JP2011033539A - 生体分子固定基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板における所定の領域に生体分子を選択的に固定する。
【解決手段】少なくとも第1の表面及び第2の表面を有する基板と;炭化水素鎖と当該炭化水素鎖の一方末端に上記第1の表面と選択的に結合しうる官能基とを有し、上記官能基を介して上記第1の表面に結合した第1のリンカー分子と;上記第1のリンカー分子の炭化水素鎖と結合しうる反応基を有し、上記反応基と上記炭化水素鎖との結合を介して第1のリンカー分子と結合した第2のリンカー分子と;上記第2のリンカー分子を介して結合した生体分子とを備える生体分子固定基板。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板の所定の領域にリンカー分子を介して生体分子を固定した生体分子固定基板及びその製造方法に関する。
近年、ヒトゲノムDNAの解読がほぼ終了したことにより、遺伝子の機能を解明する研究が盛んに行われており、生体内の遺伝子やたんぱく質を特異的かつ網羅的に検出する必要があり、遺伝子・タンパク質検出技術の開発が世界的に進められている。一方で、生体内に侵入した病原菌やウイルスを、遺伝子やタンパク質レベルで特定する技術も従来から検討されており、実用化されつつある。このような目的に応じて、特定の遺伝子やタンパク質などの生体分子を検出するための手段として、種々のバイオセンサが用いられている。最も一般的なバイオセンサの構造は、生体分子を細くするプローブ分子が固体表面に固定化されたものである。核酸を補足する場合には、プローブ分子として主に核酸が用いられ、タンパク質を補足する場合には、プローブ分子として主にタンパク質が用いられる。基板にプローブ分子を固定したバイオセンサのメリットは、同一の基板に、多種類のプローブ分子をスポッティングやインクジェットなどの方式を用いて固定できることである。このバイオセンサ基板を用いれば、多種類の生体分子に対する網羅的な解析を一度に迅速に行うことが出来る。そして基板表面を利用したバイオセンサの代表例が、DNAマイクロアレイやプロテインチップのような生体分子検出素子である。
最近、DNAマイクロアレイで行われているような遺伝子発現解析の精度の大幅向上を狙って、特許文献1ないし非特許文献1に示されているように、ポリヌクレオチドの単一分子アレイを用いた単一分子ベースのシーケンシング(SBS(Sequencing by Synthesis)法等)による遺伝子配列決定方法が開示されている。この方法では、基板表面に適当なプライマーで修飾された検体のポリヌクレオチドを固定し、これを鋳型としてポリメラーゼによる一塩基ずつの伸長反応を実行し、検体ポリヌクレオチドの相補鎖を形成させるものである。この一塩基伸長の個々のステップでは、異なる4種のヌクレオチドにおけるプリン骨格、ピリミジン骨格又は3リン酸のリン酸基の末端部に蛍光色素をそれぞれ導入しておき、各単一分子について伸長ステップ毎に蛍光検出を行うことで、導入されたヌクレオチドを識別する。このステップを繰り返すことによって、単一ポリヌクレオチド固定サイトごとのシーケンスを読み取って、検体の配列情報を網羅的に取得する。ここでは、高いS/N比で検出し、シーケンシング時の配列決定正確性を向上させることが重要となる。この技術では、膨大な単一ポリヌクレオチド固定サイトからの蛍光の情報をCCDカメラで検出するため、そのCCDカメラの画素サイズに対応してポリヌクレオチド分子の平均的な固定密度を設定している。即ち、出来るだけ一個の画素で一個のポリヌクレオチド上からの蛍光信号を取り込むようにポリヌクレオチドの平均固定密度あるいは画素の解像度を調整している。一画素の大きさは検出光学系の空間分解能を考慮するとサブミクロン角以上となる。
上述したようなシーケンシングを用いて少量のDNAサンプルを検出するために、蛍光検出感度を上げることも必要が必要となる。計測対象ではない蛍光性物質や発光性物質が蛍光検出領域に侵入すると、その蛍光または発光が検出されることになる。特に、遊離の蛍光体や試料溶液中の不純物質等が、エバネッセント場境界平面上に非特異的に吸着すると、これらの非特異吸着物質からの蛍光または発光や散乱光と、計測対象からの蛍光または発光との区別が困難になる。そのため、蛍光検出感度の低下や分析精度の低下を引き起こす結果となる恐れがある。これらの非特異吸着物質は、基板表面のコーティング等によってある程度防止することが可能であるが、完全に回避することは不可能である。そこで、蛍光検出感度を向上させるために、蛍光増強を用いる方法が非特許文献2に報告されている。ここでは、プローブ分子であるDNAを修飾した銀ナノ粒子を基板に固定し、蛍光標識された検体中の分子と反応させている。反応量を検出するために励起光を照射すると、銀ナノ粒子の自由電子が局在プラズモン共鳴を起こし、蛍光が増強する。この現象を用いることで感度を向上することができるとしている。
また、基板に等間隔でグリッド状に蛍光増強場を配置し、ポリメラーゼ1分子を蛍光増強場に固定化し、DNAの伸長反応を行う方法がある。エバネッセントにより励起された蛍光は蛍光増強場により増強されるため、非特異的な吸着があっても、蛍光検出のS/N比またはS/B比が十分高くなる。しかしながら、金属微粒子の大きさにはバラツキが生じるため、蛍光増強効果にも金属微粒子1個1個に違いが生じる可能性があり、検出精度に問題が残る。また、金属微粒子に液相法を用いて、プローブ分子1個を固定するが、固定する箇所がランダムに決まるため、金属微粒子と基板との間に固定化される可能性があり、ポリメラーゼの伸長反応を阻害する可能性がある。
蛍光増強場をグリッド状に設ける場合、蛍光増強場として貴金属の構造体をリソグラフィー技術により形成することで、蛍光増強場のバラツキを低減できる可能性がある。この際、蛍光増強場に直接プローブ分子を選択的に固定化する方法と、プローブ分子を固定する足場として蛍光増強場および基板の組成と異なる組成の金属表面を形成させ、プローブ分子を選択的に固定化する方法が考えられる。例えば、非特許文献3において、生体分子であるアビジンを配置する位置にTiO2からなる金属酸化物表面を形成し、他のSiO2(石英)表面には非特異吸着防止膜を形成する方法が示されている。この場合、TiO2からなる金属酸化物表面をプローブ分子の足場として導入すれば、選択的に生体分子を蛍光増強場に導入できるものと考えられる。
米国特許 第6,787,308号
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 100(7), p3960, 2003 Biochem. Biophys. Res. Comm. 306, p213, 2003 Chem. Mater. 16, p5670, 2004
