JP2011043295A - 空気調和装置、空調システム - Google Patents

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慎一 伊藤
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正樹 豊島
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Abstract

【課題】小型化して除加湿能力が高く、高効率な外気処理空調機を得る。
【解決手段】 吸着ローターの通風面積を大きくしながら、水分吸着手段の吸着・脱着速度の早い時間帯を連続して利用するという高効率な除加湿が行え、この調湿ユニットの入替え動作によって、脱着速度の速い時間帯を給湿に使うことができるので、効率的な加湿運転が可能になる。そのため、同量の加湿量を得るために、脱着速度を速くできるので動作時間の短縮が可能になり、装置のファン、加熱手段を動かす時間が短くなり省エネルギー効果がある空気調和装置、空調システムを得る。
【選択図】 図3

Description

本発明は、空気の湿度調節を行う空気調和装置、空調システムに関するものである。
従来、空気の湿度を調節する空気調和装置として、以下に示すようなものがある。空気調和装置はケーシング内を仕切り板で吸着領域と再生領域に区画し、この除湿領域に空気がに流れ、再生領域には空気が方向に流れるようにしている。
この除湿領域と再生領域とに、設置状態で、水平軸回りに回転する円板状の吸着ロータの各部が順次面するようにしている。前記吸着ロータは一般にハニカム構造で、厚さ方向に空気が通過できるように構成されている。前記吸着ロータの表面には、シリカゲル、ゼオライト、アルミナ等の相対的に湿度の高い空気から吸湿して相対的に湿度の低い空気に対して放湿する特性を有する吸着剤の層が設けられている。
前記再生領域の吸着ロータよりも上流側にヒータなどの過熱手段33を設けることによって、吸着領域で流通する空気に対して水分を吸着する一方、再生領域では加熱された空気に水分を放出する構成にしている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、従来の発明においては、顕熱交換器とヒートポンプとデシカントを組み合わせて、外気処理、換気空調を行う空調システムが知られている(例えば、特許文献3及び4参照)。
しかし、従来のデシカントロータを使用した空気調和装置では吸着ロータが、水平軸心廻りに回転するものであって、前記ロータの端面が鉛直面に対して略平行となっている。そのため、装置全体として高さ寸法が大きくなっていた。また、従来の技術では、吸着ローターを垂直軸心回りに回転するように変更して高さ寸法を小さくしている(例えば、特許文献5及び6参照)。
また、外気処理装置として使用する場合に装置は、天井裏に設置することが多く、高さ寸法に制限が存在しているので、吸着ローターを垂直軸心回りに回転するように変更して高さ寸法を小さくしている(例えば、特許文献5及び6参照)。
特開昭63−310636号公報(2-4頁、図5) 特開昭62−49930号公報(2-3頁、図2、図3) 特開平10−26433号公報(要約、図1) 特開平10−288486号公報(要約、図1) 特開2001−263727号公報(要約、図5) 特開2002−195607号公報(要約、図1)
従来のような空気調和装置はケーシングが直方体であることが多いため吸着ロータの通風面積は、装置筐体の風路方向の断面積38に対して小さくなってしまい、風路縮小による圧力損失の発生や、ロータ通過時の空気流速の上昇により、吸着剤との接触時間減少による吸着効率低下が起こるという問題点があった。
吸着剤は一般的に吸着速度と脱着速度の過渡変化が等しくない場合が多いため、吸着、再生を効率よく行うためにはロータの分割比の変更などが必要であった。また、吸着速度と脱着速度は吸着・脱着初期にピークがあり、吸着・脱着速度は水分吸着手段の保持する水分量の変化により急激に減少するので、吸着・脱着速度の速い時間帯を連続して利用できないという問題があった。さらに、さまざまな空気条件に対応して高効率で連続的に除加湿を行うためには風路構成を変更しなければならず、風路構成を変更する機構が必要になるという問題もあった。
また、円形の吸着ローターを用いているために装置全体を小型化できず、そのため輸送性、天井裏に設置する工事性も悪いという問題があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、吸着ローターの通風面積を大きくしながら、水分吸着手段の吸着・脱着速度の早い時間帯を連続して利用するという高効率な除加湿が行え、この調湿ユニットの入替え動作によって、脱着速度の速い時間帯を給湿に使うことができるので、効率的な加湿運転が可能になる。そのため、同量の加湿量を得るために、脱着速度を速くできるので動作時間の短縮が可能になり、装置のファン、加熱手段を動かす時間が短くなり省エネルギー効果がある空気調和装置、空調システムを得るものである。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、以下にその手段を説明する。
この発明に関わる空気調和装置は、第1の空間から第2の空間に向かう空気の流れを形成する吸着流路と、前記第2の空間から前記第1の空間に向かう空気の流れを形成する前記吸着流路と隣接した再生流路と、前記再生流路の上流に位置し空気の流れを加熱する加熱手段と、前記吸着流路に位置するときは空気の流れの水分を吸着して、水分吸着後に前記再生流路に移動し、前記再生流路に位置するときは前記加熱手段の下流に配置され前記加熱手段で加熱された空気の流れによって水分を脱着して、水分脱着後に前記吸着流路に移動する水分吸着手段と、前記水分吸着手段を前記吸着流路から前記再生流路へ、前記再生流路から前記吸着流路へと順次移動させる駆動手段と、前記水分吸着手段と前記駆動手段を設け、前記吸着流路および前記再生流路の双方に跨るとともに前記空気の流れ方向に直列に複数配置された調湿ユニットと、を備えたものである。
本発明に係る空気調和装置は、水分吸着手段として複数組を使用することによって、連続的に除加湿を行えるようにしたもので、この調湿ユニットの入替え動作によって、脱着速度の速い時間帯を給湿に使うことができるので、効率的な加湿運転が可能になる。すなわち、脱着速度を速くできるので動作時間の短縮が可能になり、装置のファン、加熱手段を動かす時間が短くなり省エネルギー効果がある空気調和装置が得られる。
本発明の潜熱処理用の空気調和装置と顕熱処理用の空気調和装置の配置図である。 吸着材の吸着速度図と脱着速度図である。 本発明の実施の形態1の空気調和装置の概観図である。 本発明の実施の形態1の空気調和装置の簡略図である。 本発明の実施の形態1の空気調和装置の構成図である。 本発明の実施の形態1の空気調和装置の風路構成図である。 本発明の実施の形態1の空気調和装置の作動部構成図である。 本発明の実施の形態1の空気調和装置の空気流路切替装置配置図である。 本発明の実施の形態1の空気調和装置の除湿運転時における水分吸着手段の動作図である。 本発明の実施の形態1の空気調和装置の加湿運転時における水分吸着手段の動作図である。 本発明の実施の形態1の空気調和装置の除湿運転時における動作状態を示した湿り空気線図である。 本発明の実施の形態2の空気調和装置の概観図である。 本発明の実施の形態2の空気調和装置の風路構成図である。 本発明の実施の形態2の空気調和装置の冷房除湿、暖房加湿時における風路、冷媒回路構成図である。 本発明の実施の形態2の空気調和装置の冷房除湿運転時における動作状態を示した湿り空気線図である。 従来の空気調和装置の概観図である。 従来の空気調和装置の風路断面図である。
実施の形態1.
