JP2011040587A - 半導体製造方法、半導体製造装置、半導体装置および表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】均一性の極めて高いアニール処理結果を実現しつつ、その場合であっても生産性が損なわれてしまうことなく高スループット化を実現できるようにする。
【解決手段】基板上に少なくとも非晶質シリコン膜14と光吸収層16とが積層されてなる多層構造体に対して、前記光吸収層16の側から光を照射して当該光による局所加熱を行い、前記非晶質シリコン膜14を微結晶シリコン膜または多結晶シリコン膜に改質するアニール処理工程を備え、前記アニール処理工程では、前記局所加熱にあたり同一走査ライン上に複数の光ビームを配置するとともに、前記光吸収層16の熱伝導率をk、密度をρ、比熱をc、走査すべきライン長/走査速度をtpとした場合に、前記複数の光ビームを少なくとも間隔L=2×{k・tp/(ρ・c)}1/2だけ隔てて配置する。
【選択図】図8
【解決手段】基板上に少なくとも非晶質シリコン膜14と光吸収層16とが積層されてなる多層構造体に対して、前記光吸収層16の側から光を照射して当該光による局所加熱を行い、前記非晶質シリコン膜14を微結晶シリコン膜または多結晶シリコン膜に改質するアニール処理工程を備え、前記アニール処理工程では、前記局所加熱にあたり同一走査ライン上に複数の光ビームを配置するとともに、前記光吸収層16の熱伝導率をk、密度をρ、比熱をc、走査すべきライン長/走査速度をtpとした場合に、前記複数の光ビームを少なくとも間隔L=2×{k・tp/(ρ・c)}1/2だけ隔てて配置する。
【選択図】図8
Description
本発明は、非晶質シリコン膜を微結晶シリコン膜または多結晶シリコン膜に改質するアニール処理を経て半導体装置を製造する半導体製造方法および半導体製造装置、当該アニール処理を経て製造される半導体装置、並びに、当該半導体装置を具備して構成された表示装置に関する。
一般に、表示装置に用いられる薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下「TFT」と略す。)は、その製造過程において、非晶質シリコン膜を微結晶シリコン膜または多結晶シリコン膜に改質するためのレーザアニール処理が施される。
レーザアニール処理のための光源としては、出力の安定性が高い半導体レーザを用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、半導体レーザを用いる場合については、複数の半導体レーザを互いに近接して配置し、複数のレーザビームを被照射体上の複数個所に並行して照射して、アニール処理の高スループット化を実現することも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
ところで、複数のレーザビームを並行照射する場合には、各レーザビームの出力が相互に変動すると、各レーザビームの照射位置によって、結晶粒径の大きい領域と小さい領域とが分れて形成されてしまう。そのため、このような結晶粒の細粒と粗粒との混合領域に渡って形成されたTFTは、素子の動作特性が、その形成位置によって変動してしまうおそれがある。
これを回避するためには、レーザビームの出力を測定するパワーメータを利用することが考えられる。すなわち、パワーメータを用いて各レーザビームの出力強度をモニタし、そのモニタ結果に基づいて、全てのビーム出力が均一となるように、各ビーム出力を較正するのである(例えば、特許文献2,3参照。)。
これを回避するためには、レーザビームの出力を測定するパワーメータを利用することが考えられる。すなわち、パワーメータを用いて各レーザビームの出力強度をモニタし、そのモニタ結果に基づいて、全てのビーム出力が均一となるように、各ビーム出力を較正するのである(例えば、特許文献2,3参照。)。
しかしながら、上述した従来技術では、被照射体上に照射されるレーザビームのサイズや強度等について、必ずしも容易に均一化が図れるとは限らない。
例えば、複数のレーザビームを用いる場合であれば、個々のレーザ光源が持つ出射光の発散角の個体差や、その個体差を補正する際の調整誤差等により、被照射体に照射される各レーザビームのサイズや強度等には差異が生じてしまう。つまり、各レーザビームの出力強度のみをモニタしても、各レーザビームのフォーカス位置や光学系収差による被照射体面上でのパワー密度差等をモニタすることは困難であることから、当該被照射体面上に到達するレーザビームについての均一化が図れない。
このような被照射体面上に到達するレーザビームに生じる差異は、当該被照射体に対するレーザアニール処理の効果の差異を招くことになる。つまり、レーザアニール処理を経て形成されたTFTにおける特性が、レーザビーム毎に異なってしまうことになる。このTFTにおける特性差は、表示装置を構成した場合の表示ムラに繋がるため、その発生を回避すべきである。
例えば、複数のレーザビームを用いる場合であれば、個々のレーザ光源が持つ出射光の発散角の個体差や、その個体差を補正する際の調整誤差等により、被照射体に照射される各レーザビームのサイズや強度等には差異が生じてしまう。つまり、各レーザビームの出力強度のみをモニタしても、各レーザビームのフォーカス位置や光学系収差による被照射体面上でのパワー密度差等をモニタすることは困難であることから、当該被照射体面上に到達するレーザビームについての均一化が図れない。
このような被照射体面上に到達するレーザビームに生じる差異は、当該被照射体に対するレーザアニール処理の効果の差異を招くことになる。つまり、レーザアニール処理を経て形成されたTFTにおける特性が、レーザビーム毎に異なってしまうことになる。このTFTにおける特性差は、表示装置を構成した場合の表示ムラに繋がるため、その発生を回避すべきである。
その一方で、レーザアニール処理に対しては、レーザビームについての均一化の他に、高スループット化の実現が強く求められている。
そこで、本発明は、均一性の極めて高いアニール処理結果を実現しつつ、その場合であっても生産性が損なわれてしまうことなく高スループット化を実現することのできる半導体製造方法、半導体製造装置、半導体装置および表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出された半導体製造方法で、基板上に少なくとも非晶質シリコン膜と光吸収層とが積層されてなる多層構造体に対して、前記光吸収層の側から光を照射して当該光による局所加熱を行い、前記非晶質シリコン膜を微結晶シリコン膜または多結晶シリコン膜に改質するアニール処理工程を備え、前記アニール処理工程では、前記局所加熱にあたり同一走査ライン上に複数の光ビームを配置するとともに、前記光吸収層の熱伝導率をk、前記光吸収層の密度をρ、前記光吸収層の比熱をc、走査すべきライン長/走査速度をtpとした場合に、前記複数の光ビームを少なくとも間隔L=2×{k・tp/(ρ・c)}1/2だけ隔てて配置する半導体製造方法である。