しかしながら、非特許文献3の方法においてはアビジンが物理的に吸着しただけの状態であり、結合力に乏しくデバイスに適用した場合には、伸長反応中などの操作中に脱離する可能性がある。そこで、検出対象となるDNA分子を化学結合で固定化する必要がある。例えば、アビジンの固定化にはビオチンとの特異的な結合を用いるのが一般的である。ビオチンを化学結合で固定化するためには、蛍光増強場にアミノ基を導入しビオチンのカルボキシル基とカップリング反応により結合すればよい。しかしながら、アミノ基を導入するためにアミノ基を末端に有する化合物を蛍光増強場に導入しようとすると、アミノ基が蛍光増強場以外にも吸着してしまう。
以上のように、基板における所定の領域に選択的に生体分子を固定しようとする場合、生体分子を固定するための足場(リンカー分子とも呼ぶ)を当該領域に選択的に導入することが困難であるといった問題があった。そこで、本発明は、基板における所定の領域に生体分子を選択的に固定することができる生体分子固定化基板の製造方法を提供し、当該方法により製造され、所定の領域に生体分子を選択的に固定した生体分子固定基板を提供することを目的とする。
前記目的を達成した本発明は、以下を包含する。
(1)少なくとも第1の表面及び第2の表面を有する基板と、炭化水素鎖と、当該炭化水素鎖の一方末端、又は側鎖に上記第1の表面と選択的に結合しうる官能基とを有し、上記官能基を介して上記第1の表面に結合した第1のリンカー分子と、上記第1のリンカー分子の炭化水素鎖と結合しうる反応基を有し、上記反応基と上記炭化水素鎖との結合を介して第1のリンカー分子と結合した第2のリンカー分子と、上記第2のリンカー分子を介して結合した生体分子とを備える生体分子固定基板。
(2)上記第1の表面は金属酸化物であり、上記第2の表面は貴金属であることを特徴とする(1)記載の生体分子固定基板。
(3)上記第1の表面は金属酸化物であり、上記第1の表面と選択的に結合しうる官能基はリン酸基及び/又はシラノール基であることを特徴とする(1)記載の生体分子固定基板。
(4)上記第1の表面は自然酸化膜を有する金属であり、上記第2の表面は二酸化ケイ素あるいはサファイアであることを特徴とする(1)記載の生体分子固定基板。
(5)上記第1の表面は自然酸化膜を有する金属であり、上記第1の表面と選択的に結合しうる官能基はリン酸基及び/又はシラノール基であることを特徴とする(1)記載の生体分子固定基板。
(6)上記第1のリンカー分子の炭化水素鎖が化1及び/又は化2のアルキル基末端にリン酸基及び/又はシラノール基を有することを特徴とする(3)又は(5)記載の生体分子固定基板。
Figure 2011033539
Figure 2011033539
(式中、mは2〜20の整数である。また、Xの少なくとも1つはアルコキシ、または塩素であり、メチル、又はエチルを含んでもよい)
(7)上記第1のリンカー分子の炭素水素鎖が化3の側鎖にリン酸基を有する高分子鎖であることを特徴とする(3)又は(5)記載の生体分子固定基板。
Figure 2011033539
(式中、nは1以上の整数)
(8)上記リン酸基を有する高分子鎖の数平均分子量が、1,000〜500,000であることを特徴とする(7)記載の生体分子固定基板。
(9)上記第1の表面は貴金属であり、上記第2の表面は二酸化ケイ素であることを特徴とする(1)記載の生体分子固定基板。
(10)上記第1の表面は貴金属であり、上記第1の表面と選択的に結合しうる官能基はチオール基であることを特徴とする(1)記載の生体分子固定基板。
(11)上記第1のリンカー分子の炭化水素鎖が化4のアルキル基末端にチオール基を有することを特徴とする(10)記載の生体分子固定基板。
Figure 2011033539
(式中、mは2〜20の整数である)
(12)上記第2のリンカー分子における反応基は、上記炭化水素鎖と結合しうる潜伏性反応基であることを特徴とする(1)記載の生体分子固定基板。
(13)上記潜伏性反応基は、アントラチオン基、アントラキノン基、ベンゾフェノン基、アジド基及びこれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の光反応性化合物であることを特徴とする(12)記載の生体分子固定基板。
(14)上記第2のリンカー分子は、上記生体分子又は上記生体分子に結合した反応基と選択的に結合しうる反応基を更に有していることを特徴とする(1)記載の生体分子固定基板。
(15)上記第2のリンカー分子に含まれるビオチンと上記生体分子に導入されるビオチンとが、アビジンを介して結合していることを特徴とする(1)記載の生体分子固定基板。
(16)少なくとも第1の表面及び第2の表面を有する基板に対して、炭化水素鎖と当該炭化水素鎖の一方末端、又は側鎖に上記第1の表面と選択的に結合しうる官能基とを有する第1のリンカー分子を接触させる工程と、少なくとも、上記第1のリンカー分子が結合した上記第1の表面に対して、上記第1のリンカー分子の炭化水素鎖と結合しうる反応基を有する第2のリンカー分子を接触させる工程と、生体分子を接触させることで、当該生体分子を上記第2のリンカー分子を介して結合させる工程とを含む、生体分子固定基板の製造方法。
(17)上記第2のリンカー分子を接触させる工程の後、少なくとも上記第2のリンカー分子が結合した上記第1の表面以外の領域に生体分子の吸着を阻害する吸着阻害分子を接触させ、当該領域に吸着阻害層を形成する工程を更に含むことを特徴とする(16)記載の生体分子固定基板の製造方法。
(18)上記第1の表面は金属酸化物であり、上記第2の表面は貴金属であることを特徴とする(16)記載の生体分子固定基板の製造方法。
(19)上記第1の表面は金属酸化物であり、上記第1の表面と選択的に結合しうる官能基はリン酸基及び/又はシラノール基であることを特徴とする(16)記載の生体分子固定基板の製造方法。
(20)上記第1の表面は自然酸化膜を有する金属であり、上記第2の表面は二酸化ケイ素あるいはサファイアであることを特徴とする(16)記載の生体分子固定基板の製造方法。
(21)上記第1の表面は自然酸化膜を有する金属であり、上記第1の表面と選択的に結合しうる官能基はリン酸基及び/又はシラノール基であることを特徴とする(16)記載の生体分子固定基板の製造方法。
(22)上記第1のリンカー分子の炭化水素鎖が化5及び/又は化6のアルキル基末端にリン酸基及び/又はシラノール基を有することを特徴とする(19)又は(21)記載の生体分子固定基板の製造方法。
Figure 2011033539
Figure 2011033539
(式中、mは2〜20の整数である。また、Xの少なくとも1つはアルコキシ、または塩素であり、メチル、又はエチルを含んでもよい)
(23)上記第1のリンカー分子の炭素水素鎖が化7の側鎖にリン酸基を有する高分子鎖であることを特徴とする(19)又は(21)記載の生体分子固定基板の製造方法。
Figure 2011033539
(式中、nは整数)
(24)上記リン酸基を有する高分子鎖の数平均分子量が、1,000〜500,000であることを特徴とする(23)記載の生体分子固定基板の製造方法。
(25)上記第1の表面は貴金属であり、上記第2の表面は二酸化ケイ素であることを特徴とする(16)記載の生体分子固定基板の製造方法。
