JP2011037839A - 塩及びレジスト組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な解像度を示すレジスト組成物に好適に使用される塩及び該塩を含有するレジスト組成物を提供する。
【解決手段】式(I)で表される塩。
Figure 2011037839

[式(I)中、Q1及びQ2は、互いに独立に、F又はC1〜6のペルフルオロアルキル基;X1は、単結合又は置換基を有していてもよい飽和炭化水素基を表し、該基に含まれるメチレン基はO又はカルボニル基で置き換わっていてもよい;Y1は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基等を表し、該基は置換基を有していてもよく、該基に含まれるメチレン基はO又はカルボニル基で置き換わっていてもよい;ただし式(I)の塩はビニル基、(メタ)アクリロイル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基を含まない。]
【選択図】なし

Description

本発明は、塩及びレジスト組成物に関する。
リソグラフィ技術を用いた半導体の微細加工に用いられる化学増幅型レジスト組成物は、露光により酸を発生する化合物からなる酸発生剤を含有してなる。
酸発生剤として、下記式で表される塩が提案されている(例えば、特許文献1)
Figure 2011037839
特開2008−107817号公報
しかし、従来の酸発生剤では、酸発生剤を含むレジスト組成物を用いて形成されるパターンの解像度が必ずしも満足できるものではない場合があった。
本願は、以下の発明を含む。
〔1〕式(I)で表される塩。
Figure 2011037839
[式(I)中、
及びQは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の脂環式炭化水素基あるいは炭素数6〜36の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、該脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
e1〜Re13は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を表すか、Re1〜Re13のうちの隣接する2つが結合して環を形成していてもよい。
Zは単結合または2価の連結基を表す。
ただし、式(I)で表される塩は、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を含まない。]
〔2〕Zが単結合である〔1〕記載の塩。
〔3〕Xが、−CO−O−[CH−(hは、0〜10の整数を表す)である〔1〕又は〔2〕記載の塩。
〔4〕Yが式(Y1)又は式(Y2)で表される基である〔1〕〜〔3〕いずれか記載の塩。
Figure 2011037839
[式(Y1)及び式(Y2)中、
環に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシジルオキシ基又は炭素数2〜4のアシル基で置換されていてもよく、環に含まれるメチレン基は、カルボニル基又は酸素原子で置き換わっていてもよい。
*は、Xとの結合手を表す。]
〔5〕上記〔1〕〜〔4〕のいずれか記載の塩を含有する酸発生剤。
〔6〕上記〔5〕記載の酸発生剤と樹脂とを含有し、該樹脂は酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶な樹脂であり、酸と作用した該樹脂はアルカリ水溶液で溶解しえる樹脂であるレジスト組成物。
〔7〕上記〔6〕記載の組成物と塩基性化合物とを含有するレジスト組成物。
〔8〕(1)上記〔6〕又は〔7〕記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程を含むパターン形成方法。
本発明の塩によれば、該塩を含むレジスト組成物を用いて優れた解像度を有するパターンを形成することができる。
本発明の塩は、式(I)で表される(以下、「塩(I)」と記載することがある)。
Figure 2011037839
[式(I)中、
及びQは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の脂環式炭化水素基あるいは炭素数6〜36の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、該脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
e1〜Re13は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を表すか、Re1〜Re13のうちの隣接する2つが結合して環を形成していてもよい。
Zは単結合または2価の連結基を表す。
ただし、式(I)で表される塩は、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を含まない。]
本明細書では、特に断りのない限り、同様の置換基を有するいずれの化学構造式も、炭素数を適宜選択しながら、後述する具体的な各置換基を適用することができる。直鎖状、分岐状又は環状いずれかをとることができるものは、特記ない限りそのいずれをも含み、また、同一の基において、直鎖状、分岐状及び/又は環状の部分構造が混在していてもよい。立体異性体が存在する場合は、それらの立体異性体の全てを包含する。さらに、各置換基は、結合部位によって一価又は二価の置換基となり得る。
また、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH2=CH−CO−」又は「CH2=C(CH3)−CO−」の構造を有するモノマーの少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」並びに「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
本明細書においては、ペルフルオロアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロ−n−プロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロ−n−ブチル基、ペルフルオロ−sec−ブチル基、ペルフルオロ−tert−ブチル基、ペルフルオロ−n−ペンチル基、ペルフルオロ−n−ヘキシル基などが挙げられる。なかでも、ペルフルオロメチル基が好ましい。
飽和炭化水素基としては、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基を含む2価の基が挙げられる。
アルキレン基としては、例えば、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、sec−ブチレン基及びtert−ブチレン基などが挙げられる。
シクロアルキレン基を含む2価の基としては、式(X−A)〜式(X−C)で表される基が挙げられる。
Figure 2011037839
[式(X−A)〜式(X−C)中、
1A及びX1Bは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基を表す。ただし、式(X−A)〜式(X−C)で表される基の炭素数は1〜17である。]
直鎖状又は分岐状の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基などのアルキル基が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、イソボルニル基などのシクロアルキル基が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基;トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
式(I)で表される塩のアニオンにおいては、Q1およびQ2は、それぞれ独立にフッ素原子または−CFであることが好ましく、両方ともフッ素原子がより好ましい。
また、Xにおける炭素数1〜17の飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
における置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、グリシジルオキシ基あるいは炭素数2〜4のアシル基等が挙げられる。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、トリチル、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
アシル基としては、アセチル、プロピオニル、ブチリル等が挙げられる。
としては、具体的には、下記の基が挙げられる。なお、*はC(Q1)(Q2)との結合手を表す。
Figure 2011037839
は、−CO−O−X10−、−CO−O−X11−CO−O−、−X11−O−CO−、−X11−O−X12−であることが適しており、−CO−O−X10−、−CO−O−X11−CO−O−が好ましい。ただし、X10、X11及びX12は、互いに独立に、単結合、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜15のアルキレン基を表す。なかでも、−CO−O−[CH−(hは、0〜10の整数を表す)が好ましい。
における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシジルオキシ基又は炭素数2〜4のアシル基からなる群から選択される1以上が挙げられる。特に、これらの置換基においては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基を含まないことが好ましい。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキトキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、2−エチルヘキトキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基等が挙げられる。
式(I)で表される塩のアニオンとしては、以下の式(IA)、式(IB)、式(IC)、式(ID)等が挙げられる。なかでも、式(IA)及び式(IB)で表されるアニオン等が適している。
Figure 2011037839
[式(IA)、式(IB)、式(IC)及び式(ID)中、
、Q及びYは、式(I)における定義と同じである。
10、X11及びX12は、互いに独立に、単結合、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜15のアルキレン基を表す。]
は、式(Y0)で表される基が挙げられる。
Figure 2011037839
[式(Y0)中、
環W’は、炭素数3〜36の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
は、互いに独立に、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシジルオキシ基又は炭素数2〜4のアシル基を表す。
xは、0〜8の整数を表す。xが2以上の場合、複数のRは、同一でも異なってもよい。
は、水素原子あるいは直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6の炭化水素基を表すか、環W’に含まれる炭素原子と互いに結合して環を形成していてもよい。]
炭化水素としては、飽和又は不飽和の炭化水素基を含み、上述したように、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、アリール、アラルキル基又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。
xは、好ましくは0〜6の整数、より好ましくは0〜4の整数を表す。
環W’として、式(W1)〜式(W26)などが挙げられる。*は、Xとの結合手を表す。
Figure 2011037839
なかでも、Yは、式(Y1)又は式(Y2)で表される基がより好ましい。
Figure 2011037839
[式(Y1)及び式(Y2)中、
環に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシジルオキシ基又は炭素数2〜4のアシル基で置換されていてもよく、環に含まれるメチレン基は、カルボニル基又は酸素原子で置き換わっていてもよい。
*は、Xとの結合手を表す。]
としては、さらに、環W’に含まれる水素原子が置換されていないか又は炭化水素基のみで置換された基(ただし、該環W’に含まれるメチレン基は、酸素原子で置き換わっていてもよい。)及び水酸基又は水酸基を含む基で置換された基(ただし、ラクトン構造を有するものを除く)並びに環W’に含まれる隣接する2つのメチレン基が酸素原子とカルボニル基とで置き換わったラクトン構造を有する基及び環W’に含まれる1つのメチレン基がカルボニル基で置き換わったケトン構造を有する基、環W’に含まれる水素原子が芳香族炭化水素基又は芳香環を有する基で置換された基、環W’に含まれる1つのメチレン基が酸素原子で置き換わったエーテル構造を有する基などが挙げられる。
環W’に含まれる水素原子が置換されていないか又は炭化水素基のみで置換された(該炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子で置き換わっていてもよい。)Yとしては、例えば、以下の基が挙げられる。
Figure 2011037839
環W’に含まれる水素原子が水酸基又は水酸基を含む基で置換されたY(ただし、ラクトン構造を有さない。)としては、例えば、以下の基が挙げられる。
Figure 2011037839
環W’に含まれる隣接する2つのメチレン基がカルボニル基と酸素原子とで置き換わったラクトン構造を有するYとしては、例えば、以下の基が挙げられる。
Figure 2011037839
環W’に含まれる1つのメチレン基がカルボニル基で置き換わったケトン構造を有するYとしては、例えば、以下の基が挙げられる。
Figure 2011037839
環W’に含まれる水素原子が芳香族炭化水素基又は芳香環を有する基で置換されたYとしては、例えば、以下の基が挙げられる。
Figure 2011037839
環W’に含まれる1つのメチレン基が酸素原子で置き換わったエーテル構造を有するYとしては、例えば、以下の基が挙げられる。
Figure 2011037839
式(IA)で表されるアニオンとしては、例えば、下記のもの等が例示される。
式(IA)中、環W’に含まれる水素原子が炭化水素基のみで置換された(該炭化水素基に含まれるメチレン基は酸素原子で置き換わっていてもよい。)アニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
Figure 2011037839
Figure 2011037839
式(IA)中、環W’に含まれる水素原子が水酸基又は水酸基を含む基で置換されたアニオン(ただし、ラクトン構造を有さない。)としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
Figure 2011037839
Figure 2011037839

