JP2011043139A - 過給機、これを備えたディーゼル機関およびこれを備えた船舶 - Google Patents

過給機、これを備えたディーゼル機関およびこれを備えた船舶 Download PDF

Info

Publication number
JP2011043139A
JP2011043139A JP2009192969A JP2009192969A JP2011043139A JP 2011043139 A JP2011043139 A JP 2011043139A JP 2009192969 A JP2009192969 A JP 2009192969A JP 2009192969 A JP2009192969 A JP 2009192969A JP 2011043139 A JP2011043139 A JP 2011043139A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
turbine
supercharger
compressor
bearing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009192969A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5398420B2 (ja
Inventor
Keiichi Shiraishi
啓一 白石
Tomotsugu Ono
友嗣 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2009192969A priority Critical patent/JP5398420B2/ja
Publication of JP2011043139A publication Critical patent/JP2011043139A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5398420B2 publication Critical patent/JP5398420B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Supercharger (AREA)

Abstract

【課題】軸受台から外部への潤滑油の漏洩を防止することができる過給機、これを備えたディーゼル機関およびこれを備えた船舶を提供することを目的とする。
【解決手段】排気ガスにより回転駆動されるタービン2と、一端にタービン2を設けた回転軸6と、回転軸6の他端に設けられ、タービン2が回転駆動することより回転駆動されて空気を圧縮する圧縮機3と、回転軸6を回転自在とする軸受15,16,17、軸受15,16,17とタービン2との間に設けられ、軸受15,16,17に供給される潤滑油のタービン2側への流出を封止するタービン側封止部26、および圧縮機3により圧縮された空気の一部をタービン側封止部26へと導く空気路20を有する軸受台4と、を備えた過給機1において、停止時に、外部から空気路20へと圧縮空気が導かれるシール空気導入手段23が備えられていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、過給機、これを備えたディーゼル機関およびこれを備えた船舶に関し、特に、軸受用潤滑油の過給機からの漏洩防止に関するものである。
一般に、大型の舶用ディーゼル機関は、起動時や極低負荷運転時には、ディーゼル機関から排出される排気ガスのエネルギーが小さい。そのため、過給機を運転することができず、補助ブロアを運転して空気をディーゼル機関へと供給している。
特許文献1には、補助ブロアの空気吸引作用によって、過給機の圧縮機ケーシング内が負圧になり、さらに圧縮機ケーシングから軸受台内に設けられているシール空気路に連通している空気室が負圧になった場合に、潤滑油が軸受台から外部へ漏洩することを防止する逆止弁が開示されている。
また、特許文献2から特許文献4には、ディーゼル機関の部分負荷運転時における、回転軸方向に作用するスラスト荷重の調整と、軸受台からの潤滑油の漏洩防止とを目的として、圧縮機により圧縮された圧力の高い空気をタービン側のシール装置に供給することが開示されている。
実用新案登録第2552282号公報 特開2003−293783号公報 特許第3534566号公報 特許第3219599号公報
複数台の過給機を搭載しているディーゼル機関において、機関の低負荷運転時の性能を改善するために、1台の過給機の運転を停止し残りの過給機を運転する過給機カット運転が行われる場合がある。過給機カット運転により、過給機1台あたりに供給される排ガス量が増加し過給機の回転数が上昇する。そのため、過給機からディーゼル機関に供給される給気量が増加し、ディーゼル機関の掃気圧が上昇する。その結果、ディーゼル機関の低負荷運転時の熱効率が上昇し燃料消費率が良くなる。
過給機カット運転中は、ディーゼル機関の振動によって軸受が損傷することを防止するために、停止中の過給機の軸受台には、運転中の過給機の軸受台と同様に潤滑油が供給されている。潤滑油の軸受台からの漏洩を防止するために、運転中の過給機には、タービン側シール装置に対して同過給機の圧縮機から圧縮空気がシール空気として導かれている。しかし、過給機カット運転中における停止中の過給機は、自身の圧縮機が駆動されていないため、シール空気がタービン側シール装置に供給されない。
また、運転中の過給機では、過給機によって圧縮された空気がインペラから回り込んで潤滑油が軸受台から圧縮機側へと漏洩することを防止しているが、停止中の過給機では、このような圧縮空気が供給されない。
また、各過給機に接続されている空気抜き管が空気抜き集合管に合流しているため、運転中の過給機の軸受台の内部の空気が空気抜き集合管を通って停止中の過給機へと流入する。さらに、各過給機に設けられている油ドレン管が油ドレン集合管に接続されているため、運転中の過給機の油ドレン管から潤滑油とともに排出された空気が油ドレン集合管を通って停止中の過給機へと逆流する。これら停止中の過給機へと逆流した空気は、軸受台の内部に入る。そのため、停止中の過給機の軸受台の内部は、運転中の過給機の軸受台の内部と圧力が同等となる。しかし、停止中の過給機の軸受には、潤滑油が供給され、かつ、シール空気となる圧縮空気が導かれないため、潤滑油が軸受台から漏洩するという問題があった。
特許文献1の発明は、ディーゼル機関の起動時や極低負荷運転時における過給機からの潤滑油の漏洩防止について開示されているが、運転中の過給機からの逆流空気による停止中の過給機からの潤滑油の漏洩防止については開示されていない。
