JP2011037739A - 組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】痩身又は皮膚修復用に好適な、新規のPPAR(Peroxisome proliferatior-activated receptor)リガンド、並びに、これらを含有する組成物を提供する。
【解決手段】具体例として、9−オキソ−10(E),12(E)−オクタデカジエノイックアシッド(化合物1)、13−オキソ−9(E),11(E)−オクタデカジエノイックアシッド(化合物2)及び/又はこれらの薬理学的に許容される塩よりなるPPARリガンド、並びに、これらを含有する組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、後記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩からなるPPAR(Peroxisome proliferator-activated receptor)リガンド、及び、当該化合物を含有する組成物に関する。
Figure 2011037739
(1)
[式中、R1は、炭素数3〜10の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R2は、水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、m1及びm2は、0〜3の整数、m3は、5〜15の整数を表す。]
ほとんどの脊椎動物における発現が確認されているPPAR(Peroxisome proliferator-activator receptor)は、炭化水素、脂質、蛋白質等の細胞内代謝と細胞分化に密接に関与している核内受容体ス−パ−ファミリ−に属するリガンド依存性転写因子である。哺乳動物においては、α型、γ型、δ型の3種類のレセプタ−サブタイプが存在することが知られている。PPARαは、肝臓、心臓、骨格筋、褐色脂肪細胞、腎臓などに発現し、主に脂質代謝に関与することが知られている。高脂血症薬のフィブラ−ト系薬剤は、PPARαに作用することにより、血清脂質低下作用、並びに、動脈硬化発症に抑制的に働くHDL−コレステロ−ル上昇作用抑制作用を発現することが報告されている(例えば、非特許文献1を参照)。PPARγは、脂肪細胞に特異的に発現し、脂肪細胞の分化に密接に関わり、2型糖尿病治療薬の標的分子とされている。チアオリジンジオン誘導体は、PPARγを活性化することにより脂肪細胞の分化を促進し、アデイポサイトカインの分泌量を正常に近づけるほか、骨格や肝臓における脂質代謝を改善することによりインスリン感受性を改善し、脂肪組織での脂肪酸の取り込みを促進する(例えば、非特許文献1を参照)。PPARδは、広範な組織に発現し、脂肪組織や骨格筋の脂肪酸代謝に関与する。PPARδリガンドは、抗肥満、インスリン抵抗性改善作用を示すことが報告されている(例えば、非特許文献2を参照)。この様に、PPARは、糖尿病、肥満、高脂血症などの生活習慣病に深く関係することが明らかにされている。また、PPARが関与する皮膚における生物活性としては、PPARαを活性化することにより炎症反応を抑制する作用(例えば、特許文献1を参照)、PPARγを活性化することにより表皮細胞の分化異常に関連する疾患の湿疹、日光性皮膚炎等の疾患に対する治療効果(例えば、特許文献2を参照)、更には、糖尿病関連の皮膚障害を有する患者において、PPARγを活性化することによる改善作用(例えば、特許文献3を参照)が報告されている。
不飽和脂肪酸は、その化学構造中に不飽和結合を有する脂肪酸であり、界面活性剤、油脂、安定化剤などの多岐に渡る分野において工業製品として使用されている。特に、化粧品分野においては、各種クリ−ム、シャンプ−、液体セッケンなどの商品に配合されている。また、不飽和脂肪酸は、植物や動物の生体中に存在し、細胞膜の主要な構成成分であると共に、貴重なエネルギ−源となる重要な物質である。特に、オレイン酸、リノ−ル酸、α−リノレン酸などの不飽和脂肪酸には、抗酸化作用(例えば、非特許文献3を参照)、生体内コレステロ−ル低下作用(例えば、特許文献4を参照)、免疫抑制作用(例えば、特許文献5を参照)などの生物活性が知られているほか、湿疹、乾癬などの皮膚疾患治療としても使用されている。更に、ヒドロキシ飽和脂肪酸誘導体には、PPARα及び/又はγリガンド作用(例えば、特許文献6を参照)が認められ、一方、ヒドロキシ不飽和脂肪酸には、PPARαリガンド作用が存することが報告されている(例えば、非特許文献4を参照)。加えて、オキシ不飽和脂肪酸には、PPARγリガンド作用(例えば、非特許文献5を参照)が存することは既に報告されているが、その他のPPARリガンド作用に関しては、全く報告されていない。また、一般的に、分子内に不飽和結合を有する不飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸との比較において、立体構造や電子的性質に大きな違いが存在するため、両脂肪酸が示す物理化学的性質、並びに、生物活性は必ずしも一致せず、飽和脂肪酸の生物活性を基に不飽和脂肪酸の生物活性を予測することは有効であるとは言い難い。また、PPARリガンド作用を有する植物抽出物としては、金時ショウガ(例えば、特許文献7を参照)、アマチャズル(例えば、特許文献8を参照)、イネ科に属する植物(例えば、特許文献9を参照)などが知られている。特に、イネ科に属する植物であるジュズダマ属ハトムギに、PPARα及び/又はγリガンド作用を有する成分が含まれていることは既に知られていた。しかしながら、前記一般式(1)に表される化合物が、イネ科の植物に含有されることは知られておらず、さらに、PPARリガンドとしての生物活性が前記一般式(1)に表される化合物、その異性体に起因するものであることも全く知られていなかった。言い換えれば、イネ科植物が、PPARリガンドとしての一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩を含有することも、一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩を含有するが故に、イネ科植物の抽出物がPPARリガンドとして使用出来ることも全く知られていなかったといえる。なお、イネ科ジュズダマは、インドなどの熱帯アジアを原産地とする植物であり、日本へは古い時代に移入してきていることが知られている。現在では、日本のほぼ全土に渡って、その生育が認められている。これを採取することには大きな困難は存しない。本発明では、日本に自生しているジュズダマを用い実験を行っている。
