JP2011042702A - 蛍光体と蛍光体の製造方法および蛍光ランプ - Google Patents

蛍光体と蛍光体の製造方法および蛍光ランプ Download PDF

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Abstract

【課題】水銀による劣化などの影響を少なくし、初期の発光特性の低下を防止することが可能な蛍光体と蛍光体の製造方法および蛍光ランプを提供する。
【解決手段】蛍光物質粒子11と、無機酸化物の有機金属錯体溶液およびエタノールを混合する。蛍光物質粒子11は例えば、緑色蛍光体を用いる。混合した溶液を噴霧乾燥することにより、有機金属錯体被覆蛍光体を得る。有機金属錯体被覆蛍光体は、蛍光物質粒子11の表面に有機金属錯体を被覆したものである。この有機金属錯体被覆蛍光体を大気オーブン炉で一次焼成処理を施し、一次焼成蛍光体を得る。さらに、水素の窒素に対する体積比率が10%以上50%以下である水素/窒素混合雰囲気で二次焼成処理を行う。その後、篩にかけ、凝集体を簡潔に取り除いた後に、無機酸化物被覆の蛍光体1を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、蛍光体と蛍光体の製造方法および蛍光ランプに関する。特に、蛍光体は緑色蛍光体のものに関する。
一般の蛍光ランプは、ガラス管内に水銀を封入しており、アーク放電により発生した水銀のスペクトルの内の紫外線を、ガラス管内に塗布した蛍光物質で、可視光線に変換する光源を用いている。このとき蛍光物質は、赤色蛍光体、青色蛍光体もしくは緑色蛍光体またはこれらの組合せのものが使用されている。
特許文献1には、薄く均一な緑色顔料膜を形成した顔料被覆緑色発光蛍光体の製造方法が記載されている。その方法は、緑色発光蛍光体及びプロピオン酸コバルトとプロピオン酸亜鉛とプロピオン酸アルミニウムの混合溶液を所定量のエタノールに溶解し、電気オーブンで乾燥してエタノールを除去する。そしてミリングし、篩で粒径をそろえる。次に、焼成して有機成分を除去し、薄く均一な緑色顔料膜を形成した顔料被覆緑色発光蛍光体を得る方法である。
特許文献2には、光学特性、耐熱性および無毒性に優れかつフォトレジストへの紫外線照射を阻害することがない蛍光体が記載されている。この蛍光体の製造方法は、金コロイド分散液中に蛍光体粒子を混入し撹拌した後、沈降した蛍光体粒子を取り出し、乾燥し焼成することにより得る方法である。
特許文献3には、製造コストが低く、大きな厚みでも被覆できる新規な粒子表面の被覆方法が記載されている。その被覆方法は、無機蛍光体などの粒子の表面に、蛍光体などの金属化合物の被覆層を形成する方法であって、25℃では固体状態をとって、加熱により融解して極性を示す液体状態となり、そして加熱をさらに続けることにより熱分解する有機材料の融液に、金属化合物の塩が溶解され、さらに粒子が分散されてなる分散液を調製する工程、および分散液を加熱する工程を含む。
特許文献4には、蛍光体層の劣化防止を図り、パネルの輝度及び寿命、信頼性の向上を実現するプラズマディスプレイ装置が記載されており、プラズマディスプレイ装置の蛍光体層は(Zn1−xSiO:Mn(ただしMは、Mg、Ca、Sr、Baの内のいずれか一種以上)よりなる緑色蛍光体層を有するものである。
特開平11−233040号公報 特開2001−288466号公報 特開2004−137482号公報 特開2005−100891号公報
上述した特許文献1、2および4では、蛍光ランプではなくディスプレイなどの用途を目的とした蛍光体に関するものであり、蛍光ランプで使用した時の、蛍光体と水銀の吸着性については考慮されていない。特許文献3では、被覆した粒子を700℃から1500℃で焼成する必要があり、緑色蛍光体に無機酸化物を被覆した状態の場合、凝集が発生したり、異物が生成したりするおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、水銀による劣化などの影響を少なくし、初期の発光特性の低下を防止することが可能な蛍光体と蛍光体の製造方法および蛍光ランプを提供することを目的とする。