(26)上記第1の表面は貴金属であり、上記第1の表面と選択的に結合しうる官能基はチオール基であることを特徴とする(16)記載の生体分子固定基板の製造方法。
(27)上記第1のリンカー分子の炭化水素鎖が化8のアルキル基末端にチオール基を有することを特徴とする(26)記載の生体分子固定基板の製造方法。
Figure 2011033539
(式中、mは2〜20の整数である)
(28)上記第2のリンカー分子における反応基は、上記炭化水素鎖と結合しうる潜伏性反応基であることを特徴とする(16)記載の生体分子固定基板の製造方法。
(29)上記潜伏性反応基は、アントラチオン基、アントラキノン基、ベンゾフェノン基、アジド基及びこれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の光反応性化合物であることを特徴とする(28)記載の生体分子固定基板の製造方法。
(30)上記第2のリンカー分子は、上記生体分子又は上記生体分子に結合した反応基と選択的に結合しうる反応基を更に有していることを特徴とする(16)記載の生体分子固定基板の製造方法。
(31)上記第2のリンカー分子に含まれるビオチンと上記生体分子に導入されるビオチンとが、アビジンを介して結合していることを特徴とする(16)記載の生体分子固定基板の製造方法。
本発明に係る生体分子固定基板においては、基板上の所定の領域に選択的に生体分子を固定しているため、生体分子や生体分子を固定するためのリンカー分子の非特異的な吸着によるノイズ等を大幅に低減することができる。また、本発明に係る生体分子固定基板の製造方法によれば、基板上の所定の領域に選択的に生体分子を固定することができ、検出感度等に優れた生体分子固定基板を製造することができる。
本発明を適用した生体分子固定基板の一例を示す要部平面図(a)及び要部断面図(b)である。 本発明を適用した生体分子固定基板の他の例を示す要部平面図(a)及び要部断面図(b)である。 本発明を適用した生体分子固定基板の他の例を示す要部平面図(a)及び要部断面図(b)である。 図1に示した生体分子固定基板を製造するプロセスを示すフロー図である。 図2に示した生体分子固定基板を製造するプロセスを示すフロー図である。 図3に示した生体分子固定基板を製造するプロセスを示すフロー図である。 SiO2基板上のTiO2膜の表面における蛍光観察結果を示す写真(a)及びTiO2基板の表面及びSiO2基板上のAu膜の表面における蛍光観察結果を示す写真(b)である。 SiO2基板上のTiO2膜の表面における蛍光観察結果を示す写真(a)及びTiO2基板の表面及びSiO2基板上のAu膜の表面における蛍光観察結果を示す写真(b)である。
以下、本発明に係る生体分子固定基板及びその製造方法について図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明に係る生体分子固定基板は、例えば、図1〜3に示すように、少なくとも第1の表面101及び第2の表面102を有する基板13を備えている。ここで、第1の表面101とは、リンカー分子を介して生体分子を固定する領域を意味している。第2の表面102とは、生体分子を固定しない領域を意味している。ここで、生体分子とは、特に限定されないが、抗体や酵素等のタンパク質分子を例示することができる。
本発明に係る生体分子固定基板においては、炭化水素鎖と、当該炭化水素鎖の一方末端、又は側鎖に上記第1の表面101と選択的に結合しうる官能基とを有する第1のリンカー分子からなる化合物層201を有している。第1のリンカー分子は、一方末端に官能基を有しており、この官能基を介して上記第1の表面101に結合することができる。第1のリンカー分子における他方末端及び炭化水素鎖は、詳細を後述する第2のリンカー分子と炭化水素鎖との結合を阻害せず、第2の表面102と結合しないかぎり、上記官能基と同じ又は異なる官能基を有していても良い。
化合物層201は、第1の表面101上に選択的に形成され、第2の表面102等の第1の表面101以外の領域上には形成されない。例えば、第1の表面101がTiO2、Ta2O5、Al2O3、Nb2O5、ZrO2等の金属酸化物からなる場合、第1のリンカー分子における官能基としては、例えばリン酸基及び/又はシラノール基を使用することができる。第1の表面101がAu、Ag、Cu及びPtなどの貴金属からなる場合、第1のリンカー分子における官能基としては、例えばチオール基を使用することができる。このように、第1の表面101の材質に応じて第1のリンカー分子における官能基を適宜選択することで、第1の表面101に選択的に化合物層201を形成することができる。
また、第1のリンカー分子における炭化水素鎖とは、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基等のアルキル基や、アルケニル基、アルキニル基を基本骨格として、上記第2の表面102に対して吸着能を有しない構造を有する。また、炭化水素鎖としては、好ましくは炭素数が2〜20、より好ましくは炭素数が5〜15、更に好ましくは炭素数が12のものを使用するが、これらに限定されるものではなく、高分子化合物のような長鎖の炭化水素鎖を有する構造であってもよい。高分子化合物を用いる場合、数平均分子量が好ましくは1,000〜500,000、より好ましくは5,000〜200,000、さらに好ましくは10,000〜100,000のものを使用するが、これらに限定されるものではない。また、炭化水素鎖には、上記基本骨格に対してヒドロキシル基、フェニル基、クロロアルキル基、イソシアネート基、もしくはエポキシ基等の官能基を有するものも含まれる。
また、本発明に係る生体分子固定基板においては、上記第1のリンカー分子の炭化水素鎖と結合しうる反応基を有する第2のリンカー分子からなる化合物層202を有している。上記第1のリンカー分子の炭化水素鎖と結合しうる反応基としては、例えば、光反応性官能基及び熱化学反応性官能基等の潜伏性反応基を使用することが好ましい。特に上記第1のリンカー分子の炭化水素鎖と結合しうる反応基としては、光反応性官能基を使用することが好ましい。光反応性官能基としては、例えば、光反応性アリールケトン、又はアジド基を有する化合物が望ましい。光反応性アリールケトンとしては、具体的にはアントラチオン基又はその誘導体、アントラキノン基又はその誘導体、ベンゾフェノン基又はその誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