《システム構成》
図1に本発明の実施の形態1の潜熱処理用の空気調和装置と顕熱処理用の空気調和装置を組み合わせた空調システムの例を示す。本システム構成では、本発明の空気調和装置aを空気調和外気処理空気調和装置として利用して外気を室内へ導入する際の湿度調整を主に行い(潜熱処理)、これとは別に顕熱処理用の空気調和装置bを併設する。空気調和装置aは、外気(記号:OAとして図示)を取り入れ、潜熱処理を行い空調対象室に給気(記号:SAとして図示)される。同時に空気調和装置aは、空調対象室から室内空気(記号:RAとして図示)を取り入れ、潜熱処理を行い排気(記号:EAとして図示)として室外に放出される。空気調和装置bは、空調対象室の吸気を行い、顕熱処理後(除湿は行われず)再び空調対象室に給気される。
この二つの空気調和装置の動作により、潜熱処理用の空気調和装置aが除湿を分担するために、顕熱処理用の空気調和装置bでは除湿を行う必要がないので冷媒の蒸発温度を高める運転が可能となり、圧縮機は高低差圧の少ない高効率な運転を行うことが可能となる。したがって、このような外気処理を行う潜熱処理用の空気調和装置aと顕熱処理用の空気調和装置bを別置するシステム構成では空調負荷の大きな割合を占める顕熱負荷を高効率運転が可能な顕熱処理用空気調和装置bで賄うことが可能となり、空調システム全体の効率を高めることが可能となる効果があり、システム全体として省エネルギーになる。
図2に本発明の空気調和装置に使用する水分吸着手段の吸着速度、脱着速度と時間の関係を示す。吸着速度と脱着速度は吸着初期または脱着初期でピークになり、時間が経過するにつれて減少していく。(1)経過時間と吸着時間の関係において、経過時間t1、t2(t1=t2)における吸着速度v1、v2を比較した場合、吸着速度はv1>v2となる。水分吸着手段の吸着は吸着初期t1の吸着速度v1を使用することが、効率が良い。また、(2)経過時間と脱着時間の関係において、経過時間t1、t2(t1=t2)における脱着速度v1、v2を比較した場合、脱着速度はv1>v2となる。水分吸着手段の脱着は、脱着初期t1の脱着速度v1を使用することが、効率が良い。
そのため、吸着と脱着では速度の過渡変化が異なる場合が多いため水分吸着手段の動作を速度の速い吸着域、速度の速い脱着域で個別に制御すると高効率に除加湿を行うことが可能になる。
本発明の実施の形態1の空気調和装置の構成を図3、4、5に基づいて説明する。
図3は本発明における空気調和装置の概観となっている。図4は風路構成をわかりやすくするために、空気調和装置内の除湿時における外気(記号:OAとして図示)を室内に導入(記号:SAとして図示)する外気導入経路Aと、室内空気(記号:RAとして図示)を室外に排気(記号:EAとして図示)する排気放出経路Bを直線にした簡略図である。図5は空気調和装置の概観を第三角法で描いたものとなっている。本発明における空気調和装置はケーシング1aと、吸着材などの水分吸着手段10a〜bと、ヒータなどの加熱手段11と、ファンなどの送風手段12a、bと、駆動部品13a、bで構成されている。
図3に本発明の実施の形態1における空気調和装置の概観を示す。本発明の空気調和装置はケーシング1aによって上下部に区画された二つの空気流路(領域)の両方を移動できる水分吸着手段10a/10b組(水分吸着手段Aセット)及び10c/10d組(水分吸着手段Bセット)の2組の水分吸着手段セットと下段に位置している加熱手段11によって除加湿を行う場合について説明する。
図3に示される給排気口に図示された矢印は空気の流れを示しており、除湿時の例に空気の流れを説明する。外気(記号:OAとして図示)は区画された上下部二つの空気流路(領域)のうち上部の領域に入り、上部の領域に存在する第1の水分吸着手段セットの水分吸着手段10a、第2の水分吸着手段セットの水分吸着手段10cによって除湿され給気(記号:SAとして図示)として室内に供給される。また室内空気(記号:RAとして図示)は前述の下部の領域に入り、過熱手段11を通過したのちに、下部の領域に存在する第2の水分吸着手段セットの水分吸着手段10d、第1の水分吸着手段セットの水分吸着手段10bによって加湿され排気(記号:EAとして図示)として室外に放出される。水分吸着手段10a、b、c、dは上下に可動し、上下部に区画された空気流路を行き来することができる構造を持っている。
図4は図3で説明した風路構成を分かりやすくするために、風路を直線状に簡略化して記したものであり、空気の流れを説明する。空気調和装置内の除湿時における外気(記号:OAとして図示)を室内に導入(記号:SAとして図示)する外気導入経路Aと、室内空気(記号:RAとして図示)を室外に排気(記号:EAとして図示)する排気放出経路Bを直線にした簡略図である。外気OAは、ケーシング1a(図示せず)に入り、外気導入経路Aの吸着経路の水分吸着手段10a通過する時に、水分を水分吸着手段10aに吸湿(吸着)され、さらに水分吸着手段10cにて再び吸湿(吸着)され、外気OAより湿度の低い空気として、室内に導入される。水分吸着手段10a、10cは共に水分吸着手段の吸着・脱着速度の速い時間帯を利用して吸湿(吸着)を行うので短時間で外気OAの除湿(吸着)を行うことができる。吸着領域の最下流には送風手段12aが配置されており、外気OAを室内(SA)に導入するためのファンである。
室内空気RAは、ケーシング1a(図示せず)に入り、排気放出経路Bの再生領域の最上流には加熱手段11が配置され、加熱手段11を通過するときに加熱される。加熱された空気が再生経路の水分吸着手段10dを通過するときに、水分吸着手段10dは水分を加熱された空気に放湿する。さらに加熱された空気が水分吸着手段10bを通過するときも同様に水分吸着手段10bから空気に放湿する。最下流には送風手段12bが配置されており室内空気RAを室外に排気(EA)するためのファンである。排気放出経路Bの再生領域で、一度に複数の水分吸着手段の放湿を実施することができるので、短時間で複数の水分吸着手段を吸湿速度が高い状態まで回復させることができる。
水分吸着手段10a〜10dは、可動式になっており吸着経路、再生経路を移動することができる。水分吸着手段10a〜10dの詳細な動作については後述する。
また、水分吸着手段セットを2台備えた実施の形態について説明したが、3台以上でも同様の効果がある。
図5は空気調和装置の概観を第三角法で描いたものである。装置内部の空気経路は図3と同様であり、装置内部の機器構成は図4と同様であるため説明を省略する。
図5において、駆動部品13a、13bは、水分吸着手段10a〜10dを吸着経路と再生経路との間で移動させる駆動手段の一部である。この実施例では水分吸着手段10a・10bの両側に駆動部品13aを設け、水分吸着手段Aセット(10a、10b)を連動して平行移動させている。駆動部品13bは、別の水分吸着手段Bセット(10c・10d)を駆動させている。この実施例では、水分吸着手段の両側に2つの駆動装置があり、水分吸着手段を連動して駆動する例を説明したが、1つの駆動装置で水分吸着手段を動かしても良いし、また水分吸着手段を連動させずに単独で駆動させても良い。2つの水分吸着手段A,Bセットを別々に駆動させることによって、外気導入経路Aで水分吸着手段を吸湿速度が速い状態で使用した後、水分吸着手段を水分の脱着のために排気放出経路Bに動かしている間でも、外気導入経路Aにある別の水分吸着手段が除湿を続けており、連続して除湿ができるという効果がある。つまり同量の加湿量を得るために、脱着速度を速くできるので動作時間の短縮が可能になり、装置のファン、加熱手段を動かす時間が短くなり省エネルギー効果が得られる。
図5のOAとSAを結ぶ矢印は除湿時の外気導入経路Aであり、RAとEAを結ぶ矢印は除湿時の排気放出経路Bである。また、図中の実線は手前の空気経路を示し、破線は奥での空気経路を示す。
本発明の実施の形態1の空気調和装置内部は仕切り板によって相対的に湿度の高い空気から水分吸着手段が吸湿を行う吸着領域と、ヒータなどの加熱手段11によって相対的に湿度が低くなった空気に水分吸着手段が放湿を行う再生領域に区画されている。
