JP2011039958A - 情報入力装置、携帯用電子機器、および情報入力方法 - Google Patents

情報入力装置、携帯用電子機器、および情報入力方法 Download PDF

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Abstract

【課題】1つの対象物体の移動だけでも情報の入力を容易に行なうことのできる情報入力装置、該情報入力装置を備えた携帯用電子機器、および情報入力方法を提供する。
【解決手段】情報入力装置10において、位置検出光L2a〜L2dが導光板13の光出射面13sから出射され、これが導光板13の出射側に配置された対象物体Obによって反射される。光検出器15は、第1XY平面10R1内において対象物体Obで反射した位置検出光と、第2XY平面10R2内において対象物体Obで反射した位置検出光とを受光する。ここで、対象物体Obが入力領域10Rで所定の距離以上を移動した場合、かかる動きに対応する移動情報を生成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、情報入力装置、該情報入力装置を備えた携帯用電子機器、および情報入力方法に関するものである。
携帯電話などの携帯用電子機器では、近年、液晶装置などの画像生成装置の前面にタッチパネルが配置されたものが提供されており、かかる携帯用電子機器では、画像生成装置に表示された画像を参照しながら、情報の入力を行なうことができる。また、電磁誘導方式や超音波方式の情報入力装置において、対象物体としての入力ペンの姿勢等、通常のタッチパネルと異なる方法で情報が入力されるものもある(特許文献1、2参照)。
さらに、入力領域において2本の指を相対移動させた際の動きがあった際、かかる動きを入力情報として認識し、所定の情報を発生させる携帯用電子機器も案出されている。
特開2002−259043号公報 特開2008−90565号公報
しかしながら、入力領域において2本の指を相対移動させるには、片方の手で携帯用電子機器を持ち、他方の手で入力操作を行う必要があるため、不便である。このため、携帯用電子機器の分野では、使い勝手に優れた新たな入力方法が望まれている。
かかる状況に鑑みて、本発明の課題は、1つの対象物体の移動だけでも情報の入力を容易に行なうことのできる情報入力装置、該情報入力装置を備えた携帯用電子機器、および情報入力方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、入力領域内の対象物体の位置を光学的に検出する情報入力装置であって、前記入力領域内の前記対象物体の位置を位置情報として生成する位置情報生成部と、前記入力領域内での前記対象物体の移動距離を検出する移動距離検出部と、前記対象物体の移動距離と予め設定された閾値とを比較する移動距離比較部と、前記対象物体の移動距離が前記閾値以上である場合に前記対象物体の移動を複数のパターンの1つとして判別し、当該対象物体の移動パターンを移動情報として生成する移動情報生成部と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、入力領域内の対象物体の位置を光学的に検出する情報入力方法であって、前記入力領域内の前記対象物体の位置を位置情報として生成する位置情報生成工程と、前記入力領域内での前記対象物体の移動距離を検出する移動距離検出工程と、前記対象物体の移動距離と予め設定された閾値とを比較する移動距離比較工程と、前記対象物体の移動距離が前記閾値以上である場合に前記対象物体の移動を複数のパターンの1つとして判別し、当該対象物体の移動パターンを移動情報として生成する移動情報生成工程と、を有することを特徴とする。
本発明では、入力領域内の対象物体の位置を光学的に検出して対象物体の位置情報を生成するとともに、入力領域内で対象物体が予め設定された距離(閾値)以上を移動した際に対象物体の動きに対応する移動情報を生成する。このため、1つの対象物体の動きだけでも入力を行なうことができる。また、入力領域内で対象物体が予め設定された距離未満の場合には、対象物体の動きに対応する情報を生成しない。それ故、入力領域を擦るという動作による入力の待機期間中、入力領域に触れただけのときは入力動作と見なさないので、誤入力を防止することができる。しかも、光学式であるため、入力領域では、非接触状態での入力が可能である。このため、携帯用電子機器などに搭載した場合、親指や着ている服で入力領域を擦るという動作によって情報を入力することができ、かかる動作であれば、情報入力装置や該情報入力装置を備えた携帯用電子機器を片手で持った状態で他の手を用いなくても実施することができるので使い勝手がよい。
本発明において、前記入力領域内で前記対象物体に照射される位置検出光を放出して前記入力領域内に当該位置検出光の光強度分布を形成するための位置検出用光源と、前記入力領域に受光部を向けた光検出器と、を有することが好ましい。このように構成すると、位置検出光の光強度分布と、光検出器での受光結果とに基づいて、入力領域内の対象物体の位置を検出することができる。
本発明において、前記位置検出用光源から出射された前記位置検出光を内部に採り込んだ後、当該位置検出光を前記入力領域に向けて出射する導光板を有していることが好ましい。このように構成すると、位置検出光が導光板内を伝播しながら出射されていくため、位置検出光の光強度分布を容易に形成することができる。
本発明において、前記移動情報が生成される移動パターンには、前記対象物体が直線移動した際の直線移動パターン、および前記対象物体が回転移動した際の回転移動パターンが含まれていることが好ましい。このように構成すると、移動情報の種類を増やすことができる。
本発明において、前記移動情報には、前記対象物体の移動方向に対応する移動方向情報が含まれていることが好ましい。このように構成すると、移動情報の種類を増やすことができる。
本発明を適用した情報入力装置は、電子機器本体とともに携帯用電子機器を構成するのに用いることができ、この場合、前記移動情報に基づいて前記電子機器本体で異なる動作を行なわせる制御部を備えている。かかる構成によれば、入力動作の種類が少なくても、各種の操作に用いることができる。
