JP2011042616A - 関節軟骨損傷治療剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)阻害剤を有効成分として含有する新規な関節軟骨損傷治療剤を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、関節軟骨損傷モデルにおいて、VEGFを阻害することにより関節軟骨損傷を治療することが可能であることを見出した。具体的には、日本白色家兎を用いた関節軟骨損傷モデルに対して、VEGF阻害剤の一例である抗VEGF抗体Bevacizumabの静脈内投与による組織修復効果を検討したところ、術後3か月において良好な軟骨修復過程が確認された。
【選択図】なし

Description

本発明は、関節軟骨損傷治療剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)阻害剤を有効成分とする関節軟骨損傷治療剤、及びその利用に関する。
関節軟骨は、血管、神経、リンパ管を欠く組織であり、軟骨損傷が生じると通常の損傷治癒機転が働きにくいため、自己修復能が著しく乏しい。その為、再生医療による修復を期待して様々な治療法が開発されている。従来から、骨髄刺激法に代表されるdrilling法(非特許文献1〜3)、microfracture法(非特許文献4)や細胞移植法(非特許文献5)による軟骨再生が試みられている。近年では、様々な組織工学的手法を用いて生体外にて作製した軟骨様組織を移植する方法が考案され報告されている。
骨髄からの修復細胞に期待する骨髄刺激法は、自己の細胞を動員し生体の自然治癒力を最大限に誘導し自己組織を修復する方法である。しかしながら骨髄刺激法の修復過程は、内軟骨性骨化による修復を機転としている。そのため、欠損内部は骨髄由来の修復細胞で満たされるも多くの血管の侵入を認め、多くの修復組織の内部は骨に置換され、表層は線維軟骨で修復される(非特許文献6及び7)。
組織修復に関しては、損傷部位の表現型に分化し得る修復細胞を動員することが重要であると報告されている(非特許文献8)。骨軟骨欠損モデルにおいて良好な組織修復を期待するには、動員される修復細胞が、関節軟骨様の特性を獲得するための環境を提供することである。そこで、本発明者らは骨軟骨欠損部を骨髄から動員される修復細胞で満たし、修復細胞の軟骨分化へのinitiatorとして欠損表層部のみにscaffold-freeで構築した三次元組織工学的軟骨(軟骨プレート)(非特許文献9)を移植し、長期間における良好な修復効果を報告してきた(非特許文献10)。その詳細を検討したところ、手術早期の欠損放置群と移植群の両者において欠損内部に肥大軟骨細胞へ分化した修復細胞の動員を認めた。そして、欠損放置群では軟骨下骨層から欠損内部の肥大軟骨細胞層への血管侵入を多数認め、移植群では軟骨下骨層で留まる拡張した血管を認めた。また、抗血管新生能(anti-angiogenesis)で報告されているChM-1(chodromodulin-1)(非特許文献11)の発現を移植群では肥大軟骨細胞層に一致して認められるも欠損放置群では認められなかった。一方血管新生能(angiogenesis)を示すVEGF(vascular endothelial growth factor)の発現を欠損放置群の肥大軟骨細胞で強発現を認めるも、移植群の肥大軟骨細胞ではほとんど認められなかった。従って欠損内部の骨髄由来の修復細胞が、関節軟骨の抗血管新生特性(anti-angiogenesis property)を獲得したことで良好な修復再生効果を導くことを確認した(非特許文献12)。以上の結果は、骨髄由来修復細胞に対して初期のVEGFの生物活性を阻止することで良好な軟骨修復効果が得られる可能性を示唆している。
近年、悪性腫瘍治療薬として開発された抗VEGFヒト化モノクローナル抗体(Bevacizumab)の治療効果が検討されている(非特許文献13)。Bevacizumabは癌組織から分泌されるVEGFに結合することにより、血管内皮細胞に発現する受容体とVEGFとの結合を阻害し血管新生阻害をひき起し、癌細胞の増殖を抑制すると報告されている(非特許文献14及び15)。
なお、本出願の発明に関連する先行技術文献情報を以下に示す。
Muller B, Kohn D., Orthopade, 1999; 28 : 4-10 Insall JN., J Bone Joint Surg, 1967; 49B : 211-28. Insall J., Clin Orthop, 1974; 101 : 61-7 Steadman J., et al., Orthopade, 1999; 28 : 26-32 Britberg M., et al., N Engl J Med, 1994; 331 : 889-895 Shapiro F., et al., J Bone Joint Surg, 1993; 75A : 532-553 Buckwalter JA., et al., J Bone Joint Surg 1997; 79A : 612-632 Caplan AI., et al., Clin Orthop Relat Res, 1997; 342 : 254-272 Nagai T., et al., Tissue Eng Part A, 2008; 14 : 1183-1193 Nagai T., et al., Orthopaedic research society 55th annual meeting 2009 in Las Vegus Hiraki Y., et al., J Biol Chem, 1997; 272 : 32419-32426 Nagai T., et al., Tissue Eng Part A, 2008; 14 : 1225-1235 Herbert H., et al., N Engl J Med, 2004; 350 : 2335-2342 Jain RK., Nat Med, 2001; 7 : 987-989 Willet CG., et al., Nat Med, 2004; 10 : 145-147
本発明は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)阻害剤を有効成分として含有する新規な関節軟骨損傷治療剤を提供することにある。また、VEGF阻害剤を、関節軟骨損傷を発症した対象に投与する工程を含む、関節軟骨損傷を治療する方法に関する。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、関節軟骨損傷モデルにおいて、VEGFを阻害することにより関節軟骨損傷を治療することが可能であることを見出した。
具体的には、日本白色家兎を用いた関節軟骨損傷モデルに対して、VEGF阻害剤の一例である抗VEGF抗体Bevacizumabの静脈内投与による組織修復効果を検討したところ、術後3か月において良好な軟骨修復過程が確認された。
即ち、本発明者らは、VEGF阻害剤により関節軟骨損傷の治療が可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、より具体的には以下の〔1〕〜〔21〕を提供するものである。
〔1〕血管内皮細胞増殖因子(VEGF)阻害剤を有効成分として含有する関節軟骨損傷治療剤。
〔2〕前記VEGF阻害剤がVEGFに結合する物質であることを特徴とする〔1〕に記載の関節軟骨損傷治療剤。
〔3〕前記VEGF阻害剤がVEGFを認識する抗体であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の関節軟骨損傷治療剤。
〔4〕前記抗体がモノクローナル抗体であることを特徴とする〔3〕に記載の関節軟骨損傷治療剤。
〔5〕前記抗体が組換え型抗体であることを特徴とする〔3〕に記載の関節軟骨損傷治療剤。
〔6〕前記抗体がキメラ抗体、ヒト化抗体またはヒト抗体であることを特徴とする〔5〕に記載の関節軟骨損傷治療剤。
〔7〕前記関節軟骨損傷が、変形性関節症(変形性膝関節症、変形性股関節症、変形性足関節症、変形性手関節症、変形性肩関節症、変形性肘関節症、変形性脊椎症)、膝蓋軟骨軟化症、単純性膝関節炎、離断性骨軟骨炎、上腕骨外側上顆炎、上腕骨内側上顆炎、ヘバーデン結節、ブシャール結節、または変形性母指CM関節症のいずれかの疾患の症状であることを特徴とする、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の関節軟骨損傷治療剤。
〔8〕VEGF阻害剤を対象に投与する工程を含む、関節軟骨損傷の治療方法。
〔9〕前記VEGF阻害剤がVEGFに結合する物質であることを特徴とする〔8〕に記載の治療方法。
〔10〕前記VEGF阻害剤がVEGFを認識する抗体であることを特徴とする〔8〕又は〔9〕に記載の治療方法。
〔11〕前記抗体がモノクローナル抗体であることを特徴とする〔10〕に記載の治療方法。
〔12〕前記抗体が組換え型抗体であることを特徴とする〔10〕に記載の治療方法。
〔13〕前記抗体がキメラ抗体、ヒト化抗体またはヒト抗体であることを特徴とする〔12〕に記載の治療方法。