特表2007−522259号公報 特表2002−500179号公報 特表2009−506107号公報 特開2007−314492号公報 特開2007−161591号公報 特開2004−161656号公報 特開2009−019061号公報 特開2006−241097号公報 特開2004−161656号公報
田中十志也、「PPAR作動薬の将来」 メタボリックシンドロ−ム 病態の分子生物学、141−155(2005)、南山堂 Chaput E. et. al.、FEBS Letters、514、315−322(2002) Azevedo-Martins, AK., Curi, R.、Cell Biochem Funct.、26(1)、87−94、(2008) Philippe Delerive et. al, FEBS Letters、471、34−38(2000) Hiroshi Yokoi et. al., Biol.Pharm.Bull.、32(4)、735−740(2009)
本発明は、この様な状況下においてなされたものであり、痩身又は皮膚修復用に好適な、新規のPPAR(Peroxisome proliferatior-activated receptor)リガンド、並びに、これらを含有する組成物を提供することにある。
この様な状況に鑑みて、本発明者等は、痩身又は炎症などにより生じた皮膚症状の悪化に対し皮膚状態を修復するための方法を求め、鋭意努力を重ねた結果、下記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、並びに、当該化合物を含有する植物抽出物が、優れたPPARリガンド作用を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す通りである。
<1> 1)下記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩からなる、PPAR(Peroxisome proliferatior-activated receptor)リガンド。
Figure 2011037739
(1)
[式中、R1は、炭素数3〜10の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R2は、水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、m1及びm2は、0〜3の整数、m3は、5〜15の整数を表す。]
<2> 前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>に記載のPPARリガンド。
Figure 2011037739
(2)
[式中、R3は、炭素数3〜10の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R4は、水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、m4は、1〜3の整数を表し、m5は、5〜15の整数を表す。]
<3> 前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載のPPARリガンド。
Figure 2011037739
(3)
[式中、R5は、水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、m6は、2〜9の整数を表し、m7は、1〜3の整数を表し、m8は、5〜15の整数を表す。]
<4> 前記一般式(1)〜(3)に表される化合物が、オキソオクタデカジエノイックアシッド、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>〜<3>の何れか一項に記載のPPARリガンド。
<5>前記一般式(1)に表される化合物が、9−オキソ−10(E),12(E)−オクタデカジエノイックアシッド(化合物1)、13−オキソ−9(E),11(E)−オクタデカジエノイックアシッド(化合物2)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>〜<4>の何れか一項に記載のPPARリガンド。
Figure 2011037739

9−オキソ−10(E),12(E)−オクタデカジエノイックアシッド(化合物1)
Figure 2011037739

13−オキソ−9(E),11(E)−オクタデカジエノイックアシッド(化合物2)
<6> 前記PPARリガンドが、PPARαリガンドであることを特徴とする、<1>〜<5>の何れか一項に記載のPPARリガンド。
<7> <1>〜<6>の何れか一項に記載のPPARリガンドを含有することを特徴とする組成物。
<8> <1>〜<6>の何れか一項に記載のPPARリガンドをイネ科ジュズダマ属の植物抽出物として含有することを特徴とする、<7>に記載の組成物。
<9> 前記イネ科ジュズダマ属の植物が、イネ科ジュズダマ属ハトムギであることを特徴とする、<8>に記載の組成物。
<10> イネ科ジュズダマ属ハトムギの種皮を除いた種子を採取し、有機溶媒により抽出した後、抽出物を減圧濃縮し、画分精製を行い、その抽出物又は分画のPPARリガンド活性測定を行い、PPARリガンド活性がコントロ−ルに比較し向上したことを確認した、しかる後に、組成物に配合させたものであることを特徴とする、<8>又は<9>に記載の組成物。
