JP2011042006A - 吸着装置及びこの吸着装置を用いた吸着方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 バンパなどの湾曲した成形品を確実に吸着することができる吸着装置を提供する。
【解決手段】 シリンダ部材11と、シリンダ部材11に嵌挿するピストン部13と、ピストン部13から延設され吸引孔14を形成するピストンロッド15と、ピストンロッド15とシリンダ部材11の先端部との間に嵌合されシリンダ室10と外部を連通する開口32を有するロッドカバー17と、ロッドカバー17とピストン部13の間に縮装された弾性部材18と、ピストンロッド15の先端に装着されたバキュームカップ19を備え、ピストン部13には、エア供給穴26と、このエア供給穴26の底部から穿設したエジェクタ孔27と、このエジェクタ孔27に連設したエア噴気孔28と、このエア噴気孔28の底部と吸引孔14を連通する連通路29が設けられ、エジェクタ孔27の径が連通路29の径より小さく、連通路29の径がエア噴気孔28の径より小さい。
【選択図】 図3
【解決手段】 シリンダ部材11と、シリンダ部材11に嵌挿するピストン部13と、ピストン部13から延設され吸引孔14を形成するピストンロッド15と、ピストンロッド15とシリンダ部材11の先端部との間に嵌合されシリンダ室10と外部を連通する開口32を有するロッドカバー17と、ロッドカバー17とピストン部13の間に縮装された弾性部材18と、ピストンロッド15の先端に装着されたバキュームカップ19を備え、ピストン部13には、エア供給穴26と、このエア供給穴26の底部から穿設したエジェクタ孔27と、このエジェクタ孔27に連設したエア噴気孔28と、このエア噴気孔28の底部と吸引孔14を連通する連通路29が設けられ、エジェクタ孔27の径が連通路29の径より小さく、連通路29の径がエア噴気孔28の径より小さい。
【選択図】 図3
Description
本発明は、例えば自動車部品であるバンパなどの湾曲した成形品を移載する際に用いる吸着装置及びこの吸着装置を用いた吸着方法に関する。
従来の吸着装置としては、成形品に対する吸着効率を下げることなく真空源のエネルギー消費量を低減させるため、真空ポンプと吸着パットの間にアキュムレータを設置し、アキュムレータ内に真空圧力を備蓄し、真空ポンプを断続運転可能にする構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、吸盤による成形品吸着時における成形品の凹凸などに起因して生じる吸着不良を解消するため、大型吸盤の中に小型吸盤を内装し、大型吸盤と小型吸盤の吸気管を各々設けることにより成形品を吸着保持する構成が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
更に、ピストン部材が内装される円筒部の下方に支持部材を配設し、この支持部材に、ピストンロッドを挿通させるための小径孔と大径孔を設け、ピストンロッドの先端にバキュームカップを取付け、支持部材の側面から大径孔に向けて第1吸引孔を穿設し、ピストンロッドの中心部に、バキュームカップ内に開口する第3吸引孔を設け、大径孔と第3吸引孔を連通する第2吸引孔を設け、ピストン室に連通する大径孔の連通面積に較べて、第3吸引孔に連通する第2吸引孔の連通面積を小さくする構成が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
しかし、特許文献1に記載の発明においては、一部の吸着パットが成形品から外れた場合、アキュムレータ内の真空圧力は吸着不良により直ぐに大気圧に近づくため、成形品を吸着している他の吸着パットの吸着力も低下し、成形品が落下する虞があるので、真空ポンプを頻繁に作動させる必要からエネルギー消費量を低減させることができず、真空ポンプが大型化するなどコスト高になるという問題がある。
また、特許文献2に記載の発明においても、可撓性の成形品の場合には成形品の撓みにより吸着不良が発生し、未吸着の吸盤から大気が吸引され続けるため、真空ポンプが能力オーバーとなって正常に吸着している他の吸盤の吸着力が低下し、成形品が落下する虞があるので、真空ポンプを強力なものにする必要から装置が大型化するなどコスト高になるという問題がある。