〔14〕前記関節軟骨損傷が、変形性関節症(変形性膝関節症、変形性股関節症、変形性足関節症、変形性手関節症、変形性肩関節症、変形性肘関節症、変形性脊椎症)、膝蓋軟骨軟化症、単純性膝関節炎、離断性骨軟骨炎、上腕骨外側上顆炎、上腕骨内側上顆炎、ヘバーデン結節、ブシャール結節、または変形性母指CM関節症のいずれかの疾患の症状であることを特徴とする、〔8〕〜〔13〕のいずれかに記載の治療方法。
〔15〕関節軟骨損傷治療剤を製造するための、VEGF阻害剤の使用。
〔16〕前記VEGF阻害剤がVEGFに結合する物質であることを特徴とする〔15〕に記載の使用。
〔17〕前記VEGF阻害剤がVEGFを認識する抗体であることを特徴とする〔15〕又は〔16〕に記載の使用。
〔18〕前記抗体がモノクローナル抗体であることを特徴とする〔17〕に記載の使用。
〔19〕前記抗体が組換え型抗体であることを特徴とする〔17〕に記載の使用。
〔20〕前記抗体がキメラ抗体、ヒト化抗体またはヒト抗体であることを特徴とする〔19〕に記載の使用。
〔21〕前記関節軟骨損傷が、変形性関節症(変形性膝関節症、変形性股関節症、変形性足関節症、変形性手関節症、変形性肩関節症、変形性肘関節症、変形性脊椎症)、膝蓋軟骨軟化症、単純性膝関節炎、離断性骨軟骨炎、上腕骨外側上顆炎、上腕骨内側上顆炎、ヘバーデン結節、ブシャール結節、または変形性母指CM関節症のいずれかの疾患の症状であることを特徴とする、〔15〕〜〔20〕のいずれかに記載の使用。
欠損放置(D)群における軟骨の修復再生状況を示す図である。 Bevacizumab(アバスチン)投与(B)群における軟骨の修復再生状況を示す図である。
本発明において「VEGF阻害剤」とは、VEGFによるシグナル伝達を遮断し、VEGFの生物学的活性を阻害する物質である。VEGF阻害剤の具体的な例として、VEGFに結合する物質、VEGF受容体に結合する物質などを挙げることができる。VEGF阻害剤には、特に限定されないが、抗VEGF抗体、抗VEGF受容体抗体、VEGF改変体、可溶性VEGF受容体改変体、VEGF部分ペプチド、VEGF受容体部分ペプチド、これらと同様の活性を示す低分子化合物などが含まれる。
VEGF阻害剤の好ましい態様として、抗VEGF抗体を挙げることができる。
本発明で用いられる抗体の由来は特に限定されるものではないが、好ましくは哺乳動物由来であり、より好ましくはヒト由来の抗体を挙げることが出来る。
本発明で使用される抗体は、公知の手段を用いてポリクローナル又はモノクローナル抗体として得ることができる。本発明で使用される抗体として、特に哺乳動物由来のモノクローナル抗体が好ましい。哺乳動物由来のモノクローナル抗体としては、ハイブリドーマに産生されるもの、および遺伝子工学的手法により抗体遺伝子を含む発現ベクターで形質転換した宿主に産生されるものがある。通常、この抗体はVEGF、VEGF受容体等と結合することにより、VEGFの生物学的活性の細胞内への伝達を遮断する。
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマは、基本的には公知技術を使用し、以下のようにして作製できる。すなわち、VEGF、VEGF受容体等を感作抗原として使用して、これを通常の免疫方法にしたがって免疫し、得られる免疫細胞を通常の細胞融合法によって公知の親細胞と融合させ、通常のスクリーニング法により、モノクローナルな抗体産生細胞をスクリーニングすることによって作製できる。
具体的には、モノクローナル抗体を作製するには次のようにすればよい。例えば、抗VEGF抗体を作製する場合、抗体取得の感作抗原として使用されるヒトVEGFは、Leungら、Science 246:1306(1989)、およびHouckら、Mol. Endocrin.5:1806(1991)に記載に開示されたヒトVEGF又は関連遺伝子の核酸配列/アミノ酸配列を用いることによって得られる。
VEGFの遺伝子配列を公知の発現ベクター系に挿入して適当な宿主細胞を形質転換させた後、その宿主細胞中又は、培養上清中から目的のVEGF蛋白質を公知の方法で精製し、この精製VEGF蛋白質を感作抗原として用いればよい。また、VEGFを発現している細胞やVEGF蛋白質と他の蛋白質との融合蛋白質を感作抗原として用いてもよい。
感作抗原で免疫される哺乳動物としては、特に限定されるものではないが、細胞融合に使用する親細胞との適合性を考慮して選択するのが好ましく、一般的にはげっ歯類の動物、例えば、マウス、ラット、ハムスター等が使用される。
感作抗原を動物に免疫するには、公知の方法にしたがって行われる。例えば、一般的方法として、感作抗原を哺乳動物の腹腔内又は、皮下に注射することにより行われる。具体的には、感作抗原をPBS(Phosphate-Buffered Saline )や生理食塩水等で適当量に希釈、懸濁したものを所望により通常のアジュバント、例えば、フロイント完全アジュバントを適量混合し、乳化後、哺乳動物に4-21日毎に数回投与するのが好ましい。また、感作抗原免疫時に適当な担体を使用することができる。
このように免疫し、血清中に所望の抗体レベルが上昇するのを確認した後に、哺乳動物から免疫細胞が取り出され、細胞融合に付される。細胞融合に付される好ましい免疫細胞としては、特に脾細胞が挙げられる。
前記免疫細胞と融合される他方の親細胞としての哺乳動物のミエローマ細胞は、すでに、公知の種々の細胞株、例えば、P3X63Ag8.653(Kearney, J. F. et al. J. Immunol. (1979) 123, 1548-1550)、P3X63Ag8U.1 (Current Topics in Microbiology and Immunology (1978) 81, 1-7) 、NS-1(Kohler. G. and Milstein, C. Eur. J. Immunol.(1976) 6, 511-519 )、MPC-11(Margulies. D. H. et al., Cell (1976) 8, 405-415 )、SP2/0 (Shulman, M. et al., Nature (1978) 276, 269-270 )、FO(de St. Groth, S. F. et al., J. Immunol. Methods (1980) 35, 1-21 )、S194(Trowbridge, I. S. J. Exp. Med. (1978) 148, 313-323)、R210(Galfre, G. et al., Nature (1979) 277, 131-133 )等が適宜使用される。
前記免疫細胞とミエローマ細胞の細胞融合は基本的には公知の方法、たとえば、ミルシュタインらの方法(Kohler. G. and Milstein, C., Methods Enzymol. (1981) 73, 3-46)等に準じて行うことができる。
より具体的には、前記細胞融合は例えば、細胞融合促進剤の存在下に通常の栄養培養液中で実施される。融合促進剤としては例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、センダイウィルス(HVJ)等が使用され、更に所望により融合効率を高めるためにジメチルスルホキシド等の補助剤を添加使用することもできる。
免疫細胞とミエローマ細胞との使用割合は、例えば、ミエローマ細胞に対して免疫細胞を1〜10倍とするのが好ましい。前記細胞融合に用いる培養液としては、例えば、前記ミエローマ細胞株の増殖に好適なRPMI1640培養液、MEM培養液、その他、この種の細胞培養に用いられる通常の培養液が使用可能であり、さらに、牛胎児血清(FCS)等の血清補液を併用することもできる。
細胞融合は、前記免疫細胞とミエローマ細胞との所定量を前記培養液中でよく混合し、予め、37℃程度に加温したPEG溶液、例えば、平均分子量1000〜6000程度のPEG溶液を通常、30〜60%(w/v)の濃度で添加し、混合することによって目的とする融合細胞(ハイブリドーマ)が形成される。続いて、適当な培養液を逐次添加し、遠心して上清を除去する操作を繰り返すことによりハイブリドーマの生育に好ましくない細胞融合剤等を除去できる。
当該ハイブリドーマは、通常の選択培養液、例えば、HAT培養液(ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジンを含む培養液)で培養することにより選択される。当該HAT培養液での培養は、目的とするハイブリドーマ以外の細胞(非融合細胞)が死滅するのに十分な時間、通常数日〜数週間継続する。ついで、通常の限界希釈法を実施し、目的とする抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニングおよびクローニングが行われる。
また、ヒト以外の動物に抗原を免疫して上記ハイブリドーマを得る他に、ヒトリンパ球をin vitroで所望の抗原蛋白質又は抗原発現細胞で感作し、感作Bリンパ球をヒトミエローマ細胞、例えばU266と融合させ、所望の抗原又は抗原発現細胞への結合活性を有する所望のヒト抗体を得ることもできる(特公平1-59878参照)。さらに、ヒト抗体遺伝子のレパートリーを有するトランスジェニック動物に抗原又は抗原発現細胞を投与し、前述の方法に従い所望のヒト抗体を取得してもよい(国際特許出願公開番号WO 93/12227、WO 92/03918、WO 94/02602、WO 94/25585、WO 96/34096、WO 96/33735参照)。