上記手順の半導体製造方法では、同一走査ライン上の各光ビームが、少なくとも間隔L=2×{k・tp/(ρ・c)}1/2だけ隔てて配置される。この間隔Lによって各光ビーム間での冷却期間が確保されることになるので、同一走査ライン上に複数の光ビームが配置されていても、多層構造体に対する局所加熱(すなわちアニール処理)が複数回に亘って行われることになる。つまり、同一走査ライン上の各光ビームによって、局所加熱と冷却とが繰り返されることになり、その結果として非晶質シリコン膜に対する結晶化の分布が飽和することが期待できる。しかも、同一走査ライン上に複数の光ビームを配置しているので、アニール処理を複数回に亘って行う場合であっても、一走査ライン上に一つの光ビームのみを配置する場合に比べると、当該複数回のアニール処理に要する時間を短縮することができる。
本発明によれば、所定間隔Lを隔てて配置した複数の光ビームによるアニール処理を経て、非晶質シリコン膜に対する結晶化を行い、微結晶シリコン膜または多結晶シリコン膜を形成する。したがって、強度測定器具の誤差やレーザ光学系の熱的不安定さに起因して生じるレーザ光学系の照射ビーム強度の偏差等を吸収して、均一性の極めて高いアニール処理結果を実現することができる。これにより、例えば当該アニール処理を経て形成される半導体装置における特性についても、均一性の高いものとすることができる。さらに、その半導体装置を用いて表示装置を構成した場合に、表示ムラ等の発生を未然に回避することができる。しかも、同一走査ライン上に複数の光ビームを配置しているので、一走査ライン上に一つの光ビームのみを配置する場合に比べて、高スループット化を実現することも可能である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.半導体装置および表示装置の概略構成例
2.表示装置が用いられる電子機器の具体例
3.本発明に係るレーザアニール処理工程の具体例
4.変形例
1.半導体装置および表示装置の概略構成例
2.表示装置が用いられる電子機器の具体例
3.本発明に係るレーザアニール処理工程の具体例
4.変形例
<1.半導体装置および表示装置の概略構成例>
先ず、はじめに、半導体装置および表示装置について簡単に説明する。
ここで説明する半導体装置は、非晶質シリコン膜(アモルファスシリコン、以下「a−Si」と記述する。)の非結晶状態から微結晶状態または多結晶状態への改質を経て得られるものをいう。すなわち、a−Siから微結晶シリコン膜または多結晶シリコン膜(ポリシリコン、以下「p−Si」と記述する。)への改質を経て得られるもので、具体的には薄膜半導体装置であるTFTが例に挙げられる。
また、ここで説明する表示装置は、TFTを備えて構成されたものをいう。具体的には、有機電界発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子、以下「有機EL素子」という。)を発光素子とするディスプレイ装置(以下「有機ELディスプレイ」という。)が例に挙げられる。なお、ここでは有機ELディスプレイを例に挙げているが、表示装置はTFTを備えて構成されたものであればよく、例えば液晶表示ディスプレイであっても構わない。
先ず、はじめに、半導体装置および表示装置について簡単に説明する。
ここで説明する半導体装置は、非晶質シリコン膜(アモルファスシリコン、以下「a−Si」と記述する。)の非結晶状態から微結晶状態または多結晶状態への改質を経て得られるものをいう。すなわち、a−Siから微結晶シリコン膜または多結晶シリコン膜(ポリシリコン、以下「p−Si」と記述する。)への改質を経て得られるもので、具体的には薄膜半導体装置であるTFTが例に挙げられる。
また、ここで説明する表示装置は、TFTを備えて構成されたものをいう。具体的には、有機電界発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子、以下「有機EL素子」という。)を発光素子とするディスプレイ装置(以下「有機ELディスプレイ」という。)が例に挙げられる。なお、ここでは有機ELディスプレイを例に挙げているが、表示装置はTFTを備えて構成されたものであればよく、例えば液晶表示ディスプレイであっても構わない。
図1は、TFTを備えた有機ELディスプレイの構成例を示す説明図である。図例のような構成の有機ELディスプレイ1は、以下に述べる手順で製造される。
先ず、ガラス基板からなる基板11上に、例えばMo膜からなるゲート膜12をパターン形成した後、これを例えばSiO/SiN膜からなるゲート絶縁膜13で覆う。そして、ゲート絶縁膜13上にa−Si膜からなる半導体層14を成膜する。この半導体層14に対しては、レーザアニール処理を施して、結晶化によりa−Si膜からp−Si膜への改質を行う。次いで、ゲート膜12を覆う島状に半導体層14をパターニングする。その後、基板11側からの裏面露光により、半導体層14のゲート膜12上に重なる位置に絶縁性パターン(図示省略)を形成し、これをマスクにしたイオン注入と活性化アニール処理により半導体層14にソース/ドレインを形成する。以上により、基板11上にゲート膜12、ゲート絶縁膜13および半導体層14が順に積層された、いわゆるボトムゲートタイプのTFT10を形成する。ここでは、ボトムゲートタイプを例に挙げているが、トップゲートタイプのTFTを利用しても構わない。
その後は、TFT10を層間絶縁膜21で覆い、層間絶縁膜21に形成した接続孔を介してTFT10に接続された配線22を設けて画素回路を形成する。以上のようにして、いわゆるTFT基板20を形成する。
TFT基板20の形成後は、そのTFT基板20上を平坦化絶縁膜31で覆うとともに、配線22に達する接続孔31aを平坦化絶縁膜31に形成する。そして、平坦化絶縁膜31上に接続孔31aを介して配線22に接続された画素電極32を例えば陽極として形成し、画素電極32の周縁を覆う形状の絶縁膜パターン33を形成する。また、画素電極32の露出面は、これを覆う状態で有機EL材料層34を積層成膜する。さらに、画素電極32に対して絶縁性を保った状態で対向電極35を形成する。この対向電極35は、例えば透明導電性材料からなる陰極として形成するとともに、全画素に共通のベタ膜状に形成する。このようにして、陽極としての画素電極32と陰極としての対向電極35との間に有機正孔輸送層や有機発光層等の有機EL材料層34が配されてなる有機EL素子が構成されるのである。なお、ここでは、トップエミッション方式のものを例に挙げているが、ボトムエミッション方式であれば、画素電極32を導電性透明膜で形成し、対向電極35を高反射金属膜で形成すればよい。また、対向電極35または画素電極32にハーフミラーを用いて光を共振させるマイクロキャビティ構造を採用することも考えられる。
その後、対向電極35上に光透過性を有する接着剤層36を介して透明基板37を貼り合わせ、有機ELディスプレイ1を完成させる。
先ず、ガラス基板からなる基板11上に、例えばMo膜からなるゲート膜12をパターン形成した後、これを例えばSiO/SiN膜からなるゲート絶縁膜13で覆う。そして、ゲート絶縁膜13上にa−Si膜からなる半導体層14を成膜する。この半導体層14に対しては、レーザアニール処理を施して、結晶化によりa−Si膜からp−Si膜への改質を行う。次いで、ゲート膜12を覆う島状に半導体層14をパターニングする。その後、基板11側からの裏面露光により、半導体層14のゲート膜12上に重なる位置に絶縁性パターン(図示省略)を形成し、これをマスクにしたイオン注入と活性化アニール処理により半導体層14にソース/ドレインを形成する。以上により、基板11上にゲート膜12、ゲート絶縁膜13および半導体層14が順に積層された、いわゆるボトムゲートタイプのTFT10を形成する。ここでは、ボトムゲートタイプを例に挙げているが、トップゲートタイプのTFTを利用しても構わない。
