JP2011041218A - 伝送装置、伝送方法および多重回路 - Google Patents

伝送装置、伝送方法および多重回路 Download PDF

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Abstract

【課題】超高速なフレーマLSIを用いずに超高速な伝送信号を生成するための伝送システム、伝送方法および伝送装置を提供する。
【解決手段】OTN( Optical Transport Network )を用いて、第1ビットレートである信号を、伝送路を介して送信側伝送装置から受信側伝送装置に伝送する伝送装置であって、前記第1ビットレートよりも低速な第2ビットレートであるフレーム信号を出力する複数のフレーマ部と、前記複数のフレーマ部から出力された複数の前記フレームが入力され、当該複数のフレームを多重化して、前記第1ビットレートである信号を前記伝送路に送出するとともに、前記フレームに含まれるオーバーヘッド領域の情報のうち、前記フレームの識別に用いられる情報を変更する多重処理部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、伝送ビットレートよりも低速な動作速度のフレーマ処理部を利用した伝送装置、伝送方法および多重回路に関する。
近年のインターネットの急速な普及に伴い、さまざまなデジタルデータがネットワークを介して伝送されるようになり、ネットワーク上のトラフィックも急増してきている。例えば、利用需要が拡大しているイーサネット(登録商標)については、これまでに規定されていた10GbE(10Gbit/s イーサネット(なお、イーサネットについては登録商標))に加えて、より高速な40GbE、100GbEの標準化が進められている。
さらに、従来の音声や文字主体の通信から高精細な静止画像や動画像などへの利用需要の拡大により、今後もさらなるトラフィックの増大が見込まれている。
このように増大するトラフィックを支えるため、大容量、高信頼、経済的なバックボーンネットワークを実現する国際標準規格としてSDH( Synchronous Digital Hierarchy )やOTN( Optical Transport Network )が国際標準化機関ITU−Tにて標準化されている。
これらの標準規格は、例えば、さまざまな信号をフレームに収容して多重化することで大容量データの伝送を実現して情報流通の経済的な効率化を図ることや、伝送データに制御情報を付加することで信頼性の高い通信を実現すること、あるいは、伝送データに誤り訂正符号を付加することでさらなる長距離伝送を実現すること、などが可能になるなど優れた特徴を有している。
このため、これらの標準規格に準拠した伝送システムは、世界中で多数導入されており、今後も通信トラフィックの増加にともない増え続けるものと思われる。
ここで、このような伝送システムにおいては、WDM( Wavelength Division Multiplexing )技術を適用することで、さらなる大容量化や経済的効率化を図っている。
例えば、10Gbit/s/ch(一波長あたりの伝送容量)×40channel(波長数) = 400Gbit/s(総容量)や、40Gbit/s/ch(一波長あたりの伝送容量)×40 channel(波長数) = 1.6Tbit/s(総容量)といった超大容量伝送が実現されている。
この一波長あたりのビットレートに着目すると、トラフィックの増加と電子回路技術の進歩発展に伴い、このビットレートが2.5Gbit/s、 10Gbit/s、 40Gbit/sと向上し、伝送速度を向上させてきている。
さらに最近では、今後出現する100Gbイーサネット(なお、イーサネットについては登録商標)を収容するため、また増大するトラフィックを支えるために、100 Gbit/sを超える伝送ビットレートの標準化が進められている。
ITU−Tでは、OTNにおける新たなビットレートとして、OTU4( Optical channel transport unit−4 : 112Gbit/s)の標準化が進められている。
なお、一波長あたりのビットレートが、100Gbit/sを超えるような伝送システムを実現する場合、これまでの伝送システム開発を踏襲すると、例えばOTU4に対応したシステムを実現するためには、112Gbit/sのフレーマLSIが必要となる(例えば、非特許文献4参照)。
ITU−T G.707 ITU−T G.709 ITU−T G.709 Amendment3 Annex C 大原拓也/石田修著、NTTジャーナル"グローバルスタンダード最前線 OTNの標準化動向"2009年1月、P71〜74、[2009年8月検索]、<http://www.ntt.co.jp/journal/0901/files/jn200901071.pdf>.
