JP2011043139A - 過給機、これを備えたディーゼル機関およびこれを備えた船舶 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】排気ガスにより回転駆動されるタービン2と、一端にタービン2を設けた回転軸6と、回転軸6の他端に設けられ、タービン2が回転駆動することより回転駆動されて空気を圧縮する圧縮機3と、回転軸6を回転自在とする軸受15,16,17、軸受15,16,17とタービン2との間に設けられ、軸受15,16,17に供給される潤滑油のタービン2側への流出を封止するタービン側封止部26、および圧縮機3により圧縮された空気の一部をタービン側封止部26へと導く空気路20を有する軸受台4と、を備えた過給機1において、停止時に、外部から空気路20へと圧縮空気が導かれるシール空気導入手段23が備えられていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
また、運転中の過給機では、過給機によって圧縮された空気がインペラから回り込んで潤滑油が軸受台から圧縮機側へと漏洩することを防止しているが、停止中の過給機では、このような圧縮空気が供給されない。
特許文献2から特許文献4の発明は、過給機の運転中に圧縮機が圧縮した空気を用いて潤滑油の漏洩を防止することについて開示されているが、停止中の過給機からの潤滑油の漏洩防止については開示されていない。
すなわち、本発明に係る過給機は、排気ガスにより回転駆動されるタービンと、一端に前記タービンを設けた回転軸と、該回転軸の他端に設けられ、前記タービンが回転駆動することにより回転駆動されて空気を圧縮する圧縮機と、前記回転軸を回転自在とする軸受、該軸受と前記タービンとの間に設けられ、前記軸受に供給される潤滑油の前記タービン側への流出を封止するタービン側封止部、および前記圧縮機により圧縮された空気の一部を前記タービン側封止部へと導く空気路を有する軸受台と、を備えた過給機において、停止時に、外部から前記空気路へと圧縮空気が導かれるシール空気導入手段が備えられていることを特徴とする。
本発明では、過給機の運転中には、圧縮機から圧縮空気を空気路のタービン側封止部へと導き、過給機が停止、あるいは極めて低回転の状態で運転している場合には、外部から空気路の圧縮空気をタービン側封止部へと導くとともに開閉弁が閉状態となるバキュームブレーカーを空気路の途中に設けることとした。そのため、既存のバキュームブレーカーと交換することによって、過給機カット運転が可能となる。したがって、過給機カット運転時の潤滑油の漏洩を防止するための追加工事が容易となる。
図1および図2には、本実施形態に係る船舶が備えているディーゼル機関に搭載されている過給機1が示されている。
ディーゼル機関(図示せず)は、機関室(図示せず)内に備えられている。ディーゼル機関には、複数台の過給機(図1には1台のみを示す)1と、複数台の空気冷却器(図示せず)とが搭載されている。
各過給機1は、ディーゼル機関が排出する排気ガスによって駆動されるタービン2と、タービン2によって回転駆動される回転軸6と、回転軸6が回転駆動されることによって空気を圧縮する圧縮機3と、タービン2と圧縮機3との間に設けられ回転軸6を支持する軸受台4とを有している。
タービンケーシング7は、タービンディスク8とタービン翼9とを覆うように設けられている。タービンケーシング7は、ディーゼル機関の排気ガス集合管(図示せず)から排気ガスが導かれるタービンケーシング入口7aと、ディーゼル機関の排気ガスをタービン翼9へと導く排気ガス通路7bと、タービン翼9を通過した排気ガスを過給機1外へと導くタービンケーシング出口7cとを有している。
圧縮機ケーシング11は、インペラ12を覆うように設けられている。圧縮機ケーシング11は、サイレンサ11dを介して外部からの空気を取り入れる圧縮機ケーシング入口11aと、インペラ12が圧縮した空気が導かれる渦巻き室11bと、インペラ12が圧縮した空気を排出する圧縮機ケーシング出口11cとを有している。
スラスト軸受17は、回転軸6の半径方向外周に向かって突出するスラストカラー18の両側に設けられている。スラストカラー18とスラスト軸受17とは、圧縮機3側に設けられているジャーナル軸受16とインペラ12との間に設けられている。回転軸6は、スラスト軸受17とスラストカラー18によって、排気ガスがタービン翼9に作用して回転軸6が軸方向へ移動することを規制するとともに、回転軸6回りの回転が可能とされている。