さらに、本発明に係る生体分子固定基板において、生体分子は、第2のリンカー分子に直接的又は間接的に結合している。すなわち、上述した第2のリンカー分子は、上記第1のリンカー分子の炭化水素鎖と結合しうる反応基を生体分子に導入した構造であってもよいし、生体分子又は生体分子に導入された反応基と結合しうる反応基を導入した構造であってもよい。生体分子と結合可能な反応基としては、特に限定されないが、ビオチン、アビジン及びエポキシド等が挙げられるが、さらに好ましくは生体分子と相補的に結合しうる官能基が望ましい。そのような例としては、核酸/相補的核酸、ペプチド核酸/核酸、酵素/基質、受容体/エフェクター、レクチン/糖、抗体/抗原、アビジン/ビオチンまたはストレプトアビジン/ビオチンの相互作用に基づく結合が挙げられる。すなわち、例えば、生体分子として核酸を固定する際には、上記第2のリンカー分子に反応基として相補的核酸を導入する。また、例えば、生体分子として抗体を固定する際には、上記第2のリンカー分子に反応基として抗原を導入する。さらに、例えば生体分子としてタンパク質を固定する際には、当該タンパク質分子にアビジンを導入し、第2のリンカー分子に反応基としてビオチンを導入する、若しくは、当該タンパク質及び上記第2のリンカー分子に反応基としてビオチンを導入し、アビジンを介して当該タンパク質と第2のリンカー分子とを結合しても良い。
図1に示す生体分子固定基板は、上述した第1のリンカー分子と第2のリンカー分子を使用して生体分子を固定したものであり、基板13の一主面に足場11と、足場11を挟み込むように形成された蛍光増強体12と有している。上述した第1の表面101は足場11の表面であり、第2の表面102は蛍光増強体12の表面である。蛍光増強体12は、第1の表面101付近において生じた蛍光を増強する機能を有し、当該増強機能を増幅するため第1の表面101に向かって縦断面が減少するような形状となっている。
ここで、基板13の材質としては、特に限定されるものではなく、使用する励起光が透過すればよく、また蛍光増強体12及び足場11と異なる材質を用いるのが望ましい。基板13としては、例えばガラスやチタニア等の無機物、シリコンやGaAsのような半導体、銅、タンタル、チタンのような金属、さらには、エポキシ樹脂やポリイミドのような有機物からなる基板を目的に応じて選択すればよい。
蛍光増強体12の材質としては、金属、金属の合金、あるいは金属の積層体が好ましい。蛍光増強体12の材質としては、例えばAu、Pt、Ir、Pd、Ru、Ni、Ti、Sn、Ag、Cu、Rh及びAlを挙げることができる。なお、蛍光増強体の構造は、図示した構造に限定されるものではなく、検出する蛍光波長の光を増強できればよく、例えば、ナノ粒子のような球状であっても良い。
足場11の材質としては、基板13及び蛍光増強体12とは異なる材質、例えば、TiO2、Ta2O5、Al2O3、Nb2O5、ZrO2などの金属酸化物を用いることが好ましい。あるいは、蛍光増強体12にTi、Ni、Al、Sn、Pd等を使用した場合、足場11の材質としてはAu、Ag、Cu、Ptなどの貴金属を使用することもできる。表面11の膜厚は任意であるが、エバネッセント波の透過を考慮し、0.1 nm以上、10 nm以下であることが望ましい。
図1に示した生体分子固定基板は、例えば図4に示す製造プロセスフロー図により製造することができる。まず、基板13の一主面上に足場11及び蛍光増強体12を作製する。これら足場11及び蛍光増強体12は、通常の薄膜形成・加工技術を適用して所望の形状及び寸法となるように作製することができる。次に、この構造体を第1のリンカー分子を含む溶液に浸漬すると、第1のリンカー分子は足場11の表面(第1の表面101)のみに結合し、足場11上に化合物層201が形成される(図4(b))。次に、第2のリンカー分子を含む溶液に構造体を浸漬すると、第2のリンカー分子は第1のリンカー分子と選択的に結合し、化合物層202が形成される(図4(c))。なお、上記構造体の一主面に第2のリンカー分子を含む溶液を塗布することで、第1のリンカー分子と第2のリンカー分子とを結合させても良い。このとき、第2のリンカー分子として潜伏性反応基を含む化合物を使用する場合には、電磁波や熱といった潜伏性反応基が第1のリンカー分子の炭化水素鎖と結合しうる条件を与える。また、予め第1のリンカー分子と第2のリンカー分子とを結合させた化合物を用いて、足場11に結合させてもよい。次に、基板13の表面や蛍光増強体12の表面に生体分子の非特異的な吸着を防止するための吸着阻害分子を固定し、吸着阻害層104、105を形成する(図4(d))。その後、第2のリンカー分子を介して、生体分子301を固定化する(図4(e))。また、足場11の平面上からみた面積は生体分子301の1分子辺りの分子占有面積よりも大きいが、2分子の占有面積よりも小さいことが望ましい。
以上のようにして、足場11の表面(第1の表面101)といった所望の領域のみに生体分子を固定した生体分子固定基板を製造することができる。特に、本発明に係る生体分子固定基板においては、第1のリンカー分子を第1の表面101のみに選択的に導入することができるため、蛍光増強体12や基板13といった他の領域への生体分子の固定を防止することができる。従来、生体分子の固定にリンカー分子として使用されていたアミノプロピルリン酸は、アミノプロピルリン酸に含まれるアミノ基がTiO2といった金属酸化物の表面や、Auといった貴金属表面、更にはSiO2といった無機物表面にも吸着するため、図1に示したような構造体に対して用いた場合には蛍光増強体12や基板13の表面にも生体分子が固定されることとなる。この場合、生体分子を用いた各種反応について蛍光を利用して検出しようとすると、蛍光増強体12や基板13の表面においても同反応が進行してノイズの原因となり感度低下が大きな問題となる。ところが、本発明に係る生体分子固定基板においては、足場11の表面(第1の表面101)のみに生体分子を固定できるため、ノイズの発生を防止することができ非常に優れた検出感度を達成することができる。
図1に示す生体分子固定基板は、上述した第1のリンカー分子と第2のリンカー分子を使用して生体分子を固定したものであり、基板13の一主面に足場11と、足場11を挟み込むように形成された蛍光増強体12と有している。上述した第1の表面101は足場11の表面であり、第2の表面102は蛍光増強体12の表面である。蛍光増強体12は、第1の表面101において生じた蛍光を増強する機能を有し、当該増強機能を増幅するため第1の表面101に向かって縦断面が減少するような形状となっている。
ここで、基板13の材質としては、特に限定されるものではなく、使用する励起光が透過すればよく、また蛍光増強体12及び足場11と異なる材質を用いるのが望ましい。基板13としては、例えばガラスやチタニア等の無機物、シリコンやGaAsのような半導体、銅、タンタル、チタンのような金属、さらには、エポキシ樹脂やポリイミドのような有機物からなる基板を目的に応じて選択すればよい。
蛍光増強体12の材質としては、金属、金属の合金、あるいは金属の積層体が好ましい。蛍光増強体12の材質としては、例えばAu、Pt、Ir、Pd、Ru、Ni、Ti、Sn、Ag、Cu、Rh及びAlを挙げることができる。なお、蛍光増強体の構造は、図示した構造に限定されるものではなく、検出する蛍光波長の光を増強できればよく、例えば、ナノ粒子のような球状であっても良い。