その後は、TFT10を層間絶縁膜21で覆い、層間絶縁膜21に形成した接続孔を介してTFT10に接続された配線22を設けて画素回路を形成する。以上のようにして、いわゆるTFT基板20を形成する。
TFT基板20の形成後は、そのTFT基板20上を平坦化絶縁膜31で覆うとともに、配線22に達する接続孔31aを平坦化絶縁膜31に形成する。そして、平坦化絶縁膜31上に接続孔31aを介して配線22に接続された画素電極32を例えば陽極として形成し、画素電極32の周縁を覆う形状の絶縁膜パターン33を形成する。また、画素電極32の露出面は、これを覆う状態で有機EL材料層34を積層成膜する。さらに、画素電極32に対して絶縁性を保った状態で対向電極35を形成する。この対向電極35は、例えば透明導電性材料からなる陰極として形成するとともに、全画素に共通のベタ膜状に形成する。このようにして、陽極としての画素電極32と陰極としての対向電極35との間に有機正孔輸送層や有機発光層等の有機EL材料層34が配されてなる有機EL素子が構成されるのである。なお、ここでは、トップエミッション方式のものを例に挙げているが、ボトムエミッション方式であれば、画素電極32を導電性透明膜で形成し、対向電極35を高反射金属膜で形成すればよい。また、対向電極35または画素電極32にハーフミラーを用いて光を共振させるマイクロキャビティ構造を採用することも考えられる。
その後、対向電極35上に光透過性を有する接着剤層36を介して透明基板37を貼り合わせ、有機ELディスプレイ1を完成させる。
図2は、有機ELディスプレイの画素回路構成の一例を示す説明図である。ここでは、発光素子として有機EL素子を用いたアクティブマトリックス方式の有機ELディスプレイ1を例に挙げている。
図2(A)に示すように、この有機ELディスプレイ1の基板40上には、表示領域40aとその周辺領域40bとが設定されている。表示領域40aは、複数の走査線41と複数の信号線42とが縦横に配線されており、それぞれの交差部に対応して1つの画素aが設けられた画素アレイ部として構成されている。これらの各画素aには有機EL素子が設けられている。また周辺領域40bには、走査線41を走査駆動する走査線駆動回路43と、輝度情報に応じた映像信号(すなわち入力信号)を信号線42に供給する信号線駆動回路44とが配置されている。
そして、表示領域40aには、フルカラー対応の画像表示を行うために、R,G,Bの各色成分に対応した有機EL素子が混在しており、これらが所定規則に従いつつマトリクス状にパターン配列されているものとする。各有機EL素子の設置数および形成面積は、各色成分で同等とすることが考えられるが、例えば各色成分別のエネルギー成分に応じてそれぞれを相違させるようにしても構わない。
また、図2(B)に示すように、各画素aに設けられる画素回路は、例えば有機EL素子45、駆動トランジスタTr1、書き込みトランジスタ(サンプリングトランジスタ)Tr2、および保持容量Csで構成されている。そして、走査線駆動回路43による駆動により、書き込みトランジスタTr2を介して信号線42から書き込まれた映像信号が保持容量Csに保持され、保持された信号量に応じた電流が有機EL素子45に供給され、この電流値に応じた輝度で有機EL素子45が発光する。
なお、以上のような画素回路の構成は、あくまでも一例であり、必要に応じて画素回路内に容量素子を設けたり、さらに複数のトランジスタを設けて画素回路を構成してもよい。また、周辺領域40bには、画素回路の変更に応じて必要な駆動回路が追加される。
図2(A)に示すように、この有機ELディスプレイ1の基板40上には、表示領域40aとその周辺領域40bとが設定されている。表示領域40aは、複数の走査線41と複数の信号線42とが縦横に配線されており、それぞれの交差部に対応して1つの画素aが設けられた画素アレイ部として構成されている。これらの各画素aには有機EL素子が設けられている。また周辺領域40bには、走査線41を走査駆動する走査線駆動回路43と、輝度情報に応じた映像信号(すなわち入力信号)を信号線42に供給する信号線駆動回路44とが配置されている。
そして、表示領域40aには、フルカラー対応の画像表示を行うために、R,G,Bの各色成分に対応した有機EL素子が混在しており、これらが所定規則に従いつつマトリクス状にパターン配列されているものとする。各有機EL素子の設置数および形成面積は、各色成分で同等とすることが考えられるが、例えば各色成分別のエネルギー成分に応じてそれぞれを相違させるようにしても構わない。
また、図2(B)に示すように、各画素aに設けられる画素回路は、例えば有機EL素子45、駆動トランジスタTr1、書き込みトランジスタ(サンプリングトランジスタ)Tr2、および保持容量Csで構成されている。そして、走査線駆動回路43による駆動により、書き込みトランジスタTr2を介して信号線42から書き込まれた映像信号が保持容量Csに保持され、保持された信号量に応じた電流が有機EL素子45に供給され、この電流値に応じた輝度で有機EL素子45が発光する。
なお、以上のような画素回路の構成は、あくまでも一例であり、必要に応じて画素回路内に容量素子を設けたり、さらに複数のトランジスタを設けて画素回路を構成してもよい。また、周辺領域40bには、画素回路の変更に応じて必要な駆動回路が追加される。
<2.表示装置が用いられる電子機器の具体例>
以上に説明した有機ELディスプレイ1に代表される表示装置は、図3〜図7に示す様々な電子機器、例えば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなど、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置として用いられる。以下に、表示装置が用いられる電子機器の具体例を説明する。
なお、表示装置は、封止された構成のモジュール形状のものをも含む。例えば、画素アレイ部に透明なガラス等の対向部に貼り付けられて形成された表示モジュールが該当する。この透明な対向部には、カラーフィルタ、保護膜等、更には、上記した遮光膜が設けられてもよい。また、表示モジュールには、外部から画素アレイ部への信号等を入出力するための回路部やFPC(フレキシブルプリントサーキット)等が設けられていてもよい。
以上に説明した有機ELディスプレイ1に代表される表示装置は、図3〜図7に示す様々な電子機器、例えば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなど、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置として用いられる。以下に、表示装置が用いられる電子機器の具体例を説明する。
なお、表示装置は、封止された構成のモジュール形状のものをも含む。例えば、画素アレイ部に透明なガラス等の対向部に貼り付けられて形成された表示モジュールが該当する。この透明な対向部には、カラーフィルタ、保護膜等、更には、上記した遮光膜が設けられてもよい。また、表示モジュールには、外部から画素アレイ部への信号等を入出力するための回路部やFPC(フレキシブルプリントサーキット)等が設けられていてもよい。