特許文献2から特許文献4の発明は、過給機の運転中に圧縮機が圧縮した空気を用いて潤滑油の漏洩を防止することについて開示されているが、停止中の過給機からの潤滑油の漏洩防止については開示されていない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、軸受台から外部への潤滑油の漏洩を防止することができる過給機、これを備えたディーゼル機関およびこれを備えた船舶を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の過給機、これを備えたディーゼル機関およびこれを備えた船舶は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係る過給機は、排気ガスにより回転駆動されるタービンと、一端に前記タービンを設けた回転軸と、該回転軸の他端に設けられ、前記タービンが回転駆動することにより回転駆動されて空気を圧縮する圧縮機と、前記回転軸を回転自在とする軸受、該軸受と前記タービンとの間に設けられ、前記軸受に供給される潤滑油の前記タービン側への流出を封止するタービン側封止部、および前記圧縮機により圧縮された空気の一部を前記タービン側封止部へと導く空気路を有する軸受台と、を備えた過給機において、停止時に、外部から前記空気路へと圧縮空気が導かれるシール空気導入手段が備えられていることを特徴とする。
過給機の停止中には、圧縮機が空気を圧縮しないため空気路からタービン側封止部へと圧縮空気が供給されない。そのため、過給機の軸受へと供給された潤滑油が軸受台からタービン側へと漏洩する。本発明は、外部から圧縮空気を空気路へと導出するシール空気導入手段を過給機に設けることとした。そのため、停止中の過給機のタービン側封止部へと圧縮空気を導くことができる。したがって、停止中の過給機の軸受台からタービン側に潤滑油が漏洩することを防止することができる。
本発明に係る過給機によれば、前記シール空気導入手段は、前記空気路の前記タービン側封止部側の負圧を防止するバキュームブレーカーを備え、前記空気路の途中に該空気路の圧力に応じて開閉する開閉弁を有し、前記圧縮機が運転中の場合には、前記圧縮機から圧縮空気が前記空気路の前記タービン側封止部側へと導かれ、前記圧縮機が停止し、あるいは極めて低回転の状態で運転している場合には、前記開閉弁が閉じるとともに外部から圧縮空気が前記空気路の前記タービン側封止部側へと導かれることを特徴とする。
過給機が搭載されているディーゼル機関が始動時には、ディーゼル機関に搭載されている補助ブロアの空気吸引作用によって圧縮機側が負圧になる。圧縮機側が負圧になるので、圧縮機側から空気路を介して連通しているタービン側封止部も負圧になる。タービン側封止部が負圧になるので、潤滑油が吸引され軸受台から漏洩してしまう。そこで、ディーゼル機関の始動時における過給機からの潤滑油の漏洩を防止するために、圧縮機がタービン側封止部側の空気路の圧力に応じて開閉する開閉弁を備えるバキュームブレーカーが圧縮機には設けられている。
本発明では、過給機の運転中には、圧縮機から圧縮空気を空気路のタービン側封止部へと導き、過給機が停止、あるいは極めて低回転の状態で運転している場合には、外部から空気路の圧縮空気をタービン側封止部へと導くとともに開閉弁が閉状態となるバキュームブレーカーを空気路の途中に設けることとした。そのため、既存のバキュームブレーカーと交換することによって、過給機カット運転が可能となる。したがって、過給機カット運転時の潤滑油の漏洩を防止するための追加工事が容易となる。
本発明に係る過給機によれば、前記バキュームブレーカーは、前記開閉弁を介することなく外部から導入された圧縮空気を前記空気路の前記タービン側封止部側へと導く外部空気供給路を備え、前記開閉弁の上流側には前記圧縮機に連通する開口部が形成され、前記開閉弁は、前記開口部の圧力が負圧の場合には、閉となり、前記開口部の圧力が前記空気路の前記タービン側封止部の圧力よりも高圧の場合には、開となって前記圧縮機が圧縮した空気を前記空気路の前記タービン側封止部側へ導くことを特徴とする。
過給機が停止し、あるいは極めて低回転の状態で補助ブロアの空気吸引作用等によって圧縮機および圧縮機に連通している開口部が負圧となった場合には、開閉弁が閉状態のため空気路のタービン側封止部側から開口部へと空気は導かれない。また、空気路のタービン側封止部側には、外部空気供給路から供給された外部からの圧縮空気が導かれる。そのため、空気路のタービン側封止部側の負圧を防止することができる。したがって、過給機が停止中、あるいは極めて低回転の状態であっても過給機から潤滑油が漏洩することを防止することができる。
本発明に係る過給機によれば、前記軸受と前記圧縮機との間に設けられ、前記軸受に供給される潤滑油の前記圧縮機側への流出を封止する圧縮機側封止部を備え、前記シール空気導入手段の後流の前記空気路には、前記圧縮機側封止部へと圧縮空気を供給する圧縮機側シール空気供給路が設けられていることを特徴とする。
停止中の過給機のタービン側封止部だけに圧縮空気を供給した場合、潤滑油が回転軸の表面を伝って軸受台から圧縮機側へと漏洩する。そのため、空気路から分岐された圧縮機側シール空気供給路から圧縮機側封止部へと圧縮空気を供給することとした。したがって、停止中の過給機の軸受台から圧縮機側へと潤滑油が漏洩することを防止することができる。
本発明に係る複数の過給機によれば、前記シール空気導入手段へと導かれる圧縮空気は、他の前記過給機より供給されることを特徴とする。
過給機の空気路には、他の過給機によって圧縮された空気がバキュームブレーカーから供給される。そのため、停止中の過給機の潤滑油の封止部に導かれる圧縮空気を供給する機器を別途設ける必要がない。したがって、機器設置コストを抑制することができる。
本発明に係るディーゼル機関によれば、各前記過給機に設けられている前記軸受台内の潤滑油を外部へと導く油ドレン管と、前記軸受台内の空気を外部へと導く空気抜き管とは、油ドレン集合管と空気抜き集合管とに各々接続されている上記のいずれかに記載の前記過給機を少なくとも一つ含む複数の過給機を備えたことを特徴とする。
複数の過給機を有するディーゼル機関において、低負荷運転時の性能を改善するために1台の過給機の運転を中止し残りの過給機によって運転を行う過給機カット運転が行われることがある。これにより、運転中の過給機へと供給される排ガス量が増加する。過給機は、排ガス量が増加するので回転数が増加する。過給機の回転数が増加するので、多くの空気量を圧縮することができる。そのため、圧縮機から空気が供給されるディーゼル機関の掃気圧が上昇する。掃気圧が上昇するので、ディーゼル機関の熱効率が向上する。その結果、ディーゼル機関の低負荷運転時の燃料消費率が上昇する。
過給機カット運転中には、停止中の過給機には、圧縮機が空気を圧縮しないため空気路から潤滑油の封止部へと圧縮空気が供給されない。また、各過給機に設けられている空気抜き管が1本の空気抜き集合管に合流しているため、運転中の過給機の軸受台から排出された空気が空気抜き集合管を介して停止中の過給機の軸受台へと逆流する。また、運転中の過給機の油ドレン管から排出された潤滑油中には、空気が含まれていることがある。また、各過給機に設けられている油ドレン管が1本の油ドレン集合管に合流しているため、油ドレン管から排出された潤滑油に含まれた空気が油ドレン集合管から停止中の過給機の軸受台へと逆流する。これらの空気の逆流によって、停止中の過給機の軸受台内部の圧力は、運転中の過給機の軸受台内部の圧力と同じになり、停止中の過給機の軸受台から潤滑油が漏洩する。