軸受台4内の空気は、軸受台4内の空気抜き路から軸受台4の上方に接続されている空気抜き管(図示せず)へと排出される。これによって、軸受台4内の空気抜きが行われる。
各軸受15,16,17に供給された潤滑油のうち、余剰の潤滑油は、軸受台4の内部に穿孔された油ドレン路から軸受台4の下方に接続されている油ドレン管(図示せず)へと排出される。
タービン側ガスラビリンスパッキン10は、タービン側油ラビリンスパッキン26とタービンディスク8との間に設けられている。タービン側ガスラビリンスパッキン10は、ラビリンスフィン(図示せず)を有している。タービン側ガスラビリンスパッキン10は、対向するタービンディスク8に設けられている同心円状のラビリンスフィン(図示せず)と摺接することにより、軸受台4とタービンディスク8との間の空気室22を封止し、排気ガスの流入を防止している。
図2(A)に示すように、バキュームブレーカー(シール空気導入手段)23は、軸受台4(図1参照)の内部へと水平に延在している。バキュームブレーカー23の一端は、軸受台4(図1参照)の側壁に開口している。軸受台4に開口しているバキュームブレーカー23の一端には、フランジ29が設けられている。軸受台4(図1参照)の内部へと水平に延在しているバキュームブレーカー23の他端は、シール空気路20(図1参照)に接続されている。
バキュームブレーカー23のフランジ29には、シール空気供給管32に接続されるフランジ33がボルト(図示せず)によって結合されている。シール空気供給管32は、バキュームブレーカ−23の内管28に連通している。シール空気供給管32から導かれた圧縮空気は、内管28から開閉弁30を介することなく直接シール空気路20(図1参照)へと導かれる。
ディーゼル機関に搭載されている複数台(例えば3台)の過給機1A,1B,1Cには、ディーゼル機関に備えられている排気ガス集合管34から各過給機1A,1B,1Cのタービンケーシング入口7a(図1参照)へと排気ガスが導かれる。
なお、排気ガス側開閉弁35および圧縮空気側開閉弁36の替わりに、盲板を挿入して排気ガスの過給機1A,1B,1Cへの供給および圧縮機ケーシング出口11c(図1参照)からの空気の逆流を遮断しても良い。
各空気冷却器37A,37B,37Cでは、導かれた圧縮空気が清水または海水と熱交換することによって温度が下げられる。
各過給機1A,1B,1Cに接続されている油ドレン管40A,40B,40Cは、1本の油ドレン集合管41に接続されている。油ドレン集合管41は、機関室内に設けられている潤滑油ドレンタンク(図示せず)へと導かれている。
逆止弁44は、図3においては、過給機1Cの運転状況に応じて操作され、過給機1Cが負圧の場合には閉状態とされ、過給機1Cの影響が過給機1Bに及ばないようになっている。
各過給機1A,1B,1C(図3参照)には、ディーゼル機関に接続されている排気ガス集合管34(図3参照)から各過給機1A,1B,1C(図3参照)のタービンケーシング入口7aへと排気ガスが導かれる。各過給機1A,1B,1C(図3参照)に導入された排気ガスは、排気ガス通路7bを通過してタービン翼9へと供給される。タービン翼9に供給された排気ガスによって、タービンディスク8および回転軸6が回転駆動される。タービンディスク8および回転軸6を回転駆動した排気ガスは、タービンケーシング出口7cから排出される。
ディーゼル機関の低負荷運転時における性能を改善するために、複数台(例えば3台)搭載されている過給機1A,1B,1C(図3参照)のうち、1台の過給機1(図3において過給機1B)の運転を停止し、残りの過給機1(図3において過給機1A,1C)によって運転を行う過給機カット運転が行われることがある。過給機カット運転を行うことにより、1台の過給機1A又は1Cあたりに導かれる排気ガス量が増加する。供給される排気ガス量が増加するので、運転中の過給機1A,1Cの回転数が増加する。過給機1A,1Cの回転数が増加するので、多くの空気を圧縮することができる。そのため、過給機1A,1Cからディーゼル機関へ供給される空気量が増加し、ディーゼル機関の掃気圧が上昇する。ディーゼル機関の掃気圧が上昇するので、ディーゼル機関の熱効率が向上し燃料消費率が上昇する。そのため、過給機カット運転をした場合、ディーゼル機関の燃料消費率が、全台数の過給機1A,1B,1Cを運転した場合に比べて良くなる。
