[4]、13[6]及び13[8]に励磁電流を同時に且つ連続的に供給する一方で一次側コイル13[1]、13[3]、13[5]及び13[7]に対する励磁電流の供給を停止する。
ここで、jは自然数であり、時間が進行するにつれて時刻t、t、t、・・・、t(2j−1)、t2j、t(2j+1)、・・・の順番で各時刻が訪れるものとする。時刻t(2j−1)及び時刻t2j間の時間長さと、時刻t2j及び時刻t(2j+1)間の時間長さを同じにすることができる。
このような制御を行うことで、近接する送電部(一次側コア及び一次側コイルから成る送電部)からの磁束の影響を軽減することができるため、充電電流の平準化を実現することが可能となる。結果、二次側機器2の設置状態に依存せず、充電電流のばらつきを抑えることが可能となり、満充電までに必要な時間を均一化することが可能となる。
尚、上述の説明では、一次側筐体1に設けられた窪み部の個数が8個であって、それに伴って一次側筐体1に設けられた送電部の個数が8個となっているが、一次側筐体1に設けられるべき窪み部及び送電部の個数はn個とすることができ、nを8以外の整数とすることもできる(後述の他の実施例においても同様)。但し、上述の制御を有効にするべく、nは3以上(望ましくは例えば4以上)の整数とされる。
また、図15に示す例では、一次側機器1に設けられた8つの一次側コイルを2つのグループに分け、励磁電流の供給タイミングを異なるグループ間で異ならせている。即ち、一方のグループに属する一次側コイルに励磁電流を供給しつつ他方のグループに属する一次側コイルへの励磁電流の供給を停止する状態と、それの逆の状態とが交互に現れるように各駆動回路を制御しているが、一次側機器1に設けられたn個の一次側コイルを3以上のグループに分けるようにしても良い。
例えば、図1に示されるようにn=8である場合、一次側コイル13[1]〜13[8]を4つのグループに分けることも可能である。この場合、一次側コイル13[1]及び13[5]が第1のグループに属し、一次側コイル13[2]及び13[6]が第2のグループに属し、一次側コイル13[3]及び13[7]が第3のグループに属し、一次側コイル13[4]及び13[8]が第4のグループに属する。そして、第1のグループに属する一次側コイルに励磁電流を供給しつつ第2〜第4のグループに属する一次側コイルへの励磁電流の供給を停止する第1状態と、第2のグループに属する一次側コイルに励磁電流を供給しつつ第1、第3及び第4のグループに属する一次側コイルへの励磁電流の供給を停止する第2状態と、第3のグループに属する一次側コイルに励磁電流を供給しつつ第1、第2及び第4のグループに属する一次側コイルへの励磁電流の供給を停止する第3状態と、第4のグループに属する一次側コイルに励磁電流を供給しつつ第1〜第3のグループに属する一次側コイルへの励磁電流の供給を停止する第4状態とが、順番に且つ周期的に現れるように各駆動回路を制御すれば良い。即ち、第1、第2、第3及び第4状態が順番に現れる期間を単位期間とし、単位期間が周期的に訪れるように各駆動回路を制御すれば良い。
また例えば、以下のように考えることができる。窪み部11[1]〜11[8]は8つの二次側機器2を配置することのできる機器配置部として機能する。尚、二次側機器2が配置されるべき部分は窪み部である必要は必ずしもない。例えば、一次側機器1の筐体表面に、複数の二次側機器2の配置場所を表す複数のマーカ(例えば四角枠形状のマーカ)を記しておくようにしても良い。この場合、複数のマーカが記された筐体表面が機器配置部として機能し、ユーザは各マーカが記された部分に各二次側機器2を配置する。駆動回路32[1]〜32[8]は、一次側コイル13[1]〜13[8]に励磁電流を供給する励磁電流供給部を形成する。励磁電流供給部の構成要素に、制御回路34が更に含まれていると考えることも可能である。また、駆動回路32[1]〜32[8]の1つ1つが励磁電流供給部である、と考えることも可能である。
<<第2実施例>>
