JP2011043487A - 温度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 EGRガス等の温度測定用として、熱応答性をさらに向上させることができる温度センサを提供すること。
【解決手段】 有底筒状の金属管2と、該金属管2の底部内面に設置され一対の端子電極が形成された感熱素子4と、一対の端子電極に接続された一対のリード線5と、を備え、金属管2の底部に貫通孔2aが形成され、該貫通孔2aを閉塞状態に感熱素子4が設置されている。これにより、感熱素子4の少なくとも一部が金属管2の一端部で外部に露出状態となり、直接的に外部の排気ガス等の雰囲気ガスと接触可能になることで、熱応答性を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばEGR(Exhaust Gas Recirculation)ガスの温度測定に好適な温度センサに関する。
ディーゼルエンジンを搭載した自動車等では、Oの少ない排気ガスを再び燃焼工程へ送り燃焼温度を下げることで、窒素酸化物(NOx)の排出量を低減させるEGR(Exhaust Gas Recirculation:排気ガス再循環)システムが採用されている。
このEGRシステムでは、EGRバルブ(排ガス還流制御弁)の吸入ポートにEGRガスの温度を検出するための温度センサが取り付けられ、最適な酸素濃度制御が行われている。
従来、ERGガス等の温度検出用の温度センサとしては、例えば、特許文献1及び2には、円錐状のガラスタイプサーミスタをセメントやシリコーンオイル等の充填剤と共に金属管に挿入したサーミスタ温度センサが提案されている。
また、特許文献3には、セラミックスリード保持部上に感温抵抗体膜を形成し、セラミックスリード保持部を金属管の底にロウ等で接着した技術が提案されている。
特開平7−43220号公報 特開2003−234203号公報 特開昭60−215584号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、従来の特許文献1及び2に記載されている技術のように、セメントやシリコーンオイル等の充填剤を金属管に挿入している場合、熱容量が大きくなるため、熱応答性が悪くなり、EGRガスの温度測定のように高速熱応答性が要求される場合には不適であるという不都合があった。また、特許文献3に記載されている技術のように、金属管の底に感温抵抗体膜が形成された板状の素子を接着した場合、応答性は向上するが、さらなる熱応答性の高速化が要望されている。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、EGRガス等の温度測定用として、熱応答性をさらに向上させることができる温度センサを提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明の温度センサは、開口した一端部を有する金属管と、該金属管の一端部に設置され一対の端子電極が形成された感熱素子と、前記一対の端子電極に接続された一対のリード線と、を備え、前記感熱素子が前記金属管の開口した一端部を閉塞すると共に前記金属管の一端部から外部に少なくとも一部が突出状態に設置されていることを特徴とする。
すなわち、この温度センサでは、感熱素子が金属管の開口した一端部を閉塞すると共に金属管の一端部から外部に少なくとも一部が突出状態に設置されているので、感熱素子の少なくとも一部が金属管の一端部で外部に露出状態となり、直接的に外部の排気ガス等の雰囲気ガスと接触可能になることで、熱応答性を向上させることができる。
また、本発明の温度センサは、前記感熱素子が、絶縁基板の表面上にサーミスタ薄膜が成膜されていると共に前記端子電極が形成された薄膜サーミスタ素子であることを特徴とする。
すなわち、この温度センサでは、感熱素子が、絶縁基板の表面上にサーミスタ薄膜が成膜された薄膜サーミスタ素子であるので、感熱素子自体の熱容量も小さく、熱応答性をより向上させることができる。
さらに、本発明の温度センサは、前記感熱素子が、前記絶縁基板の表面側で前記金属管の開口した一端部を外側から閉塞すると共に前記サーミスタ薄膜及び前記端子電極を前記金属管の一端部の開口した部分に対向状態に配していることを特徴とする。