図3は、電子機器の一具体例であるテレビを示す斜視図である。図例のテレビは、フロントパネル102やフィルターガラス103等から構成される映像表示画面部101を含み、その映像表示画面部101として表示装置を用いることにより作製される。
図4は、電子機器の一具体例であるデジタルカメラを示す斜視図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。図例のデジタルカメラは、フラッシュ用の発光部111、表示部112、メニュースイッチ113、シャッターボタン114等を含み、その表示部112として表示装置を用いることにより作製される。
図5は、電子機器の一具体例であるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。図例のノート型パーソナルコンピュータは、本体121に、文字等を入力するとき操作されるキーボード122、画像を表示する表示部123等を含み、その表示部123として表示装置を用いることにより作製される。
図6は、電子機器の一具体例であるビデオカメラを示す斜視図である。図例のビデオカメラは、本体部131、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ132、撮影時のスタート/ストップスイッチ133、表示部134等を含み、その表示部134として表示装置を用いることにより作製される。
図7は、電子機器の一具体例である携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。本適用例に係る携帯電話機は、上側筐体141、下側筐体142、連結部(ここではヒンジ部)143、ディスプレイ144、サブディスプレイ145、ピクチャーライト146、カメラ147等を含み、そのディスプレイ144やサブディスプレイ145として表示装置を用いることにより作製される。
<3.本発明に係るレーザアニール処理工程の具体例>
次に、本実施形態における表示装置およびこれに用いられる半導体装置についての特徴点を説明する。本実施形態では、TFT10の製造過程にて、当該TFT10の半導体層14に施すレーザアニール処理に、大きな特徴がある。
次に、本実施形態における表示装置およびこれに用いられる半導体装置についての特徴点を説明する。本実施形態では、TFT10の製造過程にて、当該TFT10の半導体層14に施すレーザアニール処理に、大きな特徴がある。
図8および図9は、本発明に係るレーザアニール処理工程の概要を模式的に示す説明図である。
レーザアニール処理工程では、基板上に、ゲート膜12、ゲート絶縁膜13、半導体層14、バッファ層15および光吸収層16を堆積してなる多層構造体を、処理対象とする。そして、当該多層構造体に対して、その一方の面側、具体的には光吸収層16の形成面側から、レーザビームを照射することによって、半導体層14をa−Si膜からp−Si膜へ改質する。すなわち、レーザビームを照射することにより瞬間的な熱を発生させる局所加熱を行うことで、a−Si膜からなる半導体層14を結晶化によってp−Si膜に改質するのである。
ただし、ここで説明するレーザアニール処理工程では、半導体層14に対して、複数回のアニール処理を行って、p−Si膜への改質を行う。具体的には、プレアニール処理とアニール処理との2回に分けて行う。すなわち、先ず多層構造体に対してレーザビームを照射してプレアニール処理を行った後に、引き続き当該多層構造体に対して再度レーザビームを照射してアニール処理を行って、半導体層14の改質を行うのである。
また、ここで説明するレーザアニール処理工程では、多層構造体に対する局所加熱にあたり、レーザビームを照射する際の同一走査ライン上に、複数のレーザビームを配置する。具体的には、プレアニール処理用のレーザビーム(以下「第一ビーム」という。)とアニール処理用のレーザビーム(以下「第二ビーム」という。)との二つを、同一走査ライン上に配置する。そして、走査方向の前方に位置する第一ビームによってプレアニール処理を行うとともに、当該走査方向の後方に位置する第二ビームによってアニール処理を行うようにする。つまり、同一走査ライン上を2つのレーザビームが連続的に移動することによって、プレアニール処理とアニール処理との両方を行うのである。
プレアニール処理用の第一ビームとアニール処理用の第二ビームとは、同一走査ライン上に配置されたものであれば、その照射領域の大きさが必ずしも同一でなくても構わない。すなわち、各レーザビームは、同一走査ライン上で重複して照射する領域が存在していれば、それぞれの照射幅が異なっていてもよい。
例えば、プレアニール処理を行う基板上平面領域は、図9(a)に示すような当該基板上全面であっても、あるいは図9(b)に示すような当該基板上の一部領域のみであってもよい。一方、アニール処理を行う基板上平面領域は、図9(a)または(b)に示すように、既にプレアニール処理が行われている基板上領域であるものとする。
これらプレアニール処理およびアニール処理の両方が施された基板上領域が、TFT10の形成領域となるのである。
例えば、プレアニール処理を行う基板上平面領域は、図9(a)に示すような当該基板上全面であっても、あるいは図9(b)に示すような当該基板上の一部領域のみであってもよい。一方、アニール処理を行う基板上平面領域は、図9(a)または(b)に示すように、既にプレアニール処理が行われている基板上領域であるものとする。
これらプレアニール処理およびアニール処理の両方が施された基板上領域が、TFT10の形成領域となるのである。
ところで、第一ビームおよび第二ビームは、図8に示すように、同一走査ライン上を移動するのにあたり、それぞれが以下に示す(1)式によって特定される間隔Lだけ隔てて配置されている。
L=2×{k・tp/(ρ・c)}1/2・・・(1)
この(1)式において、Lは第一ビームと第二ビームとの間隔の距離である。
また、k(=λ)は第一ビームおよび第二ビームの照射面側に位置する光吸収層16の熱伝導率、ρは当該光吸収層16の密度、cは当該光吸収層16の比熱である。これらより、光吸収層16における熱拡散係数κ=k/ρcを特定することが可能となる。
さらに、tpは、第一ビームと第二ビームが走査すべきライン長をその走査速度(基板走引速度)で除した値、すなわち走査すべきライン長/走査速度である。
また、k(=λ)は第一ビームおよび第二ビームの照射面側に位置する光吸収層16の熱伝導率、ρは当該光吸収層16の密度、cは当該光吸収層16の比熱である。これらより、光吸収層16における熱拡散係数κ=k/ρcを特定することが可能となる。
さらに、tpは、第一ビームと第二ビームが走査すべきライン長をその走査速度(基板走引速度)で除した値、すなわち走査すべきライン長/走査速度である。
図10は、ビーム間隔を算出するために用いる熱パラメータの一具体例を示す説明図である。
図例のように、ビーム間隔Lを算出するために用いる光吸収層16における熱伝導率k、密度ρおよび比熱cの値は、当該光吸収層16を構成する形成材料の物性によって定まる。すなわち、光吸収層16の形成材料が特定されると、当該光吸収層16における熱伝導率k、密度ρおよび比熱cについても一意に特定されることになる。
図例のように、ビーム間隔Lを算出するために用いる光吸収層16における熱伝導率k、密度ρおよび比熱cの値は、当該光吸収層16を構成する形成材料の物性によって定まる。すなわち、光吸収層16の形成材料が特定されると、当該光吸収層16における熱伝導率k、密度ρおよび比熱cについても一意に特定されることになる。
