JP2011036460A - 医療用観察システム - Google Patents
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Abstract
【課題】高倍率撮影時における、術者による円滑な診断等を補助するのに適した構成の医療用観察システムを提供すること。
【解決手段】第一の走査範囲の画像を複数に分割して各分割画像を解析する手段と、解析された各分割画像の、第一の走査範囲内における位置を計算する手段と、第一の走査範囲の画像の一部を拡大した第二の走査範囲の画像の特徴点を解析する手段と、特徴点と各分割画像の解析結果とを比較して、解析された特徴点との相関値が最も高い該分割画像を判定する手段と、該判定された分割画像の位置の情報に基づいて、第二の走査範囲を該分割領域を含む範囲に変更する手段を有する医療用観察システムを構成した。
【選択図】図13
【解決手段】第一の走査範囲の画像を複数に分割して各分割画像を解析する手段と、解析された各分割画像の、第一の走査範囲内における位置を計算する手段と、第一の走査範囲の画像の一部を拡大した第二の走査範囲の画像の特徴点を解析する手段と、特徴点と各分割画像の解析結果とを比較して、解析された特徴点との相関値が最も高い該分割画像を判定する手段と、該判定された分割画像の位置の情報に基づいて、第二の走査範囲を該分割領域を含む範囲に変更する手段を有する医療用観察システムを構成した。
【選択図】図13
Description
この発明は、被写体を走査して観察画像を生成する医療用観察システムに関連し、詳しくは、極細径の光ファイバの先端を共振させて被写体を光走査して画像情報を取得する走査型医療用プローブを有する医療用観察システムに関する。
術者が患者の体腔内を診断する際に使用する医療機器として、電子スコープが一般的に知られている。電子スコープを使用する術者は、電子スコープの挿入部を体腔内に挿入して、挿入部先端に備えられた先端部を被写体近傍に導く。術者は、電子スコープやビデオプロセッサの操作部を必要に応じて操作して、光源装置から放射された照明光によって被写体を照明する。術者は、照明された被写体の反射光像を先端部に搭載されたCCD(Charge Coupled Device)等の固体撮像素子により撮像する。術者は、撮像された被写体の映像をモニタを通じて観察し診断や施術等を行う。なお、電子スコープのなかには、微小な被写体の診断にも対応できるように、被写体を光学的に拡大するズーム機能を搭載した製品もある。ズーム機能を搭載した電子スコープの具体的構成例は、特許文献1に記載されている。
このように電子スコープは、患者の体腔内に挿入されて使用される。そのため、電子スコープに関して、患者の負担を軽減すべく挿入部を細径化させる要望が恒常的にある。電子スコープを細径化させるためには、各種内蔵部品の配置等を工夫する以外に各種内蔵部品自体を小型化させることが望まれる。なお、電子スコープには、固体撮像素子以外に、固体撮像素子の周辺回路やシールド部材、絶縁部材、対物レンズ、照明レンズ、レンズ保持枠、光ファイババンドル等の多数の部品が内蔵されている。
電子スコープの内蔵部品のなかでも特に固体撮像素子や光ファイババンドルは外形寸法が大きい。また、対物レンズや照明レンズ等の他の部品の設計上可能な最小寸法は、固体撮像素子の有効画素領域や光ファイババンドルの外形寸法等によって規定される。従って、小型な固体撮像素子や細径な光ファイババンドルを採用する場合には、細径な電子スコープを設計しやすい。しかし、一般に、固体撮像素子を小型化するほど解像度やダイナミックレンジ、SN比等の種々のパラメータに関して所望の性能を満たすことが難しくなる。また、光ファイババンドルを細径化、すなわち光ファイバの本数を削減した場合には、被写体を照明するために十分な光量を導光できない問題が生じる。そのため、固体撮像素子や光ファイババンドルを安易に小型化や細径化させることはできない。
そこで、固体撮像素子自体を不要とした構成を採用することによって、従来型の電子スコープ(つまり固体撮像素子を搭載した電子スコープ)よりも細径化させることが可能な走査型医療用プローブが提案されている。
この種の走査型医療用プローブを有する医療用観察システムの具体的構成例は、特許文献2に記載されている。特許文献2に記載の走査型医療用プローブは、単一の光ファイバの先端を共振させて所定の走査光により被写体を所定の走査パターンで走査する。当該走査型医療用プローブは、被写体からの反射光を検出して光電変換しビデオプロセッサに順次出力する。ビデオプロセッサは、光電変換された信号を処理して画像化しモニタに出力する。術者は、このようにして得られた被写体の映像を、電子スコープを使用した場合と同じくモニタを通じて観察し診断や施術等を行う。
従来型の電子スコープにおいて、ズーム機能を使用して撮影倍率を上げるほど撮影範囲が狭くなる。そのため、被写体は、電子スコープの手ぶれや被写体自体の僅かな動きによって術者の意に反して簡単にフレームアウトしてしまう。この場合、術者は、一旦ズームアウトして撮影範囲を広げてから被写体を探し出し、発見した被写体に再度ズームインする必要がある。術者は、煩雑な操作を強いられるため、診断等を円滑に行うことができない。
ところで、上記の走査型医療用プローブにも従来型の電子スコープと同じくズーム機能を搭載する提案がされている。この種の走査型医療用プローブにおいても従来型の電子スコープと同じく、被写体が術者の意に反して簡単にフレームアウトして、術者による円滑な診断等が妨げられる問題の発生が予想される。しかし、これまでのところ、走査型医療用プローブにおける当該問題について何ら提起されておらず、当該問題を解決する手段についての検討も一切行われていない。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高倍率撮影時における、術者による円滑な診断等を補助するのに適した構成の医療用観察システムを提供することである。