本発明では、過給機カット運転中に、停止中の過給機のタービン側封止部および過給機側封止部に運転中の過給機から圧縮空気を供給する。したがって、停止中の過給機の軸受台からの潤滑油の漏洩を防止しつつ、ディーゼル機関の低負荷運転時における性能を改善し燃料消費率を改善することができる。
本発明に係る船舶は、上記に記載のディーゼル機関を備えたことを特徴とする。
過給機からの潤滑油の漏洩を防止することができるので、乗組員の船内作業が低減される。また、過給機カット運転を行うことによりディーゼル機関の低負荷運転時における燃料消費率が改善される。したがって、船舶の航行コストを改善することが可能となる。
本発明によると、外部から導いた圧縮空気を空気路へと導出するシール空気導入手段を過給機に設けることとした。そのため、停止中の過給機のタービン側封止部へと圧縮空気を導くことができる。したがって、停止中の過給機の軸受台からタービン側へと潤滑油が漏洩することを防止することができる。
本発明の一実施形態に係る過給機の構成を示した縦断面図である。 図1に示したバキュームブレーカーであり、(A)は縦断面図を示し、(B)は左側面図を示し、(C)は開閉弁が開状態の右側面図を示し、(D)は開閉弁が閉状態の右側面図を示している。 図1に示した複数の過給機の潤滑油ドレン、空気抜き、シール空気の回路を示す概略構成図である。
以下に、本発明の一実施形態について、図1および図2を参照して説明する。
図1および図2には、本実施形態に係る船舶が備えているディーゼル機関に搭載されている過給機1が示されている。
ディーゼル機関(図示せず)は、機関室(図示せず)内に備えられている。ディーゼル機関には、複数台の過給機(図1には1台のみを示す)1と、複数台の空気冷却器(図示せず)とが搭載されている。
各過給機1は、ディーゼル機関が排出する排気ガスによって駆動されるタービン2と、タービン2によって回転駆動される回転軸6と、回転軸6が回転駆動されることによって空気を圧縮する圧縮機3と、タービン2と圧縮機3との間に設けられ回転軸6を支持する軸受台4とを有している。
タービン2は、タービンケーシング7と、ディーゼル機関から供給された排気ガスによって回転するタービンディスク8と、タービンディスク8の周方向に設けられているタービン翼9とを有している。
タービンケーシング7は、タービンディスク8とタービン翼9とを覆うように設けられている。タービンケーシング7は、ディーゼル機関の排気ガス集合管(図示せず)から排気ガスが導かれるタービンケーシング入口7aと、ディーゼル機関の排気ガスをタービン翼9へと導く排気ガス通路7bと、タービン翼9を通過した排気ガスを過給機1外へと導くタービンケーシング出口7cとを有している。
タービンディスク8は、円盤形状をなしており、回転中心から径方向外側に向けて延びるタービン翼9が周方向に沿って複数設けられている。タービン翼9は、タービンケーシング7によって径方向の外側を囲むよう覆われている。タービン翼9には、排気ガス通路7bから排気ガスが導かれる。タービン翼9に導かれた排気ガスによって、タービンディスク8および回転軸6が回転駆動される。タービンディスク8および回転軸6を回転駆動した排気ガスは、タービン翼9からタービンケーシング出口7cへと流出する。
タービンディスク8は、軸受台4に近接させた状態で設けられている。タービンディスク8の軸受台4に対向する面には、軸受台4に設けられているタービン側ガスラビリンスパッキン10と摺接する凹凸形状からなるラビリンスフィン(図示せず)が同心円状に設けられている。
圧縮機3は、圧縮機ケーシング11と、回転駆動されることで空気を圧縮するインペラ12とを有している。
圧縮機ケーシング11は、インペラ12を覆うように設けられている。圧縮機ケーシング11は、サイレンサ11dを介して外部からの空気を取り入れる圧縮機ケーシング入口11aと、インペラ12が圧縮した空気が導かれる渦巻き室11bと、インペラ12が圧縮した空気を排出する圧縮機ケーシング出口11cとを有している。
インペラ12は、略円盤形状をなしており、その一面には中心から径方向外側に向けて延びる翼(図示せず)が複数設けられている。インペラ12は、渦巻き室11bによって径方向外側を囲むよう覆われている。インペラ12には、圧縮機ケーシング入口11aから吸入された空気が導かれる。インペラ12は、同軸上に設けられているタービン2が回転駆動することによって回転駆動される。回転駆動されたインペラ12によって、圧縮機ケーシング入口11aから吸入された空気が圧縮され、圧縮された空気は、インペラ12の径方向外側へと送出される。インペラ12によって圧縮された空気は、渦巻き室11bを通過して圧縮機ケーシング出口11cから導出される。
インペラ12は、軸受台4に近接させた状態で設けられている。インペラ12の翼が設けられていないタービン2側の面には、軸受台4に設けられている圧縮機側ガスラビリンスフィン13と摺接する凹凸形状からなるラビリンスフィン(図示せず)が同心円状に設けられている。
軸受台4には、一端をタービン2側に突出させ、他端を圧縮機3側に突出させた回転軸6が貫通されている。また、軸受台4には、タービンケーシング7と、圧縮機ケーシング11とが接続されている。これらタービンケーシング7と、軸受台4と、圧縮機ケーシング11とは、ボルト14によって一体に締結されている。
軸受台4には、ジャーナル軸受15,16が2箇所と、スラスト軸受17が1箇所に設けられている。これらジャーナル軸受15,16は、タービン2側の近傍と、圧縮機3側の近傍とに設けられている。これらジャーナル軸受15,16によって、回転軸6は、軸回りの回転が可能とされ、かつ、軸受台4によって支持されている。
スラスト軸受17は、回転軸6の半径方向外周に向かって突出するスラストカラー18の両側に設けられている。スラストカラー18とスラスト軸受17とは、圧縮機3側に設けられているジャーナル軸受16とインペラ12との間に設けられている。回転軸6は、スラスト軸受17とスラストカラー18によって、排気ガスがタービン翼9に作用して回転軸6が軸方向へ移動することを規制するとともに、回転軸6回りの回転が可能とされている。
また、軸受台4の内部には、軸受台4内の空気抜きである空気抜き路(図示せず)と、軸受台4内の潤滑油を排出する油ドレン路(図示せず)と、潤滑油が導かれる潤滑油供給路19と、シール空気(圧縮空気)が導かれるシール空気路(空気路)20とが穿孔されている。
軸受台4内の空気は、軸受台4内の空気抜き路から軸受台4の上方に接続されている空気抜き管(図示せず)へと排出される。これによって、軸受台4内の空気抜きが行われる。
各軸受15,16,17に供給された潤滑油のうち、余剰の潤滑油は、軸受台4の内部に穿孔された油ドレン路から軸受台4の下方に接続されている油ドレン管(図示せず)へと排出される。
潤滑油は、軸受台4の上方に接続されている潤滑油供給管(図示せず)から軸受台4へと供給される。軸受台4に供給された潤滑油は、軸受台4内に穿孔された潤滑油供給路19を通って、3つの分岐通路(図示せず)に分岐される。3つの分岐通路に導かれた潤滑油は、各軸受15,16,17へと供給される。これら軸受15,16,17は、潤滑油が供給されることによって焼付きが防止される。
