JP2011040892A - 画像処理装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理対象の画像データを出力機器の処理能力に応じて出力できるとともに、画質優先であるか否かに応じて速やかに画像情報を出力する技術を提供する。
【解決手段】処理対象の画像を読み取った画像情報と、その画像情報の出力先機器の処理能力情報とに基づいて、その出力先機器が、その画像情報を出力できるかどうかを判定し(S4)、出力できないと判定したとき、画質を優先するモードが設定されている場合に、その画像情報のオリジナルデータを検索して出力する(S6〜S8)。また或いは、変換した画像情報を出力先機器に出力する(S8)。一方、出力できると判定したときは画像情報を出力先機器に出力する(S15)。
【選択図】図5

Description

本発明は、画像処理装置及びその制御方法に関する。
近年、オフィスでのペーパーレス化が急速に進んでおり、電子文書をネットワークを介してデータベースに保管し、再利用可能にする等の電子文書を取り扱う技術が各種提案されている。例えば、紙文書を電子文書に変換する方法として、紙文書をスキャナで読み取り電子文書フォーマット(JPEG等)に変換するものがある(特許文献1参照)。しかしながらこの特許文献1の技術は、スキャナで読み取った画像をJPEG等の電子文書に変換することを目的としている。よって、オフィスでのワークフローで電子文書と紙文書の再利用の過程で印刷とスキャンを繰り返すため、その度に電子文書の画像の品質が劣化するという問題がある。
また文書データを属性毎の領域に分けて、各領域のイメージを全て生画像データ(或いは圧縮画像データ)として保管することが提案されている(特許文献2参照)。この特許文献2では、各領域をイメージデータとして保存しているため高解像度が求められるとファイル容量が大きくなる。またイメージデータで保存しているため、拡大等の画像の編集を行うと画像が劣化するという問題がある。
また紙文書に対応する電子情報を検索する技術も提案されている(特許文献3,4参照)。特許文献3は、スキャンした画像データに基づいて電子情報を得る技術を開示し、更に、その画像データと電子情報との差分を抽出し、その抽出した差分を特定した電子情報と合成している。また特許文献4では、デジタル複合機(コピー機能、スキャン機能、プリント機能等を備える)において、スキャンしたイメージデータにページIDを示すコードがあるかどうかを判別している。そしてそのコードがあると、該当するページIDをデータベース上で検索し、そのページIDが見つかると、取り込んだばかりのイメージデータを破棄し、これに代わってページIDに関連付けられた印刷データを取り出して用紙に印刷している。一方、データベース上で該当するページIDが見つからなかった場合は、コピー操作時はスキャンしたイメージデータをそのまま用紙に複写している。またファクシミリ操作時やファイリング操作であれば、そのイメージデータをPDLフォーマットにして送信している。
更に特許文献5では、複写対象となった文書のイメージデータから、その文書の元になっているオリジナルの文書ファイルを検索し、その文書ファイルがなければ、そのイメージデータにベクトル化処理を実行して登録している。そして、オフィスでのワークフローの中で電子文書と紙文書を再利用する過程で、印刷とスキャンを繰り返すことなく、ベクトル化処理された電子文書を再利用できる環境を提供して画質劣化を抑制する技術を提案している。
特開2001−358863号公報 特開平8−147445号公報 特開平10−63820号公報 特開平10−285378号公報 特開2004−265384号公報
しかしながら、上記のオリジナルの文書ファイルの検索や、その文書ファイルの特定、更には文書ファイルを特定できない場合のベクトル化処理は多くの時間を要する。このため、画質よりも高速の印刷を要求するユーザにとっては、このような処理は利便性を大きく損ねるものとなる。
また複写対象となった文書のイメージデータの情報(ビットマップイメージの割合など)や、印刷解像度によっては、ビットマップデータの処理であっても画像データの情報量を損なわずに高速で印刷できる場合もある。このような場合には、上述したファイルの検索やベクタ化処理を行わなくても画質の低下を抑制することができるが、ユーザがこれらを認識して設定を行うのは困難である。
本発明の目的は上記従来技術の問題点を解消することにある。
本願発明の特徴は、処理対象の画像の画像データを出力機器の処理能力に応じて出力できるとともに、画質優先であるか否かに応じて速やかに画像情報を出力する技術を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る画像処理装置は以下のような構成を備える。即ち、
処理対象の画像を読み取って画像情報を取得する読み取り手段と、
前記画像情報の出力先機器の処理能力情報を取得する能力取得手段と、
前記読み取り手段により取得した画像情報と、前記能力取得手段が取得した前記出力先機器の処理能力情報とに基づいて、前記出力先機器が前記画像情報を出力できるかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段が出力できないと判定したとき、画質を優先するモードが設定されている場合に前記画像情報のオリジナルデータを検索する検索手段と、
前記画像情報を前記出力先機器の処理能力情報に応じて変換する変換手段と、
前記判定手段が出力できると判定したときは前記画像情報を前記出力先機器に出力し、前記判定手段が出力できないと判定したときは、前記検索手段により検索した前記オリジナルデータ、或いは前記変換手段により変換した画像情報を前記出力先機器に出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、処理対象の画像の画像データを出力機器の処理能力に応じて出力できるとともに、画質優先であるか否かに応じて速やかに画像情報を出力できる。
本実施形態に係る画像処理システムの全体構成を示すブロック図。 カラー複合機のコントロールユニットの構成例を示すブロック図。 カラー複合機のコントロールユニットのソフトウェアモジュールのブロック図。 ローカル機器の操作部の表示部へ表示される画面例を示す図。 実施形態1の画像処理システムでのリモートコピー処理のフローチャート。 実施形態2に係る複合機のコントロールユニットのブロック図。 カラー複合機のコントロールユニットのソフトウェアモジュールのブロック図。 実施形態2のベクトル化処理の一例を説明するフローチャート。 イメージデータのブロックセレクションを行った一例を示す図。 DAOFデータのデータ構造を示す図。 実施形態2の画像処理システムのリモートコピー処理を示すフローチャート。 実施形態3の画像処理システムのリモートコピー処理を示すフローチャート。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
[実施形態1]
図1は、本実施形態に係る画像処理システムの全体構成を示すブロック図である。