このようにして作製されるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、通常の培養液中で継代培養することが可能であり、また、液体窒素中で長期保存することが可能である。
当該ハイブリドーマからモノクローナル抗体を取得するには、当該ハイブリドーマを通常の方法にしたがい培養し、その培養上清として得る方法、あるいはハイブリドーマをこれと適合性がある哺乳動物に投与して増殖させ、その腹水として得る方法などが採用される。前者の方法は、高純度の抗体を得るのに適しており、一方、後者の方法は、抗体の大量生産に適している。
例えば、抗VEGF抗体産生ハイブリドーマの作製は、WO1998/045331、WO1998/045332、Presta LGらの論文(Cancer Res 1997;57:4593-4599)、又はWO2008/133706に開示された方法により行うことができる。
本発明には、モノクローナル抗体として、抗体遺伝子をハイブリドーマからクローニングし、適当なベクターに組み込んで、これを宿主に導入し、遺伝子組換え技術を用いて産生させた組換え型抗体を用いることができる(例えば、Borrebaeck C. A. K. and Larrick J. W. THERAPEUTIC MONOCLONAL ANTIBODIES, Published in the United Kingdom by MACMILLAN PUBLISHERS LTD, 1990参照)。
具体的には、目的とする抗体を産生する細胞、例えばハイブリドーマから、抗体の可変(V)領域をコードするmRNAを単離する。mRNAの単離は、公知の方法、例えば、グアニジン超遠心法(Chirgwin, J. M. et al., Biochemistry (1979) 18, 5294-5299 )、AGPC法(Chomczynski, P. et al., Anal. Biochem. (1987)162, 156-159)等により全RNAを調製し、mRNA Purification Kit (Pharmacia製)等を使用してmRNAを調製する。また、QuickPrep mRNA Purification Kit(Pharmacia製)を用いることによりmRNAを直接調製することができる。
得られたmRNAから逆転写酵素を用いて抗体V領域のcDNAを合成する。cDNAの合成は、AMV Reverse Transcriptase First-strand cDNA Synthesis Kit等を用いて行うことができる。また、cDNAの合成および増幅を行うには5'-Ampli FINDER RACE Kit(Clontech製)およびPCRを用いた5'-RACE法(Frohman, M. A. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA(1988)85, 8998-9002;Belyavsky, A. et al., Nucleic Acids Res.(1989)17, 2919-2932)を使用することができる。得られたPCR産物から目的とするDNA断片を精製し、ベクターDNAと連結する。さらに、これより組換えベクターを作成し、大腸菌等に導入してコロニーを選択して所望の組換えベクターを調製する。目的とするDNAの塩基配列を公知の方法、例えば、デオキシ法により確認する。
目的とする抗体のV領域をコードするDNAが得られれば、これを所望の抗体定常領域(C領域)をコードするDNAと連結し、これを発現ベクターへ組み込む。又は、抗体のV領域をコードするDNAを、抗体C領域のDNAを含む発現ベクターへ組み込んでもよい。
本発明で使用される抗体を製造するには、後述のように抗体遺伝子を発現制御領域、例えば、エンハンサー、プロモーターの制御のもとで発現するよう発現ベクターに組み込む。次に、この発現ベクターにより宿主細胞を形質転換し、抗体を発現させることができる。
本発明では、ヒトに対する異種抗原性を低下させること等を目的として人為的に改変した遺伝子組換え型抗体、例えば、キメラ(Chimeric)抗体、ヒト化(Humanized)抗体等を使用できる。これらの改変抗体は、既知の方法を用いて製造することができる。
キメラ抗体は、前記のようにして得た抗体V領域をコードするDNAをヒト抗体C領域をコードするDNAと連結し、これを発現ベクターに組み込んで宿主に導入し産生させることにより得られる(欧州特許出願公開番号EP 125023、国際特許出願公開番号WO 92-19759参照)。この既知の方法を用いて、本発明に有用なキメラ抗体を得ることができる。
ヒト化抗体は、再構成(reshaped)ヒト抗体またはヒト型化抗体とも称され、ヒト以外の哺乳動物、例えばマウス抗体の相補性決定領域(CDR)をヒト抗体の相補性決定領域へ移植したものであり、その一般的な遺伝子組換え手法も知られている(欧州特許出願公開番号EP 125023、国際特許出願公開番号WO 92-19759参照)。
具体的には、マウス抗体のCDRとヒト抗体のフレームワーク領域(FR; framework region)を連結するように設計したDNA配列を、末端部にオーバーラップする部分を有するように作製した数個のオリゴヌクレオチドからPCR法により合成する。得られたDNAをヒト抗体C領域をコードするDNAと連結し、次いで発現ベクターに組み込んで、これを宿主に導入し産生させることにより得られる(欧州特許出願公開番号EP 239400、国際特許出願公開番号WO 92-19759参照)。
CDRを介して連結されるヒト抗体のFRは、相補性決定領域が良好な抗原結合部位を形成するものが選択される。必要に応じ、再構成ヒト抗体の相補性決定領域が適切な抗原結合部位を形成するように抗体の可変領域のフレームワーク領域のアミノ酸を置換してもよい(Sato, K.et al., Cancer Res. (1993) 53, 851-856)。
キメラ抗体、ヒト化抗体には、通常、ヒト抗体C領域が使用される。ヒト抗体重鎖C領域としては、Cγなどが挙げられ、例えば、Cγ1、Cγ2、Cγ3又はCγ4を使用することができる。ヒト抗体軽鎖C領域としては、例えば、κまたはλを挙げることができる。また、抗体又はその産生の安定性を改善するために、ヒト抗体C領域を修飾してもよい。
キメラ抗体はヒト以外の哺乳動物由来抗体の可変領域とヒト抗体由来のC領域からなり、またヒト化抗体はヒト以外の哺乳動物由来抗体の相補性決定領域とヒト抗体由来のフレームワーク領域およびC領域からなり、これらはヒト体内における抗原性が低下しているため、医薬品として使用される抗体として有用である。
本発明に使用されるヒト化抗体の好ましい具体例としては、ヒト化抗VEGF抗体Bevacizumabが挙げられる(WO1998/045331、WO1998/045332、又はPresta LGらの論文(Cancer Res 1997;57:4593-4599))。
また、ヒト抗体の取得方法としては先に述べた方法のほか、ヒト抗体ライブラリーを用いて、パンニングによりヒト抗体を取得する技術も知られている。例えば、ヒト抗体の可変領域を一本鎖抗体(scFv)としてファージディスプレイ法によりファージの表面に発現させ、抗原に結合するファージを選択することもできる。選択されたファージの遺伝子を解析すれば、抗原に結合するヒト抗体の可変領域をコードするDNA配列を決定することができる。抗原に結合するscFvのDNA配列が明らかになれば、当該配列を含む適当な発現ベクターを作製し、ヒト抗体を取得することができる。これらの方法は既に周知であり、WO 92/01047, WO 92/20791, WO 93/06213, WO 93/11236, WO 93/19172, WO 95/01438, WO 95/15388を参考にすることができる。
前記のように構築した抗体遺伝子は、公知の方法により発現させることができる。哺乳類細胞を用いた場合、常用される有用なプロモーター、発現される抗体遺伝子、その3'側下流にポリAシグナルを機能的に結合させたDNAあるいはそれを含むベクターにより発現させることができる。例えばプロモーター/エンハンサーとしては、ヒトサイトメガロウィルス前期プロモーター/エンハンサー(human cytomegalovirus immediate early promoter/enhancer)を挙げることができる。
また、その他に本発明で使用される抗体発現に使用できるプロモーター/エンハンサーとして、レトロウィルス、ポリオーマウィルス、アデノウィルス、シミアンウィルス40(SV40)等のウィルスプロモーター/エンハンサーやヒトエロンゲーションファクター1α(HEF1α)などの哺乳類細胞由来のプロモーター/エンハンサーを用いればよい。
例えば、SV40プロモーター/エンハンサーを使用する場合、Mulliganらの方法(Mulligan, R. C. et al., Nature (1979) 277, 108-114) 、また、HEF1αプロモーター/エンハンサーを使用する場合、Mizushimaらの方法(Mizushima, S. and Nagata, S. Nucleic Acids Res. (1990) 18, 5322 )に従えば容易に実施することができる。