また、空気室22に導かれたシール空気は、タービン2側から圧縮機3側へとタービン側油ラビリンスパッキン26のラビリンスフィンを通過して、軸受台4からタービン2側への潤滑油の漏洩を封止する。
過給機1に外部からシール空気(圧縮空気)をシール空気路(空気路)20へと導出するバキュームブレーカー(シール空気導入手段)23を設けることとした。そのため、過給機1のタービン側油ラビリンスパッキン(タービン側封止部)26へとシール空気を導くことができる。したがって、停止中の過給機1の軸受台4からタービン2側へと潤滑油が漏洩することを防止することができる。
また、実施形態では、停止中の過給機1Bへと外部から圧縮空気を導入するシール空気供給管32は空気冷却器37Cに接続されているとして説明したが、運転中の過給機1A又は1Cの圧縮機3が圧縮した空気を導くことができる箇所であれば良く、例えば、過給機ケーシング出口11cであっても良い。
2 タービン
3 圧縮機
4 軸受台
6 回転軸
15 ジャーナル軸受(軸受)
16 ジャーナル軸受(軸受)
17 スラスト軸受(軸受)
20 シール空気路(空気路)
23 バキュームブレーカー(シール空気導入手段)
26 タービン側油ラビリンスパッキン(タービン側封止部)
Claims (7)
- 排気ガスにより回転駆動されるタービンと、
一端に前記タービンを設けた回転軸と、
該回転軸の他端に設けられ、前記タービンが回転駆動することにより回転駆動されて空気を圧縮する圧縮機と、
前記回転軸を回転自在とする軸受、該軸受と前記タービンとの間に設けられ、前記軸受に供給される潤滑油の前記タービン側への流出を封止するタービン側封止部、および前記圧縮機により圧縮された空気の一部を前記タービン側封止部へと導く空気路を有する軸受台と、
を備えた過給機において、
停止時に、外部から前記空気路へと圧縮空気が導かれるシール空気導入手段が備えられている過給機。 - 前記シール空気導入手段は、前記空気路の前記タービン側封止部側の負圧を防止するバキュームブレーカーを備え、
該バキュームブレーカーは、前記空気路の途中に該空気路の圧力に応じて開閉する開閉弁を有し、
前記過給機が運転中の場合には、前記圧縮機から圧縮空気が前記空気路の前記タービン側封止部へと導かれ、
前記過給機が停止、あるいは極めて低回転の状態で運転している場合には、前記開閉弁が閉じるとともに外部から圧縮空気が前記空気路の前記タービン側封止部へと導かれる請求項1に記載の過給機。 - 前記バキュームブレーカーは、前記開閉弁を介することなく外部から導入された圧縮空気を前記空気路の前記タービン側封止部側へと導く外部空気供給路を備え、前記開閉弁の上流側には前記圧縮機に連通する開口部が形成され、
前記開閉弁は、前記開口部の圧力が負圧の場合には、閉となり、前記開口部の圧力が前記空気路の前記タービン側封止部の圧力よりも高圧の場合には、開となって前記圧縮機が圧縮した空気を前記空気路の前記タービン側封止部側へ導く請求項2に記載の過給機。 - 前記軸受と前記圧縮機との間に設けられ、前記軸受に供給される潤滑油の前記圧縮機側への流出を封止する圧縮機側封止部を備え、
前記シール空気導入手段の後流の前記空気路には、前記圧縮機側封止部へと圧縮空気を供給する圧縮機側シール空気供給路が設けられている請求項1から請求項3のいずれかに記載の過給機。 - 前記シール空気導入手段へと導かれる圧縮空気は、他の前記過給機より供給される請求項1から請求項4のいずれかに記載の複数の過給機。
- 請求項1から請求項5のいずれかに記載の過給機を少なくとも一つ含む、
各前記過給機に設けられている前記軸受台内の潤滑油を外部へと導く油ドレン管と、前記軸受台内の空気を外部へと導く空気抜き管とは、油ドレン集合管と空気抜き集合管とに各々接続されている前記複数の過給機を備えたディーゼル機関。 - 請求項6に記載のディーゼル機関を備えた船舶。
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2009
- 2009-08-24 JP JP2009192969A patent/JP5398420B2/ja active Active
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