JP2011035270A - 光電変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換層として成膜した薄膜シリコンの膜厚が、基板の中央から周縁部に向かって不均一であった場合でも、薄膜シリコンの膜厚の分布に応じて各光電変換素子の受光部の面積を変化させることができる集積薄膜型の光電変換装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る光電変換装置は、絶縁基板1と、複数の光電変換素子12a〜12zとを備えている。複数の光電変換素子12a〜12zは、相対的に内側に形成されている光電変換素子の外周を順次取り囲むように絶縁基板1の中央部から絶縁基板1の外周に向かって複数形成されており、中央部を含む最も内側に形成されている光電変換素子12aから、最も外周に形成されている光電変換素子12zに向かって順次電気的に直列接続されている。
【選択図】図1

Description

この発明は光電変換装置に関し、特に集積薄膜型の光電変換装置に関する。
(構成)
図24および図25を参照して、一般的な集積薄膜型の光電変換装置300の構成について説明する。図24の中では、光電変換装置300の全体構成を示す平面図が示されている。図25の中では、図24におけるXXV−XXV線に関する矢視断面図が示されている。
光電変換装置300の表面(図24紙面手前側)から裏面(図24紙面奥側)に向かって太陽放射光が透過する。光電変換装置300を透過する太陽放射光に応答して、光電変換装置300は電力を発生する。以下、光電変換装置300のうち、太陽に向かい合う方の面(図24紙面手前側、図25上方側)を、表面または表面側と称する。以下、光電変換装置300のうち、太陽に向かい合わず、各半導体層が形成されている面(図24紙面奥側、図25下方側)を、裏面または裏面側と称する。これらは、他の光電変換装置についても同様とする。
光電変換装置300は、絶縁基板1を有している。絶縁基板1の裏面には、複数の光電変換素子12a〜12zが設けられている。光電変換素子12a〜12zは、平行に並んで複数形成されている。
光電変換素子12a〜12zは、第3の溝7a〜7yにより分割されている。これらの光電変換素子12a〜12zは、いわゆるセルストリングス状態を構成している。
より具体的に、隣接する光電変換素子12aと光電変換素子12bとは、第3の溝7aにより分割されている。同様に、隣接する光電変換素子12bと光電変換素子12cとは、第3の溝7bにより分割されている。同様に、隣接する光電変換素子12c〜12zは、第3の溝7c〜7yにより相互にそれぞれ分割されている。
光電変換素子12a〜12zは、第3の溝7a〜7yにより分割された状態で、電気的に直列に接続されている。光電変換素子12a〜12zが電気的に直列に接続されている詳細な構成については、後述する。光電変換素子12a〜12zの詳細な構成についても、光電変換装置300の製造方法と合わせて後述する。
光電変換素子12aの外側(図24左側)には、n型の電極10が形成されている。光電変換素子12aとn型の電極10とは、他の第3の溝7により分割されている。光電変換素子12aとn型の電極10とは、他の第3の溝7により分割された状態で、相互に電気的に接続されている。
光電変換素子12zの外側(図24右側)には、p型の電極11が形成されている。光電変換素子12zとp型の電極11とは、他の第3の溝7zにより分割されている。光電変換素子12zとp型の電極11とは、他の第3の溝7zにより分割された状態で、相互に電気的に接続されている。
n型の電極10の裏面には、n側のインターコネクタ50が配置されている。n型の電極10とn側のインターコネクタ50とは、はんだ付けなどにより電気的に接続されている。p型の電極11の裏面には、p側のインターコネクタ51が配置されている。p型の電極11とp側のインターコネクタ51とは、はんだ付けなどにより電気的に接続されている。
n側のインターコネクタ50は、一方のインターコネクタ52(図40参照)により、端子ボックス16に接続されている。p側のインターコネクタ51は、他方のインターコネクタ52(図40参照)により、端子ボックス16に接続されている。これらのインターコネクタ52、52は、光電変換素子12a〜12zに含まれる第2電極層6a〜6z(図39参照)と短絡しないように、両端を除いて絶縁体で被覆された状態で配置されている。
図25を参照して、n側のインターコネクタ50、p側のインターコネクタ51、およびインターコネクタ52、52が配置された光電変換素子12a〜12zの裏面には、シート状の充填樹脂13、およびアルミ箔入り防湿シート14が順次設けられている。
光電変換素子12a〜12zの裏面に設けられた充填樹脂13および防湿シート14は、ラミネート処理および加熱キュア硬化処理がなされている。ラミネート処理および加熱キュア硬化処理により、光電変換素子12a〜12zは封止されている。インターコネクタ52、52の端子ボックス16に近い方の端部は、端子ボックス16と電気的に接続するため、充填樹脂13および防湿シート14に設けられた図示しない切れ目部から裏面側に露出している。
封止された光電変換素子12a,12zの両外端には、アルミなどの枠体15が取り付けられている。枠体15は、絶縁基板1および絶縁基板1の裏面に形成された各半導体層の周囲を囲うように取り付けられている。端子ボックス16は、ラミネート処理および加熱キュア硬化処理がなされた防湿シート14の裏面側に設けられている。光電変換装置300は、配線53、53により外部の機器と接続される。
以上のように構成される光電変換装置300によれば、絶縁基板1を透過する太陽放射光に応答して、電力を発生することができる。
(光電変換装置の製造方法、光電変換素子の詳細な構成)
図26から図41を参照して、光電変換装置300の製造方法、および光電変換素子12a〜12zの詳細な構成について説明する。図26、図28、図30、図32、図34および図36は、図24における部分XXXVIII(図38)の部分拡大図に相当する。これらの図は、後述する各半導体層が形成されつつ図24における部分XXXVIII(図38)に至るまでの各工程における状態を示している。これらの図は、裏面側から見た図(底面図)を示している。
図26および図27を参照して、光電変換装置300の製造方法によれば、最初に絶縁基板1を準備する。絶縁基板1の厚さは、たとえば約4mmとする。絶縁基板1の材料には、白板ガラスなどを用いる。白板ガラスは光透過率が高く、衝撃に強い。白板ガラスは、いわゆるスーパーストレート方式の太陽電池モジュールにも適している。
図28および図29を参照して、絶縁基板1の裏面(図29上方)の全体にわたって第1電極層2を形成する。第1電極層2は、スパッタ装置などの成膜装置を用いて形成する。第1電極層2の厚さは、たとえば約1.0μmとする。第1電極層2の材料には、SnO(酸化スズ)またはITO(酸化インジウムスズ)などを用いる。
図30および図31を参照して、絶縁基板1の裏面に形成した第1電極層2に対して、レーザなどを用いて、後述する第3の溝7,7a〜7zと同様に第1の溝3,3a〜3z(3および3c〜3zは図示せず)を形成する。
より具体的には、第1電極層2に対して、平行な複数の第1の溝3a〜3y(3c〜3yは図示せず)を等間隔に形成する。第1の溝3aの外側(図24左側)には、n型の電極10を形成するための、他の第1の溝3(図示せず)を形成する。同様に、第1の溝3yの外側(図24右側)には、p型の電極11を形成するための、他の第1の溝3z(図示せず)を形成する。第1の溝3,3a〜3zは、第1電極層2を平行に分割し、第1電極層2,2a〜2z,2(2および2d〜2zは図示せず)を形成している。両外側に形成された第1電極層2,2は、n型の電極10とp型の電極11とをそれぞれ形成するためのものである。