宿主として原核細胞を使用する場合、細菌細胞を用いる産生系がある。細菌細胞としては、大腸菌(E.coli)、枯草菌が知られている。
大腸菌の場合、常用される有用なプロモーター、抗体分泌のためのシグナル配列、発現させる抗体遺伝子を機能的に結合させて発現させることができる。例えばプロモーターとしては、lacZプロモーター、araBプロモーターを挙げることができる。lacZプロモーターを使用する場合、Wardらの方法(Ward, E. S. et al., Nature (1989) 341, 544-546;Ward, E. S. et al. FASEB J. (1992) 6, 2422-2427 )、araBプロモーターを使用する場合、Betterらの方法(Better, M. et al. Science (1988) 240, 1041-1043 )に従えばよい。
抗体分泌のためのシグナル配列としては、大腸菌のペリプラズムに産生させる場合、pelBシグナル配列(Lei, S. P. et al J. Bacteriol. (1987) 169, 4379-4383)を使用すればよい。ペリプラズムに産生された抗体を分離した後、抗体の構造を適切にリフォールド(refold)して使用する(例えば、WO96/30394を参照)。
複製起源としては、SV40、ポリオーマウィルス、アデノウィルス、ウシパピローマウィルス(BPV)等の由来のものを用いることができ、さらに、宿主細胞系で遺伝子コピー数増幅のため、発現ベクターは選択マーカーとして、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ(APH)遺伝子、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、大腸菌キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Ecogpt)遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)遺伝子等を含むことができる。
本発明で使用される抗体の製造のために、任意の産生系を使用することができる。抗体製造のための産生系は、in vitroおよびin vivoの産生系がある。in vitroの産生系としては、真核細胞を使用する産生系や原核細胞を使用する産生系が挙げられる。
宿主として真核細胞を使用する場合、動物細胞、植物細胞、又は真菌細胞を用いる産生系がある。動物細胞としては、(1)哺乳類細胞、例えば、CHO、COS、ミエローマ、BHK(baby hamster kidney)、HeLa、Veroなど、(2)両生類細胞、例えば、アフリカツメガエル卵母細胞、あるいは(3)昆虫細胞、例えば、sf9、sf21、Tn5などが知られている。植物細胞としては、ニコチアナ・タバクム(Nicotiana tabacum)由来の細胞が知られており、これをカルス培養すればよい。真菌細胞としては、酵母、例えば、サッカロミセス(Saccharomyces)属、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、糸状菌、例えばアスペルギルス属(Aspergillus)属、例えばアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)などが知られている。
これらの細胞に、目的とする抗体遺伝子を形質転換により導入し、形質転換された細胞をin vitroで培養することにより抗体が得られる。培養は、公知の方法に従い行う。例えば、培養液として、DMEM、MEM、RPMI1640、IMDMを使用することができ、牛胎児血清(FCS)等の血清補液を併用することもできる。また、抗体遺伝子を導入した細胞を動物の腹腔等へ移すことにより、in vivoにて抗体を産生してもよい。
一方、in vivoの産生系としては、動物を使用する産生系や植物を使用する産生系が挙げられる。動物を使用する場合、哺乳類動物、昆虫を用いる産生系などがある。
哺乳類動物としては、ヤギ、ブタ、ヒツジ、マウス、ウシなどを用いることができる(Vicki Glaser, SPECTRUM Biotechnology Applications, 1993)。また、昆虫としては、カイコを用いることができる。植物を使用する場合、例えばタバコを用いることができる。
これらの動物又は植物に抗体遺伝子を導入し、動物又は植物の体内で抗体を産生させ、回収する。例えば、抗体遺伝子をヤギβカゼインのような乳汁中に固有に産生される蛋白質をコードする遺伝子の途中に挿入して融合遺伝子として調製する。抗体遺伝子が挿入された融合遺伝子を含むDNA断片をヤギの胚へ注入し、この胚を雌のヤギへ導入する。胚を受容したヤギから生まれるトランスジェニックヤギ又はその子孫が産生する乳汁から所望の抗体を得る。トランスジェニックヤギから産生される所望の抗体を含む乳汁量を増加させるために、適宜ホルモンをトランスジェニックヤギに使用してもよい(Ebert, K.M. et al., Bio/Technology (1994) 12, 699-702 )。
また、カイコを用いる場合、目的の抗体遺伝子を挿入したバキュロウィルスをカイコに感染させ、このカイコの体液より所望の抗体を得る(Maeda, S. et al., Nature (1985) 315, 592-594)。さらに、タバコを用いる場合、目的の抗体遺伝子を植物発現用ベクター、例えばpMON530に挿入し、このベクターをAgrobacterium tumefaciensのようなバクテリアに導入する。このバクテリアをタバコ、例えばNicotiana tabacumに感染させ、本タバコの葉より所望の抗体を得る(Julian, K.-C. Ma et al., Eur. J. Immunol.(1994)24, 131-138)。
上述のようにin vitro又はin vivoの産生系にて抗体を産生する場合、抗体重鎖(H鎖)又は軽鎖(L鎖)をコードするDNAを別々に発現ベクターに組み込んで宿主を同時形質転換させてもよいし、あるいはH鎖およびL鎖をコードするDNAを単一の発現ベクターに組み込んで、宿主を形質転換させてもよい(国際特許出願公開番号WO 94-11523参照)。
本発明で使用される抗体は、本発明に好適に使用され得るかぎり、抗体の断片やその修飾物であってよい。例えば、抗体の断片としては、Fab、F(ab')2、Fv又はH鎖とL鎖のFvを適当なリンカーで連結させたシングルチェインFv(scFv)が挙げられる。
具体的には、抗体を酵素、例えば、パパイン、ペプシンで処理し抗体断片を生成させるか、又は、これら抗体断片をコードする遺伝子を構築し、これを発現ベクターに導入した後、適当な宿主細胞で発現させる(例えば、Co, M.S. et al., J. Immunol. (1994) 152, 2968-2976、Better, M. & Horwitz, A. H. Methods in Enzymology (1989) 178, 476-496 、Plueckthun, A. & Skerra, A. Methods in Enzymology (1989) 178, 497-515 、Lamoyi, E., Methods in Enzymology (1989) 121, 652-663 、Rousseaux, J. et al., Methods in Enzymology (1989) 121, 663-66、Bird, R. E. et al., TIBTECH (1991) 9, 132-137参照)。
scFvは、抗体のH鎖V領域とL鎖V領域を連結することにより得られる。このscFvにおいて、H鎖V領域とL鎖V領域はリンカー、好ましくは、ペプチドリンカーを介して連結される(Huston, J. S. et al.、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. (1988) 85, 5879-5883)。scFvにおけるH鎖V領域およびL鎖V領域は、上記抗体として記載されたもののいずれの由来であってもよい。V領域を連結するペプチドリンカーとしては、例えばアミノ酸12-19残基からなる任意の一本鎖ペプチドが用いられる。
scFvをコードするDNAは、前記抗体のH鎖又は、H鎖V領域をコードするDNA、およびL鎖又は、L鎖V領域をコードするDNAを鋳型とし、それらの配列のうちの所望のアミノ酸配列をコードするDNA部分を、その両端を規定するプライマー対を用いてPCR法により増幅し、次いで、さらにペプチドリンカー部分をコードするDNAおよびその両端を各々H鎖、L鎖と連結されるように規定するプライマー対を組み合せて増幅することにより得られる。
また、一旦scFvをコードするDNAが作製されれば、それらを含有する発現ベクター、および該発現ベクターにより形質転換された宿主を常法に従って得ることができ、また、その宿主を用いて常法に従って、scFvを得ることができる。
これら抗体の断片は、前記と同様にしてその遺伝子を取得し発現させ、宿主により産生させることができる。本発明でいう「抗体」にはこれらの抗体の断片も包含される。