シール空気は、圧縮機3の渦巻き室11bに開口している開口部(図示せず)から軸受台4に穿孔されたシール空気路入口21を通って、空気室22との間を接続する軸受台4に穿孔されたシール空気路20へと導かれる。シール空気路入口21とシール空気路20との間には、バキュームブレーカー(シール空気導入手段)23が接続されている。シール空気路20は、途中で圧縮機側油ラビリンスパッキン24へと圧縮空気であるシール空気の一部を供給する分岐シール空気路25に分岐されている。
バキュームブレーカー23の側壁には、シール空気路入口21が連通している。バキュームブレーカー23の一端は、シール空気路20に連通している。バキュームブレーカー23の他端は、軸受台4の側壁に開口している。軸受台4に開口しているバキュームブレーカー23の他端には、シール空気供給管32が接続されている。
軸受台4の2箇所に設けられたジャーナル軸受15,16との間は空間部Sとなっている。また、圧縮機側ジャーナル軸受16とスラスト軸受17との間には密閉部を有しないため、回転軸6を伝って各軸受15,16,17に供給された潤滑油が軸受台4から外部へと漏洩する恐れがある。そのため、タービン側油ラビリンスパッキン26と、圧縮機側油ラビリンスパッキン24とによって、各軸受15,16,17に供給された潤滑油が軸受台4から外部へと漏洩することを防止している。各油ラビリンスパッキン24,26は、凹凸からなるラビリンスフィン(図示せず)を有している。
圧縮機側油ラビリンスパッキン(圧縮機側封止部)24は、圧縮機3側のスラスト軸受17とインペラ12との間で、かつ、回転軸6に摺接するように設けられている。この圧縮機側油ラビリンスパッキン24に対向する回転軸6には、圧縮機側油ラビリンスパッキン24のラビリンスフィンと同心上のラビリンスフィン(図示せず)が設けられている。圧縮機側油ラビリンスパッキン24は、軸受台4から圧縮機3側へと潤滑油が漏洩することを防止している。
タービン側油ラビリンスパッキン(タービン側封止部)26は、タービン側ジャーナル軸受15とタービンディスク8との間で、かつ、回転軸6に摺接するように設けられている。このタービン側油ラビリンスパッキン26に対向する回転軸6には、タービン側油ラビリンスパッキン26のラビリンスフィンと同心上のラビリンスフィン(図示せず)が設けられている。タービン側油ラビリンスパッキン26は、軸受台4からタービン2側へと潤滑油が漏洩することを防止している。
軸受台4には、タービン側ガスラビリンスパッキン10と圧縮機側ガスラビリンスパッキン13とが設けられている。
タービン側ガスラビリンスパッキン10は、タービン側油ラビリンスパッキン26とタービンディスク8との間に設けられている。タービン側ガスラビリンスパッキン10は、ラビリンスフィン(図示せず)を有している。タービン側ガスラビリンスパッキン10は、対向するタービンディスク8に設けられている同心円状のラビリンスフィン(図示せず)と摺接することにより、軸受台4とタービンディスク8との間の空気室22を封止し、排気ガスの流入を防止している。
圧縮機側ガスラビリンスパッキン13は、圧縮機側油ラビリンスパッキン24とインペラ12との間に設けられている。圧縮機側ガスラビリンスパッキン13は、ラビリンスフィン(図示せず)を有している。圧縮機側ガスラビリンパッキン13は、対向するインペラ12に設けられている同心円状のラビリンスフィン(図示せず)と摺接する。
軸受台4には、タービンディスク8に隣接させて空気室22が設けられている。空気室22は、タービンディスク8の圧縮機3側に隣接しタービン側油ラビリンスパッキン26との間にリング形状にわたって設けられている。空気室22には、シール空気路20から圧縮空気がシール空気として供給される。供給されたシール空気によって、タービンケーシング7からの排気ガスの流入を防止する。また、タービン翼9に供給される排気ガスの流れによって、タービンディスク8は圧縮機3側へ向かうスラスト荷重を受ける。この圧縮機3側へと向かうスラスト荷重は、空気室22に供給されたシール空気がタービンディスク8を押し返す(図1においては右方向)ことによって低減される。
図2には、バキュームブレーカーが示され、(A)は縦断面図であり、(B)は左側面図を示し、(C)は右側面図で、かつ、開閉弁の開状態を示し、(D)は右側面図で、かつ、開閉弁の閉状態を示している。
図2(A)に示すように、バキュームブレーカー(シール空気導入手段)23は、軸受台4(図1参照)の内部へと水平に延在している。バキュームブレーカー23の一端は、軸受台4(図1参照)の側壁に開口している。軸受台4に開口しているバキュームブレーカー23の一端には、フランジ29が設けられている。軸受台4(図1参照)の内部へと水平に延在しているバキュームブレーカー23の他端は、シール空気路20(図1参照)に接続されている。
バキュームブレーカー23は、内管(外部空気供給路)28を外管27が覆っている二重管構造となっている。外管27の側壁には、圧縮機3に連通しているシール空気路入口(開口部)21が形成されている。このシール空気路入口21は、開閉弁30の上流側であって、開閉弁30を介してシール空気路20(図1参照)に連通している。シール空気路20(図1参照)に接続されている外管27の端部は、上下に略2分割されている。分割されている端部のうち、上部側は、内管28の端部である内管出口31が開口している。分割されている端部のうち、下部側には、開閉弁30が設けられている。
バキュームブレーカ−23の内管28は、外管27の側壁に開口しているシール空気路入口21をバイパスするようにシール空気路20(図1参照)へ連通されている。内管28の一端は、バキュームブレーカ−23のフランジ29において外管27の中心に位置するよう配置され、シール空気路20(図1参照)に接続されている内管出口31は、外管27の中心よりも上部に配置されている。そのため、内管28は、外管27内をフランジ29側から内管出口31側に向かって、斜め上方に傾斜するように設けられている。
開閉弁30は、シール空気路入口21の圧力が負圧の場合には、閉状態となり、シール空気路入口21の圧力がシール空気路20の圧力よりも高圧の場合には、開状態となる。
バキュームブレーカー23のフランジ29には、シール空気供給管32に接続されるフランジ33がボルト(図示せず)によって結合されている。シール空気供給管32は、バキュームブレーカ−23の内管28に連通している。シール空気供給管32から導かれた圧縮空気は、内管28から開閉弁30を介することなく直接シール空気路20(図1参照)へと導かれる。
図3には、複数の過給機の潤滑油ドレン、空気抜き、及びシール空気の回路を示す概略構成図が示されている。
ディーゼル機関に搭載されている複数台(例えば3台)の過給機1A,1B,1Cには、ディーゼル機関に備えられている排気ガス集合管34から各過給機1A,1B,1Cのタービンケーシング入口7a(図1参照)へと排気ガスが導かれる。