上記の課題を解決する本発明の一形態に係る医療用観察システムは、手ぶれ等による被写体のフレームアウトが顕著に発生しやすい高倍率撮影時における、術者による円滑な診断等を補助すべく、該被写体を自動的に追従するように構成されている。具体的には、医療用観察システムは、所定の光を射出する光源と、該射出された光を第一の走査範囲で走査する第一の走査手段と、第一の走査範囲を走査した光の反射光を受光して画像信号を検出する第一の画像信号検出手段と、第一の画像信号検出手段による画像信号の検出タイミングに基づいて、各該画像信号により表現される画像情報の画素配置を決定する第一の画素配置決定手段と、第一の画素配置決定手段により決定された画素配置に従って各画像情報を空間的に配列したときに構成される、第一の走査範囲の画像を複数の領域の画像に分割して、各該分割画像を解析する分割画像解析手段と、該解析された各分割画像の、第一の走査範囲内における位置を計算する分割画像位置計算手段と、第一の走査範囲の一部の範囲である第二の走査範囲を走査する第二の走査手段と、第二の走査範囲を走査した光の反射光を受光して画像信号を検出する第二の画像信号検出手段と、第二の画像信号検出手段による画像信号の検出タイミングに基づいて、各該画像信号により表現される画像情報の画素配置を決定する第二の画素配置決定手段と、第二の画素配置決定手段により決定された画素配置に従って各画像情報を空間的に配列して、第一の走査範囲の画像の一部を拡大した拡大表示画像を作成する拡大表示画像作成手段と、拡大表示画像の少なくとも一部の範囲の特徴点を解析する特徴点解析手段と、特徴点と各分割画像の解析結果とを比較して、解析された特徴点との相関値が最も高い該分割画像を判定する分割画像判定手段と、該判定された分割画像の位置の情報に基づいて、第二の走査手段による走査範囲を、該分割領域を含む範囲に変更する走査範囲変更手段とを有することを特徴としたシステムである。
分割画像解析手段及び特徴点解析手段は、色相が明度や彩度等に比べて撮影場所や撮影条件等に影響を受け難いことから、処理対象の画像の色相情報を解析するように構成されてもよい。
本発明に係る医療用観察システムは、相関値が所定値以上である分割画像が存在しない場合には、例えば走査範囲変更手段による走査範囲の変更を行わない。
第一の走査手段は、光源から射出された光を被写体に向けて伝送する光ファイバと、該光を射出する光ファイバの射出端近傍に配置された第一の圧電アクチュエータと、第一の圧電アクチュエータを駆動制御して、射出端が所定の基準位置を中心として徐々に大きくなる所定の第一の回転軌跡を描くように該射出端近傍を振動させる第一の駆動制御手段と
から構成されてもよい。
から構成されてもよい。
第二の走査手段は、該光ファイバと、該光ファイバの射出端近傍に配置された第二の圧電アクチュエータと、分割画像判定手段により相関値が最も高いと判定された分割画像の中心位置を基準として徐々に大きくなる、最大径が第一の回転軌跡より小さい所定の第二の回転軌跡を描くように該射出端近傍を振動させる第二の駆動制御手段とから構成されてもよい。
本発明によれば、高倍率撮影時における、術者による円滑な診断等を補助するのに適した構成の医療用観察システムが提供される。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の走査型医療用プローブを有する医療用観察システムについて説明する。
図1は、本実施形態の医療用観察システム1の構成を概略的に示す図である。図1に示されるように、医療用観察システム1は、走査型医療用プローブ100を有している。走査型医療用プローブ100は、可撓性を有するシース132によって外装された挿入可撓部130を有している。術者は、挿入可撓部130を先端(以下、「挿入可撓部先端130a」と記す。)側から患者の体腔内に直接挿入して、挿入可撓部先端130aを被写体近傍に導く。または、挿入可撓部先端130aを被写体近傍にスムーズに導くため、挿入可撓部130にガイドワイヤ等を添えて体腔内に挿入する。或いは、例えば従来型の電子スコープ等が有する鉗子チャンネルに挿入可撓部130を挿入し通して、挿入可撓部先端130aを被写体近傍に近接させるように操作する。
挿入可撓部130の基端には、走査型医療用プローブ100を操作するための手元操作部150が設けられている。手元操作部150から延びたユニバーサルケーブル160の基端には、コネクタ部110が設けられている。
医療用観察システム1は、プロセッサ200を有している。プロセッサ200は、走査型医療用プローブ100を駆動制御すると共に走査型医療用プローブ100によって取得される観察光に基づき画像信号を生成する信号処理装置と、自然光の届かない体腔内に走査型医療用プローブ100を通じて走査光を照射する光源装置とを内蔵した一体型のプロセッサである。なお、別の実施形態では信号処理装置と光源装置とを別体で構成してもよい。プロセッサ200は、コネクタ部210を有している。コネクタ部110がコネクタ部210に差し込まれることにより、走査型医療用プローブ100とプロセッサ200とが光学的にかつ電気的に接続される。
図2は、プロセッサ200の構成を示すブロック図である。図2においては、走査型医療用プローブ100とプロセッサ200との接続関係等を明確にするため、コネクタ部110の構成も模式的に示している。
プロセッサ200は、被写体を走査するための光源としてR、G、Bの各波長に対応した光を発振するレーザ光源230R、230G、230Bを有している。なお、これら3つのレーザ光源は、例えば広帯域であるスーパーコンティニューム光等を発振する単一のファイバレーザに置き換えてもよい。また、光源は、レーザ光源に限らず例えばLED(Light Emitting Diode)等の他の形態の光源としてもよい。