Figure 2011037839
式(IA)中、環W’に含まれる隣接する2つのメチレン基が酸素原子とカルボニル基とで置き換わったラクトン構造を有するアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。

Figure 2011037839
式(IA)中、環W’に含まれるメチレン基がカルボニル基で置き換わったケトン構造を有するアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。

Figure 2011037839
式(IA)中、環W’に含まれる水素原子が芳香族炭化水素基又は芳香環を有する基で置換されたアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
Figure 2011037839
式(IA)中、環W’に含まれるメチレン基が酸素原子で置き換わったエーテル構造を有するアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
Figure 2011037839
式(IB)で表されるアニオンとして、例えば、下記のもの等が挙げられる。
式(IB)中、環W’に含まれる水素原子が置換されていないか又は炭化水素基のみで置換された(環W’に含まれるメチレン基は酸素原子で置き換わっていてもよい。)アニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
Figure 2011037839
Figure 2011037839
式(IB)中、環W’に含まれる水素原子が水酸基又は水酸基を含む基で置換されたアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
Figure 2011037839
式(IB)中、環W’に含まれる隣接する2つのメチレン基が酸素原子とカルボニル基とで置き換わったラクトン構造を有するアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
Figure 2011037839
式(IB)中、環W’に含まれる1つのメチレン基がカルボニル基で置き換わったケトン構造を有するアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
Figure 2011037839
式(IB)中、環W’に含まれる水素原子が芳香族炭化水素基で置換されたアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。