吸着領域と再生領域の空気の流れは対向流となっており、外気導入経路Aと排気放出経路Bは図5の上面図のように互いに交差しているので、給気配管と排気配管の途中に取り付ける構造として適しており、省スペース、工事性に優れている。
ここでの水分吸着手段とは、装置の風路断面積に対して多くの通風断面積を多くとれるように、風路断面に沿った多角形の多孔質平板などになっており、厚さ方向に空気が通過できるように構成したものである。また、前記多孔質平板表面には、ゼオライト、シリカゲル、活性炭等のような相対的に湿度の高い空気から吸湿して相対的に湿度の低い空気に対して放湿する特性を有する吸着剤を塗布あるいは表面処理あるいは含浸されたものを使用する。また、本実施例では四角形の水分吸着手段について説明を行ったが、同様の効果が得られるのであれば四角形に限定されない。
図6に水分吸着手段10a〜dと加熱手段11と、駆動部品13a、bの配置を示す。水分吸着手段Aセット(10aと10b)と駆動部品13aで構成される調湿ユニット100aは吸着領域(外気導入経路A)の上流、再生領域(排気放出経路B)の最下流に配置される。加熱手段11は、再生領域(排気放出経路B)の最上流に配置されている。水分吸着手段Bセット(10c、10d)と駆動部品13bで構成される調湿ユニット100bは再生領域における調湿ユニット100aと加熱手段11の中間に配置されている。つまり、外気導入経路Aは、調湿ユニット100a、調湿ユニット100bの順に通り室内に導入され、排気放出経路Bは、加熱手段11、調湿ユニット100b、調湿ユニット100aの順に通り、排気として室外に放出される。水分吸着手段Aセット(10aと10b)の水分吸着手段10aと10bは、駆動部品13aによって連動して動き、水分吸着手段10aが吸着領域(外気導入経路A)から再生領域(排気放出経路B)に移動する時には、反対に水分吸着手段10bが再生領域(排気放出経路B)から吸着領域(外気導入経路A)に移動する。水分吸着手段Bセット(10c、10d)の動きも同じなので、動作の説明は省略する。
さらに、空気調和装置の水分吸着手段10a〜dとケーシング1c内側(図示せず)の外気導入経路Aおよび排気放出経路Bと接触している水分吸着手段の両端面には稼動方向に沿って溝部を設けており、水分吸着手段10a〜dの側面をこれに勘合するように設けることによって、水分吸着手段10a〜dは前記溝部に沿って上下方向に可動な構成とする。このため、水分吸着手段10a〜dの上下動が円滑になると共に、外気導入経路Aおよび排気放出経路Bと水分吸着手段10a〜dは密着するので、通過する空気は、全て水分吸着手段10a〜dを通過して流れる。
吸着材の駆動部13aの装置構成の構造の一例を図7に示す。13bについては同様の装置構成のため説明を割愛する。
駆動部13a、bの動作を説明する。駆動部13a、bは図7に示されるように、たとえばモータ等の回転機構20の駆動力を二つのベベルギア21a、bを使って風路方向に対して垂直方向に伝達し、ベベルギア21bの中心軸と同じ中心軸を持って接合されたトラバース装置回転部22aを組み合わせている。トラバース装置回転部22aが回転することによってトラバース装置動作部は上下に移動する。水分吸着手段10aとトラバース装置動作部22bは接合されているので前記溝部に沿って水分吸着手段10aが上下に動作する機構になっている。また、リニアスライドアクチュエータ(平行移動部品のなかの動作部品の位置がアクチュエータによって平行移動する装置)や、ラックとピニオンの組み合わせによって、同様な役割を果たす機構が備えられていれば、この形式に限定されない。また調湿ユニットは、水分吸着手段と駆動手段をそれぞれ設ける代わりに、水分吸着手段を持ち水分吸着手段を移動させる駆動手段を調湿ユニットと別に設けてもよい。
また、モータの回転方向を逆にすることによって水分吸着手段a〜dの動作方向を逆にして、連続的に水分吸着手段を上下方向に往復させる。
水分吸着手段10a〜dの端面はゴムなどの弾性体(図示せず)でシールすることによって、水分吸着手段10a〜dが外気導入経路Aまたは排気放出経路Bの所定の位置で静止中に水分吸着手段と端面の隙間から空気が漏れ、他方の空気流路の空気と混合しないような構造になっている。また、他方の空気流路への漏れが発生しない同様な役割を果たす部品があればこの形式に限定されない。
調湿ユニット内の水分吸着材10aと10bはベルト24がプーリ25a〜d、水分吸着手段との接合部品23a、bなどを介して繋がっており、同じ駆動力によって同じ距離を移動することができる構造になっている。ウォームギアなどを利用して同様な機構が備えられればこの形式に限定しないものとする。
また、図8が示すように空気調和装置から流入するOA、RAと流出するSA、EAには空気流路切替え手段14a、bが設けられており、除湿運転モードと加湿運転モードの切替えに連動して、外気導入経路Aと排気放出経路Bとが入れ替わる構造となっている。空気流路切替え手段14a、bについては、例えばダンパーのようなものを用いる。
除湿運転時には空気流路切替え手段14a、bは(1)で示される破線の空気経路となり、OAは図8の吸着経路を通過してSAとして室内に供給され、RAは再生経路を通過してEAとして室外に排出される。
加湿運転時には空気切替え手段14a、bは(2)で示される点線の空気経路となり、OAは再生経路を通過してSAとして室内に供給され、RAは吸着経路を通過してEAとして室外に排出される。
ダンパーを用いることにより、空気経路を変更するだけで簡単に除湿運転と加湿運転を切り替える空気調和装置を得ることができる。
吸着材(水分吸着手段)の構成、動作について図9、10を用いて説明する。
図9はOAから外気導入経路A(吸着領域)を経由してSAとなる除湿時の水分吸着手段a〜dの動きになっており、図10はOAから外気導入経路A(再生領域)を経由してSAとなる加湿時の水分吸着手段a〜dの動きである。
図9を用いて除湿時の各吸着材の動きを説明する。始めに図6の状態で水分吸着手段10a、水分吸着手段10cが外気導入経路A(吸着領域)に位置し、水分吸着手段10b、水分吸着手段10dが排気放出経路B(再生領域)に位置している。図6の位置で、図2(a)に示したような吸着速度で水分吸着手段10a、水分吸着手段10cは水分の吸着を開始するが、t1経過後の水分吸着手段10aの吸着速度はv1のように急激に低下するが、水分吸着手段10cは、水分吸着手段10aにて水分が吸着された空気が流れてくるので、t1経過後でも吸着速度はv1のように急激に低下しない。そこで、図9(a)の配置の状態から調湿ユニット100aの二つの水分吸着手段10a、10bが移動し、吸着速度の低下した水分吸着手段10aは再生領域へ、吸着速度の低下していない水分吸着手段10bは吸着領域へ移動することによって、調湿ユニット100aは図9(b)の配置になる。水分吸着手段10a、10bが移動中も水分吸着手段10cが吸着を水分吸着し続けているので、吸着は途切れることがなく連続的に除湿動作が行われる。再生領域に移動した水分吸着手段10aは、図2(b)に示したような脱着速度で、水分を放出する。
次に、調湿ユニット100bの水分吸着手段10cは、調湿ユニット100aの下流にあるので、上流にある水分吸着手段10a、10bの吸着速度の低下に比較して遅いが、吸着速度が低下したら調湿ユニット100bの水分吸着手段が同様に位置を入れ替え、調湿ユニット100bは、図9(c)の配置になる。水分吸着手段10c、10dが移動中も水分吸着手段10bが水分吸着をし続けているので、連続的に除湿動作は行われる。
その後、吸着領域に移動した水分吸着手段10bが水分を吸着して吸着速度が低下し、再生領域に移動した水分吸着手段10aは水分を脱着しているので、ふたたび調湿ユニット100aの二つの水分吸着手段の位置を再度入れ替えることによって、吸着速度の回復した水分吸着手段10aを吸着領域へ移動し、吸着速度の低下した水分吸着手段10bを再生領域に移動して水分を脱着し吸着速度を回復させる。調湿ユニット100aは、図9(d)の配置となる。最後に吸着領域に移動した水分吸着手段10dが水分を吸着して吸着速度が低下し、再生領域に移動した水分吸着手段10cは水分を脱着しているので、調湿ユニット100bの水分吸着手段の位置を入れ替えることによって吸着速度の回復した水分吸着手段10cを吸着領域へ移動し、吸着速度の低下した水分吸着手段10dを再生領域に移動して水分を脱着し吸着速度を回復させ、図9(a)の配置に戻る。