本発明において、前記制御部は、前記電子機器本体で現在実施しているモード、および前記移動情報に基づいて前記電子機器本体で異なる動作を行なわせることが好ましい。
本発明において、前記電子機器本体は、前記位置情報入力領域に対して平面視で重なる領域に画像を生成する画像生成装置を備え、前記制御部は、前記移動情報に基づいて前記画像生成装置に異なる動作を行なわせる構成を採用することができる。
本発明において、前記電子機器本体は、前記入力領域に対して平面視で重なる領域に画像を生成する画像生成装置と、音声再生装置と、を備え、前記制御部は、前記移動情報に基づいて前記画像生成装置および前記音声再生装置のうちの少なくとも一方で異なる動作を行なわせる構成を採用してもよい。
本発明を適用した情報入力装置を備えた携帯用電子機器の説明図である。 本発明を適用した情報入力装置および情報入力装置で行う処理内容の説明図である。 本発明を適用した情報入力装置の構成を示す説明図である。 本発明を適用した情報入力装置および携帯用電子機器での位置検出のための信号処理内容を示す説明図である。 本発明を適用した情報入力装置および携帯用電子機器でのデータ処理内容を示すフローチャートである。 本発明の変形例に係る情報入力装置および情報入力装置の分解斜視図である。 本発明の変形例に係る情報入力装置および情報入力装置の断面構成を示す説明図である。
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
[情報入力装置および携帯用電子機器の構成]
(携帯用電子機器の全体構成)
図1は、本発明を適用した情報入力装置を備えた携帯用電子機器の説明図であり、図1(a)、(b)は、携帯電話機の説明図、および情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)の説明図である。図2は、本発明を適用した情報入力装置および情報入力装置で行う処理内容の説明図であり、図2(a)、(b)は、情報入力装置および情報入力装置の電気的構成を示すブロック図、および入力に用いられる対象物体の動きの説明図である。
図1(a)に示す携帯用電子機器100は携帯電話機であり、入力領域10Rを備えた情報入力装置10と、電子機器本体101とを備えている。電子機器本体101は、複数の操作ボタン3001、スクロールボタン3002、直視型の画像生成装置200および音声再生装置300を備えている。図1(b)に示す携帯用電子機器100は情報携帯端末であり、入力領域10Rを備えた情報入力装置10と電子機器本体101とを備えている。電子機器本体101は、操作ボタン4001、電源スイッチ4002、直視型の画像生成装置200および音声再生装置(図示せず)を備えている。また、図1(a)、(b)に示す携帯用電子機器100はいずれも、情報入力装置10および電子機器本体101に対して共通の制御装置400を備えている。本形態において、情報入力装置10は、光学式であり、入力領域10Rに対して非接触状態で入力可能である。
本形態の情報入力装置10は、通常の入力操作を行うことを目的に、図2(a)に示すように、制御装置400内のデータ処理部500に、入力領域10R(図1(a)、(b)参照)内の対象物体の位置を位置情報として生成する位置情報生成部510を備えている。かかる位置情報生成部510は、入力領域10R内の対象物体のX座標位置を検出するX座標検出部511と、入力領域10R内の対象物体のY座標位置を検出するY座標検出部512とを備えている。
また、本形態の情報入力装置10は、入力領域10R内での対象物体の動きについても情報の入力として扱う。このため、情報入力装置10は、制御装置400内のデータ処理部500に、位置情報生成部510にXY座標の検出結果を一時記憶しておく位置情報記憶部513を備えている。また、情報入力装置10は、制御装置400内のデータ処理部500に、入力領域10R内での対象物体の移動距離を検出する移動距離検出部530と、対象物体の移動距離と予め設定された閾値とを比較する移動距離比較部550と、対象物体の移動距離が閾値以上である場合に対象物体の移動パターンを移動情報として生成する移動情報生成部570とを有している。ここで、移動情報生成部570は、対象物体の移動を複数のパターンの1つとして判別し、対象物体の移動パターンを移動情報として生成する。このため、移動情報生成部570は、対象物体の移動パターンを複数のパターンのいずれかに特定するためのパターンデータ記憶部571を備えている。また、移動情報生成部570は、移動情報に対象物体の移動方向も含ませる。このため、移動情報生成部570の移動方向を判定する移動方向判定部572も備えている。
このように構成した情報入力装置10において、位置情報生成部510は対象物体のXY座標を位置情報として制御部470に出力するとともに、移動情報生成部570は、対象物体の動きを移動情報として制御部470に出力する。なお、データ処理部500については、マイクロプロセッサーユニット(MPU)を用い、これにより所定のソフトウェア(動作プログラム)を実行することにより、後述する処理を行う構成を採用することができる。また、データ処理部500については、論理回路などのハードウェアを用いて後述する処理を行う構成を採用することもできる。
電子機器本体20は、制御装置400内に、出力情報制御部450と、上位の制御部470とを備えている。出力情報制御部450は、上位の制御部470を介して指定された条件に基づいて、所定の画像データ452を携帯用電子機器100の画像生成装置200に出力する表示制御部451を備えている。また、出力情報制御部450は、上位の制御部470を介して指定された条件に基づいて所定の音声データ457を携帯用電子機器100の音声再生装置300に出力する音声制御部456を備えている。
なお、本形態では、情報入力装置10の位置情報生成部510などを、電子機器本体20の出力情報制御部450などとともに共通の制御装置400に構成したが、情報入力装置10の位置情報生成部510などを電子機器本体20の出力情報制御部450などと別の制御装置に構成してもよい。
(情報入力装置10の詳細構成)