第2実施例を説明する。第2実施例は、第1実施例を基礎とする実施例であり、第2実施例において特に述べない事項に関しては、矛盾なき限り第1実施例の記載が第2実施例にも適用される。
第1実施例では、一次側コイル13[i]に供給される励磁電流の位相を特に議論しなかったが、ここで、励磁電流の位相との関係における二次側コイルの鎖交磁束について考察する。今、図16に示す如く、X軸方向に沿って等間隔で配置された一次側コイル13、13及び13と、X軸方向に沿って等間隔で配置された二次側コイル23、23及び23とを含む解析モデルを想定する。一次側コイル13は一次側コイル13と一次側コイル13の間に配置され、二次側コイル23は二次側23と二次側コイル23の間に配置されている。一次側コイル13、13及び13は、夫々、二次側コイル23、23及び23に対応している。一次側コイル13と二次側コイル23は磁気的に結合しており、一次側コイル13に交流の励磁電流を供給すれば電磁誘導によって二次側コイル23に誘導起電力が生じる。一次側コイル13及び二次側コイル23についても同様であり、一次側コイル13及び二次側コイル23についても同様である。
今、一次側コイル13、13及び13の内、一次側コイル13及び13にのみ交流の励磁電流を供給した場合を考える。この際、一次側コイル13に供給される励磁電流の位相と一次側コイル13に供給される励磁電流の位相が同じである状態を同位相状態と呼び、一次側コイル13に供給される励磁電流の位相と一次側コイル13に供給される励磁電流の位相とが逆である状態を逆位相状態と呼ぶ。例として、各一次側コイルに供給される励磁電流の電流値が“A・sin(2πft+θ)”で表される場合を想定する。そうすると、一次側コイル13に対する基準位相θと一次側コイル13に対する基準位相θとの位相差が“0+m・2π”である状態は同位相状態に相当し、該位相差が“π+m・2π”である状態が逆位相状態に相当する。位相及び位相差の単位はラジアンである。A、π、f及びtは、夫々、励磁電流の振幅、円周率、励磁電流の周波数及び時間を表す。mは任意の整数である。励磁電流の振幅及び周波数は、全ての一次側コイル間で共通であるとする。
同位相状態においては、図17(a)に示す如く、一次側コイル13への励磁電流に基づいて生じた二次側コイル23の誘導電流401と、一次側コイル13への励磁電流に基づいて生じた二次側コイル23の誘導電流402とが、同位相の電流となる。結果、前者の誘導電流401により二次側コイル23に生じた磁束411の向きと、後者の誘導電流403により二次側コイル23に生じた磁束413の向きは同じとなるため、磁束411及び磁束413は加算された上で二次側コイル23を鎖交する。そうすると、一次側コイル13に励磁電流を供給していないにも関らず、二次側コイル23においては磁束411及び413の鎖交による誘導起電力が発生する。図18の波形451は、一次側コイル13に励磁電流を供給していない条件下における、同位相状態での二次側コイル23の誘導起電力の波形である。
一方、逆位相状態においては、図17(b)に示す如く、一次側コイル13への励磁電流に基づいて生じた二次側コイル23の誘導電流421と、一次側コイル13への励磁電流に基づいて生じた二次側コイル23の誘導電流423とが、逆位相の電流となる。結果、前者の誘導電流421により二次側コイル23に生じた磁束431の向きと、後者の誘導電流423により二次側コイル23に生じた磁束433の向きは逆となるため、二次側コイル23において磁束431及び磁束433は互いに打ち消しあうように作用する。そうすると、二次側コイル23においては磁束431及び433の鎖交による誘導起電力は全く或いは殆ど発生しない。図18の波形452は、一次側コイル13に励磁電流を供給していない条件下における、逆位相状態での二次側コイル23の誘導起電力の波形である。