排気ガス集合管34と各過給機1A,1B,1Cのタービンケーシング入口7a(図1参照)との間には、排気ガス側開閉弁35(図3では1つだけ示されている)が設けられている。排気ガス側開閉弁35は、通常は開状態となっているが、閉状態にすることによってディーゼル機関から排出される排気ガスの各過給機1A,1B,1Cへの供給を遮断することができる。
また、各過給機1A,1B,1Cの圧縮機ケーシング出口11c(図1参照)には、圧縮空気側開閉弁36(図3では1つだけ示されている)が設けられている。圧縮空気側開閉弁36は、通常は開状態となっているが、閉状態にすることによっての圧縮機ケーシング出口11c(図1参照)から各過給機1A,1B,1Cに逆入する空気を遮断することができる。
なお、排気ガス側開閉弁35および圧縮空気側開閉弁36の替わりに、盲板を挿入して排気ガスの過給機1A,1B,1Cへの供給および圧縮機ケーシング出口11c(図1参照)からの空気の逆流を遮断しても良い。
各過給機1A,1B,1Cによって圧縮された空気は、圧縮機ケーシング出口11c(図1参照)から各空気冷却器37A,37B,37Cへと導かれる。
各空気冷却器37A,37B,37Cでは、導かれた圧縮空気が清水または海水と熱交換することによって温度が下げられる。
各過給機1A,1B,1Cに接続されている空気抜き管38A,38B,38Cは、1本の空気抜き集合管39に接続されている。
各過給機1A,1B,1Cに接続されている油ドレン管40A,40B,40Cは、1本の油ドレン集合管41に接続されている。油ドレン集合管41は、機関室内に設けられている潤滑油ドレンタンク(図示せず)へと導かれている。
各過給機1A,1B,1Cに接続されている潤滑油供給管42A,42B,42Cは、1本の過給機潤滑油供給管43に接続されている。過給機潤滑油供給管43は、潤滑油ドレンタンクからディーゼル機関に接続されている主機潤滑油供給管(図示せず)より分岐されている。
過給機1Bに設けられているシール空気供給管32は、過給機1Cの空気冷却器37Cに接続されている。シール空気供給管32には、逆止弁44が設けられている。
逆止弁44は、図3においては、過給機1Cの運転状況に応じて操作され、過給機1Cが負圧の場合には閉状態とされ、過給機1Cの影響が過給機1Bに及ばないようになっている。
次に、上述した構成の過給機の運転方法について図1から図3に基づいて説明する。
各過給機1A,1B,1C(図3参照)には、ディーゼル機関に接続されている排気ガス集合管34(図3参照)から各過給機1A,1B,1C(図3参照)のタービンケーシング入口7aへと排気ガスが導かれる。各過給機1A,1B,1C(図3参照)に導入された排気ガスは、排気ガス通路7bを通過してタービン翼9へと供給される。タービン翼9に供給された排気ガスによって、タービンディスク8および回転軸6が回転駆動される。タービンディスク8および回転軸6を回転駆動した排気ガスは、タービンケーシング出口7cから排出される。
回転軸6が回転駆動することによって、同軸上に設けられているインペラ12が回転駆動される。インペラ12が回転駆動されることによって、圧縮機ケーシング入口11aから吸入された空気が圧縮される。圧縮された空気は、インペラ12の径方向外側に送出され、渦巻き室11bを経て圧縮機ケーシング出口11cから導出される。
インペラ12を通過して圧縮された空気の一部は、インペラ12の先端部よりインペラ12のタービン2側である背面へと流入する。インペラ12のタービン2側へと流入した圧縮空気は、シール空気として圧縮機3側からタービン2側へと圧縮機側油ラビリンスパッキン24を通過して潤滑油が軸受台4から圧縮機3側へと漏洩することを封止する。
インペラ12によって圧縮された空気の一部は、渦巻き室11bを通過中に、渦巻き室11bから軸受台4に開口しているシール空気路入口21へと導かれる。シール空気路入口21に導かれた圧縮空気は、バキュームブレーカー23の外管27(図2参照)内へと導出される。シール空気路入口21における圧縮空気は、バキュームブレーカー23に接続されているシール空気路20よりも圧力が高いため、外管27(図2参照)内へと導出された圧縮空気がバキュームブレーカー23に設けられている開閉弁30(図2参照)をシール空気路20側へと押し開ける。開閉弁30(図2参照)が開状態となるため、圧縮空気が外管27(図2参照)からシール空気路20へと導出される。
シール空気路20に導出された圧縮空気は、一部が分岐シール空気路25へと導かれる。分岐シール空気路25に導かれた圧縮空気は、シール空気として圧縮機側油ラビリンスパッキン24の軸方向の中央部へと供給される。圧縮機側油ラビリンスパッキン24に供給されたシール空気は、圧縮機3側からタービン2側へとラビリンスフィンを通過して、潤滑油が軸受台4から圧縮機3側へと漏洩することを封止する。
分岐シール空気路25に分岐された後流のシール空気路20内の圧縮空気は、軸受台4とタービンディスク8との間に設けられている空気室22へと導出される。空気室22に導出された圧縮空気は、タービンディスク8をタービン3側へ押し返してスラスト軸受17に加わるスラスト荷重を低減している。また、空気室22に供給された圧縮空気は、シール空気としてタービン2側から圧縮機3側へとタービン側油ラビリンスパッキン26のラビリンスフィンを通過して、軸受台4からタービン2側への潤滑油の漏洩を封止する。
次に、3台の過給機のうち1台の過給機の運転を停止し、残りの過給機によって運転が行われる過給機カット運転の場合における過給機の運転方法について、図1から図3に基づいて説明する。
ディーゼル機関の低負荷運転時における性能を改善するために、複数台(例えば3台)搭載されている過給機1A,1B,1C(図3参照)のうち、1台の過給機1(図3において過給機1B)の運転を停止し、残りの過給機1(図3において過給機1A,1C)によって運転を行う過給機カット運転が行われることがある。過給機カット運転を行うことにより、1台の過給機1A又は1Cあたりに導かれる排気ガス量が増加する。供給される排気ガス量が増加するので、運転中の過給機1A,1Cの回転数が増加する。過給機1A,1Cの回転数が増加するので、多くの空気を圧縮することができる。そのため、過給機1A,1Cからディーゼル機関へ供給される空気量が増加し、ディーゼル機関の掃気圧が上昇する。ディーゼル機関の掃気圧が上昇するので、ディーゼル機関の熱効率が向上し燃料消費率が上昇する。そのため、過給機カット運転をした場合、ディーゼル機関の燃料消費率が、全台数の過給機1A,1B,1Cを運転した場合に比べて良くなる。
過給機カット運転を行うために、停止中の過給機1Bに設けられている排気ガス側開閉弁35を閉状態にして、停止中の過給機1Bへの排気ガスの流入を遮断する。また、停止中の過給機1Bの圧縮機ケーシング出口8c(図1参照)への空気の逆流を遮断するために、圧縮機ケーシング出口8c(図1参照)に設けられている圧縮空気側開閉弁36を閉状態にする。