抗体の修飾物として、ポリエチレングリコール(PEG)等の各種分子と結合した抗体を使用することもできる。本発明でいう「抗体」にはこれらの抗体修飾物も包含される。このような抗体修飾物を得るには、得られた抗体に化学的な修飾を施すことによって得ることができる。これらの方法はこの分野においてすでに確立されている。
前記のように産生、発現された抗体は、細胞内外、宿主から分離し均一にまで精製することができる。本発明で使用される抗体の分離、精製はアフィニティークロマトグラフィーにより行うことができる。アフィニティークロマトグラフィーに用いるカラムとしては、例えば、プロテインAカラム、プロテインGカラムが挙げられる。プロテインAカラムに用いる担体として、例えば、HyperD、POROS、SepharoseF.F.等が挙げられる。その他、通常のタンパク質で使用されている分離、精製方法を使用すればよく、何ら限定されるものではない。
例えば、上記アフィニティークロマトグラフィー以外のクロマトグラフィー、フィルター、限外濾過、塩析、透析等を適宜選択、組み合わせれば、本発明で使用される抗体を分離、精製することができる。クロマトグラフィーとしては、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲルろ過等が挙げられる。これらのクロマトグラフィーはHPLC(High performance liquid chromatography)に適用し得る。また、逆相HPLC(reverse phase HPLC)を用いてもよい。
上記で得られた抗体の濃度測定は吸光度の測定又はELISA等により行うことができる。すなわち、吸光度の測定による場合には、PBS(-)で適当に希釈した後、280nmの吸光度を測定し、1mg/mlを1.35ODとして算出する。また、ELISAによる場合は以下のように測定することができる。すなわち、0.1M重炭酸緩衝液(pH9.6)で1μg/mlに希釈したヤギ抗ヒトIgG(TAG製)100μlを96穴プレート(Nunc製)に加え、4℃で一晩インキュベーションし、抗体を固相化する。ブロッキングの後、適宜希釈した本発明で使用される抗体又は抗体を含むサンプル、あるいは標品としてヒトIgG(CAPPEL製)100μlを添加し、室温にて1時間インキュベーションする。
洗浄後、5000倍希釈したアルカリフォスファターゼ標識抗ヒトIgG(BIO SOURCE製)100μlを加え、室温にて1時間インキュベートする。洗浄後、基質溶液を加えインキュベーションの後、MICROPLATE READER Model 3550(Bio-Rad製)を用いて405nmでの吸光度を測定し、目的の抗体の濃度を算出する。
抗VEGF抗体の具体的な例としては、特に限定されないが、WO1998/045331、WO1998/045332、Presta LGらの論文(Cancer Res 1997;57:4593-4599)、又はWO2008/133706に記載された抗体などを挙げることができる。
本発明で使用されるVEGF改変体は、VEGF受容体との結合活性を有し、且つVEGFの生物学的活性を伝達しない物質である。即ち、VEGF改変体はVEGF受容体に対しVEGFと競合的に結合するが、VEGFの生物学的活性を伝達しないため、VEGFによるシグナル伝達を遮断する。
VEGF改変体は、VEGFのアミノ酸配列のアミノ酸残基を置換することにより変異を導入して作製される。VEGF改変体のもととなるVEGFはその由来を問わないが、抗原性等を考慮すれば、好ましくはヒトVEGFである。具体的には、VEGFのアミノ酸配列を公知の分子モデリングプログラム、たとえば、WHATIF(Vriend et al., J. Mol. Graphics (1990) 8, 52-56 )を用いてその二次構造を予測し、さらに置換されるアミノ酸残基の全体に及ぼす影響を評価することにより行われる。適切な置換アミノ酸残基を決定した後、ヒトVEGF遺伝子をコードする塩基配列を含むベクターを鋳型として、通常行われるPCR法によりアミノ酸が置換されるように変異を導入することにより、VEGF改変体をコードする遺伝子が得られる。これを必要に応じて適当な発現ベクターに組み込み、前記組換え型抗体の発現、産生及び精製方法に準じてVEGF改変体を得ることができる。
VEGF部分ペプチドはVEGFのアミノ酸配列においてVEGFとVEGF受容体との結合に係わる領域の一部又は全部のアミノ酸配列からなるペプチドである。このようなペプチドは、通常10〜80、好ましくは20〜50、より好ましくは20〜40個のアミノ酸残基からなる。
VEGF部分ペプチドはVEGFのアミノ酸配列において、VEGFとVEGF受容体との結合に係わる領域を特定し、その特定した領域の一部又は全部のアミノ酸配列に基づいて通常知られる方法、例えば遺伝子工学的手法又はペプチド合成法により作製することができる。
VEGF部分ペプチドを遺伝子工学的手法により作製するには、所望のペプチドをコードするDNA配列を発現ベクターに組み込み、前記組換え型抗体の発現、産生及び精製方法に準じて得ることができる。
VEGF部分ペプチドをペプチド合成法により作製するには、ペプチド合成において通常用いられている方法、例えば固相合成法又は液相合成法を用いることができる。
具体的には、続医薬品の開発第14巻ペプチド合成 監修矢島治明廣川書店1991年に記載の方法に準じて行えばよい。固相合成法としては、例えば有機溶媒に不溶性である支持体に合成しようとするペプチドのC末端に対応するアミノ酸を結合させ、α-アミノ基及び側鎖官能基を適切な保護基で保護したアミノ酸をC末端からN末端方向の順番に1アミノ酸ずつ縮合させる反応と樹脂上に結合したアミノ酸又はペプチドのα-アミノ基の該保護基を脱離させる反応を交互に繰り返すことにより、ペプチド鎖を伸長させる方法が用いられる。固相ペプチド合成法は、用いられる保護基の種類によりBoc法とFmoc法に大別される。
このようにして目的とするペプチドを合成した後、脱保護反応及びペプチド鎖の支持体からの切断反応をする。ペプチド鎖との切断反応には、Boc法ではフッ化水素又はトリフルオロメタンスルホン酸を、又Fmoc法ではTFAを通常用いることができる。Boc法では、例えばフッ化水素中で上記保護ペプチド樹脂をアニソール存在下で処理する。次いで、保護基の脱離と支持体からの切断をしペプチドを回収する。これを凍結乾燥することにより、粗ペプチドが得られる。一方、Fmoc法では、例えばTFA中で上記と同様の操作で脱保護反応及びペプチド鎖の支持体からの切断反応を行うことができる。
得られた粗ペプチドは、HPLCに適用することにより分離、精製することができる。その溶出にあたり、蛋白質の精製に通常用いられる水-アセトニトリル系溶媒を使用して最適条件下で行えばよい。得られたクロマトグラフィーのプロファイルのピークに該当する画分を分取し、これを凍結乾燥する。このようにして精製したペプチド画分について、マススペクトル分析による分子量解析、アミノ酸組成分析、又はアミノ酸配列解析等により同定する。
本発明のVEGF阻害剤は関節軟骨損傷の治療に使用することが可能である。本発明において「関節軟骨損傷」とは、関節軟骨組織が破壊されたこと、関節軟骨組織が欠損したこと、または、骨または靭帯から軟骨が剥離したことをいう。「関節軟骨損傷」は、事故、疾患(例えば、変形性関節症等の変性関節疾患)、および/または外科的操作の結果で生ずるものであってよい。
本発明において、「軟骨」とは、軟骨細胞または軟骨細胞様細胞、細胞間質(例えば、I型、II型、IX型、およびXI型コラーゲン)、プロテオグリカン(例えば、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン、ケラタン硫酸プロテオグリカン、およびデルマタン硫酸プロテオグリカン)、および他のタンパク質を含む結合組織をいう。軟骨には、関節軟骨および非関節軟骨が含まれる。
「関節軟骨」は、関節内の骨の連接表面を覆い、2つの対向する骨表面の間の摩擦低減接合部分としての機能を果たす無血管の非無機化結合組織をいう。関節軟骨により、骨同士が直接接触することなく運動することが可能である。関節軟骨は、隣接する滑膜の血管および被覆される骨の血管から部分的に栄養素を得ている。関節軟骨は、II型およびIX型のコラーゲンならびに種々のプロテオグリカンを含み、軟骨内性骨形成に関連するX型コラーゲンを含まない。関節軟骨は骨の上を覆っており、軟骨の下の骨のことを軟骨下骨と呼ぶ。損傷が軟骨と軟骨下骨まで広がったものを骨軟骨損傷(軟骨全層欠損)といい、軟骨層までで留まるものを軟骨損傷(軟骨部分損傷)という。本発明において、「関節軟骨損傷」とは、上記「骨軟骨損傷」及び「軟骨損傷」を包含するものである。
