JP2011037317A - ハイブリッド車両の異常時制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイブリッド車両のモータ/ジェネレータが制御不能になって発生する制動トルクによっても、急減速や駆動力低下を生ずることのないようにする。
【解決手段】モータ/ジェネレータがインバータの短絡故障で制御不能になり、制動トルクを発生するとき(S23で)、フェールセーフ制御の開始により4WDクラッチを締結させ(S25)、モータ駆動車輪をエンジンにも結合させる。これにより、上記制動トルクが減殺され、駆動力低下を緩和し得るが、それでもなお、S29で車両が急減速すると判定する場合は、S31でエンジンをトルクアップさせる。これで、モータ/ジェネレータの制御不能による制動トルクが確実に相殺され、違和感のある急減速や駆動力低下を確実に防止することができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、エンジンおよびモータ/ジェネレータを動力源とするハイブリッド車両のモータ/ジェネレータが、それ自身の故障やその制御系の故障などで制御不能になった場合も、車両減速度が急増することのないようにした、ハイブリッド車両の異常時制御装置に関するものである。
今日ハイブリッド車両としては様々な型式のものが知られており、例えば特許文献1に記載のごとく、エンジンによる車輪の駆動系にクラッチを介挿し、これらクラッチおよび車輪間の駆動系部分にモータ/ジェネレータを結合した型式のハイブリッド車両がある。
この特許文献1に記載のハイブリッド車両は、エンジンによる車輪の駆動系として主駆動輪用の主駆動系と従駆動輪用の従駆動系とを具え、従駆動系に上記クラッチを介挿すると共に、これらクラッチおよび従駆動輪間の従駆動系部分に遊星歯車組を介してモータ/ジェネレータを結合し、上記クラッチの解放・締結により二輪・四輪駆動切り替えを行い得るものである。
かかる構成のハイブリッド車両によれば、既存のエンジンおよび減速機を流用して汎用性の高いハイブリッドシステムが構築できるため原価低減を達成できる。
また、二輪駆動状態だけでなく四輪駆動状態でも、制動時に回生エネルギーを回収することができるため、回生エネルギー量が多くて燃料消費率の改善を期待できる。
特開平11−099838号公報(図14および図15)
しかし、上記した従来のハイブリッド車両にあっては、モータ/ジェネレータがクラッチおよび従駆動輪間の従駆動系部分に遊星歯車組を介して常時結合されているため、ハイブリッド車両の走行中モータ/ジェネレータが短絡故障などによって制御不能に陥り、モータ/ジェネレータに制動トルクが発生した場合、車両に、運転者の操作とは関係のない減速度が作用することとなり、運転者に違和感を与えるという問題があった。
本発明は、モータ/ジェネレータが制御不能により制動トルクを発生するようになった場合でも、この制動トルクをエンジンの出力制御で相殺、または減殺して、運転者の操作とは関係のない減速度が車両に作用するのを防止、または減ずることにより、上記違和感に関する問題を解消し得るようにしたハイブリッド車両の異常時制御装置を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明によるハイブリッド車両の異常時制御装置は、以下のごとくにこれを構成する。
先ず、本発明の前提となるハイブリッド車両を説明するに、これは、
エンジンによる車輪の駆動系にクラッチを介挿し、該クラッチおよび前記車輪間の駆動系部分にモータ/ジェネレータを結合したものである。
本発明は、かかるハイブリッド車両に対し、以下のようなモータ/ジェネレータ制御不能検知手段と、異常時対策手段とを設ける。
モータ/ジェネレータ制御不能検知手段は、上記モータ/ジェネレータの制御不能を検知するもので、
異常時対策手段は、上記のようにモータ/ジェネレータの制御不能が検知されるとき、前記クラッチを締結させるものである。
かかる本発明によるハイブリッド車両の異常時制御装置にあっては、
モータ/ジェネレータの制御不能が検知されるとき、クラッチの締結により車輪をエンジンに結合させるため、
モータ/ジェネレータが制御不能により制動トルクを発生するようになった場合でも、この制動トルクをエンジンのトルクで相殺、または減殺して、運転者の操作とは関係のない減速度が車両に作用するのを防止、または減ずることができ、運転者の操作とは関係のない減速度による違和感の問題を解消することができる。
本発明の一実施例になる異常時制御装置を具えたハイブリッド車両のパワートレーンを、その制御系と共に示す概略システム図である。 図1におけるハイブリッド車両のパワートレーンが選択可能な運転モードを示す運転モード概要図である。 図1に示したハイブリッド車両のパワートレーンにおけるモータ/ジェネレータが制御不能となった時における懸念事項を、運転モードごとに示す説明図である。 図1に示したハイブリッド車両の制御システムにおける構成部品が、モータ/ジェネレータの制御不能時における逆起電力によって発生する熱量の変化特性を示す特性線図である。 図1に示したハイブリッド車両の制御システムにおける構成部品の温度変化を、モータ/ジェネレータが制御不能になった場合について示すタイムチャートである。 図1に示したハイブリッド車両の制御システムが、異常検出のために実行するフェール判定の制御プログラムを示すフローチャートである。 図6のフェール判定で、モータ/ジェネレータが制御不能になったと判定した場合に実行する、異常時フェールセーフモードでの制御プログラム示すフローチャートである。 図7に示した異常時フェールセーフモードでの制御プログラムが実行されたことで得られる作用効果を、運転モードごとに示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