この画像処理システムは、LAN(Local Area Network)10を介して接続された、パーソナルコンピュータ(PC)2と、カラー複合機3、カラープリンタ4、カラープリンタ5、モノクロ複合機6、記録サーバ7を有している。ここでカラー複合機3とカラープリンタ5の印刷解像度はともに600dpiであり、カラーとモノクロの両方の印刷を行うことができる。カラープリンタ4は印刷解像度が1200dpiで、カラーとモノクロの両方の印刷を行うことができる。モノクロ複合機6は印刷解像度が1200dpiで、モノクロ印刷が可能である。このモノクロ複合機6はモノクロ印刷専用で、読み取り解像度が1200dpiのカラースキャナを搭載している。記録サーバ7は、パーソナルコンピュータ2、複合機3,6、カラープリンタ4,5の処理対象となるデータを蓄積するための大容量記憶装置を搭載している。そしてPCや複合機で処理されたイメージデータ等を受信して保管するとともに、LAN10を介してこれら各デバイスとの間で各種データの送受信を行うことができる。尚、図1では、PC2とカラー複合機3及びカラープリンタ4はオフィスAに設置されており、カラープリンタ5とモノクロ複合機6はオフィスBに設置されている。
図2は、本実施形態に係るカラー複合機3のコントロールユニット(制御部)の構成例を示すブロック図である。
図2において、コントロールユニット200は、画像入力デバイスであるスキャナ201や画像出力デバイスであるプリンタエンジン202と接続し、画像データの読み取りや印刷のための制御を行う。また、コントロールユニット200は、LAN10や公衆回線204と接続することで、画像情報やデバイス情報をLAN10経由で入出力する。CPU205は、このカラー複合機3全体を制御するための中央処理装置である。RAM206は、CPU205が動作するためのシステムワークメモリであり、入力された画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。ROM207はブートROMで、システムのブートプログラムを格納している。HDD208はハードディスクドライブであり、各種処理のためのシステムソフトウェア及び入力された画像データ等を格納する。操作部I/F209は、画像データ等を表示可能な画面を有する操作部210に対するインタフェース部であり、操作部210に対して画面データを出力する。また操作部I/F209は、操作部210から操作者が入力した情報をCPU205に伝える役割をする。ネットワークインタフェース211は、例えばLANカード等で実現され、LAN10に接続されて外部装置との間で情報の入出力を行う。またモデム212は公衆回線204に接続され、外部装置との間で情報の入出力を行う。以上のユニットがシステムバス213上に配置されている。
イメージバスI/F214は、システムバス213と画像データを高速で転送する画像バス215とを接続するためのインタフェースであり、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス215には、以下で詳述するラスタイメージプロセッサ(RIP)部216、デバイスI/F217、スキャナ画像処理部218、プリンタ画像処理部219、編集用画像処理部220、カラーマネージメントモジュール(CMM)230が接続される。RIP部216は、ページ記述言語(PDL)コードや後述するベクトルデータをイメージに展開する。デバイスI/F217は、スキャナ201やプリンタエンジン202とコントロールユニット200とを接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、スキャナ画像処理部218は、スキャナ201から入力した画像データに対して、補正、加工、編集等の各種処理を行う。プリンタ画像処理部219は、印刷する画像データに対して、プリンタエンジンに応じた補正、解像度変換等の処理を行う。編集用画像処理部220は、画像データの回転や、画像データの圧縮や伸張処理等の各種画像処理を行う。CMM230は、画像データに対して、プロファイルやキャリブレーションデータに基づいた、色変換処理(色空間変換処理ともいう)を施す専用ハードウェアモジュールである。プロファイルとは、機器に依存した色空間で表現したカラー画像データを機器に依存しない色空間(例えばLab等)に変換するための関数のような情報である。キャリブレーションデータとは、カラー複合機3におけるスキャナ201やプリンタエンジン202の色再現特性を修正するためのデータである。
尚、モノクロ複合機6は、CMM230を備えていない点を除いて、図2と同様のコントロールユニットを備える。更に、カラープリンタ4,5は、スキャナ201及びスキャナ画像処理部218を備えていない点を除いて、図2と同様のコントロールユニットを備える。
図3は、本実施形態1に係るカラー複合機3のコントロールユニット200のソフトウェアモジュールの構成例を示すブロック図である。各ソフトウェアモジュールは主にCPU205上で動作する。
ジョブコントロール処理301は、図示/不図示の各ソフトウェアモジュールを統括・制御し、コピー、プリント、スキャン、FAX送受信等のカラー複合機3内で発生するあらゆるジョブを制御する。ネットワーク処理302は、主にネットワークI/F211を介して行われる、外部との通信を制御するモジュールであり、LAN10上の各機器との通信制御を行う。ネットワーク処理302は、LAN10に接続されている各機器からの制御コマンドやデータを受信すると、その内容を、ジョブコントロール処理301へ通知する。またジョブコントロール処理301からの指示に基づき、LAN10の各機器へ制御コマンドやデータの送信を行う。UI処理303は、主に操作部210、操作部I/F209に係る制御を行う。操作者が操作部210を操作した内容を、ジョブコントロール処理301へ通知すると共に、ジョブコントロール処理301からの指示に基づいて、操作部210上の表示画面の表示内容やLED等の表示を制御する。FAX処理304は、FAX機能を制御する。FAX処理304は、モデム212を介してFAX受信を行い、FAX画像特有の画像処理を施した後、受信画像をジョブコントロール処理301へ通知する。また、ジョブコントロール処理301からの指定される画像を、指定通知先へFAX送信を行う。
プリント処理307は、ジョブコントロール処理301の指示に基づいて、編集用画像処理部220、プリンタ画像処理部219及びプリンタエンジン202を制御し、指定画像の印刷処理を行う。プリント処理307は、ジョブコントロール処理301より、画像データ、画像情報(画像データのサイズ、カラーモード、解像度など)、レイアウト情報(オフセット、拡大縮小、面つけなど)及び用紙情報(サイズ、印刷方向など)の情報を受け付ける。そして、編集用画像処理部220及びプリンタ画像処理部219を制御して、画像データに対して適切な画像処理を施し、プリンタエンジン202を制御して指定用紙への印刷を行わせる。スキャン処理310は、ジョブコントロール処理301の指示に基づいて、スキャナ201及びスキャナ画像処理部218を制御して、スキャナ201にある原稿の読み込みを行わせる。ジョブコントロール処理301の指示には、カラーモードが含まれており、スキャン処理310ではカラーモードに応じた処理が行われる。即ち、カラーモードがカラーであれば、原稿をカラー画像として入力し、カラーモードがモノクロであれば、原稿をモノクロ画像として入力する。また、カラーモードがAutoである場合は、プレスキャンなどにより原稿のカラー/モノクロ判定を行った後、判定結果に基づいた画像として再度原稿をスキャンして画像を入力する。スキャン処理310は、スキャナ201の原稿台にある原稿のスキャンを実行し、デジタルデータとして画像の入力を行う。入力した画像のカラー情報は、ジョブコントロール処理301へ通知される。更に、スキャン処理310は入力画像に対し、スキャナ画像処理部218を制御して画像の圧縮等、適切な画像処理を施した後、ジョブコントロール処理301へ画像処理済みの入力画像を通知する。