本発明の第1の観点にかかる蛍光体は、
蛍光物質粒子と、
前記蛍光物質粒子の表面に、無機酸化物を含む薄膜で形成された少なくとも1つの層と、
を備えることを特徴とする。
本発明の第2の観点にかかる蛍光体の製造方法は、
蛍光物質粒子と有機金属錯体および希釈液を混合して混合溶液を得る工程と、
前記混合溶液を噴霧乾燥して有機金属錯体被覆蛍光体を得る工程と、
前記有機金属錯体被覆蛍光体を大気雰囲気で500℃以上650℃以下の温度で焼成して一次焼成蛍光体を得る工程と、
前記一次焼成蛍光体を水素/窒素混合雰囲気で500℃以上650℃以下の温度で焼成する二次焼成工程と、
を備えることを特徴とする。
本発明の第3の観点にかかる蛍光ランプは、
本発明の第1の観点にかかる蛍光体を備えることを特徴とする。
本発明によれば、水銀による劣化などの影響を少なくし、初期の発光特性の低下を防止することが可能な蛍光体と蛍光体の製造方法および蛍光ランプを提供する。
本発明に係る蛍光体の概略構成を示す断面図である。 蛍光体の膜厚の算出方法を示す図である。 (a)は、実施例に係る蛍光体の、処理毎の拡散反射スペクトルを示す図である。(b)は、(a)の条件および発光強度を示す。 (a)は、実施例に係る蛍光体と関連する技術の蛍光体の、点灯時間と光束維持率の関係を比較して示す図である。(b)は、(a)の条件および発光強度を示す。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付す。
図1は、本発明に係る蛍光体の概略構成を示す断面図である。蛍光体1は、蛍光物質粒子11の表面を覆うようにして、無機酸化物で形成された薄膜の膜12が形成されている。蛍光物質粒子11に用いる物質は、関連する技術の一般的な蛍光体を用いることができる。
蛍光物質粒子11は、平均粒径が3μm以上12μm以下のものを用いる。蛍光物質粒子11の平均粒径が3μmに満たない場合、蛍光物質粒子11同士が凝集するおそれがある。また、平均粒径が12μmより大きい場合、製造過程において、蛍光物質粒子11が溶液中に沈殿するおそれが生じる。どちらの場合も、形成する膜12の厚みの均一性を低下させる原因となるため、蛍光物質粒子11の平均粒径は3μm以上12μm以下であることが望ましい。
蛍光物質粒子11は、例えば、
(Zn,Mn,MgSiO
(x+y+z=1,0.005<y<0.2,0.005<z<0.3であり、
1.8<a<2かつ3.6<b<4.2)
で表される組成の緑色蛍光体を用いる。上述の組成の緑色蛍光体は、253.7nmの波長の紫外線で緑色発光し、発光ピークの波長は530nm以上535nm以下の発光帯を有する。
膜12に用いられる無機酸化物としては、酸化イットリウム(Y)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ガドリニウム(Gd)、酸化ランタン(La)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化亜鉛(ZnO)もしくは二酸化ケイ素(SiO)などを用いることができる。
無機酸化物は、1種類を単体で用いてもよく、複数の種類を混合して用いてもよい。また、蛍光物質粒子11を覆う膜12は、必ずしも1層とは限らず、多層形成してもよい。例えば、蛍光物質粒子11が緑色蛍光体のとき、無機酸化物に酸化ジルコニウム(ZrO)や酸化亜鉛(ZnO)を用いて膜12を形成することで、蛍光物質粒子11が熱により劣化するのを防止することができる。
無機酸化物は、実際は、その前駆体である有機金属錯体溶液の態様で使用する。有機金属錯体溶液は、例えば、プロピオン酸系イットリウム、オクチル酸系イットリウム、プロピオン酸系アルミニウム、アセチルアセトナート系マグネシウム、アセチルアセトナート系ランタン、プロピオン酸ガドリニウム、アセチルアセトナート系ジルコニウム、エチルポリシリケート(リン入り)、アセチルアセトナート系酸化亜鉛などである。このとき、希釈剤としてエタノールを主溶媒に用いる。