<パワートレーン>
図1は、本発明の一実施例になる異常時制御装置を具えたハイブリッド車両のパワートレーンを、その制御系と共に示す概略システム図である。
このハイブリッド車両は、フロントエンジン・フロントホイールドライブ車(前輪駆動車)をベース車両とし、これを以下のようにしてハイブリッド車両化したものである。
図1において、1はエンジン、2FL,2FRはそれぞれ左右前輪(左右主駆動輪)、3RL,3RRはそれぞれ左右後輪(左右従駆動輪)を示す。
図1に示すハイブリッド車両のパワートレーンは、エンジン1からの回転を変速して出力する自動変速機4を具え、該自動変速機4の出力回転を左右前輪2FL,2FRと、左右後輪3RL,3RRとに分配して向かわせるトランスファー5を有する。
トランスファー5から左右前輪2FL,2FRへの回転は、図示せざるディファレンシャルギヤ装置および左右アクスルシャフト6L,6Rを介して左右前輪2FL,2FRに伝達されるようになす。
また、トランスファー5から左右後輪3RL,3RRへの回転は、プロペラシャフト7、ディファレンシャルギヤ装置8および左右アクスルシャフト9L,9Rを介して左右後輪3RL,3RRに伝達されるようになす。
ところでプロペラシャフト7は、トランスファー5に近い方のフロントプロペラシャフト部分7Fと、ディファレンシャルギヤ装置8に近い方のリヤプロペラシャフト部分7Rとに二分割する。
これらフロントプロペラシャフト部分7Fおよびリヤプロペラシャフト部分7R間には4WDクラッチ11を介在させ、この4WDクラッチ11によりフロントプロペラシャフト部分7Fおよびリヤプロペラシャフト部分7R間を適宜、切り離したり、結合し得るようになす。
このため4WDクラッチ11は、フロントプロペラシャフト部分7Fと共に回転するクラッチディスク、および、リヤプロペラシャフト部分7Rと共に回転するクラッチディスクの交互配置に成るクラッチパック11aと、隣り合うクラッチディスクを相互に押圧可能なクラッチアクチュエータ11bとで構成する。
4WDクラッチ11は、クラッチアクチュエータ11bの作動により、クラッチパック11aの隣り合うクラッチディスクを相互に押圧するとき締結状態となって、フロントプロペラシャフト部分7Fおよびリヤプロペラシャフト部分7R間を結合し、
クラッチアクチュエータ11bの非作動により、クラッチパック11a(隣り合うクラッチディスク)の押圧力を解除するとき解放状態となって、フロントプロペラシャフト部分7Fおよびリヤプロペラシャフト部分7R間を切り離すことができる。
4WDクラッチ11の上記締結状態でトランスファー5からの回転を左右後輪3RL,3RRへ伝達するリヤプロペラシャフト部分7Rに結合してモータ/ジェネレータ12を設ける。
モータ/ジェネレータ12は、モータケース11a内に固設した円環状のステータ12sと、このステータ12s内に同心に配したロータ12rとで構成する。
モータ/ジェネレータ12をリヤプロペラシャフト部分7Rに結合するに際しては遊星歯車組13を用い、この遊星歯車組13はサンギヤ13sと、リングギヤ13rと、これらに噛合するプラネタリピニオン13pと、これらプラネタリピニオン13pを回転自在に支持するキャリア13cとよりなる単純遊星歯車組とする。
モータ/ジェネレータ12をリヤプロペラシャフト部分7Rに結合するに際しては、モータ/ジェネレータ12のロータ12rを遊星歯車組13のサンギヤ13sに結合し、遊星歯車組13のキャリア13cをリヤプロペラシャフト部分7Rに結合し、遊星歯車組13のリングギヤ13rをモータケース12a内に固定する。
かくしてモータ/ジェネレータ12(ロータ12r)の回転は、遊星歯車組13による減速下でリヤプロペラシャフト部分7Rに伝達され、4WDクラッチ11の締結状態でリヤプロペラシャフト部分7Rは、トランスファー5からのエンジントルクと、モータ/ジェネレータ12(ロータ12r)からのモータトルクとを左右後輪3RL,3RRへ伝達することができる。
<運転モード>
以下、図1につき上述したパワートレーンの運転モードを説明する。
図1に示したパワートレーンの運転モードは図2に示すように、4WDクラッチ11を解放してフロントプロペラシャフト部分7Fおよびリヤプロペラシャフト部分7R間を切り離した状態での4WDクラッチ解放時運転モードと、4WDクラッチ11を締結してフロントプロペラシャフト部分7Fおよびリヤプロペラシャフト部分7R間を結合した状態での4WDクラッチ締結時運転モードとに大別される。
前者の4WDクラッチ解放時運転モードとしては、
(1)エンジン1を運転し、モータ/ジェネレータ12を非作動にすることで、前輪駆動車と同様に左右前輪2FL,2FRのみをエンジン駆動する「エンジン2WDモード」と、