色変換処理309は、ジョブコントロール処理301の指示に基づいて、指示画像に対して色変換処理を行い、色変換処理後の画像をジョブコントロール処理301へ通知する。ジョブコントロール処理301は、色変換処理309に対して、入力色空間情報、出力色空間情報及び色変換を適用する画像を通知する。色変換処理309に通知された出力色空間が、入力機器に依存しない色空間(例えばLab空間)である場合は、入力機器に依存する入力色空間(例えば、RGB)からLabに変換するための情報である入力プロファイル情報が併せて通知される。この場合、色変換処理309は入力プロファイルより、入力色空間からLab空間へマッピングするルックアップテーブル(LUT)を作成し、このLUTを利用して入力画像の色変換を行う。また、色変換処理309に通知された入力色空間がLab空間である場合には、Lab空間から出力機器に依存する出力色空間に変換するための出力プロファイル情報が併せて通知される。この場合、色変換処理309は出力プロファイルより、Lab色空間から出力色空間へマッピングするLUTを作成し、このLUTを利用して入力画像の色変換を行う。また、色変換処理309に通知された入力色空間、出力色空間の双方が、デバイスに依存する色空間である場合には、入力プロファイルと出力プロファイルの双方が通知される。この場合、色変換処理309は入力プロファイル及び出力プロファイルより、入力色空間から出力色空間へダイレクトにマッピングするLUTを作成し、このLUTを利用して入力画像の色変換を行う。色変換処理309では、CMM230が機器内にあれば、CMM230へ生成したLUTを設定することより、CMM230を利用して色変換を行う。一方、CMM230がない場合にはCPU205がソフト的に色変換処理を行う。尚、色変換処理309は、予めリファレンス画像の色変換を実行することにより、入力プロファイルのみが指定された場合の色変換処理に要する時間を保持する。更に、色変換処理309は、出力プロファイルのみが指定された場合の色変換に要する時間を保持する。更に、色変換処理309は、入力プロファイルと出力プロファイルが指定された場合の色変換に要する時間を保持する。
機器情報送信処理305は、ジョブコントロール処理301の指示により、ネットワーク処理302を介して、指定機器に機器情報の送信を行う。機器情報には、プリンタエンジン202のタイプ(カラー・モノクロ)、プリンタエンジン202の解像度、プリンタエンジン202の印刷速度、色変換処理309での処理時間1、色変換処理309での処理時間2、出力プロファイルが含まれる。機器情報には更に、ベクトル化処理の処理時間、後述するDAOF(ドキュメント・アナリシス・アウトプット・フォーマット)データのラスタライズ(RIP)処理時間が含まれる。つまり機器情報は機器の能力情報や機器の特性を示す情報が含まれる。機器情報取得処理306は、ジョブコントロール処理301の指示により、ネットワーク処理302を介して、指定機器に機器情報取得リクエストの送信を行う。RIP処理311は、ジョブコントロール処理301の指示に基づいて、PDLや後述するDAOFデータの解釈(インタプリット)を行い、RIP部216を制御してレンダリングすることで、ビットマップイメージへの展開を行う。
尚、本実施形態において、モノクロ複合機6も図3と同様のソフトウェア構成を備えるものとする。またカラープリンタ4,5は、FAX処理304、スキャン処理がないことを除いて、図3と同様の構成を備えるものとする。
以上、本実施形態をリモートコピーの例を用いて説明する。
リモートコピーとは、例えば、カラー複合機3で読み取った原稿をカラープリンタ5で印刷するといったように、コピーのスキャン動作と印刷動作がネットワークを介して、異なる機器で行われる処理である。一方、スキャン動作から印刷までを同一の機器で行う処理、即ち、複合機が従来から行っている複写動作をローカルコピーという。
リモートコピーによって、複合機のプリンタが他のジョブの印刷処理を実行しているために、その複合機でローカルコピーを行うことができない場合に、印刷動作をネットワークの他の複合機に代替処理させるといった使い方が可能になる。また、コピーした印刷物(書類)を遠隔地にいるユーザへ人の手を介して配布する場合、リモートコピーにより、そのユーザの近傍に配置されている複合機に印刷させることで、書類の配布に要する手間を省くことが可能になる。
本実施形態では、スキャン動作を行う側の機器(通常、ユーザがリモートコピーに関する操作指示を行う機器でもある)をローカル機器と呼び、印刷する側の機器をリモート機器と呼ぶ。
図4は、リモートコピーを指示する場合にローカル機器の操作部210の表示部へ表示される画面の一例を示す図である。この画面は、リモートコピーの設定及び開始を行うために操作部210に表示され、ユーザ(操作者)がリモートコピーモードボタン402を押した時に表示される。操作者はプリンタ選択ボタン403を押すと、リモートコピーの出力先として指定可能なリモート機器のプルダウンリストが表示され(不図示)、操作者はそのリストの中から所望のリモート機器を選択できる。こうして操作者が選択したリモート機器の名称が表示領域404へ表示される。尚、リモートコピーの出力先として指定可能なリモート機器のリストは、予め機器内に保持されている。尚、LAN10に接続された、指定可能なリモート機器のリストを管理する管理サーバ(不図示)に問い合わせることで取得してもよい。更に、指定可能なリモート機器のリストは、リモートコピー受付可能な印刷装置を検索するパケットをLAN10上へブロードキャストし、そのパケットに対して応答した印刷装置をリスト表示してもよい。
リモートコピー指定時の、出力モード選択する出力モード選択ボタン405が設けられている。出力モードとしては、「画質優先」、「AUTO」(図4)がある。この設定は、リモートコピー時の処理フローの選択に影響する。この処理フローとは、リモートコピーを実行する場合に、ベクトル化や色変換処理を実行するか否かを選択する。これらの処理を実行する場合は、ベクトル化やRIP処理、色変換処理をローカル機器で行うか、或いはリモート機器で行うか、といった処理手順となる。また操作者が「画質優先」モードを選択した場合は、リモートコピーの処理で、画質の向上を優先した処理フローが選択される。
倍率指定ボタン408は、リモートコピー時に原稿画像に適用される、拡大/縮小倍率を指定するためのボタンである。倍率指定ボタン408を押すことにより、不図示の倍率指定画面が表示され、操作者はこの画面上で拡大或いは縮小倍率を指定できる。また倍率指定ボタン408の「等倍」を押すことにより、倍率指定画面を表示することなく、等倍、即ち、拡大或いは縮小倍率を100%に指定できる。操作者の指定した、拡大/縮小倍率は表示領域409へ表示される。
用紙選択ボタン406は、印刷を行う用紙選択するためのボタンであり、操作者が用紙選択ボタン406を押すと、印刷時に選択可能な用紙サイズのリストが表示される。印刷に使用する用紙として選択された用紙サイズは、表示領域407へ表示される。図4の例では、「AUTO」が選択されており、原稿のスキャン時に原稿サイズを検知すると共に、操作者の指定した拡大/縮小倍率を考慮することにより、最適な用紙が自動的に選択されることを示している。