第1の溝3,3a〜3zは、後述する第3の溝7,7a〜7zと同様に第1電極層2の一端側(図24左側)から他端側(図24右側)まで、周縁部9(図40参照)を残して全面にわたって形成する。第1の溝3,3a〜3zは、第1電極層2の長手方向に延びて形成する。第1の溝3,3a〜3zのそれぞれの幅は、たとえば約25μmとする。
図32および図33を参照して、第1の溝3,3a〜3zを形成した後、第1電極層2,2a〜2z,2の裏面の全体にわたって光電変換層4を成膜する。光電変換層4は、第1の溝3,3a〜3zの内部を含むように成膜する。
光電変換層4は、P−CVD(Plasma−Chemical Vapor Deposition)装置などの成膜装置を用いて、厚さをたとえば約1μm未満として成膜する。光電変換層4の材料には、薄膜シリコンを用いる。光電変換層4は、pin接合構造を有している。
図34および図35を参照して、光電変換層4を成膜した後、光電変換層4に対して、レーザなどを用いて、後述する第3の溝7,7a〜7zと同様に第1の溝3,3a〜3zに隣接して且つこれらと平行な第2の溝5,5a〜5z(5,5c〜5zは図示せず)を形成する。
より具体的には、光電変換層4に対して、平行な複数の第2の溝5a〜5y(5c〜5yは図示せず)を等間隔に形成する。第2の溝5aの外側(図24左側)には、n型の電極10を形成するための、他の第2の溝5(図示せず)を形成する。同様に、第2の溝5yの外側(図24右側)には、p型の電極11を形成するための、他の第2の溝5z(図示せず)を形成する。第2の溝5,5a〜5zは、光電変換層4を平行に分割し、光電変換層4,4a〜4z,4(4,4d〜4zは図示せず)を形成している。両外側に形成された光電変換層4,4は、n型の電極10とp型の電極11とをそれぞれ形成するためのものである。
第2の溝5,5a〜5zは、後述する第3の溝7,7a〜7zと同様に光電変換層4の一端側(図24左側)から他端側(図24右側)まで、周縁部9(図40参照)を残して全面にわたって形成する。第2の溝5,5a〜5zは、光電変換層4の長手方向に延びて形成する。
このとき、SHG(Second Harmonic Generation)レーザなどを用いて、光電変換層4,4a〜4z,4のみを除去するように、第2の溝5,5a〜5zを形成する。第2の溝5,5a〜5zの底部において、第1電極層2,2a〜2z,2の一部が露出するように、第2の溝5,5a〜5zを形成する。
図36および図37を参照して、第2の溝5,5a〜5zを形成した後、光電変換層4,4a〜4z,4の裏面の全体にわたって第2電極層6を成膜する。第2電極層6は、第2の溝5,5a〜5zの内部を含むように成膜する。
第2電極層6は、スパッタ装置などの成膜装置を用いて、厚さを約2000Åとして成膜する。第2電極層6の材料には、たとえばAg(銀)を用いる。このとき、光電変換層4,4a〜4z,4の裏面の全体にわたって成膜された第2電極層6は、第1電極層2,2a〜2z,2と電気的に接続されている。
図38および図39を参照して、第2電極層6を成膜した後、第2電極層6に対して、レーザなどを用いて、第2の溝5,5a〜5zに隣接して且つこれらと平行な第3の溝7,7a〜7z(図40参照)を形成する。
より具体的には、第2電極層6に対して、平行な複数の第3の溝7a〜7y(図40参照)を等間隔に形成する。第3の溝7aの外側(図24左側)には、n型の電極10を形成するための、他の第3の溝7を形成する。同様に、第3の溝7yの外側(図24右側)には、p型の電極11を形成するための、他の第3の溝7zを形成する。第3の溝7,7a〜7zは、第2電極層6を平行に分割し、第2電極層6,6a〜6z,6(6,6d〜6zは図示せず)を形成している。両外側に形成された第2電極層6,6は、n型の電極10とp型の電極11とをそれぞれ形成するためのものである。
第3の溝7,7a〜7zは、第2電極層6の一端側(図24左側)から他端側(図24右側)まで、周縁部9(図40参照)を残して全面にわたって形成する。第3の溝7,7a〜7zは、第2電極層6の長手方向に延びて形成する。
このとき、SHGレーザなどを用いて、第2電極層6,6a〜6z,6および光電変換層4,4a〜4z,4のみを除去するように、第3の溝7,7a〜7zを形成する。第3の溝7,7a〜7zの底部において、第1電極層2,2a〜2z,2の一部がそれぞれ露出するように、第3の溝7,7a〜7zを形成する。こうして、絶縁基板1の裏面に、n型の電極10、複数の光電変換素子12a〜12z、およびp型の電極11が形成される。
再び図39を参照して、光電変換素子12aは、絶縁基板1の裏面側に順次積層された、第1電極層2a、光電変換層4a、および第2電極層6aを有している。同様に、光電変換素子12b〜12zは、絶縁基板1の裏面側に順次積層された、第1電極層2b〜2z、光電変換層4b〜4z、および第2電極層6b〜6zをそれぞれ有している。
隣り合う光電変換素子12aの第2電極層6aおよび光電変換素子12bの第2電極層6bは、第3の溝7aによって互いに分割されている。分割された第2電極層6aおよび第2電極層6bは、第1電極層2bおよび光電変換層4bを通じて互いに電気的に導通している。これにより第2電極層6a−第1電極層2b−光電変換層4b−第2電極層6bの繰り返し回路(セル直列回路)が形成されている。この繰り返し回路は、n型の電極10、光電変換素子12a〜12zおよびp型の電極11にわたって形成されている。
図40参照して、上述のように形成された各半導体層の周縁部9に対し、レーザなどを用いて、トリミングを行なう。周縁部9に対してトリミングを行なった後、光電変換素子12aの外側に位置するn型の電極10の裏面に、n側のインターコネクタ50を配置する。光電変換素子12zの外側に位置するp型の電極11の裏面に、p側のインターコネクタ51を配置する。
n型の電極10とn側のインターコネクタ50とは、はんだ付けなどにより電気的に接続される。同様に、p型の電極11とp側のインターコネクタ51とは、はんだ付けなどにより電気的に接続される。
電極10と電極11に対してそれぞれはんだ付けをした後、n側のインターコネクタ50を、一方のインターコネクタ52により、端子ボックス16(図41参照)に接続する。p側のインターコネクタ51を、他方のインターコネクタ52により、端子ボックス16(図41参照)に接続する。
図41を参照して、インターコネクタ50およびインターコネクタ51を端子ボックス16にそれぞれ接続した後、n側のインターコネクタ50、p側のインターコネクタ51、およびインターコネクタ52、52が配置された光電変換素子12a〜12zの裏面に、シート状の充填樹脂13、およびアルミ箔入り防湿シート14を順次形成する。
光電変換素子12a〜12zの裏面に設けられた充填樹脂13および防湿シート14に対して、ラミネート処理および加熱キュア硬化処理を行なう。これらの処理により、光電変換素子12a〜12zは封止される。このとき、インターコネクタ52の端子ボックス16に近い方の端部は、端子ボックス16と電気的に接続するため、充填樹脂13および防湿シート14に設けられた図示しない切れ目部から裏面側に露出している。
封止された光電変換素子12a〜12zの両端に、アルミなどの枠体15を取り付ける。その後、端子ボックス16を、ラミネート処理および加熱キュア硬化処理がなされた防湿シート14の裏面側に取り付ける。以上の製造方法により、図24および図25に参照される光電変換装置300を得ることができる。
(他の構成)
光電変換装置の他の構成として、図24に参照される光電変換装置300の光電変換素子12a〜12zをさらに分割する場合もある。この場合、光電変換素子12a〜12zが延びる方向に直角な方向に、光電変換素子12a〜12zを複数分割して、複数のセルストリングスを構成する。
図42を参照して、たとえば6つのセルストリングスが構成されている光電変換装置400について説明する。光電変換装置400は、光電変換素子が延びる方向に直角な方向に、絶縁溝70a〜70eにより分割されている。