また、調湿ユニット100a、bが交互に動作する例を説明したが、水分吸着手段a〜dの位置を入れ替える同様の動きがあれば、調湿ユニット100aと調湿ユニット100bの動作回数を変えても同様な効果が得られ、また調湿ユニット100aと調湿ユニット100bの動作順序は任意のものとする。この調湿ユニットの入替え動作によって、吸着速度の速い時間帯を除湿に使うことができるので、効率的な除湿運転が可能になる。同量の除湿量を得るために、吸着速度を速くできるので動作時間の短縮が可能になり、装置のファン、加熱手段を動かす時間が短くなり省エネルギー効果が得られる。
図10を用いて、加湿時の各吸着材の動きを説明する。除湿時と違い水分吸着手段10a、水分吸着手段10dが外気導入経路A(再生領域)に位置し、水分吸着手段10b、水分吸着手段10cが排気放出経路B(吸着領域)に位置している。図2(b)に示したような脱着速度で水分吸着手段10a、水分吸着手段10dは水分の脱着を開始するが、t1経過後の水分吸着手段10dの脱着速度はv1のように急激に低下するが、水分吸着手段10aは、水分吸着手段10dにて水分が脱着された湿度の高い空気が流れてくるので、t1経過後でも吸着速度はv1のように急激に低下しない。そこで、図10(a)のように調湿ユニット100bの二つの水分吸着手段10c、10dが移動し、脱着速度の低下した水分吸着手段10dは吸着領域へ、脱着速度の低下していない水分吸着手段10cは再生領域へ移動することによって、調湿ユニット100bは図10(b)の配置になる。水分吸着手段10c、10dが移動中も水分脱着手段10aが水分脱着し続けているので、脱着は途切れることがなく連続的に給湿動作が行われる。再生領域に移動した水分吸着手段10dは、図2(a)に示したような吸着速度で、水分を吸収する。
次に、調湿ユニット100aの水分吸着手段10aは、調湿ユニット100bの下流にあるので、上流にある水分吸着手段10c、10dの脱着速度の低下に比較して遅いが、吸着速度が低下したら調湿ユニット100bの水分吸着手段が同様に位置を入れ替え、調湿ユニット100bは、図10(c)の配置になる。水分吸着手段10c、10dが移動中も水分吸着手段10cが水分脱着をし続けているので、連続的に給湿動作は行われる。
その後、吸着領域に移動した水分吸着手段10cが水分を脱着して脱着速度が低下し、吸着領域に移動した水分吸着手段10dは水分を吸着しているので、ふたたび調湿ユニット100bの二つの水分吸着手段の位置を再度入れ替えることによって、脱着速度の回復した水分吸着手段10dを再生領域へ移動し、脱着速度の低下した水分吸着手段10cを吸着領域に移動して水分を吸着し脱着速度を回復させる。調湿ユニット100bは、図10(d)の配置となる。
最後に再生領域に移動した水分吸着手段10bが水分を脱着して脱着速度が低下し、吸着領域に移動した水分吸着手段10aは水分を吸着しているので、調湿ユニット100aの水分吸着手段の位置を入れ替えることによって脱着速度の回復した水分吸着手段10aを再生領域へ移動し、脱着速度の低下した水分吸着手段10bを吸着領域に移動して水分を吸着し脱着速度を回復させる。図9(a)の配置に戻る。
また、調湿ユニット100a、bが交互に動作する例を説明したが、水分吸着手段a〜dの位置を入れ替える同様の動きがあれば、調湿ユニット100aと調湿ユニット100bの動作回数を変えても同様な効果が得られ、また調湿ユニット100aと調湿ユニット100bの動作順序は任意のものとする。この調湿ユニットの入替え動作によって、脱着速度の速い時間帯を給湿に使うことができるので、効率的な加湿運転が可能になる。同量の加湿量を得るために、脱着速度を速くできるので動作時間の短縮が可能になり、装置のファン、加熱手段を動かす時間が短くなり省エネルギー効果が得られる。
次に、各運転モードにおける動作について説明する。
《除湿運転モード動作説明》
除湿運転モードの動作の一例を図9の水分吸着手段10a〜dの配置に基づいて説明する。除湿運転モードでは空気流路切替え手段(図8の14a、b)を操作して吸着領域上流がOA、下流がSAになっており、外気導入経路Aとなる。逆に再生領域上流はRA、下流がEAとなり、排気放出経路Bとなっている。外気導入経路Aでは外気(OA)より導入された相対的に湿度の高い空気は調湿ユニット100aにある水分吸着手段10aによって吸湿(吸着)され、水分吸着手段10aを通過後さらに水分吸着手段10cを通過して吸湿(吸着)される。その除湿空気が室内導入空気(SA)となり、室内に供給される。一方、排気放出経路Bでは、室内空気(RA)より導入された空気が加熱手段11に送られる。加熱手段11で加熱された排出空気は調湿ユニット100bにある水分吸着手段10dに流入する。この時、加熱された排出空気は5〜25%RH程度と相対湿度が低くなるため、再生領域にある水分吸着手段10dは水分を空気に放湿(脱着)する。その後、水分吸着手段10dに流入し、同様に水分吸着手段10bは水分を空気に放湿(脱着)する。この空気が室外に排気(EA)として放出される。
《加湿運転モード動作説明》
加湿運転モードの動作の一例を前記同様に図10の水分吸着手段10a〜dの配置に基づいて説明する。加湿運転モードでは空気流路切替え手段(図8の14a、b)を操作して再生領域上流がOA、下流がSAになっており、外気導入経路Aとなる。逆に吸着領域上流はRA、下流がEAとなり、排気放出経路Bとなっている。外気導入経路Aでは外気(OA)より導入された相対的に湿度の低い空気が加熱手段11に送られる。加熱手段11で加熱された空気は、調湿ユニット100bにある水分吸着手段10dによって放湿(脱着)され、水分吸着手段10dを通過後さらに水分吸着手段10aを通過して放湿(脱着)される。水分が放湿された加湿空気が室内導入空気(SA)となり、室内に供給される。
一方、排気放出経路Bでは、室内空気(RA)より導入された排出空気は調湿ユニット100aにある水分吸着手段10bに流入する。吸着領域にある水分吸着手段10bは水分を空気に吸湿(吸着)する。その後、水分吸着手段10cに流入し、同様に水分吸着手段10cは水分を空気に吸湿(吸着)する。この空気が室外に排気(EA)として放出される。
なお、水分吸着手段10a〜dの吸着材はそれぞれ異なった素材、仕様(粒径等)のものを使用してもよい。
また、調湿ユニット100a、bにおける水分吸着手段10a〜dの組み合わせは本発明においては水分吸着手段Aセット(10aと10b)、水分吸着手段Bセット(10cと10d)の2つの水分吸着手段を1セットとして、2セット用いる事例で説明しているが、水分吸着手段10a〜dの組み合わせは、1セットあたり水分吸着手段の数を増減させてもよい。調湿ユニット100a、bに含まれる水分吸着手段セットの数、水分吸着手段10a〜dの数を任意に変更してもよい。
本発明には1ユニットあたりひとつの駆動部品13aまたはbを持った、二つの調湿ユニット100a、bが配置した例で説明したが、ユニット数は任意に変更してもよく、さらに1ユニットあたり駆動部の数についても任意の数に変更しても良い。
また、本発明において水分吸着手段10a〜dの動作は吸着領域と再生領域に均等に配置されるように水分吸着手段10a〜dを連動させて動作しているが、水分吸着手段10a〜dを個別に動作させることによって吸着、再生のどちらかの領域に水分吸着手段10a〜dを多く配置するように変更してもよいし、吸着、再生のどちらかの領域に全ての水分吸着手段を配置してもよい。さらに、外気の湿度等の状況、室内の湿度の状況に応じて、送風手段12a、12bの風量を増減させ、水分吸着手段の動作と組合わせて、吸着速度および脱着速度の早い効率的な運転ができる。そのため動作時間の短縮が可能になり、装置のファン、加熱手段を動かす時間が短くなり省エネルギー効果が得られる。
《システム動作による作用の説明》
図11は図6に示す本実施の形態における調湿システムの作動状態における湿り空気線図である。図11(a)は吸着領域、図11(b)は再生領域における湿り空気線図上の動きを示している。