「非関節軟骨」は、関節表面を被覆しない軟骨をいい、線維軟骨(関節円板、線維軟骨円板、結合線維軟骨、および関節周縁線維軟骨)および弾性軟骨が含まれる。線維軟骨では、ミクロポリサッカリド網が突出したコラーゲン束と組み合わされ、軟骨細胞が硝子軟骨または関節軟骨よりも広範に散在している。関節円板は頻繁に運動し、衝撃を受ける関節(例えば、膝の半月板)に存在する。このような関節の例としては、側頭下顎骨、胸鎖関節、手関節、および膝関節を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。線維軟骨円板は、軟骨の薄層が介在した線維組織の同心円状の輪から構成される。このような線維軟骨円板の例としては、脊髄の椎間板を挙げることができる。結合線維軟骨は、これらの関節の骨表面の間に介在し、椎体の間および恥骨の間をわずかに移動することが可能である。関節周縁線維軟骨は、いくつかの関節腔(臀部の寛骨臼および肩の関節窩など)の縁部を取り囲んでいる。弾性軟骨は、エラスチン線維と組織学的に類似のコラーゲン線維を含んでいる。このような軟骨は、外耳の心耳、耳管、小角軟骨、および喉頭蓋で見出される。本発明の軟骨損傷は、これら非関節軟骨の損傷も含まれる。
本発明において「関節軟骨損傷の治療」とは、関節軟骨組織の損傷部位における軟骨組織の欠損を少なくとも部分的に充填するのに十分な新規の軟骨組織の形成を意味する。また、新規の軟骨組織の形成により軟骨成長を促進させ、又は軟骨形成を加速させる意味も含まれる。
本発明のVEGF阻害剤により関節軟骨損傷を治療することにより、関節軟骨損傷に伴う諸症状、例えば、関節痛(軟骨変性に伴う二次的滑膜炎、変性半月版の断裂、関節の表在性の疼痛)、関節腫脹(軟骨下骨組織内圧の上昇)、関節水腫(関節液が溜まることをいい、関節内圧の上昇を引き起こす)等を治療又は予防することが可能である。より具体的には、本発明のVEGF阻害剤により、変形性関節症(変形性膝関節症、変形性股関節症、変形性足関節症、変形性手関節症、変形性肩関節症、変形性肘関節症、変形性脊椎症)、膝蓋軟骨軟化症、単純性膝関節炎、離断性骨軟骨炎、上腕骨外側上顆炎、上腕骨内側上顆炎、ヘバーデン結節、ブシャール結節、変形性母指CM関節症等を治療又は予防することが可能である。従って、本発明にはVEGF阻害剤を含む関節軟骨損傷に伴う諸症状の治療剤も含まれる。
本発明で使用されるVEGF阻害剤の効果は、例えばVEGFシグナル伝達阻害活性を指標として評価することができるがこれに限定されない。VEGF阻害剤のシグナル伝達阻害活性は、通常用いられる方法(Matthewsら、Proc. Nat. Acad. Sci. 88: 9026 (1991), Termanら、Oncogene 6:1677(1991)、又はTermanら、Biochem. Biophys. Res. Commun. 187: 1579 (1992)の知見を用いたELISAアッセイ法又は表面プラズモン共鳴法等)により評価することができる。
また、本発明で使用されるVEGF阻害剤の関節軟骨損傷治療効果は、実施例に記載した通りに、VEGF阻害剤を投与した関節軟骨損傷モデルの組織学的解析を行うことによっても、軟骨組織の損傷の修復の度合いを確認することができる。
本発明の治療剤が投与される対象は哺乳動物である。哺乳動物は、好ましくはヒトである。
本発明の治療剤は、医薬品の形態で投与することが可能であり、経口的または非経口的に全身あるいは局所的に投与することができる。例えば、点滴などの静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射、坐薬、注腸、経口性腸溶剤などを選択することができ、患者の年齢、症状により適宜投与方法を選択することができる。有効投与量は、一回につき体重1kgあたり0.01mgから100mgの範囲で選ばれる。あるいは、患者あたり1〜1000mg、好ましくは5〜50mgの投与量を選ぶことができる。好ましい投与量、投与方法は、たとえば抗VEGF抗体の場合には、血中にフリーの抗体が存在する程度の量が有効投与量であり、具体的な例としては、体重1kgあたり1ヶ月(4週間)に0.5mgから40mg、好ましくは1mgから20mgを1回から数回に分けて、例えば2回/週、1回/週、1回/2週、1回/4週などの投与スケジュールで点滴などの静脈内注射、皮下注射などの方法で、投与する方法などである。投与スケジュールは、患者の状態の観察および血液検査値の動向を観察しながら2回/週あるいは1回/週から1回/2週、1回/3週、1回/4週のように投与間隔を延ばしていくなど調整することも可能である。
本発明の治療剤には、保存剤や安定剤等の製剤上許容しうる担体が添加されていてもよい。製剤上許容しうる担体とは、上記の薬剤とともに投与可能な材料を意味する。製剤上許容される材料としては、例えば、滅菌水や生理食塩水、安定剤、賦形剤、緩衝剤、防腐剤、界面活性剤、キレート剤(EDTA等)、結合剤等を挙げることができる。
本発明において、界面活性剤としては非イオン界面活性剤を挙げることができ、例えばソルビタンモノカプリレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート等のソルビタン脂肪酸エステル;グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノミリステート、グリセリンモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル;デカグリセリルモノステアレート、デカグリセリルジステアレート、デカグリセリルモノリノレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビットテトラステアレート、ポリオキシエチレンソルビットテトラオレエート等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリルモノステアレート等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンプロピルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン水素ヒマシ油)等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ポリオキシエチレンソルビットミツロウ等のポリオキシエチレンミツロウ誘導体;ポリオキシエチレンラノリン等のポリオキシエチレンラノリン誘導体;ポリオキシエチレンステアリン酸アミド等のポリオキシエチレン脂肪酸アミド等のHLB6〜18を有するもの、等を典型的例として挙げることができる。
また、界面活性剤としては陰イオン界面活性剤も挙げることができ、例えばセチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム等の炭素原子数10〜18のアルキル基を有するアルキル硫酸塩;ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム等の、エチレンオキシドの平均付加モル数が2〜4でアルキル基の炭素原子数が10〜18であるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;ラウリルスルホコハク酸エステルナトリウム等の、アルキル基の炭素原子数が8〜18のアルキルスルホコハク酸エステル塩;天然系の界面活性剤、例えばレシチン、グリセロリン脂質;スフィンゴミエリン等のフィンゴリン脂質;炭素原子数12〜18の脂肪酸のショ糖脂肪酸エステル等を典型的例として挙げることができる。
本発明の治療剤には、これらの界面活性剤の1種または2種以上を組み合わせて添加することができる。本発明の製剤で使用する好ましい界面活性剤は、ポリソルベート20,40,60又は80などのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであり、ポリソルベート20及び80が特に好ましい。また、ポロキサマー(プルロニックF−68(登録商標)など)に代表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールも好ましい。
界面活性剤の添加量は使用する界面活性剤の種類により異なるが、ポリソルベート20又はポリソルベート80の場合では、一般には0.001〜100mg/mLであり、好ましくは0.003〜50mg/mLであり、さらに好ましくは0.005〜2mg/mLである。
本発明において緩衝剤としては、リン酸、クエン酸緩衝液、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、乳酸、リン酸カリウム、グルコン酸、カプリル酸、デオキシコール酸、サリチル酸、トリエタノールアミン、フマル酸等 他の有機酸等、あるいは、炭酸緩衝液、トリス緩衝液、ヒスチジン緩衝液、イミダゾール緩衝液等を挙げることが出来る。
また溶液製剤の分野で公知の水性緩衝液に溶解することによって溶液製剤を調製してもよい。緩衝液の濃度は一般には1〜500mMであり、好ましくは5〜100mMであり、さらに好ましくは10〜20mMである。
また、本発明の薬剤は、その他の低分子量のポリペプチド、血清アルブミン、ゼラチンや免疫グロブリン等の蛋白質、アミノ酸、多糖及び単糖等の糖類や炭水化物、糖アルコールを含んでいてもよい。