<11> 前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、組成物全量に対し0.001質量%〜10質量%含有することを特徴とする、<7>〜<10>の何れか一項に記載の組成物。
<12> 皮膚外用剤であることを特徴とする、<7>〜<11>の何れか一項に記載の組成物。
<13> 経口投与組成物であることを特徴とする、<7>〜<11>の何れか一項に記載の組成物。
<14> 痩身用又は皮膚修復用であることを特徴とする、<7>〜<13>の何れか一項に記載の組成物。
<15> 化粧料又は医薬品であることを特徴とする、<7>〜<14>に記載の組成物。
<16> 前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を含有する組成物の製造方法であって、イネ科ジュズダマ属ハトムギの種皮を除いた種子を採取し、有機溶媒により抽出した後、抽出物を減圧濃縮し、画分精製を行い、その抽出物又は分画を用いてPPARリガンド活性測定を行い、コントロ−ルに比較しPPARリガンド活性が向上したことを確認した、しかる後、組成物に配合することを特徴とする、組成物の製造方法。
<17> <12>に記載の組成物と、<14>に記載の組成物とを構成要素とする、皮膚状態改善のためのキット。
本発明は、この様な状況下においてなされたものであり、痩身又は皮膚修復用に好適な、新規のPPAR(Peroxisome proliferatior-activated receptor)リガンド、並びに、これらを含有する組成物を提供することにある。
化合物1及び化合物2を用いたPPARαリガンド活性評価の結果を示す図である。 イネ科ジュズダマ属ハトムギより得られる各溶媒抽出物のPPARαリガンド活性評価の結果を示す図である。
<本発明の一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩>
本発明の組成物は、前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を含有することを特徴とする。PPAR(Peroxisome proliferatior-activator receptor)は、ほとんどの脊椎動物に存在する核内受容体ス−パ−ファミリ−に属するリガンド依存性転写因子であり、炭化水素、脂質、蛋白質等の細胞内代謝と細胞分化に密接に関与している。PPARには、3種類のサブタイプ(PPARα、PPARγ、PPARδ)が存在する。本発明のPPARリガンドは、3種類のサブタイプそれぞれ作用するが、取り分け、PPARαリガンド作用が強力である。PPARαは、主に肝臓、心臓、骨格筋、褐色脂肪細胞、腎臓などに発現し、炎症、酸化ストレス制御、動脈硬化症の発症などとの関係が明らかにされている。本発明におけるPPARリガンドとは、PPARに直接的又は間接的に働きかけることによりアゴニスト又はアンタゴニスト作用等のPPARを介するPPARリガンド活性を発現させる物質を意味する。本発明のPPARリガンドとしては、前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であれば、特段の限定なく適応することが出来る。また、本発明のPPARリガンドとしては、後記のPPARαリガンド活性試験において、コントロ−ルに比較しPPARαリガンド活性が向上した物質が好適に例示出来る。
ここで一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩に付いて述べれば、式中、R1は、炭素数3〜10の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R2は、水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、m1及びm2は、0〜3の整数、m3は、5〜15の整数を表す。前記R1は、炭素数3〜10、より好ましくは3〜7の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が好適に例示出来、より好ましくは、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が好適に例示出来る。前記R2は、水素原子又は炭素数1〜6、より好ましくは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基が好適に例示出来る。前記m1及びm2は、0〜3の整数、より好ましくは、0又は2の整数、m3は、5〜15の整数、より好ましくは、5〜10の整数を表す。前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の内、より好ましいものとしては、一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましくは、一般式(3)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、これらの内、特に、9−オキソ−10(E),12(E)−オクタデカジエノイックアシッド(化合物1)、13−オキソ−9(E),11(E)−オクタデカジエノイックアシッド(化合物2)、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好ましい。かかる化合物は、PPARリガンド作用、取りわけ、PPARαリガンド作用に対する力価又は安全性に優れる。