図6において、吸着領域では、取入れられた空気(状態イ)が調湿ユニット100aにある水分吸着手段10a、bのいずれかに流入・通過し、空気は等エンタルピ過程で水分を吸着され、絶対湿度が低下し、吸着熱をうけとる(状態ロ)。さらに調湿ユニット100bにある水分吸着手段10c、dのいずれかに流入・通過し、さらに空気は等エンタルピ過程で水分を吸着され、絶対湿度が低下し、吸着熱をうけとる(状態ハ)このように吸着領域において除湿された空気(状態ハ)が除湿運転モードの時は給気として供給され、加湿運転モードの時は排気として放出される。以上の状態の変化は、図11(a)吸着領域に示す。
図6において、再生領域では、取入れられた空気(状態ニ)が加熱手段11に送られて加熱され、相対湿度は変わらず、空気の温度が上昇する(状態ホ)。次に調湿ユニット100bにある水分吸着手段10c、dのいずれかに流入・通過し、吸着材が等エンタルピ過程で放湿することによって加湿され、絶対湿度が上昇し、空気温度が低下する(状態ヘ)。さらに調湿ユニット100aにある水分吸着手段10a、bのいずれかに流入・通過し、吸着材が等エンタルピ過程で放湿することによって加湿され、絶対湿度が上昇し、空気温度が低下する。このように再生領域において加湿された空気(状態ト)が除湿運転モードの時は排気され、加湿運転モードの時は給気として供給される。以上の状態の変化は、図11(b)再生領域に示す。
このようにして得られる空気調和装置は、図3のような直方体のケーシング1aの内部において図16のような従来の装置内部と比較すると、風路の断面に沿った調湿ユニットをつくることができるため、吸着ロータと比較すると通風面積を大きくとることができ、縮流による圧力損失を減らすことができる。このため、ファンの動力を減少するため省エネルギー効果を得ることができる。
また、通風面積が大きくとれることによって、吸着ロータと同量の除加湿量を得るために必要な吸着材の風路方向の長さの短縮が可能になり、装置の小型化が可能となるので輸送性が向上し、天井裏での工事性も向上する。
さらに、通風面積が大きくなることに加えて複数の吸着ユニットを図2に示される吸着、脱着速度の速い状態で吸着、脱着を行えるように水分吸着手段を移動するので効率的に除加湿を行うため除加湿効率の向上が可能になる。
調湿ユニットを二つ配置し、交互に調湿ユニット内の水分吸着手段を動作させて吸着、再生領域を往復させることによって、片方の調湿ユニットが動作中であっても、もう片方の調湿ユニット内の水分吸着手段は図9(a)〜(d)または図10(a)〜(d)で示されるいずれかの配置で静止しているため、水分吸着手段を通過することなく除加湿をされずに室内に供給される空気がなく、他方の領域から移動してきた除加湿効率のよい状態の水分吸着手段が常に存在するため、高効率で連続的に除加湿運転が可能となる。
また、水分吸着手段10a〜dが独立していることから、個々の水分吸着手段の材質、セルサイズなどの形状を変化させることができるため、効果的な吸着材の選択・配置が可能となり、除加湿量の増加、吸着熱発生の制御が可能となる。
水分吸着手段10a〜dは個々に動作を制御することによって様々な空気条件に対する除加湿効率の最適制御が可能になる。
例えば、素早く室内の除湿運転をする時には、吸着流路に配置した水分吸着手段を増やし(あるいは全ての水分吸着手段を配置する)、再生流路に配置した水分吸着手段を減らすこと(あるいは配置しない)で、室内を素早く除湿することができる。
逆に、素早く室内の加湿運転をする時には、再生流路に配置した水分吸着手段を増やし(あるいは全ての水分吸着手段を配置する)、吸着流路に配置した水分吸着手段を減らす(あるいは配置しない)ことで、室内を素早く加湿することができる。また、この動作に送風手段を組合せることによってさらに効率的な除湿・加湿運転ができるので、送風ファン、加熱手段を動かす時間が短くなり省エネルギー効果が得られる。
また、外気の環境条件(湿度条件)に応じて水分吸着手段を、吸着領域、再生領域に最適に配置することによってさらに効率的な除湿・加湿運転ができる。例えば、外気の湿度が極端に低い場合には、吸着流路に配置した水分吸着手段を減らして(あるいは配置しない)室内に湿度の低い空気を大量に供給できるので、再生領域での除湿モードを抑えても室内は除湿した状態を保たれる。そのために再生領域での加熱手段の出力を落としたり、再生領域の送風ファンの出力を落とすことで、さらに省エネルギー効果のある除湿運転をすることができる。外気の湿度が極端に高い場合には、再生流路に配置した水分吸着手段を減らして(あるいは配置しない)室内に湿度の高い空気を大量に供給できるので、再生流域の加熱手段の出力を落としても室内は加湿した状態を保たれる。そのために吸着領域のファン出力を落とすことで、さらに省エネルギー効果のある加湿運転をすることができる。
今までの実施例では、吸着速度及び脱着速度が落ちた時に水分吸着手段を移動する例を説明したが、吸着及び脱着の経過時間で水分吸着手段を移動させても同様な効果がある。図2(a)に示すように、例えば吸着速度の速い時間t1の経過後に水分吸着手段を吸着領域から脱着領域に移動させることにより、効率の良い除湿運転をすることができる。同様に図2(b)に示すように、例えば脱着速度の速い時間t1の経過後に水分吸着手段を脱着領域から吸着領域に移動させることにより、効率の良い加湿運転をすることができる。除湿・加湿運転の吸着速度、脱着速度を速くできるので動作時間の短縮が可能になり、装置のファン、加熱手段を動かす時間が短くなり省エネルギー効果が得られる。
また、今までの実施例では、複数の調湿ユニットを個別に動かす例を説明したが、複数の調湿ユニットの水分吸着手段を同時に動かす場合は、水分吸着手段を動いているために、吸着流路と再生流路に流れる空気が水分吸着手段を通過しないで吸着流路と再生流路を通り抜ける場合が起こる。この場合には移動水分吸着手段の移動速度を早くすることによって影響を抑えることができ、さらに水分吸着手段を同時に動かす機構の場合には、複数のユニットに同じ動作をさせるので、調湿ユニット個別に駆動手段を持つ必要がなく、1つの駆動手段で複数の水分吸着手段を動かし駆動手段の数を減らすことができる。つまり駆動手段のコストを削減できるので、除湿・加湿運転の効率は若干落ちるが低価格な空気調和装置を得るという効果がある。
本発明の空気調和装置を図1のaのように外気処理空気装置とし、図1のbのように顕熱処理用の第2の空気調和装置を併設することによって、潜熱処理用の空気調和装置aが除湿を分担するために、顕熱処理用の空気調和装置bでは除湿を行う必要がないので冷媒の蒸発温度を高める運転が可能となり、圧縮機は高低差圧の少ない高効率な運転を行うことが可能となる。したがって、このような外気処理を行う潜熱処理用の空気調和装置aと顕熱処理用の空気調和装置bを別置するシステム構成では空調負荷の大きな割合を占める顕熱負荷を高効率運転が可能な顕熱処理用空気調和装置bで賄うことが可能となり、空調システム全体の効率を高めることが可能となる効果があり、システム全体として省エネルギーになる。
今までの実施例では、調湿ユニット毎に水分吸着手段を動かす例、順次調湿ユニットの水分吸着手段を動かす例、複数の調湿ユニットの水分吸着手段を同時に動かす例を説明したが、これらの動かし方を組合わせ、さらに効率的で連続的な除湿・加湿運転を行うことにより動作時間の短縮が可能になり、装置のファン、加熱手段を動かす時間が短くなるので省エネルギー効果の高い空気調和装置を得ることができる。さらに調湿ユニット毎の水分吸着手段を動かす設定は、吸着速度・脱着速度が落ちてきた時に動かす設定例、吸着速度・脱着速度に関わらず、経過時間によって動かす設定例を説明したが、これらの動かす設定を複数組合わせて用いても効果的な除湿・加湿運転行うことができる。また外気の環境条件(温度・湿度の状態)、室内の設定温度・設定湿度の状態によって、調湿ユニットの水分吸着手段の動かし方や水分吸着手段を動かす設定を組み合わせ、効率的な除湿・加湿運転を行うことにより動作時間の短縮が可能になり、装置のファン、加熱手段を動かす時間が短くなるので省エネルギー効果の高い空気調和装置を得ることができる。
実施の形態2.