しかしながら、112Gbit/sのフレーマLSIはまだ存在せず、LSI開発も超高速動作実現のため技術の進展と成熟が必要であり、長い開発期間を要することが予想される。
このように、100Gbit/sを超えるような伝送システムの実現には、その高速動作ゆえに適当なフレーマLSIを用意することが困難であり、早期にこのような伝送システムを実現することが困難であるという問題がある。
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、低速な動作速度で動作するフレーマLSIを用いて、この動作速度よりも高速な信号を伝送するための伝送装置、伝送方法および多重回路を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、伝送路を介して送信側伝送装置から受信側伝送装置に第1ビットレートである信号を伝送する伝送装置において、前記第1ビットレートよりも低速な第2ビットレートであるフレーム信号を出力する複数のフレーマ部と、前記複数のフレーマ部から出力された複数の前記フレームが入力され、当該複数のフレームを多重化して、前記第1ビットレートである信号を前記伝送路に送出するとともに、前記フレームに含まれるオーバーヘッド領域の情報のうち、前記フレームの識別に用いられる情報を変更する多重処理部と、を備えることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記多重処理部が、前記オーバーヘッド領域に、前記フレームの識別に用いられる情報として、前記伝送路に送出される順番を示した第1の順番情報を記憶させることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記多重処理部が、前記フレームに含まれるオーバーヘッド領域のうち、各フレーマ部によって付与される順番を示した第2の順番情報を、前記第1の順番情報に変更することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記多重処理部が、前記フレームに含まれるオーバーヘッド領域において、前記第2の順番情報を削除するとともに、当該第2の順番情報を削除した領域に前記第1の順番情報を記憶させることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記多重処理部が、前記フレームに含まれるオーバーヘッド領域において、前記第2の順番情報を前記フレーム内の他の領域に記憶させるとともに、前記第2の順番情報が収容されていた領域に前記第1の順番情報を記憶させることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記多重処理部が、前記フレームに含まれるオーバーヘッド領域に、当該フレームを出力した前記フレーマ部を表わし、他のフレーマ部と当該フレーマ部とを識別するチャネル情報を記憶させることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記フレーマ部が、前記OTNを用いた伝送システムにおいて予め規定されている動作周波数で動作可能なフレーマLSIであって、当該フレーマLSIをよりも高い動作周波数で動作させるように調整されたフレーマLSIであることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記フレーマ部が、前記OTNを用いた伝送システムにおいて予め規定されている動作周波数で動作可能なフレーマLSIであって、当該フレーマLSIをよりも低い動作周波数で動作させるように調整されたフレーマLSIであることを特徴とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、伝送路を介して送信側伝送装置から受信側伝送装置に第1ビットレートである信号を伝送する伝送装置における伝送方法であって、前記送信側伝送装置の複数のフレーマ部が、前記第1ビットレートよりも低速な第2ビットレートであるフレーム信号を出力するステップと、前記送信側伝送装置の多重処理部が、前記複数のフレーマ部から出力された複数の前記フレームが入力され、当該複数のフレームを多重化して、前記第1ビットレートである信号を前記伝送路に送出するとともに、前記フレームに含まれるオーバーヘッド領域の情報のうち、前記フレームの識別に用いられる情報を変更するステップと、を備えることを特徴とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、伝送路において伝送される信号のビットレートである第1ビットレートよりも低速な第2ビットレートであるフレーム信号を出力する複数のフレーマ部と、前記複数のフレーマ部から出力された複数の前記フレームが入力され、当該複数のフレームを多重化して、前記第1ビットレートである信号を前記伝送路に送出するとともに、前記フレームに含まれるオーバーヘッド領域の情報のうち、前記フレームの識別に用いられる情報を変更する多重処理部と、を備えることを特徴とする多重回路である。
この発明によれば、低速な動作速度で動作するフレーマLSIを用いて、この動作速度よりも高速な信号を伝送することができる。