より具体的に、光電変換装置400は、絶縁基板1の裏面に6つのセルストリングス120A〜120Fを有している。セルストリングス120Aは、平行に並んで形成される複数の光電変換素子12Aa〜12Azを含んでいる。光電変換素子12Aa〜12Azは、第3の溝7a〜7yにより分割されている。光電変換素子12Aa〜12Azは、直列に接続され、セルストリングス120Aを構成している。
同様に、セルストリングス120B〜120Fは、平行に並んで形成される複数の光電変換素子12Ba〜12Bz,12Ca〜12Cz,12Da〜12Dz,12Ea〜12Ez,12Fa〜12Fzをそれぞれ含んでいる。光電変換素子12Ba〜12Bz,12Ca〜12Cz,12Da〜12Dz,12Ea〜12Ez,12Fa〜12Fzは、光電変換素子12Aa〜12Azと同様に、第3の溝7a〜7yによりそれぞれ分割されている。光電変換素子12Ba〜12Bz,12Ca〜12Cz,12Da〜12Dz,12Ea〜12Ez,12Fa〜12Fzは、光電変換素子12Aa〜12Azと同様に直列に接続され、セルストリングス120B〜120Fをそれぞれ構成している。
セルストリングス120A〜120Fは、絶縁溝70a〜70eにより相互に分割されている。セルストリングス120A〜120Fは、この絶縁溝70a〜70eにおいては、電気的に導通していない。6つのセルストリングス120A〜120Fは、両端に配置されているn型の電極10およびp型の電極11により並列に接続され、1つの集積薄膜型の光電変換装置400を構成している。
特開2006−228876号公報 特開2006−222384号公報 特開2005−93939号公報 特開2000−49369号公報 特開平9−312268号公報
上述のような集積薄膜型の光電変換装置は、光電変換装置とほぼ同じ大きさの絶縁基板の裏面に、複数の光電変換素子を直接形成することができる。さらに、上述のような集積薄膜型の光電変換装置は、光電変換装置とほぼ同じ大きさの絶縁基板の裏面に一括して形成することができる。
光電変換素子の性状の1つである光電変換層の厚さは、それぞれの光電変換素子の光電流(出力)の大きさに影響する。より具体的には、光電変換素子を構成する光電変換層の厚さが大きくなると、光電変換素子の光電流も大きくなる(図43参照)。
上述のとおり、光電変換装置の製造工程において、光電変換層として薄膜シリコンを成膜するためにはP−CVD法が用いられている。P−CVD法を用いた成膜によれば、それぞれの光電変換素子の光電変換層の厚さに差異(バラつき)が生じる。特許文献5によれば、P−CVD法を用いた成膜によれば、大面積の基板上に光電変換層を形成する場合、基板の中心から周辺に向かって膜厚分布が生じる傾向がある。
特に、P−CVD法を用いた成膜によれば、生産効率を上げるために成膜の速度を速くすると、基板上における光電変換層の厚さに差異(バラつき)が生じる。一方、基板上における光電変換層の厚さの差異を無くすことを求めると、成膜の速度が遅くなり、生産効率が下がる。つまり、成膜の速度と光電変換層の厚さの均一性とが、いわゆるトレードオフの関係にある。
図42を参照して、膜厚分布による光電変換素子の性能への影響を考える。たとえば、6つのセルストリングス120A〜120Fを有する光電変換装置400について、光電変換層の厚さの差異によって生じる光電流のバラつきについて考える。セルストリングス120Fにおける光電変換素子12Faの光電変換層の厚さが、他の光電変換素子12Fb〜12Fzの光電変換層の厚さより約10%薄いと仮定する。
光電変換層の厚さxと、単位面積当りの光電流(Jsc)yとの関係は、y=14x+α(αは定数)の式がおおよそ成立している。例えば、定数αが10の場合に光電変換層の厚さが10%薄いと、セルストリングス120Fにおける単位面積当りの光電流は約3%低下する。
光電変換素子12Faの光電変換層の厚さが、他の光電変換素子12Fb〜12Fzの厚さに比べて相対的に薄いことは、光電変換装置400から得られる光電流の総和を低下させ、結果として光電変換装置400の出力特性を低下させることがわかる。
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、光電変換層として成膜した薄膜シリコンの膜厚が、基板の中央から周縁部に向かって不均一であった場合でも、薄膜シリコンの膜厚の分布に応じて各光電変換素子の受光部の面積を変化させることができる集積薄膜型の光電変換装置を提供することを目的とする。
この発明に基づいた光電変換装置のある局面に従えば、絶縁基板と、上記絶縁基板の主表面上に順次形成された第1電極層、光電変換層、および第2電極層を含む複数の光電変換素子とを備えている。複数の上記光電変換素子は、相対的に内側に形成されている上記光電変換素子の外周を順次取り囲むように上記絶縁基板の中央部から上記絶縁基板の外周に向かって複数形成されており、上記中央部を含む最も内側に形成されている上記光電変換素子から、最も外周に形成されている上記光電変換素子に向かって順次電気的に直列接続されている。
この発明に基づいた光電変換装置の別の局面に従えば、絶縁基板と、上記絶縁基板の主表面上に順次形成された第1電極層、光電変換層、および第2電極層を含み、上記絶縁基板の中央部に設けられた絶縁領域の外縁から、上記絶縁基板の外周に向かって放射状に延在して複数形成され、それぞれ電気的に直列接続された光電変換素子とを備えている。
本発明によれば、光電変換層として成膜した薄膜シリコンの膜厚の性状が、基板の中央から周縁部に向かって不均一であった場合であっても、薄膜シリコンの膜厚の分布に応じて各光電変換素子の受光部の面積を変化させることができる集積薄膜型の光電変換装置を提供することができる。
実施の形態1における光電変換装置の全体構成を示す平面図である。 図1におけるII−II線に関する矢視断面図である。 (A)は、図2におけるIII(A)線に関する部分拡大図である。(B)は、図3(A)におけるIII(B)線に関する部分拡大図である。 実施の形態1における光電変換装置の全体構成を示す底面図である。 実施の形態1における光電変換装置の製造工程を示す第1平面図の部分拡大図である。 図5におけるVI−VI線に関する矢視断面図である。 実施の形態1における光電変換装置の製造工程を示す第2平面図の部分拡大図である。 図7におけるVIII−VIII線に関する矢視断面図である。 実施の形態1における光電変換装置の製造工程を示す第3平面図の部分拡大図である。 図9におけるX−X線に関する矢視断面図である。 実施の形態1における光電変換装置の製造工程を示す第4平面図の部分拡大図である。 図11におけるXII−XII線に関する矢視断面図である。 実施の形態1における光電変換装置の製造工程を示す第5平面図の部分拡大図である。 図13におけるXIV−XIV線に関する矢視断面図である。 実施の形態1における光電変換装置の製造工程を示す第6平面図の部分拡大図である。 図15におけるXVI−XVI線に関する矢視断面図である。 実施の形態1における光電変換装置の製造工程を示す第7平面図の部分拡大図である。 図17におけるXVIII−XVIII線に関する矢視断面図である。 実施の形態1における光電変換装置の製造工程を示す第8平面図である。 実施の形態1における光電変換装置の製造工程を示す第9平面図である。 実施の形態1における光電変換装置の製造工程を示す第10断面図である。 実施の形態2における光電変換装置の全体構成を示す平面図である。 図22におけるXXIII−XXIII線に関する矢視断面図である。 一般的な光電変換装置の全体構成を示す平面図である。 図24におけるXXV−XXV線に関する矢視断面図である。 一般的な光電変換装置の製造工程を示す第1底面図の部分拡大図である。 図26におけるXXVII−XXVII線に関する矢視断面図である。 一般的な光電変換装置の製造工程を示す第2底面図の部分拡大図である。 図28におけるXXIX−XXIX線に関する矢視断面図である。 一般的な光電変換装置の製造工程を示す第3底面図の部分拡大図である。 図30におけるXXXI−XXXI線に関する矢視断面図である。 一般的な光電変換装置の製造工程を示す第4底面図の部分拡大図である。 図32におけるXXXIII−XXXIII線に関する矢視断面図である。 一般的な光電変換装置の製造工程を示す第5底面図の部分拡大図である。 図34におけるXXXV−XXXV線に関する矢視断面図である。 一般的な光電変換装置の製造工程を示す第6底面図の部分拡大図である。 図36におけるXXXVII−XXXVII線に関する矢視断面図である。 一般的な光電変換装置の製造工程を示す第7底面図の部分拡大図である。 図38におけるXXXIX−XXIX線に関する矢視断面図である。 一般的な光電変換装置の製造工程を示す第8平面図である。 一般的な光電変換装置の製造工程を示す第9断面図である。 一般的な他の光電変換装置の全体構成を示す平面図である。 光電変換層の厚さと光電変換素子の光電流の大きさとの関係を示す図である。