(2)エンジン1を停止させ、モータ/ジェネレータ12をモータとして作動させることで、左右後輪3RL,3RRのみをモータ駆動する「モータ2WDモード」と、
(3)エンジン1を運転し、モータ/ジェネレータ12をモータとして作動させることで、左右前輪2FL,2FRをエンジン駆動すると共に左右後輪3RL,3RRをモータ駆動するハイブリッド式モータ4WDモード「HEVモータ4WDモード」と、
(4)エンジン1を停止させ、モータ/ジェネレータ12を発電機として作動させることで、左右後輪3RL,3RRのみを回生制動しながら走行する「回生2WDモード」と、
(5)エンジン1を運転し、モータ/ジェネレータ12を発電機として作動させることで、前輪駆動車と同様に左右前輪2FL,2FRのみをエンジン駆動しながら走行する間に、モータ/ジェネレータ12が発電作用により発生した電力をモータ/ジェネレータ12用のバッテリに充電する「上乗せ充電2WDモード」とがある。
一方、後者の4WDクラッチ締結時運転モードとしては、
(6)エンジン1を運転し、モータ/ジェネレータ12を非作動にすることで、四輪駆動車と同様に左右前輪2FL,2FRおよび左右後輪3RL,3RRをエンジン駆動する「エンジン4WDモード」と、
(7)エンジン1を停止させ、モータ/ジェネレータ12をモータとして作動させることで、左右後輪3RL,3RRおよび左右前輪2FL,2FRをモータ駆動する「モータ4WDモード」と、
(8)エンジン1を運転し、モータ/ジェネレータ12をモータとして作動させることで、左右前輪2FL,2FRおよび左右後輪3RL,3RRをエンジン1およびモータ/ジェネレータ12の双方ににより駆動するハイブリッド式4WDモード「HEV4WDモード」と、
(9)エンジン1を停止させ、モータ/ジェネレータ12を発電機として作動させることで、左右後輪3RL,3RRおよび左右前輪2FL,2FRを回生制動しながら走行する「回生4WDモード」と、
(10)エンジン1を運転し、モータ/ジェネレータ12を発電機として作動させることで、四輪駆動車と同様に左右前輪2FL,2FRおよび左右後輪3RL,3RRをエンジン駆動しながら走行する間に、モータ/ジェネレータ12が発電作用により発生した電力をモータ/ジェネレータ12用のバッテリに充電する「上乗せ充電4WDモード」とがある。
<制御システム>
次に、上記したハイブリッド車両のパワートレーンを成すエンジン1、モータ/ジェネレータ12、および4WDクラッチ11の制御システムを、図1に基づき概略説明する。
この制御システムは、パワートレーンの動作点を統合制御するハイブリッドコントローラ21を具え、該パワートレーンの動作点を、目標エンジントルクtTeと、目標モータ/ジェネレータトルクtTmと、4WDクラッチ11の締結・解放指令とで規定する。
ハイブリッドコントローラ21には、上記パワートレーンの動作点を決定するために、
エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ22からの信号と、
アクセルペダル踏み込み量(アクセル開度APO)を検出するアクセル開度センサ23からの信号と、
自動変速機4のシフトレバー位置を検出するシフトスイッチ24からの信号と、
ブレーキペダルの踏み込み時にONとなるブレーキスイッチ25からの信号と、
左右前輪2FL,2FRの平均車輪速である前輪速Vwfを検出する前輪速センサ26からの信号と、
左右後輪3RL,3RRの平均車輪速である後輪速Vwrを検出する後輪速センサ27からの信号と、
モータ/ジェネレータ12用の電力を蓄電しておくバッテリ31の蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)を検出するバッテリ蓄電状態センサ28からの信号とを入力する。
ハイブリッドコントローラ21は、上記入力情報のうちアクセル開度APO、シフトスイッチ24からの信号、ブレーキスイッチ25からの信号、車輪速Vwf,Vwr(車速VSP)、およびバッテリ蓄電状態SOCから、運転者が希望している車両の要求駆動力や運転状態に最適な走行形態を実現可能な前記運転モード(1)〜(10)を選択すると共に、目標エンジントルクtTe、目標モータ/ジェネレータトルクtTm、および4WDクラッチ11の締結・解放指令をそれぞれ決定する。
目標エンジントルクtTeはエンジンコントローラ32に供給され、このエンジンコントローラ32は、センサ22で検出したエンジン回転数Neと目標エンジントルクtTeとから、エンジン回転数Neのもとで目標エンジントルクtTeを実現するためのスロットル開度制御や燃料噴射量制御などにより、エンジントルクが目標エンジントルクtTeとなるようエンジン1を制御する。
目標モータ/ジェネレータトルクtTmはモータ/ジェネレータコントローラ33に供給され、このモータ/ジェネレータコントローラ33は、バッテリ31の電力をインバータ34により直流−交流変換して、またインバータ34による制御下でモータ/ジェネレータ12のステータ12sに供給し、モータ/ジェネレータトルクが目標モータ/ジェネレータトルクtTmに一致するようモータ/ジェネレータを制御する。