Figure 2011037839
式(IC)で表されるアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
式(IC)中、環W’に含まれる水素原子が置換されていないか又は炭化水素基のみで置換された(環W’に含まれるメチレン基は酸素原子で置き換わっていてもよい。)アニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
Figure 2011037839
式(IC)中、環W’に含まれる水素原子が水酸基又は水酸基を含む基で置換されたアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
Figure 2011037839
式(IC)中、環W’に含まれる1つのメチレン基がカルボニル基で置き換わったケトン構造を有するアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
Figure 2011037839
式(ID)で表されるアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
式(ID)中、環W’に含まれる水素原子が置換されていないか又は炭化水素基のみで置換された(環W’に含まれるメチレン基は酸素原子で置き換わっていてもよい。)アニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
Figure 2011037839
式(ID)中、環W’に含まれる水素原子が水酸基又は水酸基を含む基で置換されたアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
Figure 2011037839
式(ID)中、環W’に含まれる1つのメチレン基がカルボニル基で置き換わったケトン構造を有するアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
Figure 2011037839
式(I)で表される塩のカチオンは、式(EE)で表される。
Figure 2011037839
[式(EE)中、
e1〜Re13は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子または置換基を表すか、Re1〜Re13のうちの隣接する2つが結合して環を形成していてもよい。
Zは単結合または2価の連結基である。]
e1〜Re13における置換基としては、例えば、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基、ホスファト基、スルファト基などが挙げられる。
また、Re1〜Re13の隣接する2つが結合して形成する環としては、例えば、芳香族又は非芳香族の炭化水素環又は複素環などが挙げられる。これらは、さらに組み合わされて多環縮合環を形成することができる。
具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環などが挙げられる。
e1〜Re13としては、好ましくは、水素原子又はハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、シリル基、ウレイド基である。
さらに好ましくは、水素原子又はハロゲン原子、水酸基、アルキル基、シアノ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基である。
特に好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基又はアルコキシ基である。
つまり、Re1〜Re13としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を含まないことが好ましい。
2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基、スルホニルアミド基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、ジスルフィド基、アシル基、アルキルスルホニル基、−CH=CH−、−C≡C−、アミノカルボニルアミノ基、アミノスルホニルアミノ基、酸素原子、硫黄原子及び−SO−などが挙げられる。これらはさらに置換基を有してもよい。この置換基としては、Re1〜Re13として例示したものから選択することができる。
Zとしては、好ましくは、単結合、アルキレン基、アリーレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、−CH=CH−、−C≡C−、アミノカルボニルアミノ基、アミノスルホニルアミノ基、酸素原子、硫黄原子及び−SO−などが挙げられる。これらはさらに置換基を有してもよい。この置換基としては、Ra1〜Ra13として例示したものから選択することができる。
さらに好ましくは、単結合、エーテル基、チオエーテル基、酸素原子、硫黄原子及び−SO−が挙げられる。
特に好ましくは単結合が挙げられる。
式(EE)で表されるカチオンとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2011037839
(式中、Re1、Re5、Re9は、上記と同じ意味を表し、
tは、0〜3の整数を表す。)
式(EE)で表されるカチオンは、具体的には、以下のカチオンが挙げられる。
Figure 2011037839
前記アニオン及び前記カチオンは、任意に組合せることができる。
例えば、式(I)で表される塩は、式(I−1)〜式(I−8)のいずれかで表される化合物が挙げられる。このような化合物を酸発生剤として使用した場合、良好な解像度を示すレジスト組成物を与えることができる。
Figure 2011037839
式(I)で表される塩は、以下の製造方法によって形成することができる。なお、以下の酸発生剤の製造方法で示される式においては、特記しないかぎり、各置換基の定義は、上記したものと同じ意味を示す。
例えば、式(1)で表される塩と、式(3)で表されるオニウム塩とを、例えば、アセトニトリル、水、メタノール、クロロホルム、塩化メチレン又は非プロトン性溶媒等の不活性溶媒中にて、0〜150℃程度の温度範囲、好ましくは0〜100℃程度の温度範囲で攪拌して反応させる方法などにより製造することができる。ここで、非プロトン性溶媒中とは、例えば、ジクロロエタン、トルエン、エチルベンゼン、モノクロロベンゼン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
Figure 2011037839
[式中、Mは、Li、Na、K又はAgを表す。
1−は、F、Cl、Br、I、BF 、AsF 、SbF 、PF 又はClO を表す。]
式(3)のオニウム塩の使用量は、通常、式(1)で表される塩1モルに対して、0.5〜2モル程度である。該塩は再結晶で取り出してもよいし、水洗して精製してもよい。
式(1)で表される塩のうち、前記式(IA)で表されるアニオンを有する塩は、例えば、先ず、式(4)で表されるアルコールと、式(5)で表されるカルボン酸とをエステル化反応させて得ることができる。
Figure 2011037839
エステル化反応における式(5)で表されるカルボン酸の使用量は、通常、式(4)で表されるアルコール1モルに対して、0.2〜3モル程度、好ましくは0.5〜2モル程度である。エステル化反応における酸触媒の使用量は、触媒量でも溶媒に相当する量でもよく、通常、0.001〜5モル程度である。
また、式(1)で表される塩のうち、前記式(IA)で表されるアニオンを有する塩は、例えば、式(6)で表されるアルコールと式(7)で表されるカルボン酸とをエステル化反応した後、MOHで加水分解するなどによっても製造することができる。
Figure 2011037839
MOHで表されるアルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどが挙げられ、好ましくは水酸化リチウム及び水酸化ナトリウムが挙げられる。
前記エステル化反応は、通常、上記と同様の非プロトン性溶媒中にて、20〜200℃程度の温度範囲、好ましくは、50〜150℃程度の温度範囲で攪拌して行えばよい。
エステル化反応は、通常、酸触媒としてp−トルエンスルホン酸などの有機酸及び/又は硫酸等の無機酸を添加してもよい。
さらに、前記のエステル化反応においては、脱水剤を添加してもよい。
脱水剤として、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−アルキル−2−ハロピリジニウム塩、1,1−カルボニルジイミダゾール、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸塩化物、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、ジ−2−ピリジル炭酸塩、ジ−2−ピリジルチオノ炭酸塩、4−(ジメチルアミノ)ピリジン存在下での6−メチル−2−ニトロ安息香酸無水物等が挙げられる 酸触媒を用いたエステル化反応は、ディーンスターク装置を用いるなどして、脱水しながら実施すると、反応時間が短縮化される傾向があることから好ましい。
式(IA)で表されるアニオンを有する塩の製造方法は、式(IB)で表されるアニオンを有する塩の製造においても、同様に適用できる。
さらに、式(1)で表される塩のうち、式(IC)で表されるアニオンを有する塩は、例えば、先ず、式(8)で表されるカルボン酸と、式(9)で表されるアルコールとをエステル化反応させて得ることができる。
Figure 2011037839
エステル化反応における式(9)で表されるアルコールの使用量としては、式(8)で表されるカルボン酸1モルに対して、0.5〜3モル程度、好ましくは1〜2モル程度である。エステル化反応における酸触媒は式(8)で表されるカルボン酸1モルに対して、触媒量でも溶媒に相当する量でもよく、通常、0.001〜5モル程度である。エステル化反応における脱水剤は式(8)で表されるカルボン酸1モルに対して、0.5〜5モル程度、好ましくは1〜3モル程度である。
式(8)で表されるカルボン酸と式(9)で表されるアルコールとのエステル化反応は、式(8)で表されるカルボン酸を対応する酸ハライドに変換して、式(9)で表されるアルコールと反応させることにより行うこともできる。
酸ハライドに変換する試薬としては、塩化チオニル、臭化チオニル、三塩化リン、五塩化リン、三臭化リン等が挙げられる。酸ハライド化反応に用いられる溶媒としては、上記と同様の非プロトン性溶媒が挙げられる。反応は、20〜200℃程度の温度範囲、好ましくは、50〜150℃程度の温度範囲で、攪拌して行えばよい。
前記の反応において、触媒として、アミン化合物を添加することも可能である。
得られた酸ハライドを、式(9)で表されるアルコールと不活性溶媒(例えば、非プロトン性溶媒等)中で反応させることにより、式(IC)で表されるアニオンを有する塩を得ることができる。反応は、20〜200℃程度の温度範囲、さらに50〜150℃程度の温度範囲で行うことが好ましい。また、脱酸剤を用いることが適している。
脱酸剤としては、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基あるいは水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
用いる塩基の量は、酸ハライド1モルに対して、溶媒に相当する量でもよく、通常、0.001〜5モル程度で、好ましくは1〜3モル程度である。
前記(IC)で表されるアニオンを有する塩の製造方法としては、式(10)で表されるカルボン酸と式(11)で表されるアルコールとをエステル化反応した後、MOHで表されるアルカリ金属水酸化物で加水分解して塩を得る方法もある。Mは、上記と同じ意味を表す。
Figure 2011037839
式(10)で表されるカルボン酸と式(11)で表されるアルコールとのエステル化反応は、通常、上記と同様の非プロトン性溶媒中にて、20〜200℃程度の温度範囲、好ましくは、50〜150℃程度の温度範囲で攪拌して行えばよい。
エステル化反応においては、通常、上記と同様の酸触媒が添加される。
さらに、このエステル化反応では、上述したように脱水剤を添加してもよい。
式(ID)で表されるアニオンを有する塩の製造方法としては、例えば、先ず、式(12)で表されるアルコールと式(13)で表されるアルコールとを脱水縮合させる方法などが挙げられる。
Figure 2011037839
また、式(ID)で表されるアニオンを有する塩の製造方法としては、式(14)で表されるアルコールと式(15)で表されるアルコールとを反応させた後、MOHで表されるアルカリ金属水酸化物で脱水縮合させる方法もある。
Figure 2011037839
式(14)で表されるアルコールと式(15)で表されるアルコールとの反応は、通常、非プロトン性溶媒中にて、20〜200℃程度の温度範囲、好ましくは、50〜150℃程度の温度範囲で攪拌して行えばよい。
前記反応においては、通常は、酸触媒が用いられる。
さらに、前記反応においては、上述した脱水剤を添加してもよい。
酸触媒を用いた反応は、ディーンスターク装置を用いるなどして、脱水しながら実施すると、反応時間が短縮化される傾向があることから好ましい。
前記反応における式(14)で表されるアルコールの使用量としては、式(15)で表されるアルコール1モルに対して、0.5〜3モル程度、好ましくは1〜2モル程度である。エーテル化反応における酸触媒は、式(15)で表されるアルコール1モルに対して、触媒量でも溶媒に相当する量でもよく、通常、0.001〜5モル程度である。エーテル化反応における脱水剤は式(15)で表されるアルコール1モルに対して、0.5〜5モル程度、好ましくは1〜3モル程度である。
式(16)で表されるアルコールと式(17)で表されるアルコールとの反応は、式(17)で表されるアルコールを式(18)で表される化合物に変換して、得られた式(18)で表される化合物と式(16)で表されるアルコールとを反応させることにより行うこともできる。
Figure 2011037839
[式中、Lは、塩素、臭素、ヨウ素、メシルオキシ基、トシルオキシ基又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表す。]
式(17)で表されるアルコールを式(18)で表される化合物に変換させるには、例えば、塩化チオニル、臭化チオニル、三塩化リン、五塩化リン、三臭化リン、メシルクロリド、トシルクロリド、トリフルオロメタンスルホン酸無水物等を、式(17)で表されるアルコールと反応させることが行われる。
前記の反応は、上述した不活性溶媒中で行われる。また前記の反応は、−70〜200℃程度の温度範囲、好ましくは、−50〜150℃程度の温度範囲で攪拌して行われる。また、上述したような脱酸剤を用いることが適している。
用いる塩基の量は、式(17)で表されるアルコール1モルに対して、溶媒に相当する量でもよく、通常、0.001〜5モル程度で、好ましくは1〜3モル程度である。
得られた式(18)で表される化合物を、式(16)で表されるアルコールと不活性溶媒中で反応させることにより、式(ID)で表されるアニオンを有する塩を得ることができる。反応は、20〜200℃程度の温度範囲、好ましくは、50〜150℃程度の温度範囲で行われる。
前記の反応は、脱酸剤を用いることが適している。
脱酸剤を用いる場合、その量は、式(18)で表される化合物1モルに対して、溶媒に相当する量でもよく、通常、0.001〜5モル程度で、好ましくは1〜3モル程度である。
なお、式(I)で表される酸発生剤における、カチオンの製造方法は、当該分野で公知のいずれかの方法を利用して製造することができる。例えば、下記の反応式で表される製造方法が挙げられる。
Figure 2011037839
[式中、Re1〜Re13及びZは、上記と同じ意味を表す。]
式(EE−A)で表される化合物としては、ジベンゾチオフェンスルホン等が挙げられる。
式(EE−B)で表される化合物としては、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。
式(EE−A)で表される化合物と式(EE−B)で表される化合物とを、酸及び縮合剤の存在下で反応させ、次いで、ハロゲン化アルカリ金属で反応させることにより式(EE−C)で表される化合物を得る。
酸としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等が挙げられる。
縮合剤としては、五酸化二リン、メタンスルホン酸無水物等が挙げられる。
ハロゲン化アルカリ金属としては、ヨウ化カリウム等が挙げられる。
本発明の酸発生剤は、式(I)で表される塩を含有する。式(I)で表される塩は、酸発生剤として使用する時、単独でも複数種を同時に用いてもよい。また、本発明の酸発生剤は、さらに、式(I)で表される塩以外の公知の塩、式(I)で表される塩に含まれるカチオン及び公知のアニオンからなる塩並びに式(I)で表される塩に含まれるアニオン及び公知のカチオンからなる塩等を含んでいてもよい。
本発明のレジスト組成物は、式(I)で表される塩を含有する酸発生剤と樹脂とを含有する。ここでの樹脂は酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶な樹脂であり、酸と作用したこの樹脂はアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂である。
このレジスト組成物では、露光により、式(I)で示される塩から酸が発生する。その酸は、樹脂中の酸に不安定な基に対して触媒的に作用して開裂させ、樹脂をアルカリ水溶液に可溶なものとする。このようなレジスト組成物は、化学増幅型レジスト組成物、特にポジ型のレジスト組成物として好適である。
ただし、本発明のレジスト組成物では、酸発生剤として、式(I)で示される塩以外の公知の塩を併用してもよい。
酸に不安定な基としては、酸素原子に隣接する炭素原子が4級炭素原子であるアルキルエステルを有する基、脂環式エステルなどのカルボン酸エステルを有する基、酸素原子に隣接する炭素原子が4級炭素原子であるラクトン環を有する基などが挙げられる。
ここで、4級炭素原子とは、水素原子以外の置換基と結合していて水素とは結合していない炭素原子を意味し、酸に不安定な基としては、−COO−の酸素原子に結合する炭素原子が3つの炭素原子と結合した4級炭素原子であることが好ましい。
酸に不安定な基の1種であるカルボン酸エステルを有する基を−COORのRエステルとして例示(−COO−C(CH33をtert−ブチルエステルという形式で称する)すると、
tert−ブチルエステルに代表される酸素原子に隣接する炭素原子が4級炭素原子であるアルキルエステル;
メトキシメチルエステル、エトキシメチルエステル、1−エトキシエチルエステル、1−イソブトキシエチルエステル、1−イソプロポキシエチルエステル、1−エトキシプロピルエステル、1−(2−メトキシエトキシ)エチルエステル、1−(2−アセトキシエトキシ)エチルエステル、1−〔2−(1−アダマンチルオキシ)エトキシ〕エチルエステル、1−〔2−(1−アダマンタンカルボニルオキシ)エトキシ〕エチルエステル、テトラヒドロ−2−フリルエステル及びテトラヒドロ−2−ピラニルエステルなどのアセタール型エステル;