このように特定される熱パラメータを用いつつ、上記(1)式によってビーム間隔Lを算出すると、プレアニール処理およびアニール処理については、以下に述べる条件によって行うことが考えられる。
具体的には、プレアニール処理時に照射する第一ビームを、例えば、波長λ808nm、照射パワー3.371mW、基板走引速度145mm/sとする。また、アニール処理時に照射する第二ビームを、例えば、波長λ808nm、照射パワー3.371mW、基板走引速度145mm/sとする。そして、これら第一ビームと第二ビームとのビーム間隔Lを、例えば、350mmとする。
具体的には、プレアニール処理時に照射する第一ビームを、例えば、波長λ808nm、照射パワー3.371mW、基板走引速度145mm/sとする。また、アニール処理時に照射する第二ビームを、例えば、波長λ808nm、照射パワー3.371mW、基板走引速度145mm/sとする。そして、これら第一ビームと第二ビームとのビーム間隔Lを、例えば、350mmとする。
以上に説明したレーザアニール処理工程では、a−Si膜をp−Si膜に改質する結晶化にあたり、プレアニール処理およびアニール処理の両方、すなわち2回のアニール処理を経ている。したがって、アニール処理を2回に亘って行うことになるので、結晶化の分布が飽和することが期待できる。
しかも、プレアニール処理時に照射する第一ビームとアニール処理時に照射する第二ビームとが同一走査ライン上を移動するが、各ビームは、少なくとも間隔L=2×{k・tp/(ρ・c)}1/2だけ隔てて配置される。つまり、この間隔Lによって、各ビーム間での冷却期間が確保されることになる。したがって、同一走査ライン上に第一ビームと第二ビームとが並んで配置されていても、局所加熱と冷却とが繰り返され、多層構造体に対する局所加熱(すなわちアニール処理)が複数回に亘って行われることになる。
その上、第一ビームと第二ビームとを同一走査ライン上に配置しているので、アニール処理を複数回に亘って行う場合であっても、一走査ライン上に一つの光ビームのみを配置する場合に比べると、当該複数回のアニール処理に要する時間を短縮することができる。
しかも、プレアニール処理時に照射する第一ビームとアニール処理時に照射する第二ビームとが同一走査ライン上を移動するが、各ビームは、少なくとも間隔L=2×{k・tp/(ρ・c)}1/2だけ隔てて配置される。つまり、この間隔Lによって、各ビーム間での冷却期間が確保されることになる。したがって、同一走査ライン上に第一ビームと第二ビームとが並んで配置されていても、局所加熱と冷却とが繰り返され、多層構造体に対する局所加熱(すなわちアニール処理)が複数回に亘って行われることになる。
その上、第一ビームと第二ビームとを同一走査ライン上に配置しているので、アニール処理を複数回に亘って行う場合であっても、一走査ライン上に一つの光ビームのみを配置する場合に比べると、当該複数回のアニール処理に要する時間を短縮することができる。
ここで、以上のような本実施形態によるレーザアニール処理工程を経た場合の優位性について説明する。
図11は、結晶化後における結晶性および電子移動度の一具体例を示す説明図である。
図例では、上述した条件にてプレアニール処理およびアニール処理を行った場合の結晶性および電子移動度を示している。なお、図例では、プレアニール処理を行わない場合の結晶性および電子移動度についても、比較例として併せて示している。
本実施形態のように2回のアニール処理を経た場合には、結晶化の分布が飽和することが期待できるので、当該結晶化後の粒径が10〜50nmといった均一性の高いものとなる。すなわち、比較例では、結晶化の分布が飽和せず、当該結晶化後の粒径が10nmに満たないものも存在するが、本実施形態では、結晶化の分布が飽和により十分に進展し、例えば粒径が23nm程度といったように、10〜50nmの範囲に属する均一性の高いものとなる。このことは、結晶化後における結晶化率に比較からも明らかである。なお、ここで、結晶化後の「粒径」とは、p−Si膜に改質された半導体層14を構成する結晶粒の径のことをいう。半導体層14における結晶粒径および結晶化率は、透過型電子顕微鏡(TEM)による測定やラマン測定等といった公知の手法を用いて特定すればよい。「結晶化率」については、ラマン測定でのa−Si、μ−Si、p−Siの面積に基づき、「結晶化率=p−Siの面積/(a−Siの面積+μ−Siの面積+p−Siの面積)」という演算式を用いて特定すればよい。
また、本実施形態のように2回のアニール処理を経た場合には、結晶化の分布が飽和することが期待できるので、当該結晶化後の電子移動度が2.0〜5.0cm2/Vsといった良好なものとなる。すなわち、比較例では、結晶化の分布が飽和せず、当該結晶化後の電子移動度が0.5〜1.5cm2/Vs程度となる。ところが、本実施形態では、結晶化の分布が飽和により十分に進展するので、例えば2.23cm2/Vs程度で、そのバラつきが4.55%程度といったように、電子移動度が2.0〜5.0cm2/Vsとなり、半導体層14における電子または正孔が比較例の場合に比べて移動し易くなる。ここで、結晶化後の「電子移動度」とは、p−Si膜に改質された半導体層14における電子または正孔の移動のし易さを示す量のことをいう。半導体層14における電子移動度は、作成したTFT10の電気特性(Vg−Id特性)の評価結果に基づいて特定すればよい。すなわち、当該評価結果を用いて所定演算を行うことで、飽和領域と移動度とを求めることが考えられる。
図例では、上述した条件にてプレアニール処理およびアニール処理を行った場合の結晶性および電子移動度を示している。なお、図例では、プレアニール処理を行わない場合の結晶性および電子移動度についても、比較例として併せて示している。
本実施形態のように2回のアニール処理を経た場合には、結晶化の分布が飽和することが期待できるので、当該結晶化後の粒径が10〜50nmといった均一性の高いものとなる。すなわち、比較例では、結晶化の分布が飽和せず、当該結晶化後の粒径が10nmに満たないものも存在するが、本実施形態では、結晶化の分布が飽和により十分に進展し、例えば粒径が23nm程度といったように、10〜50nmの範囲に属する均一性の高いものとなる。このことは、結晶化後における結晶化率に比較からも明らかである。なお、ここで、結晶化後の「粒径」とは、p−Si膜に改質された半導体層14を構成する結晶粒の径のことをいう。半導体層14における結晶粒径および結晶化率は、透過型電子顕微鏡(TEM)による測定やラマン測定等といった公知の手法を用いて特定すればよい。「結晶化率」については、ラマン測定でのa−Si、μ−Si、p−Siの面積に基づき、「結晶化率=p−Siの面積/(a−Siの面積+μ−Siの面積+p−Siの面積)」という演算式を用いて特定すればよい。
また、本実施形態のように2回のアニール処理を経た場合には、結晶化の分布が飽和することが期待できるので、当該結晶化後の電子移動度が2.0〜5.0cm2/Vsといった良好なものとなる。すなわち、比較例では、結晶化の分布が飽和せず、当該結晶化後の電子移動度が0.5〜1.5cm2/Vs程度となる。ところが、本実施形態では、結晶化の分布が飽和により十分に進展するので、例えば2.23cm2/Vs程度で、そのバラつきが4.55%程度といったように、電子移動度が2.0〜5.0cm2/Vsとなり、半導体層14における電子または正孔が比較例の場合に比べて移動し易くなる。ここで、結晶化後の「電子移動度」とは、p−Si膜に改質された半導体層14における電子または正孔の移動のし易さを示す量のことをいう。半導体層14における電子移動度は、作成したTFT10の電気特性(Vg−Id特性)の評価結果に基づいて特定すればよい。すなわち、当該評価結果を用いて所定演算を行うことで、飽和領域と移動度とを求めることが考えられる。