表示領域410には、リモートコピー時のコピー部数が表示されている。コピー部数は、操作者が不図示のハードキーを操作することにより設定可能である。フィニッシング設定ボタン411は、フィニッシャを設定するためのボタンである。このフィニッシング設定ボタン411を押すことにより、不図示のフィニッシャ設定画面が表示され、ソートやステイプル、パンチャ等の印刷後の用紙に対する各種フィニッシィングに関する設定を行うことできる。両面指定ボタン412は、両面コピーの指定を行うためのボタンである。この両面指定ボタン412を押すことにより、不図示の両面設定画面が表示され、両面・片面設定や、両面設定時の綴じ方向の設定等を行うことができる。応用機能設定ボタン413は、応用機能設定を行うためのボタンである。このボタン413を押すことにより、「ページ連写」、「製本」、「縮小レイアウト」設定など、複合機が有するより高度な応用機能の設定を行うことができる。カラーモード設定ボタン414は、カラーモードの設定を行うためのボタンである。このカラーモード設定ボタン414を押すと、「カラーコピー」、「モノクロコピー」、「AUTO」、「カラー優先コピー」のリストが表示され、操作者は表示された中から所望のカラーモードを選択できる。「カラーコピー」、「モノクロコピー」を選択した場合、それぞれ選択されたモードでの印刷が行われる。一方、「AUTO」を選択した場合には、原稿をスキャン時に、原稿がカラー原稿であるか、またはモノクロ原稿であるかを自動判定し、カラー原稿であればカラーコピーが、モノクロ原稿であればモノクロコピーが実行される。尚、プリンタ選択ボタン403で選択されているリモート機器がモノクロ複合機の場合は、「モノクロコピー」しか選択できない。更に、ローカル機器がモノクロ複合機の場合でも、リモート機器がカラー複合機の場合には「カラー優先コピー」を選択できる。これにより後述するオリジナルデータ検索動作により、検索対象となるサーバ等にモノクロのスキャンデータと文字、図面データが等価であるオリジナルカラーデータが存在する場合は、「カラーコピー」を実行できる。一方、ローカル機器がモノクロ複合機であってもカラースキャナを搭載している場合には、リモート機器がカラー複合機であれば「カラーコピー」、「モノクロコピー」、「AUTO」ともに選択可能である。
以上のように、ユーザは、操作部210に表示された各リモートコピーに関する設定を行い、所望の出力装置により所望の出力(印刷)が得られるように各々設定できる。そしてローカル機器の操作部210のコピーボタンを押下することにより、UI処理303は各設定情報と、リモートコピーが指示されたことをジョブコントロール処理301へ通知することにより、リモートコピーの処理を開始する。
図5は、実施形態1に係る画像処理システムでのリモートコピー処理を説明するフローチャートである。
S1で、リモート機器(出力先機器)を選択してリモートコピーが指示されるとジョブコントロール処理301はスキャン処理310へスキャン処理の開始を通知する。これによりS2で、スキャン処理310はCPU205からデバイスI/F217を介してスキャナ201を駆動して原稿の読み取りを開始し、原稿がなくなるまでスキャン動作を繰り返し、原稿がなくなった時点でスキャン動作を停止する。こうしてスキャナ201により得られたイメージデータは、デバイスI/F217を介してスキャナ画像処理部218に送られ、所定の画像処理・圧縮が行われる。尚、このスキャナ画像処理部218は、後述するオリジナルデータ検索処理のために必要であるオリジナルデータの格納ポインタ(サーバ名+パス付ファイル名)を原稿画像のポインタ情報(2次元バーコード等)から検出し、イメージデータへ付加しておく。尚、本実施形態1では、2次元バーコードによってポインタ情報が表されているとして説明しているが、2次元バーコードに限らず、原稿画像中の所定位置にオリジナルデータの所在を示すURL等が記述されていてもよい。また場合によっては、電子透かしにより、人間には視認しずらいようにポインタ情報を埋め込んでもよい、その他これに順ずる手段であれば何れでもよい。このイメージデータと付加情報がイメージバスI/F214を介してHDD208へ格納される。こうしてHDD208にイメージデータが格納されると、スキャン動作及びスキャン画像処理が終了したことをジョブコントロール処理301へ通知し、S2のスキャン動作を終了する。
次にS3に進み、S1で指定されたリモート機器の情報(処理能力情報)を機器情報取得処理306へ渡し、そのリモート機器の機器情報を取得する(能力取得)。機器情報取得処理306は、指定されたリモート機器へ機器情報取得リクエストを送信し、そのリモート機器から機器情報が送信されて来るのを待つ。こうして、そのリモート機器から機器情報を取得すると、ジョブコントロール処理301へ、その取得した機器情報を通知する。これによりジョブコントロール処理301は、S3で、機器情報取得処理306から機器情報の通知を受けるとS4に進む。尚、以前に同じリモート機器を用いてリモートコピー動作を行った場合などで、リモート機器の機器情報を既に取得していてHDD208に保持している場合は、S3で改めて機器情報取得リクエストを送信しなくとも良い。その場合は、HDD208に保持している情報を用いる。
次にS4に進み、S3で取得した機器情報とローカル機器情報に基づいて、リモート機器で印刷できる画質レベルが、ローカル機器でスキャンした画質に比べて、高いか否かを判断する。ここでの判断は、機器情報に含まれているリモート機器の印刷解像度(出力解像度)やカラー/モノクロに基づいて行う。ここでは印刷解像度に着目して説明する。本実施形態1では、カラー複合機3をローカル機器とし、カラー複合機3で読み取った画像データをカラープリンタ4(リモート機器)へ送信して印刷する場合を考える。ローカル機器(カラー複合機3)のスキャン解像度は600dpiであり、リモート機器(カラープリンタ4)の印刷解像度は、機器情報より1200dpiであると判断される。従って、この場合はスキャン解像度(600dpi)<印刷解像度(1200dpi)であるため、画像データの解像度を600dpiから1200dpiに変換する必要がある。この場合は、入力したイメージデータは、リモート機器で印刷するデータ量に対して主走査1/2×副走査1/2の1/4である。リモート機器での印刷画質は、スキャンしたイメージデータに対して劣化すると判断してS4からS5へ進む。スキャンしたイメージデータの画質はリモート機器で出力できる印刷画質よりも劣っている。S5以降の処理は、このような場合でもリモート機器の印刷能力を最大限に発揮できるようしたものである。
次にS5では、S1でユーザが、出力モード選択ボタン405で設定した出力モードを判定する。ここで「画質優先」が設定されている場合はS6に進み、オリジナルデータの検索動作を起動する。一方、「画質優先」が設定されていない場合はS9に進み、オリジナルデータの検索を実行するか否かの表示を操作部210へ表示し、ユーザからの指示を確認する。S9で、ユーザがオリジナルデータの検索実行の指示を操作部210を介して指示した場合はS6に進み、ジョブコントロール処理301は、ネットワーク処理302へオリジナルデータの検索動作の実行を指示する。一方、オリジナルデータの検索を実行しない場合はS13の処理へ進む。