プロセッサ200は、該プロセッサ200の各回路の信号処理タイミング等を統括的に制御する第一タイミングコントローラ242及び第二タイミングコントローラ244を有している。標準倍率画像のみを観察するための通常観察モードに設定されている間は、第一タイミングコントローラ242が各種信号処理タイミングを制御する。標準倍率画像と拡大倍率画像(標準倍率画像よりも拡大された画像)とを同時に観察するための拡大観察モードに設定されている間は、第一タイミングコントローラ242と第二タイミングコントローラ244とが一フレーム毎に交互に各種信号処理タイミングを制御する。
なお、通常観察モードは、システム起動時に設定される初期的なモードである。拡大観察モードは、手元操作部150のズームレバーによる観察倍率の変更操作が行われた時に通常観察モードから遷移して実行されるモードである。ズームレバー操作が行われたとき、手元操作部150は、所定の操作制御信号(ズーム信号)を発生させてDSP(Digital Signal Processor)254に出力する。DSP254は、ズーム信号の入力を検知すると、通常観察モードから拡大観察モードに切り替えて、第一タイミングコントローラ242と第二タイミングコントローラ244を交互に動作させる。手元操作部150の所定のボタンが押されたとき、又は観察倍率がズームレバー操作によって1.0倍に戻されたとき、DSP254は、拡大観察モードから通常観察モードに復帰して、第一タイミングコントローラ242のみを動作させる。
通常観察モード時の各構成要素の動作を説明する。第一タイミングコントローラ242は、光源ドライバ232R、232G、232Bの各ドライバ回路に所定の変調制御信号を出力する。光源ドライバ232R、232G、232Bはそれぞれ、入力した変調制御信号に基づきレーザ光源230R、230G、230Bを直接変調する。具体的には、各ドライバ回路は、変調制御信号に基づき、同一振幅かつ同位相の電流を、対応するレーザ光源に流す。これにより、レーザ光源230R、230G、230Bは、R、G、Bの各波長に対応する同一強度のパルス光(以下、「Rパルス光」、「Gパルス光」、「Bパルス光」と記す。)を同期したタイミングで発振する。
各レーザ光源から発振されたRパルス光、Gパルス光、Bパルス光は、光結合器234に入射する。光結合器234は、入射した各パルス光を位相を揃えた状態で結合して射出する。以下、説明の便宜上、光結合器234により結合されたパルス光を「結合パルス光」と記す。
光源が単一のファイバレーザである場合には、各波長のパルス光を同期させるためのタイミング制御が不要である。そのため、レーザ光源周辺の回路構成等を簡素化できるメリットがある。また、既に結合された状態のパルス光が発振されるため、光結合器234が不要になるメリットもある。
光結合器234から射出された結合パルス光は、走査型医療用プローブ100が有するシングルモードファイバ112の入射端112aに入射する。シングルモードファイバ112は、コネクタ部110から挿入可撓部先端130aに亘って、シース132に収容されている。入射端112aに入射した結合パルス光は、シングルモードファイバ112内部を全反射を繰り返すことにより伝播する。
図3は、挿入可撓部先端130aの模式的な内部構造を示す側断面図である。図4は、挿入可撓部先端130aの内部構造を示す斜視図である。なお、以降においては、走査型医療用プローブ100の構成を説明するにあたり、便宜上、走査型医療用プローブ100の長手方向をZ方向、Z方向に直交しかつ互いに直交する二方向をX方向、Y方向と定義する。かかる定義によれば、例えば図3は、走査型医療用プローブ100の中心軸AXを含むY−Z平面での挿入可撓部先端130aの断面図となっている。
図1や図3に示されるように、走査型医療用プローブ100の挿入部分の外径は、シース132によって規定されている。シース132は、走査型医療用プローブ100が固体撮像素子等を搭載しない構成であるため、従来型の電子スコープの外径に比べて格段に細い。そのため、走査型医療用プローブ100は、従来型の電子スコープに比べてより一層の低浸襲性が達成されている。
図3に示されるように、シース132内部には、支持体134が設けられている。シングルモードファイバ112の先端部112cは、支持体134の貫通穴に挿入され通されて片持ち梁の状態で支持されている。支持体134は、圧電アクチュエータPZT1、PZT2も支持している。
図5は、圧電アクチュエータPZT1、PZT2の構成を模式的に示す図である。図5に示されるように、圧電アクチュエータPZT1、PZT2はそれぞれ、中心軸AXを通るY軸方向の直線を挟んで対称に配置された一対の電極EL1X、EL2Xを有している。更に、中心軸AXを通るX軸方向の直線を挟んで対称に配置された一対の電極EL1Y、EL2Yを有している。各電極は、終端がコネクタ部110内部に収容された電線(不図示)と接続されている。コネクタ部110とコネクタ部210とを接続させたとき、圧電アクチュエータPZT1、PZT2はそれぞれ、電線を介してプロセッサ200の第一ドライバ236A、第二ドライバ236Bと接続される。
第一タイミングコントローラ242は、第一ドライバ236Aに所定の駆動制御信号を出力する。第一ドライバ236Aは、駆動制御信号に応じて、交流電圧XAを一対の電極EL1X間に、交流電圧XAと同一周波数であって位相が直交する交流電圧YAを一対の電極EL1Y間に、それぞれ印加する。なお、交流電圧XA、YAはそれぞれ、振幅が一定の割合で徐々に増加して、時間(X)、(Y)かけて実効値(XA)、(YA)に達する電圧として定義される。
圧電アクチュエータPZT1は、交流電圧XA、YAが印加されたときにX方向、Y方向に共振するように材料及び形状が選択され構成されている。シングルモードファイバ112の射出端112bは、圧電アクチュエータPZT1によるX方向及びY方向への運動エネルギーが合成することにより、X−Y平面に近似する面(以下、「XY近似面」と記す。)上において中心軸AXを中心に渦巻状のパターンを描くように回転する。射出端112bの回転軌跡は、印加される電圧に比例して大きくなり、実効値(XA)、(YA)の交流電圧が印加された時点で最も大きい径を有する円の軌跡を描く。