なお目標モータ/ジェネレータトルクtTmが、モータ/ジェネレータ12に回生制動(発電機)作用を要求するようなものである場合、モータ/ジェネレータコントローラ33はインバータ34を介し、センサ28で検出したバッテリ蓄電状態SOCとの関連においてバッテリ31が過充電とならないような発電負荷をモータ/ジェネレータ12に与え、
モータ/ジェネレータ12が回生制動により発電した電力を交流−直流変換してバッテリ31に充電する。
上記によってもバッテリ31が過充電になりそうになった場合、ハイブリッドコントローラ21は、バッテリコントローラ35を介してバッテリ31の充電を停止させるなどの安全対策を施す。
上記したモータ/ジェネレータ12の回生ブレーキのみでは制動力が不足する場合、統合コントローラ21は、不足分の制動力を液圧ブレーキシステムで補うべく摩擦制動力指令値Tfを回生協調ブレーキ制御指令としてブレーキコントローラ36に供給する。
ブレーキコントローラ36による制御先を図示しなかったが、ブレーキコントローラ36は、回生協調ブレーキ制御指令がない場合(摩擦制動力指令値Tf=0の場合)、ブレーキペダル踏力に応じたマスターシリンダ液圧をもとに、各輪ブレーキユニットのブレーキ液圧を適切な前後輪制動力配分制御下でマスターシリンダ液圧に応じた液圧に制御するが、
ハイブリッドコントローラ21から回生協調ブレーキ制御指令(摩擦制動力指令値Tf>0)を受けるときブレーキコントローラ36は、摩擦制動力指令値Tf(>0)を液圧ブレーキシステムにより実現すべく各輪ブレーキユニットのブレーキ液圧を適切な前後輪制動力配分制御下で摩擦制動力指令値Tfに応じた液圧に制御する。
ハイブリッドコントローラ21からの4WDクラッチ締結・解放指令は4WDコントローラ37に供給され、この4WDコントローラ37は、WDクラッチ締結・解放指令に基づき4WDクラッチ11のアクチュエータ11bを作動、非作動させて4WDクラッチ11を指令通りに締結・解放状態にする。
<モータ/ジェネレータ制御失陥時の懸念事項>
以上は、図1の制御システムが実行する通常制御の概要であるが、図1におけるハイブリッド車両のパワートレーンにあっては、モータ/ジェネレータ12が4WDクラッチ11および左右後輪3RL,3RR間の従駆動系部分であるリヤプロペラシャフト部分7Rに遊星歯車組13を介して常時結合されているため、ハイブリッド車両の走行中モータ/ジェネレータ2がそれ自身の短絡故障やその制御系の故障などによって制御不能に陥り、モータ/ジェネレータ12に制動トルクが発生した場合、車両に、運転者の操作とは関係のない減速度が作用することとなり、運転者に違和感を与えるという問題がある。
つまり図3に示すように、4WDクラッチ解放時運転モードである「エンジン2WDモード」、「モータ2WDモード」、「HEVモータ4WDモード」、「回生2WDモード」、および「上乗せ充電2WDモード」ではそれぞれ、モータ/ジェネレータ12に繋がっている左右後輪3RL,3RRが上記の制動トルクによりロック傾向となり、
また、4WDクラッチ締結時運転モードである「エンジン4WDモード」、「モータ4WDモード」、「HEV4WDモード」、「回生4WDモード」、および「上乗せ充電4WDモード」ではそれぞれ、モータ/ジェネレータ12に繋がっている左右後輪3RL,3RRおよび左右前輪2FL,2FRが上記の制動トルクによりロック傾向となる。
かように4WDクラッチ解放時運転モードで左右後輪3RL,3RRがロック傾向になり、4WDクラッチ締結時運転モードで左右後輪3RL,3RRおよび左右前輪2FL,2FRがロック傾向になることから、
図3に示すように全ての運転モードで車両に急制動がかかったり、駆動力が低下するという現象が発生し、これらが運転者の操作とは関係のない現象(減速度)であることから、運転者に違和感を与えることになる。
ちなみに上記車輪のロック傾向について付言するに、4WDクラッチ11を解放した5個の4WDクラッチ解放時運転モードの場合、モータ/ジェネレータ12からのトルクは遊星歯車組13のサンギヤ13s→キャリア13c→リヤプロペラシャフト7R→ディファレンシャルギヤ装置8→左右アクスルシャフト9L,9R→左右後輪3RL,3RRの経路を通る。
よって、左右後輪3RL,3RRおよび路面間の摩擦により伝達可能な力をFr_refとし、モータ/ジェネレータトルクによって左右後輪3RL,3RRで発生する力をFmとすると、
Fm>Fr_ref
であるとき、上記制動トルクが過剰であって左右後輪3RL,3RRはロック傾向となる。
一方、4WDクラッチ11を締結した5個の4WDクラッチ締結時運転モードの場合、モータ/ジェネレータ12からのトルクは遊星歯車組13のサンギヤ13sおよびキャリア13cを経てリヤプロペラシャフト部分7Rに達し、その後トルクは、一方でディファレンシャルギヤ装置8および左右アクスルシャフト9L,9Rを経て左右後輪3RL,3RRに至り、他方でフロントプロペラシャフト部分7F、トランスファー5および左右アクスルシャフト6L,6Rを経て左右前輪2FL,2FRに至る。
また、左右前輪2FL,2FRおよび左右後輪3RL,3RRにはそれぞれ、エンジン1の駆動力も伝達される。