本発明の第1実施形態に係る伝送システムの一例について示す概略図である。 本発明の第1実施形態に係る多重処理部による多重化の一例について説明するための概略図である。 図2で説明する多重化についてより詳細に説明するための概略図である。 本発明の第2実施形態に係る光伝送装置(送信側)の構成例について示す概略図である。 本発明の第2実施形態に係る光伝送装置(送信側)の他の構成例について示す概略図である。 本発明の第2実施形態に係る光伝送装置(送信側)の構成例について示す概略図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る伝送システムの一例について示す概略図である。
図1に示す通り、伝送システムは、光伝送装置(送信側)1に入力されたクライアント信号を、光伝送路2を介して、光伝送装置(受信側)3に送信する伝送システムである。この光伝送路2は、B(bit/s)のビットレートで超高速な信号を伝送する。なお、この超高速な信号としては、一波長あたりのビットレートが100Gbit/sを超えるような信号であるとして、以下説明する。
光伝送装置(送信側)1は、多重回路100を備える。この多重回路100は、N個のフレーマLSI( Large Scale Integration )101、102、・・・10nと、多重処理部130とを備える。
N個のフレーマLSI101、102、・・・10nは、光伝送路2において伝送されるビットレートであるB(bit/s)よりも低速な動作周波数(動作速度)で動作する。
また、この各フレーマLSI101、102、・・・10nには、それぞれの動作周波数に応じたクライアント信号が入力され、このクライアント信号に基づき、互いに同一のビットレートである信号を収容する複数のフレームを生成し、これら複数のフレームを多重処理部130に出力する。なお、各フレーマLSI101、102、・・・10nは、各部の構成に応じて、それぞれ異なるビットレートである信号が入力されてもよく、また、互いに同一のビットレートである信号が入力されてもよい。
ここでは、各フレーマLSI101、102、・・・10nの動作周波数は同一であり、それぞれの動作周波数はB/N(bit/s)である
ここで、各フレーマLSI101、102、・・・10nによって生成されるフレームは、例えば、OTUフレームであって、クライアント信号を収容するペイロード領域と、制御情報や監視情報を含むオーバーヘッド領域、誤り訂正を行うために付加する誤り訂正符号領域、とを含む。
多重処理部130は、各フレーマLSI101、102、・・・10nから出力されたフレームが入力されると、このフレームを多重化して、B(bit/s)のビットレートの超高速の信号を光伝送路2に出力する。
なお、多重処理部130は、複数のフレーマLSI101、102、・・・10nからの出力信号の多重化として、例えば、ビット多重方式、バイト多重方式、あるデータのかたまりを単位とするブロック多重方式、OTNなどで規定されるフレームを単位とするフレーム多重方式、複数のフレームのかたまりを単位とするマルチフレーム多重方式等が利用可能である。特に、フレーム多重方式およびマルチフレーム多重方式は、後に述べるMFASの変更処理などと併せて用いることで、MFASを用いる処理が可能となり有用である。
具体的に説明すると、多重処理部130は、各フレーマLSI101、102、・・・10nから出力されたB/N(bit/s)の信号を、Nチャネルで多重化して、B(bit/s)の超高速の信号を得るものであってもよい。
また、多重処理部130は、各フレーマLSI101、102、・・・10nから出力された信号がB/N(bit/s)よりも低速な信号である場合、この信号に対してパディング処理を行うことで、ビットレートを上昇させた後、Nチャネルで多重化してB(bit/s)の超高速の信号を得るものであってもよい。
さらに、多重処理部130は、各フレーマLSI101、102、・・・10nから出力された信号がB/N(bit/s)よりも高速な信号である場合、この信号の一部を削除することでビットレートを低下させた後、このビットレートが低下された信号をNチャネルに多重化してB(bit/s)の超高速の信号を得るものであってもよい。
また、各フレーマLSI101、102、・・・10nは、フレーム内のオーバーヘッド領域に、フレームの識別に用いられる情報として、MFAS( Multi−frame alignment signal )を付与する。このMFASは、各フレーマLSI101、102、・・・10nのそれぞれから多重処理部130に出力される順番を示す情報であって、各フレーマLSI101、102、・・・10nにおいて生成され、オーバーヘッド領域に記憶されるものである。
これについては、図2、3を用いて、具体的に以下説明する。図2は、各フレーマLSI101、102、・・・10nから出力されたフレームが多重処理部130によって多重化される処理の一例について説明するための概略図である。図3は、図2で説明する多重化についてより詳細に説明するための概略図である。
図2に示す通り、フレーマLSI101は、オーバーヘッド領域、ペイロード領域、および誤り訂正符号領域とからなるフレームF_1を生成する。また、フレーマLSI101は、フレームを1つ生成して多重処理部130に出力するごとに、MFASのカウント数を1つずつ増加させたMFASを生成して、オーバーヘッド領域に記憶させる。例えば、各フレーマLSI101、102、・・・10nは、MFASのカウント数を「0、1、2、3、・・・、255、0、1、2、・・・」として、256のフレーム周期でMFASを生成する。