オリジナルデータの検索は、前述のS2のスキャン処理で検出したイメージデータに付加された格納情報ポインタを確認する。この格納情報ポインタが付加されている場合は、そのポインタで示される「サーバ名+パス付ファイル名」に該当するファイルが存在するかをLAN10に接続されている記録サーバ7へ照会する。この照会により、そのファイルの存在が確認できた場合、そのファイルがスキャンされたイメージデータに対して画質向上が望めるファイルであるか否かを確認する(S7,S10)。例えば、そのファイルがスキャンされたイメージデータの元のベクタデータがある場合は、解像度依存ではないので、そのベクタデータをリモート機器内のRIP部216でレンダリングすることで任意の解像度に展開することができる。従って、S7で、元のベクタデータがあると判定すると、リモート機器で高解像度の印刷が可能であると判断してS8へ進んで、そのオリジナルのデータを送信先へ送信する。一方、S7で、元のベクタデータがない場合はS10の処理へ進む。S10では、ベクタデータでなくとも元のラスタデータがあるかどうかを判定し、無ければS13に進み、あればS11に進む。S11では、リモート機器の印刷解像度以上の高解像度を持つラスタデータかどうかを判定し、そうであれば有効なオリジナルデータが有ると判断してS12に進む。S12では、この元のラスタデータを印刷解像度と等価の解像度に変換(この場合1200dpiに変換)してS8へ進む。
このようにS7或いはS10で、オリジナルデータが有ると判定した場合は、S8で、記録サーバ7より、対象となるオリジナルデータを送信先(この場合、カラープリンタ4)へ送信させる。またS11で、リモート機器の印刷解像度と同じ高解像度のラスタデータであればステップS8に進み、記録サーバ7より、対象となるオリジナルデータを送信先へ送信させる。またS10で、リモート機器の印刷解像度より大きい印刷解像度のデータが存在しない場合には、有効なオリジナルデータがないと判断してS13の処理へ進む。S13では、スキャンした画像の解像度と印刷の解像度とが等しい(整合する)かどうかを判定する。ここで一致していないと判定するとステップS14に進み、スキャンした画像の解像度を印刷の解像度に適合させるように解像度を変換を行う。そしてS15に進んで、解像度変換した画像データ、或いはS13で解像度が一致した場合は、S2でスキャンした画像データを送信先へ送信する。
以上説明したS1〜S15の処理は、本実施形態に係る画像処理システムのローカル機器における処理である。
次にS16〜S18を参照して、本実施形態に係る画像処理システムのリモート機器における処理について説明する。
次にS16では、送信先であるリモート機器で受信されたデータがベクタデータかラスタデータかを判定する。前述したように例えば、ベクタデータである場合は解像度依存ではないのでS17に進み、元のベクタデータを、このリモート機器のカラープリンタ4のRIP部216でレンダリングすることで、その印刷解像度に適合した印刷データに展開する。尚、ベクタデータでない場合はS16からS18に進む。S18では、レンダリングした画像データにプリンタ画像処理部219で所定の画像処理を行った後、プリンタエンジン202により印刷する。またリモート機器の印刷解像度以上の高解像度を持つビットマップデータの場合、即ち、ステップS16からS18に進んだ場合は、S12で、ラスタデータをリモート機器の印刷解像度に変換されている。このため、そのラスタデータにプリンタ画像処理部219で所定の画像処理を行った後、プリンタエンジン202で印刷する。
一方、S1で、カラー複合機3をローカル機器とし、このカラー複合機3でスキャンした画像データをリモート機器であるカラープリンタ5に送信して印刷させる指示がされた場合を考える。この場合はS4で、ローカル機器(カラー複合機3)のスキャン解像度は600dpiであり、リモート機器(カラープリンタ5)の印刷解像度は、その機器情報より600dpiであると判断されてS13に進む。この場合はS13で、スキャン解像度と印刷解像度と一致しないと判定される。この場合は、リモート機器で印刷する画質に対してスキャンされたイメージを用いても劣化しないと判定してS15に進む。S15では、ローカル機器でスキャンにより得られた画像データをリモート機器(カラープリンタ5)へ送信して印刷させる。また例えば、S13で、スキャン解像度>印刷解像度の場合はS14に進み、リモート機器の印刷解像度に変換し、S15で、リモート機器へ画像データを送信する。これによりリモート機器では、S18で、その画像データに所定の画像処理を行った後、印刷する。
尚、上述の処理フローは、それぞれ必要な情報が一度RAM206に展開され、CPU205が演算し、ROM207に格納されているプログラムに従って逐次実行されていくものとする。
またS12、S14の解像度変換処理は、公知の技術であるニアレスト・ネイバー法、バイ・リニア法、バイ・キュービック法、平均画素法等の解像度変換、或いはそれに準ずる解像度変換処理であれば何れでもよい。
以上説明したように本実施形態1によれば、ローカル機器で読み取ったイメージデータの解像度と、リモート機器での印刷解像度とを比較し、読み取った画像データがリモート機器で印刷する画質能力と等価であるか否かをユーザを介することなく判断する。そしてリモート機器での印刷能力の画質に比べてイメージデータの解像度が低い場合は、元のイメージデータを検索して、その元のイメージデータを変換してリモート機器に送信して印刷させる。これにより、ユーザの意図に沿った良好なリモートコピーを実現できる。
[実施形態2]
次に本発明の実施形態2を説明する。本実施形態2に係る画像処理システムの全体構成は図1と同様であり、詳細は上述したので説明を省略する。
図6は、実施形態2に係る複合機のコントロールユニット(コントローラ)200aの構成例を示すブロック図である。尚、図6において、前述の図2と共通する部分は同じ記号で示し、それらの説明を省略する。
図6では、前述の実施形態1(図2)の構成に加えて、ラスタイメージを像域分離して各領域に細分化し、対応するオブジェクト群を生成するベクトルデータ生成部231を更に有している。
図7は、本実施形態2に係るカラー複合機3のコントロールユニット200aのソフトウェアモジュールの構成例を示すブロック図である。尚、図3と共通する部分は同じ記号で示し、それらの説明を省略する。
図7では、ベクトル化処理308を更に有している。ここではジョブコントロール処理301より通知された画像に対してベクトルデータ生成部231にてベクトル化処理308に基づいて処理を行う。このベクトル化処理の終了後、ベクトル化処理308はジョブコントロール処理301へ通知する。以下、ベクトル化処理の詳細について説明する。
<ベクトル化処理>
図8は、本実施形態2のベクトル化処理308の一例を説明するフローチャートである。
このベクトル化処理は、後述する文字認識(OCR)処理、アウトライン化処理、図形認識処理、DAOFデータへの変換処理といった複数の処理の少なくともいずれかを実行することによって実現する。ベクトル化データとは、上述の少なくともいずれかの処理を実行することによって得られる直線や曲線を構成する複数の画素を補完する数式として定義されたデータである。本実施形態2では、それ以外にも文字認識処理やマーク認識を行ってコードデータやフォントデータを得る処理もベクトル化処理とする。ラスタ画像の少なくとも一部の領域がベクトル化されたデータもベクトル化データである。DAOFデータは本実施形態2におけるベクトル化データの一例である。