本発明においてアミノ酸としては、塩基性アミノ酸、例えばアルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン等、またはこれらのアミノ酸の無機塩(好ましくは、塩酸塩、リン酸塩の形、すなわちリン酸アミノ酸)を挙げることが出来る。遊離アミノ酸が使用される場合、好ましいpH値は、適当な生理的に許容される緩衝物質、例えば無機酸、特に塩酸、リン酸、硫酸、酢酸、蟻酸又はこれらの塩の添加により調整される。この場合、リン酸塩の使用は、特に安定な凍結乾燥物が得られる点で特に有利である。調製物が有機酸、例えばリンゴ酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸等を実質的に含有しない場合あるいは対応する陰イオン(リンゴ酸イオン、酒石酸イオン、クエン酸イオン、コハク酸イオン、フマル酸イオン等)が存在しない場合に、特に有利である。好ましいアミノ酸はアルギニン、リジン、ヒスチジン、またはオルニチンである。さらに、酸性アミノ酸、例えばグルタミン酸及びアスパラギン酸、及びその塩の形(好ましくはナトリウム塩)あるいは中性アミノ酸、例えばイソロイシン、ロイシン、グリシン、セリン、スレオニン、バリン、メチオニン、システイン、またはアラニン、あるいは芳香族アミノ酸、例えばフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、または誘導体のN-アセチルトリプトファンを使用することもできる。
本発明において、多糖及び単糖等の糖類や炭水化物としては、例えばデキストラン、グルコース、フラクトース、ラクトース、キシロース、マンノース、マルトース、スクロース、トレハロース、ラフィノース等を挙げることができる。
本発明において、糖アルコールとしては、例えばマンニトール、ソルビトール、イノシトール等を挙げることができる。
本発明の薬剤を注射用の水溶液とする場合には、例えば生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬(例えば、D-ソルビトール、D-マンノース、D-マンニトール、塩化ナトリウム)を含む等張液と混合することができる。また該水溶液は、適当な溶解補助剤(例えばアルコール(エタノール等)、ポリアルコール(プロピレングリコール、PEG等)、非イオン性界面活性剤(ポリソルベート80、HCO-50)等)と併用してもよい。
所望によりさらに希釈剤、溶解補助剤、pH調整剤、無痛化剤、含硫還元剤、酸化防止剤等を含有してもよい。
本発明において、含硫還元剤としては、例えば、N−アセチルシステイン、N−アセチルホモシステイン、チオクト酸、チオジグリコール、チオエタノールアミン、チオグリセロール、チオソルビトール、チオグリコール酸及びその塩、チオ硫酸ナトリウム、グルタチオン、並びに炭素原子数1〜7のチオアルカン酸等のスルフヒドリル基を有するもの等を挙げることができる。
また、本発明において酸化防止剤としては、例えば、エリソルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、L−アスコルビン酸及びその塩、L−アスコルビン酸パルミテート、L−アスコルビン酸ステアレート、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、没食子酸トリアミル、没食子酸プロピルあるいはエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等のキレート剤を挙げることが出来る。
また、必要に応じ、マイクロカプセル(ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリ[メチルメタクリル酸]等のマイクロカプセル)に封入したり、コロイドドラッグデリバリーシステム(リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子及びナノカプセル等)とすることもできる("Remington's Pharmaceutical Science 16th edition", Oslo Ed., 1980等参照)。さらに、薬剤を徐放性の薬剤とする方法も公知であり、本発明に適用し得る(Langer et al., J.Biomed.Mater.Res. 1981, 15: 167-277; Langer, Chem. Tech. 1982, 12: 98-105;米国特許第3,773,919号;欧州特許出願公開(EP)第58,481号; Sidman et al., Biopolymers 1983, 22: 547-556;EP第133,988号)。
使用される製剤上許容しうる担体は、剤型に応じて上記の中から適宜あるいは組合せて選択されるが、これらに限定されるものではない。
本発明は、VEGF阻害剤を、関節軟骨損傷が発症した対象または発症する可能性がある対象に投与する工程を含む、対象において関節軟骨損傷を治療および/または予防する方法に関する。
本発明において、「対象」とは、本発明の治療剤または抑制剤を投与する生物体、該生物体の体内の一部分をいう。生物体は、特に限定されるものではないが、動物(例えば、ヒト、家畜動物種、野生動物)を含む。
また、「生物体の体内の一部分」については特に限定されないが、好ましくは疾患部位などを挙げることが出来る。
本発明において、「投与する」とは、経口的、あるいは非経口的に投与することが含まれる。経口的な投与としては、経口剤という形での投与を挙げることができ、経口剤としては、顆粒剤、散剤、錠剤、カプセル剤、溶剤、乳剤、あるいは懸濁剤等の剤型を選択することができる。
非経口的な投与としては、注射剤という形での投与を挙げることができ、注射剤としては、皮下注射剤、筋肉注射剤、あるいは腹腔内注射剤等を挙げることができる。また、投与すべきオリゴヌクレオチドを含む遺伝子を遺伝子治療の手法を用いて生体に導入することにより、本発明の方法の効果を達成することができる。また、本発明の薬剤を、処置を施したい領域に局所的に投与することもできる。例えば、手術中の局所注入、カテーテルの使用、または本発明のペプチドをコードするDNAの標的化遺伝子送達により投与することも可能である。
本発明の方法を実践する際に、本発明の薬剤は、少なくとも1つの他の薬剤(例えば、他の関節軟骨損傷治療剤)と共に薬学的組成物の一部として投与されてもよい。本発明の薬剤は、BMP-4等の他の軟骨修復剤と併用してもよいし、BMP-4と併用せずに投与も可能であり、さらには単独投与も可能である。一つの態様において、本発明の薬剤および他の薬剤は、実質的に同時に投与されてもよい。
なお本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。種々の変更、修飾が当業者には可能であり、これらの変更、修飾も本発明に含まれる。
〔実施例1〕日本白色家兎膝関節軟骨全層欠損に対する抗VEGFヒト化モノクローナル抗体(bevacizumab)投与による組織修復効果の検討
<材料と方法>
本発明における実験動物の使用については、東海大学動物委員会(日本)のガイドラインに基づいて施行した。
関節軟骨損傷モデル及び抗VEGFヒト化モノクローナル抗体(bevacizumab)の投与
週齢16-18週の体重約3kgの成熟日本白色家兎を使用した。麻酔は吸気麻酔(sevoflurane)を使用した。両膝関節の大腿膝蓋関節に骨軟骨欠損(径5mm深さ3mm)を作製した。欠損底部は軟骨下骨の骨髄からの出血があることを確認した。Bevacizumabは手術当日と術後2週目の計2回の静脈内投与(100mg x 2回/1羽)とした。Bevacizumab投与(B)群と欠損放置(D)群を作製し術後、4、12週で犠牲死させた。
組織学的評価
大腿骨遠位を摘出し4% パラホルムアルデヒドにて7日間固定した後、10% EDTAにて2-3週間脱灰し、パラフィン包埋ブロックを作製し標本を4.5μmで作製した。組織学的評価としてsafranin O染色とMasson’s trichrome染色を施行した。また免疫組織化学的評価を以下に示す(Hayami T, et al., J Rheumatol 2003; 30 : 2207-2217)通り施行した。切片を脱パラフィンし、抗原賦活化のため0.005%プロテアーゼ処理を37℃、30分間施行した。1次抗体として1% ウシ血清アルブミン(BSA)にて1:200に希釈したタイプIコラーゲン (マウスモノクローナル抗体)、タイプIIコラーゲン (マウスモノクローナル抗体)、ChM-I(ヤギポリクローナル抗体)抗体、そして1%BSAにて1:50で希釈したVEGF(マウスモノクローナル抗体)抗体を使用して、第1次抗原抗体反応を4℃でovernight施行した。phosphate buffered saline(PBS)にて洗浄後、biotin-conjugated goat antimouseの2次抗体を、1次抗体としてタイプIコラーゲン、タイプIIコラーゲン、 VEGFを用いた組織に使用し、biotin-conjugated donkey antigoatの2次抗体を1次抗体としてChM-Iを用いた組織に使用し、第2次抗原抗体反応を1時間施行した。horseradish peroxidase-labeled streptavidin(HRP)処理した後、0.05% diaminobenzidine(DAB)にて発色した。対比染色としてヘマトキシリン(Hematoxylin)を用いた。
<結果>
術後1カ月のD群の骨軟骨欠損内部はsafranin Oの染色性を認めるも、欠損表層において線維性組織で修復されることが明らかとなった。また、骨軟骨欠損内部はsafranin Oの染色は認めるも、VEGFの発現を認め、ChM-1の発現を認めなかった。