ここで一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩に付いて述べれば、式中、R3は、炭素数3〜10の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R4は、水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、m4は、1〜3の整数を表し、m5は、5〜15の整数を表す。前記R3は、炭素数3〜10、より好ましくは、3〜7の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が好適に例示出来、より好ましくは、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が好適に例示出来る。前記R4は、水素原子又は炭素数1〜6、より好ましくは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基が好適に例示出来る。前記m4は、1〜3の整数、より好ましくは、2の整数を表し、前記m5は、5〜15、より好ましくは、5〜10の整数を表す。一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩に関し、具体例を挙げれば、7−オキソ−8−ヘキサデカエノイックアシッド、8−オキソ−9−ヘプタデカエノイックアシッド、9−オキソ−10−オクタデカエノイックアシッド、10−オキソ−11−ノナデカエノイックアシッド、11−オキソ−12−イコサエノイックアシッド、7−オキソ−8,10−ヘキサデカジエノイックアシッド、8−オキソ−9,11−ヘプタデカジエノイックアシッド、9−オキソ−10,12−オクタデカジエノイックアシッド、10−オキソ−11,13−ノナデカジエノイックアシッド、11−オキソ−12,14−イコサンジエノイックアシッド、9−オキソ−10,12−オクタデカジエノイックアシッド、9−オキソ−10,12−ノナデカジエノイックアシッド、9−オキソ−10,12−イコサンジエノイックアシッド、7−オキソ−8,10−ヘキサデカジエノイックアシッドメチルエステル、8−オキソ−9,11−ヘプタデカジエノイックアシッドメチルエステル、9−オキソ−10,12−オクタデカジエノイックアシッドメチルエステル、10−オキソ−11,13−ノナデカジエノイックアシッドメチルエステル、11−オキソ−12,14−イコサンジエノイックアシッドメチルエステル、7−オキソ−8,10−ヘキサデカジエノイックアシッドエチルエステル、8−オキソ−9,11−ヘプタデカジエノイックアシッドエチルエステル、9−オキソ−10,12−オクタデカジエノイックアシッドエチルエステル、10−オキソ−11,13−ノナデカジエノイックアシッドエチルエステル、11−オキソ−12,14−イコサンジエノイックアシッドエチルエステル、それらの異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、より好ましくは、9−オキソ−10,12−オクタデカジエノイックアシッド、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、さらに好ましくは、9−オキソ−10(E),12(E)−オクタデカジエノイックアシッド(化合物1)及び/又はその薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、PPARリガンド作用、取りわけ、PPARαリガンド作用に対する力価又は安全性に優れる。
ここで一般式(3)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩に付いて述べれば、式中、R5は、水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、m6は、2〜9の整数を表し、m7は、1〜3の整数を表し、m8は、5〜15の整数を表す。前記R5は、水素原子又は炭素数1〜6、より好ましくは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基が好適に例示出来る。前記m6は、2〜9の整数、より好ましくは、4〜6の整数を表す。前記m7は、1〜3の整数を表し、より好ましくは、2の整数を表す。m8は、5〜15の整数を表し、より好ましくは、5〜10の整数を表す。前記一般式(3)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩に付いて、具体例を挙げれば、13−オキソ−11−ヘキサデカエノイックアシッド、13−オキソ−11−ヘプタデカエノイックアシッド、
13−オキソ−11−オクタデカエノイックアシッド、13−オキソ−11−ノナデカエノイックアシッド、13−オキソ−11−イコサンエノイックアシッド、13−オキソ−9,11−ヘキサデカジエノイックアシッド、13−オキソ−9,11−ヘプタデカジエノイックアシッド、13−オキソ−9,11−オクタデカジエノイックアシッド、13−オキソ−9,11−ノナデカジエノイックアシッド、13−オキソ−9,−11−イコサンジエノイックアシッド、11−オキソ−7,9−ヘキサデカジエノイックアシッド、12−オキソ−8,10−ヘプタデカジエノイックアシッド、14−オキソ−10,12−ノナデカジエノイックアシッド、15−オキソ−11,13−イコサンジエノイックアシッド、13−オキソ−7,9,11−ヘキサデカトリエノイックアシッド、13−オキソ−7,9,11−ヘプタデカトリエノイックアシッド、13−オキソ−7,9,11−オクタデカトリエノイックアシッド、13−オキソ−7,9,11−ノナデカトリエノイックアシッド、13−オキソ−7,9,−11−イコサントリエノイックアシッド、13−オキソ−9,11−ヘキサデカジエノイックアシッドメチルエステル、13−オキソ−9,11−ヘプタデカジエノイックアシッドメチルエステル、13−オキソ−9,11−オクタデカジエノイックアシッドメチルエステル、13−オキソ−9,11−ノナデカジエノイックアシッドメチルエステル、13−オキソ−9,−11−イコサンジエノイックアシッドメチルエステル、13