よって、左右後輪3RL,3RRおよび路面間の摩擦により伝達可能な力をFr_refとし、左右前輪2FL,2FRおよび路面間の摩擦により伝達可能な力をFf_refとし、エンジン駆動力をFengとすると、モータ/ジェネレータトルクによって左右後輪3RL,3RRおよび左右前輪2FL,2FRで発生する力をFmが、
Fr_ref<Fm-Feng≦Ff_ref+Fr_ref
の範囲内の値であれば、左右後輪3RL,3RRおよび左右前輪2FL,2FRはロック傾向にならない。
以上のことから明らかなように、短絡故障によってモータ/ジェネレータ12が制動トルクを発生する場合、4WDクラッチ11を締結することで車輪のロック傾向を回避することができる。
また、モータ/ジェネレータ12の制動トルクが大きくて
Fm-Feng>Ff_ref+Fr_ref
となるため、4WDクラッチ11の締結によっても車輪のロック傾向を生ずる場合は、エンジン1の出力トルクを増加させてFengを大きくすることで、車輪のロック傾向を回避することができる。
なお、モータ/ジェネレータ12が前記の短絡故障で制御不能になった場合、モータ/ジェネレータ12の回転に伴って短絡回路に誘起電圧と短絡電流とによる逆起電力が発生するため、短絡回路上の部品(モータ/ジェネレータ12およびインバータ34など)が発熱する。
勿論かかる発熱の問題は、図3に示すように全ての運転モードで発生する。
ちなみに誘起電圧は、モータ/ジェネレータ12の回転数Nm、つまり車速VSPが高いほど増加するため、モータ/ジェネレータ12の短絡故障時における逆起電力による発熱量は図4に例示するごとく、車速VSPがVSP1,VSP2・・・と高速であるほど増加する。
よって図5に示すごとく、或る部品の温度Tempが二点鎖線で示すように時系列変化して、破線で示す部品耐熱温度C_refを超えると判断される時の車速VSPがVSP2であった場合、同図に実線で示すごとく、この部品耐熱温度C_ref以下で当該部品の温度上昇が飽和するような車速VSP1まで車速低下させれば、当該部品の温度Tempが耐熱温度C_refを超えるという問題を回避することができる。
このように部品温度Tempをモニタしながら車速VSPを制限することで、モータ/ジェネレータ12の短絡故障時も、許容される最大限のモータ/ジェネレータトルクでの走行を続けることが可能となる。
<異常時制御>
本実施例においては、モータ/ジェネレータ2がそれ自身の短絡故障やその制御系の故障などによって制御不能に陥った場合の上記問題、つまり、運転者の操作とは関係のない違和感のある減速度が発生するという問題や、部品の温度Tempが耐熱温度C_refを超えるという問題を、上記の対処により解消するため、図1の制御システムが図6,7の異常時制御プログラムを実行するようになす。
そのため図1に示すように、モータ/ジェネレータコントローラ33には、モータ/ジェネレータ回転数Nmを検出する回転センサ29からの信号と、上記の異常時に温度上昇が一番大きな重要部品の温度Tempを検出する温度センサ30からの信号を入力し、これらの情報を各コントローラ間で共有するようになす。
図6は、図1に示す制御システムのフェール(失陥)判定を行って、その結果に基づき制御モードを決定するためのプログラムである。
ステップS11においては、各コントローラ21,32,33,35,36,37が個々の制御対象のシステム構成部品について、それぞれの状態を監視する。
ステップS12においては、かかる監視の結果からシステム構成部品に異常がないか否かをチェックする。
ステップS12で全てのシステム構成部品に異常がなく、全て正常であると判定した場合、ステップS13において正常時用の通常制御モードを実行する。
この通常制御モードは如何なるものでもよく、発明と関係ないため詳細な説明をここでは省略する。
ステップS12でどこかのシステム構成部品に異常があると判定した場合、ステップS14において、異常時用のフェールセーフモードに移行し、異常を検知しているコントローラに合わせたフェールセーフモードでの制御を実行する。
つまり、ステップS14-1において、モータ/ジェネレータ(MG)コントローラ33以外のコントローラが異常検知したのか、ステップS14-2において、モータ/ジェネレータ(MG)コントローラ33が異常検知したのかをチェックする。
モータ/ジェネレータ(MG)コントローラ33以外のコントローラが異常検知したものであれば、ステップS14-3において、故障部位に合わせた周知のフェールセーフモードで制御を実行する。
この故障部位に合わせたフェールセーフモードも周知の任意のものでよく、発明と関係ないため詳細な説明をここでは省略する。
ステップS14-2でモータ/ジェネレータ(MG)コントローラ33が異常検知したと判定する場合は、ステップS14-4において、本発明が狙いとするモータ/ジェネレータ(MG)異常時フェールセーフモードへ移行し、このモードでの制御を図7に基づき実行する。
MG異常時フェールセーフモードでは、先ず図7のステップS21において、モータ/ジェネレータ12の強電系を安全のため、例えば強電系リレーの遮断により、シャットダウンする。
かかる強電系のシャットダウンにより、モータ/ジェネレータ12の力行および回生が行われることがなく、これらがMG異常時フェールセーフモードでの制御に影響することはない。