停止中の過給機1Bのタービンケーシング入口部7a(図1参照)への排気ガスの流入と、圧縮機ケーシング出口8c(図1参照)への空気の流入とを遮断しても、各過給機1A,1B,1Cに設けられている空気抜き管38A,38B,38Cが空気抜き集合管39に接続されているため、運転中の過給機1A,1Cの軸受台4(図1参照)内部の空気が、空気抜き集合管39を介して停止中の過給機1Bの軸受台4(図1参照)内部へと逆流する。また、各過給機1A,1B,1Cに設けられている油ドレン管40A,40B,40Cが油ドレン集合管41に接続されているため、運転中の過給機1A,1Cの油ドレン管40A,40Cから潤滑油とともに空気が排出され、油ドレン集合管41を介して停止中の過給機1Bの軸受台4(図1参照)内部へと空気が逆流する。そのため、停止中の過給機1Bの軸受台4(図1参照)の内部は、運転中の過給機1A,1Cの軸受台4(図1参照)の内部と圧力が同等となる。
さらに、停止中の過給機1Bの軸受台4(図1参照)には、運転しているディーゼル機関の振動により停止中の過給機1Bのジャーナル軸受15,16(図1参照)がチャタリングを生じ損傷することを防止するために、潤滑油供給管42Bから潤滑油が供給されている。しかし、停止中の過給機1Bには、排気ガスが供給されないためタービン翼9(図1参照)が回転駆動されない。タービン翼9(図1参照)が回転駆動されないため、同軸上に設けられているインペラ12(図1参照)も回転駆動されない。インペラ12(図1参照)が回転駆動されないため空気が圧縮されず、シール空気である圧縮空気は、シール空気路20(図1参照)から空気室22(図1参照)へと導かれない。
運転中の過給機1A,1Cからの逆流した空気の影響によって、停止中の過給機1Bの軸受台4(図1参照)内の圧力が上昇し、ジャーナル軸受15,17(図1参照)には潤滑油が供給され、かつ、軸受台4にはシール空気が供給されないままでは、停止中の過給機1Bの軸受台4(図1参照)内の潤滑油が過給機1Bの外部へと漏洩する。
そこで、運転中の過給機1Cの空気冷却器37Cに接続されているシール空気供給管32から停止中の過給機1Bへとシール空気である圧縮空気を導く。シール空気供給管32から停止中の過給機1Bへと導かれたシール空気は、バキュームブレーカー23(図1参照)に導入される。導入されたシール空気は、図2に示すようにバキュームブレーカー23の内管28内を通って、バキュームブレーカー23に開閉弁30を介することなく、内管出口31に連通しているシール空気路20(図1参照)へと導出される。停止中の過給機1B(図3参照)のシール空気路20(図1参照)へと導出されたシール空気は、運転中の過給機1A,1C(図3参照)と同様に、分岐シール空気路25(図1参照)と空気室22(図1参照)とに供給される。
図1に示す分岐シール空気路25へと導かれた圧縮空気は、シール空気として圧縮機側油ラビリンスパッキン24の中央部へと供給される。圧縮機側油ラビリンスパッキン24に供給されたシール空気は、圧縮機3側からタービン2側へとラビリンスフィンを通過して、潤滑油が軸受台4から圧縮機3側へと漏洩することを封止する。
また、空気室22に導かれたシール空気は、タービン2側から圧縮機3側へとタービン側油ラビリンスパッキン26のラビリンスフィンを通過して、軸受台4からタービン2側への潤滑油の漏洩を封止する。
以上の通り、本実施形態に係る過給機、これを備えたディーゼル機関およびこれを備えた船舶によれば、以下の作用効果を奏する。
過給機1に外部からシール空気(圧縮空気)をシール空気路(空気路)20へと導出するバキュームブレーカー(シール空気導入手段)23を設けることとした。そのため、過給機1のタービン側油ラビリンスパッキン(タービン側封止部)26へとシール空気を導くことができる。したがって、停止中の過給機1の軸受台4からタービン2側へと潤滑油が漏洩することを防止することができる。
過給機1の運転中には、圧縮機3側からシール空気をタービン側油ラビリンスパッキン26へと導き、過給機1が停止中には、外部からシール空気をタービン側油ラビリンスパッキン26へと導くとともに、開閉弁30(図2参照)が閉状態となるバキュームブレーカー23をシール空気路20の途中に設けることとした。そのため、既存のバキュームブレーカーと交換することによって、過給機カット運転が可能となる。したがって、過給機カット運転時の潤滑油の漏洩を防止するための追加工事が容易となる。
過給機1が停止し、あるいは極めて低回転の状態で補助ブロアの空気吸引作用等によって圧縮機3および圧縮機3に連通しているシール空気路入口(開口部)21が負圧となった場合には、開閉弁30(図2参照)が閉状態のためシール空気路20からシール空気路入口21へと空気は導かれない。また、シール空気路20には、内管(外部空気供給路)28から供給された外部からの圧縮空気が導かれる。そのため、シール空気路20のタービン側油ラビリンスパッキン26の負圧を防止することができる。したがって、過給機1が停止中、あるいは極めて低回転の状態であっても過給機1から潤滑油が漏洩することを防止することができる。
シール空気路20から分岐された分岐シール空気路(圧縮機側シール空気供給路)25から圧縮機側油ラビリンスパッキン24へとシール空気を供給することとした。したがって、停止中の過給機1の軸受台4から圧縮機3側へと潤滑油が漏洩することを防止することができる。
過給機1B(図3参照)のシール空気路20には、過給機1C(他の過給機)によって圧縮されたシール空気がバキュームブレーカー23から供給される。そのため、停止中の過給機1B(図3参照)のタービン側油ラビリンスパッキン26および過給機側油ラビリンスパッキン24(潤滑油の封止部)に導かれるシール空気を供給する機器を別途設ける必要がない。したがって、機器設置コストを抑制することができる。
過給機カット運転中に、停止中の過給機1B(図3参照)のタービン側油ラビリンスパッキン26および過給機側油ラビリンスパッキン24には、運転中の過給機1C(図3参照)からシール空気が供給される。したがって、停止中の過給機1B(図3参照)の軸受台4からの潤滑油の漏洩を防止しつつ、ディーゼル機関の低負荷運転時における性能を改善し燃料消費率を改善することができる。
過給機1の軸受台4から外部への潤滑油の漏洩を防止することができるので、乗組員の船内作業が低減される。また、過給機カット運転を行うことによりディーゼル機関の低負荷運転時における燃料消費率が改善される。したがって、船舶の航行コストを改善することが可能となる。
なお、実施形態では、ディーゼル機関に搭載されている過給機1の台数を3台として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、過給機の台数が2台以上であればよい。
また、実施形態では、停止中の過給機1Bへと外部から圧縮空気を導入するシール空気供給管32は空気冷却器37Cに接続されているとして説明したが、運転中の過給機1A又は1Cの圧縮機3が圧縮した空気を導くことができる箇所であれば良く、例えば、過給機ケーシング出口11cであっても良い。
1 過給機
2 タービン
3 圧縮機
4 軸受台
6 回転軸
15 ジャーナル軸受(軸受)
16 ジャーナル軸受(軸受)
17 スラスト軸受(軸受)
20 シール空気路(空気路)
23 バキュームブレーカー(シール空気導入手段)
26 タービン側油ラビリンスパッキン(タービン側封止部)