図3は、本発明を適用した情報入力装置10および携帯用電子機器100の構成を示す説明図であり、図3(a)、(b)、(c)は、情報入力装置10および携帯用電子機器100の断面構成を模式的に示す説明図、情報入力装置に用いた導光板などの構成を示す説明図、および導光板内での位置検出用赤外光の減衰状態を示す説明図である。
図3(a)、(b)に示すように、情報入力装置10は、位置検出光L2a〜L2dを放出する4つの位置検出用光源12A〜12Dと、導光板13と、入力領域10Rに受光部15aを向けた光検出器15とを備えており、導光板13の一方面の面側が入力領域10Rとされる。携帯用電子機器100は、画像生成装置200として、有機エレクトロルミネッセンス装置やプラズマ表示装置などといった直視型表示装置を備えており、かかる画像生成装置200は、導光板13に対して入力操作側とは反対に設けられている。画像生成装置200は、導光板13に対して平面視で重なる領域に画像表示領域20Rを備えており、かかる画像表示領域20Rは入力領域10Rと平面視で重なっている。
本形態の情報入力装置10において、導光板13は四角形あるいは略四角形の平面形状を有しており、側端面13mのうち、4つの角13e、13f、13g、13hの各々に、位置検出光L2a〜L2dが入射する4つの光入射部13a〜13dを備えている。また、導光板13は、内部を伝播した位置検出光L2a〜L2dを出射する光出射面13sを一方の表面(図示上面)に備えており、かかる光出射面13sと側端面13mとは直交している。かかる導光板13において、光入射部13a〜13dは、例えば、導光板13の角部分を除去してなる端面により構成されている。位置検出用光源12A〜12Dは光入射部13a〜13dと対向するように配置され、好ましくは光入射部13a〜13dと密接するように配置されている。
導光板13は、ポリカーボネートやアクリル樹脂などの透明な樹脂板で構成されている。導光板13において、光出射面13s、または光出射面13sの反対側の背面13tには、表面凹凸構造、プリズム構造、散乱層(図示せず)などが設けられており、このような光散乱構造によって、光入射部13a〜13dから入射して内部を伝播する光は、その伝播方向に進むに従って徐々に偏向されて光出射面13sより出射される。なお、導光板13の光出射側には、必要に応じて、位置検出光L2a〜L2dの均―化を図るために、プリズムシートや光散乱板などの光学シートが配置される場合もある。
位置検出用光源12A〜12Dは、例えばLED(発光ダイオード)などの発光素子で構成され、駆動回路(図示せず)から出力される駆動信号に応じて、赤外光からなる位置検出光L2a〜L2dを放出する。位置検出光L2a〜L2dの種類は、特に限定されないが、可視光とは波長分布が異なるか、点滅などの変調が加えられることで発光態様が異なることが好ましい。また、位置検出光L2a〜L2dは、指やタッチペンなどの対象物体Obにより効率的に反射される波長域を有することが好ましい。従って、対象物体Obが指などの人体であれば、人体の表面で反射率の高い赤外線(特に可視光領域に近い近赤外線、例えば波長で850nm付近)、あるいは950nmであることが望ましい。
位置検出用光源12A〜12Dは本質的に複数設けられ、相互に異なる位置から位置検出光を放出するように構成される。4つの位置検出用光源12A〜12Dのうち、対角位置の位置検出用光源は対になって第1光源を構成し、他の2つの位置検出用光源は対になって第2光源を構成している。また、4つの位置検出用光源12A〜12Dのうち、隣り合う2つの位置検出用光源は対になって第1光源対を構成し、他の2つの位置検出用光源は対になって第2光源対を構成することもある。
このように構成した携帯用電子機器100において、位置検出光L2aと位置検出光L2bは、導光板13の内部では、矢印Aで示す方向において互いに逆向きに伝播しながら、光出射面13sから出射される。また、位置検出光L2cと位置検出光L2dは、矢印Aで示す方向に対して交差する方向(矢印Bで示す方向)において互いに逆向きに伝播しながら光出射面13sから出射される。入力領域10Rは、位置検出光L2a〜L2dが視認側(操作側)に出射される平面範囲であり、対象物体Obによる反射光が生じうる平面範囲である。本形態において、入力領域10Rの平面形状は、矩形状であり、入力領域10Rにおいて、隣接する各辺の角部分の内角は、導光板13の角13e〜13hの内角と同一の角度、例えば、90°とされている。かかる構成の情報入力装置10において、光検出器15は、導光板13の辺部分13i、13j、13k、13lのうち、長辺部分(辺部分13l)の長さ方向の略中央部分に重なる位置に配置されている。
(基本原理)
上記光検出器15での検出に基づいて対象物体Obの位置情報の取得方法について説明する。この位置情報の取得方法は種々のものが考えられるが、例えば、そのー例として、二つの位置検出光の検出光量の比率に基づいてそれらの減衰係数の比率を求め、この減衰係数の比率から両位置検出光の伝播距離を求めることにより、対応する二つの光源を結ぶ方向の位置座標を求める方法が挙げられる。
まず、本形態の携帯用電子機器100においては、位置検出用光源12A〜12Dから放出された位置検出光L2a〜L2dは各々、光入射部13a〜13dから導光板13の内部に入射し、導光板13の内部を伝播しながら徐々に光出射面13sから出射される。その結果、位置検出光L2a〜L2dは、光出射面13sから面状に放出される。
例えば、位置検出光L2aは光入射部13aから光入射部13bに向けて導光板13の内部を伝播しながら徐々に光出射面13sから放出されていく。同様に、位置検出光L2c、L2dも導光板13の内部を伝播しながら徐々に光出射面13sから放出されていく。従って、入力領域10Rに指などの対象物体Obが配置されると、対象物体Obにより位置検出光L2a〜L2dが反射され、その反射光の一部が光検出器15により検出される。
ここで、入力領域10Rに出射される位置検出光L2aの光量は、図3(c)に実線で示すように、位置検出用光源12Aからの距離に伴って直線的に減衰し、入力領域10Rに出射される位置検出光L2bの光量は、図3(c)に点線で示すように、位置検出用光源12Bからの距離に伴って直線的に減衰すると考えられる。