《システム構成》
図12に本発明の実施の形態2における空気調和装置の概観を示す。本発明の空気調和装置はケーシング1bによって区画された二つの領域の両方に移動できる水分吸着手段10a〜dと熱交換器15a、bによって除加湿を行う。外気(記号:OAとして図示)は区画された上下二つの領域のうち上部の領域を通過し、上流にある熱交換器15aを通過した後に、上部の領域に存在する水分吸着手段(図12においては、10a、10c)によって除湿、または加湿され給気(記号:SAとして図示)として室内に供給される。また室内空気(記号:RAとして図示)は前記下部の領域を通過し、熱交換器15bを通過したのちに、下部の領域に存在する水分吸着手段(図12においては、10d、10b)によって除湿または加湿され排気(記号:SAとして図示)として室外に放出される。水分吸着手段10a、b、c、dは上下に可動し、上下部に区画された空気流路を行き来することができる構造を持っている。
図13に本形態の空気調和装置の機器構成を示す。本形態の空気調和装置は熱交換器15a、b、圧縮機16、膨張弁17、四方弁18で構成される冷媒回路200、前記水分吸着手段10a、bと駆動部13aで構成される調湿ユニット100aと吸着材10c、dと駆動部13bで構成される調湿ユニット100bで構成されている。
本発明の実施の形態2の空気調和装置の構成を図12、13に基づいて説明する。
図12は空気調和装置の概観となっている。図13の空気調和装置は、熱交換器15a、b、圧縮機16、膨張弁17、四方弁18で構成される冷媒回路200と、前記水分吸着手段10a、bと駆動部13aで構成される調湿ユニット100aと吸着材10c、dと駆動部13bで構成される調湿ユニット100bで構成されている。以下、実施の形態1と同一の箇所である水分吸着手段10a〜dの材質、形状、動作方法については説明を割愛する。
図13に示すように、本実施例における空気調和装置は熱交換器15aとbの2個が設けられており、熱交換器15aは吸着領域の上流に、熱交換器15bは再生領域の下流に配置されている。なお、二つの熱交換器15a、bは四方弁18を切り替えることによって冷媒回路200内の冷媒の流れを反転することが可能であり、図14(A)、(B)のように凝縮器、蒸発器が入れ替わることができる。
図13において、駆動部品13a、13bは、水分吸着手段10a〜10dを吸着経路と再生経路との間で移動させる駆動手段の一部である。この実施例では水分吸着手段10a・10bの両側に駆動部品13aを設け、水分吸着手段Aセット(10a、10b)を連動して平行移動させている。駆動部品13bは、別の水分吸着手段Bセット(10c・10d)を駆動させている。この実施例では、水分吸着手段の両側に2つの駆動装置があり、水分吸着手段を連動して駆動する例を説明したが、1つの駆動装置で水分吸着手段を動かしても良いし、また水分吸着手段を連動させずに単独で駆動させても良い。2つの水分吸着手段A,Bセットを別々に駆動させることによって、外気導入経路Aで水分吸着手段を吸湿速度が速い状態で使用した後、水分吸着手段を水分の脱着のために排気放出経路Bに動かしている間でも、外気導入経路Aにある別の水分吸着手段が除湿を続けており、連続して除湿ができるという効果がある。
また、冷媒回路200において使用される冷媒は二酸化炭素、炭化水素、ヘリウムのような自然冷媒、HFC410A、HFC407Cなどの代替冷媒など、塩素を含まない冷媒、もしくは既存の製品に使用されているR22、R134aなどのフロン系冷媒を使用し、冷媒を循環させる圧縮機などの流体機器は、レシプロ、ロータリー、スクロール、スクリューなどの各種タイプとする。
次に、各運転モードにおける動作について説明する。
《冷房除湿運転モード動作説明》
図14(A)は実施の形態2における冷房除湿運転モードの風路構成を示している。外気導入経路Aでは、外気(OA)より導入された相対的に相対湿度の高い空気が熱交換器15aに送り込まれる。このとき熱交換器15aは蒸発器として機能しており、熱交換して空気を冷却する。冷却された導入空気は相対的に湿度が上昇し、調湿ユニット100a内の水分吸着手段10a、bのいずれか(図14Aでは10a)に流入し、前記水分吸着手段が吸湿(吸着)することによって除湿され、調湿ユニット100aを通過後さらに調湿ユニット100b内の水分吸着手段10c、dのいずれか(図14Aでは10c)に流入し、前記水分吸着手段が吸湿(吸着)することによって除湿される。その除湿空気が室内導入空気(SA)となり、室内に供給される。
一方、排気放出経路Bでは、室内空気(RA)より導入された排出空気が熱交換器15bに送り込まれる。このとき熱交換器bは凝縮器として機能しており、熱交換して空気を過熱する。加熱された排出空気は相対的に相対湿度が低下し、調湿ユニット100b内の水分吸着手段10c、dのいずれかに流入し、前記水分吸着手段が放湿(脱着)することによって加湿され、調湿ユニット100bを通過後さらに調湿ユニット100a内の水分吸着手段10a、bのいずれかに流入し前記水分吸着手段が放湿(脱着)することによって加湿される。その加湿空気を室外に排気(EA)する。
図14(A)冷房除湿を用いて除湿時の各吸着材の動きを説明する。各吸着材の動作は図9(A)除湿と同じである。始めに水分吸着手段10a、水分吸着手段10cが外気導入経路A(吸着領域)に位置し、水分吸着手段10b、水分吸着手段10dが排気放出経路B(再生領域)に位置している。図2(a)に示したような吸着速度で水分吸着手段10a、水分吸着手段10cは水分の吸着を開始するが、t1経過後の水分吸着手段10aの吸着速度はv1のように急激に低下するが、水分吸着手段10cは、水分吸着手段10aにて水分が吸着された空気が流れてくるので、t1経過後でも吸着速度はv1のように急激に低下しない。そこで、調湿ユニット100aの二つの水分吸着手段10a、10bが移動し、吸着速度の低下した水分吸着手段10aは再生領域へ、吸着速度の低下していない水分吸着手段10bは吸着領域へ移動することによって、調湿ユニット100aは、10b:吸着領域(上段)、10a:再生領域(下段)配置になる。水分吸着手段10a、10bが移動中も水分吸着手段10cが吸着を水分吸着し続けているので、吸着は途切れることがなく連続的に除湿動作が行われる。再生領域に移動した水分吸着手段10aは、図2(b)に示したような脱着速度で、水分を放出する。
次に、調湿ユニット100bの水分吸着手段10cは、調湿ユニット100aの下流にあるので、上流にある水分吸着手段10a、10bの吸着速度の低下に比較して遅いが、吸着速度が低下したら調湿ユニット100bの水分吸着手段が同様に位置を入れ替え、調湿ユニット100bは、10d:吸着領域(上段)、10c:再生領域(下段)の配置になる。水分吸着手段10c、10dが移動中も水分吸着手段10bが水分吸着をし続けているので、連続的に除湿動作は行われる。
その後、吸着領域に移動した水分吸着手段10bが水分を吸着して吸着速度が低下し、再生領域に移動した水分吸着手段10aは水分を脱着しているので、調湿ユニット100aの二つの水分吸着手段の位置を再度入れ替えることによって、吸着速度の回復した水分吸着手段10aを吸着領域へ移動し、吸着速度の低下した水分吸着手段10bを再生領域に移動して水分を脱着し吸着速度を回復させる。調湿ユニット100aは、10a:吸着領域(上段)、10b:再生領域(下段)の配置となる。最後に吸着領域に移動した水分吸着手段10dが水分を吸着して吸着速度が低下し、再生領域に移動した水分吸着手段10cは水分を脱着しているので、調湿ユニット100bの水分吸着手段の位置を入れ替えることによって吸着速度の回復した水分吸着手段10cを吸着領域へ移動し、吸着速度の低下した水分吸着手段10dを再生領域に移動して水分を脱着し吸着速度を回復させ、10c:吸着領域(上段)、10d:再生領域(下段)の配置に戻る。