蛍光物質粒子11に被覆した膜12の厚みは、図2に示す膜厚算出方法を用いて求めることができる。まず、蛍光体1を元素分析し、蛍光物質粒子11と膜12の重量比からそれぞれの重量を算出する。そして、蛍光体1および蛍光物質粒子11を完全な球形であると仮定して、蛍光物質粒子11の半径を半径r、膜12の厚みを膜厚みΔrとしたときにおける球の体積分率によって膜厚みΔrを求めることが可能となる。
膜12の厚みは、好ましくは、10nm以上100nm以下で形成されることが好ましい。膜12の厚みが10nmに満たない場合、劣化による影響や発光特性低下を防止する効果が小さくなるためである。また、厚みが100nmより大きい場合、蛍光物質粒子11の発光強度が低下したり、蛍光物質粒子11の膜12同士がくっついて凝集し、スラリー性が低下することがあるからである。
本発明に係る蛍光体の製造方法について、以下に説明する。蛍光物質粒子11は緑色蛍光体、例えばZnSiOを用いる。無機酸化物として酸化イットリウム(Y)を選択し、その有機金属錯体溶液であるプロピオン酸イットリウム溶液を用意する。また、希釈剤として主溶媒にエタノールを用意する。
まず、緑色蛍光体(蛍光物質粒子11)400g、有機金属錯体溶液60g、エタノール540gを秤量し、24時間ローリングすることにより、充分に混合を行う。混合時間は少なくとも3時間、好ましくは5時間以上とする。エタノールは固形分濃度を調整する作用を備えており、上述した条件の場合、固形分濃度は40wt%となる。
充分に混合した溶液をビーカーに移し、ミキサーでさらに液撹拌を行い、スプレードライヤ(噴霧乾燥装置:ヤマト科学製GS−310)によって噴霧乾燥を行う。噴霧乾燥により、有機金属錯体を緑色蛍光体(蛍光物質粒子11)の表面に被覆した有機金属錯体被覆蛍光体を得ることができる。
上述の噴霧乾燥装置は、乾燥気体の温度(回収温度)は、噴霧する際の温度(噴霧温度)、固形分濃度および送液速度によって制御することが可能である。回収温度は主溶媒によって異なり、本実施例ではエタノールを用いているので、エタノールが完全に蒸発する80℃前後とする。好ましくは78℃以上であり、さらに好ましくは80℃以上である。作業保安上を考慮すると、85℃以下に制御することが好ましい。
同じ送液速度であれば、固形分濃度が高いほど噴霧温度を下げて、回収温度を80℃前後に保つことができるため、装置の負荷を低減することができる。ただし、あまりに固形分濃度が高い場合は、噴霧時に蛍光物質粒子11同士が凝集し、有機金属錯体も凝集し、得られる有機金属錯体被覆蛍光体が凝集体となる確率が増すおそれがある。一方で、固形分濃度が低ければ、蛍光物質粒子11の凝集は防ぐことはできるが希釈剤の使用量が増える。その結果、噴霧乾燥する処理時間を長くする必要があり、もしくは噴霧温度を上げる必要があり、装置へかかる負荷が大きくなるおそれがある。よって、固形分濃度は、10wt%以上70wt%以下とする。より好ましい固形分濃度は、20wt%以上60wt%以下の範囲である。
次に、有機金属錯体被覆蛍光体を回収し、耐熱容器に移して大気オーブン炉で一次焼成処理を施す。一次焼成処理を施した有機金属錯体被覆蛍光体を、以下、一次焼成蛍光体という。一次焼成処理の条件は大気中、温度570℃、2時間とする。このとき、温度は少なくとも500℃以上であれば、有機金属錯体被覆蛍光体に残留した有機分を酸化または気化させることができる。
続いて、一次焼成蛍光体に二次焼成処理を施し、無機酸化物被覆蛍光体(すなわち蛍光体1)を得ることができる。二次焼成処理の条件は、水素の窒素に対する体積比率が10%以上50%以下である水素/窒素混合雰囲気、温度600℃、2時間とする。焼成温度は、500℃以上650℃以下の範囲で設定する。二次焼成は、大気焼成と同様に少なくとも500℃以上あれば充分であるが、好ましくは550℃以上、さらに好ましくは570℃以上である。温度が低い場合、蛍光体1の着色を取り除くことができないからである。また、650℃以下とするのは、温度が高い場合には、蛍光体1同士の凝集や、蛍光物質粒子11と被覆した無機酸化物被覆(すなわち膜12)との反応によって異物が生成されるためである。