次のステップS22においては、モータ/ジェネレータ12に係わる各種パラメータ(電流、電圧、モータ回転数Nmなど)を取得し、これらパラメータを正常値と比較する。
本発明のモータ/ジェネレータ制御不能検知手段に相当するステップS23では、上記モータ/ジェネレータ12の運転異常(制御不能)が、本発明の対策を必要とする例えばインバータ34の短絡故障に起因するか否かを判定する。
この短絡故障は、インバータ34内におけるスイッチング素子の異常が確認され、かつ回路を流れる電流値が基準値を超えている場合をもって、短絡故障であると判定したり、モータ/ジェネレータ12自体の配線短絡をチェックするなど、その他の要領で短絡故障を判定することができる。
ステップS23でインバータ34の短絡故障ではないと判定する場合、ステップS24において、故障部位に合わせた周知のフェールセーフモードで制御を実行する。
この故障部位に合わせたフェールセーフモードも周知の任意のものでよく、発明と関係ないため詳細な説明をここでは省略する。
ステップS23でインバータ34の短絡故障であると判定する場合、ステップS25において、モータ/ジェネレータ12の制御不能による制動トルクで急制動がかかるのを防止する急制動防止制御を開始させる。
かかる急制動防止制御の開始に当たっては先ず、4WDクラッチ11を解放した4WDクラッチ解放時運転モードであれば、4WDクラッチ11を最大トルク容量で完全締結させて4WDクラッチ締結時運転モードに移行し、
4WDクラッチ締結時運転モードであれば、既に締結状態にある4WDクラッチ11の締結トルク容量が最大トルク容量となるよう完全締結させる。
なお、かように4WDクラッチ11を締結トルク容量が最大トルク容量となるよう完全締結させる理由は、クラッチ締結力が弱くて後輪3RL,3RRへのトルク配分が小さいと後輪3RL,3RRがロック傾向となる虞れがあり、かかる事態を防止するためである。
ちなみに、路面状況やステアリング操作によって変化する車輪ロック防止トルクを前もって予想することは困難であること、また本発明が異常時の安全確保を目的としていることから、4WDクラッチ11の締結トルク容量は最大トルク容量が適当と考えるが、4WDクラッチ11が高速応答性のクラッチである場合、後輪回転速度によって締結トルクを調整してもよい。
次のステップS26においては、エンジントルクとモータ/ジェネレータトルクとによって車両に発生する加速度Gを算出する。
ステップS27では、上記算出した車両加速度GがG<0であるのか、G≧0であるのかにより、モータ/ジェネレータ12の短絡故障(制御不能)が車両を減速させるようなものであるのかどうかを判定する。
ステップS27で車両が減速される(G<0)と判定する場合、ステップS28において車両加速度Gの前回算出値と今回算出値との間の車両加速度変化ΔGを演算する。
ステップS29においては、車両加速度変化ΔGの絶対値|ΔG|が急減速判定値|ΔG_ref |よりも大きいか否かにより、車両が前記した違和感のある急減速を発生するか否かをチェックする。
ここで急減速判定値|ΔG_ref |は、アクセル開度APO、ブレーキスイッチ信号、ステアリングホイール操作などを基に決定する。
ステップS29で|ΔG|>|ΔG_ref |であると判定する場合、つまり車両が前記した違和感のある急減速を発生する場合、
ステップS31において、|ΔG|<|ΔG_ref |となるよう、つまり車両が前記した違和感のある急減速を発生しなくなるよう、エンジン1をトルクアップにより出力増大させ、その後、制御をステップS31に戻すことにより、ステップS26〜ステップS31の急制動防止制御を繰り返す。
以上の説明から明らかなように、ステップS25〜ステップS31は本発明における異常時対策手段に相当する。
なお、上記したステップS26〜ステップS31による急制動防止制御はフィードバック制御を基本とするが、フィードフォワード制御であってもよいのは言うまでもない。
この急制動防止制御の繰り返しにより、|ΔG|<|ΔG_ref |となって車両が前記した違和感のある急減速を発生しなくなると、ステップS29が制御をステップS32に進めるようになり、ステップS27で車両が減速されない(G≧0)と判定されたことによりステップS32が選択された場合と同じく、このステップS32において、前記した逆起電力(発熱)による部品温度上昇に関する問題解決のための部品温度保護制御を開始させる。
かかる部品温度保護制御に際しては、先ずステップS33において、短絡電流による部品の温度上昇を部品温度検出値Tempによりモニタし、これを部品耐熱温度C_refと対比する。
ステップS34においては、この対比により部品温度検出値Tempが既に部品耐熱温度C_ref以上になっているか否かをチェックし、既にTemp≧C_refになっていれば制御をステップS35に進める。
ステップS35においては、車両加速度Gの前回算出値と今回算出値との間の車両加速度変化ΔGを演算する。
次のステップS36においては、車両加速度変化ΔGの絶対値|ΔG|が、前記したと同じ急減速判定値|ΔG_ref|よりも小さいか否かにより、車両が前記した違和感のある急減速を発生しないか否かを、つまり現段階から更に減速Gを増加させても違和感のある減速度を生ぜず、ΔG=ΔG_refとなるまで車両減速Gを増加させることが可能であるかどうかをチェックする。