シングルモードファイバ112の入射端112aに入射した結合パルス光は、圧電アクチュエータPZT1への交流電圧の印加開始直後から印加停止までの期間(つまり、時間(X)又は(Y)に相当する期間)、射出端112bから射出され続ける。以下、説明の便宜上、この期間を「サンプリング期間」と記す。
シングルモードファイバ112の先端部112cの振動は、サンプリング期間の経過後に圧電アクチュエータPZT1への交流電圧の印加が停止されるため、徐々に減衰されていく。かかる減衰に伴って、XY近似面上における射出端112bの円運動は徐々に減衰して、所定時間後に中心軸AX上で停止する。以下、説明の便宜上、サンプリング期間が終了してから射出端112bが中心軸AX上に停止するまでの期間(より正確には、中心軸AX上での停止を保証するため、停止までに要する計算上の時間より僅かに長い期間)を「制動期間」と記す。一フレームに対応する期間は、サンプリング期間と制動期間で構成される。なお、制動期間を短縮するため、制動期間の初期段階に圧電アクチュエータPZT1に逆相電圧を印加して、制動トルクを積極的に加えるようにしてもよい。
シングルモードファイバ112の射出端112bの前方には、集光光学系140が配置されている。集光光学系140は、図中単レンズで示されているが、複数枚構成のレンズ群である。集光光学系140には、フォーカシング用に圧電アクチュエータPZT3が設けられている。圧電アクチュエータPZT3は、プロセッサ200の第三ドライバ236Cからの印加電圧に応じて変形する。圧電アクチュエータPZT3が変形すると集光光学系140の一部のレンズ構成(フォーカシングレンズ)がZ軸方向に移動して、集光光学系140のフォーカスが変化する。
集光光学系140の前方には、シース132を封止するカバーガラスCGが配置されている。シングルモードファイバ112の射出端112bから射出された結合パルス光は、集光光学系140により集光され、カバーガラスCGを介して被写体上にスポットSを形成する。スポット径は、例えば数ミクロンオーダであり極めて小さい。
図6に、被写体上に形成されるスポットSを説明するための図を示す。走査型医療用プローブ100は、一枚の画像を得るべく、一サンプリング期間中、被写体上に渦巻パターンSPを描くようにn個のスポットSをスポットS1、S2、S3、・・・、Sn−2、Sn−1、Snの順に形成する。各スポットSの間隔は、シングルモードファイバ112の射出端112bの運動速度や各レーザ光源の変調周波数等に依存して決まる。なお、渦巻パターンSPは、被写体上にパルス光で無く連続光を走査した場合を想定して描かれた仮想的な走査軌跡である。
サンプリング期間中のXY近似面におけるシングルモードファイバ112の射出端112bの位置(軌跡)は、実験等を重ねた結果予め求められている。また、射出端112bの位置と、各位置で結合パルス光が射出された場合に被写体上でスポットSが形成されるであろう撮影範囲(走査範囲)内における位置との関係も予め計算されている。更に、撮影範囲内におけるスポット形成位置と、各スポット形成位置からの反射パルス光を検出して画像化する際の画素位置との関係も予め計算されている。第一タイミングコントローラ242は、これらの既知情報に基づいて、第一ドライバ236Aに対する制御(つまり、圧電アクチュエータPZT1に印加される交流電圧の制御)、及び光源ドライバ232R、232G、232Bに対する制御(つまり、サンプリング期間中における各レーザ光源の変調制御)のそれぞれをフレームレートに応じた周期で繰り返す。
図4に示されるように、支持体134の端面134aには、円環状に並ぶ複数の貫通穴が形成されている。各貫通穴には、検出用ファイバ142が埋設されている。図4において図示省略するが、各検出用ファイバ142は支持体134の後方で束ねられており、光ファイババンドル142Bを構成している。
被写体上にスポットSを形成した光の反射パルス光は、検出用ファイバ142の入射端142aに入射する。入射端142aに入射した反射パルス光は、ファイババンドル142B(検出用ファイバ142)内部を終端に向かって伝播する。光ファイババンドル142Bの終端は、コネクタ部110に収容されており、コネクタ部110とコネクタ部210との連結部分を介してプロセッサ200の光分離器238に結合している。
なお、ファイババンドル142Bは、数十本程度(例えば80本)の光ファイバを束ねたものに過ぎない。そのため、ファイババンドル142Bは、従来型の電子スコープやファイバスコープの光ファイババンドル(例えば数百〜千本の光ファイバを束ねた光ファイババンドル)と比べて遙かに径が細い。また、本実施形態において、検出用ファイバ142は最低限一本あればよい。検出用ファイバ142が一本の場合には、走査型医療用プローブ100をより一層細径化させることができる。
光分離器238は、光ファイババンドル142Bからの反射パルス光をR、G、Bの各波長の反射パルス光(以下、「反射Rパルス光」、「反射Gパルス光」、「反射Bパルス光」と記す。)に分離して、光検出器250R、250G、250Bに出力する。
前述したように、結合パルス光は、単一のシングルモードファイバ112により導光されて、被写体を照射する。そのため、被写体上で反射される反射パルス光の光量は、非常に少ない。このような微弱な光を確実にかつ低ノイズで検出するため、光検出器250R、250G、250Bの各光検出器には、光電子増倍管等の高感度光検出器が採用されている。
光検出器250R、250G、250Bは、受光された各波長の反射パルス光を光電変換してアナログ信号を生成し、後段の回路に出力する。各光検出器により検出された各波長の反射パルス光に応じたアナログ信号は、サンプリング及びホールドされて、A/Dコンバータ252R、252G、252Bによりデジタル信号列に変換される。変換されたデジタル信号列は、DSP254に入力する。