イソボルニルエステル及び1−アルキルシクロアルキルエステル、2−アルキル−2−アダマンチルエステル、1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルキルエステルなどの酸素原子に隣接する炭素原子が4級炭素原子である脂環式エステルなどが挙げられる。
このようなカルボン酸エステルを有する基としては、(メタ)アクリル酸エステル、ノルボルネンカルボン酸エステル、トリシクロデセンカルボン酸エステル、テトラシクロデセンカルボン酸エステルを有する基が挙げられる。
本発明のレジスト組成物における樹脂は、酸に不安定な基とオレフィン性二重結合とを有するモノマーを付加重合して製造することができる。
かかるモノマーとしては、酸に不安定な基として、2−アルキル−2−アダマンチル基、1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルキル基などのような脂環式構造などの嵩高い基を含むモノマーが、得られるレジストの解像度が優れる傾向があることから好ましい。
具体的な嵩高い基を含むモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−アルキル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルキル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−アルキル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルキル、α−クロロアクリル酸2−アルキル−2−アダマンチル、α−クロロアクリル酸1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルキルなどが挙げられる。
とりわけ(メタ)アクリル酸2−アルキル−2−アダマンチルやα−クロロアクリル酸2−アルキル−2−アダマンチルをモノマーとして用いた場合は、得られるレジストの解像度が優れる傾向があることから好ましい。
具体的には、(メタ)アクリル酸2−アルキル−2−アダマンチルとしては、例えば、アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、メタクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、メタクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、アクリル酸2−n−ブチル−2−アダマンチルなどが挙げられ、α−クロロアクリル酸2−アルキル−2−アダマンチルとしては、例えば、α−クロロアクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、α−クロロアクリル酸2−エチル−2−アダマンチルなどが挙げられる。
これらの中でも(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル又は(メタ)アクリル酸2−イソプロピル−2−アダマンチルを用いた場合、得られるレジストの感度が優れ耐熱性にも優れる傾向があることから好ましい。
(メタ)アクリル酸2−アルキル−2−アダマンチルは、通常、2−アルキル−2−アダマンタノール又はその金属塩とアクリル酸ハライド又はメタクリル酸ハライドとの反応により製造できる。
本発明に用いられる樹脂は、酸に不安定な基を有するモノマーに由来する構造単位に加えて、酸に安定なモノマーに由来する構造単位を含んでいてもよい。ここで、酸に安定なモノマーに由来する構造とは、本発明の塩(I)によって開裂しない構造を意味する。
具体的には、アクリル酸やメタクリル酸のような遊離のカルボン酸基を有するモノマーに由来する構造単位、無水マレイン酸や無水イタコン酸のような脂肪族不飽和ジカルボン酸無水物に由来する構造単位、2−ノルボルネンに由来する構造単位、(メタ)アクリロニトリルに由来する構造単位、酸素原子に隣接する炭素原子が2級炭素原子または3級炭素原子のアルキルエステルや1−アダマンチルエステルである(メタ)アクリル酸エステル類に由来する構造単位、p−又はm−ヒドロキシスチレンなどのスチレン系モノマーに由来する構造単位、ラクトン環がアルキル基で置換されていてもよい(メタ)アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトンに由来する構造単位などを挙げることができる。尚、1−アダマンチルエステルは、酸素原子に隣接する炭素原子が4級炭素原子であるが、酸に安定な基であり、1−アダマンチルエステルには水酸基などが結合していてもよい。
具体的な酸に安定なモノマーとしては、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル、α−(メタ)アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、式(a)で示される構造単位を導くモノマー、式(b)で示される構造単位を導くモノマー、ヒドロキシスチレン、ノルボルネンなどの分子内にオレフィン性二重結合を有する脂環式化合物、無水マレイン酸などの脂肪族不飽和ジカルボン酸無水物、無水イタコン酸などが例示される。
これらの中でも、特に、p−又はm−ヒドロキシスチレンなどのスチレン系モノマーに由来する構造単位、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチルに由来する構造単位、(メタ)アクリル酸3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルに由来する構造単位、式(a)で示される構造単位、式(b)で示される構造単位のいずれかを含む樹脂から得られるレジストは、基板への接着性及びレジストの解像度が向上する傾向にあることから好ましい。
Figure 2011037839
(式中、R1及びR2は、互いに独立に、水素原子又はメチル基を表し、R3及びR4は、互いに独立に水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はハロゲン原子を表し、i及びjは、1〜3の整数を表す。iが2または3のときには、R3は互いに異なる基であってもよく、jが2または3のときには、R4は互いに異なる基であってもよい。)
(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3、5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルなどのモノマーは、市販されているが、例えば対応するヒドロキシアダマンタンを(メタ)アクリル酸又はそのハライドと反応させることにより、製造することもできる。
また、(メタ)アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトンなどのモノマーは、ラクトン環がアルキル基で置換されていてもよいα−もしくはβ−ブロモ−γ−ブチロラクトンにアクリル酸もしくはメタクリル酸を反応させるか、又はラクトン環がアルキル基で置換されていてもよいα−もしくはβ−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンにアクリル酸ハライドもしくはメタクリル酸ハライドを反応させることにより製造できる。
式(a)、式(b)で示される構造単位を与えるモノマーは、例えば、次のような水酸基を有する脂環式ラクトンの(メタ)アクリル酸エステル、それらの混合物等が挙げられる。これらのエステルは、例えば対応する水酸基を有する脂環式ラクトンと(メタ)アクリル酸類との反応により製造し得る(例えば、特開2000−26446号公報参照。)。
Figure 2011037839
ここで、(メタ)アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトンとしては、例えば、α−アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイロキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイロキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−アクリロイロキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイロキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイロキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
KrFエキシマレーザ露光、EUV露光の場合は、樹脂の構造単位として、p−又はm−ヒドロキシスチレンなどのスチレン系モノマーに由来する構造単位を用いても充分な透過率を得ることができる。このような共重合樹脂を得る場合は、該当する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとアセトキシスチレン及びスチレンをラジカル重合した後、酸によって脱アセチルすることによって得ることができる。
スチレン系モノマーに由来する構造単位を導くモノマーとしては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2011037839
以上のモノマーのうち、4−ヒドロキシスチレン又は4−ヒドロキシ−α−メチルスチレンが特に好ましい。
また、2−ノルボルネンに由来する構造単位を含む樹脂は、その主鎖に直接脂環式骨格を有するために頑丈な構造となり、ドライエッチング耐性に優れるという特性を示す。2−ノルボルネンに由来する構造単位は、例えば対応する2−ノルボルネンの他に無水マレイン酸や無水イタコン酸のような脂肪族不飽和ジカルボン酸無水物を併用したラジカル重合により主鎖へ導入し得る。したがって、ノルボルネン構造の二重結合が開いて形成されるものは式(c)で表すことができ、無水マレイン酸無水物及び無水イタコン酸無水物の二重結合が開いて形成されるものはそれぞれ式(d)及び式(e)で表すことができる。
Figure 2011037839
ここで、式(c)中のR5及びR6は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、カルボキシル基、シアノ基もしくは−COOU(Uはアルコール残基である)を表すか、あるいは、R5及びR6が結合して、−C(=O)OC(=O)−で示されるカルボン酸無水物残基を表す。
5及びR6が基−COOUである場合は、カルボキシル基がエステル基となったものであり、Uに相当するアルコール残基としては、例えば、置換されていてもよい炭素数1〜8程度のアルキル基、2−オキソオキソラン−3−又は−4−イル基などを挙げることができる。ここで、該アルキル基は、水酸基や脂環式炭化水素残基などが置換基として結合していてもよい。
5及びR6がアルキル基である場合の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられ、水酸基が結合したアルキル基の具体例としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
このように、酸に安定な構造単位を与えるモノマーである、式(c)で示されるノルボネン構造の具体例としては、次のような化合物を挙げることができる。
2−ノルボルネン、
2−ヒドロキシ−5−ノルボルネン、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−ヒドロキシ−1−エチル、
5−ノルボルネン−2−メタノール、
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物。
なお、式(c)中のR5及びR6の−COOUのUが、酸素原子に隣接する炭素原子が4級炭素原子である脂環式エステルなどの酸に不安定な基であれば、ノルボルネン構造を有するといえども、酸に不安定な基を有する構造単位である。ノルボルネン構造と酸に不安定な基を含むモノマーとしては、例えば、5−ノルボルネン−2−カルボン酸−t−ブチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−シクロヘキシル−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチルシクロヘキシル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−メチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−エチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−メチルシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチル−1−(4−オキソシクロヘキシル)エチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルなどが例示される。
さらに、酸に安定な基として、式(b1)で表される構造単位及びフッ素原子を含有す
る構造単位を含有してもよい。
Figure 2011037839
[式(b1)中、
b’は、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。
ARは、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる水素原子の少なくとも1個以上がフッ素原子に置換されている。該炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又は−N(R)−で置き換わっていてもよく、該炭化水素基に含まれる水素原子は、水酸基あるいは直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。]
式(b1)で表される構造単位を導くモノマーとしては、具体的には、以下のモノマー
を挙げることができる。
Figure 2011037839
Figure 2011037839
本発明のレジスト組成物で用いる樹脂は、パターニング露光用の放射線の種類や酸に不安定な基の種類などによっても変動するが、通常、樹脂における酸に不安定な基を有するモノマーに由来する構造単位の含有量を10〜80モル%の範囲に調整する。
そして、酸に不安定な基を有するモノマーに由来する構造単位として、特に、(メタ)アクリル酸2−アルキル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルキルに由来する構造単位を含む場合は、該構造単位が樹脂を構成する全構造単位のうち15モル%以上となると、樹脂が脂環基を有するために頑丈な構造となり、与えるレジストのドライエッチング耐性の面で有利である。
なお、分子内にオレフィン性二重結合を有する脂環式化合物及び脂肪族不飽和ジカルボン酸無水物をモノマーとする場合には、これらは付加重合しにくい傾向があるので、この点を考慮し、これらは過剰に使用することが好ましい。
さらに、用いられるモノマーとしてはオレフィン性二重結合が同じでも酸に不安定な基が異なるモノマーを併用してもよいし、酸に不安定な基が同じでもオレフィン性二重結合が異なるモノマーを併用してもよいし、酸に不安定な基とオレフィン性二重結合との組合せが異なるモノマーを併用してもよい。
公知の酸発生剤としては、式(I)で表される塩のアニオンと、以下に示すカチオンとを任意の組み合わせた塩が挙げられる。
カチオンとしては、例えば、式(IXz)、式(IXb)、式(IXc)又は式(IXd)などのカチオン等が挙げられる。
Figure 2011037839
[式(IXz)中、
、P及びPは、互いに独立に、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3〜30の脂環式炭化水素基あるいは置換されていてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を表す。P、P及びPのいずれかがアルキル基である場合、該アルキル基は、水酸基、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルコキシ基あるいは炭素数3〜12の環式炭化水素基で置換されていてもよく、P、P及びPのいずれかが脂環式炭化水素基である場合には、水酸基、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルキル基あるいは炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
式(IXb)中、
及びPは、互いに独立に、水素原子、水酸基、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルキル基あるいは炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
式(IXc)中、
及びPは、互いに独立に、直鎖状又は分岐状炭素数1〜12のアルキル基あるいは炭素数3〜12のシクロアルキル基を表すか、PとPとが一緒になって、炭素数3〜12の環を形成してもよい。
は、水素原子を表し、Pは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20の芳香環基を表すか、PとPとが一緒になって、炭素数3〜12の環を形成してもよい。
式(IXd)中、
10〜P21は、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。Eは、硫黄原子又は酸素原子を表す。
mは、0又は1を表す。]
式(IXz)で表されるカチオンの中でも、例えば、式(IXa)で表されるカチオン等が好ましい。
Figure 2011037839
[式(IXa)中、
〜Pは、互いに独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルキル基、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルコキシ基あるいは炭素数4〜36の脂環式炭化水素を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルキル基、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシドキシ基あるいは炭素数2〜4のアシル基で置換されていてもよい。]
環状炭化水素基としては、アダマンチル骨格、イソボルニル骨格を含むものなどが挙げられる。好ましくは2−アルキル−2−アダマンチル基、1−(1−アダマンチル)−1−アルキル基及びイソボルニル基などが挙げられる。
式(IXa)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。