ステップS36で車両減速Gの増加(車両を更に減速させること)が可能であると判定する場合、ステップS37において、ΔG_refを加速度変化の制限値とし、減速度変化がこのΔG_refを超えることのないようエンジン1を出力(トルク)低下させて車速VSPの低下を惹起し、かかる車速低下で図4,5につき前述した原理により部品温度の低下を実現する。
しかし、ステップS36で車両減速Gの増加(車両を更に減速させること)が不可能であると判定する場合、ステップS38において、現在の車両加減速度が維持されるようにエンジン1を出力(トルク)制御する。
なおステップS37またはステップS38の実行後は制御をステップS33へ戻すことにより、上記のステップS33〜ステップS38を含むループを繰り返すエンジン出力制御を実行する。
ステップS34で部品温度検出値Tempが未だ部品耐熱温度C_ref以上になっていないと判定する場合、制御をステップS39に進める。
このステップS39においては、短絡回路の構成(例えば一相短絡か、三相短絡か)や、現在の部品温度Temp、短絡電流による発熱量、周辺温度、車速VSPによる鉄損などから、図5のように時間の経過と共に上昇する部品温度Tempが耐熱温度C_ref以下で飽和するような車速VSP1を算出する。
次のステップS40においては、上記の車速VSP1を制限速度値(制限車速)に設定し、車速VSPがこの制限車速VSP1を超えないようエンジン1を出力(トルク)制御する。
ステップS40の実行後は制御をステップS33に戻すことにより、ステップS33、ステップS34、ステップS39およびステップS40を含むループを繰り返すエンジン出力制御を実行する。
<作用効果>
上記した実施例のモータ/ジェネレータ異常時フェールセーフ制御によれば、
図7のステップS23で、モータ/ジェネレータ12が前記した違和感のある車両減速度を発生させる制御不能状態となった(例えばインバータ34の短絡故障があった)と判定する場合、
ステップS25でモータ/ジェネレータ異常時フェールセーフ制御を開始させ、4WDクラッチ11を解放した4WDクラッチ解放時運転モードであれば、4WDクラッチ11を最大トルク容量で完全締結させて4WDクラッチ締結時運転モードに移行するため、また、4WDクラッチ11を締結した4WDクラッチ締結時運転モードであれば、締結状態にある4WDクラッチ11の締結トルク容量を最大伝達トルク容量となすため、
かかる4WDクラッチ11の最大伝達トルク容量(完全締結)により、モータ/ジェネレータ12に常時結合されている左右後輪3RL,3RRが、エンジン1にも完全結合されることとなる。
このため図8の「4WDクラッチ解放時運転モード」欄に○印を付して示すように、モータ/ジェネレータ12が制御不能により制動トルクを発生するようになった場合でも、この制動トルクをエンジン1のトルクで相殺、または減殺して、運転者の操作とは関係のない減速度や駆動力低下が車両に作用するのを防止、または減ずることができ、運転者の操作とは関係のない減速度や駆動力低下による違和感の問題を解消することができる。
更に本実施例においては、上記4WDクラッチ11の締結によっても(若しくは、4WDクラッチ11が締結されている4WDクラッチ締結時運転モードであるにもかかわらず)上記の作用効果が十分でなく、ステップS29で車両減速度変化ΔGの絶対値|ΔG|が急減速判定値|ΔG_ref |よりも大きく、車両が上記違和感のある急減速や駆動力低下を発生すると判定するとき、ステップS31においてエンジン1をトルクアップにより出力増大させるため、
図8の「4WDクラッチ解放時運転モード」欄および「4WDクラッチ締結時運転モード」欄に○印を付して示すように、モータ/ジェネレータ12の制御不能による制動トルクを、上記エンジン1のトルクアップ(出力増大)で確実に相殺、または減殺して、上記違和感のある急減速や駆動力低下を確実に防止、または減ずることができる。
しかも、ステップS31でエンジン1をトルクアップ(出力増大)させるに際し、|ΔG|<|ΔG_ref |となるよう、つまり車両が上記違和感のある急減速や駆動力低下を発生しなくなるよう、当該エンジン1のトルクアップ(出力増大)を行うこととしたため、
エンジン1のトルクアップ(出力増大)が不足するようなことがなく、上記違和感のある急減速や駆動力低下を確実に防止することができる。
なお本実施例においては、ステップS23でモータ/ジェネレータ12の制御不能(インバータ34の短絡故障)を検知し、且つ、ステップS29で|ΔG|>|ΔG_ref |と判定するとき、ステップS31でのエンジントルクアップ(出力増大)を行うようにしたため、
運転者のブレーキ操作によって|ΔG|>|ΔG_ref |になるときに、誤ってステップS31でのエンジントルクアップ(出力増大)が行われるエンジン1の誤制御を回避することができる。
また本実施例においては、上記のモータ/ジェネレータ異常時急減速防止兼駆動力低下防止制御と併せて、以下のモータ/ジェネレータ異常時部品温度保護制御を行う。