図7は、DSP254とその周辺回路の構成を示すブロック図である。図7に示されるように、DSP254は、画像処理制御回路254aを有している。画像処理制御回路254aは、手元操作部150による撮影範囲を変更する操作(例えば観察倍率の変更操作)が行われたときに発生する操作制御信号(前述のズーム信号と、中心座標信号と、自動追従信号)用の入力端子を有している。画像処理制御回路254aは、通常観察モード時は操作制御信号の入力がないため、第三タイミングコントローラ254bを介して第一タイミングコントローラ242のみを動作させると共にセレクタ254cの出力を通常画面生成回路254d側に固定する。セレクタ254cには、A/Dコンバータ252R、252G、252BからのR、G、Bの各波長に対応するデジタル信号列が入力する。セレクタ254cは、第三タイミングコントローラ254bによって設定された出力端子から各デジタル信号列を出力する。ここでは、各デジタル信号列は、通常画面生成回路254dに出力される。
通常画面生成回路254dは、上記の既知情報に基づいて作成された、結合パルス光のスポットSが形成される撮影範囲中の位置(別の側面によれば画像を構成する画素のアドレス)と、各スポットSからの反射パルス光が検出されるタイミングTとを関連付けた変換テーブルを保持している。通常画面生成回路254dは、変換テーブルを参照しつつデジタル信号列を監視して、各タイミングTにおける各波長に対応する信号を各画素アドレスの画像信号(すなわち、A/Dコンバータ252Rからの信号をR色の輝度値、A/Dコンバータ252Gからの信号をG色の輝度値、A/Dコンバータ252Bからの信号をB色の輝度値)として検出する。通常画面生成回路254dは、検出された各画素アドレスの画像信号を通常画面用フレームメモリFM1にバッファリングする。
図8を用いて、各タイミングTにおいて検出された画像信号と画素アドレスとの関係を具体的に説明する。ここでは、説明の便宜上、最終的に生成される画像が19×19からなる画素配置で構成されるものとする。通常画面生成回路254dは、変換テーブルを参照して、スポットS1に対応するタイミングt1における各波長に対応する画像信号を検出する。通常画面生成回路254dは、検出された各波長に対応する画像信号を画素アドレス(10,10)に関連付けて通常画面用フレームメモリFM1にバッファリングする。以降のスポットS2、S3・・・に対応するタイミングT2、T3・・・における各波長に対応する画像信号も順次検出して、画素アドレス(9,9)、(9,11)・・・に関連付けて通常画面用フレームメモリFM1に順次バッファリングする。通常画面用フレームメモリFM1には、通常画面生成回路254dによって生成されたスポットS1〜Snに対応する一フレーム分(全画素)の画像信号がバッファリングされる。
通常画面生成回路254dは、各波長に対応する画像信号を有さない画素アドレスについて、例えば所定のマスキングデータを生成して通常画面用フレームメモリFM1にバッファリングする。通常画面生成回路254dは、第一タイミングコントローラ242によるタイミング制御に従い、通常画面用フレームメモリFM1にバッファリングされた画像信号を読み出して、エンコーダ256に出力する。
エンコーダ256は、入力した画像信号を所定の規格に準拠したビデオ信号に変換してモニタ300に出力する。これにより、図9に示されるように、R色、G色、B色からなる被写体のカラー画像がモニタ300に標準倍率で表示される。
手元操作部150のズームレバーによる観察倍率の変更操作が行われると、ズーム信号が画像処理制御回路254aに入力して、観察モードが通常観察モードから拡大観察モードに遷移する。ズームレバー操作による倍率変動は、ズームレバーの押される方向及び時間に応じて決まる。ズーム信号が画像処理制御回路254aに入力すると、画像処理制御回路254aは、手元操作部150のジョイスティックによる操作も受付可能になる。ジョイスティック操作は、標準倍率の撮影範囲内で拡大表示すべきエリア(以下、「拡大表示エリア」と記す。)の位置を決める。手元操作部150は、ジョイスティック操作に応じた中心座標信号を発生させて画像処理制御回路254aに出力する。
画像処理制御回路254aは、入力したズーム信号に基づいて、拡大倍率値を計算して第二メモリ264に格納する。画像処理制御回路254aは、入力した中心座標信号に基づいて、拡大表示エリアの中心座標値を計算する。画像処理制御回路254aは、計算された中心座標値と拡大倍率値を用いて、拡大表示エリアに対応する拡大倍率走査範囲データを計算して第一メモリ262に格納する。以降、画像処理制御回路254aは、ズーム信号又は中心座標信号の入力がある毎に、逐次、拡大倍率値又は拡大倍率走査範囲データを再計算して、第一メモリ262又は第二メモリ264に格納されている計算結果を更新する。なお、手元操作部150の所定のボタンが押されたとき、又は観察倍率がズームレバー操作によって1.0倍に戻されたとき、画像処理制御回路254aは、第一メモリ262及び第二メモリ264に格納されている計算結果をリフレッシュして、観察モードを通常観察モードに復帰させる。
DSP254は、拡大観察モードの設定時に制動期間に移行すると、図10のフローチャートで示される二画面生成処理を実行する。以降の本明細書中の説明並びに図面において、処理ステップは「S」と省略して記す。
S1の処理では、次に生成されるフレームが奇数枚目のフレームであるか否かを判定する。次フレームが奇数枚目のフレームである場合(S1:YES)、画像処理制御回路254aは、第三タイミングコントローラ254bを介して第一タイミングコントローラ242を動作させると共にセレクタ254cの出力を通常画面生成回路254d側に切り替える(S2、S3)。