また、これと同様にして、他のフレーマLSI102、・・・、10nも、それぞれフレームF_2、・・・、F_nを生成して、そのオーバーヘッド領域に256のフレーム周期でMFASを記憶させる。
ここで、多重処理部130によって、フレーム多重化方式に基づき2個のフレームを多重化して超高速の信号が生成され、光伝送装置(受信側)3が、当該超高速の信号に対してMFAS( Multi−frame alignment signal )を用いる処理(例えば、G.709 Amendment3, Annex Cにて規定されるOTU3/OTU4のマルチレーン転送)を行う場合を考えてみる。
仮に、本実施形態によらない多重処理部によって複数のフレームを多重化した場合、光伝送装置(送信側)1は、図3(a)に示すような多重化された信号を出力する。つまり、ここでの多重処理部は、フレーマLSI101からMFAS15、16、17の複数のフレームF_1が入力されるとともに、フレーマLSI102からMFAS121、122、123の複数のフレームF_2が入力されると、このMFASを変更せずにフレーム多重化方式に基づき多重化した超高速な信号を光伝送路2に送出する。
よって、図3(a)に示す通り、この多重処理部から送出された超高速な信号は、各フレーマLSI101、102、・・・10nによって付与されたMFASが多重処理部から送出される順番に対応していないため、MFAS15、121、16、122、17、123のように、そのMFASの順番がばらばらになっており、連続性を欠いたものとなっている。
なお、図3(a)に示す通り、各フレーマLSI101、102、・・・10nから出力されるフレームのMFASの値が連続していることは、本実施形態に係る多重回路100においても同様である。よって、例えば、フレーマLSI101から出力されたフレームは、他のフレーマLSI102、・・・10nから出力されたフレームを除くことによってMFASの値が連続性を有している。従って、多重処理部130は、各フレーマLSI101、102、・・・10nから入力されるフレームのうち、そのMFASの値が「0、1、2、3、・・・、255、0、1、2、・・・」の順番であるフレームを検出することで、この検出したフレームが各フレーマLSI101、102、・・・10nのうちある特定のフレーマLSIから出力されたフレームであることを識別することができる。
ただしこの場合、MFASだけでは1つのフレーマLSIから出力されているフレームのかたまりを検出することはできるが、いずれのフレーマLSIから出力されたフレームであるかを特定することはできない。よって、例えば、各フレーマLSI101、102、・・・10nは、MFASとは別の情報であって、各フレーマLSI101、102、・・・10nから出力された情報であることを表わすフレーム識別情報を、生成したフレームのオーバーヘッド領域に記憶させる構成であることが好ましい。これにより、多重処理部130は、このフレーム識別情報を用いて出力されたフレームを特定するとともに、MFASを用いてこのフレームから出力されたフレームの順番を検出して、各フレーマLSI101、102、・・・10nから出力された各フレームを識別することができる。
一方、本実施形態に係る多重処理部130は、図3(b)に示す通り、各フレーマLSI101、102、・・・10nから入力されたフレームのMFASを変更して、多重処理部130から光伝送路2に送信される順番を示す新たなMFASを生成し、このMFASをフレームのオーバーヘッド領域に記憶させる。
具体的に説明すると、上述のように、フレーマLSI101からMFAS15、16、17の複数のフレームF_1が入力されるとともに、フレーマLSI102からMFAS121、122、123の複数のフレームF_2が入力されると、多重処理部130は、多重処理部130から光伝送路2に送出される順番となるように、時系列に連続した新たなMFASを生成するとともに、この新たに生成したMFASをフレームのオーバーヘッド領域に記憶させる。そして、多重処理部130は、このMFASが新たに記憶されたフレームをフレーム多重化方式によって多重化して、超高速な信号を光伝送路2に送出する。
これにより、図3(b)に示す通り、多重処理部130は、時系列に連続したMFAS3、4、5、6、7、8がフレームのオーバーヘッド領域に付与され、フレーム多重方式によって多重化された超高速な信号を送出する。従って、図示の通り、多重処理部130から出力される信号は、出力される順番に連続性を有するMFASを有する。
なお、多重処理部130は、このMFASの変更方法のひとつとして、例えば、各フレーマLSI101、102、・・・10nから出力されたフレームのオーバーヘッド領域に収容されているMFASを削除した後、この削除したMFASが収容されていた同じ領域に、新たに多重処理部130によって生成されるMFASを収容することができる。
また、多重処理部130は、このMFASの他の変更方法として、例えば、各フレーマLSI101、102、・・・10nから出力されたフレームのオーバーヘッド領域に収容されているMFASを、当該フレーム内の他の領域(例えば、情報を収容してない未使用領域)に収容して、各フレーマLSI101、102、・・・10nによって付与されたMFASが収容されていた同じ領域に、新たに多重処理部130によって生成されるMFASを収容するものであってもよい。