上述の一次側コイル13、13及び13を、それぞれ上述の一次側コイル13[i−1]、13[i]及び13[i+1]とみなすことができると共に、二次側コイル23、23及び23を、それぞれ上述の二次側機器2[i−1]、2[i]及び2[i+1]の二次側コイル23とみなすことができる。そして、上述の逆位相状態を実現する位相制御を、一次側機器1(例えば、図10の制御回路34)において実行することができる。
つまり、二次側機器2[i−1]、2[i]及び2[i+1]が一次側機器1に配置されている状態において、一次側コイル13[i−1]、13[i]及び13[i+1]を夫々一次側コイル13、13及び13と見立てて、逆位相状態にて励磁電流の供給を行うと良い。より具体的には例えば、一次側コイル13[i]に対する励磁電流の供給が停止されているタイミングにおいて、一次側コイル13としての一次側コイル13[i−1]に供給される励磁電流の位相と一次側コイル13としての一次側コイル13[i+1]に供給される励磁電流の位相とを逆にする。これにより、一次側コイル13[i−1]への励磁電流供給に基づく二次側機器2[i−1]内の二次側コイル23の発生磁束(図17(b)の磁束431に相当)と、一次側コイル13[i+1]への励磁電流供給に基づく二次側機器2[i+1]内の二次側コイル23の発生磁束(図17(b)の磁束433に相当)とが、二次側機器2[i]内の二次側コイル23において互いに打ち消しあい、結果、二次側機器2[i]内の二次側コイル23において前者の発生磁束(図17(b)の磁束431に相当)と後者の発生磁束(図17(b)の磁束433に相当)の鎖交による誘導起電力は、全く或いは殆ど発生しなくなる。
また、この際、一次側コイル13[i−1]の発生磁束の向きと一次側コイル13[i+1]の発生磁束の向きも互いに反対となるため、一次側コイル13[i−1]及び13[i+1]の発生磁束も二次側機器2[i]内の二次側コイル23において互いに打ち消し合う。故に、二次側機器2[i]内の二次側コイル23において一次側コイル13[i−1]及び13[i+1]の発生磁束の鎖交による誘導起電力も、全く或いは殆ど発生しなくなる。
窪み部11[1]〜11[8]の全てに二次側機器2が配置されている状況においても同様である。この状況下において、第1実施例と同様、図15に示すようなタイミング関係で励磁電流の供給を行う際には、以下のようにすればよい。
図15の時刻t(2j−1)及び時刻t2j間の期間において、一次側コイル13[1]、13[3]、13[5]及び13[7]に対する励磁電流の位相を、一次側コイル13[1]及び13[3]間で逆にし且つ一次側コイル13[3]及び13[5]間で逆にし且つ一次側コイル13[5]及び13[7]間で逆にする。
図15の時刻t2j及び時刻t(2j+1)間において、一次側コイル13[2]、13[4]、13[6]及び13[8]に対する励磁電流の位相を、一次側コイル13[2]及び13[4]間で逆にし且つ一次側コイル13[4]及び13[6]間で逆にし且つ一次側コイル13[6]及び13[8]間で逆にする。
上述のような位相制御を実現するために、図19に示す如く、X軸方向(図4参照)に沿って、2つの一次側コイルごとに励磁電流の極性を反転させると良い。即ち、一次側コイル13[1]、13[2]、13[5]及び13[6]をα組に分類する一方で一次側コイル13[3]、13[4]、13[7]及び13[8]をβ組に分類する。そして、任意のタイミングにおいて、α組に属する一次側コイルの励磁電流の位相を全て同じにすると共にβ組に属する一次側コイルの励磁電流の位相を全て同じにし、一方で、α組に属する一次側コイルの励磁電流の位相とβ組に属する一次側コイルの励磁電流の位相を逆にする。
励磁電流における位相の逆とは、或る程度の幅を持った概念と解釈されるべきである。従って、理想的には、一次側コイル13[i−1]に対する基準位相θと一次側コイル13[i+1]に対する基準位相θとの位相差を“π+m・2π”にすればよいが、該位相差は“π+m・2π”から若干ずれていても構わない(但し、少なくとも、該位相差は“0+m・2π”ではない)。また、或る磁束と他の磁束との打ち消しとは、完全なる打ち消しを意味するだけでなく、部分的な打ち消しをも包含する概念である。