また、位置検出用光源12Aの制御量(例えば電流量)、変換係数、および放出光量をIa、k、およびEaとし、位置検出用光源12Bの制御量(電流量)、変換係数、および放出光量をIb、k、およびEbとすれば、
Ea=k・Ia
Eb=k・Ib
となる。また、位置検出光L2aの減衰係数、および検出光量をfa、およびGaとし、位置検出光L2bの減衰係数、および検出光量をfb、およびGbとすれば、
Ga=fa・Ea=fa・k・Ia
Gb=fb・Eb=fb・k・Ib
となる。
従って、光検出器15において両位置検出光の検出光量の比であるGa/Gbが検出できるとすれば、
Ga/Gb=(fa・Ea)/(fb・Eb)=(fa/fb)・(Ia/Ib)
となるから、放出光量の比Ea/Eb、および制御量の比Ia/Ibに相当する値が分かれば、減衰係数の比fa/fbが分る。この減衰係数の比と両位置検出光の伝播距離の比との間に直線関係があれば、この直線関係を予め設定しておくことで、対象物体Obの位置情報を得ることができる。
上記減衰係数の比fa/fbを求める方法としては、例えば、位置検出用光源12Aと位置検出用光源12Bを逆相で点滅(例えば、矩形波状若しくは正弦波状の駆動信号を伝播距離の差に起因する位相差が無視できる周波数で相互に180度の位相差を持つように動作)させた上で、検出光量の波形を解析する。より現実的には、例えば、一方の制御量Iaを固定し(Ia=Im)、検出波形が観測できなくなるように、すなわち、検出光量の比Ga/Gbが1となるように他方の制御量lbを制御し、このときの制御量Ib=Im・(fa/fb)から上記減衰係数の比fa/fbを導出する。
また、両制御量の和が常に一定、すなわち、下式
Im=Ia+Ib
を満たすように制御してもよい。この場合には、下式
Ib=Im・fb/(fa十fb)
となるので、
fb/(fa十fb)=α
とすると、下式
fa/fb=(1−α)/α
により、減衰係数の比が求まる。
従って、対象物体Obの矢印A方向の位置情報は、位置検出用光源12Aと位置検出用光源12Bを相互に逆相で駆動することで取得することができる。また、対象物体Obの矢印B方向の位置情報は、位置検出用光源12Cと位置検出用光源12Dを相互に逆相で駆動することで取得することができる。従って、制御系において上記A方向とB方向の検出動作を順次行って対象物体ObのXY平面上の位置座標を取得できる。
上記のように、光検出器15により検出される位置検出光の光量比に基づいて対象物体Obの入力領域10R内の平面位置情報を取得するにあたって、例えば、図2(a)に示す位置情報生成部510の信号処理部としてマイクロプロセッサーユニット(MPU)を用い、これにより所定のソフトウェア(動作プログラム)を実行することに従って処理を行う構成を採用することができる。また、図4を参照して後述するように、論理回路などのハードウェアを用いた信号処理部で処理を行う構成を採用することもできる。
(位置情報生成部510/信号処理部の構成例)
図4は、本発明を適用した情報入力装置10および携帯用電子機器100での位置検出のための信号処理内容を示す説明図であり、図4(a)、(b)は各々、本発明を適用した情報入力装置10および携帯用電子機器100の信号処理部の説明図、および信号処理部の発光強度補償指令部での処理内容を示す説明図である。
本形態の情報入力装置10および携帯用電子機器100において、位置情報生成部510は、図4(a)に示す信号処理部150を備えている。また、本形態の情報入力装置10および携帯用電子機器100は、位置検出用光源駆動回路110を備えており、位置検出用光源駆動回路110は、位置検出用光源12Aに対して可変抵抗111を介して駆動パルスを印加し、位置検出用光源12Bに対して反転回路113および可変抵抗112を介して駆動パルスを印加する。このため、位置検出用光源駆動回路110は、位置検出用光源12Aと位置検出用光源12Bとに対して逆相の駆動パルスを印加し、位置検出光L2a、L2bを変調させて出射させる。そして、位置検出光L2a、L2bが対象物体Obで反射した光を共通の光検出器15で受光する。光強度信号生成回路140において、光検出器15には、1kΩ程度の抵抗15rが直列に電気的接続されており、それらの両端にはバイアス電圧Vbが印加されている。
光強度信号生成回路140において、光検出器15と抵抗15rとの接続点P1には、信号処理部150が電気的に接続されている。光検出器15と抵抗15rとの接続点P1から出力される検出信号Vcは、下式
Vc=V15/(V15+抵抗15rの抵抗値)
V15:光検出器15の等価抵抗
で表される。従って、環境光が光検出器15に入射しない場合と、環境光が光検出器15に入射している場合とを比較すると、環境光が光検出器15に入射している場合には、検出信号Vcのレベルおよび振幅が大きくなる。
信号処理部150は概ね、位置検出用信号抽出回路190、位置検出用信号分離回路170、および発光強度補償指令回路180を備えている。
位置検出用信号抽出回路190は、1nF程度のキャパシタからなるフィルター192を備えており、かかるフィルター192は、光検出器15と抵抗15rとの接続点P1から出力された信号から直流成分を除去するハイパスフィルターとして機能する。このため、フィルター192によって、光検出器15と抵抗15rとの接続点P1から出力された検出信号Vcからは、光検出器15による位置検出光L2a、L2bの位置検出信号Vdが抽出される。すなわち、位置検出光L2a、L2bは変調されているのに対して、環境光はある期間内において強度が一定であると見なすことができるので、環境光に起因する低周波成分あるいは直流成分はフィルター192によって除去される。
また、位置検出用信号抽出回路190は、フィルター192の後段に、220kΩ程度の帰還抵抗194を備えた加算回路193を有しており、フィルター192によって抽出された位置検出信号Vdは、バイアス電圧Vbの1/2倍の電圧V/2に重畳された位置検出信号Vsとして位置検出用信号分離回路170に出力される。