上述の構成により、光伝送装置(送信側)1は、クライアント信号を受信すると、各フレーマLSI101、102、・・・10nの動作周波数に応じた複数のクライアント信号が、各フレーマLSI101、102、・・・10nに入力される。この各フレーマLSI101、102、・・・10nは、入力されたクライアント信号に基づく複数のフレームF_1、F_2、・・・、F_nを生成するとともに、これら複数のフレームF_1、F_2、・・・、F_nのオーバーヘッド領域に対して、それぞれのフレーマLSI101、102、・・・10nが生成したMFASを記憶させ、多重処理部130に出力する。
そして多重処理部130は、各フレーマLSI101、102、・・・10nから、複数のフレームF_1、F_2、・・・、F_nが入力されると、これらフレームF_1、F_2、・・・、F_nに対して、光伝送路2に出力される順番を示す新たなMFASを生成し、この新たなMFASを各フレームのオーバーヘッド領域に記憶させる。
このように、本実施形態に係る伝送システムは、光伝送路2に超高速な信号を伝送するシステムであって、この光伝送路2を介して伝送される信号のビットレートよりも低速な動作周波数(動作速度)の複数のフレーマLSI101、102、・・・10nを用いて、これらフレーマLSI101、102、・・・10nから出力された、光伝送路2を介して伝送される信号のビットレートよりも低速なビットレートのフレーム信号を、多重処理部130に出力して多重化するようにした。これにより、光伝送路2に伝送される信号が、各フレーマLSI101、102、・・・10nから出力されたフレームのビットレートよりも高速なB(Gbit/s)のビットレートの信号であっても、複数のフレーマLSI101、102、・・・10nを用いて多重化することにより、このB(Gbit/s)の信号を伝送することができる。
また、上述のように、多重処理部130は、各フレーマLSI101、102、・・・10nによって付与されたMFASを、光伝送路2に送出する順番に連続する新たなMFASに変更するようにした。
これにより、光伝送装置(受信側)3が超高速な信号を受信して、この超高速な信号のMFASを利用した処理を行う場合、この処理動作において生じる不都合を解消することができる。例えば、OTU3/OTU4のマルチレーン転送においては、光伝送装置(受信側)3は、このMFASの値をレーン識別とスキュー検出に用いることが規定されている。このため、図3(a)に示したように連続性を欠いたMFASが付与された信号が光伝送装置(受信側)3に入力されると、光伝送装置(受信側)3が正常に動作することができなくなるという問題がある。よって、本実施形態に係る伝送システムによると、このような問題を解消することができる。
さらに、上述の通り、多重処理部130は、各フレーマLSI101、102、・・・10nによって付与されたMFASを変更する場合、当該MFASを当該フレーム内の他の領域に収容するようにした。これにより、光伝送装置(受信側)3において、各フレーマLSI101、102、・・・10nによって付与されたMFASを利用する場合であっても、他の領域に収容されている当該MFASを復元することができる。
[第2実施形態]
次に、図4、5を用いて、本実施形態に係る伝送システムの一例について詳細に説明する。図4は、第2実施形態に係る光伝送装置(送信側)の構成例について示す概略図である。また、図5は、第2実施形態に係る光伝送装置(送信側)の他の構成例について示す概略図である。なお、第1実施形態と同様の機能を有する構成については、同一の名称を付して、詳細な説明については省略する。
図4に示すように、光伝送装置(送信側)10は、56Gbit/sの動作周波数(動作速度)で動作するフレーマLSI1101、1102と、多重処理部1130とを備える。
フレーマLSI1101、1102は、例えば、OTU3において利用される動作周波数43.018 Gbit/sで動作するフレーマLSIであって、多重回路100に搭載されている発振器を用いて動作周波数を調整することによって、動作周波数55.905Gbit/sで動作するように予め調整されている。
言い換えると、フレーマLSI1101、1102は、例えばOTU3を用いた伝送システムにおいて予め規定されているフレーマLSIとしての動作周波数(43.018 Gbit/s)で動作するフレーマLSIであって、この動作周波数が調整されることによって、この予め規定されている動作周波数よりも高い周波数(55.905Gbit/s)で動作するフレーマLSIである。また、調整される動作周波数は、N=2個のフレーマLSI1101、1102の全ての動作周波数が同一となる値であって、これらの動作周波数の総和が、多重処理部130から送出される超高速な信号のビットレートとなる動作周波数(112Gbit/s)となるようにする。つまり、超高速な信号のビットレートがB(bit/s)とすると、各フレーマLSI101、102、・・・10nの各動作周波数はB/N(bit/s)で表わすことができる。ただし、Nは、各フレーマLSI1101、1102、・・・110nに含まれるフレーマLSIの数である。
なお、フレーマLSIは、あらかじめ規定の周波数外での動作を想定して設計されたものであって、具体的には、動作速度を制限する配線間の寄生容量などが適当に設計され、また所望の動作速度を実現するLSIの加工線幅により作製されたものを用いる。