−オキソ−9,11−ヘキサデカジエノイックアシッドエチルエステル、13−オキソ−9,11−ヘプタデカジエノイックアシッドエチルエステル、13−オキソ−9,11−オクタデカジエノイックアシッドエチルエステル、13−オキソ−9,11−ノナデカジエノイックアシッドエチルエステル13−オキソ−9,−11−イコサンジエノイックアシッドエチルエステル、それらの異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、より好ましくは、13−オキソ−9,11−オクタデカジエノイックアシッド、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、さらに好ましくは、13−オキソ−9(E),11(E)−オクタデカジエノイックアシッド(化合物2)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、PPARリガンド作用、取りわけ、PPARαリガンド作用に対する力価又は安全性に優れる。
本発明の組成物において、一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、一種を単独で含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。斯くして得られた一般式(1)に表される化合物、その異性体は、そのまま使用することも出来るし、アルカリと共に処理するなどして、塩の形態として使用することも出来る。前記一般式(1)に表される化合物、その異性体の塩としては、生理的に許容される塩であれば特に限定されない。生理的に許容される塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属、トリエチルアミン塩、トリエタノ−ルアミン塩、アンモニウム塩、モノエタノ−ルアミン塩、ピペリジン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギン酸塩等の塩基性アミノ酸塩などが好適に例示出来る。
かかる一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、精製されたものであってもよいが、一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する植物抽出物若しくはその分画物等であってもよく、この様な植物としては、イネ科ジュズダマ属に属する植物、例えば、イネ科ジュズダマ属ハトムギなどを挙げることができる。尚、本発明においては、抽出物とは、抽出物自体、抽出物を分画、精製した分画、抽出物乃至は分画、精製物の溶媒除去物の総称を意味する。実際、一般式(1)に表される化合物は、天然にも存していることから、天然物より抽出し、精製を行い得ることも出来る(例えば、特開2003−073329号公報を参照)。一般式(1)に表される化合物、その異性体としては、例えば、下記の9−オキソ−10(E),12(E)−オクタデカジエノイックアシッド(化合物1)、13−オキソ−9(E),11(E)−オクタデカジエノイックアシッド(化合物2)が好適に例示出来、かかる化合物は、イネ科ジュズダマ属ハトムギの植物体の抽出物に含有される。かかるイネ科ジュズダマ属ハトムギの抽出物作製に用いる植物部位としては、種皮を除いた種子が好適に例示出来る。ハトムギは、中国南部からインドシナ半島原産の植物であり、比較的早い時期に日本に移入され、現在は九州から東北に至る幅広い範囲においてその成育が認められ、一部には自生しているところも存する。また、ハトムギの種皮を除いた種子は、ヨクイニンとして利尿作用、抗腫瘍作用などを有し、漢方や民間療法として使用されている。本発明の実施例では、市販のイネ科ジュズダマ属ハトムギの種皮を除いた種子を購入し、使用した。抽出に際して、イネ科ジュズダマ属ハトムギの種皮を除いた種子乃至はその乾燥物は予め、粉砕或いは細切して抽出効率を向上させるように加工することが好ましい。抽出物は、種皮を除いた種子乃至はその乾燥物1質量部に対して、溶媒を1〜30質量部加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬する。浸漬後は、室温まで冷却し、所望により不溶物を除去した後、溶媒を減圧濃縮するなどにより除去することが出来る。しかる後、シリカゲルやイオン交換樹脂を充填したカラムクロマトグラフィ−などで分画精製し、所望の抽出物を得ることが出来る。
前記抽出溶媒としては、有機溶媒が好ましく、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、ブタノ−ルなどのアルコ−ル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエ−テル、テトラヒドロフランなどのエ−テル類、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素などから選択される1種乃至は2種以上が好適に例示出来る。
また、前記の一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を、本願発明の組成物に配合する場合には、組成物全量に対し、0.001質量%〜10質量%、より好ましくは、0.005質量%〜5質量%、さらに好ましくは、0.01質量%〜3質量%含有することが好ましい。これは、前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の含有量が、少なすぎるとPPARリガンド作用を奏しない場合が存し、多すぎても、効果が頭打ちになり、この系の自由度を損なう場合が存するためである。斯くして得られた一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩よりなるPPARリガンドは、直接又は間接的にPPARに作用することにより、PPARを介し、PPARリガンド作用を発現し、痩身作用、炎症により生じた皮膚状態の悪化を修復する効果を発揮する。取り分け該リガンドは、PPARアソニストとしての働きが著しく、この目的で使用することが好ましい。