第一タイミングコントローラ242は、第一メモリ262に格納されている拡大倍率走査範囲データ(又は中間データである中心座標値)に基づいて所定の駆動制御信号を生成して、第二ドライバ236Bに出力する(S4)。第二ドライバ236Bは、駆動制御信号に応じた電圧を電極EL2X間に又は電極EL2Y間に印加して、圧電アクチュエータPZT2を変形させる。XY近似面におけるシングルモードファイバ112の射出端112の回転中心位置は、圧電アクチュエータPZT2の変形に伴い、中心軸AXから偏心した位置に移動する。すなわち、走査型医療用プローブ100による走査範囲の中心がジョイスティック操作に応じて移動する。
第一タイミングコントローラ242は、第二メモリ264に格納されている拡大倍率値に基づいて所定の駆動制御信号を生成して、第三ドライバ236Cに出力する(S5)。第三ドライバ236Cは、駆動制御信号に応じた電圧を圧電アクチュエータPZT3に印加して圧電アクチュエータPZT3を変形させる。集光光学系140のフォーカシングレンズは、圧電アクチュエータPZT3の変形に応じてZ軸方向に移動する。集光光学系140は、フォーカシングレンズの移動により、ズームレバー操作によって設定された拡大倍率に適したピントに調節される。
第一タイミングコントローラ242は、次フレーム(奇数枚目のフレーム)のサンプリング期間に移行すると、第一メモリ262に格納されている拡大倍率走査範囲データに基づいて所定の駆動制御信号を生成して、第一ドライバ236Aに出力する(S6)。第一ドライバ236Aは、駆動制御信号に応じて各電極間に交流電圧XA’、YA’を印加する。交流電圧XA’、YA’はそれぞれ、交流電圧XA、YAと同様に、振幅が一定の割合で徐々に増加して、時間(X)、(Y)かけて実効値(XA’)、(YA’)に達する電圧として定義される。実効値(XA’)、(YA’)は、拡大倍率値が大きいほど走査範囲が狭いことから、拡大倍率値に反比例して小さい値に設定される。交流電圧XA’、YA’はそれぞれ、交流電圧XA、YAより振幅の増加の傾きが小さいものの、周波数に関しては交流電圧XA、YAと同じである。
第一タイミングコントローラ242による光源ドライバ232R、232G、232Bの変調制御は、通常観察モード時と同じである。このため、通常観察モード時により狭い走査範囲に対して、図6の例と同じくn個のスポットSが被写体上に形成される。S7の処理では、各スポットSに対応する反射パルス光は、各A/Dコンバータによってデジタル信号列に変換される。通常画面生成回路254dは、前述の変換テーブルを参照して、各デジタル信号列から各画素アドレスの画像信号を検出する。通常画面生成回路254dは、検出された各画像信号を通常画面用フレームメモリFM1にバッファリングしてエンコーダ256に出力する。エンコーダ256は、入力された画像信号をビデオ信号に変換してモニタ300に出力する。モニタ300には、図11(a)に示されるように、拡大表示エリアの被写体のカラー画像410が標準倍率画像と同じ解像度で(つまり光学的に拡大された画像として)表示される。
S1の処理において、次フレームが偶数枚目のフレームである場合(S1:NO)、画像処理制御回路254aは、第三タイミングコントローラ254bを介して第二タイミングコントローラ244を動作させると共にセレクタ254cの出力を小画面生成回路254e側に切り替える(S11、S12)。
第二タイミングコントローラ244は、第二ドライバ236B、第三ドライバ236Cによる圧電アクチュエータPZT2、PZT3の駆動を停止する(S13、S14)。XY近似面におけるシングルモードファイバ112の射出端112の回転中心位置は、中心軸AXと同軸に戻る。集光光学系140は、フォーカシングレンズが初期位置に戻り、標準倍率に適したピントになる。
第二タイミングコントローラ244は、次フレーム(偶数枚目のフレーム)のサンプリング期間に移行すると、第一ドライバ236Aを通常観察モード時と同一の駆動制御信号で制御する(S15)。但し、第二タイミングコントローラ244による光源ドライバ232R、232G、232Bの変調制御は、通常観察モード時(第一タイミングコントローラ242)と異なる。具体的には、第二タイミングコントローラ244は、通常観察モード時と同じ広さ(標準倍率)の走査範囲に対して、nより少ないm個のスポットSが形成されるように各光源ドライバを変調制御する。
通常観察モード時と同じ広さの走査範囲に対して、m個のスポットSが被写体上に形成される。S16の処理では、各スポットSに対応する反射パルス光は、各A/Dコンバータによってデジタル信号列に変換される。デジタル信号列は、セレクタ254cを介して小画面生成回路254eに入力する。小画面生成回路254eは、通常画面生成回路254dとは別の変換テーブルを参照して、入力されたデジタル信号列から各画素アドレスの画像信号を検出する。小画面生成回路254eは、検出された各画像信号を小画面用フレームメモリFM2にバッファリングする。当該変換テーブルを参照して各画像信号に割り当てられる画素アドレスは、画面左下に表示される小画面を構成する画素に対応する。すなわち、小画面用フレームメモリFM2には、標準倍率の撮影範囲を小画面化した画像がバッファリングされる。小画面用フレームメモリFM2のうち小画面以外のメモリ領域には、例えば所定のマスキングデータがバッファリングされる。
小画面生成回路254eは、各画像信号を小画面用フレームメモリFM2にバッファリングする際、第一メモリ262に格納されている拡大倍率走査範囲データを参照する。そして、バッファリングする画像信号が、小画面化された標準倍率の撮影範囲のうち拡大表示エリアに対応する画素を構成するか否かを判定する。小画面生成回路254eは、拡大表示エリアに対応すると判定した画像信号については輝度値を所定値下げて(又は上げて)、小画面用フレームメモリFM2にバッファリングする。