多重処理部1130には、フレーマLSI1101から出力されたフレームF_1と、フレーマLSI1102から出力されたフレームF_2とが入力される。また、多重処理部1130は、この入力されたフレームF_1、F_2を多重化する。
これにより、多重処理部1130は、55.905 Gbit/s×2 = 111.810 Gbit/sのビットレートの信号を光伝送路2に送出することができる。
これは、以下のような現状において、既存の各フレーマLSI101、102、・・・10nを有効に利用することができる点で有益である。
現在、ITU−Tで規定されているOTNでは、4つのビットレート(OTU1:2.666Gbit/s、 OTU2:10.709Gbit/s、 OTU3:43.018 Gbit/s、 OTU4: 111.810 Gbit/s)が規定されているが、上述の通り、OTU4のように、一波長あたりのビットレートが100Gbit/sを超えるような伝送システムを実現する場合、これまでの伝送システム開発を踏襲すると、112Gbit/sのビットレートのフレーマLSIが必要となる(例えば、非特許文献4参照)。そこで、本実施形態に係る光伝送装置(送信側)のように、既存の低速なフレーマを複数組み合わせて、その動作周波数を調整して用いることで100Gbit/sを越える動作速度のフレーマLSIを用いなくとも、100Gbit/sを越える信号の生成が可能となる。
また、本実施形態に係る光伝送装置(送信側)10は、上述のように、各フレーマLSI101、102、・・・10nの動作周波数を光伝送路2に伝送される超高速の信号のビットレートにあわせて調整するようにした。これにより、OTU4において利用される動作周波数(111.810 Gbit/s)のフレーマLSIが存在しない場合であっても、OTU3において利用される動作周波数(43.018 Gbit/s)で動作するフレーマLSIを用いることができる。
このように、OTNにおいて規定されている動作周波数以外ではあっても正常に動作する範囲内においてフレーマLSIの動作周波数を高くすることによって、光伝送装置(送信側)1で利用されるフレーマLSIの個数を少なくすることができる。よって、光伝送装置(送信側)1の回路サイズや消費電力、発熱量、装置コストなどを低減することができる。
さらに、本実施形態に係る光伝送装置(送信側)10は、上記構成とは逆に、OTU3において利用される動作周波数43.018 Gbit/sで動作するフレーマLSIの動作周波数を、低くするように調整されることによって、複数のフレーマLSIを利用する構成であってもよい。
この例を図5を用いて説明すると、光伝送装置(送信側)20は、複数のフレーマLSI2101、2102、2103、2104と、多重処理部2130とを備える。
これらフレーマLSI2101、2102、2103、2104は、例えば、OTU3において利用される動作周波数43.018 Gbit/sで動作するフレーマLSIであって、多重回路100に搭載されている発振器を用いて動作周波数を調整することによって、動作周波数27.953Gbit/sで動作するように予め調整されている。
言い換えると、フレーマLSI2101、2102、2103、2104は、例えば、OTU3を用いた伝送システムにおいて予め規定されているフレーマLSIとしての動作周波数(43.018 Gbit/s)で動作するフレーマLSIであって、この動作周波数が調整されることによって、この予め規定されている動作周波数よりも低い周波数(27.953Gbit/s)で動作するフレーマLSIである。また、調整される動作周波数は、N=4個のフレーマLSI2101、2102、2103、2104の全ての動作周波数が同一となる値であって、これらの動作周波数の総和が、多重処理部130から送出される超高速な信号のビットレートとなる動作周波数(112Gbit/s)となるようにする。
多重処理部2130には、フレーマLSI2101から出力されたフレームF_1と、フレーマLSI2102から出力されたフレームF_2と、フレーマLSI2103から出力されたフレームF_3と、フレーマLSI2104から出力されたフレームF_4とが入力される。また、多重処理部2130は、この入力されたフレームF_1、F_2、F_3、F_4を多重化する。
これにより、多重処理部2130は、27.953Gbit/s×4 = 111.812 Gbit/sのビットレートの信号を光伝送路2に送出することができる。
上記実施形態では、特別に規定外の周波数で動作するように設計されたフレーマLSIでなくとも、多重回路100に搭載されている発振器を用いて動作周波数を調整することにより、高速な信号を生成することが可能となる。
なお、本実施形態に係る光伝送装置(送信側)20は、多重処理部2130から送出される超高速の信号がOTU4(111.810 Gbit/s)の信号である伝送システムにおいて、OTU1〜3で予め規定されている動作周波数で動作するフレーマLSIを用いるものであればよく、以下のようなフレーマLSIを組み合わせて利用することができる。
例えば、光伝送装置(送信側)に含まれる各フレーマLSI101、102、・・・10nとして、OTU3において利用される動作周波数43.018Gbit/sで動作するフレーマLSIの動作周波数が調整されて、動作周波数37.270Gbit/sで動作するようにしたフレーマLSIを3個搭載する。これにより、多重処理部は、37.270Gbit/s×3 = 111.810 Gbit/sのビットレートの信号を光伝送路2に送出することができる。