更に、特許文献3に記載の発明においても、吸引ポンプを使用してピストンを下降端まで移動させ、多数のバキュームカップを同時に前進させてワークを確実に吸着するためには、大型の吸引ポンプを導入する必要があり、コスト高になるという問題がある。
本発明は、従来の技術が有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、バンパなどの湾曲した成形品を確実に吸着することができ、且つ省エネルギーに寄与することができる吸着装置及びこの吸着装置を用いた吸着方法を提供しようとするものである。
上記課題を解決すべく請求項1に係る発明は、シリンダ室を形成するシリンダ部材と、このシリンダ部材に嵌挿するピストン部と、このピストン部から延設され吸引孔を形成するピストンロッドと、このピストンロッドと前記シリンダ部材の先端部との間に嵌合され前記シリンダ室と外部を連通する開口を有するロッドカバーと、このロッドカバーと前記ピストン部の間に縮装された弾性部材と、前記ピストンロッドの先端に装着された吸着部材を備え、前記ピストン部には、エア供給源に連通するエア供給穴と、このエア供給穴の底部から穿設したエジェクタ孔と、このエジェクタ孔に連設し前記ピストンロッドが臨むシリンダ室と連通するエア噴気孔と、このエア噴気孔の底部と前記吸引孔を連通する連通路が設けられ、前記エジェクタ孔の径が前記連通路の径より小さく、前記連通路の径が前記エア噴気孔の径より小さいものである。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の吸着装置を用いた吸着方法であって、吸着装置をワークの近傍に位置決めした状態で、エア供給源に圧縮エアを吸着装置に供給させることにより、吸着部材を前進させると同時に、吸着部材に弱い吸着力を与えてワークに当接させ、その後吸着力を高めてワークを吸着保持するものである。
請求項1に係る発明によれば、真空ポンプではなく圧縮エア吐出ポンプなどのエア供給源を用いるので、一部の吸着部材がワークから外れても、エア供給源が圧縮エアを他の吸着部材に供給し続ければ、他の吸着部材の吸着力に影響を与えることがない。
請求項2に係る発明によれば、ワークを吸着保持する際、吸着部材がワークに当接する時点では吸着力が弱く、その後、吸着力が強まるので、ワークの表面に擦り傷が発生するような不具合が抑制される。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。本発明に係る吸着装置1は、図1及び図2に示すように、バンパWの移載装置2に適用される。
移載装置2は、ロボットアーム3の先端に装着され、ロボットアーム3の先端部に、ロボットアーム3の延出方向と直角方向に延設される上下二枚の保持板4a、4bと、この保持板4a、4bの間で且つ中央部と両側端部の三箇所に締結される基板5と、各基板5から前方に張り出す支持ロッド6と、各支持ロッド6に螺着される前後二つの移動ブロック7と、各移動ブロック7の一側に配設される支持板8と、この支持板8に締結部材9で取付けられる吸着装置1から構成されている。
移載装置2は、ロボットアーム3の先端に装着され、ロボットアーム3の先端部に、ロボットアーム3の延出方向と直角方向に延設される上下二枚の保持板4a、4bと、この保持板4a、4bの間で且つ中央部と両側端部の三箇所に締結される基板5と、各基板5から前方に張り出す支持ロッド6と、各支持ロッド6に螺着される前後二つの移動ブロック7と、各移動ブロック7の一側に配設される支持板8と、この支持板8に締結部材9で取付けられる吸着装置1から構成されている。
そして、中央の支持ロッド6に取り付けられる吸着装置1は、バンパWの略平面部を吸着するため吸着面がほぼ水平姿勢になるようにされ、両側端部の支持ロッド6に取り付けられる吸着装置1は、バンパWの湾曲面部を吸着するため、吸着面が内側に傾いた姿勢にされ、いずれも吸着面がバンパWの表面に正対できるようにセッティングされている。
吸着装置1は、図3と図4に示すように、シリンダ室10を形成し基端部11aに締結部材9を挿通して螺子部材12で締結したシリンダ部材11と、シリンダ部材11に摺動自在に嵌挿するピストン部13と、ピストン部13から連設され吸引孔14を形成するピストンロッド15と、ピストンロッド15とシリンダ部材11の先端部との間に嵌合するロッドカバー17と、ロッドカバー17とピストン部13の間に縮装された弾性部材18と、ピストンロッド15の先端に装着されたバキュームカップ19などからなる。