Figure 2011037839
式(IXa)で表されるカチオンの中でも、式(IXe)で表されるカチオンが、その製造が容易であること等の理由により、好ましく挙げられる。
Figure 2011037839
[式(IXe)中、
22、P23及びP24は、互いに独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルキル基あるいは直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。]
前記式(IXb)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。

Figure 2011037839
前記式(IXc)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
Figure 2011037839
前記式(IXd)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
Figure 2011037839
Figure 2011037839
Figure 2011037839
Figure 2011037839
本発明のレジスト組成物は、化学増幅型フォトレジスト組成物として用いる場合、塩基性化合物、好ましくは、塩基性含窒素有機化合物、とりわけ好ましくはアミン又はアンモニウム塩を含有させる。塩基性化合物をクエンチャーとして添加することにより、露光後の引き置きに伴う酸の失活による性能劣化を改良することができる。クエンチャーに用いられる塩基性化合物の具体的な例としては、以下の各式で示されるようなものが挙げられる。
Figure 2011037839
式中、R11、R12及びR17は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。該アルキル基は、好ましくは1〜6個程度の炭素原子を有し、該シクロアルキル基は好ましくは5〜10個程度の炭素原子を有し、該アリール基は、好ましくは6〜10個程度の炭素原子を有する。更に、該アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基上の水素原子の少なくとも1個は、それぞれ独立に、ヒドロキシル基、アミノ基、又は1〜6個の炭素数を有するアルコキシ基で置換されていてもよい。該アミノ基上の水素原子の少なくとも1個は、それぞれ独立に1〜4個の炭素数を有するアルキル基で置換されていてもよい。
13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアルコキシ基を表す。該アルキル基は、好ましくは1〜6個程度の炭素原子を有し、該シクロアルキル基は、好ましくは5〜10個程度の炭素原子を有し、該アリール基は、好ましくは6〜10個程度の炭素原子を有し、該アルコキシ基は、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する。又は、R13とR14とが結合して芳香環を形成していてもよい。
更に、該アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアルコキシ基上の水素原子の少なくとも1個は、それぞれ独立に、ヒドロキシル基、アミノ基、又は1〜6個程度の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されていてもよい。該アミノ基上の水素原子の少なくとも1個は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基で置換されていてもよい。
15は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基又はニトロ基を表す。該アルキル基は、好ましくは1〜6個程度の炭素原子を有し、該シクロアルキル基は、好ましくは5〜10個程度の炭素原子を有し、該アリール基は、好ましくは6〜10個程度の炭素原子を有し、該アルコキシ基は、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する。
更に、該アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアルコキシ基上の水素原子の少なくとも1個は、それぞれ独立に、ヒドロキシル基、アミノ基、又は1〜6個程度の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されていてもよい。該アミノ基上の水素原子の少なくとも1個は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基で置換されていてもよい。
16は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。該アルキル基は、好ましくは1〜6個程度の炭素原子を有し、該シクロアルキル基は、好ましくは5〜10個程度の炭素原子を有する。更に該アルキル基又はシクロアルキル基上の水素原子の少なくとも1個は、それぞれ独立に、ヒドロキシル基、アミノ基、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、で置換されていてもよい。該アミノ基上の水素原子の少なくとも1個は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基で置換されていてもよい。
18、R19及びR20は、それぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。該アルキル基は、好ましくは1〜6個程度の炭素原子を有し、該シクロアルキル基は、好ましくは5〜10個程度の炭素原子を有し、該アリール基は、好ましくは6〜10個程度の炭素原子を有する。更に、該アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基上の水素原子の少なくとも1個は、それぞれ独立に、ヒドロキシル基、アミノ基、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されていてもよい。該アミノ基上の水素原子の少なくとも1個は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基で置換されていてもよい。
Wは、アルキレン基、カルボニル基、イミノ基、スルフィド基又はジスルフィド基を表す。該アルキレン基は、好ましくは2〜6程度の炭素原子を有する。
また、R11〜R20において、直鎖構造と分岐構造の両方をとり得るものについては、そのいずれでもよい。
このような化合物として、具体的には、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、アニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、1−又は2−ナフチルアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、N−メチルアニリン、ピペリジン、ジフェニルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、イミダゾール、ピリジン、4−メチルピリジン、4−メチルイミダゾール、ビピリジン、2,2’−ジピリジルアミン、ジ−2−ピリジルケトン、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ビス(2−ピリジル)エチレン、1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、1,2−ビス(4−ピリジルオキシ)エタン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、2,2’−ジピコリルアミン、3,3’−ジピコリルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−オクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−トリフルオロメチルフェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称:コリン)などを挙げることができる。
さらには、特開平11−52575号公報に開示されているような、ピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物をクエンチャーとすることもできる。
本発明のレジスト組成物は、その全固形分量を基準に、樹脂を80〜99.9重量%程度、酸発生剤を0.1〜20重量%程度の範囲で含有することが好ましい。
また、化学増幅型レジスト組成物としてクエンチャーである塩基性化合物を用いる場合は、レジスト組成物の全固形分量を基準に、塩基性化合物を0.01〜1重量%程度の範囲で含有するのが好ましい。
レジスト組成物としては、さらに、必要に応じて、増感剤、溶解抑止剤、他の樹脂、界面活性剤、安定剤、染料など、各種の添加物を少量含有することもできる。
本発明のレジスト組成物は、通常、上記の各成分が溶剤に溶解された状態でレジスト液組成物とされ、シリコンウェハなどの基体上に、スピンコーティングなどの通常工業的に用いられている方法によって塗布される。ここで用いる溶剤は、各成分を溶解し、適当な乾燥速度を有し、溶剤が蒸発した後に均一で平滑な塗膜を与えるものであればよく、この分野で通常工業的に用いられている溶剤が使用できる。
例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル類、乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類、γ−ブチロラクトンのような環状エステル類などを挙げることができる。これらの溶剤は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明のレジスト組成物は、以下の方法により、レジストパターンを形成することができる。
(1)上述した本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程を含む。
レジスト組成物の基体上への塗布は、スピンコーターなど、通常、用いられる装置によって行うことができる。
溶剤の除去は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いて溶剤を蒸発させることにより行われるか、あるいは減圧装置を用いて行われ、溶剤が除去された組成物層が形成される。この場合の温度は、例えば、50〜200℃程度が例示される。また、圧力は、1〜1.0×10Pa程度が例示される。
得られた組成物層は、露光機を用いて露光する。露光機としては、例えば、液浸露光機が挙げられる。この際、通常、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2レーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域または真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの等、種々のものを用いることができる。
露光後の組成物層は、脱保護基反応を促進するための加熱処理が行われる。加熱温度としては、通常50〜200℃程度、好ましくは70〜150℃程度である。
加熱後の組成物層を、現像装置を用いて、通常、アルカリ現像液を利用して現像する。ここで用いられるアルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であればよい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。
現像後、超純水でリンスし、基板及びパターン上に残った水を除去することが好ましい。
本発明の塩は、良好な解像度を示すレジスト組成物用の酸発生剤として好適に用いられ、なかでも、ArFやKrFなどのエキシマレーザーリソグラフィ、ArF液浸露光リソグラフィならびに電子線リソグラフィ、EUVリソグラフィに好適なレジスト組成物用の酸発生剤として用いることができる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例中、含有量及び使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり質量基準である。また重量平均分子量は、ポリスチレンを標準品として、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(東ソー株式会社製HLC−8120GPC型、カラムは”TSKgel Multipore HXL−M”3本、溶媒はテトラヒドロフラン)により求めた値である。
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3 + guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
また、化合物の構造はNMR(日本電子製GX−270型又はEX−270型)、質量分析(LCはAgilent製1100型、MASSはAgilent製LC/MSD型又はLC/MSD TOF型)で確認した。
実施例1:酸発生剤(I−5:A1)の合成
Figure 2011037839
化合物(I−5−a)1.66部、トルエン7.64部及び五酸化二リン4.75部を仕込み、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物に、メタンスルホン酸0.32部を23℃で30分かけて滴下し、さらに23℃で6時間攪拌した。得られた混合物に、イオン交換水24.60部を23℃で30分かけて滴下し、さらに23℃で30分間攪拌し、ろ過した。得られたろ液に、ヨウ化カリウム1.38部を加えて23℃で30分間攪拌した後、ろ過することにより、白色固体として、化合物(I−5−b)2.22部を得た。
Figure 2011037839
ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル100部及びイオン交換水150部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液230部を滴下した。得られた混合物を100℃で3時間還流し、23℃まで冷却し、濃塩酸88部で中和した。得られた混合物を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩164.4部(無機塩含有、純度62.7%)を得た。得られたジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩1.9部(純度62.7%)及びN,N−ジメチルホルムアミド9.5部に、1,1’−カルボニルジイミダゾール1.0部を添加し、2時間撹拌して混合物を調製した。
一方、3−ヒドロキシアダマンチルメタノール1.1部及びN,N−ジメチルホルムアミド5.5部に、水素化ナトリウム0.2部を添加し、2時間撹拌した。この溶液に、前記の混合物を添加した。得られた混合物を15時間撹拌し、生成したジフルオロスルホ酢酸−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメチルエステルナトリウム塩(I−5−c)を含む溶液をそのまま次の反応に用いた。
Figure 2011037839
化合物(I−5−b)2.01部及びクロロホルム5.00部を仕込んだ溶液に、塩化銀0.72部を添加し、これを23℃で12時間攪拌した。該クロロホルム溶液に、化合物(I−5−c)1.81部を含む溶液及びイオン交換水5.00部を仕込み、さらに、クロロホルム10.00部を加え、23℃で12時間撹拌した。その後、濾過して濾液を回収した。得られた濾液が2層に分離していたので、クロロホルム層を分液して取り出し、さらに、該クロロホルム層にイオン交換水10.00部を添加し、水洗した。この操作を3回繰り返した。クロロホルム層を濃縮し、淡黄色オイル2.80部を得た。得られた淡黄色オイルに酢酸エチル14.00部を添加し、攪拌することにより結晶が析出した。この結晶を濾過して、白色固体として化合物(I−5)1.42部(純度100%、収率46%)を得た。この化合物(I−5)をA1とした。
MS(ESI(+)Spectrum):M 275.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 339.1
H−NMR(ジメチルスルホキシド−d、内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)1.35−1.80(m,12H)、2.10(m,2H)、2.31(s,3H)、3.85(s,2H)、4.42(s,1H)、7.35−7.65(m,4H)、7.72(t,2H)、7.94(t,2H)、8.32(d,2H)、8.50(d,2H)
実施例2:酸発生剤(I−6:A2)の合成
Figure 2011037839
ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル100部及びイオン交換水250部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液230部を滴下した。得られた混合物を100℃で3時間還流し、23℃まで冷却し、濃塩酸88部で中和した。得られた混合物を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩164.8部(無機塩含有、純度62.6%)を得た。得られたジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩5.0部(純度62.6%)、4−オキソ−1−アダマンタノール2.6部及びエチルベンゼン100部の混合物に、濃硫酸0.8部を加え、30時間加熱還流した。得られた混合物を冷却し、濾過し、得られた濾過残渣をtert−ブチルメチルエーテルで洗浄することにより、ジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステルナトリウム塩(I−6−c)5.5部を得た。
H−NMRによる純度分析の結果、その純度は35.6%であった。
Figure 2011037839