位置検出用信号分離回路170は、位置検出用光源12Aに印加される駆動パルスに同期してスイッチング動作を行なうスイッチ171と、比較器172と、比較器172の入力線に各々、電気的接続されたキャパシタ173とを備えている。このため、位置検出信号Vsが位置検出用信号分離回路170に入力されると、位置検出用信号分離回路170から発光強度補償指令回路180には、位置検出光L2aが点灯している期間での位置検出信号Vsの実効値Veaと、位置検出光L2bが点灯している期間での位置検出信号Vsの実効値Vebとが交互に出力される。
発光強度補償指令回路180は、実効値Vea、Vebを比較して、図3(b)に示す処理を行ない、位置検出光L2aが点灯している期間での位置検出信号Vsの実効値Veaと、位置検出光L2bが点灯している期間での位置検出信号Vsの実効値Vebとが同一レベルとなるように位置検出用光源駆動回路110に制御信号Vfを出力する。すなわち、発光強度補償指令回路180は、位置検出光L2aが点灯している期間での位置検出信号Vsの実効値Veaと、位置検出光L2bが点灯している期間での位置検出信号Vsの実効値Vebとを比較して、それらが等しい場合、位置検出用光源12A、12Bに対する現状の駆動条件を維持させる。これに対して、位置検出光L2aが点灯している期間での位置検出信号Vsの実効値Veaが、位置検出光L2bが点灯している期間での位置検出信号Vsの実効値Vebより低い場合、発光強度補償指令回路180は、可変抵抗111の抵抗値を下げさせて位置検出用光源12Aの出射光量を高める。また、位置検出光L2bが点灯している期間での位置検出信号Vsの実効値Vebが、位置検出光L2aが点灯している期間での位置検出信号Vsの実効値Veaより低い場合、発光強度補償指令回路180は、可変抵抗112の抵抗値を下げさせて位置検出用光源12Bの出射光量を高める。
このようにして、情報入力装置10および携帯用電子機器100では信号処理部150の発光強度補償指令回路180によって、光検出器15による位置検出光L2a、L2bに対する検出量が同一となるように、位置検出用光源12A、12Bの制御量(電流量)を制御する。従って、発光強度補償指令回路180には、位置検出光L2aが点灯している期間での位置検出信号Vsの実効値Veaと、位置検出光L2bが点灯している期間での位置検出信号Vsの実効値Vebとが同一レベルとなるような位置検出用光源12A、12Bでの制御量に関する情報が存在するので、かかる情報を位置検出信号Vgとして位置検出部120に出力すれば、位置検出部120は、入力領域10Rにおける対象物体Obの矢印A方向における位置座標を得ることができる。また、同様な原理を利用すれば、入力領域10Rにおける対象物体Obの矢印B方向における位置座標を得ることができる。それ故、図2(a)、(b)に示す位置情報生成部510において、X座標検出部511は、対象物体ObのXY平面上のX座標を検出することができ、Y座標検出部512は、対象物体ObのXY平面上のY座標を検出することができる。
ここで、本形態の情報入力装置10は、光学式であるため、入力領域10Rに対して非接触状態で入力可能である。このため、対象物体Obで入力領域10Rを擦る程度の動作でも、対象物体Obの位置を検出することができる。また、本形態の情報入力装置10は、光学式であるため、耐電磁ノイズ性に優れている。
また、本形態では、位置検出用信号抽出回路190において、フィルター192は、光検出器15と抵抗15rとの接続点P1から出力された検出信号Vcから、環境光に起因する直流成分を除去して位置検出信号Vdを抽出する。このため、光検出器15と抵抗15rとの接続点P1から出力された検出信号Vcに環境光の赤外成分に起因する信号成分が含まれている場合でも、かかる環境光の影響をキャンセルすることができる。
(別の位置検出方法)
本形態の情報入力装置10では、位置検出用光源12A、12Dを同相で駆動し、位置検出用光源12B、12Cを同相で駆動し、かつ、位置検出用光源12A、12Dと位置検出用光源12B、12Cとを逆相で駆動して、第1方向(X方向)に位置検出用の位置検出光を生成してもよい。この場合、異なるタイミングで、位置検出用光源12A、12Cを同相で駆動し、位置検出用光源12B、12Dを同相で駆動し、かつ、位置検出用光源12A、12Cと位置検出用光源12B、12Dとを逆相で駆動して、第2方向(Y方向)に位置検出用の位置検出光を生成してもよい。かかる方法でも、対象物体ObのXY平面上の位置座標を取得できる。このような位置検出用光源を複数同時に点灯する構成によれば、例えば、位置検出光の明暗傾斜分布が、1つの位置検出用光源を点灯する構成よりも広い範囲で好適に得られるため、より正確な位置検出が可能である。
(対象物体Obの移動情報の生成方法)
図5は、本発明を適用した情報入力装置10および携帯用電子機器100でのデータ処理内容を示すフローチャートである。
図2(a)および図5において、本形態の情報入力装置10および携帯用電子機器100では、入力領域10R内に対象物体が入ったことにより以下の処理が開始される。まず、ステップST1において、位置情報生成部510は、入力領域10R内における対象物体Obの位置を検出し、その結果により位置情報(X座標およびY座標)を生成するとともに、位置情報を時系列的に位置情報記憶部513に記憶させる(位置情報生成工程)。その際、X座標検出部511は、入力領域10R内における対象物体ObのX座標を検出し、Y座標検出部512は、入力領域10R内における対象物体ObのY座標を検出し、これらの結果により、位置情報が生成される。ここで、携帯用電子機器100が対象物体Obの位置自身を入力情報として扱うモードである場合、位置情報生成部510は位置情報を制御部470に出力する。これに対して、携帯用電子機器100が対象物体Obの動きを入力情報として扱うモードである場合、以下の動作が行なわれる。
ステップST2において、移動距離検出部530は、位置情報記憶部513に記憶されている位置情報に基づいて対象物体Obの移動距離を算出する(移動距離検出工程)。すなわち、位置情報記憶部513に記憶されている位置情報に基づいて、対象物体Obの時間的な移動量を算出していけば、その総和が移動距離となる。