一次焼成処理および二次焼成処理を施し、100μm程度の目開きを有する篩にかけ、無機酸化物被覆の緑色蛍光体(蛍光体1)を得る。篩にかけることで、製造工程の途中で形成された、大体80μm以上の物(凝集体)を除去することができる。
ここで、実施例に係る蛍光体の、処理毎の拡散反射スペクトルを図3(a)に示す。図3(b)は、実施サンプルの条件と253.7nm励起の発光強度を示す。比較を行う対象(実施サンプル)は、比較例、実施例A1、実施例A2の3種類である。比較例のサンプルは、本発明の処理を施す前の状態の、蛍光物質粒子11を指す。実施例A1のサンプルは、蛍光物質粒子11に一次焼成(大気雰囲気焼成)処理を施した一次焼成蛍光体を指す。実施例A2のサンプルは、一次焼成蛍光体に二次焼成(水素/窒素混合雰囲気焼成)処理を施した無機酸化物被覆蛍光体を指す。
波長500nmで反射率を観測した場合、比較例のサンプルが91.5%の反射率であるのに対して、実施例A1のサンプルは90%であり、一次焼成(大気焼成)処理を施すことで、反射率の低下が見られる。253.7nm励起の発光強度についても、比較例のサンプルを100%として求めると、実施例A1のサンプルは97%となり、発光強度の低下が見られる。発光強度は、蛍光ランプに用いた際に初期の明るさ(光束または輝度)に関与し、大きい方が好ましい。
これに対し、一次焼成(大気雰囲気焼成)処理および二次焼成(水素/窒素混合雰囲気焼成)処理を施した実施例A2のサンプルでは、反射率は95%、発光強度は107%であり、どちらも比較例のサンプルよりも良好な結果を示した。二次焼成を施すことで、蛍光体の着色を取り除き、さらには蛍光体の発光強度を、可能な限り落とさないことが分かった。
図4(a)は、点灯時間と光束維持率の関係を比較して示す。図4(b)は、実施サンプルの条件と253.7nm励起の発光強度を示す。40W型の熱陰極蛍光ランプに本発明を施してサンプルを作成し、実験を行った。全てのサンプルにおいて、蛍光物質粒子11は、中心粒径が10.2μmの緑色蛍光体を用いる。また、サンプルの製造時において、有機金属錯体溶液はエタノールで希釈し、固形分濃度40wt%に調整する。比較例のサンプルは、蛍光物質粒子を用いて実験を行う。実施例1、4、5のサンプルは無機酸化物に酸化イットリウムを用いており、実施例2のサンプルは無機酸化物に酸化アルミニウム、実施例3のサンプルは無機酸化物に酸化ランタンを用いる。実施例1、2、3のサンプルおよび比較例のサンプルは、無機酸化物の違いを比較するためのサンプルである。実施例1、4、5のサンプルおよび比較例のサンプルは、コート剤などの分量の違い、すなわち膜厚の違いを比較するためのサンプルである。
実施例1、2、3のサンプルおよび比較例のサンプルを比較すると、実施例1、2、3のサンプル全てにおいて、比較例のサンプルより光束維持率は高い数値を示し、良好な結果が得られた。特に、実施例1のサンプル(無機酸化物が酸化イットリウム)の場合が最も光束維持率を高く保つことができ、5000時間点灯したときの光束維持率は70%以上であり、蛍光灯の定格寿命より高い数値を示した。
発光強度について、実施例2のサンプル(無機酸化物が酸化アルミニウム)、実施例3のサンプル(無機酸化物が酸化ランタン)の場合は、比較例のサンプルよりも高い発光強度を示した。実施例1のサンプル(無機酸化物が酸化イットリウム)の場合は比較例のサンプルよりも発光強度は低い結果であったが、99%と僅かな差であり、光束維持率を合わせて考えると、長時間において発光強度を維持できることが分かった。
これらの結果から、実施例1ないし3のいずれのサンプルにおいても、比較例のサンプルより光束維持率は高い数値を示し、蛍光物質粒子に本発明を施すことにより、発光特性の低下を防止することが分かった。