また、調湿ユニット100a、bが交互に動作する例を説明したが、水分吸着手段a〜dの位置を入れ替える同様の動きがあれば、調湿ユニット100aと調湿ユニット100bの動作回数を変えても同様な効果が得られ、また調湿ユニット100aと調湿ユニット100bの動作順序は任意のものとする。この調湿ユニットの入替え動作によって、吸着速度の速い時間帯を除湿に使うことができるので、効率的な除湿運転が可能になる。同量の除湿量を得るために、吸着速度を速くできるので動作時間の短縮が可能になり、装置のファンを動かす時間が短くなり省エネルギー効果が得られる。
《暖房加湿運転モード動作説明》
図14(B)は実施の形態2における暖房加湿運転モードの風路構成を示している。外気導入経路Aでは、外気(OA)より導入された導入空気が熱交換器15aに送り込まれる。このとき熱交換器15aは凝縮器として機能しており、熱交換して空気を加熱する。加熱された導入空気は相対的に相対湿度が低下し、調湿ユニット100a内の水分吸着手段10a、bのいずれか(図14Bでは10a)に流入し、水分吸着手段が放湿(脱着)することによって加湿され、調湿ユニット100aを通過後さらに調湿ユニット100b内の水分吸着手段10c、dのいずれか(図14Bでは10c)に流入し前記水分吸着手段が放湿(脱着)することによって加湿される。その加湿空気が室内導入空気(SA)となり、室内に供給される。
一方、排気放出経路Bでは、室内空気(RA)より導入された排出空気が熱交換器15bに送り込まれる。このとき熱交換器15bは蒸発器として機能しており、熱交換して空気を冷却する。冷却された導入空気は相対的に相対湿度が上昇し、調湿ユニット100b内の水分吸着手段10c、dのいずれかに流入し、前記水分吸着手段が吸湿(吸着)することによって除湿され、調湿ユニット100aを通過後さらに調湿ユニット100a内の水分吸着手段10a、bのいずれかに流入し、前記水分吸着手段が吸湿(吸着)することによって除湿される。その除湿空気が室外に排気(EA)する。
図14(B)を用いて、加湿時の各吸着材の動きを説明する。各吸着剤の動作は図10(除湿時と違い水分吸着手段10a、水分吸着手段10cが外気導入経路A(再生領域)に位置し、水分吸着手段10b、水分吸着手段10dが排気放出経路B(吸着領域)に位置している。図2(b)に示したような脱着速度で水分吸着手段10a、水分吸着手段10dは水分の脱着を開始するが、t1経過後の水分吸着手段10aの脱着速度はv1のように急激に低下するが、水分吸着手段10cは、水分吸着手段10aにて水分が脱着された湿度の高い空気が流れてくるので、t1経過後でも吸着速度はv1のように急激に低下しない。そこで、調湿ユニット100aの二つの水分吸着手段10a、10bが移動し、脱着速度の低下した水分吸着手段10aは吸着領域へ、脱着速度の低下していない水分吸着手段10cは再生領域へ移動することによって、調湿ユニット100aは10b:再生領域(上段)、10a:吸着領域(下段)の配置になる。水分吸着手段10a、10bが移動中も水分脱着手段10cが水分脱着し続けているので、脱着は途切れることがなく連続的に給湿動作が行われる。再生領域に移動した水分吸着手段10bは、図2(a)に示したような吸着速度で、水分を吸収する。
次に、調湿ユニット100bの水分吸着手段10cは、調湿ユニット100aの下流にあるので、上流にある水分吸着手段10a、10bの脱着速度の低下に比較して遅いが、吸着速度が低下したら調湿ユニット100aの水分吸着手段が同様に位置を入れ替え、調湿ユニット100bは、10d:再生領域(上段)、10c:吸着領域(下段)の配置になる。水分吸着手段10c、10dが移動中も水分吸着手段10bが水分脱着をし続けているので、連続的に給湿動作は行われる。
その後、吸着領域に移動した水分吸着手段10bが水分を脱着して脱着速度が低下し、吸着領域に移動した水分吸着手段10aは水分を吸着しているので、調湿ユニット100bの二つの水分吸着手段の位置を再度入れ替えることによって、脱着速度の回復した水分吸着手段10aを再生領域へ移動し、脱着速度の低下した水分吸着手段10bを吸着領域に移動して水分を吸着し脱着速度を回復させる。調湿ユニット100aは、10a:再生領域(上段)、10b:吸着領域(下段)の配置となる。
最後に再生領域に移動した水分吸着手段10dが水分を脱着して脱着速度が低下し、吸着領域に移動した水分吸着手段10cは水分を吸着しているので、調湿ユニット100bの水分吸着手段の位置を入れ替えることによって脱着速度の回復した水分吸着手段10cを再生領域へ移動し、脱着速度の低下した水分吸着手段10dを吸着領域に移動して水分を吸着し脱着速度を回復させる。調湿ユニット100bは、10c:再生領域(上段)、10d:吸着領域(下段)の配置に戻る。
また、調湿ユニット100a、bが交互に動作する例を説明したが、水分吸着手段a〜dの位置を入れ替える同様の動きがあれば、調湿ユニット100aと調湿ユニット100bの動作回数を変えても同様な効果が得られ、また調湿ユニット100aと調湿ユニット100bの動作順序は任意のものとする。この調湿ユニットの入替え動作によって、脱着速度の速い時間帯を給湿に使うことができるので、効率的な加湿運転が可能になる。同量の加湿量を得るために、脱着速度を速くできるので動作時間の短縮が可能になり、装置のファンを動かす時間が短くなり省エネルギー効果が得られる。
なお、図13の丸で囲った数字は図15と対応する各位置における空気状態を示す記号であり、その他記号は実施の形態1と同様である。
《システム動作による作用の説明》
図15は図13に示す本実施の形態における空気調和装置の冷房除湿時の作動状態における湿り空気線図である。図15(a)吸着領域は外気導入経路A、図15(b)再生領域は排気放出経路Bにおける湿り空気線図上の動きを示している。
図13の水分吸着手段の位置において、外気導入経路Aでは、外気OAから導入された導入空気(状態イ)は熱交換器15aに送り込まれ、冷却されることにより相対湿度が上昇する(状態ロ)。相対湿度が上昇した導入空気(状態ロ)が吸着領域の調湿ユニット100aに流入・通過し、等エンタルピ過程で水分を吸着され、絶対湿度が低下し、吸着熱を受け取る。(状態ハ)。さらに吸着領域の調湿ユニットbに流入・通過し、等エンタルピ過程で水分を吸着され、絶対湿度が低下し、吸着熱を受け取る。(状態ニ)。このように外気導入経路Aにおいて除湿された導入空気(状態ニ)が給気SAとして室内空間に供給される。以上の状態の変化は、図15(a)吸着領域に示す。
図13の水分吸着手段の位置において、排気放出経路Bでは、外気RAから導入された導入空気(状態ホ)は熱交換器15bに送り込まれ、加熱されることにより相対湿度が低下する(状態ヘ)。相対湿度が低下した導入空気(状態ヘ)が再生領域の調湿ユニット100bに流入・通過し、等エンタルピ過程で加湿され、絶対湿度が上昇する、空気温度は低下する(状態ト)。さらに再生領域の調湿ユニットaに流入・通過し、等エンタルピ過程で加湿され、絶対湿度が上昇し、空気温度は低下する(状態チ)。このように排気放出経路Bにおいて加湿された導入空気(状態チ)が排気EAとして室外に排出される。以上の状態の変化は、図15(b)再生領域に示す。