また、光伝送装置(送信側)に含まれる各フレーマLSI101、102、・・・10nとして、OTU2において利用される動作周波数10.709Gbit/sで動作するフレーマLSIの動作周波数が調整されて、動作周波数13.976Gbit/sで動作するようにしたフレーマLSIを8個搭載する。これにより、多重処理部は、13.9762Gbit/s×8 = 111.810 Gbit/sのビットレートの信号を光伝送路2に送出することができる。
さらに、光伝送装置(送信側)に含まれる各フレーマLSI101、102、・・・10nとして、OTU2において利用される動作周波数10.709Gbit/sで動作するフレーマLSIの動作周波数が調整されて、動作周波数11.181Gbit/sで動作するようにしたフレーマLSIを10個搭載する。これにより、多重処理部は、11.181Gbit/s×10 =111.810 Gbit/sのビットレートの信号を光伝送路2に送出することができる。
[第3実施形態]
次に、図6を用いて、本実施形態に係る伝送システムの一例について詳細に説明する。図6は、第3実施形態に係る光伝送装置(送信側)の構成例について示す概略図である。なお、第1実施形態と同様の機能を有する構成については、同一の名称を付して、詳細な説明については省略する。
図6に示すように、光伝送装置(送信側)30は、複数のフレーマLSI3101、3102、・・・310nと、多重処理部3130とを備える。
この各フレーマLSI3101、3102、・・・310nには、それぞれの動作速度(動作周波数)に応じたクライアント信号が入力されており、このクライアント信号に基づきフレームを生成する。
多重処理部3130は、各フレーマLSI3101、3102、・・・310nから出力されたフレームが入力されると、このフレームのオーバーヘッド領域の一部に、受け取ったフレームを出力した各フレーマLSI3101、3102、・・・310nを特定するチャネル情報を付与する。このチャネル情報は、フレームを出力した各フレーマLSI3101、3102、・・・310nを表わし、このフレームを出力した各フレーマLSI3101、3102、・・・310nを識別する識別情報である。
例えば、多重処理部3130は、フレーマLSI3101からフレームF_1が入力された場合、フレームF_1のオーバーヘッド領域に「チャネル1」を表わすチャネル情報を記憶させる。同様にして、多重処理部3130は、フレーマLSI3102からフレームF_2が、フレーマLSI310nからフレームF_nが、それぞれ入力された場合、フレームF_2のオーバーヘッド領域に「チャネル2」を表わすチャネル情報を記憶させるとともに、フレームF_nのオーバーヘッド領域に「チャネルn」を表わすチャネル情報を記憶させる。
これにより、本実施形態のように、複数のフレーマLSIからの出力されるフレームを多重化して光伝送路2を介して伝送した場合において、光伝送装置(受信側)3で多重化されている複数のフレームを分離するときに、各フレームを識別することができる。
よって、光伝送装置(受信側)3は、受信した信号を分離する際に、チャネル情報に基づき、同じチャネルを表わすフレームごとに分類することによって、光伝送装置(送信側)30に入力される複数のクライアント信号に応じたフレームを認識することができる。従って、光伝送装置(受信側)3は、複数のクライアント信号ごとに、受信した信号を復元することができる。
また、上述の通り、フレームのオーバーヘッド領域には、MFASが記憶されているが、このMFASは、各フレーマLSI101、102、・・・10nにおいて生成されるものであって、当該フレーマLSI101、102、・・・10nから生成されるフレーム同士において、一定周期(例えば、256フレーム)ごとに互いを識別することができる情報である。このため、異なる各フレーマLSI101、102、・・・10n間において、同じタイミングで同一のMFASが生成された場合、このMFASだけでは当該フレームを生成した各フレーマLSI101、102、・・・10nを特定することができない。この場合、チャネル情報を利用することにより、確実に、フレームの生成元である各フレーマLSI101、102、・・・10nを特定することができる。
なお、本実施形態は上記構成に限られず、例えば、異なる実施形態を組み合わせて構成されるものであってもよい。例えば、多重処理部は、第1実施形態におけるMFASの変更機能、および第3実施形態におけるチャネル情報の記憶機能の両方を備えるものであってもよい。
また、上述において、各フレーマLSI101、102、・・・10nには、それぞれの動作速度に応じた複数のクライアント信号が入力されると説明した。しかし、本発明はこれに限られず、例えば、光伝送装置(送信側)1が、ひとかたまりのクライアント信号を、各フレーマLSI101、102、・・・10nの駆動周波数に応じて分割した後、この分割されたクライアント信号を、各フレーマLSI101、102、・・・10nに出力するクライアント信号分割部をさらに備える構成であってもよい。