本発明に基づいた各実施の形態における光電変換装置について、以下、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する各実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
(実施の形態1)
(構成)
図1および図2を参照して、本実施の形態にかかる集積薄膜型の光電変換装置100の構成について説明する。図1の中では、本実施の形態における光電変換装置100の全体構成を示す平面図が示されている。図2の中では、図1におけるII−II線に関する矢視断面図が示されている。
光電変換装置100の表面(図1紙面手前側)から裏面(図1紙面奥側)に向かって太陽放射光が透過する。光電変換装置100を透過する太陽放射光に応答して、光電変換装置100は電力を発生する。
光電変換装置100は、絶縁基板1を有している。絶縁基板1の裏面には、複数の光電変換素子12a〜12zが設けられている。光電変換素子12a〜12zは、相対的に内側に形成されている光電変換素子12a〜12yの外周を順次取り囲むように絶縁基板1の中央部から絶縁基板1の外周に向かって複数形成されている。複数の光電変換素子12a〜12zは、絶縁基板1の中央部を含む最も内側に形成されている光電変換素子12aから、最も外周に形成されている光電変換素子12zに向かって順次電気的に直列接続されている。
具体的に、光電変換素子12aは、絶縁基板1の中央部を含むように形成されている。光電変換素子12bは、相対的に内側に形成されている光電変換素子12aの外周を取り囲むように形成されている。光電変換素子12bは、光電変換素子12aから見て絶縁基板1の外周側に位置している。光電変換素子12cは、相対的に内側に形成されている光電変換素子12bの外周を取り囲むように形成されている。光電変換素子12cは、光電変換素子12bから見て絶縁基板1の外周側に位置している。
同様に、光電変換素子12d〜12zは、相対的に内側に形成されている光電変換素子12c〜12yの外周を取り囲むようにそれぞれ形成されている。光電変換素子12d〜12zは、光電変換素子12c〜12yから見て絶縁基板1の外周側にそれぞれ位置している。
光電変換素子12a〜12zの形状は、相対的に内側に形成されている光電変換素子12a〜12yの外周を順次取り囲むことが可能なすべての形状を含む。たとえば、光電変換素子12a〜12zの形状は、三角形、長方形、星形若しくは5角形などの多角形、多角形の角部を曲線で丸めた形状、円形、長円形、および楕円形など、1つの閉じられた線で囲まれて形成されるすべての形状を含む。さらに、各形状同士が一定の間隔を有しているとは限らず、種々の間隔を有している場合を含む。以下、説明の便宜上、光電変換素子12a〜12zは所定の形状に形成されていると称する。
絶縁基板1の中央部から外周に向かって所定の形状に形成されている光電変換素子12a〜12zは、セル分割溝である第3の溝7a〜7yにより分割されている。より具体的に、隣接する光電変換素子12aと光電変換素子12bとは、第3の溝7aにより分割されている。隣接する光電変換素子12bと光電変換素子12cとは、第3の溝7bにより分割されている。同様に、隣接する光電変換素子12c〜12zは、第3の溝7c〜7yにより相互にそれぞれ分割されている。光電変換素子12a〜12zは、繰り返し回路(セル直列回路)により、絶縁基板1の中央部から外周に向かって順次電気的に直列に接続されている。
図3(A)の中では、図2におけるIII(A)線に関する部分拡大図が示されている。図3(B)の中では、図3(A)におけるIII(B)線に関する部分拡大図が示されている。なお、図3(A)および図3(B)の中では、説明の便宜上、後述するシート状の充填樹脂13、アルミ箔入り防湿シート14、枠体15および端子ボックス16を記載していない。
図3(A)および図3(B)を参照して、所定の形状に形成される光電変換素子12aは、第1電極層2a、光電変換層4a、および第2電極層6aを有している。第1電極層2a、光電変換層4a、および第2電極層6aは、いずれも光電変換素子12aと同じように、所定の形状に形成されている。
同様に、絶縁基板1の中央部から外周に向かって所定の形状に形成される光電変換素子12b〜12zは、所定の形状に形成される第1電極層2b〜2z、光電変換層4b〜4z、および第2電極層6b〜6zをそれぞれ有している。第1電極層2b〜2z、光電変換層4b〜4z、および第2電極層6b〜6zは、光電変換素子12b〜12zと同じように、相対的に内側に形成されている第1電極層2a〜2y、光電変換層4a〜4y、および第2電極層6a〜6yの外周を順次取り囲むように、絶縁基板1の中央部から外周に向かって所定の形状に形成されている。
光電変換素子12a〜12zのうち、光電変換層4a〜4zが発電に寄与する部分である。より具体的には、光電変換層4a〜4zの受光部8a〜8zが、発電に寄与する部分である。受光部8a〜8zも、光電変換素子12a〜12zと同じように、相対的に内側に形成されている受光部8a〜8yの外周を順次取り囲むように、絶縁基板1の中央部から外周に向かって所定の形状に形成されている。
図1〜図3(B)を参照して、光電変換素子12aの内側には、第1導電型であるp型の電極11が形成されている。光電変換素子12aとp型の電極11とは、他の第3の溝7により分割されている。光電変換素子12aとp型の電極11とは、他の第3の溝7により分割された状態で、相互に電気的に接続されている。
光電変換素子12zの外側には、第2導電型であるn型の電極10、10が形成されている。光電変換素子12zとn型の電極10、10とは、他の第3の溝7zにより分割されている。光電変換素子12zとn型の電極10、10とは、他の第3の溝7zにより分割された状態で、相互に電気的に接続されている。
電極11の裏面には、p側のインターコネクタ51(図20参照)が配置されている。p型の電極11とp側のインターコネクタ51とは、はんだ付けなどにより電気的に接続されている。電極10、10の裏面には、n側のインターコネクタ50、50がそれぞれ配置されている。n型の電極10とn側のインターコネクタ50、50とは、はんだ付けなどにより電気的にそれぞれ接続されている。
一方のn側のインターコネクタ50は、一方のインターコネクタ52(図20参照)により、端子ボックス16(図21参照)に接続されている。他方のn側のインターコネクタ50(図20参照)は、他方のインターコネクタ52により、端子ボックス16(図21参照)に接続されている。インターコネクタ52は、光電変換素子12a〜12zの第2電極層6a〜6zと短絡しないように、両端を除いて絶縁体で被覆されている。
n側のインターコネクタ50、p側のインターコネクタ51、およびインターコネクタ52が配置された光電変換素子12a〜12zの裏面には、シート状の充填樹脂13、およびアルミ箔入り防湿シート14が順次設けられている。