実施の形態2においては実施の形態1とは異なり、吸着・再生領域上流に熱交換器を配置することにより、前述のように吸着材の吸着空気となる導入空気の相対湿度を80〜100%RH近くまで上昇させることができる。このようにすることで吸着空気の相対湿度を上げた吸着空気と脱着空気との相対湿度差ΔRHが大きくなるため、吸着材の吸脱着能力Δqが増大し、実施の形態1よりも大きな除加湿能力を得ることが可能となる。
また、四方弁によって冷媒の流れを逆にすることができるため、実施の形態1で必要であった風路切替え手段を省くことが可能になっており、装置の小型化が可能であるので輸送性が向上し、天井裏での工事性も向上する。
本発明は、第1の空間から第2の空間に向かう空気の流れを形成する第1の空気流路と、 第2の空間から前記第1の空間に向かう空気の流れを形成する第2の空気流路と、第1もしくは第2の空気流路において空気を加熱する加熱手段と、第1の空気流路と第2の空気流路とを跨がって移動することができ、第1もしくは第2の空気流路のいずれか一方に位置するときに吸着除湿し、いずれか他方に位置するときに加熱再生される動作を交互に繰り返すことが可能な調湿ユニットとを備え、調湿ユニットは、複数の平板状の水分吸着手段と、水分吸着手段を平行移動することが可能な駆動部とから構成されることを特徴とする空気調和装置である。
本発明は、第1の空間から第2の空間に向かう空気の流れを形成する第1の空気流路と、第2の空間から前記第1の空間に向かう空気の流れを形成する第2の空気流路と、冷媒を圧縮する圧縮機、四方弁、絞り装置、第1の熱交換器、第2の熱交換器から構成された冷媒回路と、第1の空気流路と前記第2の空気流路とを跨がって移動することができ、第1もしくは第2の空気流路のいずれか一方に位置するときに吸着除湿し、いずれか他方に位置するときに加熱再生される動作を交互に繰り返すことが可能な調湿ユニットとを備え、調湿ユニットは、複数の平板状の水分吸着手段と、水分吸着手段を平行移動することが可能な駆動部とから構成されることを特徴とする空気調和装置である。
本発明は、調湿ユニットが、風路方向に複数直列に配置されていることを特徴とする空気調和装置である。
本発明は、複数の調湿ユニットのいずれかひとつの調湿ユニットが停止させて、その他の調湿ユニットが順次作動する一連の連携動作を連続的に行うことにより、水分吸着手段が前記第1の空気流路と前記第2の空気流路とを跨がって移動することを特徴とする空気調和装置である。
本発明は、水分吸着手段は相対的に湿度の高い空気から吸湿して相対的に湿度の低い空気に対して放湿する吸着剤を有し、多数の小透孔を有する通風体で構成された多角形の平板であることを特徴とする空気調和装置である。
本発明は、第1の空間を空調室とし、第2の空間を室外として、空調室を除湿もしくは加湿することを特徴とする 空気調和装置である。
本発明は、前項の空気調和装置において、空気調和を行う前記室内の顕熱負荷を、別に設けた冷媒回路を有する第2の空気調和装置にて処理することを特徴とする空調システムである。
1a〜c1.ケーシング、10a〜d.水分吸着手段、11.加熱手段、12a、b.送風手段、13a、b.駆動部品、14a、b.空気流路切替手段、15a、b.熱交換器、16.圧縮機、17.膨張弁、18.四方弁、20.モータ、21a、b.ベベルギア、22.トラバース装置、23a、b.水分吸着手段との接合部品、24.ベルト、25a〜b.プーリ、32.吸着ロータ、33.加熱手段、34.吸着領域、35.再生領域、36a、b.空気の流れ方向、37.通風面積、38.風路断面積、100a、b.調湿ユニット、200.冷媒回路、a.空気調和装置、b.顕熱処理装置、A.外気導入経路、B.排気放出経路

Claims (7)

  1. 第1の空間から第2の空間に向かう空気の流れを形成する吸着流路と、
    前記第2の空間から前記第1の空間に向かう空気の流れを形成する前記吸着流路と隣接した再生流路と、前記再生流路の上流に位置し空気の流れを加熱する加熱手段と、
    前記吸着流路に位置するときは空気の流れの水分を吸着して、水分吸着後に前記再生流路に移動し、前記再生流路に位置するときは前記加熱手段の下流に配置され前記加熱手段で加熱された空気の流れによって水分を脱着して、水分脱着後に前記吸着流路に移動する水分吸着手段と、前記水分吸着手段を前記吸着流路から前記再生流路へ、前記再生流路から前記吸着流路へと順次移動させる駆動手段と、前記水分吸着手段と前記駆動手段を設け、前記吸着流路および前記再生流路の双方に跨るとともに前記空気の流れ方向に直列に複数配置された調湿ユニットと、を備えたことを特徴とする空気調和装置。
  2. 第1の空間から第2の空間に向かう空気の流れを形成する第1の空気流路と、
    前記第2の空間から前記第1の空間に向かう空気の流れを形成する前記第1の空気流路と隣接する第2の空気流路と、冷媒を圧縮する圧縮機、前記冷媒の流れを切替える四方弁、前記冷媒の流れを調整する絞り装置、前記第1の空気流路を流れる空気または前記第2の空気流路を流れる空気と前記冷媒との間で熱交換をする第1の熱交換器および第2の熱交換器とを配管で接続され前記冷媒が循環する冷媒回路と、前記第1の空気流路と前記第2の空気流路との何れか一方に位置するときに吸着除湿し、何れか他方に位置するときに加熱再生されるとともに、前記第1の空気流路と前記第2の空気流路とを移動して前記吸着除湿と前記加熱再生を交互に繰り返す水分吸着手段と、前記第1の熱交換器、前記第2の熱交換器は各々別の空気流路に位置しているとともに前記水分吸着手段の上流にあって、前記水分吸着手段を前記第1の空気流路から前記第2の空気流路へ、前記第2の空気流路から前記第1の空気流路へ順次移動させる駆動手段と、
    前記水分吸着手段と前記駆動手段を設け、前記第1の空気流路および前記第2の空気流路の双方に跨るとともに前記空気の流れ方向に直列に複数配置された調湿ユニットと、を備えたことを特徴とする空気調和装置。
  3. 前記水分吸着手段を前記吸着流路もしくは前記再生流路、または前記第1の空気流路もしくは前記第2の空気流路にそれぞれ異なる個数配置したことを特徴とする請求項1または2に記載された空気調和装置。
  4. 前記複数配置された調湿ユニットは、それぞれ個別に前記水分吸着手段を前記吸着流路から前記再生流路へ、前記再生流路から前記吸着流路へと順次移動させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載された空気調和装置。
  5. 前記水分吸着手段は
    相対的に湿度の高い空気から吸湿して相対的に湿度の低い空気に対して放湿する吸着剤を有していることを 特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の空気調和装置。
  6. 前記第1の空間は空気調和を行う室内とし、前記第2の空間を室外として、
    前記室内を冷房除湿もしくは暖房加湿することを特徴とする 請求項1乃至5の何れかに記載の空気調和装置。
  7. 請求項6記載の空気調和装置を設けるとともに、 空気調和を行う前記室内の顕熱負荷を、別に設けた冷媒回路を有する第2の空気調和装置にて処理することを特徴とする空調システム。
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