足場11の材質としては、基板13及び蛍光増強体12とは異なる材質、例えば、TiO2、Ta2O5、Al2O3、Nb2O5、ZrO2などの金属酸化物を用いることが好ましい。あるいは、蛍光増強体12にTi、Ni、Al、Sn、Pd等を使用した場合、足場11の材質としてはAu、Ag、Cu、Ptなどの貴金属を使用することもできる。表面11の膜厚は任意であるが、エバネッセント波の透過を考慮し、0.1 nm以上、10 nm以下であることが望ましい。したがって、図1に示した生体分子固定基板においては、第1のリンカー分子として、TiO2、Ta2O5、Al2O3、Nb2O5、ZrO2などの金属酸化物と選択的に結合しうるリン酸基が導入された化合物を使用するとよい。
また図2に示した生体分子固定基板は、上述した第1のリンカー分子と第2のリンカー分子を使用して生体分子を固定したものであり、基板13の一主面に円板形の足場11を有し、かつ蛍光増強体12として微粒子を有している。蛍光増強体12は第2のリンカー分子を介して結合しており、さらにその表面には生体分子301が固定されている。上述した第1の表面101は円板形の足場11の表面であり、第2の表面102は基板13の表面102である。蛍光増強体12は、付近に生じた蛍光を増強する機能を有する微粒子である。
ここで、基板13としては、例えばガラスやチタニア等の無機物、シリコンやGaAsのような半導体、銅、タンタル、チタンのような金属、さらには、エポキシ樹脂やポリイミドのような有機物からなる基板を目的に応じて選択すればよい。
蛍光増強体12の微粒子としては、Au、Pt、Agなどの貴金属ナノ粒子が好ましいが、これに限定されるものではなく、CdSe、CdSなどの化合物半導体を用いてもよい。
足場11の材質としては、基板13とは異なる材質、例えば、Ti、Ta、Al、Nb、Zrなどの金属を用いることが好ましく、その場合表面101はそれぞれTiO2、Ta2O5、Al2O3、Nb2O5、ZrO2などの自然酸化膜であり、表面101と結合可能な第1のリンカー分子を使用すればよい。あるいは、TiO2、Ta2O5、Al2O3、Nb2O5、ZrO2などの金属酸化物を用いればよい。また、Au、Ag、Cu、Ptなどの貴金属を使用することもできる。足場11の膜厚は任意であるが、エバネッセント波の透過を考慮し、0.1 nm以上、10 nm以下であることが望ましい。したがって、第1のリンカー分子として、表面101がTiO2、Ta2O5、Al2O3、Nb2O5、ZrO2などの金属酸化物である場合は、TiO2、Ta2O5、Al2O3、Nb2O5、ZrO2などの金属酸化物と選択的に結合しうるリン酸基が導入された化合物を使用するとよい。また、表面101がAu、Pt、Ir、Pd、Ru、Ni、Ti、Sn、Ag、Cu、Rh及びAl等の貴金属又は金属である場合は、Au、Pt、Ir、Pd、Ru、Ni、Ti、Sn、Ag、Cu、Rh及びAl等の貴金属又は金属と結合しうるチオール基が導入された化合物を使用するとよい。
図2に示した生体分子固定基板の製造プロセスフロー図を図5に示す。先ず、基板13の一主面に略円形状の足場11を作製する(図5(a))。略円形の足場11は、従来公知の薄膜形成・加工法を適用して作製することができる。次に、この構造体を第1のリンカー分子を含む溶液に浸漬し、足場11の頂部に選択的に第1のリンカー分子を導入する(図5(b))。このとき、第1のリンカー分子は、足場11の表面にのみ選択的に結合し、基板13の表面に対しては吸着しない。次に、第2のリンカー分子を含む溶液に構造体を浸漬すると、第2のリンカー分子は第1のリンカー分子と選択的に結合する(図5(c))。なお、上記構造体の一主面に第2のリンカー分子を含む溶液を塗布することで、第1のリンカー分子と第2のリンカー分子とを結合させても良い。このとき、第2のリンカー分子として潜伏性反応基を含む化合物を使用する場合には、電磁波や熱といった潜伏性反応基が第1のリンカー分子の炭化水素鎖と結合しうる条件を与える。また、予め第1のリンカー分子と第2のリンカー分子とを結合させた化合物を用いて、足場11に結合させてもよい。次に、基板13の表面に生体分子の非特異的な吸着を防止するための吸着阻害分子を固定し、吸着阻害層106を形成する(図5(d))。その後、第2のリンカー分子を介して、蛍光増強場12の微粒子を固定化する(図5(e))。さらに、蛍光増強場12を介して生体分子301を固定化する(図5(f))。また、略円形の足場11の平面上からみた面積は生体分子301の1分子辺りの分子占有面積よりも小さいことが望ましい。
以上のようにして、略円形の足場11の表面(第1の表面101)といった所望の領域のみに生体分子を固定した生体分子固定基板を製造することができる。特に、本発明に係る生体分子固定基板においては、第1のリンカー分子を第1の表面101のみに選択的に導入することができるため、基板13の表面といった他の領域への生体分子の固定を防止することができる。したがって、図2に示した生体分子固定基板においても、図1に示した生体分子固定基板と同様に、第1の表面101のみに生体分子を固定できるため、ノイズの発生を防止することができ非常に優れた検出感度を達成することができる。
一方、図3に示した生体分子固定基板は、上述した第1のリンカー分子と第2のリンカー分子を使用して生体分子を固定したものであり、基板13の一主面に略円錐形の蛍光増強体12を有している。上述した第1の表面101は略円錐形の蛍光増強体12における頂部の表面であり、第2の表面102は基板13の表面である。蛍光増強体12は、頂部(第1の表面101)において生じた蛍光を増強する機能を有し、当該増強機能を増幅するため第1の表面101に向かって横断面が減少するような形状となっている。図2に示した生体分子固定基板は、蛍光増強体12そのものが生体分子を固定する領域となっている例である。したがって、図3に示した生体分子固定基板においては、第1のリンカー分子として、Au、Pt、Ir、Pd、Ru、Ni、Ti、Sn、Ag、Cu、Rh及びAl等の貴金属又は金属と選択的に結合しうるチオール基が導入された化合物を使用するとよい。
図3に示した生体分子固定基板の製造プロセスフロー図を図6に示す。先ず、基板13の一主面に略円錐形の蛍光増強体12を作製する(図6(a))。略円錐形の蛍光増強体12は、従来公知の薄膜形成・加工法を適用して作製することができる。次に、この構造体を第1のリンカー分子を含む溶液に浸漬し、蛍光増強体12の頂部に選択的に第1のリンカー分子を導入する(図6(b))。このとき、第1のリンカー分子は、蛍光増強体12の頂部表面にのみ選択的に結合し、基板13の表面に対しては吸着しない。次に、第2のリンカー分子を含む溶液に構造体を浸漬すると、第2のリンカー分子は第1のリンカー分子と選択的に結合する(図6(c))。なお、上記構造体の一主面に第2のリンカー分子を含む溶液を塗布することで、第1のリンカー分子と第2のリンカー分子とを結合させても良い。このとき、第2のリンカー分子として潜伏性反応基を含む化合物を使用する場合には、電磁波や熱といった潜伏性反応基が第1のリンカー分子の炭化水素鎖と結合しうる条件を与える。また、予め第1のリンカー分子と第2のリンカー分子とを結合させた化合物を用いて、足場11に結合させてもよい。次に、基板13の表面に生体分子の非特異的な吸着を防止するための吸着阻害分子を固定し、吸着阻害層106を形成する(図6(d))。その後、第2のリンカー分子を介して、生体分子301を固定化する(図6(e))。また、略円錐形の蛍光増強体12における頂部の平面上からみた面積は生体分子301の1分子辺りの分子占有面積よりも小さいことが望ましい。