光電変換素子12a〜12zの裏面に設けられた充填樹脂13および防湿シート14は、ラミネート処理および加熱キュア硬化処理がなされている。ラミネート処理および加熱キュア硬化処理により、光電変換素子12a〜12zは封止されている。p側のインターコネクタ51およびインターコネクタ52、52の端子ボックス16に近い方の端部は、端子ボックス16と電気的に接続するため、充填樹脂13および防湿シート14に設けられた図示しない切れ目部から裏面側に露出している。
封止された光電変換素子12zの外側には、アルミなどの枠体15が取り付けられている。枠体15は、絶縁基板1および絶縁基板1の裏面に形成された各半導体層の周囲を囲うように取り付けられている。端子ボックス16は、ラミネート処理および加熱キュア硬化処理がなされた防湿シート14の裏面側に設けられている。
(受光部の面積)
上述のとおり、光電変換装置の製造工程において、光電変換層4a〜4zとして薄膜シリコンを成膜するためにはP−CVD法が一般的に用いられている。P−CVD法による成膜によれば、光電変換層4a〜4zの厚さに差異(バラつき)が生じ、絶縁基板1の中心から周辺に向かって膜厚分布が生じている。
膜厚分布には、絶縁基板1の中心が盛り上がっており、絶縁基板1の中心から周縁部9に向かって徐々に厚さが小さくなっている場合がある。膜厚分布には、絶縁基板1の中心が盛り下がっており、絶縁基板1の中心から周縁部9に向かって徐々に厚さが大きくなっている場合などもある。
本実施の形態にかかる光電変換装置100は、相対的に内側に形成されている光電変換素子12a〜12yの外周を順次取り囲むように、絶縁基板1の中央部から絶縁基板1の外周に向かって所定の形状に形成された光電変換素子12a〜12zを設けている。このため、光電変換層4a〜4zとして成膜した薄膜シリコンの膜厚が、基板の中央から周縁部に向かって不均一であった場合でも、薄膜シリコンの膜厚の分布に応じて各光電変換素子の受光部の面積を種々に変化させることができる。以下に、たとえば複数の光電変換素子から得られる発電時の光電流をそれぞれ略同等とするため、光電変換層4a〜4zの所定の形状に形成された受光部8a〜8zを、受光部8a〜8zの厚さに応じて所定の面積とする場合について説明する。
具体的には、まず要求される光電変換装置の出力帯に応じて、絶縁基板1の材料として用いる白板ガラスの面積を決定する。白板ガラスの面積から、要求される受光部全体の受光部面積Stが決定される。同様に、要求される光電変換装置の電圧帯に応じて、光電変換素子12aの内側に形成されるp型の電極11の面積Spと、光電変換素子12zの外側に形成されるn型の電極10、10の面積Snと、光電変換素子12a〜12zの集積段数dとを決定する。
決定された受光部全体の受光部面積Stと、p型の電極11の面積Spと、n型の電極10、10の面積Snと、集積段数dとから、1段の光電変換素子の受光部の基本受光部面積Sbが、次の式(1)により求められる。
Figure 2011035270
次に、光電変換装置全体から得られる光電流より、光電変換装置全体の発電時の単位面積当たりの光電流Jsctを算出する。次に集積段数dの光電変換素子12a〜12zを構成する、各位置における光電変換層の膜厚のTYP値を算出する。この膜厚のTYP値に基づいて、各位置に対応する単位面積あたりの光電流Jscを算出し、集積段数dのそれぞれの光電変換素子12a〜12zの受光部8a〜8zの受光部面積を決定する。
より具体的には、集積段数dのうち中央側から数えてg番目に位置する光電変換素子12gの受光部8gの受光部面積Sgは、膜厚のTYP値によって得られたg番目の各位置の光電流Jscgを用いて、次の式(2)により決定する。
Figure 2011035270
上記の式(1)を上記の式(2)に代入することで、次の式(3)を得ることができる。
Figure 2011035270
ここで、図4を参照して、実施の形態1にかかる光電変換装置100の形状に、上記の式(3)を適用して実際に複数の光電変換素子から得られる発電時の光電流をそれぞれ略同等とするため、所定の形状の受光部の受光部面積を算出する例について説明する。図4は、本実施の形態における光電変換装置100の全体構成を示す底面図である。図4は、図1を裏面側から見た図に相当する。図4の中では、説明の便宜上、シート状の充填樹脂13、アルミ箔入り防湿シート14、および端子ボックス16を記載していない。
まず、要求される光電変換装置の出力帯に基づき、中央側から数えて1番目に位置する光電変換素子12aの内側に形成される、p型の電極11の形状および面積Spを決定する。絶縁基板1の外形形状が矩形である場合、p型の電極11の形状は、絶縁基板1の外形形状と略相似形である略矩形状に設けられるとよい。絶縁基板1の外形形状およびp型の電極11の面積Spに基づき、p型の電極11の短辺の長さXp、p型の電極11の長編の長さYpを決定する。
決定したp型の電極11の面積Spに基づき、上記の式(3)により、光電変換素子12aの受光部面積S1が決定される。そして、決定したp型の電極11の短辺の長さXp、p型の電極11の長編の長さYpに基づき、光電変換素子12aの短辺長さX1および光電変換素子12aの長辺長さY1は、次の式(4)および式(5)により求められる。
Figure 2011035270
Figure 2011035270
式(4)および式(5)により光電変換素子12aの短辺長さX1および光電変換素子12aの長辺長さY1を決定することで、光電変換素子12aの形状が決定される。同様にして、決定した光電変換素子12aの形状に基づき、中央側から数えて2番目に位置する光電変換素子12bが決定される。同様にして、最外周に位置する光電変換素子12zまでの形状が、順次決定される。
本実施の形態に係る光電変換装置によれば、光電変換層4a〜4zとして成膜した薄膜シリコンの膜厚が、基板の中央から周縁部に向かって不均一であった場合でも、薄膜シリコンの膜厚の分布に応じて各光電変換素子の受光部の面積を種々変化させることができる。
このため、たとえば上記のように基板の中央から周縁部に向かって不均一な光電変換層の膜厚にしたがって、光電変換素子12a〜12zを相対的に内側に形成されている光電変換素子12a〜12yの外周を順次取り囲むように、絶縁基板1の中央部から絶縁基板1の外周に向かって所定の形状に設けることにより、膜厚分布に応じた光電変換素子12a〜12zの受光部8a〜8zの面積を決定することができ、光電変換素子12a〜12zから得られる発電時の光電流をそれぞれ略同等とすることができる。複数の光電変換素子(12a〜12z)が、第1の光電変換素子と、第1の光電変換素子に比べて発電時の光電流密度が大きい第2の光電変換素子とを含んでいる場合には、第2の光電変換素子における光電変換層(4)の受光部面積を、第1の光電変換素子の受光部面積より小さくするとよい。
(製造方法)
図5から図21を参照して、本実施の形態にかかる光電変換装置100の製造方法、および光電変換素子12a〜12zの詳細な構成について説明する。図5、図7、図9、図、図11、図13および図15は、図4における部分XVII(図17)の部分拡大図に相当する。これらの図は、後述する各半導体層が形成されつつ図4における部分XVII(図17)に至るまでの各工程における状態を示している。これらの図は、裏面側から見た図(底面図)を示している。
図5および図6を参照して、光電変換装置100の製造方法によれば、最初に絶縁基板1を準備する。絶縁基板1の厚さは、たとえば約4mmとする。絶縁基板1の材料には、白板ガラスなどを用いる。
図7および図8を参照して、絶縁基板1の裏面(図8上方)の全体にわたって第1電極層2を形成する。第1電極層2は、スパッタ装置などの成膜装置を用いて形成する。第1電極層2の厚さは、たとえば約1.0μmとする。第1電極層2の材料には、SnO(酸化スズ)またはITO(酸化インジウムスズ)などを用いる。
図9および図10を参照して、絶縁基板1の裏面に形成した第1電極層2に対して、レーザなどを用いて、所定の形状の第1の溝3,3a〜3z(3,3c〜3zは図示せず)を形成する。