リモートコピーを行う場合、ローカル機器のスキャナの解像度と、リモート機器の印刷解像度が異なる場合、スキャンして得られたラスタイメージデータに対して解像度変換処理を行う必要がある。一般的にラスタイメージデータの解像度変換を実行すると画質が劣化するが、DAOF形式のデータは、このような場合でも解像度変換を行う必要が無い(例えば、直線を表す数式の座標を変換するのみ)ので画質が劣化することが無い。図8のフローチャートは、コントロールユニット200のCPU205によって実行される。
まずS21で、ジョブコントロール処理301から指示されたラスタイメージデータに対して、ブロックセレクション処理を行う。このブロックセレクション処理は、入力したラスタイメージデータを解析して、そのイメージデータに含まれるオブジェクトの塊毎にブロックに分割し、各ブロックの属性を判定して分類する処理である。この属性としては、文字(TEXT)、画像(PHOTO)、線(LINE)、図形(PICTURE)、表(TABLE)等の種類がある。
図9は、入力したイメージデータのブロックセレクションを行った場合の一例を示す図である。
入力画像91に対してブロックセレクションを行った結果が判定結果92である。この判定結果92で、点線で囲った部分が画像を解析した結果のオブジェクトの1単位を表し、各オブジェクトに対して付されている属性の種類がブロックセレクションの判定結果を示している。後述するページ全体に対するイメージ部の割合は、このブロックセレクション処理の結果より求められ、PHOTO、PICTUREと判定されたエリア面積より対応するページに対するイメージ割合を算出できる。
次にS22では、S21で分割した各ブロックに対して、ベクトル化に必要な処理をそれぞれ行う。ここで文字と判定したブロックに対してOCR(文字認識)処理を行う。そして、OCR処理された文字ブロックに対して、更に文字のサイズ、スタイル、字体等を認識し、イメージデータ中の文字に対して可視的に忠実なフォントデータに変換するベクトル化処理を行う(S23)。またS23では、線ブロック、図形ブロック、表ブロックに対しても、アウトライン化することによりベクトル化処理を行う。一方で、画像ブロックに対しては、S4で、イメージデータとして別個のJPEGファイルとして画像処理を行う。次にS25に進み、S21で行った各ブロックの属性及び位置情報や、S22〜S24で抽出した、OCR情報、フォント情報、ベクトル情報及び画像情報を図10のドキュメント・アナリシス・アウトプット・フォーマット(DAOF)形式にまとめる。
図10は、DAOFデータのデータ構造を示す図である。
このDAOFデータは、複数のデータ部を具備している。Header(ヘッダ)191は、処理対象の画像データに関する情報を保持する。レイアウト記述データ部192はイメージデータ中の文字、画像、線、図形、表等の属性毎に認識された各ブロックの属性情報と、その矩形アドレス(座標)情報を保持する。文字認識記述データ部193は、文字ブロックを文字認識して得られる文字認識結果を保持する。表記述データ部194は、TABLEブロックの構造の詳細を格納する。画像記述データ部195は、画像データを入力したイメージデータから切り出して保持する。
本実施形態2では、前述の実施形態1で説明したリモートコピーの例に対して、更にスキャン解像度以外にもスキャンしたイメージの情報を活用し、更にベクトルデータ生成部231を用いて処理する例を説明する。
図11は、実施形態2に係る画像処理システムにおけるリモートコピー処理を説明するフローチャートである。まず実施形態1と同様に、ユーザは、操作部210に表示された出力モード、倍率指定、用紙選択、コピー部数、フィニッシング設定、カラーモード設定等の各リモートコピーに関する設定を行う。そして操作部210の不図示のコピーボタンを押下することにより、UI処理303は各設定情報とリモートコピーが指示されたことをジョブコントロール処理301へ通知することにより開始される。ここでもS31〜S48の処理はローカル機器で実行され、S49,S50の処理はリモート機器で実行される。前述の図5のフローチャートと比較して異なる点は、図11のS33,S36,S45の処理であり、その他の処理ステップは、図5と基本的に同じである。
先ずS31で、リモートコピーの指示を受付けると、ジョブコントロール処理301は実施形態1と同様に、S32で原稿のスキャン処理を行う。更に、本実施形態2では、このスキャン処理で得られたイメージデータから更なる情報を取得するために、S33で、前述した図8のベクトル化処理フローを実行する。これにより図9で説明したブロックセレクション処理(S21)により、各ページのPHOTOやPICTUREのページに対する割合を求める。ここでは、ベクトルデータ生成部231より抽出しタデータを基に、下式により求める。
イメージ割合(ImgW)=[(PHOTO部の画素数)+(PICTURE部の画素数)]/ページ画素数)
この式による演算は、CPU205により実行されてImgW値(例えばImgW=0.8)を求め、そのImgW値をRAM206に一時格納する。またS21のブロックセレクション処理で得られたTEXT部に対しては、S22の文字認識処理により、TEXT部のテキスト群からフォントサイズを抽出する。ここで抽出されたフォントサイズ(例えばTmin=6ptなど)の最小サイズをTmin値として同様にRAM206に一時格納しておく。またその他S21、S22の処理で得られたスキャンイメージからの中間データも併せてRAM206に展開してHDD208等に格納する。
次にS34に進み、S31で選択されたリモート機器の機器情報を取得する。S34で取得した機器情報と、ローカル機器の機器情報に基づいて、ローカル機器でスキャンされた際の画質がリモート機器で印刷できる画質能力に比較して劣化するか否かを判定する。ここでの判定は、機器情報により実施形態1と同様の印刷解像度に加え、更にS33で実行されたプレベクトル処理において、演算、抽出されたページに対するイメージ割合値ImgWと、ページ内にあるフォントサイズの最小値Tminを用いて判断する。
まずS35に進み、実施形態1と同様に、印刷解像度に着目して説明する。ここでもカラー複合機3をローカル機器とし、カラー複合機3でスキャンして得られたイメージデータを、リモート機器として選択されたカラープリンタ4で印刷する場合を考える。前述したようにローカル機器(カラー複合機3)のスキャン解像度は600dpi、リモート機器(カラープリンタ4)の印刷解像度は1200dpiであると判断される。従って、スキャン解像度<印刷解像度の関係になり、イメージデータの解像度を印刷解像度に対応するように600dpi→1200dpiに変換する必要がある。入力したイメージデータは、印刷側で扱えるデータ量に対して主走査1/2×副走査1/2の1/4であり、印刷できる画質能力に対して、スキャンされたイメージデータは劣っていると判断されてS36の処理へ進む。S36では、S33のプレベクトル化処理で得られたイメージ割合値ImgWと、フォントサイズの最小値Tmin(文字サイズ)とに基づいて、更に印刷されるイメージデータに対する画質のレベルをチェックする。