Claims (7)

  1. 排気ガスにより回転駆動されるタービンと、
    一端に前記タービンを設けた回転軸と、
    該回転軸の他端に設けられ、前記タービンが回転駆動することにより回転駆動されて空気を圧縮する圧縮機と、
    前記回転軸を回転自在とする軸受、該軸受と前記タービンとの間に設けられ、前記軸受に供給される潤滑油の前記タービン側への流出を封止するタービン側封止部、および前記圧縮機により圧縮された空気の一部を前記タービン側封止部へと導く空気路を有する軸受台と、
    を備えた過給機において、
    停止時に、外部から前記空気路へと圧縮空気が導かれるシール空気導入手段が備えられている過給機。
  2. 前記シール空気導入手段は、前記空気路の前記タービン側封止部側の負圧を防止するバキュームブレーカーを備え、
    該バキュームブレーカーは、前記空気路の途中に該空気路の圧力に応じて開閉する開閉弁を有し、
    前記過給機が運転中の場合には、前記圧縮機から圧縮空気が前記空気路の前記タービン側封止部へと導かれ、
    前記過給機が停止、あるいは極めて低回転の状態で運転している場合には、前記開閉弁が閉じるとともに外部から圧縮空気が前記空気路の前記タービン側封止部へと導かれる請求項1に記載の過給機。
  3. 前記バキュームブレーカーは、前記開閉弁を介することなく外部から導入された圧縮空気を前記空気路の前記タービン側封止部側へと導く外部空気供給路を備え、前記開閉弁の上流側には前記圧縮機に連通する開口部が形成され、
    前記開閉弁は、前記開口部の圧力が負圧の場合には、閉となり、前記開口部の圧力が前記空気路の前記タービン側封止部の圧力よりも高圧の場合には、開となって前記圧縮機が圧縮した空気を前記空気路の前記タービン側封止部側へ導く請求項2に記載の過給機。
  4. 前記軸受と前記圧縮機との間に設けられ、前記軸受に供給される潤滑油の前記圧縮機側への流出を封止する圧縮機側封止部を備え、
    前記シール空気導入手段の後流の前記空気路には、前記圧縮機側封止部へと圧縮空気を供給する圧縮機側シール空気供給路が設けられている請求項1から請求項3のいずれかに記載の過給機。
  5. 前記シール空気導入手段へと導かれる圧縮空気は、他の前記過給機より供給される請求項1から請求項4のいずれかに記載の複数の過給機。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の過給機を少なくとも一つ含む、
    各前記過給機に設けられている前記軸受台内の潤滑油を外部へと導く油ドレン管と、前記軸受台内の空気を外部へと導く空気抜き管とは、油ドレン集合管と空気抜き集合管とに各々接続されている前記複数の過給機を備えたディーゼル機関。
  7. 請求項6に記載のディーゼル機関を備えた船舶。
JP2009192969A 2009-08-24 2009-08-24 過給機、これを備えたディーゼル機関およびこれを備えた船舶 Active JP5398420B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009192969A JP5398420B2 (ja) 2009-08-24 2009-08-24 過給機、これを備えたディーゼル機関およびこれを備えた船舶