無機酸化物が酸化イットリウムである実施例1、4、5のサンプルおよび比較例のサンプルを比較すると、蛍光物質の量に対する無機酸化物のコート剤の量が多いほど、無機酸化物被覆の膜の厚みは厚くなり、光束維持率を高く保つことができる。実施例1、4、5のサンプルについて、いずれも、比較例のサンプルより光束維持率は高い数値を示し、良好な結果が得られた。特に、実施例4、5のサンプルにおいては、5000時間点灯したときの光束維持率は80%以上と、高い数値を示す。ただし、膜厚が増すにつれて、発光強度は低下する傾向が見られた。これらの結果より、形成する被覆体の厚み(すなわち膜厚)を変えることで、光束維持率および発光強度を変化させることが可能であることが分かった。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、水銀による劣化などの影響を少なくし、初期の発光特性の低下を防止することができる。
その他、蛍光物質粒子11に用いる蛍光体について、上述した例に限らず、緑色蛍光体の他、青色蛍光体、赤色蛍光体を用いることができる。また、緑色蛍光体、青色蛍光体、赤色蛍光体のいずれかの組合せまたは全部を用いてもよい。青色蛍光体としては、ユーロピウム付活バリウムマグネシウムアルミネート蛍光体(BaMgAl1017:Eu)、ユーロピウム付活カルシウムマグネシウムシリケート蛍光体(CaMgSi:Eu)、ユーロピウム付活ストロンチウムハロホスフェイト蛍光体((SrCaBa)10(POCl:Eu)などが挙げられる。また、赤色蛍光体としては、ユーロピウム付活酸化イットリウム蛍光体(Y:Eu)、ユーロピウム付活イットリウムバナデイト蛍光体(Y(P,V)O:Eu)、ユーロピウム付活イットリウムオキシサルファイド蛍光体(YS:Eu)などが挙げられるが、これだけに限るものではない。上述した蛍光体の選択により単色蛍光ランプもしくは白色蛍光ランプのどちらの場合にも本発明を用いることができる。
また、蛍光ランプの種類は、冷陰極蛍光ランプだけでなく、熱陰極蛍光ランプや外部電極型蛍光ランプであってもよい。蛍光ランプの形状についても、直管形や環形など、任意に設定できる。本発明を用いた蛍光ランプは、照明器具に使用するだけでなく、バックライト光源として用いた液晶モニタおよびディスプレイなどであってもよい。
その他、本発明の好適な変形として、以下の構成が含まれる。
本発明の第1の観点に係る蛍光体について、
好ましくは、前記無機酸化物は、酸化イットリウム(Y)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ガドリニウム(Gd)、酸化ランタン(La)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化亜鉛(ZnO)もしくは二酸化ケイ素(SiO)またはこれらの組合せであることを特徴とする。
好ましくは、前記蛍光物質粒子の組成は、(Zn,Mn,MgSiO
(x+y+z=1,0.005<y<0.2,0.005<z<0.3であり、
1.8<a<2かつ3.6<b<4.2)
であることを特徴とする。
好ましくは、前記蛍光物質粒子は、平均粒径が3μm以上12μm以下の大きさであることを特徴とする。
本発明の第2の観点に係る蛍光体の製造方法について、
好ましくは、前記二次焼成工程は、550℃以上で行うことを特徴とする。
好ましくは、前記二次焼成工程は、570℃以上で行うことを特徴とする。
好ましくは、前記有機金属錯体は、酸化イットリウム(Y)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ガドリニウム(Gd)、酸化ランタン(La)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化亜鉛(ZnO)もしくは二酸化ケイ素(SiO)またはこれらの組合せである無機酸化物を前駆体とする錯体であることを特徴とする。
好ましくは、前記蛍光物質粒子の組成は、(Zn,Mn,MgSiO
(x+y+z=1,0.005<y<0.2,0.005<z<0.3であり、
1.8<a<2かつ3.6<b<4.2)
であることを特徴とする。