つまり、図7のステップS34で部品温度検出値Tempが既に部品耐熱温度C_ref以上になっていると判定し、且つ、ステップS36で|ΔG|<|ΔG_ref|、つまり現段階から更に減速Gを増加させても違和感のある減速度を生ぜず、ΔG=ΔG_refとなるまで車両減速Gを増加させることが可能であると判定する場合、ステップS37で減速度変化がこのΔG_refを超えることのないようエンジン1を出力(トルク)低下させて車速VSPの低下を惹起する。
また、ステップS34で部品温度検出値Tempが未だ部品耐熱温度C_ref以上になっていないと判定する場合は、ステップS39で部品温度Tempが耐熱温度C_ref以下で飽和するような車速VSP1を算出し、ステップS40でこのVSP1を制限速度値(制限車速)するエンジン1を出力(トルク)制御する。
これらのエンジン出力(トルク)低下による車速低下や、エンジン出力(トルク)制御による車速制限により、図4,5につき前述した原理で部品温度Tempを低下させることができ、
図8の「4WDクラッチ解放時運転モード」欄および「4WDクラッチ締結時運転モード」欄に○印を付して示す発熱の抑制により、部品温度Tempが耐熱温度C_ref以上になるのを防止することができる。
なお、ステップS36で|ΔG|≧|ΔG_ref|、つまり車両減速Gの増加(車両を更に減速させること)が不可能であると判定する場合は、ステップS38で現在の車両加減速度が維持されるようにエンジン1を出力(トルク)制御するため、
車両減速Gの増加(車両を更に減速させること)が不可能であるにもかかわらず、これが実行されて、上記違和感のある急減速や駆動力低下を防止するという作用効果が犠牲になるのを回避することができる。
<その他の実施例>
なお図1では、クラッチ11がその解放、締結により、二輪・四輪駆動切り替えを行うようなハイブリッド車両について示したが、
本発明は、クラッチが図1のように二輪・四輪駆動切り替えを行うようにした四輪駆動式ハイブリッド車両にその適用を限られるものでなく、
クラッチが二輪駆動車両の車輪駆動系に介挿されて、エンジンおよびモータ/ジェネレータ間を断接するようなものである、二輪駆動式ハイブリッド車両に対しても本発明は適用可能であり、この場合も前記した諸々の作用効果を奏し得るのは言うまでもない。
1 エンジン
2FL,2FR 左右前輪(左右主駆動輪)
3RL,3RR 左右後輪(左右従駆動輪)
4 自動変速機
5 トランスファー
6L,6R 左右前輪アクスルシャフト
7 プロペラシャフト
8 ディファレンシャルギヤ装置
9L,9R 左右後輪アクスルシャフト
11 4WDクラッチ
12 モータ/ジェネレータ
13 遊星歯車組
21 ハイブリッドコントローラ
22 エンジン回転センサ
23 アクセル開度センサ
24 シフトスイッチ
25 ブレーキスイッチ
26 前輪速センサ
27 後輪速センサ
31 バッテリ
32 エンジンコントローラ
33 モータ/ジェネレータコントローラ
34 インバータ
35 バッテリコントローラ
36 ブレーキコントローラ
37 4WDコントローラ

Claims (5)

  1. エンジンによる車輪の駆動系にクラッチを介挿し、該クラッチおよび前記車輪間の駆動系部分にモータ/ジェネレータを結合したハイブリッド車両において、
    前記モータ/ジェネレータの制御不能を検知するモータ/ジェネレータ制御不能検知手段と、
    該手段によりモータ/ジェネレータの制御不能が検知されるとき、前記クラッチを締結させる異常時対策手段とを具備してなることを特徴とするハイブリッド車両の異常時制御装置。
  2. 請求項1に記載のハイブリッド車両の異常時制御装置において、
    前記異常時対策手段は、前記クラッチの締結を行うと共に、前記エンジンの出力を増大させるものであることを特徴とするハイブリッド車両の異常時制御装置。
  3. 請求項2に記載のハイブリッド車両の異常時制御装置において、
    前記異常時対策手段は、前記モータ/ジェネレータのトルクと前記エンジンのトルクとによる車両減速度が設定減速度以上であるとき、前記エンジン出力増大制御を実行するものであることを特徴とするハイブリッド車両の異常時制御装置。
  4. 請求項2に記載のハイブリッド車両の異常時制御装置において、
    前記異常時対策手段は、前記車両減速度が前記設定減速度未満となるよう前記エンジン出力増大制御を実行するものであることを特徴とするハイブリッド車両の異常時制御装置。
  5. 前記ハイブリッド車両が、前記エンジンによる車輪の駆動系として主駆動輪用の主駆動系と従駆動輪用の従駆動系とを具え、従駆動系に前記クラッチを介挿されて該クラッチの解放・締結により二輪・四輪駆動切り替えを行い得るものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の異常時制御装置において、
    前記異常時対策手段は、二輪駆動状態のときに前記モータ/ジェネレータ制御不能検知手段がモータ/ジェネレータの制御不能を検知した場合、前記クラッチの締結により四輪駆動状態への切り替えを行うものであり、前記エンジン出力増大制御を該四輪駆動状態へ切り替え後に実行するものであることを特徴とするハイブリッド車両の異常時制御装置。
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