以上のようにして、略円錐形の蛍光増強体12における頂部の表面(第1の表面101)といった所望の領域のみに生体分子を固定した生体分子固定基板を製造することができる。特に、本発明に係る生体分子固定基板においては、第1のリンカー分子を第1の表面101のみに選択的に導入することができるため、基板13の表面といった他の領域への生体分子の固定を防止することができる。したがって、図3に示した生体分子固定基板においても、図1及び2に示した生体分子固定基板と同様に、第1の表面101のみに生体分子を固定できるため、ノイズの発生を防止することができ非常に優れた検出感度を達成することができる。
特に、図1、2及び3に示した生体分子固定基板は、所望の領域(第1の表面101)に、単一の生体分子を固定化することが好ましい。例えば、単一の生体分子としてDNAポリメラーゼを固定することによって、単一分子ベースのシーケンシング(SBS(Sequencing by Synthesis)法等)による遺伝子配列決定方法に好適なものとなる。すなわち、単一のDNAポリメラーゼによる核酸合成反応を、基質として蛍光標識されたヌクレオチドを使用して行い、所定の核酸断片を鋳型とした一塩基の伸長反応毎に蛍光検出を行うことで、鋳型となった核酸断片の配列を決定することができる。特に、本発明に係る生体分子固定基板によれば、DNAポリメラーゼを所定の領域にのみ確実に固定できるため、反応場以外の領域からのノイズを防止することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
本実施例では、比較事例を適宜参照しながら説明する。まず、図1に示した構成の生体分子固定基板における蛍光増強体12としてAuを、足場11としてTiO2を、基板13にSiO2を用いる場合を考え、これら3種類の表面に対して選択的に生体分子を導入した結果について説明する。
(基板の準備)
まず、Au、TiO2、SiO2の3種類の基板表面を準備した。Au膜及びTiO2膜をそれぞれSiO2基板上にスパッタ法により成膜した。Au膜及びTiO2膜の厚さは10nm程度とした。SiO2は合成石英基板を用いた。酸素ガスを用いた反応性ドライエッチ(RIE)により基板表面を洗浄すると同時に、水酸基を導入した。RIE処理はICPドライエッチ装置を用いて実施した。RIE条件は出力100W、酸素ガス圧力1Pa、ガス流量10cm/分、エッチング時間60〜180秒とした。
(基板の表面処理)
第1のリンカー分子として、アルキル鎖とTiO2に結合させるためのリン酸基を有するアルキルリン酸を用いた。アルキルリン酸としては、具体的に炭素鎖12の1-Dodecylphosphonic Acidを用いた(下記構造式を参照)。本実施例においては、炭素鎖12のアルキルリン酸を用いたが、Poly(vinyl phosphonic Acid)のような高分子鎖を用いてTiO2に結合してもよい。
Figure 2011033539
以下、基板の処理方法について記す。具体的には、1-Dodecylphosphonic Acidをヘプタン/イソプロパノール(v/v 99.5/0.5)の混合溶媒に溶解させた溶液に、Au膜及びTiO2膜を有するSiO2基板を48時間浸漬した。その後、イソプロパノールで洗浄した後、基板の表面状態を評価するために、基板表面のリンの吸着量をX線光電子分光法(XPS法)を用いて定量した。
1-Dodecylphosphonic Acidの処理前後における基板表面のリンの吸着量をXPSで同定したところ、Au膜、TiO2膜及びSiO2基板におけるP 2Pに由来するピークの積分強度はそれぞれ、0 cps、530 cps及び100 cpsであった。
さらに、1-Dodecylphosphonic Acid処理を行った基板に対して、第2のリンカー分子としてBiotin-dPEG3TM-benzophenone(IRIS Biotech社、下記構造式を参照)をスピンコーターにより塗布し、紫外光(波長 365 nm)を30分間照射し、ベンゾフェノンと基板上のアルキル基を結合させた。なお、本実施例における第2のリンカーとしては、ベンゾフェノン基を有する化合物を用いたが、アジド基を有するPhotobiotinを用いてもよい。
また、本実施例では第1のリンカーとして1-Dodecylphosphonic Acidで基板処理を行った後に、第2のリンカーとしてBiotin-dPEG3TM-benzophenoneを1-Dodecylphosphonic Acidに結合させたが、特にこれに限定されるものではなく、1-Dodecylphosphonic AcidとBiotin-dPEG3TM-benzophenoneを予め結合させた後に、精製を行い、Biotin-dPEG3TM-benzophenoneが結合した1-Dodecylphosphonic Acidを用いて、基板処理を行ってもよい。
Figure 2011033539
(生体分子の結合)
ストレプトアビジンを有する蛍光色素であるAlexa Fluor(登録商標) 532を弱塩基性の炭酸バッファーに溶解させ、上述したAu膜及びTiO2膜を有するSiO2基板を浸漬させることで、基板表面に導入した第2のリンカー分子に含まれるビオチンと蛍光色素に含まれるストレプトアビジンと結合させ、基板上に蛍光色素を固定した。その後、超純水で洗浄することで、過剰なAlexa Fluor 532を除去した。そして、Au膜及びTiO2膜を有するSiO2基板表面の蛍光観察を行い、蛍光由来の輝点数を測定した。その結果を図7に示す。なお、図7(a)はSiO2基板上のTiO2膜の表面を撮像した結果であり、図7(b)はSiO2基板の表面及びSiO2基板上のAu膜の表面を撮像した結果を示している。図7(a)から分かるように、TiO2膜には観察領域内において1輝点/μm2以上の輝点を確認することができた。一方、図7(b)から分かるように、SiO2基板の表面及びAu膜の表面からは0.1輝点/μm2以下の輝点しか観察されなかった。この結果から、第1のリンカー分子及び第2のリンカー分子をTiO2膜の表面に選択的に導入することができ、SiO2基板の表面及びAu膜の表面には導入されず、蛍光色素をTiO2膜の表面にのみ固定できたことが理解できる。
〔実施例2〕
本実施例では、実施例1と同様に図2に示した構成の生体分子固定基板における蛍光増強体12としてAuを、足場11としてTiO2を、基板13にSiO2を用いる場合を考え、これら3種類の表面に対して選択的に生体分子を導入した結果について説明する。
(基板の準備)