すなわち、この温度センサでは、感熱素子が、絶縁基板の表面側で金属管の開口した一端部を外側から閉塞するので、絶縁基板の裏面全体が金属管の一端部外側で露出状態となり、直接的に外部の排気ガス等の雰囲気ガスと接触可能になることで、熱応答性を向上させることができる。また、サーミスタ薄膜及び端子電極を金属管の一端部の開口した部分に対向状態に配しているので、サーミスタ薄膜及び端子電極に外部の排気ガス等の雰囲気ガスが直接触れず、サーミスタ薄膜の劣化等の影響を防ぐことができ、高い信頼性を確保することができる。さらに、金属管を挿通させたリード線を、金属管の一端部の開口した部分に配された端子電極に接続させることができ、配線が容易になる。
また、本発明の温度センサは、前記金属管が、前記一端部である底部に貫通孔が形成された有底筒状とされ、前記感熱素子が、前記貫通孔に挿入され、前記絶縁基板の一端側が前記金属管の底部外面から外部に突出していると共に前記絶縁基板の他端側が前記金属管の底部内面から内部に突出した状態で設置されていることを特徴とする。
すなわち、この温度センサでは、感熱素子が、貫通孔に挿入され、絶縁基板の一端側が金属管の底部外面から外部に突出しているので、絶縁基板の一端側が金属管の底部外面で露出状態となり、直接的に外部の排気ガス等の雰囲気ガスと接触可能になることで、熱応答性を向上させることができる。
さらに、本発明の温度センサは、前記絶縁基板の他端側における前記金属管の底部内面から内部に突出した部分に、前記サーミスタ薄膜及び前記端子電極が配置されていることを特徴とする。
すなわち、この温度センサでは、絶縁基板の他端側で金属管の底部内面から内部に突出した部分に、サーミスタ薄膜及び端子電極が配置されているので、サーミスタ薄膜及び端子電極に外部の排気ガス等の雰囲気ガスが直接触れず、サーミスタ薄膜の劣化等の影響を防ぐことができ、高い信頼性を確保することができる。さらに、リード線を、金属管の底部から外部に出さずに端子電極に接続させることができ、配線が容易になる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る温度センサによれば、感熱素子が金属管の開口した一端部を閉塞すると共に金属管の一端部から外部に少なくとも一部が突出状態に設置されているので、感熱素子の少なくとも一部が金属管の一端部で外部に露出状態となり、直接的に外部の排気ガス等の雰囲気ガスと接触可能になることで、熱応答性を向上させることができる。したがって、本発明の温度センサは、高い熱応答性が得られ、EGRガスの温度検出用として好適である。
本発明に係る温度センサの第1実施形態を示す断面図である。 第1実施形態の温度センサにおいて、要部を拡大した断面図である。 第1実施形態の温度センサにおいて、感熱素子を示す平面図である。 第1実施形態の温度センサにおいて、感熱素子が設置された金属管の一端部を示す正面図である。 本発明に係る温度センサの第2実施形態を示す断面図である。 第2実施形態の温度センサにおいて、要部を拡大した断面図である。 第2実施形態の温度センサにおいて、感熱素子を示す平面図である。 第2実施形態の温度センサにおいて、感熱素子が設置された金属管の一端部を示す正面図である。
以下、本発明に係る温度センサの第1実施形態を、図1から図4を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
本実施形態の温度センサ1は、図1及び図2に示すように、例えばディーゼルエンジンのEGRガスの温度検出用としてEGRバルブの吸入ポートに取り付けられる温度センサであって、開口端として開口した一端部を有する筒状の金属管2と、該金属管2の一端部に設置され一対の端子電極3が形成された感熱素子4と、一対の端子電極3に接続された一対のリード線5と、金属管2の他端部に取り付けられたコネクタ6と、を備えている。
上記金属管2は、例えば円筒状のSUS(ステンレス)管である。
上記感熱素子4は、図3及び図4に示すように、金属管2の開口した一端部を外側から閉塞すると共に金属管2の一端部から外部に突出した状態に設置されている。すなわち、金属管2の一端部の外面に、ロウ等の接着剤7が形成されて、薄板状かつ平面視正方形状の感熱素子4の表面側を貼り付けてこれを接着している。
この感熱素子4は、アルミナ又は窒化アルミニウム等のセラミックス基板である絶縁基板8上にサーミスタ薄膜9が成膜されていると共に一対の上記端子電極3が形成されている薄膜サーミスタ素子である。