一般にPHOTO(写真)やPICTURE(絵)等のイメージ部は、TEXT(文字)やLINE(アウトライン)等のオブジェクトと比較し、画素間の濃淡の差が大きいエッジ部分の割合が少ない。このため、解像度に対する画質劣化に大きく追従するものではない。例えばオフィスにおける文書であれば、所定以上の解像度(例えば300dpi以上)であれば著しい画質の劣化も見られない。従って、本実施形態2では、イメージ割合値ImgWの閾値(mgTh)を、例えば「0.9」のように予め設定しておく。そして、ここでImgW≧ImgThの関係があり、ページ全体に対するPHOTOやPICTUREの割合が十分に大きく画質に対する劣化が少ないと判定した場合は、更にフォントサイズをチェックする。そして、フォントサイズの最小値Tminが所定の閾値(TxtTh)を「5pt」とした場合、Tmin≧TxtThの関係がある場合に、小さいフォントでも良好に印刷できると判断してS37の処理に進み、後述する処理を行う。
一方、S36で、ImgW<ImgTh、或いはTmin<TxtThのいずれかの関係が成り立つ場合はS46に進む。これはページ全体に対するPHOTOやPICTUREの割合が少ない、もしくは印刷するフォントサイズが小さく、イメージデータの解像度が低いので印刷画質に対する劣化が大きいと判断するためである。
S37では、S31でユーザが設定した出力モードを判定する。ここで「画質優先」が設定されている場合はS38に進み、オリジナルのイメージデータの検索動作を実行する。一方「画質優先」が設定されていない場合はS41に進み、元のイメージデータの検索を実行するか否かの表示を操作部210へ表示し、ユーザからの指示を確認する。ここでユーザが元のイメージデータの検索実行の指示を操作部210を介して行った場合はS38に進み、ジョブコントロール処理301はネットワーク処理302へオリジナルデータ検索動作の実行を指示する。そうでない(オリジナルデータ検索を実行しない)場合は後述するS46の処理へ進む。
以降の処理は前述の実施形態1と同様である。しかし本実施形態2では、更にS42で、オリジナルデータがないと判断された場合と、S43でオリジナルラスタデータの解像度がリモート機器での印刷解像度より小さい場合には、S45でベクトル化処理を行うベクタデータを作成処理を新たに加える。S45では、S33でプレベクトル化処理としてS21、S22で行われてHDD208へ中間データとして格納されてものをRAM206に再度展開する。そして図8のS23〜S25の処理を継続して実行することで、前述したドキュメント・アナリシス・アウトプット・フォーマット(DAOF)形式であるベクトル化データを作成する。
これにより、読み取ったイメージデータを基にTEXTやLINE等の低解像度では再現しにくいデータをベクトル化し、解像度に依存しないデータにできる。これによりS45で生成されたベクタデータを、S40で、送信先であるリモート機器(カラープリンタ5)へ送信する。これにより、リモート機器では、S49で、受信したベクタデータをRIP部216でレンダリングする。そしてS50で、リモート機器での印刷解像度に展開して、良好な画質を再現した印刷をプリンタエンジン202で行うことができる。
尚、上述した処理フローは、各々で必要な情報が一度RAM206に展開され、CPU205がROM207に格納されているプログラムに従って実行される。
以上説明したように、本実施形態2では、スキャンされたイメージデータの解像度と、リモート機器での印刷解像度を取得する。更にそのイメージデータに対してブロックセレクション処理やOCR処理を実行して、リモート機器で印刷する能力に対して、イメージデータが印刷する画質能力に対して劣るものであるか否かを、ユーザを介することなくより詳細に判定できる。
またリモート機器での印刷画質能力に対して劣る場合には、ユーザが指定した印刷モードと併せて、必要なときだけオリジナルデータの検索動作を行う。更に、オリジナルデータが存在しない、もしくは有効でない場合でも、新たにベクトル化処理を行う。これにより画質優先が指示された場合は、リモート機器でもベクトル化処理で生成されたベクタデータを展開することにより高画質の印刷結果を得ることができる。また、そうでない場合にも、必要以上にオリジナルデータの検索動作の実行による処理時間等をかけずに印刷する画質を維持して、ユーザの意図に沿った良好なリモートコピーを実現できる。
[実施形態3]
次に本発明の実施形態3を説明する。本実施形態3に係る画像処理システムの全体構成、及びコントロールユニット(コントローラ)の構成は、前述の図1、図2と同様であり、詳細は上述したので説明を省略する。本実施形態3では、本発明の別の形態を説明するために、実施形態1で説明したリモートコピーの例に対して、更に、スキャン解像度以外にもカラーかモノクロであるかの情報を活用して処理を行う場合を説明する。
図12は、実施形態3に係る画像処理システムにおけるリモートコピー処理を説明するフローチャートである。ここでは実施形態1と同様に、ユーザが、操作部210に表示された出力モード、倍率指定、用紙選択、コピー部数、フィニッシング設定、カラーモード設定等の各リモートコピーに関する設定を行う。そして操作部210の不図示のコピーボタンを押下することにより、UI処理303は各設定情報とリモートコピーが指示されたことをジョブコントロール処理301へ通知することにより開始される。ここでもS61〜S74の処理はローカル機器で実行され、S75〜S77の処理はリモート機器で実行される。前述の図5のフローチャートと比較して異なる点は、図12のS64〜S65,S67,S68の処理であり、その他の処理ステップは、図5と基本的に同じである。
S61でリモートコピーが指示されるとS62に進み、ジョブコントロール処理301は、前述の実施形態1と同様に、原稿のスキャン処理を行う。次にS63に進み、S61で選択されたリモート機器の機器情報を取得する。S63で取得した機器情報とローカル機器の機器情報に基づいて、ローカル機器でスキャンされた際の画質はリモート機器における印刷画質能力に比べ劣るか否かを判定する。ここでの判定は、スキャンしたイメージデータのカラー・モノクロ情報と、S61で設定されたカラーモード設定によりなされる。尚、このリモートコピーも、前述の実施形態1,2と同様に、ローカル機器をカラー複合機3とし、リモート機器にカラープリンタ4が設定されたているとする。次にS64に進み、スキャンしたイメージデータがカラーかモノクロであるかをスキャナ画像処理部218で処理された結果に基づいてスキャン処理310よりジョブコントロール処理301へ送信することで判定する。ここでイメージデータがカラーであると判定されるとS66に進み、S61で指定されたカラーモードの設定に従って、モノクロ或いはカラーのいずれの印刷も可能であるためS72の処理へ進む。
一方、入力したイメージデータがモノクロである場合はS65へ進み、S61で指定されたカラーモード設定を確認する。ここで「カラー優先コピー」が指定されている場合はS66に進み、入力したイメージデータに対応するオリジナルデータの検索を実行する。ここでは、実施形態1と同様に、格納情報ポインタ等より指定された記録サーバ7へファイルの照会を行い、オリジナルデータが存在しているかどうかを確認する。尚、指定されたカラーモード設定が「カラー優先コピー」でない場合はS72の処理へ進む。
S67で、オリジナルデータの検索を行った結果、オリジナルのカラーベクタデータが存在している場合はS68に進み、その検索されたオリジナルカラーベクタデータをリモート機器(カラープリンタ4)へ送信する。リモート機器は、S75で、受信したデータがベクタデータかラスタデータかを判断し、ベクタデータであればS76に進み、リモート機器であるカラープリンタ4のRIP部216でレンダリングする。そしてS77で、所定の画像処理を行った後、カラープリントを行う。