化合物(I−5−b)2.01部及びクロロホルム10.00部を仕込んだ溶液に、塩化銀0.72部を添加し、これを23℃で12時間攪拌した。該クロロホルム溶液に、化合物(I−6−c)4.86部及びイオン交換水5.00部を仕込み、さらに、クロロホルム10.00部を加え、23℃で12時間撹拌した。その後、濾過して濾液を回収した。得られた濾液が2層に分離していたので、クロロホルム層を分液して取り出し、さらに、該クロロホルム層にイオン交換水10.00部を添加し、水洗した。この操作を3回繰り返した。クロロホルム層を濃縮し、淡黄色オイル2.94部を得た。得られた淡黄色オイルに酢酸エチル15.00部を添加し、攪拌することにより結晶が析出した。この結晶を、濾過することにより、白色固体として化合物(I−6)1.19部(純度100%、収率40%)を得た。化合物(I−6)をA2とした。
MS(ESI(+)Spectrum):M 275.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 323.0
H−NMR(ジメチルスルホキシド−d、内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)1.83(d,2H)、2.00(d,2H)、2.29−2.32(m,7H)、2.31(s,3H)、2.53(s,2H)、7.35−7.65(m,4H)、7.72(t,2H)、7.94(t,2H)、8.32(d,2H)、8.50(d,2H)
実施例3:酸発生剤(I−7:A3)の合成
Figure 2011037839
ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル100部及びイオン交換水150部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液230部を滴下した。得られた混合物を100℃で3時間還流し、冷却した。その後、これを濃塩酸88部で中和した。得られた溶液を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩164.4部(無機塩含有、純度62.7%)を得た。
得られたジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩30.0部(純度62.7%)、ヘキサヒドロ−6−ヒドロキシ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ〔b〕フラン−2−オン14.7部及びトルエン300部を仕込み、さらにp−トルエンスルホン酸18.1部を加え、12時間加熱還流した。その後、得られた混合物を濾過し、残渣にアセトニトリル100部添加撹拌した。その後、濾過し、得られたろ液を濃縮することにより、化合物(I−7−c)26.7部を得た。
H−NMRによる純度分析の結果、その純度は28.6%であった。
Figure 2011037839
化合物(I−5−b)2.01部及びクロロホルム10.00部を仕込んだ溶液に、塩化銀0.72部を添加し、これを23℃で12時間攪拌した。該クロロホルム溶液に、化合物(I−7−c)5.84部を仕込み、さらに、クロロホルム10.00部を加え、23℃で12時間撹拌した。その後、濃縮し、得られた混合物をクロロホルム50部で抽出することにより有機層を回収した。回収された有機層をイオン交換水で洗浄した。回収された有機層に活性炭1.2部を加えて攪拌し、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、酢酸エチル10部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣にtert−ブチルメチルエーテル10部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解し、濃縮して燈色オイル状物として、化合物(I−7)0.68部(純度100%、収率23%)を得た。化合物(I−7)をA3とした。
MS(ESI(+)Spectrum):M 275.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 311.0
H−NMR(ジメチルスルホキシド−d、内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)1.57−1.67(m,2H)、1.91−2.06(m,2H)、2.31(s,3H)、2.53(m,2H)、3.21(m,1H)、4.51(m,1H)、4.62(s,1H)、7.35−7.65(m,4H)、7.72(t,2H)、7.94(t,2H)、8.32(d,2H)、8.50(d,2H)
実施例4:酸発生剤(A4)の合成
Figure 2011037839