尚、上述の位相制御は、他の様々なケースにおいても利用可能である。例えば、窪み部11[3]〜11[5]に二次側機器2[3]〜2[5]が配置されているケースにおいて、二次側機器2[4]の二次電池21は満充電状態である一方で二次側機器2[3]及び2[5]の二次電池21は満充電状態ではないとき、制御回路34は、二次側機器2[4]を非充電対象に設定する一方で二次側機器2[3]及び2[5]を充電対象に設定する。非充電対象に設定された二次側機器に対しては充電が禁止され、充電対象に設定された二次側機器に対しては充電が許可される。従って、この場合、制御回路34は、一次側コイル13[4]への励磁電流供給を停止する一方で一次側コイル13[3]及び13[5]への励磁電流供給を許可するが、この際、一次側コイル13[3]に供給される励磁電流の位相と一次側コイル13[5]に供給される励磁電流の位相とを逆にすると良い。これにより、非充電対象に対する意図しない充電(二次側機器2[4]の充電)がより確実に抑制される。
更に、上述の位相制御を利用すれば、充電電流のばらつきを抑制しつつ、一次側コイル13[i−1]、13[i]及び13[i+1]に対して同時に励磁電流を供給する充電制御も可能となる。即ち例えば、窪み部11[1]〜11[8]の全てに二次側機器2が配置されている状況下において、二次側機器2[1]〜2[8]の二次電池21の全てが満充電状態ではないとき、制御回路34は、一次側コイル13[1]〜13[8]の全てに同時に励磁電流を供給しても良い。但し、この際、図19に示す如く、任意のタイミングにおいて、一次側コイル13[1]、13[2]、13[5]及び13[6]の励磁電流の位相を全て同じにすると共に一次側コイル13[3]、13[4]、13[7]及び13[8]の励磁電流の位相を全て同じにし、一方で、一次側コイル13[1]、13[2]、13[5]及び13[6]の励磁電流の位相と一次側コイル13[3]、13[4]、13[7]及び13[8]の励磁電流の位相を逆にする。
上述のような位相制御によって、二次側機器2[i]に対応していない一次側コイル(例えば、一次側コイル13[i−1]、13[i+1])への励磁電流供給に由来する、二次側機器2[i]の充電が抑制される。結果、意図していない充電の発生が抑制され、充電電流のばらつき等も抑制される。
<<第3実施例>>
第3実施例を説明する。複数の二次側機器2を一定方向のみに沿って設置することのできる一次側機器を例示したが、複数の二次側機器を様々な配置関係で配置できるように一次側機器を形成しても良い。
例えば、図20(a)に示す如く、複数の二次側機器をマトリクス状に設置することのできる一次側機器101を形成しても良い。図20(a)の一次側機器101の上面には16個の窪み部が形成されており、各窪み部に1つずつ二次側機器2を設置することができる。一次側機器101に設置される16個の二次側機器2を、1≦i≦4且つ1≦j≦4を満たす整数i及びjを用いて、二次側機器2[i,j]と表記する。図20(b)に示す如く、16個の二次側機器2[1,1]〜2[4,4]を上方から見た平面上において、二次側機器2[i,j]の右側、左側、上側及び下側に隣接する二次側機器2は、夫々、二次側機器2[i,j+1]、2[i,j−1]、2[i−1,j]、2[i+1,j]であるとする。二次側機器2[i,j]内の二次側コイルを二次側コイル23[i,j]と表記する。
一次側機器101には、一次側機器101に設置される二次側機器2ごとに、一次側コア及び一次側コイルから成る送電部が設けられている。二次側機器2[i,j]に対応する送電部の一次側コイルを一次側コイル13[i,j]と表記する。一次側コイル13[i,j]と二次側コイル23[i,j]とは磁気的に結合しており、一次側コイル13[i,j]に交流の励磁電流を供給すれば電磁誘導によって二次側コイル23[i,j]に誘導起電力が生じて、二次側機器2[i,j]内の二次電池21が充電される。