より具体的には、第1電極層2に対して、絶縁基板1の中央部から外周に向かって所定の形状の第1の溝3a〜3y(3c〜3yは図示せず)を形成する。第1の溝3aの内側には、p型の電極11を形成するための、他の第1の溝3(図示せず)を形成する。同様に、第1の溝3yの外側には、n型の電極10、10を形成するための、他の第1の溝3z、3z(図示せず)を形成する。
第1の溝3a〜3yは、第1電極層2を分割し、所定の形状の第1電極層2a〜2z(2d〜2zは図示せず)を形成している。第1電極層2a〜2zは、光電変換素子12a〜12zと同じように、相対的に内側に形成されている第1電極層2a〜2yの外周を順次取り囲むように、絶縁基板1の中央部から外周に向かって所定の形状に形成されている。他の第1の溝3、3zは、第1電極層2a〜2zの両端に、n型の電極10、10を形成するための、第1電極層2、2(図示せず)を形成している。
これにより、第1の溝3,3a〜3zは、第1電極層2を所定の形状に分割し、第1電極層2,2a〜2z,2を形成している。内側および外側に形成された第1電極層2,2は、p型の電極11とn型の電極10とをそれぞれ形成するためのものである。
ここで、第1の溝3a〜3yは、光電変換素子12a〜12zから得られる発電時の光電流をそれぞれ略同等とするため、上述の式(1)〜式(5)により、膜厚分布に応じた光電変換素子12a〜12zの受光部8a〜8zの面積を構成するように形成してもよい。
第1の溝3,3a〜3zは、後述する第3の溝7,7a〜7zと同様に、周縁部9(図19参照)を残して第1電極層2の全面にわたって形成する。第1の溝3,3a〜3zのそれぞれの幅は、たとえば約25μmとする。
図11および図12を参照して、第1の溝3,3a〜3zを形成した後、第1電極層2,2a〜2z,2の裏面の全体にわたって光電変換層4を成膜する。光電変換層4は、第1の溝3,3a〜3zの内部を含むように成膜する。
光電変換層4は、P−CVD装置などの成膜装置を用いて、厚さをたとえば約1μm未満として成膜する。光電変換層4の材料には、薄膜シリコンを用いる。光電変換層4は、pin接合構造を有している。
図13および図14を参照して、光電変換層4を成膜した後、光電変換層4に対して、レーザなどを用いて、第1の溝3,3a〜3zに隣接して且つこれらと所定の間隔をあけて所定の形状の第2の溝5,5a〜5z(5,5c〜5zは図示せず)を形成する。
より具体的には、光電変換層4に対して、絶縁基板1の中央部から外周に向かって所定の形状の第2の溝5a〜5y(5c〜5yは図示せず)を所定の間隔をあけて形成する。第2の溝5aの内側には、p型の電極11を形成するための、他の第2の溝5(図示せず)を形成する。同様に、第2の溝5yの外側には、n型の電極10、10を形成するための、他の第2の溝5z(図示せず)を形成する。
これにより、第2の溝5,5a〜5zは、光電変換層4を所定の形状に分割し、光電変換層4,4a〜4z,4を形成している。光電変換層4a〜4zは、光電変換素子12a〜12zと同じように、相対的に内側に形成されている光電変換層4a〜4yの外周を順次取り囲むように、絶縁基板1の中央部から外周に向かって所定の形状に形成されている。内側および外側に形成された光電変換層4,4は、p型の電極11とn型の電極10とをそれぞれ形成するためのものである。
所定の形状の第2の溝5a〜5yは、第1の溝3a〜3yと同様に、光電変換素子12a〜12zから得られる発電時の光電流をそれぞれ略同等とするため、上記の式(1)〜式(5)により、膜厚分布に応じた光電変換素子12a〜12zの受光部8a〜8zの面積を構成するように形成してもよい。
このとき、SHGレーザなどを用いて、光電変換層4,4a〜4z,4のみを除去するように、第2の溝5,5a〜5zを形成する。第2の溝5,5a〜5zの底部において、第1電極層2,2a〜2z,2の一部が露出するように、第2の溝5,5a〜5zを形成する。
図15および図16を参照して、第2の溝5,5a〜5zを形成した後、光電変換層4,4a〜4z,4の裏面の全体にわたって第2電極層6を成膜する。第2電極層6は、第2の溝5,5a〜5zの内部を含むように成膜する。
第2電極層6は、スパッタ装置などの成膜装置を用いて、厚さを約2000Åとして成膜する。第2電極層6の材料には、たとえばAg(銀)を用いる。このとき、光電変換層4,4a〜4z,4の裏面の全体にわたって成膜された第2電極層6は、第1電極層2,2a〜2z,2と電気的に接続されている。
図17および図18を参照して、第2電極層6を成膜した後、第2電極層6に対して、レーザなどを用いて、第2の溝5,5a〜5zに隣接して且つこれらと所定の間隔をあけて、セル分割溝である所定の形状の第3の溝7,7a〜7z(図19参照)を形成する。
より具体的には、第2電極層6に対して、絶縁基板1の中央部から外周に向かって所定の形状の第3の溝7a〜7yを所定の間隔をあけて形成する。第3の溝7aの内側には、p型の電極11を形成するための、他の第3の溝7を形成する。同様に、第3の溝7yの外側には、n型の電極10、10を形成するための、他の第3の溝7z、7zを形成する。
これにより、第3の溝7,7a〜7zは、第2電極層6を分割し、第2電極層6,6a〜6z,6を形成している。第2電極層6a〜6zは、光電変換素子12a〜12zと同じように、相対的に内側に形成されている第2電極層6a〜6yの外周を順次取り囲むように、絶縁基板1の中央部から外周に向かって所定の形状に形成されている。内側および外側に形成された第2電極層6,6は、p型の電極11とn型の電極10とをそれぞれ形成するためのものである。
第3の溝7a〜7yは、第1の溝3a〜3yおよび第2の溝5a〜5yと同様に、光電変換素子12a〜12zから得られる発電時の光電流をそれぞれ略同等とするため、上述の式(1)〜式(5)により、膜厚分布に応じた光電変換素子12a〜12zの受光部8a〜8zの面積を構成するように形成してもよい。
このとき、SHGレーザなどを用いて、第2電極層6,6a〜6z,6および光電変換層4,4a〜4z,4のみを除去するように、第3の溝7,7a〜7zを形成する。第3の溝7,7a〜7zの底部において、第1電極層2,2a〜2z,2の一部がそれぞれ露出するように、第3の溝7,7a〜7zを形成する。こうして、絶縁基板1の裏面に、n型の電極10、10、複数の光電変換素子12a〜12z、およびp型の電極11が形成される。
再び図18を参照して、所定の形状の光電変換素子12aは、絶縁基板1の裏面側に順次積層された、所定の形状の第1電極層2a、所定の形状の光電変換層4a、および所定の形状の第2電極層6aを有している。同様に、所定の形状の光電変換素子12b〜12zは、所定の形状の絶縁基板1の裏面側に順次積層された、所定の形状の第1電極層2b〜2z、所定の形状の光電変換層4b〜4z、および所定の形状の第2電極層6b〜6zをそれぞれ有している。
隣り合う光電変換素子12aの第2電極層6aおよび光電変換素子12bの第2電極層6bは、第3の溝7aによって互いに分割されている。分割された第2電極層6aおよび第2電極層6bは、第1電極層2bおよび光電変換層4bを通じて互いに電気的に導通している。これにより第2電極層6a−第1電極層2b−光電変換層4b−第2電極層6bの繰り返し回路(セル直列回路)が形成されている。この繰り返し回路は、n型の電極10、10、光電変換素子12a〜12zおよびp型の電極11にわたって絶縁基板1の中央部から外周に向かって形成されている。
図19を参照して、上述のように形成された絶縁基板1および光電変換素子12a〜12zの周縁部9に対し、レーザなどを用いて、トリミングを行なう。図20を参照して、周縁部9に対してトリミングを行なった後、光電変換素子12aの内側に位置するp型の電極11の裏面に、p側のインターコネクタ51を配置する。光電変換素子12zの外側に位置するn型の電極10、10の裏面に、n側のインターコネクタ50、50をそれぞれ配置する。