図12は、TFTの電気特性(Vg−Id特性)の一具体例を示す説明図である。
形成後におけるTFTの電気特性(Vg−Id特性)を比較すると、本実施形態のように2回のアニール処理を経た場合には、比較例のようにプレアニール処理を行わない場合に比べて、均一性が高く特性変動の少ないTFTが形成できていることがわかる。
形成後におけるTFTの電気特性(Vg−Id特性)を比較すると、本実施形態のように2回のアニール処理を経た場合には、比較例のようにプレアニール処理を行わない場合に比べて、均一性が高く特性変動の少ないTFTが形成できていることがわかる。
以上のように、本実施形態のレーザアニール処理工程では、2回のアニール処理を経て半導体層14に対する結晶化を行うので、1回あたりのレーザビーム出力強度が過大になるのを避けつつ、当該結晶化の分布が飽和することが期待できる。よって、半導体層14における結晶化の分布が十分に進展し、均一性が高く、電子移動度が良好なものとなるので、均一性が高く特性変動の少ないTFT10を形成することが可能になる。
つまり、2回のアニール処理を経て結晶化の分布を飽和させるので、1回のアニール処理のみを経る場合に比べて、当該結晶化の分布の度合いが均一性の高いものとなる。このことは、レーザビーム出力の強度測定器具の誤差やレーザ光学系の熱的不安定さに起因して生じるレーザ光学系の照射ビーム強度の偏差等があっても、これらを吸収して、均一性の極めて高いアニール処理結果を実現することができることを意味する。
したがって、本実施形態のように、2回のアニール処理を経て半導体層14に対する結晶化を行えば、当該アニール処理を経て形成されるTFT10における特性についても、均一性の高いものとすることができる。また、そのTFT10を用いて有機ELディスプレイ1を構成した場合に、表示ムラ等の発生を未然に回避することができる。
しかも、2回のアニール処理を経ることで、1回のアニール処理のみを経る場合に比べて、1回あたりのレーザビーム出力強度を抑えられるので、レーザビーム照射の影響が多層構造体の半導体層14以外の層に及んでしまうのを抑制することができる。
なお、ここでは、レーザアニール処理工程として、プレアニール処理およびアニール処理の2回を行う場合を例に挙げたが、3回以上のアニール処理を経て半導体層14に対する結晶化を行っても構わない。ただし、スループットを考慮すると、アニール処理の回数は、2回とすることが望ましい。
つまり、2回のアニール処理を経て結晶化の分布を飽和させるので、1回のアニール処理のみを経る場合に比べて、当該結晶化の分布の度合いが均一性の高いものとなる。このことは、レーザビーム出力の強度測定器具の誤差やレーザ光学系の熱的不安定さに起因して生じるレーザ光学系の照射ビーム強度の偏差等があっても、これらを吸収して、均一性の極めて高いアニール処理結果を実現することができることを意味する。
したがって、本実施形態のように、2回のアニール処理を経て半導体層14に対する結晶化を行えば、当該アニール処理を経て形成されるTFT10における特性についても、均一性の高いものとすることができる。また、そのTFT10を用いて有機ELディスプレイ1を構成した場合に、表示ムラ等の発生を未然に回避することができる。
しかも、2回のアニール処理を経ることで、1回のアニール処理のみを経る場合に比べて、1回あたりのレーザビーム出力強度を抑えられるので、レーザビーム照射の影響が多層構造体の半導体層14以外の層に及んでしまうのを抑制することができる。
なお、ここでは、レーザアニール処理工程として、プレアニール処理およびアニール処理の2回を行う場合を例に挙げたが、3回以上のアニール処理を経て半導体層14に対する結晶化を行っても構わない。ただし、スループットを考慮すると、アニール処理の回数は、2回とすることが望ましい。
図13は、2回のアニール処理についてビーム間隔を確保することによる作用を模式的に示す説明図である。
上述したように、本実施形態によるレーザアニール処理工程では、同一走査ライン上を移動する各ビームを少なくとも間隔L=2×{k・tp/(ρ・c)}1/2だけ隔てて配置する。したがって、同一走査ライン上に各ビームが並んで配置されていても、当該各ビームの照射箇所では、図例のように、局所加熱と冷却とが繰り返されることになり、これにより複数回に亘るアニール処理(すなわち局所加熱)が確実に実行されることになる。
さらに詳しくは、半導体層14を含む多層構造体に対してレーザビームを重畳照射する場合には、先に行うビーム照射で半導体層14を活性化して結晶の核となる部分を作成し、その後に行うビーム照射で作成した核を成長させて当該半導体層14を結晶化する。その場合に、上述したように重畳照射するビーム間隔を確保すれば、局所加熱を行う間の冷却期間が十分に確保されることになる。したがって、段階的な結晶生成および成長が確実に促進されることになるのである。
上述したように、本実施形態によるレーザアニール処理工程では、同一走査ライン上を移動する各ビームを少なくとも間隔L=2×{k・tp/(ρ・c)}1/2だけ隔てて配置する。したがって、同一走査ライン上に各ビームが並んで配置されていても、当該各ビームの照射箇所では、図例のように、局所加熱と冷却とが繰り返されることになり、これにより複数回に亘るアニール処理(すなわち局所加熱)が確実に実行されることになる。
さらに詳しくは、半導体層14を含む多層構造体に対してレーザビームを重畳照射する場合には、先に行うビーム照射で半導体層14を活性化して結晶の核となる部分を作成し、その後に行うビーム照射で作成した核を成長させて当該半導体層14を結晶化する。その場合に、上述したように重畳照射するビーム間隔を確保すれば、局所加熱を行う間の冷却期間が十分に確保されることになる。したがって、段階的な結晶生成および成長が確実に促進されることになるのである。
図14は、同一走査ライン上にレーザビームを並べて重畳照射した場合の光吸収層のダメージ評価結果の一具体例を示す説明図である。
図14(a)には、上述した条件で、すなわち第一ビームと第二ビームとのビーム間隔Lを350mmとして、各ビームを重畳照射した場合について、光吸収層のダメージ評価の結果を示している。図例のように、ビーム間隔Lを確保した場合には、光吸収層16にダメージは発生していない。
一方、図14(b)には、比較のために、第一ビームと第二ビームとのビーム間隔Lを300mmとした場合について、光吸収層のダメージ評価の結果を示している。図例のように、上記(1)式で特定されるビーム間隔Lを確保しない場合には、光吸収層16が大きくダメージを受けるおそれがあることが分かる。これは、ビーム間隔Lを確保しないために、局所加熱を行う間の冷却期間を十分に確保できず、過剰なエネルギーのビーム照射を行った場合と同様に作用してしまうためと考えられる。
図14(a)には、上述した条件で、すなわち第一ビームと第二ビームとのビーム間隔Lを350mmとして、各ビームを重畳照射した場合について、光吸収層のダメージ評価の結果を示している。図例のように、ビーム間隔Lを確保した場合には、光吸収層16にダメージは発生していない。