ピストン部13は、図5に示すように、シリンダ部材11に摺動する大径部13aと、大径部13aより小径でピストンロッド15を連設する小径部13bから形成されている。シリンダ室10の下端段部10aには、ロッドカバー17の鍔部31の前面が係合し、溝部10bには、ロッドカバー17を固定するCリング21が嵌装されている。バキュームカップ19の基端部には筒体22が嵌合され、バキュームカップ19はピストンロッド15先端の吸引孔14の内壁面に形成された雌ねじ部14aに筒体22の外周面に形成された雄ねじ部22aを螺合させることによりピストンロッド15の先端に装着されている。そして、吸引孔14と筒体22の孔部23は連通している。
また、シリンダ部材11の基端部11aには、シリンダ室10に連通するエア供給孔24が設けられ、エア供給孔24には圧縮エア吐出ポンプ25が接続されている。ピストン部13は、図5に示すように、その基端面に穿設されたエア供給穴26と、エア供給穴26の底部から穿設されたエジェクタ孔27と、エジェクタ孔27に連設しピストンロッド15が臨むシリンダ室10と連通するエア噴気孔28と、エア噴気孔28の底部と吸引孔14を連通する連通路29を備えている。エジェクタ孔27の先端は噴出口27aとして形成され、エジェクタ孔27とエア噴気孔28は小径部13bに同軸で穿設されている。
図4に示すように、ロッドカバー17のシリンダ室10側には鍔部31が形成され、鍔部31の周縁の円周上には等間隔でシリンダ室10と外部を連通する開口32が4つ開けられている。また、ピストン部13の小径部13bとピストンロッド15の基端部によって形成される段部33と鍔部31との間に弾性部材18が縮装され、ピストン部13は常時シリンダ部材11の基端部11a側に押圧されている。更に、ピストンロッド15には、ロッドカバー17に当接してピストンロッド15の前進端(下降端)を決定する段部34が形成されている。
エア供給穴26とエジェクタ孔27とエア噴気孔28と連通路29の径の大小関係は、図5に示すように、エア供給穴26の径>エア噴気孔28の径>連通路29の径>エジェクタ孔27の径であり、例えばエア供給穴26の径が3mm、エア噴気孔28の径が1.5mm、連通路29の径が1mm、エジェクタ孔27の径が0.5mmである。このように構成することにより、エジェクタ孔27先端の噴出口27aよりエア噴気孔28に噴出される高圧のエア流によって吸引孔14に連通する連通路29内のエアが誘導吸引されることになる。
以上のように構成された本発明に係る吸着装置1の動作及び吸着装置1を用いた吸着方法について説明する。先ず、図1及び図2に示すように、移載装置2がロボットアーム3により架台40上に載置されたバンパWの真上で吸着位置の近傍に位置決めされる。この時、吸着装置1とバンパWの位置関係は、図3に示す通りであり、ピストンロッド15は弾性部材18の作用により後退している。
この状態で、圧縮エア吐出ポンプ25より圧縮エアがエア供給孔24に供給されると、圧縮エアがエア供給孔24からシリンダ室10に導かれ、圧縮エアがピストン部13を弾性部材18の弾発力に抗して押圧し下降させる。すると、図6に示すように、ピストンロッド15の先端に装着されたバキュームカップ19も下降してバンパWの表面に当接した後、更にバキュームカップ19の弾性変形分下降して下降端に達する。
また、シリンダ室10に供給された圧縮エアの一部は、ピストン部13に設けられたエア供給穴26、エジェクタ孔27を通って噴出口27aより高圧エア流としてエア噴気孔28に噴出される。これにより、吸引孔14に連通する連通路29内のエアが誘導吸引される。エア噴気孔28に噴出された高圧エア流はシリンダ室10を通ってロッドカバー17に開けられた4つの開口32から外部へ排出される。
吸引孔14に連通する連通路29内のエアが誘導吸引されることにより、バンパWの表面に当接したバキュームカップ19内が負圧となり、バンパWを吸着する。バキュームカップ19がバンパWの表面に当接した時からバキュームカップ19の弾性変形分下降して下降端に達するまでは、バキュームカップ19内のエアは極めて弱い吸引力で吸引されている。これは、ピストンロッド15が下降端に達するまでは、シリンダ室10に供給される圧縮エアの殆どがピストン部13の基端面13cが臨むシリンダ室10の容積増加に費やされるためである。