小画面生成回路254eは、第二タイミングコントローラ244によるタイミング制御に従い、小画面用フレームメモリFM2にバッファリングされた画像信号を読み出して、エンコーダ256に出力する。エンコーダ256は、入力された画像信号をビデオ信号に変換してモニタ300に出力する。この結果、図11(b)に示されるように、モニタ300の画面左下に、標準倍率の撮影範囲を小画面化したカラー画像であって、当該範囲中拡大表示エリアを(周囲との輝度差から)強調表示した(図中符号422参照)小画面画像420が表示される。
図10の二画面生成処理を実行中、拡大表示エリアの画像410を含むフレーム画像(図11(a)参照)と、標準倍率の撮影範囲を小画面化した小画面画像420を含むフレーム画像(図11(b)参照)とが一フレーム毎に交互に表示される。ここで、フレーム周波数は例えば30Hzであり、人間の眼には前フレームの残像が残る。このため、術者は、モニタ300に写し出される画像を図11(c)に示されるような二つの画像を合成した画像として知覚する。
図12(a)〜図12(c)は、図10の二画面生成処理の実行時にモニタに表示される画像を例示する図である。図12(a)〜図12(c)は、説明の便宜上、奇数枚目のフレームと偶数枚目のフレームとを合成した画像を示しており、各図の画像は、図12(a)、(b)、(c)の順に表示されるものとする。
図12(a)によれば、術者は、ズームレバー操作及びジョイスティック操作を行って、標準倍率の撮影範囲の左上のエリアを拡大して、画面中央に表示させている。次に、ジョイスティック操作を行って、拡大表示エリアを標準倍率の撮影範囲のほぼ中央に移動させて、画面中央に表示させている(図12(b)参照)。更に、ジョイスティック操作を行って、拡大表示エリアを標準倍率の撮影範囲の右上に移動させて、画面中央に表示させている(図12(c)参照)。術者は、拡大表示エリア周辺の広範な範囲(標準倍率の撮影範囲)を画面左下の小画面画像420で視認することができる。このため、術者は、当該撮影範囲中の所望の被写体の位置を容易に把握してジョイスティック操作を行い、当該被写体を拡大表示させることができる。例えば拡大表示されていた被写体が拡大表示エリアからフレームアウトした場合にも、小画面画像420を視認して当該被写体を発見し、ジョイスティック操作をして簡単にフレームインさせることができる。この間、術者は、ズームイン操作とズームアウト操作とを繰り返す必要がないため、診断等を円滑に行うことができる。また、被写体を探すときに挿入可撓部先端130aを狭小な体腔内で動かす必要がないため、挿入可撓部先端130aと生体組織との不要な接触が有効に避けられる。
標準倍率の撮影範囲内で拡大表示させた被写体の追従は、ジョイスティックによる手動操作だけでなく自動で行うこともできる。具体的には、術者は、自動追従機能を利用する場合、追従して表示させたい被写体が表示されている時、手元操作部150に対して特定のボタン操作を行う。手元操作部150は、自動追従信号を発生させて画像処理制御回路254aに出力する。自動追従信号が画像処理制御回路254aに入力すると、図13のフローチャートで示される自動追従処理が実行される。なお、自動追従処理の実行中は画面隅に「AUTO」を表示し、それ以外の期間は「MANUAL」を表示して、自動追従処理の実行を術者に報知する構成としてもよい。図13の自動追従処理は、例えば所定の操作(ジョイスティック操作等)がされたとき、強制的に終了する。
図13に示されるように、画像処理制御回路254aは、自動追従信号の入力を検知した時、表示中の画像410(例えば当該画像410の全範囲又は一部の範囲(中心領域等))の色相データを解析する(S21)。画像処理制御回路254aは、解析結果のデータを追従対象の被写体の特徴点データとして第三メモリ266に格納する(S22)。ここで、色相データを用いて特徴点を解析しているのは、色相が明度や彩度等に比べて撮影場所や撮影条件等に影響を受け難く、追従対象の特徴点を精度良く解析するのに適しているからである。
画像処理制御回路254aは、標準倍率の撮影範囲の画像を複数の小領域画像に分割して、各分割領域の色相データをS21の処理のときと同一のアルゴリズムで解析すると共に、当該撮影範囲中の各分割領域の位置(例えば当該分割領域の中心座標値)を計算する(S23)。標準倍率の撮影範囲の画像は、例えば直近の偶数番目のフレームで表示された小画面画像420である。
画像処理制御回路254aは、第三メモリ266に格納されている特徴点データと各分割領域の解析データとを比較して、相関の最も高い(つまり、追従対象の被写体画像に対して色相や色相の分布等の差分が最も少ない)分割領域の画像を、追従対象の被写体画像に対応する追従先推測画像と判定する(S24)。なお、相関値が所定値以上である分割領域が存在しない場合は、追従対象の被写体が標準倍率の撮影範囲から外れた可能性が高い。この場合、画像処理制御回路254aは、例えば、図13の自動追従処理を強制的に終了させてもよく、或いは所定のエラー表示を行ってもよい。
画像処理制御回路254aは、追従先推測画像の中心座標値を拡大表示エリアの中心座標値に置き換える(S25)。画像処理制御回路254aは、置き換えられた中心座標値と、第二メモリ264に格納されている拡大倍率値とを用いて、拡大倍率走査範囲データを再計算して更新する(S26)。続いて、図10のS1〜S7の処理が実行された結果、次の奇数番目のフレームにおいては、追従先推測画像にセンタリングされた拡大表示エリアの画像410が表示される。
画像処理制御回路254aは、例えばジョイスティック操作による入力等があるまで、S23〜S26の処理を繰り返し実行する。そのため、奇数番目のフレームでは、図13の自動追従処理が終了しない限り、追従先推測画像が常にセンタリング表示されて、被写体の追従が継続する。