リチウムアルミニウムハイドライド10.4部、テトラヒドロフラン120部を仕込み23℃で30分間攪拌した。次いで、式(A4−a)で表される塩62.2部を無水THF900部に溶かした溶液を氷冷下で滴下し、23℃で5時間攪拌した。反応マスに酢酸エチル50.0部、6N塩酸50.00部を添加、攪拌後、分液を行った。有機層を濃縮後、カラム(メルク シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:クロロホルム/メタノール=5/1)分取することにより、式(A4−b)で表される塩を84.7g(純度60%)を得た。
また、式(A4−c)で表される化合物4.5部、テトラヒドロフラン90部を添加し室温で30分間攪拌し溶解した。この溶液にカルボニルジイミダゾール3.77部、テトラヒドロフラン45部の混合溶液を室温で滴下し、23℃で4時間攪拌した。得られた反応溶液を、式(A4−b)で表される塩7.87部(純度60%)、テトラヒドロフラン50部の混合中に、54℃〜60℃にて30分間で滴下した。反応溶液を65℃で18時間加熱し、冷却後、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、濃縮物をカラム(メルク シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:クロロホルム/メタノール=5/1)分取することにより、式(A4−d)で表される塩4.97部を得た。

Figure 2011037839
式(I−5−b)で表される塩2.01部及びクロロホルム10.00部を仕込んだ溶液に、塩化銀0.72部を添加し、これを23℃で12時間攪拌した。該クロロホルム溶液に、式(A4−d)で表される塩1.80部及びイオン交換水5.00部を仕込み、さらに、クロロホルム10.00部を加え、23℃で12時間撹拌した後、ろ過した。回収されたろ液が2層に分離していたので、クロロホルム層を分液して取り出し、さらに、該クロロホルム層にイオン交換水10.00部を添加し、水洗した。この水洗を3回行った。回収された有機層に活性炭1.0部を加えて攪拌し、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、酢酸エチル10部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣にtert−ブチルメチルエーテル10部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解し、濃縮して、式(A4)で表される塩1.24部を得た。
MS(ESI(+)Spectrum):M+ 275.1
MS(ESI(−)Spectrum):M− 337.1
実施例5:酸発生剤(A5)の合成
Figure 2011037839

リチウムアルミニウムハイドライド10.4部、テトラヒドロフラン120部を仕込み23℃で30分間攪拌した。次いで、式(A5−a)で表される塩62.2部をテトラヒドロフラン900部に溶かした溶液を氷冷下で滴下し、23℃で5時間攪拌した。反応マスに酢酸エチル50.0部、6N塩酸50.00部を添加、攪拌し、その後、分液を行った。有機層を濃縮後、カラム(メルク シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:クロロホルム/メタノール=5/1)分取することにより、式(A5−b)で表される塩を84.7g(純度60%)を得た。
式(A5−c)で表される化合物3.51部、テトラヒドロフラン75部を仕込み23℃で30分間攪拌した。次いで、カルボニルジイミダゾール2.89部、テトラヒドロフラン50部の混合溶液を23℃で滴下し、23℃で4時間攪拌した。得られた反応液を、式(A5−b)で表される塩6.04部(純度60%)、テトラヒドロフラン50部の混合液中に54〜60℃で、25分間で滴下し、65℃で18時間加熱し、冷却後、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、濃縮物をカラム(メルク シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:クロロホルム/メタノール=5/1)分取することにより、式(A5−d)で表される塩2.99部を得た。