このような一次側機器101においても、一次側コイル13[i,j]に励磁電流が供給された際、図17(a)を参照して説明した原理に従って二次側コイル23[i,j]以外の二次側コイルに誘導起電力が発生しうる。一次側機器101においては、充電対象となる二次側機器2の配置パターンは様々となるが、夫々の配置パターンに対して励磁電流の位相を最適化することで、意図しない充電を回避することができる。
例えば、一次側コイル13[3,2]、13[3,4]、13[2,3]及び13[4,3]に同時に励磁電流を供給する際、図21に示す如く、一次側コイル13[3,2]及び13[3,4]に対する励磁電流の位相と一次側コイル13[2,3]及び13[4,3]に対する励磁電流の位相を逆にする。より具体的には例えば、一次側コイル13[3,2]及び13[3,4]に対する励磁電流の基準位相θを“0”に設定する一方で、一次側コイル13[2,3]及び13[4,3]に対する励磁電流の基準位相θを“π”に設定する。これにより、一次側コイル13[3,2]、13[3,4]、13[2,3]及び13[4,3]への励磁電流供給に基づく二次側コイル23[3,2]、23[3,4]、23[2,3]及び23[4,3]の発生磁束が、二次側コイル23[3,3]において互いに打ち消され、それらの発生磁束による二次側機器2[3,3]の充電を抑制することができる。
一次側コイル13[3,2]、13[3,4]、13[2,3]及び13[4,3]に同時に励磁電流を供給する際、第2実施例で述べたように、一次側コイル13[3,3]に励磁電流が供給されていなくても良いし、一次側コイル13[3,3]に励磁電流が供給されていても良い。
<<変形等>>
上述した説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。上述の実施形態の変形例または注釈事項として、以下に、注釈1〜注釈5を記す。各注釈に記載した内容は、矛盾なき限り、任意に組み合わせることが可能である。
[注釈1]
上述の実施形態では、二次側機器2の外形形状が単三型又は単四型の乾電池のそれと同一であることを想定したが、二次側機器2の外形形状は、単三型及び単四型以外の汎用の乾電池(例えば、単一型又は単二型の乾電池)のそれと同じであっても良い。また、二次側機器2の外形形状を汎用の乾電池のそれと異ならせることも可能である。更に、二次側機器2は、二次電池21を駆動源とする円筒形状の電気機器(例えば、懐中電灯)であってもよい。
[注釈2]
上述の実施形態では、充電可能な蓄電体として二次側機器2内に二次電池21を設けているが、二次電池21の代わりに二次電池以外の蓄電体(例えば、コンデンサ)を二次側機器2内に設けるようにしても良い。
[注釈3]
上述した非接触の電力伝送方式は一般的に電磁誘導方式と呼ばれているが、磁気共鳴方式を利用して一次側機器から二次側機器への電力伝送を実現するようにしても良く、本発明は磁気共鳴方式を利用した構成を含む。磁気共鳴方式では、電磁誘導方式と同様に、送電コイルとしての一次側コイルと受電コイルとしての二次側コイルを用いて電力伝送を行うが、電磁誘導方式と比べて、一次側コイル及び二次側コイル間の距離が大きくても高い伝送効率を得ることができる。磁気共鳴方式を利用して電力伝送を行う一次側機器及び二次側機器の構成は、電磁誘導方式を利用して電力伝送を行うそれらと基本的に同じであり、前者及び後者間の主な相違点は、励磁周波数ωとコイルのインダクタンスLである。Lは、一次側コイル及び二次側コイルのインダクタンスに依存する値を有する。ωは、一次側コイルに供給される励磁電流の角周波数である。
一次側コイル及び二次側コイル間の伝送効率は、一次側コイル及び二次側コイル間の結合の強さkと、“Q=ωL/(Rohm+Rrad)”によって定義される指標Qと、によって決まり、k及びQを高めることにより伝送効率を高めることができる。ここで、Rohmは、一次側コイル及び二次側コイルの抵抗値に依存する抵抗成分を表し、Rradは、電力の放射に寄与する抵抗成分を表す。一次側コイル及び二次側コイル間の距離が大きくなると結合の強さkが低下するが、この場合においても、励磁周波数ω及びインダクタンスLを高くすることでQが高まり、高効率の電力伝送が可能となる。