次に、ステップST3において、移動距離比較部550は、移動距離が閾値以上であるか否かを判定する。その結果、移動距離が閾値未満である場合、処理を終了し、今回の対象物体Obの移動を情報入力と見なさない。
これに対して、移動距離が閾値以上である場合、移動情報生成部570は、対象物体Obの移動パターンに対応する移動情報を生成する(ステップST4、ST5/移動情報生成工程)。より具体的には、移動情報生成部570は、まず、ステップST4において、位置情報記憶部513に記憶されている位置情報の時間的な変化のパターンと、パターンデータ記憶部571に記憶されているデータと対比して、対象物体Obの移動パターンが直線移動か回転移動かを判定する。次に、移動情報生成部570において、移動方向判定部572は、ステップST5において、位置情報記憶部513に記憶されている位置情報に基づいて、対象物体Obの移動方向を判定する。すなわち、移動方向判定部572は、位置情報記憶部513に記憶されている位置情報に基づいて、対象物体Obの位置が座標上のいずれの方向に移動しているかを算出し、対象物体Obの移動方向を判定する。
次に、ステップST6において、移動情報生成部570は、対象物体Obの移動が直線移動であるか、あるいは回転移動であるかの判定結果と、対象物体Obの移動方向の判定結果とに対応する移動情報を生成した後、制御部470に出力する。
その結果、制御部470は、電子機器本体20で現在実施しているモード、および移動情報に基づいて電子機器本体20で異なる動作を行なわせる。例えば、制御部470は、画像生成装置200によって画像が表示されている場合、移動情報に基づいて画像生成装置200に異なる画像を表示させる。また、制御部470は、音声再生装置300が音声を再生している場合、移動情報に基づいて音声再生条件を変更させる。
本形態において、入力に利用される対象物体Obの動きとは、具体的には、例えば、図2(b)に動作(1)として示すように、携帯用電子機器100を左手で持った状態で、左手の親指(対象物体Ob)で入力領域10Rを一方方向に擦る動作である、かかる動作を行なうと、それに対応する移動情報が上記の制御部470に入力される。その結果、電子機器本体20がモード選択モードであれば、画像生成装置200により表示されていた画像は初期画面に戻る。これに対して、電子機器本体20が通話モードであれば、通話を停止する。
図2(b)に動作(2)として示すように、携帯用電子機器100を左手で持った状態で、左手の親指(対象物体Ob)で入力領域10Rを一方方向に擦った後、他方方向に擦ると、それに対応する移動情報が上記の制御部470に入力される。その結果、電子機器本体20がメニュー画面であれば、メールモードが起動し、受信メールを開封する画像に切り換わる。また、電話がかかってきた際に同様な動きをすると、電話を受ける状態になる。
図2(b)に動作(3)として示すように、携帯用電子機器100を左手で持った状態で、左手の親指(対象物体Ob)を入力領域10R上で1回転擦ると、それに対応する移動情報が上記の制御部470に入力される。その際、右周りであれば音楽プレーヤーが起動し、左回りであれば、カメラが起動する。
図2(b)に動作(4)として示すように、音楽再生中に携帯用電子機器100を左手で持った状態で、左手の親指(対象物体Ob)で入力領域10Rを右から左に擦ると、次の曲が再生され、動作(5)として示すように、音楽再生中に携帯用電子機器100を左手で持った状態で、左手の親指(対象物体Ob)で入力領域10Rを左から右に擦ると、前の曲が再生される。図2(b)に動作(6)として示すように、音楽再生中に携帯用電子機器100を左手で持った状態で、左手の親指(対象物体Ob)で入力領域10Rを一方方向に擦った後、他方方向に擦ると、アルバムの変更が行なわれる。また、図2(b)に動作(7)として示すように、携帯用電子機器100を左手で持った状態で、左手の親指(対象物体Ob)を入力領域10R上で1回転擦ると、音量が変化する。すなわち、右周りであれば音量が増大し、左回りであれば音量が低下する。
かかる入力動作は、親指を対象物体Obとした場合以外にも、例えば、携帯用電子機器100を手に持ったまま、入力領域10Rを着衣で擦るという動作でも実現することができる。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の情報入力装置10および携帯用電子機器100では、位置検出光L2a〜L2dが導光板13の光出射面13sから出射され、これが導光板13の出射側に配置された対象物体Obによって反射されると、この反射光が光検出器15によって検出される。ここで、入力領域10Rにおける位置検出光L2a〜L2dの強度と位置検出用光源12A〜12Dからの距離とが所定の相関性を有しているので、光検出器15を介して得られた受光強度から対象物体Obの位置を検出することができる。それ故、対象物体として特殊なペンを用いなくても、入力を行なうことができる。また、本形態の情報入力装置10では、入力領域10Rに非接触で入力を行なうことができる。
また、本形態の情報入力装置10および携帯用電子機器100は、入力領域10R内で対象物体Obが予め設定された距離以上を移動した際に対象物体Obの動きに対応する情報を生成する。しかも、入力領域10Rでは、非接触状態での入力が可能である。このため、親指や着ている服で入力領域を擦るという動作によって情報を入力することができ、かかる動作であれば、情報入力装置10や携帯用電子機器100を片手で持った状態で、他の手を用いなくても実施することができるので使い勝手がよい。また、入力領域10R内で対象物体Obが予め設定された距離未満の場合には、対象物体Obの動きに対応する情報を生成しないので、入力領域10Rを擦るという動作による入力の待機期間中、入力領域に触れただけのときは入力動作と見なさない。それ故、誤入力を防止することができる。
また、本形態において、移動情報が生成される移動パターンには、対象物体Obが直線移動した際の直線移動パターン、および対象物体Obが回転移動した際の回転移動パターンが含まれている。さらに、移動情報には、対象物体Obの移動方向に対応する移動方向情報も含まれている。このため、移動情報の種類を増やすことができるので、様々な情報入力に用いることができる。