p型の電極11とp側のインターコネクタ51とは、はんだ付けなどにより電気的に接続される。同様に、n型の電極10、10とn側のインターコネクタ50、50とは、はんだ付けなどにより電気的に接続される。
電極10と電極11とに対してそれぞれはんだ付けをした後、一方のn側のインターコネクタ50を、一方のインターコネクタ52により、端子ボックス16に接続する。他方のn側のインターコネクタ50を、他方のインターコネクタ52により、端子ボックス16に接続する。p側のインターコネクタ51を、端子ボックス16に接続する。
インターコネクタ50、50およびインターコネクタ51を端子ボックス16にそれぞれ接続した後、n側のインターコネクタ50、p側のインターコネクタ51、およびインターコネクタ52、52が配置された光電変換素子12a〜12zの裏面に、シート状の充填樹脂13、およびアルミ箔入り防湿シート14を順次形成する。
光電変換素子12a〜12zの裏面に設けられた充填樹脂13および防湿シート14に対して、ラミネート処理および加熱キュア硬化処理を行なう。これらの処理により、光電変換素子12a〜12zは封止される。このとき、インターコネクタ52、52の端子ボックス16に近い方の端部、およびインターコネクタ51の端子ボックス16に近い方の端部は、端子ボックス16と電気的に接続するため、充填樹脂13および防湿シート14に設けられた図示しない切れ目部から裏面側に露出している。
封止された光電変換素子12a〜12zの両端に、アルミなどの枠体15を取り付ける。その後、端子ボックス16を、ラミネート処理および加熱キュア硬化処理がなされた防湿シート14の裏面側に設ける。以上の製造方法により、図1および図2に参照される光電変換装置100を得ることができる。
(効果)
本実施の形態にかかる集積薄膜型の光電変換装置100によれば、光電変換層4a〜4zとして成膜した薄膜シリコンの膜厚が、基板の中央から周縁部に向かって不均一であった場合でも、薄膜シリコンの膜厚の分布に応じて各光電変換素子の受光部の面積を種々に変化させることができる。
薄膜シリコンの膜厚の分布に応じて各光電変換素子の受光部の面積を種々に変化させることで、たとえば、複数の光電変換素子12a〜12zから得られる発電時の光電流をそれぞれ略同等とすることができる。これにより、光電変換装置の発電効率を向上させ、生産効率を上げることもできる。
上述のとおり、P−CVD法を用いた成膜によれば、生産速度を速くすると絶縁基板の周辺に向かって膜厚分布(バラつき)が生じる。本実施の形態にかかる集積薄膜型の光電変換装置100によれば、基板の中央から周縁部に向かって不均一な光電変換層の膜厚にしたがって、光電変換素子12a〜12zを相対的に内側に形成されている光電変換素子12a〜12yの外周を順次取り囲むように絶縁基板1の中央部から外周に向かって所定の形状に設けた。そして、同様に所定の形状に設けられる光電変換層4の受光部8a〜8zを、受光部8a〜8zの厚さに応じて所定の面積とすることで、複数の光電変換素子12a〜12zから得られる発電時の光電流をそれぞれ略同等とすることもできる。
たとえば、絶縁基板1の中心が盛り上がっており、絶縁基板1の中心から周縁部9に向かって徐々に厚さが小さくなっている場合や、絶縁基板1の中心が盛り下がっており、絶縁基板1の中心から周縁部9に向かって徐々に厚さが大きくなっている場合であっても、所定の形状に設けた光電変換素子12a〜12zのそれぞれの受光部8a〜8zを、受光部8a〜8zの厚さに応じて所定の面積とすることで、複数の光電変換素子12a〜12zから得られる発電時の光電流をそれぞれ略同等とすることもできる。
それぞれの光電流を略同等とすることができるため、形成される複数の光電変換素子12a〜12zの性能を均一に形成することも可能となる。結果として、光電変換装置の生産速度を速くし、生産効率を上げることができるだけでなく、製造される光電変換装置の発電効率を向上させることもできる。
本実施の形態にかかる集積薄膜型の光電変換装置100によれば、いわゆるホットスポット現象の発生を抑制することが可能となる。ホットスポット現象とは、光電変換装置を構成する一部の光電変換素子のみに落ち葉などが重なって、太陽放射光が透過するのを妨げられ、結果として、その光電変換素子が抵抗になって、光電変換装置の温度が高くなる現象のことを言う。
本実施の形態にかかる集積薄膜型の光電変換装置100によれば、光電変換素子12a〜12zが絶縁基板1の中央部から外周に向かって所定の形状に設けられている。それぞれの光電変換素子12a〜12zが、少なくとも周方向に延びて設けられており、それぞれ所定の距離を有している。このため、絶縁基板1の中央部から外周に向かって所定の形状の光電変換素子の一部に落ち葉などが重なった場合であっても、この光電変換素子の他の部分において太陽放射光を受けるための十分な受光部面積を確保することができる。特に、図42に参照される光電変換装置に比べて十分な受光部面積を確保することができる。
本実施の形態にかかる集積薄膜型の光電変換装置100によれば、図24または図42に参照される光電変換装置と比較して、絶縁基板1の周辺のトリミング領域でのp型の電極11とn型の電極10との絶縁破壊故障が発生するのを抑制することが可能となる。
具体的には、図24または図42に参照される光電変換装置によれば、p型の電極11とn型の電極10とが、枠体15などの外部要素に曝されている。枠体15などの外部要素に曝されていることにより、p型の電極11とn型の電極10とが枠体15などにより電気的に導通して、絶縁破壊故障が発生し得る。
本実施の形態にかかる集積薄膜型の光電変換装置100によれば、p型の電極11が絶縁基板1の中央側に配置され、n型の電極10,10が絶縁基板1の周辺に配置されている。p型の電極11とn型の電極10、10との絶縁距離が長く、且つこれらの間を短絡させ、絶縁破壊故障を発生させるような外部要素がない。このため、本実施の形態にかかる集積薄膜型の光電変換装置100によれば、絶縁基板1の周辺のトリミング領域でのp型の電極11とn型の電極10との絶縁破壊故障が発生するのを抑制することが可能となる。
(実施の形態2)
(構成)
図22および図23を参照して、本実施の形態にかかる集積薄膜型の光電変換装置200の構成について説明する。図22の中では、実施の形態2における光電変換装置の全体構成を示す平面図が示されている。図23の中では、図22におけるXXIII−XXIII線に関する矢視断面図が示されている。なお、図23の中では、説明の便宜上、シート状の充填樹脂13、アルミ箔入り防湿シート14、および端子ボックス16を記載していない。
光電変換装置200は、絶縁基板1を有している。絶縁基板1の裏面には、複数の光電変換素子12a〜12zが設けられている。光電変換素子12aは、第1電極層2a、光電変換層4a、および第2電極層6aを有している。同様に、光電変換素子12b〜12zは第1電極層2b〜2z、光電変換層4b〜4z、および第2電極層6a〜6zをそれぞれ有している。
光電変換素子12a〜12zのうち、光電変換層4a〜4zが発電に寄与する部分である。より具体的には、光電変換層4a〜4zの受光部8a〜8zが、発電に寄与する部分である。
光電変換素子12a〜12zは、第2電極層6a〜6zの略中央部に設けられた絶縁領域20の外縁から、絶縁基板1の外周に向かって放射状に延在して設けられたセル分割溝である第3の溝7a〜7yで区切られることによって複数形成されている。
より具体的に、隣接する光電変換素子12aと光電変換素子12bとは、第3の溝7aにより分割されている。時計回りに隣接する光電変換素子12bと光電変換素子12cとは、第3の溝7bにより分割されている。同様に、時計回りに隣接する光電変換素子12c〜12zは、第3の溝7c〜7yにより相互にそれぞれ分割されている。
第3の溝7a〜7yは、光電変換素子12a〜12zから得られる発電時の光電流をそれぞれ略同等とするため、受光部8a〜8zをそれぞれ略同等の面積を構成するように形成してもよい。