一方、B群の骨軟骨欠損内部では、軟骨細胞様に分化した修復細胞で満たされており、それらの細胞は周囲軟骨と良好に融合していることが確認され、欠損部表層は凸形で修復されていることが明らかとなった。骨軟骨欠損内部はsafranin Oで濃染しており、タイプIIコラーゲンの発現を認め、タイプIコラーゲンの発現を認めず、関節軟骨様の特性を認めた。骨軟骨欠損底部の軟骨下骨のremodelingの層では肥大化した軟骨細胞を認めており、血管の侵入を認め一部骨に置換されていた。また骨軟骨欠損内部では硝子軟骨様の軟骨細胞の存在が確認された。修復細胞と軟骨下骨の境界の層では、血管の侵入を認めるも、硝子軟骨様の形態を保っており、ChM-I及びVEGFの発現を認めていた。
術後3カ月のD群は軟骨下骨の露出や、線維性組織での修復が確認された(図1)。一方、B群では、safranin Oの染色性を維持した修復が確認され、軟骨下骨の修復も良好であることが明らかとなった(図2)。修復組織の表層は平滑で宿主軟骨と良好に融合していることが確認され、修復組織内部の細胞の形態は硝子軟骨様で柱状の配列構造をとりtidemark形成が確認された。
各群の軟骨の修復度を確認したところ、欠損放置(D)群では作製した欠損の大きさに比して最大50%までしか線維軟骨、瘢痕組織あるいは骨組織で修復されない(図1)のに対し、Bevacizumab(アバスチン)投与(B)群では、作製した欠損の大きさに比して80%以上の修復再生効果を認め、しかも組織学的に関節軟骨本来の硝子軟骨組織での修復再生であった(図2)。
<考察>
VEGFは、多数の血管形成豊富な固形腫瘍や血液系悪性腫瘍で過剰発現する。従って、VEGF経路を遮断することは、腫瘍学的な研究の主要焦点であった(Eskens FA., Br J Cancer, 2004; 90 : 1-7)。最も成功した血管新生を阻害するアプローチは、Bevacizumabであり、FDAは第一選択薬(first choice)もしくはこれまで未治療の転移性の結腸または直腸ガン患者の治療として、静脈内5-FUベースの化学療法と組み合わせてBevacizumabの使用を認可した。また、Bevacizumabは、腫瘍のみならず血管新生の阻害治療の可能性が示唆されている(Branavan S, et al., JAMA, 2004; 292 : 972-977)。
骨軟骨欠損の修復過程は、内軟骨性骨化による修復を機転としており、欠損内部は骨髄由来の修復細胞で満たされるも、周囲からの血管侵入を認め、多くの修復組織の内部は骨に置換される(Shapiro F, et al., J Bone Joint Surg, 1993; 75A : 532-553、Caplan AI, et al., Clin Orthop Relat Res, 1997; 342 : 254-272)。また、肢芽発現の初期において病的な血管新生を介してVEGFは間葉組織の細胞凝集を妨げ(Yin M, et al., Dev Dyn, 2001; 222 : 522-533)、軟骨形成の末期のVEGFの高発現は血管形成を通して内軟骨性骨化につながる(Gerber HP, et al., Nat Med, 1999; 5 : 623-628)と報告されている。さらに、VEGFは関節炎を引き起こす最も重要因子の1つであることが示されており(Afuwape AO, et al., Histol Histopathology, 2002; 17 : 961-972)、変形性関節症の軟骨細胞のVEGFの発現は軟骨破壊との関連が示唆されている(Enomoto H, et al., Am J Pathol, 2003; 162 : 171-181)。また、以前の本発明者らの組織工学的手法を用いた移植動物実験モデルでは、骨髄由来の修復細胞が抗血管新生特性(anti-angiogenesis property )を獲得したことで、良好な軟骨修復再生効果を導くことを確認している(Nagai T, et al., Tissue Eng Part A, 2008; 14 : 1225-1235)。そこで本発明者らは、日本白色家兎を用いた骨軟骨欠損モデルに対して、抗VEGF抗体であるBevacizumabの静脈内投与による組織修復効果を本実施例において検討した。その結果、術後3か月において良好な軟骨修復過程を確認した。
興味深いことは、Bevacizumab投与の術後早期の修復組織でChM-Iの発現を獲得したことである。ChM-Iは、無血管組織として関節軟骨を維持し、軟骨損傷に対し再生を促進する(Hayami T, et al., J Rheumatol 2003; 30 : 2207-2217)と報告されている。本研究でのChM-Iの発現は、軟骨下骨からの血管の侵入を阻止し、関節軟骨の形質発現を獲得するバリアの働きをしていると考えられる。
しかしながら、VEGFは肢芽発現の際、幹細胞並びに軟骨細胞の生存因子と報告されている(Haigh JJ, et al., Development, 2000; 127 : 1445-1453、Zelzer E, et al., Development, 2004; 131 : 2161-2171)。本発明では、抗VEGF抗体であるBevacizumabを骨軟骨欠損部に動員される修復細胞の軟骨分化へのinitiatorとして使用している。そのため、手術当日と術後2週後の術後早期の投与としており、術後の修復細胞のVEGFの生物活性を完全に阻止しているわけではない。実際、術後1カ月の欠損内部で、B群ではVEGFの発現を弱いながらも認めていた。また、軟骨下骨からの血管侵入をうける修復細胞の層では抗血管新生因子(anti-angiogenesis factor)であるChM-Iの発現を認めていた。つまり関節軟骨の良好な修復に重要なことは、修復細胞の血管新生能と抗血管新生能のバランス、 つまり至適なVEGFシグナルの調整であることが示唆された。
最近の研究で久保ら(Kubo K, et al., Arthritis Rheum, 2009; 60 : 155-165)は、可溶性VEGFアンタゴニストであるsoluble Flt-1(sFlt-1)の遺伝子導入をした筋組織由来幹細胞をマウスの骨軟骨欠損部に移植し良好な関節軟骨の修復を報告した。しかしながら、久保らの方法は、VEGFアンタゴニストの遺伝子を導入した幹細胞を移植することにより治療効果を期待するものであり、筋組織からの幹細胞の分離、遺伝子導入、体外での細胞培養そして移植と非常に煩雑な手法を用いている。本発明の手法は既に臨床応用されているBevacizumabの静脈内投与のみで、軟骨修復を得られるものであり、極めて簡単な方法である。臨床応用を考慮する際、上記手法は、多くの医療施設で施行可能と見込まれる。
また、本発明の手法は、患者へ抗VEGF阻害剤投与(静脈内注射)して、host側(患者)の組織の修復再生環境を改変し、軟骨修復に有利な生体内環境を構築・獲得することで、治癒を目指すものである。つまり、久保らの方法のように細胞移植に依存することなく、現在行われている骨髄刺激法等による軟骨修復の治療法や既存の軟骨再生医療と併用することで治療効果の増強が期待できるものである。
また、本発明の抗VEGF抗体は、BMP-4の共存を必要とせずに、当該抗体単独でも軟骨再生の効果を発揮する。従って、BMP-4と併用しなくとも軟骨再生効果を発揮し、さらには当該抗体単独投与においても軟骨再生効果を発揮するものである。
本発明において、関節軟骨損傷モデルに対するBevacizumab早期投与は、良好な関節軟骨組織修復効果をもたらすことが明らかとなった。
すなわち抗VEGF抗体を投与することにより、関節軟骨損傷を治療することが可能であることが示された。

Claims (7)

  1. 血管内皮細胞増殖因子(VEGF)阻害剤を有効成分として含有する関節軟骨損傷治療剤。
  2. 前記VEGF阻害剤がVEGFに結合する物質であることを特徴とする請求項1に記載の関節軟骨損傷治療剤。
  3. 前記VEGF阻害剤がVEGFを認識する抗体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の関節軟骨損傷治療剤。
  4. 前記抗体がモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項3に記載の関節軟骨損傷治療剤。
  5. 前記抗体が組換え型抗体であることを特徴とする請求項3に記載の関節軟骨損傷治療剤。
  6. 前記抗体がキメラ抗体、ヒト化抗体またはヒト抗体であることを特徴とする請求項5に記載の関節軟骨損傷治療剤。
  7. 前記関節軟骨損傷が、変形性関節症(変形性膝関節症、変形性股関節症、変形性足関節症、変形性手関節症、変形性肩関節症、変形性肘関節症、変形性脊椎症)、膝蓋軟骨軟化症、単純性膝関節炎、離断性骨軟骨炎、上腕骨外側上顆炎、上腕骨内側上顆炎、ヘバーデン結節、ブシャール結節、または変形性母指CM関節症のいずれかの疾患の症状であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の関節軟骨損傷治療剤。
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