図14(a)〜図14(c)に、図13の自動追従処理の実行中の被写体の追従を説明するための図を示す。図14(a)〜図14(c)の各図中、標準倍率の撮影範囲を符号510で、拡大表示エリアを符号520で、色相データの解析が行われる追従対象の被写体を符号530で、それぞれ示す。図14(a)の例によれば、被写体530は、当初、撮影範囲510のほぼ中央に位置する。拡大表示エリア520は、撮影範囲510中の被写体530の位置が手ぶれ等によって動いたとき、図13のS23〜S26の処理の結果、被写体530の動きに追従して移動する(図14(b)、(c)参照)。このように被写体の追従を自動化することにより、術者の操作負担の更なる軽減が達成される。
なお、図13の自動追従処理の実行中は、必ずしも、追従先推測画像を含む画像410と小画面画像420の両方を表示する必要は無く、最低限、追従先推測画像を含む画像410が表示されていれば足る。
以上が本発明の実施形態の説明である。本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えばプロセッサ200は、拡大表示エリアの画像410と小画面画像420とを別個のフレームでなく、一フレームに合成してモニタ300に出力してもよい。
拡大表示エリアを移動させるためのインターフェースとしては、手元操作部150に設けられたジョイスティックに限らず、プロセッサ200のフロント面に実装された操作パネル(例えばタッチスクリーン)やプロセッサ200に接続されたフットペダル等が想定される。
1 医療用観察システム
100 走査型医療用プローブ
200 プロセッサ
242 第一タイミングコントローラ
244 第二タイミングコントローラ
254a 画像処理制御回路
254d 通常画面生成回路
254e 小画面生成回路
PZT1〜3 圧電アクチュエータ
100 走査型医療用プローブ
200 プロセッサ
242 第一タイミングコントローラ
244 第二タイミングコントローラ
254a 画像処理制御回路
254d 通常画面生成回路
254e 小画面生成回路
PZT1〜3 圧電アクチュエータ
Claims (5)
- 所定の光を射出する光源と、
前記射出された光を第一の走査範囲で走査する第一の走査手段と、
前記第一の走査範囲を走査した前記光の反射光を受光して画像信号を検出する第一の画像信号検出手段と、
前記第一の画像信号検出手段による前記画像信号の検出タイミングに基づいて、各該画像信号により表現される画像情報の画素配置を決定する第一の画素配置決定手段と、
前記第一の画素配置決定手段により決定された画素配置に従って各前記画像情報を空間的に配列したときに構成される、前記第一の走査範囲の画像を複数の領域の画像に分割して、各該分割画像を解析する分割画像解析手段と、
前記解析された各分割画像の、前記第一の走査範囲内における位置を計算する分割画像位置計算手段と、
前記第一の走査範囲の一部の範囲である第二の走査範囲を走査する第二の走査手段と、
前記第二の走査範囲を走査した前記光の反射光を受光して画像信号を検出する第二の画像信号検出手段と、
前記第二の画像信号検出手段による前記画像信号の検出タイミングに基づいて、各該画像信号により表現される画像情報の画素配置を決定する第二の画素配置決定手段と、
前記第二の画素配置決定手段により決定された画素配置に従って各前記画像情報を空間的に配列して、前記第一の走査範囲の画像の一部を拡大した拡大表示画像を作成する拡大表示画像作成手段と、
前記拡大表示画像の少なくとも一部の範囲の特徴点を解析する特徴点解析手段と、
前記特徴点と各前記分割画像の解析結果とを比較して、前記解析された特徴点との相関値が最も高い該分割画像を判定する分割画像判定手段と、
前記判定された分割画像の位置の情報に基づいて、前記第二の走査手段による走査範囲を、該分割領域を含む範囲に変更する走査範囲変更手段と、
を有することを特徴とする医療用観察システム。 - 前記分割画像解析手段及び前記特徴点解析手段は、処理対象の画像の色相情報を解析することを特徴とする、請求項1に記載の医療用観察システム。
- 前記相関値が所定値以上である前記分割画像が存在しない場合、前記走査範囲変更手段による走査範囲の変更を行わないことを特徴とする、請求項1又は請求項2の何れか一項に記載の医療用観察システム。
- 前記第一の走査手段は、
前記光を被写体に向けて伝送する光ファイバと、
前記光を射出する前記光ファイバの射出端近傍に配置された第一の圧電アクチュエータと、
前記第一の圧電アクチュエータを駆動制御して、前記射出端が所定の基準位置を中心として徐々に大きくなる所定の第一の回転軌跡を描くように該射出端近傍を振動させる第一の駆動制御手段と、
から構成されていることを特徴とする、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の医療用観察システム。 - 前記第二の走査手段は、
前記光ファイバと、
前記射出端近傍に配置された第二の圧電アクチュエータと、
前記分割画像判定手段により前記相関値が最も高いと判定された分割画像の中心位置を基準として徐々に大きくなる、最大径が前記第一の回転軌跡より小さい所定の第二の回転軌跡を描くように該射出端近傍を振動させる第二の駆動制御手段と、
から構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の医療用観察システム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009187142A JP2011036460A (ja) | 2009-08-12 | 2009-08-12 | 医療用観察システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2009
- 2009-08-12 JP JP2009187142A patent/JP2011036460A/ja not_active Withdrawn
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