一方、S67で、オリジナルカラーベクタデータが存在しない場合はS69に進み、オリジナルのカラーラスタデータが存在するかを検索する。ここでオリジナルカラーラスタデータが存在する場合はS70に進み、実施形態1と同様に、その検索されたオリジナルカラーラスタデータの解像度と、リモート機器の印刷解像度とを比較する。ここで解像度が一致しないときはS71に進み、印刷解像度に一致させるように解像度変換処理を行う。そしてS68に進んで、送信先であるリモート機器へ送信する。この場合は、S75でラスタデータと判断されるためS77に進み、所定の画像処理を行った後、カラープリントを行う。
またS69で、オリジナルのイメージデータが存在しない場合は、或いはモノクロのオリジナルデータしか存在しなかった場合は、カラープリントができないのでS72の処理へ進む。S72では、実施形態1と同様に、スキャンされたイメージデータの解像度と印刷解像度が等価か否かを判断する。ここでスキャン解像度とリモート機器での印刷解像度とが等しいと判断するとS74に進み、スキャンデータを送信先のリモート機器(カラープリンタ5)へ送信する。これによりリモート機器により印刷が行われる。また、(スキャン解像度)>(印刷解像度)の場合はS73に進み、リモート機器の印刷解像度に変換する。そしてS74で、その解像度を変換したデータをリモート機器へ送信して印刷させる。
以上のような処理フローは、必要な情報が一度RAM206に展開され、CPU205によりROM207に格納されているプログラムに従って制御することにより実現される。
尚、実施形態1〜3では、リモートコピー動作で、ローカル機器でスキャンした画像の品質とリモート機器での画質とを比較し、これらが一致しないときに、元のイメージデータを検索して処理する例で説明した。この画質の比較は、画像データの読み取り解像度及び印刷解像度、イメージ割合、フォントサイズ、カラーモードである場合で説明した。
しかし、これらの以外にも例えば、ローカル機器とリモート機器の色空間の違いによる色味の違いなど、画質に影響する事項であれば何れを用いて、オリジナルデータを検索するか否かを判定しても良い。また或いは、これらの組み合わせにより判定しても良い。
以上説明したように本実施形態3によれば、スキャンしたイメージデータの解像度及びカラーモードと、指定されたリモート機器のカラー印刷能力と、更にユーザが指定したカラーモードの設定に応じてオリジナルデータの検索を実行する。そしてオリジナルカラーデータが存在する場合は、カラー印刷を行うことを可能とする。またそうでない場合には、必要以上にオリジナルデータ検索動作の実行による処理時間等をかけずに画質を保持し、ユーザの意図に沿った良好なリモートコピーを実現することができる。
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (8)

  1. 処理対象の画像を読み取って画像情報を取得する読み取り手段と、
    前記画像情報の出力先機器の処理能力情報を取得する能力取得手段と、
    前記読み取り手段により取得した画像情報と、前記能力取得手段が取得した前記出力先機器の処理能力情報とに基づいて、前記出力先機器が前記画像情報を出力できるかどうかを判定する判定手段と、
    前記判定手段が出力できないと判定したとき、画質を優先するモードが設定されている場合に前記画像情報のオリジナルデータを検索する検索手段と、
    前記画像情報を前記出力先機器の処理能力情報に応じて変換する変換手段と、
    前記判定手段が出力できると判定したときは前記画像情報を前記出力先機器に出力し、前記判定手段が出力できないと判定したときは、前記検索手段により検索した前記オリジナルデータ、或いは前記変換手段により変換した画像情報を前記出力先機器に出力する出力手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記処理能力情報は、前記出力機器の出力解像度であり、
    前記変換手段は、前記画像情報の解像度を前記出力機器の解像度に変換することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記判定手段が出力できないと判定し、前記画質を優先するモードが設定されている場合に、ユーザに前記検索手段を起動するか否かを問い合わせる問い合せ手段を更に有し、
    前記問い合せ手段に対して前記ユーザが前記検索手段を起動しないと応答したときは、前記出力手段は、前記変換手段により変換した画像情報を前記出力先機器に出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記出力手段は、前記判定手段が出力できないと判定し、前記画質を優先するモードが設定されていない場合は、前記変換手段により変換した画像情報を前記出力先機器に出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記出力手段は、前記画像情報の解像度が前記出力機器の出力解像度よりも高い場合は、前記変換手段により変換した画像情報を前記出力先機器に出力することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  6. 前記検索手段が検索した前記オリジナルデータが前記出力先機器の処理能力情報に整合しないときに、前記オリジナルデータを前記処理能力情報に合わせて変換する手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記画像情報に含まれるイメージデータの割合、或いは文字サイズを判断する判断手段を更に有し、前記出力手段は、更に前記イメージデータの割合、或いは文字サイズに応じて前記検索手段により検索を実行させることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  8. 画像処理装置の制御方法であって、
    前記画像処理装置の読み取り手段が、処理対象の画像を読み取って画像情報を取得する読み取り工程と、
    前記画像処理装置の能力取得手段が、前記画像情報の出力先機器の処理能力情報を取得する能力取得工程と、
    前記画像処理装置の判定手段が、前記読み取り工程で取得した画像情報と、前記能力取得工程で取得した前記出力先機器の処理能力情報とに基づいて、前記出力先機器が前記画像情報を出力できるかどうかを判定する判定工程と、
    前記画像処理装置の検索手段が、前記判定工程で出力できないと判定したとき、画質を優先するモードが設定されている場合に前記画像情報のオリジナルデータを検索する検索工程と、
    前記画像処理装置の変換手段が、前記画像情報を前記出力先機器の処理能力情報に応じて変換する変換工程と、
    前記画像処理装置の出力手段が、前記判定工程で出力できると判定したときは前記画像情報を前記出力先機器に出力し、前記判定工程で出力できないと判定したときは、前記検索工程で検索した前記オリジナルデータ、或いは前記変換工程で変換した画像情報を前記出力先機器に出力する出力工程と、
    を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
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