<本発明の組成物>
本発明の組成物は、一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を含有することを特徴とする。本発明の組成物において、一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の内、1種又は2種以上を組み合わせて用い、当該物質をそのまま組成物に配合してもよく、また当該物質をイネ科ジュズダマ属ハトムギより得られる植物抽出物として配合することも出来る。尚、本発明の抽出物とは、抽出物自体、抽出物を分画、精製した分画、抽出物乃至は分画、精製物の溶媒除去物の総称を意味する。この様な一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の粗製物を本発明の組成物に含有させることは、処方の自由度が大きくなるという点でより好ましい。
また、一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を含有するイネ科ジュズダマ属ハトムギより得られる植物抽出物の製剤化にあたっては、通常の食品、医薬品、化粧料などの製剤化で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、経口投与組成物であれば、例えば、乳糖や白糖などの賦形剤、デンプン、セルロ−ス、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロ−スなどの結合剤、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム、カルボキシメチルセルロ−スカルシウムなどの崩壊剤、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステルなどの界面活性剤、マルチト−ルやソルビト−ルなどの甘味剤、クエン酸などの酸味剤、リン酸塩などの緩衝剤、シェラックやツェインなどの皮膜形成剤、タルク、ロウ類などの滑沢剤、軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲルなどの流動促進剤、生理食塩水、ブドウ糖水溶液などの希釈剤、矯味矯臭剤、着色剤、殺菌剤、防腐剤、香料など好適に例示出来る。経皮投与組成物であれば、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどの炭化水素類、ホホバ油、カルナウバワックス、オレイン酸オクチルドデシルなどのエステル類、オリ−ブ油、牛脂、椰子油などのトリグリセライド類、ステアリン酸、オレイン酸、レチノイン酸などの脂肪酸、オレイルアルコ−ル、ステアリルアルコ−ル、オクチルドデカノ−ル等の高級アルコ−ル、スルホコハク酸エステルやポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤類、アルキルベタイン塩等の両性界面活性剤類、ジアルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、これらのポリオキシエチレン付加物、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコ−ル、グリセリン、1,3−ブタンジオ−ル等の多価アルコ−ル類、増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色剤、防腐剤、粉体等を含有することができる。製造は、常法に従い、これらの成分を処理することにより、困難なく、為しうる。
本発明の組成物としては、医薬品、化粧品、食品、飲料などが好適に例示出来、日常的に摂取出来ることから、食品、化粧品などに適応することが好ましい。その投与経路も、経口投与、経皮投与の何れもが可能であり、解毒(デトックス)の目的では、関連臓器への到達効率のよい経皮投与を採用し、食品などの経口投与組成物の形態を採用することが好ましい。
<本発明のイネ科ジュズダマ属ハトムギより得られる植物抽出物の製造方法及び化合物1及び2の単離精製>
市販のイネ科ジュズダマ属ハトムギの種皮を除いた種子(ヨクイニン) 2Kgを9リットルのメタノ−ル中、2時間加熱還流抽出を2回行い、濾過後、2回分の濾液をあわせたものを、濃縮、乾燥し、ヨクイニンメタノ−ル抽出物を得た。ヨクイニンメタノ−ル抽出物70gを90%メタノ−ル含有水溶液に溶解し、n−ヘキサン、ジエチルエ−テル、酢酸エチルの各溶媒で液液分配抽出し、各抽出液を濃縮、乾燥し、n−ヘキサン抽出物36.9g、ジエチルエ−テル抽出物6.6g、酢酸エチル抽出物0.6g、水抽出物26.8gを得た。この内、ジエチルエ−テル抽出物6.6gを、シリカゲルカラムクロマト(Fuji Silisia PSQ100B、100g)及びDevelosilC30-UG5(野村化学)カラムを装着した分取HPLCにて分画、精製を繰り返し行い、9−オキソ−10(E),12(E)−オクタデカジエノイックアシッド(16mg、化合物1)、13−オキソ−9(E),11(E)−オクタデカジエノイックアシッド(18mg、化合物2)を得た。各化合物の核磁気共鳴スペクトルを測定し、化合物の同定を行った。
Figure 2011037739
9−オキソ−10(E),12(E)−オクタデカジエノイックアシッド(化合物1)
<化合物1の物理恒数>
H-NMR(CDCl)δ:0.89(3H、t、J=7.0Hz)、1.26−1.48(14H、m)、1.57−1.66(2H、m)、2.15−2.20(2H、m)、2.32(2H、t、J=7.5Hz)、2.53(2H、t、J=7.5Hz)、6.07(1H、d、J=15.5Hz)、6.16−6.19(2H、m)、7.13(1H、dm、J=15.5Hz).