一方、図14(b)には、比較のために、第一ビームと第二ビームとのビーム間隔Lを300mmとした場合について、光吸収層のダメージ評価の結果を示している。図例のように、上記(1)式で特定されるビーム間隔Lを確保しない場合には、光吸収層16が大きくダメージを受けるおそれがあることが分かる。これは、ビーム間隔Lを確保しないために、局所加熱を行う間の冷却期間を十分に確保できず、過剰なエネルギーのビーム照射を行った場合と同様に作用してしまうためと考えられる。
以上のように、本実施形態のレーザアニール処理工程では、所定間隔Lを隔てて配置した複数のレーザビームによるアニール処理を経て、半導体層14に対する結晶化を行う。したがって、同一走査ライン上に複数のレーザビームが配置されていても、強度測定器具の誤差やレーザ光学系の熱的不安定さに起因して生じるレーザ光学系の照射ビーム強度の偏差等を吸収して、均一性の極めて高いアニール処理結果を実現することができる。これにより、例えば当該アニール処理を経て形成される半導体装置における特性についても、均一性の高いものとすることができる。さらに、その半導体装置を用いて表示装置を構成した場合に、表示ムラ等の発生を未然に回避することができる。
しかも、同一走査ライン上に複数のレーザビームを配置しているので、一走査ライン上に一つのレーザビームのみを配置する場合に比べて、高スループット化を実現することも可能である。
しかも、同一走査ライン上に複数のレーザビームを配置しているので、一走査ライン上に一つのレーザビームのみを配置する場合に比べて、高スループット化を実現することも可能である。
以上に説明したレーザアニール処理工程は、同一走査ライン上に複数のレーザビームを並べて配置するように構成された半導体製造装置を用いて行えばよい。この半導体製造装置において、各ビームを並べる間隔Lを除く他の構成については、公知技術を用いて実現すればよいため、ここではその説明を省略する。
<4.変形例>
次に、本実施形態の変形例について簡単に説明する。
次に、本実施形態の変形例について簡単に説明する。
プレアニール処理およびアニール処理は、これらのいずれについても、半導体レーザによるレーザアニール処理とすることが考えられる。すなわち、プレアニール処理およびアニール処理の光源として、半導体レーザを用いるようにする。
半導体レーザを用いれば、例えばエキシマレーザが用いる場合に比べて、出力の安定性が高く、出力強度のバラツキを抑えることが可能となる。したがって、特性の均一性の高いTFT10を形成する上で好適であり、有機ELディスプレイ1を構成した場合の表示ムラ等の発生も未然に回避し得るようになる。
ただし、半導体レーザを光源に用いる場合は、一つの光源から得られるビーム出力がエキシマレーザ等に比べると非常に小さい。しかしながら、本実施形態のように、2回のアニール処理を経て半導体層14に対する結晶化を行えば、1回あたりのレーザビーム出力が小さくても、当該結晶化の分布を飽和させて、当該結晶化の分布の度合いを均一性の高いものとすることができる。つまり、レーザアニール処理工程として2回のアニール処理を経ることは、半導体レーザを光源に用いる場合に適用して非常に有効なものとなる。
半導体レーザを用いれば、例えばエキシマレーザが用いる場合に比べて、出力の安定性が高く、出力強度のバラツキを抑えることが可能となる。したがって、特性の均一性の高いTFT10を形成する上で好適であり、有機ELディスプレイ1を構成した場合の表示ムラ等の発生も未然に回避し得るようになる。
ただし、半導体レーザを光源に用いる場合は、一つの光源から得られるビーム出力がエキシマレーザ等に比べると非常に小さい。しかしながら、本実施形態のように、2回のアニール処理を経て半導体層14に対する結晶化を行えば、1回あたりのレーザビーム出力が小さくても、当該結晶化の分布を飽和させて、当該結晶化の分布の度合いを均一性の高いものとすることができる。つまり、レーザアニール処理工程として2回のアニール処理を経ることは、半導体レーザを光源に用いる場合に適用して非常に有効なものとなる。
また、半導体レーザを光源に用いる場合には、当該半導体レーザをレーザビームの走査方向との直交方向に複数個並べて配置して、レーザアニール処理をこれら複数個の半導体レーザによって並行して行うことも考えられる。
図15は、レーザアニール装置の要部構成例を示す説明図である。
レーザアニール装置は、本発明に係る半導体製造装置の一具体例に相当するもので、上述したレーザアニール処理工程にて用いられるものである。
図例のレーザアニール装置では、レーザビームを照射する半導体レーザからなるレーザヘッド51を複数(例えば4つ)並べ、各レーザヘッド51がTFT基板20に対してレーザビームの並行照射を行うように構成されている。このように構成されたレーザアニール装置を用いてレーザアニール処理を行えば、レーザヘッド51の並設数に対応した複数の基板上領域について、同時にレーザアニール処理を施すことが可能となる。つまり、基板上領域には、レーザヘッド51の並設数に対応した数の走査ラインが存在することになる。そのため、複数軸の並行照射ではなく一軸のみの照射を行う場合に比べて、レーザアニール処理のスループット向上が図れるようになる。
ただし、複数軸の並行照射を行う場合であっても、基板上の各走査ラインには、同一走査ライン上にプレアニール処理用の第一ビームとアニール処理用の第二ビームとが、所定間隔Lだけ隔てて配置されているものとする。具体的には、複数(例えば4つ)並べたレーザヘッド51群を、レーザビームの走査方向の前後に二列分配置することが考えられる。なお、第一ビームと第二ビームとの間は所定間隔Lだけ隔てるようにするが、並設された各レーザヘッド51の間については所定間隔Lだけ隔てる必要はない。各レーザヘッド51から照射されるレーザビームは同時並行的に照射され、プレアニール処理用の第一ビームとアニール処理用の第二ビームとの関係には相当しないからである。
図15は、レーザアニール装置の要部構成例を示す説明図である。
レーザアニール装置は、本発明に係る半導体製造装置の一具体例に相当するもので、上述したレーザアニール処理工程にて用いられるものである。
図例のレーザアニール装置では、レーザビームを照射する半導体レーザからなるレーザヘッド51を複数(例えば4つ)並べ、各レーザヘッド51がTFT基板20に対してレーザビームの並行照射を行うように構成されている。このように構成されたレーザアニール装置を用いてレーザアニール処理を行えば、レーザヘッド51の並設数に対応した複数の基板上領域について、同時にレーザアニール処理を施すことが可能となる。つまり、基板上領域には、レーザヘッド51の並設数に対応した数の走査ラインが存在することになる。そのため、複数軸の並行照射ではなく一軸のみの照射を行う場合に比べて、レーザアニール処理のスループット向上が図れるようになる。
ただし、複数軸の並行照射を行う場合であっても、基板上の各走査ラインには、同一走査ライン上にプレアニール処理用の第一ビームとアニール処理用の第二ビームとが、所定間隔Lだけ隔てて配置されているものとする。具体的には、複数(例えば4つ)並べたレーザヘッド51群を、レーザビームの走査方向の前後に二列分配置することが考えられる。なお、第一ビームと第二ビームとの間は所定間隔Lだけ隔てるようにするが、並設された各レーザヘッド51の間については所定間隔Lだけ隔てる必要はない。各レーザヘッド51から照射されるレーザビームは同時並行的に照射され、プレアニール処理用の第一ビームとアニール処理用の第二ビームとの関係には相当しないからである。