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009192969A JP5398420B2 (ja) 2009-08-24 2009-08-24 過給機、これを備えたディーゼル機関およびこれを備えた船舶

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011043139A true JP2011043139A (ja) 2011-03-03
JP5398420B2 JP5398420B2 (ja) 2014-01-29

Family

ID=43830721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009192969A Active JP5398420B2 (ja) 2009-08-24 2009-08-24 過給機、これを備えたディーゼル機関およびこれを備えた船舶

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5398420B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013089159A1 (ja) 2011-12-16 2013-06-20 三菱重工業株式会社 排気タービン過給機
JP2016180324A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 三菱重工業株式会社 排気タービン過給機
US11085452B2 (en) 2018-06-07 2021-08-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Gas compression device and method for manufacturing the same

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58129037U (ja) * 1982-02-25 1983-09-01 三菱重工業株式会社 排気タ−ビン過給機のシ−リング装置
JPS6224077U (ja) * 1985-07-29 1987-02-13
JP2552282Y2 (ja) * 1990-10-22 1997-10-29 三菱重工業株式会社 排気ガスタービン過給機

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58129037U (ja) * 1982-02-25 1983-09-01 三菱重工業株式会社 排気タ−ビン過給機のシ−リング装置
JPS6224077U (ja) * 1985-07-29 1987-02-13
JP2552282Y2 (ja) * 1990-10-22 1997-10-29 三菱重工業株式会社 排気ガスタービン過給機

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013089159A1 (ja) 2011-12-16 2013-06-20 三菱重工業株式会社 排気タービン過給機
JP2016180324A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 三菱重工業株式会社 排気タービン過給機
US11085452B2 (en) 2018-06-07 2021-08-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Gas compression device and method for manufacturing the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP5398420B2 (ja) 2014-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2009095985A1 (ja) 過給機
US8257017B2 (en) Method and device for cooling a component of a turbine
JP5277901B2 (ja) 車両用過給機の潤滑油シール構造
JP5135981B2 (ja) 遠心圧縮機
RU2562682C2 (ru) Турбина, включающая систему клапанов уплотнительного воздуха
RU2006112002A (ru) Уплотнительное устройство в компрессоре
JP2004116514A (ja) ターボ過給機
US5066192A (en) Oil sealing system for a turbo charger
JP7035218B2 (ja) 遠心圧縮機及びこの遠心圧縮機を備えたターボチャージャ
JP2009257097A (ja) 排気エネルギー回収装置
EP2930370A1 (en) Centrifugal compressor, supercharger with same, and method for operating centrifugal compressor
JP2013245655A (ja) 可変ノズルユニット及び可変容量型過給機
JP5398420B2 (ja) 過給機、これを備えたディーゼル機関およびこれを備えた船舶
WO2016067715A1 (ja) 過給機およびこれを備えたエンジン
JP2008031949A (ja) 過給機
JP5422480B2 (ja) 過給機のシール空気導入手段、これを備えた過給機、これを備えた過給機システム、これを備えたディーゼル機関およびこれを備えた船舶
JP5625517B2 (ja) 過給機
JP2011140899A (ja) ガスタービンプラントの改造方法
JP2014095382A (ja) 排気ガスターボチャージャ
JP2013124626A (ja) ターボ過給機の排気入口ケーシング
JP6550525B2 (ja) 軸受装置および排気タービン過給機
JPS5970830A (ja) タ−ボ過給機
JP4247082B2 (ja) 過給機
JP3399063B2 (ja) タービン遮熱装置
RU2750220C1 (ru) Турбокомпрессор для наддува двигателя внутреннего сгорания

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120803

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130702

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130924

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131022

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5398420

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250