13C-NMR(CDCl)δ:13.92、22.42、24.32、24.68、28.36、28.85、28.98、29.06、31.34、33.06、33.80、40.41、127.81、128.84、143.08、145.75、177.45、201.15.
前記化合物1の核磁気共鳴スペクトルは、化合物1の化学構造を有することが判った。
Figure 2011037739
13−オキソ−9(E),11(E)−オクタデカジエノイックアシッド(化合物2)
<化合物2の物理恒数>
H-NMR(CDCl)δ: 0.90(3H、t、J=7.0Hz)、1.26−1.45(14H、m)、1.59−1.67(2H、m)、2.15−2.21(2H、m)、2.34(2H、t、J=7.5Hz)、2.53(2H、t、J=7.5Hz)、6.08(1H、d、J=15.5Hz)、6.15−6.18(2H、m)、7.13(1H、dm、15.5Hz).
13C-NMR(CDCl)δ:13.90、22.46、24.18、24.65、28.63、28.92、28.99、31.53、33.04、33.77、40.54、127.96、128.99、142.88、145.36、178.34、201.20.
前記化合物2の核磁気共鳴スペクトルは、化合物2の化学構造を有することが判った。
以下に、実施例を挙げて本発明に付いて更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定を受けないことは、言うまでもない。
<化合物1及び化合物2、イネ科ジュズダマ属ハトムギより得られる植物抽出物のPPARαリガンド活性評価>
各化合物は、最終濃度(5、10及び50μg/mL)、各抽出物は、最終濃度(25及び50μg/mL)になる様にジメチルスルホキシド(和光純薬工業株式会社製)に溶解させて調整し、市販のELISAキット(EnBio RCAS for PPARα、株式会社エンバイオテック・ラボラトリ−ズ)にてPPARαリガンド活性測定を行った。ポジティブコントロ−ルとしては、上記キットに付属の化合物Wy14643を用いた。各化合物及び抽出物のPPARαリガンド活性は、ジメチルスルホキシドのみを添加した場合の活性を1とした時の比活性で表示した。結果を図1及び図2に示す。
図1及び図2の結果より、化合物1及び化合物2は、顕著なPPARαリガンド活性を示した。また、イネ科ジュズダマ属ハトムギの種皮を除いた種子(ヨクイニン)より得られる有機溶媒の各抽出物は、いずれも顕著なPPARαリガンド活性を示した、一方、水抽出物には、PPARαリガンド活性が認められなかった。各抽出物が示したPPARαリガンド活性の順位は、ジエチルエ−テル抽出物>酢酸エチル抽出物>ヘキサン抽出物>水抽出物の順であった。
表1及び表2に示す処方に従い、健康食品1及び2を作製した。即ち、処方成分を10重量部の水と共に転動相造粒(不二パウダル株式会社製「ニュ−マルメライザ−」)し、打錠して錠剤状の健康食品を得た。尚、表中の数値の単位は、重量部を表す。本健康食品は、優れた肥満に対する抑制効果を示していた。
Figure 2011037739
Figure 2011037739
表2に記載の「本発明の一般式(1)に表される化合物」を含有するドリンク製剤の健康食品を表3、に示す処方に従って作製した(健康食品3:化合物1、健康食品4:化合物2)。即ち、処方成分を撹拌可溶化しドリンク製剤の健康食品を得た。尚、表中の数値の単位は、重量部を表す。本健康食品は、優れた肥満に対する抑制効果を示していた。
Figure 2011037739
表4に記載の処方に従い、「本発明の一般式(1)に表される化合物」を含有する皮膚外用剤(化粧水1:化合物1、化粧水2:化合物2)を作製した。即ち、処方成分を室温で攪拌可溶化して化粧水を得た。本化粧水1及び2は、優れた皮膚修復効果を示していた。


Figure 2011037739
表5に記載の処方に従い、「本発明の一般式(1)に表される化合物」を含有する皮膚外用剤(クリ−ム1:化合物1、クリ−ム2:化合物2)を作製した。即ち、イ、ロ、ハをそれぞれ80℃に加熱溶解して、イにロを徐々に加え、更にハを加え乳化した後、ホモミキサ−により乳化粒子を均一化し、冷却してクリ−ムを得た。本クリ−ム1及び2は、優れた皮膚修復効果を示していた。
Figure 2011037739
本発明は、痩身用又は皮膚修復用に好適な組成物に応用出来る。

Claims (17)

  1. 1)下記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩からなる、PPAR(Peroxisome proliferatior-activated receptor)リガンド。
    Figure 2011037739
    (1)