ピストンロッド15が下降端に達すると、シリンダ室10に供給される圧縮エアは、その全てがピストン部13に設けられたエア供給穴26、エジェクタ孔27を通って噴出口27aより高圧エア流としてエア噴気孔28に噴出される。これにより、吸引孔14に連通する連通路29内のエアが強力に誘導吸引され、バキュームカップ19の吸引力が強まり、バンパWはしっかりとバキュームカップ19に吸着され保持されるようになる。
エア噴気孔28に噴出された高圧エア流はシリンダ室10を通ってロッドカバー17に開けられた4つの開口32から外部へ排出される。吸着装置1がバンパWを吸着保持する際に、バキュームカップ19がバンパWの表面に当接した時からバキュームカップ19の弾性変形分下降して下降端に達するまでは、極めて弱い吸引力で吸引し、下降端に達してから吸引力が強まるので、バンパWの表面に擦り傷が発生するような不具合が抑制される。そして、確かな吸着状態を維持してバンパWはロボットアーム3により他の移載場所に搬送される。
本発明によれば、真空ポンプではなく圧縮エア吐出ポンプなどのエア供給源を用いるので、一部の吸着部材がワークから外れても、エア供給源が圧縮エアを他の吸着部材に供給し続ければ、他の吸着部材の吸着力に影響を与えることがない吸着装置及びこの吸着装置を用いた吸着方法を提供することができる。
1…吸着装置、2…移載装置、3…ロボットアーム、10…シリンダ室、11…シリンダ部材、13…ピストン部、14…吸引孔、15…ピストンロッド、17…ロッドカバー、18…弾性部材、19…バキュームカップ、25…圧縮エア吐出ポンプ、26…エア供給穴、27…エジェクタ孔、27a…噴出口、28…エア噴気孔、29…連通路、32…開口、W…バンパ。
Claims (2)
- シリンダ室を形成するシリンダ部材と、このシリンダ部材に嵌挿するピストン部と、このピストン部から延設され吸引孔を形成するピストンロッドと、このピストンロッドと前記シリンダ部材の先端部との間に嵌合され前記シリンダ室と外部を連通する開口を有するロッドカバーと、このロッドカバーと前記ピストン部の間に縮装された弾性部材と、前記ピストンロッドの先端に装着された吸着部材を備え、前記ピストン部には、エア供給源に連通するエア供給穴と、このエア供給穴の底部から穿設したエジェクタ孔と、このエジェクタ孔に連設し前記ピストンロッドが臨むシリンダ室と連通するエア噴気孔と、このエア噴気孔の底部と前記吸引孔を連通する連通路が設けられ、前記エジェクタ孔の径が前記連通路の径より小さく、前記連通路の径が前記エア噴気孔の径より小さいことを特徴とする吸着装置。
- 請求項1記載の吸着装置を用いた吸着方法であって、吸着装置をワークの近傍に位置決めした状態で、エア供給源に圧縮エアを吸着装置に供給させることにより、吸着部材を前進させると同時に、吸着部材に弱い吸着力を与えてワークに当接させ、その後吸着力を高めてワークを吸着保持することを特徴とする吸着方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009191581A JP2011042006A (ja) | 2009-08-21 | 2009-08-21 | 吸着装置及びこの吸着装置を用いた吸着方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104772762A (zh) * | 2015-04-22 | 2015-07-15 | 柳州正远机电有限公司 | 汽车后保险杠专用机械手取件治具 |
CN105500339A (zh) * | 2016-01-05 | 2016-04-20 | 辽宁工业大学 | 一种具有可控机械手臂的修车装置 |
CN109421019A (zh) * | 2017-08-30 | 2019-03-05 | 富泰华工业(深圳)有限公司 | 泡棉定位治具 |
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2009
- 2009-08-21 JP JP2009191581A patent/JP2011042006A/ja active Pending
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