まず、Au、TiO2、SiO2の3種類の基板表面を準備した。Au膜及びTiO2膜をそれぞれSiO2基板上にスパッタ法により成膜した。Au膜及びTiO2膜の厚さは10nm程度とした。SiO2は合成石英基板を用いた。酸素ガスを用いた反応性ドライエッチ(RIE)により基板表面を洗浄すると同時に、水酸基を導入した。RIE処理はICPドライエッチ装置を用いて実施した。RIE条件は出力100W、酸素ガス圧力1Pa、ガス流量10cm/分、エッチング時間60〜180秒とした。
(基板の表面処理)
第1のリンカー分子として、アルキル鎖を主鎖とし、かつ、TiO2に結合させるためのリン酸基を側鎖に有するPoly(vinyl phosphonic Acid)を用いた。ポリビニルリン酸としては、具体的に分子量24,000のものを用いた(下記構造式を参照)。本実施例においては、分子量24,000のPoly(vinyl phosphonic Acid)用いたが、特に限定されるものではなく、より大きな分子量、又は、より小さな分子量のPoly(vinyl phosphonic Acid)を用いてもよい。
Figure 2011033539
以下、基板の処理方法について記す。具体的には、Poly(vinyl phosphonic Acid)を2 wt%になるように超純水に溶解させた水溶液に、Au膜及びTiO2膜を有するSiO2基板を90℃で5分浸漬した。その後、超純水で洗浄した後、基板の表面状態を評価するために、基板表面のリンの吸着量をX線光電子分光法(XPS法)を用いて定量した。
Poly(vinyl phosphonic Acid)の処理前後における基板表面のリンの吸着量をXPSで同定したところ、Au膜、TiO2膜及びSiO2基板におけるP 2Pに由来するピークの積分強度はそれぞれ、460 cps、1500 cps及び0 cpsであった。
さらに、Poly(vinyl phosphonic Acid)処理を行った基板に対して、第2のリンカー分子としてアジド基を有するPhotobiotinであるEZ-Link TFPA-PEG3-Biotin (Thermo-Pierce社、下記構造を参照)をスピンコーターにより塗布し、紫外光(波長 365 nm)を30分間照射し、ベンゾフェノンと基板上のアルキル基を結合させた。なお、本実施例における第2のリンカーとしては、アジド基を有する化合物を用いたが、ベンゾフェノン基を有するビオチン化合物を用いてもよい。
また、本実施例では第1のリンカーとしてPoly(vinyl phosphonic Acid)で基板処理を行った後に、第2のリンカーとしてPhotobiotinをPoly(vinyl phosphonic Acid)に結合させたが、特にこれに限定されるものではなく、Poly(vinyl phosphonic Acid)とPhotobiotinを予め結合させた後に、精製を行い、Photobiotinが結合したPoly(vinyl phosphonic Acid)を用いて、基板処理を行ってもよい。
Figure 2011033539
(生体分子の結合)
実施例1と同様に、ストレプトアビジンを有する蛍光色素であるAlexa Fluor(登録商標) 532を弱塩基性の炭酸バッファーに溶解させ、上述したAu膜及びTiO2膜を有するSiO2基板を浸漬させることで、基板表面に導入した第2のリンカー分子に含まれるビオチンと蛍光色素に含まれるストレプトアビジンと結合させ、基板上に蛍光色素を固定した。その後、超純水で洗浄することで、過剰なAlexa Fluor 532を除去した。そして、Au膜及びTiO2膜を有するSiO2基板表面の蛍光観察を行い、蛍光由来の輝点数を測定した。その結果を図8に示す。なお、図8(a)はSiO2基板上のTiO2膜の表面を撮像した結果であり、図8(b)はSiO2基板の表面及びSiO2基板上のAu膜の表面を撮像した結果を示している。図8(a)から分かるように、TiO2膜には観察領域内において1輝点/μm2以上の輝点を確認することができた。一方、図8(b)から分かるように、SiO2基板の表面及びAu膜の表面からは0.1輝点/μm2以下の輝点しか観察されなかった。この結果から、第1のリンカー分子及び第2のリンカー分子をTiO2膜の表面に選択的に導入することができ、SiO2基板の表面及びAu膜の表面には導入されず、蛍光色素をTiO2膜の表面にのみ固定できたことが理解できる。
〔比較例1〕
比較例1では、第1のリンカー分子として、末端にアミノ基とTiO2に結合させるためのリン酸基を有するアミノアルキルリン酸を用いた以外は実施例1と同様に、Au膜及びTiO2膜を有するSiO2基板に第1のリンカー分子を導入した。本比較例において、具体的にアミノアルキルリン酸としては炭素鎖3からなる3-Aminopropylphosphonic Acidを用いた。3-Aminopropylphosphonic Acidを超純水に溶解させた溶液に、Au膜及びTiO2膜を有するSiO2基板を48時間浸漬した。その後、超純水で洗浄した後、基板の表面状態を評価するために、基板表面のリンの吸着量をX線光電子分光法(XPS法)を用いて定量した。
3-Aminopropylphosphonic Acid処理前後における基板表面のリンの吸着量をXPSで同定したところ、Au膜、TiO2膜及びSiO2基板におけるP 2Pに由来するピークの積分強度はそれぞれ、140 cps、640 cps及び270 cpsであった。すなわち、本比較例で使用した第1のリンカー分子は、分子構造の一部にアミノ基が存在するため、TiO2膜に選択的に結合させることができず、Au膜の表面やSiO2基板の表面にも結合していることが確認された。この場合、第1のリンカー分子を介して生体分子を固定すると、生体分子はAu膜の表面やSiO2基板の表面にも固定されることが予測できる。
本発明は、タンパク質や核酸等の生体分子を固定した基板に適用することができる。本発明は、生体分子の固定様式に特徴を有するため、あらゆる従来公知の基板(例えば、DNAマイクロアレイやプロテインチップ)等に応用することができる。
11…足場、12…蛍光増強体、13…基板、101…第1の表面、102…第2の表面、201及び202…化合物層、301…生体分子

Claims (31)

  1. 少なくとも第1の表面及び第2の表面を有する基板と、
    炭化水素鎖と、当該炭化水素鎖の一方末端、又は側鎖に上記第1の表面と選択的に結合しうる官能基とを有し、上記官能基を介して上記第1の表面に結合した第1のリンカー分子と、
    上記第1のリンカー分子の炭化水素鎖と結合しうる反応基を有し、上記反応基と上記炭化水素鎖との結合を介して第1のリンカー分子と結合した第2のリンカー分子と、
    上記第2のリンカー分子を介して結合した生体分子と
    を備える生体分子固定基板。
  2. 上記第1の表面は金属酸化物であり、上記第2の表面は貴金属であることを特徴とする請求項1記載の生体分子固定基板。
  3. 上記第1の表面は金属酸化物であり、上記第1の表面と選択的に結合しうる官能基はリン酸基及び/又はシラノール基であることを特徴とする請求項1記載の生体分子固定基板。