[注釈4]
また例えば、二次側機器2は電動車両(電気自動車、電気自動二輪車など)であっても良い。この場合、図22に示す如く、二次側機器2としての電動車両502を駐車させておく駐車場501を一次側機器1として機能させることができる。駐車場501の設置面(機器配置部)に、複数の電動車両502が配置される。駐車場501は、上述した一次側機器1の構成と同様の構成を有し、電動車両502は、上述した二次側機器2の構成と同様の構成を有する。二次側機器2としての電動車両502は、二次電池21のみを駆動源として用いて走行する電動車両であっても良いし、二次電池21と該二次電池21以外のエネルギー源(例えば化石燃料)を駆動源として併用した上で走行するハイブリッド式電動車両であっても良い。駐車場501の定められた複数の位置に複数の電動車両502を駐車させた状態で、駐車場501に設けられた複数の一次側コイルに励磁電流を供給することで、複数の電動車両502内の二次電池21を充電することができる。この場合、一次側コイル及び二次側コイル間の距離が比較的大きくなることが想定されるため、上述の磁気共鳴方式を利用して充電を成すことが望ましい。
[注釈5]
図3及び図4等に示される一次側機器1において、例えば、窪み部11[1]〜11[8]をX軸方向に沿って等間隔で配置することができ、これに伴って一次側コア12[1]〜12[8]もX軸方向に沿って等間隔で配置することができる共に一次側コイル13[1]〜13[8]もX軸方向に沿って等間隔で配置することができる。この場合、窪み部11[1]〜11[8]上における二次側機器2[1]〜2[8]もX軸方向に沿って等間隔で配置され、これに伴って二次側機器2[1]〜2[8]内の各構成部品(例えば二次側コイル23)もX軸方向に沿って等間隔で配置される。
図20(a)に示される一次側機器101において、例えば、複数の窪み部を第1方向に沿って等間隔で配置することができると共に第1方向に直交する第2方向に沿って等間隔で配置することができ、これに伴って複数の一次側コア及び複数の一次側コイルも第1方向に沿って等間隔で配置することができると共に第2方向に沿って等間隔で配置することができる。この場合、一次側機器101の複数の窪み部上における複数の二次側機器2も、第1方向に沿って等間隔で配置されると共に第1方向に直交する第2方向に沿って等間隔で配置される。一次側機器101の複数の窪み部上における複数の二次側機器2内の各構成部品(例えば、二次側コイル)も同様である。尚、第1方向に沿って隣接する窪み部間の間隔と第2方向に沿って隣接する窪み部間の間隔は、一致していても良いし、一致していなくても良い。一次側コア及び一次側コイルについても同様である。
上述した等間隔の配置は、図22の駐車場501及び電動車両502を一次側機器1及び二次側機器2として機能させる場合にも同様に適用されうる。尚、等間隔で配置されるとは、複数の物体が或る方向に沿って厳密に同じ間隔で配置されることを意味するだけでなく、複数の物体が或る方向に沿って略同じ間隔で配置されることをも意味する。
1 一次側機器
2、2[i] 二次側機器
10 一次側筐体
11[i] 窪み部
12[i] 一次側コア
13[i] 一次側コイル
20 二次側筐体
21 二次電池
22 磁気フィルム
23 二次側コイル
24 フレキシブル基板
25 整流回路
31 整流回路
32[i] 駆動回路
33 電流検出部
34 制御回路

Claims (6)

  1. 各々に二次側コイル及び蓄電体が設けられた複数の二次側機器が配置されるべき機器配置部と、
    前記機器配置部に配置された前記複数の二次側機器に個別に対応し、対応する二次側機器内の二次側コイルと磁気的に結合する複数の一次側コイルと、
    各一次側コイルに個別に交流の電流を供給することによって、前記機器配置部に配置された各二次側機器の二次側コイルに起電力を生じさせて各二次側機器内の蓄電体を充電する電流供給部と、を備えた非接触式充電器であって、