このように、複数軸の並行照射を行う場合には、各レーザヘッド51からのレーザビームの出力にバラツキが生じることも考えられる。しかしながら、本実施形態のように、2回のアニール処理を経て半導体層14に対する結晶化を行えば、各レーザヘッド51がレーザビームの並行照射を行う場合であっても、当該結晶化の分布の度合いを均一性の高いものとすることができる。すなわち、2回のアニール処理を経て結晶化の分布を飽和させるので、当該結晶化の度合いが飽和点近傍に収束することになる。そのため、各レーザヘッド51やそれぞれに対応する光学系等の個体差に因らずに、結晶化の度合いにバラツキが生じてしまうのを抑制し得るのである。つまり、レーザアニール処理工程として2回のアニール処理を経ることは、複数の半導体レーザを並べてレーザビームの並行照射を行う場合に適用して非常に有効なものとなる。
また、レーザビームの光源や光学系等の個体差に起因するバラツキの抑制については、レーザビームを並行照射ではなく一軸のみ照射する場合にも、その効果を期待することができる。例えば、レーザアニール処理を行うレーザアニール装置が複数存在する場合に、どのレーザアニール装置でレーザアニール処理を行っても、特性の均一性の高いTFT10を形成することができる、といった具合である。
また、レーザビームの光源や光学系等の個体差に起因するバラツキの抑制については、レーザビームを並行照射ではなく一軸のみ照射する場合にも、その効果を期待することができる。例えば、レーザアニール処理を行うレーザアニール装置が複数存在する場合に、どのレーザアニール装置でレーザアニール処理を行っても、特性の均一性の高いTFT10を形成することができる、といった具合である。
ここでは、半導体レーザからのレーザビームを用いる場合を変形例として説明したが、レーザアニール処理に用いる第一ビームおよび第二ビームは、ガスレーザ、固体レーザ、半導体レーザのいずれかを用いることが可能である。
また、第一ビームおよび第二ビームは、その波長が特に限定されることはなく、紫外、可視または赤外領域の波長であればよい。
また、第一ビームおよび第二ビームは、その波長が特に限定されることはなく、紫外、可視または赤外領域の波長であればよい。
なお、本実施形態では、本発明の好適な実施具体例について説明したが、本発明はその内容に限定されるものではない。
例えば、本実施形態で例に挙げたレーザビームの波長、照射パワー、基板走引速度等は、本発明を説明するための一具体例に過ぎず、本発明がその内容に限定されるものではない。
つまり、本発明は、本実施形態で説明した内容に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更しても構わない。
例えば、本実施形態で例に挙げたレーザビームの波長、照射パワー、基板走引速度等は、本発明を説明するための一具体例に過ぎず、本発明がその内容に限定されるものではない。
つまり、本発明は、本実施形態で説明した内容に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更しても構わない。
1…有機ELディスプレイ、10…TFT、11…基板、12…ゲート膜、13…ゲート絶縁膜、14…半導体層、15…バッファ層、16…光吸収層、20…TFT基板
Claims (7)
- 基板上に少なくとも非晶質シリコン膜と光吸収層とが積層されてなる多層構造体に対して、前記光吸収層の側から光を照射して当該光による局所加熱を行い、前記非晶質シリコン膜を微結晶シリコン膜または多結晶シリコン膜に改質するアニール処理工程を備え、
前記アニール処理工程では、
前記局所加熱にあたり同一走査ライン上に複数の光ビームを配置するとともに、
前記光吸収層の熱伝導率をk、前記光吸収層の密度をρ、前記光吸収層の比熱をc、走査すべきライン長/走査速度をtpとした場合に、前記複数の光ビームを少なくとも間隔L=2×{k・tp/(ρ・c)}1/2だけ隔てて配置する
半導体製造方法。 - 前記光ビームは、半導体レーザから出射されるレーザビームである請求項1記載の半導体製造方法。
- 基板上に少なくとも非晶質シリコン膜と光吸収層とが積層されてなる多層構造体に対して、前記光吸収層の側から光を照射して当該光による局所加熱を行い、前記非晶質シリコン膜を微結晶シリコン膜または多結晶シリコン膜に改質するアニール処理部を備え、
前記アニール処理部は、前記局所加熱にあたり、同一走査ライン上に複数の光ビームを配置した状態で光の照射を行う光照射部を有し、
前記光照射部は、前記光吸収層の熱伝導率をk、前記光吸収層の密度をρ、前記光吸収層の比熱をc、走査すべきライン長/走査速度をtpとした場合に、前記複数の光ビームを少なくとも間隔L=2×{k・tp/(ρ・c)}1/2だけ隔てて配置するように構成されている
半導体製造装置。 - 非晶質シリコン膜を覆う光吸収層の側から、前記光吸収層の熱伝導率をk、前記光吸収層の密度をρ、前記光吸収層の比熱をc、走査すべきライン長/走査速度をtpとした場合に、少なくとも間隔L=2×{k・tp/(ρ・c)}1/2だけ隔てて同一走査ライン上に配置された複数の光ビームを照射して、当該光ビームにより前記非晶質シリコン膜に対して行う局所加熱を経て、粒径が10〜50nmに形成された微結晶シリコン膜または多結晶シリコン膜
を備える半導体装置。 - 非晶質シリコン膜を覆う光吸収層の側から、前記光吸収層の熱伝導率をk、前記光吸収層の密度をρ、前記光吸収層の比熱をc、走査すべきライン長/走査速度をtpとした場合に、少なくとも間隔L=2×{k・tp/(ρ・c)}1/2だけ隔てて同一走査ライン上に配置された複数の光ビームを照射して、当該光ビームにより前記非晶質シリコン膜に対して行う局所加熱を経て、電子移動度が2.0〜5.0cm2/Vsに形成された微結晶シリコン膜または多結晶シリコン膜
を備える半導体装置。 - 非晶質シリコン膜を覆う光吸収層の側から、前記光吸収層の熱伝導率をk、前記光吸収層の密度をρ、前記光吸収層の比熱をc、走査すべきライン長/走査速度をtpとした場合に、少なくとも間隔L=2×{k・tp/(ρ・c)}1/2だけ隔てて同一走査ライン上に配置された複数の光ビームを照射して、当該光ビームにより前記非晶質シリコン膜に対して行う局所加熱を経て、粒径が10〜50nmに形成された微結晶シリコン膜または多結晶シリコン膜を備える半導体装置
を具備して構成された表示装置。 - 非晶質シリコン膜を覆う光吸収層の側から、前記光吸収層の熱伝導率をk、前記光吸収層の密度をρ、前記光吸収層の比熱をc、走査すべきライン長/走査速度をtpとした場合に、少なくとも間隔L=2×{k・tp/(ρ・c)}1/2だけ隔てて同一走査ライン上に配置された複数の光ビームを照射して、当該光ビームにより前記非晶質シリコン膜に対して行う局所加熱を経て、電子移動度が2.0〜5.0cm2/Vsに形成された微結晶シリコン膜または多結晶シリコン膜を備える半導体装置
を具備して構成された表示装置。
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2009
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