光電変換素子12a〜12zは、繰り返し回路(セル直列回路)により、直列に接続されている。光電変換素子12a〜12zは、第2電極層6a〜6zの略中央部に設けられた絶縁領域20においては絶縁されており、絶縁領域20においては互いに電気的に導通していない。
光電変換素子12aの図中右側には、第1導電型であるp型の電極11が形成されている。光電変換素子12aとp型の電極11とは、他の第3の溝7により分割されている。光電変換素子12aとp型の電極11とは、他の第3の溝7により分割された状態で、相互に電気的に接続されている。
光電変換素子12zの図中左側には、第2導電型であるn型の電極10が形成されている。光電変換素子12zとn型の電極10とは、他の第3の溝7zにより分割されている。光電変換素子12zとn型の電極10とは、他の第3の溝7zにより分割された状態で、相互に電気的に接続されている。
n型の電極10とp型の電極11との間には、他の絶縁領域21が設けられている。絶縁領域21は、絶縁領域20の外縁から、絶縁基板1の外周に向かって延びて設けられている。n型の電極10とp型の電極11とは、絶縁領域21において電気的に導通していない。
光電変換装置200のその他の構成については、実施の形態1における光電変換装置100と同様であるため、その説明を繰り返さないものとする。
(効果)
本実施の形態にかかる集積薄膜型の光電変換装置200によれば、光電変換層4a〜4zとして成膜した薄膜シリコンの膜厚が、基板の中央から周縁部に向かって不均一であった場合でも、薄膜シリコンの膜厚の分布に応じて各光電変換素子の受光部の面積を種々に変化させることができる。
薄膜シリコンの膜厚の分布に応じて各光電変換素子の受光部の面積を種々に変化させることで、たとえば、複数の光電変換素子12a〜12zから得られる発電時の光電流をそれぞれ略同等とすることもできる。これにより、光電変換装置の発電効率を向上させ、生産効率を上げることもできる。具体的には、一般的に、P−CVD法を用いた成膜によれば、上述の膜厚分布(バラつき)は絶縁基板1の中心から略同心円状に生じる。
本実施の形態にかかる光電変換素子12a〜12zは、第2電極層6a〜6zの略中央部に設けられた絶縁領域20の外縁から、絶縁基板1の外周に向かって放射状に設けられた第3の溝7a〜7yで区切られている。光電変換素子12a〜12zは、膜厚分布を構成している略同心円の周方向に直交するように、第3の溝7a〜7yが放射状に設けられている。
そして、光電変換素子12a〜12zは、光電変換層4の受光部8a〜8zをそれぞれ略同等の面積となるように区切られることにより、複数の光電変換素子12a〜12zから得られる発電時の光電流をそれぞれ略同等とすることもできる。
それぞれの光電流を略同等とすることができるため、形成される複数の光電変換素子12a〜12zの性能を均一に形成することが可能となる。結果として、実施の形態1と同様に、光電変換装置の生産速度を速くし、生産効率を上げることができるだけでなく、製造される光電変換装置の発電効率を向上させることもできる。
本実施の形態にかかる集積薄膜型の光電変換装置200によれば、実施の形態1と同様に、いわゆるホットスポット現象の発生を抑制することが可能となる。具体的には、本実施の形態にかかる集積薄膜型の光電変換装置200によれば、光電変換素子12a〜12zが放射状に所定の距離を持って延びて設けられている。
このため、略中央部に設けられた絶縁領域の外縁から、絶縁基板の外周に向かって放射状に延在するセル分割溝で区切られた光電変換素子の一部に落ち葉などが重なった場合であっても、この光電変換素子の他の部分において太陽放射光を受けるための十分な受光部面積を確保することができる。特に、図42に参照される光電変換装置に比べて十分な受光部面積を確保することができる。
なお、上記の各実施の形態では、第1導電型としてp型、第2導電型としてn型を用いた場合について説明しているが、第1導電型としてn型、第2導電型としてp型を用いた場合であっても、上述と同様の作用効果を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 絶縁基板、2,2a〜2z 第1電極層、3,3a〜3z 第1の溝、4,4a〜4z 光電変換層、5,5a〜5z 第2の溝、6,6a〜6z 第2電極層、7,7a〜7z 第3の溝(セル分割溝)、8a〜8z,8g 受光部、9 周縁部、10,11 電極、12a〜12z,12g,12Aa〜12Az,12Ba〜12Bz,12Ca〜12Cz,12Da〜12Dz,12Ea〜12Ez,12Fa〜12Fz 光電変換素子、13 充填樹脂、14 防湿シート、15 枠体、16 端子ボックス、20,21 絶縁領域、50,51,52 インターコネクタ、53 配線、70a〜70e 絶縁溝、100,200,300,400 光電変換装置、120A〜120F セルストリングス、d 集積段数、Jsc 光電変換素子の単位面積当りの光電流、S1,Sg 受光部面積、St 受光部全体の受光部面積、Sb 基本受光部面積、Sn,Sp 面積、X1,Y1,Xp,Yp 長さ。

Claims (5)

  1. 絶縁基板と、
    前記絶縁基板の主表面上に順次形成された第1電極層、光電変換層、および第2電極層を含む複数の光電変換素子と、を備え、
    複数の前記光電変換素子は、相対的に内側に形成されている前記光電変換素子の外周を順次取り囲むように前記絶縁基板の中央部から前記絶縁基板の外周に向かって複数形成されており、前記中央部を含む最も内側に形成されている前記光電変換素子から、最も外周に形成されている前記光電変換素子に向かって順次電気的に直列接続されている、
    光電変換装置。
  2. 複数の前記光電変換素子は、第1の光電変換素子と、前記第1の光電変換素子に比べて発電時の光電流密度が大きい第2の光電変換素子とを含み、
    前記第2の光電変換素子における前記光電変換層の受光部面積は、前記第1の光電変換素子における前記光電変換層の受光部面積より小さい、
    請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 複数の前記光電変換素子は、前記絶縁基板の前記中央部から外周に向かって設けられたセル分割溝で区切られることにより複数形成されている、
    請求項1または2に記載の光電変換装置。
  4. 前記絶縁基板の外形形状は矩形であり、
    前記光電変換素子は、前記絶縁基板の前記外形形状と略相似形に設けられており、
    前記光電変換層の受光部は、前記受光部の厚さに応じて、次の式を満足する、
    請求項1から3のいずれかに記載の光電変換装置。
    Figure 2011035270
    Sg:中央側から数えてg番目に位置する前記光電変換素子の前記受光部面積,
    St:当該光電変換装置の全体の受光部面積,
    Sp:最も中央側に位置する前記光電変換素子の内側に形成される第1導電型の電極の表面の面積,
    Sn:最も外周側に位置する前記光電変換素子の外側に形成される第2導電型の電極の表面の面積,
    d:複数の前記光電変換素子の集積段数,
    Jsct:当該光電変換装置全体の発電時の単位面積当たりの光電流,
    Jscg:中央側から数えてg番目に位置する前記光電変換素子の前記受光部の膜厚から規定される、中央側から数えてg番目に位置する前記光電変換素子の発電時の単位面積当たりの光電流。
  5. 絶縁基板と、
    前記絶縁基板の主表面上に順次形成された第1電極層、光電変換層、および第2電極層を含み、前記絶縁基板の中央部に設けられた絶縁領域の外縁から、前記絶縁基板の外周に向かって放射状に延在して複数形成され、それぞれ電気的に直列接続された光電変換素子と、を備える、
    光電変換装置。
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