  4. 上記第1の表面は自然酸化膜を有する金属であり、上記第2の表面は二酸化ケイ素あるいはサファイアであることを特徴とする請求項1記載の生体分子固定基板。
  5. 上記第1の表面は自然酸化膜を有する金属であり、上記第1の表面と選択的に結合しうる官能基はリン酸基及び/又はシラノール基であることを特徴とする請求項1記載の生体分子固定基板。
  6. 上記第1のリンカー分子の炭化水素鎖が化1及び/又は化2のアルキル基末端にリン酸基及び/又はシラノール基を有することを特徴とする請求項3又は5記載の生体分子固定基板。
    Figure 2011033539
    Figure 2011033539
    (式中、mは2〜20の整数である。また、Xの少なくとも1つはアルコキシ、または塩素であり、メチル、又はエチルを含んでもよい)
  7. 上記第1のリンカー分子の炭素水素鎖が化3の側鎖にリン酸基を有する高分子鎖であることを特徴とする請求項3又は5記載の生体分子固定基板。
    Figure 2011033539
    (式中、nは1以上の整数)
  8. 上記リン酸基を有する高分子鎖の数平均分子量が、1,000〜500,000であることを特徴とする請求項7記載の生体分子固定基板。
  9. 上記第1の表面は貴金属であり、上記第2の表面は二酸化ケイ素であることを特徴とする請求項1記載の生体分子固定基板。
  10. 上記第1の表面は貴金属であり、上記第1の表面と選択的に結合しうる官能基はチオール基であることを特徴とする請求項1記載の生体分子固定基板。
  11. 上記第1のリンカー分子の炭化水素鎖が化4のアルキル基末端にチオール基を有することを特徴とする請求項10記載の生体分子固定基板。
    Figure 2011033539
    (式中、mは2〜20の整数である)
  12. 上記第2のリンカー分子における反応基は、上記炭化水素鎖と結合しうる潜伏性反応基であることを特徴とする請求項1記載の生体分子固定基板。
  13. 上記潜伏性反応基は、アントラチオン基、アントラキノン基、ベンゾフェノン基、アジド基及びこれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の光反応性化合物であることを特徴とする請求項12記載の生体分子固定基板。
  14. 上記第2のリンカー分子は、上記生体分子又は上記生体分子に結合した反応基と選択的に結合しうる反応基を更に有していることを特徴とする請求項1記載の生体分子固定基板。
  15. 上記第2のリンカー分子に含まれるビオチンと上記生体分子に導入されるビオチンとが、アビジンを介して結合していることを特徴とする請求項1記載の生体分子固定基板。
  16. 少なくとも第1の表面及び第2の表面を有する基板に対して、炭化水素鎖と当該炭化水素鎖の一方末端、又は側鎖に上記第1の表面と選択的に結合しうる官能基とを有する第1のリンカー分子を接触させる工程と、
    少なくとも、上記第1のリンカー分子が結合した上記第1の表面に対して、上記第1のリンカー分子の炭化水素鎖と結合しうる反応基を有する第2のリンカー分子を接触させる工程と、
    生体分子を接触させることで、当該生体分子を上記第2のリンカー分子を介して結合させる工程とを含む、生体分子固定基板の製造方法。
  17. 上記第2のリンカー分子を接触させる工程の後、少なくとも上記第2のリンカー分子が結合した上記第1の表面以外の領域に生体分子の吸着を阻害する吸着阻害分子を接触させ、当該領域に吸着阻害層を形成する工程を更に含むことを特徴とする請求項16記載の生体分子固定基板の製造方法。
  18. 上記第1の表面は金属酸化物であり、上記第2の表面は貴金属であることを特徴とする請求項16記載の生体分子固定基板の製造方法。
  19. 上記第1の表面は金属酸化物であり、上記第1の表面と選択的に結合しうる官能基はリン酸基及び/又はシラノール基であることを特徴とする請求項16記載の生体分子固定基板の製造方法。
  20. 上記第1の表面は自然酸化膜を有する金属であり、上記第2の表面は二酸化ケイ素あるいはサファイアであることを特徴とする請求項16記載の生体分子固定基板の製造方法。
  21. 上記第1の表面は自然酸化膜を有する金属であり、上記第1の表面と選択的に結合しうる官能基はリン酸基及び/又はシラノール基であることを特徴とする請求項16記載の生体分子固定基板の製造方法。
  22. 上記第1のリンカー分子の炭化水素鎖が化5及び/又は化6のアルキル基末端にリン酸基及び/又はシラノール基を有することを特徴とする請求項19又は21記載の生体分子固定基板の製造方法。
    Figure 2011033539
    Figure 2011033539
    (式中、mは2〜20の整数である。また、Xの少なくとも1つはアルコキシ、または塩素であり、メチル、又はエチルを含んでもよい)
  23. 上記第1のリンカー分子の炭素水素鎖が化7の側鎖にリン酸基を有する高分子鎖であることを特徴とする請求項19又は21記載の生体分子固定基板の製造方法。
    Figure 2011033539
    (式中、nは整数)
  24. 上記リン酸基を有する高分子鎖の数平均分子量が、1,000〜500,000であることを特徴とする請求項23記載の生体分子固定基板の製造方法。
  25. 上記第1の表面は貴金属であり、上記第2の表面は二酸化ケイ素であることを特徴とする請求項16記載の生体分子固定基板の製造方法。
  26. 上記第1の表面は貴金属であり、上記第1の表面と選択的に結合しうる官能基はチオール基であることを特徴とする請求項16記載の生体分子固定基板の製造方法。
  27. 上記第1のリンカー分子の炭化水素鎖が化8のアルキル基末端にチオール基を有することを特徴とする請求項26記載の生体分子固定基板の製造方法。
    Figure 2011033539
    (式中、mは2〜20の整数である)
  28. 上記第2のリンカー分子における反応基は、上記炭化水素鎖と結合しうる潜伏性反応基であることを特徴とする請求項16記載の生体分子固定基板の製造方法。
  29. 上記潜伏性反応基は、アントラチオン基、アントラキノン基、ベンゾフェノン基、アジド基及びこれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の光反応性化合物であることを特徴とする請求項28記載の生体分子固定基板の製造方法。
  30. 上記第2のリンカー分子は、上記生体分子又は上記生体分子に結合した反応基と選択的に結合しうる反応基を更に有していることを特徴とする請求項16記載の生体分子固定基板の製造方法。
  31. 上記第2のリンカー分子に含まれるビオチンと上記生体分子に導入されるビオチンとが、アビジンを介して結合していることを特徴とする請求項16記載の生体分子固定基板の製造方法。
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