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、位置検出用光源12A〜12Dから放出された位置検出光を導光板13を介して入力領域10Rに出射して位置検出光の光強度分布を形成する構成であったが、導光板13を用いずに、位置検出用光源から放出された位置検出光を直接、入力領域10Rに放出して位置検出光の光強度分布を形成するタイプの情報入力装置10に本発明を適用してもよい。
[携帯用電子機器100の変形例]
図6および図7は、本発明の変形例に係る情報入力装置10および携帯用電子機器100の説明図であり、図6および図7は各々、情報入力装置10および携帯用電子機器100の分解斜視図、および断面構成を示す説明図である。なお、本形態の携帯用電子機器100において、情報入力装置10の構成は、上記実施の形態と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図6および図7に示す携帯用電子機器100は、情報入力装置10と画像生成装置200とを備えており、情報入力装置10は、位置検出光を放出する位置検出用光源12と、導光板13と、光検出器15とを備えている。画像生成装置200は、直視型表示装置である液晶装置209と透光性のカバー30とからなる。液晶装置209は、導光板13に対して平面視で重なる領域に画像表示領域20Rを備えており、かかる画像表示領域20Rは入力領域10Rと平面視で重なっている。
本形態の携帯用電子機器100において、導光板13の光出射側には、必要に応じて、位置検出光L2a〜L2dの均―化を図るための光学シート16が配置されている。本形態においては、光学シート16として、導光板13の光出射面13sに対向する第1プリズムシート161と、第1プリズムシート161に対して導光板13が位置する側とは反対側で対向する第2プリズムシート162と、第2プリズムシート162に対して導光板13が位置する側とは反対側で対向する光散乱板163とが用いられている。なお、光学シート16に対して導光板13が位置する側とは反対側には矩形枠状の遮光シート17が光学シート16の周囲に配置されている。かかる遮光シート17は、位置検出用光源12A〜12Dから出射された位置検出光L2a〜L2dが漏れるのを防止する。
液晶装置209(画像生成装置200)は、光学シート16(第1プリズムシート161、第2プリズムシート162および光散乱板163)に対して導光板13が位置する側とは反対側に液晶パネル209aを備えている。本形態において、液晶パネル209aは、透過型の液晶パネルであり、2枚の透光性基板21、22をシール材23で貼り合わせ、基板間に液晶24を充填した構造を有している。本形態において、液晶パネル209aは、アクティブマトリクス型液晶パネルであり、2枚の透光性基板21、22の一方側には透光性の画素電極、データ線、走査線、画素スイッチング素子(図示せず)が形成され、他方側には透光性の共通電極(図示せず)が形成されている。なお、画素電極および共通電極が同一の基板に形成されることもある。かかる液晶パネル209aでは、各画素に対して走査線を介して走査信号が出力され、データ線を介して画像信号が出力されると、複数の画素の各々で液晶24の配向が制御される結果、画像表示領域20Rに画像が形成される。
液晶パネル209aにおいて、一方の透光性基板21には、他方の透光性基板22の外形より周囲に張り出した基板張出部21tが設けられている。この基板張出部21tの表面)上には駆動回路などを構成する電子部品25が実装されている。また、基板張出部21tには、フレキシブル配線基板(FPC)などの配線部材26が接続されている。なお、基板張出部21t上には配線部材26のみが実装されていてもよい。なお、必要に応じて透光性基板21、22の外面側には偏光板(図示せず)が配置される。
ここで、対象物体Obの平面位置を検出するためには、位置検出光L2a〜L2dを対象物体Obによる操作が行われる視認側へ出射させる必要があり、液晶パネル209aは、導光板13および光学シート16よりも視認側(操作側)に配置されている。従って、液晶パネル209aにおいて、画像表示領域20Rは、位置検出光L2a〜L2dを透過可能に構成される。なお、液晶パネル209aが導光板13の視認側とは反対側に配置される場合には、画像表示領域20Rが位置検出光L2a〜L2dを透過するように構成されている必要はないが、その代りに、画像表示領域20Rが導光板13を通して視認側より透視可能に構成される必要がある。
液晶装置209は、液晶パネル209aを照明するための照明装置40を備えている。本形態において、照明装置40は、導光板13に対して液晶パネル209aが位置する側とは反対側において導光板13と反射板14との間に配置されている。照明装置40は、照明用光源41と、この照明用光源41から放出される照明光を伝播させながら出射する照明用導光板43とを備えており、照明用導光板43は、矩形の平面形状を備えている。照明用光源41は、例えばLED(発光ダイオード)などの発光素子で構成され、駆動回路(図示せず)から出力される駆動信号に応じて、例えば白色の照明光L4を放出する。本形態において、照明用光源41は、照明用導光板43の辺部分43aに沿って複数、配列されている。
照明用導光板43は、辺部分43aに隣接する光出射側の表面部分(光出射面43sの辺部分43a側の外周部)に傾斜面43gが設けられ、照明用導光板43は、辺部分43aに向けて厚みが徐々に増加している。かかる傾斜面43gを有する入光構造によって、光出射面43sが設けられる部分の厚みの増加を抑制しつつ、辺部分43aの高さを照明用光源41の光放出面の高さに対応させてある。
かかる照明装置40において、照明用光源41から出射された照明光は、照明用導光板43の辺部分43aから照明用導光板43の内部に入射した後、照明用導光板43の内部を反対側の外縁部43bに向けて伝播し、一方の表面である光出射面43sから出射される。ここで、照明用導光板43は、辺部分43a側から反対側の外縁部43bに向けて内部伝播光に対する光出射面43sからの出射光の光量比率が単調に増加する導光構造を有している。かかる導光構造は、例えば、照明用導光板43の光出射面43s、または背面43tに形成された光偏向用あるいは光散乱用の微細な凹凸形状の屈折面の面積、印刷された散乱層の形成密度などを上記内部伝播方向に向けて徐々に高めることで実現される。このような導光構造を設けることで、辺部分43aから入射した照明光L4は光出射面43sからほぼ均一に出射される。