好ましくは、前記蛍光物質粒子は、平均粒径が3μm以上12μm以下の大きさであることを特徴とする。
本発明の第3の観点に係る蛍光ランプについて、
好ましくは、前記蛍光体は、赤色蛍光体、青色蛍光体もしくは緑色蛍光体またはこれらの組合せであり、単色または白色の蛍光を発光することを特徴とする。
1 蛍光体
11 蛍光物質粒子
12 膜

Claims (12)

  1. 蛍光物質粒子と、
    前記蛍光物質粒子の表面に、無機酸化物を含む薄膜で形成された少なくとも1つの層と、
    を備えることを特徴とする蛍光体。
  2. 前記無機酸化物は、酸化イットリウム(Y)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ガドリニウム(Gd)、酸化ランタン(La)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化亜鉛(ZnO)もしくは二酸化ケイ素(SiO)またはこれらの組合せであることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体。
  3. 前記蛍光物質粒子の組成は、(Zn,Mn,MgSiO
    (x+y+z=1,0.005<y<0.2,0.005<z<0.3であり、
    1.8<a<2かつ3.6<b<4.2)
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光体。
  4. 前記蛍光物質粒子は、平均粒径が3μm以上12μm以下の大きさであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の蛍光体。
  5. 蛍光物質粒子と有機金属錯体および希釈液を混合して混合溶液を得る工程と、
    前記混合溶液を噴霧乾燥して有機金属錯体被覆蛍光体を得る工程と、
    前記有機金属錯体被覆蛍光体を大気雰囲気で500℃以上650℃以下の温度で焼成して一次焼成蛍光体を得る工程と、
    前記一次焼成蛍光体を水素/窒素混合雰囲気で500℃以上650℃以下の温度で焼成する二次焼成工程と、
    を備えることを特徴とする蛍光体の製造方法。
  6. 前記二次焼成工程は、550℃以上で行うことを特徴とする請求項5に記載の蛍光体の製造方法。
  7. 前記二次焼成工程は、570℃以上で行うことを特徴とする請求項5に記載の蛍光体の製造方法。
  8. 前記有機金属錯体は、酸化イットリウム(Y)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ガドリニウム(Gd)、酸化ランタン(La)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化亜鉛(ZnO)もしくは二酸化ケイ素(SiO)またはこれらの組合せである無機酸化物を前駆体とする錯体であることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載の蛍光体の製造方法。
  9. 前記蛍光物質粒子の組成は、(Zn,Mn,MgSiO
    (x+y+z=1,0.005<y<0.2,0.005<z<0.3であり、
    1.8<a<2かつ3.6<b<4.2)
    であることを特徴とする請求項5ないし8のいずれか1項に記載の蛍光体の製造方法。
  10. 前記蛍光物質粒子は、平均粒径が3μm以上12μm以下の大きさであることを特徴とする請求項5ないし9のいずれか1項に記載の蛍光体の製造方法。
  11. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の蛍光体を備えることを特徴とする蛍光ランプ。
  12. 前記蛍光体は、赤色蛍光体、青色蛍光体もしくは緑色蛍光体またはこれらの組合せであり、単色または白色の蛍光を発光することを特徴とする請求項11に記載の蛍光ランプ。
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