また、上述の各フレーマLSI101、102、・・・10nによって生成されるOTUフレームは、例えば、クライアント信号を収容するODU( Optical Channel Date Unit )フレームをオーバーヘッドと訂正誤りで包み込むフレームであってもよい。また、このODUフレームは、クライアント信号を含むペイロードにオーバーヘッドを付与したものである。この場合、クライアント信号に対応する情報を収容する領域をペイロード領域とし、フレーム内のクライアント信号以外の情報を収容する領域をオーバーヘッド領域として、上述の実施形態に適応させるものであってもよい。
さらに、上述の各フレーマLSI101、102、・・・10nは、入力される複数のクライアント信号において他のクライアント信号と識別されるクライアント信号識別情報を、フレームのオーバーヘッド領域に記憶する構成であることが好ましい。これにより、各フレーマLSI101、102、・・・10nに複数の異なるクライアント信号が入力される場合であっても、光伝送装置(受信側)3で受信したフレームに基づき、このフレームを識別することができ、クライアント信号を復元することができる。
1 光伝送装置(送信側)
2 光伝送路
3 光伝送装置(受信側)
100 フレーマLSI
130 多重処理部

Claims (10)

  1. 伝送路を介して送信側伝送装置から受信側伝送装置に第1ビットレートである信号を伝送する伝送装置において、
    前記第1ビットレートよりも低速な第2ビットレートであるフレーム信号を出力する複数のフレーマ部と、
    前記複数のフレーマ部から出力された複数の前記フレームが入力され、当該複数のフレームを多重化して、前記第1ビットレートである信号を前記伝送路に送出するとともに、前記フレームに含まれるオーバーヘッド領域の情報のうち、前記フレームの識別に用いられる情報を変更する多重処理部と、
    を備えることを特徴とする伝送装置。
  2. 前記多重処理部は、
    前記オーバーヘッド領域に、前記フレームの識別に用いられる情報として、前記伝送路に送出される順番を示した第1の順番情報を記憶させることを特徴とする請求項1に記載の伝送装置。
  3. 前記多重処理部は、
    前記フレームに含まれるオーバーヘッド領域のうち、各フレーマ部によって付与される順番を示した第2の順番情報を、前記第1の順番情報に変更することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の伝送装置。
  4. 前記多重処理部は、
    前記フレームに含まれるオーバーヘッド領域において、前記第2の順番情報を削除するとともに、当該第2の順番情報を削除した領域に前記第1の順番情報を記憶させることを特徴とする請求項3に記載の伝送装置。
  5. 前記多重処理部は、
    前記フレームに含まれるオーバーヘッド領域において、前記第2の順番情報を前記フレーム内の他の領域に記憶させるとともに、前記第2の順番情報が収容されていた領域に前記第1の順番情報を記憶させることを特徴とする請求項3に記載の伝送装置。
  6. 前記多重処理部は、
    前記フレームに含まれるオーバーヘッド領域に、当該フレームを出力した前記フレーマ部を表わし、他のフレーマ部と当該フレーマ部とを識別するチャネル情報を記憶させることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の伝送装置。
  7. 前記フレーマ部は、
    前記OTNを用いた伝送システムにおいて予め規定されている動作周波数で動作可能なフレーマLSIであって、当該フレーマLSIをよりも高い動作周波数で動作させるように調整されたフレーマLSIであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の伝送装置。
  8. 前記フレーマ部は、
    前記OTNを用いた伝送システムにおいて予め規定されている動作周波数で動作可能なフレーマLSIであって、当該フレーマLSIをよりも低い動作周波数で動作させるように調整されたフレーマLSIであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の伝送装置。
  9. 伝送路を介して送信側伝送装置から受信側伝送装置に第1ビットレートである信号を伝送する伝送装置における伝送方法であって、
    前記送信側伝送装置の複数のフレーマ部が、
    前記第1ビットレートよりも低速な第2ビットレートであるフレーム信号を出力するステップと、
    前記送信側伝送装置の多重処理部が、
    前記複数のフレーマ部から出力された複数の前記フレームが入力され、当該複数のフレームを多重化して、前記第1ビットレートである信号を前記伝送路に送出するとともに、前記フレームに含まれるオーバーヘッド領域の情報のうち、前記フレームの識別に用いられる情報を変更するステップと、
    を備えることを特徴とする伝送方法。
  10. 伝送路において伝送される信号のビットレートである第1ビットレートよりも低速な第2ビットレートであるフレーム信号を出力する複数のフレーマ部と、
    前記複数のフレーマ部から出力された複数の前記フレームが入力され、当該複数のフレームを多重化して、前記第1ビットレートである信号を前記伝送路に送出するとともに、前記フレームに含まれるオーバーヘッド領域の情報のうち、前記フレームの識別に用いられる情報を変更する多重処理部と、
    を備えることを特徴とする多重回路。
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