例えば、感熱素子4としては、Mn−Co系複合金属酸化物(例えば、Mn−Co系複合金属酸化物)又はMn−Co系複合金属酸化物にNi、Fe、Cuの少なくとも一種類を含む複合金属酸化物(例えば、Mn−Co−Fe系複合金属酸化物)からなる複合金属酸化物膜のサーミスタ薄膜9と、この複合金属酸化物膜上に形成された櫛形電極等の一対の膜上電極(図示略)と、これら膜上電極に接続された上記端子電極3と、を備えた薄膜サーミスタ素子を採用している。また、サーミスタ薄膜9を覆う形態でSiO、Si、HfO等の保護膜を形成することで、外気からのOの進入を阻止することが可能となり、電気特性が安定する。
また、感熱素子4は、絶縁基板8の表面側で金属管2の開口した一端部を外側から閉塞すると共にサーミスタ薄膜9及び端子電極3を金属管2の一端部の開口した部分2aに対向状態に配している。したがって、金属管2の内径は、感熱素子4の中心軸からサーミスタ薄膜9及び端子電極3の外端までの最大距離より大きいと共に、感熱素子4の中心軸から絶縁基板8の外周までの最短距離よりも小さく設定されている。すなわち、サーミスタ薄膜9及び端子電極3は、金属管2の一端部の開口した部分2aに対向した範囲に収まるように配置され、絶縁基板8は、金属管2の一端部の開口した部分2aを完全に閉塞可能な面積及び形状を有している。
上記コネクタ6は、金属管2の開口端部を取り付けるネジ部10と、温度検出回路等に接続された配線11の端部が固定された本体部12と、で構成されている。なお、金属管2内のリード線5は、ネジ部10を挿通されて本体部12内の配線11と接続されている。
なお、金属管2の一端部に固定された感熱素子4の一対の端子電極3とリード線5とは、レーザー溶接又は抵抗溶接等で接合されている。
このように本実施形態の温度センサ1では、感熱素子4が金属管2の開口した一端部を閉塞すると共に金属管2の一端部から外部に一部が突出状態に設置されているので、感熱素子4の一部が金属管2の一端部で外部に露出状態となり、直接的に外部の排気ガス等の雰囲気ガスと接触可能になることで、熱応答性を向上させることができる。
特に、感熱素子4が、絶縁基板8の表面側で金属管2の開口した一端部を外側から閉塞するので、絶縁基板8の裏面全体が金属管2の一端部外側で露出状態となり、直接的に外部の排気ガス等の雰囲気ガスと接触可能になることで、熱応答性を向上させることができる。
また、サーミスタ薄膜9及び端子電極3を金属管2の一端部の開口した部分2aに対向状態に配しているので、サーミスタ薄膜9及び端子電極3に外部の排気ガス等の雰囲気ガスが直接触れず、サーミスタ薄膜9の劣化等の影響を防ぐことができ、高い信頼性を確保することができる。さらに、金属管2を挿通させたリード線5を、金属管2の一端部の開口した部分2aに配された端子電極3に接続させることができ、配線が容易になる。なお、予めリード線5と端子電極3とを接合させてから、感熱素子4を金属管2の一端部に接着しても構わない。
さらに、感熱素子4が、絶縁基板8の表面上にサーミスタ薄膜9が成膜された薄膜サーミスタ素子であるので、感熱素子4自体の熱容量も小さく、熱応答性をより向上させることができる。
次に、本発明に係る温度センサの第2実施形態について、図5から図8を参照して以下に説明する。なお、以下の実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、金属管2の一端部の開口した部分2aを外側から閉塞するように感熱素子4が設置されているのに対し、第2実施形態の温度センサ21では、図5から図8に示すように、金属管22が、一端部である底部に貫通孔22aが形成された有底筒状とされ、感熱素子24が、貫通孔22aに挿入され、絶縁基板28の一端側が金属管22の底部外面から外部に突出していると共に絶縁基板28の他端側が金属管22の底部内面から内部に突出した状態で設置されている点である。
また、第2実施形態の感熱素子24は、絶縁基板28の他端側における金属管22の底部内面から内部に突出した部分に、サーミスタ薄膜9及び一対の端子電極3が配置されている。
すなわち、第2実施形態では、金属管22の底部に感熱素子24が挿通可能な矩形状の貫通孔22aが形成され、該貫通孔22aの内面にロウ等の接着剤7が形成されて、感熱素子24を中央部分まで挿通した状態で接着剤7により接着固定している。