    前記複数の二次側機器は、前記機器配置部に配置された第1及び第2の二次側機器を含み、
    前記複数の一次側コイルは、前記第1及び第2の二次側機器に対応する、互いに隣接した第1及び第2の一次側コイルを含み、
    前記電流供給部は、前記第1の一次側コイルに電流を供給しているときにおいて前記第2の一次側コイルへの電流の供給を停止し、前記第2の一次側コイルに電流を供給しているときにおいて前記第1の一次側コイルへの電流の供給を停止する
    ことを特徴とする非接触式充電器。
  2. 前記複数の二次側機器は、前記機器配置部に配置された第3の二次側機器を更に含み、
    前記複数の一次側コイルは、前記第3の二次側機器に対応する第3の一次側コイルを更に含み、
    前記第1の一次側コイルは、前記第3の一次側コイルよりも、前記第2の一次側コイルの近くに配置され、
    前記電流供給部は、前記第1の一次側コイルに電流を供給しているときにおいて前記第2の一次側コイルへの電流の供給を停止する一方で前記第3の一次側コイルには電流を供給し、前記第2の一次側コイルに電流を供給しているときにおいて前記第1及び第3の一次側コイルへの電流の供給を停止する
    ことを特徴とする請求項1に記載の非接触式充電器。
  3. 前記複数の一次側コイルは、第1〜第nの一次側コイルから成り(nは2以上の整数)、
    第iの一次側コイルと第(i+1)の一次側コイルが互いに隣接するように、前記第1〜第nの一次側コイルは所定方向に沿って並べて配置され(iは1以上であって且つ(n−1)以下の整数)、
    前記電流供給部は、前記複数の二次側機器としての第1〜第nの二次側機器内の蓄電体を充電する際、前記第iの一次側コイルへの電流の供給と前記第(i+1)の一次側コイルへの電流の供給を交互に実行する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非接触式充電器。
  4. 前記電流供給部は、前記第1及び第3の一次側コイルに電流を供給する際、前記第1の一次側コイルに供給する電流の位相と前記第3の一次側コイルに供給する電流の位相とを互いに異ならせる
    ことを特徴とする請求項2に記載の非接触式充電器。
  5. 各々に二次側コイル及び蓄電体が設けられた複数の二次側機器が配置されるべき機器配置部と、
    前記機器配置部に配置された前記複数の二次側機器に個別に対応し、対応する二次側機器内の二次側コイルと磁気的に結合する複数の一次側コイルと、
    各一次側コイルに個別に交流の電流を供給することによって、前記機器配置部に配置された各二次側機器の二次側コイルに起電力を生じさせて各二次側機器内の蓄電体を充電する電流供給部と、を備えた非接触式充電器であって、
    前記複数の二次側機器は、前記機器配置部に配置された第1〜第3の二次側機器を含み、
    前記複数の一次側コイルは、前記第2の二次側機器に対応する第2の一次側コイルと、前記第2の一次側コイルに隣接する第1及び第3の一次側コイルを含み、
    前記電流供給部は、前記第1の一次側コイルに供給する電流の位相と前記第3の一次側コイルに供給する電流の位相とを互いに異ならせる
    ことを特徴とする非接触式充電器。
  6. 前記電流供給部は、前記第1の一次側コイルへの電流の供給に基づく前記第1の二次側機器内の二次側コイルでの発生磁束と、前記第3の一次側コイルへの電流の供給に基づく前記第3の二次側機器内の二次側コイルでの発生磁束とが、前記第2の二次側機器内の二次側コイルにおいて互いに打ち消しあうように、前記第1の一次側コイルに供給する電流の位相と前記第3の一次側コイルに供給する電流の位相とを互いに異ならせる
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の非接触式充電器。
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