    [式中、R1は、炭素数3〜10の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R2は、水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、m1及びm2は、0〜3の整数、m3は、5〜15の整数を表す。]
  2. 前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1に記載のPPARリガンド。
    Figure 2011037739
    (2)
    [式中、R3は、炭素数3〜10の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R4は、水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、m4は、1〜3の整数を表し、m5は、5〜15の整数を表す。]
  3. 前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のPPARリガンド。
    Figure 2011037739
    (3)
    [式中、R5は、水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、m6は、2〜9の整数を表し、m7は、1〜3の整数を表し、m8は、5〜15の整数を表す。]
  4. 前記一般式(1)〜(3)に表される化合物が、オキソオクタデカジエノイックアシッド、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のPPARリガンド。
  5. 前記一般式(1)に表される化合物が、9−オキソ−10(E),12(E)−オクタデカジエノイックアシッド(化合物1)、13−オキソ−9(E),11(E)−オクタデカジエノイックアシッド(化合物2)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載のPPARリガンド。
    Figure 2011037739

    9−オキソ−10(E),12(E)−オクタデカジエノイックアシッド(化合物1)
    Figure 2011037739

    13−オキソ−9(E),11(E)−オクタデカジエノイックアシッド(化合物2)
  6. 前記PPARリガンドが、PPARαリガンドであることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載のPPARリガンド。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載のPPARリガンドを含有することを特徴とする組成物。
  8. 請求項1〜6の何れか一項に記載のPPARリガンドをイネ科ジュズダマ属の植物抽出物として含有することを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
  9. 前記イネ科ジュズダマ属の植物が、イネ科ジュズダマ属ハトムギであることを特徴とする、請求項8に記載の組成物。
  10. イネ科ジュズダマ属ハトムギの種皮を除いた種子を採取し、有機溶媒により抽出した後、抽出物を減圧濃縮し、画分精製を行い、その抽出物又は分画のPPARリガンド活性測定を行い、PPARリガンド活性がコントロ−ルに比較し向上したことを確認した、しかる後に、組成物に配合させたものであることを特徴とする、請求項8又は9に記載の組成物。
  11. 前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、組成物全量に対し0.001質量%〜10質量%含有することを特徴とする、請求項7〜10の何れか一項に記載の組成物。
  12. 皮膚外用剤であることを特徴とする、請求項7〜11の何れか一項に記載の組成物。
  13. 経口投与組成物であることを特徴とする、請求項7〜11の何れか一項に記載の組成物。
  14. 痩身用又は皮膚修復用であることを特徴とする、請求項7〜13の何れか一項に記載の組成物。
  15. 化粧料又は医薬品であることを特徴とする、請求項7〜14に記載の組成物。
  16. 前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を含有する組成物の製造方法であって、イネ科ジュズダマ属ハトムギの種皮を除いた種子を採取し、有機溶媒により抽出した後、抽出物を減圧濃縮し、画分精製を行い、その抽出物又は分画を用いてPPARリガンド活性測定を行い、コントロ−ルに比較しPPARリガンド活性が向上したことを確認した、しかる後、組成物に配合することを特徴とする、組成物の製造方法。
  17. 請求項12に記載の組成物と、請求項14に記載の組成物とを構成要素とする、皮膚状態改善のためのキット。
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