Figure 2011037839
式(I−5−b)で表される塩2.01部及びクロロホルム10.00部を仕込んだ溶液に、塩化銀0.72部を添加し、これを23℃で12時間攪拌した。該クロロホルム溶液に、式(A5−d)で表される塩1.81部及びイオン交換水5.00部を仕込み、さらに、クロロホルム10.00部を加え、23℃で12時間撹拌し、ろ過した。回収されたろ液が2層に分離していたので、クロロホルム層を分液して取り出し、さらに、該クロロホルム層にイオン交換水10.00部を添加し、水洗した。この水洗を3回行った。回収された有機層に活性炭1.0部を加えて攪拌し、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、酢酸エチル10部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣にtert−ブチルメチルエーテル10部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解し、濃縮して、式(A5)で表される塩1.01部を得た。
MS(ESI(+)Spectrum):M+ 275.1
MS(ESI(−)Spectrum):M− 339.1
〔樹脂(B1)の合成〕
モノマーA、モノマーB及びモノマーCを、モル比50:25:25の割合で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを80℃で約8時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行なうことにより精製した。これにより、重量平均分子量が約9.2×103の共重合体を収率60%で得た。この共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂B1とした。
Figure 2011037839
[樹脂B2の合成]
メタクリル酸2−エチル−2−アダマンチル 39.7g(0.16モル)とp−アセトキシスチレン 103.8g(0.64モル)をイソプロパノール 265gに溶解して、窒素雰囲気下に75℃まで昇温した。ラジカル開始剤ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)11.05g(0.048モル)をイソプロパノール22.11gに溶解して滴下した。反応溶液を12時間過熱還流した。冷却後、反応液を大量のメタノールに注いで重合物を沈殿ろ過した。得られたメタクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとp−アセトキシスチレンの共重合体は250g(メタノール含有)であった。
得られた共重合体250gと4−ジメチルアミノピリジン10.3g(0.084モル)とをメタノール202gに加えて20時間加熱還流した。冷却後、反応液を氷酢酸7.6g(0.126モル)で中和して、大量の水に注いで沈殿させた。析出した重合物をろ別し、アセトンに溶解させた後、大量の水に注いで沈殿させる操作を3回繰り返して精製した。得られたメタクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとp−ヒドロキシスチレンの共重合体は95.9gであった。重量平均分子量は約8.6×103(GPCポリスチレン換算)であり、共重合比は約20:80(C13 NMR測定)であった。この樹脂をB2とする。
[樹脂B3の合成]
メタクリル酸2−エチル−2−アダマンチル 59.6g(0.24モル)とp−アセトキシスチレン90.8g(0.56モル)を用いて、樹脂B2の合成と同様の操作を行って、メタクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとp−ヒドロキシスチレンの共重合体は102.8gを得た。重量平均分子量は約8.2×103(GPCポリスチレン換算)であり、共重合比は約30:70(C13 NMR測定)であった。この樹脂をB3とする。
〔樹脂(B4)の合成〕
モノマーA、モノマーB及びモノマーCを、モル比50:25:25の割合で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、4mol%と12mol%との割合で添加し、これを80℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行なうことにより精製し、重量平均分子量が約3.0×103の共重合体を収率70%で得た。この共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂B4とした。

Figure 2011037839
[樹脂脂B5の合成]
ラジカル開始剤ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)44.20g(0.192モル)を用いて、樹脂B2の合成と同様の操作を行って、メタクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとp−ヒドロキシスチレンの共重合体82.4gを得た。重量平均分子量は約3.0×103(GPCポリスチレン換算)であり、共重合比は約20:80(C13 NMR測定)であった。この樹脂をB5とする。
[樹脂B6の合成]
ラジカル開始剤ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)44.20g(0.192モル)を用いて、樹脂B2の合成と同様の操作を行って、メタクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとp−ヒドロキシスチレンの共重合体93.6gを得た。重量平均分子量は約3.0×103(GPCポリスチレン換算)であり、共重合比は約30:70(C13 NMR測定)であった。この樹脂をB6とする。
[樹脂B7の合成]
メタクリル酸2−メチル−2−アダマンチル 75.00g(0.32モル)とp−アセトキシスチレン 77.85g(0.48モル)をイソプロパノール 285gに溶解して、窒素雰囲気下に75℃まで昇温した。ラジカル開始剤ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)41.44g(0.180モル)をイソプロパノール82.88gに溶解して滴下した。反応溶液を12時間過熱還流した。冷却後、反応液を大量のメタノールに注いで重合物を沈殿ろ過した。得られたメタクリル酸2−メチル−2−アダマンチルとp−アセトキシスチレンの共重合体は275g(メタノール含有)であった。
得られた共重合体275gと4−ジメチルアミノピリジン10.3g(0.084モル)とをメタノール200gに加えて20時間加熱還流した。冷却後、反応液を氷酢酸7.6g(0.126モル)で中和して、大量の水に注いで沈殿させた。析出した重合物をろ別し、アセトンに溶解させ、大量の水に注いで沈殿させる操作を3回繰り返して精製した。得られたメタクリル酸2−メチル−2−アダマンチルとp−ヒドロキシスチレンの共重合体は88.6gであった。重量平均分子量は約4.0×103(GPCポリスチレン換算)であり、共重合比は約40:60(C13 NMR測定)であった。この樹脂をB7とする。
実施例6〜20及び比較例1〜2
表1に示すように、以下の各成分を混合して溶解することにより得られた混合物を孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルタで濾過することにより、レジスト組成物を調製した。
Figure 2011037839
Figure 2011037839
Figure 2011037839
<酸発生剤>
酸発生剤C1
Figure 2011037839
<クエンチャー>
クエンチャーQ1:2,6−ジイソプロピルアニリン
クエンチャーQ2:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 300部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部
γ−ブチロラクトン 3.0部
(ArF露光用レジスト組成物としての評価)
シリコンウェハに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、厚さ78nmの有機反射防止膜を形成した。
次いで、前記の有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥後の膜厚が85nmとなるようにスピンコートした。
組成物塗布後、得られたシリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表1のPB欄に示す温度で60秒間プリベークした。
このようにして化学増幅型レジスト組成物の膜が形成されたシリコンウェハに、ArFエキシマステッパー〔FPA5000−AS3;(株)キャノン製、NA=0.75、2/3Annular〕用いて、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。
露光後は、ホットプレート上にて表1のPEB欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行った。
解像度評価:100nmのラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量で露光した際のパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、90nmを解像しているものを○、解像していないもの×とした。その結果を表4に示す。
Figure 2011037839
(電子線用レジスト組成物としての評価)
シリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上にて、ヘキサメチルジシラザンを用いて90℃で60秒処理し、上記のレジスト組成物を、乾燥後の膜厚が0.06μmとなるようにスピンコートした。
レジスト液塗布後、ダイレクトホットプレート上にて、表2のPB欄に示す温度で60秒間プリベークした。
このようにしたレジスト膜を形成したそれぞれのウェハに、電子線描画機〔(株)日立製作所製の「HL−800D 50keV」を用い、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。
露光後は、ホットプレート上にて表2のPEB欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行った。
シリコン基板上のもので現像後のパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、その結果を表5に示した。
解像度評価:100nmのラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量で露光した際のパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、60nmを解像しているものを○、解像していないもの×とした。
Figure 2011037839
(EUV用レジスト組成物としての評価)
シリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上にて、ヘキサメチルジシラザンを用いて90℃で60秒処理し、上記のレジスト組成物を乾燥後の膜厚が0.05μmとなるようにスピンコートした。
レジスト液塗布後、ダイレクトホットプレート上にて、表3のPB欄に示す温度で60秒間プリベークした。このようにしてレジスト膜を形成したそれぞれのウェハに、EUV露光機を用い、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。露光後は、ホットプレート上にて表3のPEB欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行った。
シリコン基板上のもので現像後のパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、その結果を表6に示した。
解像度評価:50nmのラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量で露光した際のパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、44nmを解像しているものを○、解像していないもの×とした。
Figure 2011037839
本発明の塩によれば、該塩を含むレジスト組成物を用いて優れた解像度を有するパターンを形成することができる。

Claims (8)

  1. 式(I)で表される塩。
    Figure 2011037839
    [式(I)中、
    及びQは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
    は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
    は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の脂環式炭化水素基あるいは炭素数6〜36の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、該脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
    e1〜Re13は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を表すか、Re1〜Re13のうちの隣接する2つが結合して環を形成していてもよい。
    Zは単結合または2価の連結基を表す。
    ただし、式(I)で表される塩は、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を含まない。]
  2. Zが単結合である請求項1記載の塩。
  3. が、−CO−O−[CH−(hは、0〜10の整数を表す)である請求項1又は2記載の塩。
  4. が式(Y1)又は式(Y2)で表される基である請求項1〜3のいずれか記載の塩。
    Figure 2011037839
    [式(Y1)及び式(Y2)中、
    環に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシジルオキシ基又は炭素数2〜4のアシル基で置換されていてもよく、環に含まれるメチレン基は、カルボニル基又は酸素原子で置き換わっていてもよい。
    *は、Xとの結合手を表す。]
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の塩を含有する酸発生剤。
  6. 請求項5記載の酸発生剤と樹脂とを含有し、該樹脂は酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶な樹脂であり、酸と作用した該樹脂はアルカリ水溶液で溶解しえる樹脂であるレジスト組成物。
  7. 請求項6記載の組成物と塩基性化合物とを含有するレジスト組成物。
  8. (1)請求項6又は7記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
    (2)塗布後の組成物から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
    (3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
    (4)露光後の組成物層を加熱する工程、
    (5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程を含むパターン形成方法。
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