接着剤7について、ロウ材を使用する場合は、メタライズ不要の活性銀ロウを使用する。予め基板にペースト状のロウ材を塗布しておき、Ar雰囲気で780〜800℃、5min保持することで、セラミックス基板とステンレスの金属とが接続可能となる。また、予めセラミックス基板をメタライズ処理(Mo−Mn、又はMo−W、又はTiにNi、Auめっき)し、Agロウを使用することも可能である。
また、アルミナ基板に対して、セラミックス接着剤を使用する場合は、アルミナの熱膨張率7.9×10−6 /Kとステンレスの熱膨張率16.6×10−6 /Kとの中間に熱膨張率が位置するマグネシア系接着剤(12.6×10−6 /K)が最適であり、セラミック基板に塗布した後、93℃、2hでキュアして接着を行う。なお、アルミナ系接着剤も、使用環境の温度差が比較的少ない環境ならば使用可能である。
感熱素子24は、図6及び図7に示すように、絶縁基板28の後端側半分の表面にサーミスタ薄膜9と一対の端子電極3とが配置されており、接着剤7で貫通孔22aに接着される中央部分及び金属管22の底部から外部に突出する先端側半分には、サーミスタ薄膜9と一対の端子電極3とは形成されていない。
このように第2実施形態の温度センサ21では、感熱素子24が、貫通孔22aに挿入され、絶縁基板28の一端側が金属管22の底部外面から外部に突出しているので、絶縁基板28の一端側が金属管22の底部外面で露出状態となり、直接的に外部の排気ガス等の雰囲気ガスと接触可能になることで、熱応答性を向上させることができる。
また、絶縁基板28の他端側で金属管22の底部内面から内部に突出した部分に、サーミスタ薄膜9及び端子電極3が配置されているので、サーミスタ薄膜9及び端子電極3に外部の排気ガス等の雰囲気ガスが直接触れず、サーミスタ薄膜9の劣化等の影響を防ぐことができ、高い信頼性を確保することができる。さらに、リード線5を、金属管22の底部から外部に出さずに端子電極3に接続させることができ、配線が容易になる。
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態では、上述したように、サーミスタ薄膜を用いた薄膜サーミスタ素子を感熱素子とすることが好ましいが、バルクのサーミスタ素子を用いたチップサーミスタの感熱素子を採用しても構わない。
1…温度センサ、2,22…金属管、2a…金属管の一端部の開口した部分、22a…貫通孔、3…端子電極、4,24…感熱素子、5…リード線、7…接着剤、8,28…絶縁基板、9…サーミスタ薄膜

Claims (5)

  1. 開口した一端部を有する金属管と、
    該金属管の一端部に設置され一対の端子電極が形成された感熱素子と、
    前記一対の端子電極に接続された一対のリード線と、を備え、
    前記感熱素子が前記金属管の開口した一端部を閉塞すると共に前記金属管の一端部から外部に少なくとも一部が突出状態に設置されていることを特徴とする温度センサ。
  2. 請求項1に記載の温度センサにおいて、
    前記感熱素子が、絶縁基板の表面上にサーミスタ薄膜が成膜されていると共に前記端子電極が形成された薄膜サーミスタ素子であることを特徴とする温度センサ。
  3. 請求項2に記載の温度センサにおいて、
    前記感熱素子が、前記絶縁基板の表面側で前記金属管の開口した一端部を外側から閉塞すると共に前記サーミスタ薄膜及び前記端子電極を前記金属管の一端部の開口した部分に対向状態に配していることを特徴とする温度センサ。
  4. 請求項2に記載の温度センサにおいて、
    前記金属管が、前記一端部である底部に貫通孔が形成された有底筒状とされ、
    前記感熱素子が、前記貫通孔に挿入され、前記絶縁基板の一端側が前記金属管の底部外面から外部に突出していると共に前記絶縁基板の他端側が前記金属管の底部内面から内部に突出した状態で設置されていることを特徴とする温度センサ。
  5. 請求項4に記載の温度センサにおいて、
    前記絶縁基板の他端側における前記金属管の底部内面から内部に突出した部分に、前記サーミスタ薄膜及び前記端子電極が配置されていることを特徴とする温度センサ。
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