本形態において、照明用導光板43は、液晶パネル209aの視認側とは反対側で液晶パネル209aの画像表示領域20Rと平面的に重なるように配置され、いわゆるバックライトとして機能する。但し、照明用導光板43を液晶パネル209aの視認側に配置して、いわゆるフロントライトとして機能するように構成してもよい。また、本形態において、照明用導光板43は導光板13と反射板14との間に配置されているが、照明用導光板43を光学シート16と導光板13との間に配置してもよい。また、照明用導光板43と導光板13とは共通の導光板として構成してもよい。また、本形態では、光学シート16を位置検出光L2a〜L2dと照明光L4との間で共用としている。但し、照明用導光板43の光出射側に、上記の光学シート16とは別の専用の光学シートを配置してもよい。これは、照明用導光板43においては光出射面43sから出射される照明光L4の平面輝度を均―化することを目的に、十分な光散乱作用を呈する光散乱板を用いることが多いが、位置検出用の導光板13においては光出射面13sから出射される位置検出光L2a〜L2dを大きく散乱させてしまうと位置検出の妨げとなる。このため、光散乱板を設けないか、あるいは比較的軽度の光散乱作用を呈する光散乱板を用いる必要があることから、光散乱板については照明用導光板43の専用品とすることが好ましい。但し、プリズムシート(第1プリズムシート161や第2プリズムシート162)などの集光作用のある光学シートについては共用としても構わない。
10・・情報入力装置、10R・・入力領域、12A、12B、12C、12D・・位置検出用光源、13・・導光板、13a、13b、13c、13d・・光入射部、13s・・光出射面、15・・光検出器、100・・携帯用電子機器、200・・画像生成装置、400・・制御装置、470・・制御部、500・・データ処理部、510・・位置情報生成部、511・・X座標検出部、512・・Y座標検出部、530・・移動距離検出部、550・・移動距離比較部、570・・移動情報生成部、571・・パターンデータ記憶部、572・・移動方向判定部、L2a、L2b、L2c、L2d・・位置検出光

Claims (10)

  1. 入力領域内の対象物体の位置を光学的に検出する情報入力装置であって、
    前記入力領域内の前記対象物体の位置を位置情報として生成する位置情報生成部と、
    前記入力領域内での前記対象物体の移動距離を検出する移動距離検出部と、
    前記対象物体の移動距離と予め設定された閾値とを比較する移動距離比較部と、
    前記対象物体の移動距離が前記閾値以上である場合に前記対象物体の移動を複数のパターンの1つとして判別し、当該対象物体の移動パターンを移動情報として生成する移動情報生成部と、
    を有することを特徴とする情報入力装置。
  2. 前記入力領域内で前記対象物体に照射される位置検出光を放出して前記入力領域内に当該位置検出光の光強度分布を形成するための位置検出用光源と、
    前記入力領域に受光部を向けた光検出器と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の情報入力装置。
  3. 前記位置検出用光源から出射された前記位置検出光を内部に採り込んだ後、当該位置検出光を前記入力領域に向けて出射する導光板を有していることを特徴とする請求項2に記載の情報入力装置。
  4. 前記移動情報が生成される移動パターンには、前記対象物体が直線移動した際の直線移動パターン、および前記対象物体が回転移動した際の回転移動パターンが含まれていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報入力装置。
  5. 前記移動情報には、前記対象物体の移動方向に対応する移動方向情報が含まれていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の情報入力装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の情報入力装置と、電子機器本体と、を有する携帯用電子機器であって、
    前記移動情報に基づいて前記電子機器本体で異なる動作を行なわせる制御部を備えていることを特徴とする携帯用電子機器。
  7. 前記制御部は、前記電子機器本体で現在実施しているモード、および前記移動情報に基づいて前記電子機器本体で異なる動作を行なわせることを特徴とする請求項6に記載の携帯用電子機器。
  8. 前記電子機器本体は、前記位置情報入力領域に対して平面視で重なる領域に画像を生成する画像生成装置を備え、
    前記制御部は、前記移動情報に基づいて前記画像生成装置に異なる動作を行なわせることを特徴とする請求項6または7に記載の携帯用電子機器。
  9. 前記電子機器本体は、前記入力領域に対して平面視で重なる領域に画像を生成する画像生成装置と、音声再生装置と、を備え、
    前記制御部は、前記移動情報に基づいて前記画像生成装置および前記音声再生装置のうちの少なくとも一方で異なる動作を行なわせることを特徴とする請求項6または7に記載の携帯用電子機器。
  10. 入力領域内の対象物体の位置を光学的に検出する情報入力方法であって、
    前記入力領域内の前記対象物体の位置を位置情報として生成する位置情報生成工程と、
    前記入力領域内での前記対象物体の移動距離を検出する移動距離検出工程と、
    前記対象物体の移動距離と予め設定された閾値とを比較する移動距離比較工程と、
    前記対象物体の移動距離が前記閾値以上である場合に前記対象物体の移動を複数のパターンの1つとして判別し、当該対象物体の移動パターンを移動情報として生成する移動情報生成工程と、
    を有することを特徴とする情報入力方法。
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