JP2011033405A - パーティクル測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の表面にパーティクルを付着させ、この基板に光を照射してパーティクルから放出される光を受光してパーティクルの付着状態を測定するにあたり、微少なパーティクルであっても簡便に確実に測定すること。
【解決手段】ウェハWの表面に付着させる蛍光粒子1中にレーザー光により蛍光を発する蛍光物質を混入させると共に、受光部11とウェハWとの間にレーザー光やこのレーザー光の照射により生じる散乱光の透過を抑える光学フィルタ12を介設し、受光部11には散乱光の入射を抑えて蛍光粒子1から放出される蛍光を入射させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板の表面にパーティクルを付着させ、このパーティクルの付着状態を測定するパーティクル測定方法に関する。
半導体装置の製造工程においては、基板例えば半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という)へのパーティクル例えば装置の駆動部分から発塵したゴミやウェハに対して行われた処理により処理雰囲気内に浮遊する反応生成物などの付着を抑えるために、例えば清浄雰囲気に保たれたクリーンルーム内において各処理が行われている。また、所定の処理の開始前あるいは終了後において、ウェハを確実に清浄にするために、例えば枚葉式あるいはバッチ式の洗浄装置において、薬液やリンス液などを用いてウェハを洗浄して、ウェハ上のパーティクルを除去している。
ところで、上記の洗浄装置を製造あるいは使用するにあたり、パーティクルの除去(洗浄)能力を予め確認する必要がある。そこで、例えば粒径が既知のパーティクル(粒子)を予め準備しておき、例えばパーティクル評価用のウェハに対してこのパーティクルを強制的に付着させ、洗浄前後におけるパーティクルの付着(分布)状態を比較することにより、洗浄装置のパーティクル除去能力が評価される場合がある。
また、上記のように予め準備したパーティクルを基板に強制的に付着させる例としては、処理雰囲気例えば上記のクリーンルーム内においてパーティクルが発生した時に、ウェハにどのようにパーティクルが付着するか評価する場合が挙げられる。この場合には、予め準備したパーティクルを処理雰囲気に散布し、ウェハにパーティクルを付着させた後、パーティクルの測定が行われる。
このようなパーティクルの測定には、例えばレーザー光を用いたパーティクル測定装置が用いられている。この測定装置は、例えば図8に示すように、パーティクルの付着したウェハに対してレーザー光を照射すると共に、パーティクルから散乱される散乱光を測定し、この散乱光の強度に基づいてパーティクルの有無を測定する装置である。この装置では、パーティクルからの散乱光の強度が当該パーティクルの粒径に応じて変化するので、パーティクルの粒径についても測定されることになる。そして、レーザー光の照射部及び散乱光の受光部をウェハの表面に対して走査することによって、ウェハ上のパーティクルの数や分布状態を測定している。
一方、この測定装置では、図9に示すように、パーティクルからの散乱光と共にウェハの表面からの散乱光が受光されるので、ウェハの表面の面粗さ、うねり、あるいは凹凸などがノイズ信号として受光されることになる。そのため、パーティクルの粒径が小さくなる程、パーティクルからの信号レベルが小さくなるので、上記のノイズ信号とパーティクルからの信号との判別が困難になっていき、即ちパーティクルから得られる散乱光のS(シグナルレベル)/N(ノイズレベル)比が小さくなっていくことになる。従って、半導体装置の欠陥を引き起こすと考えられている粒径が例えば30nm程度あるいはそれ以下の大きさのパーティクルについては、上記のレーザー光の散乱を用いた方法では測定が極めて困難になってしまう。このような微少のパーティクルについても測定を行うためには、例えば表面が極めて平坦な専用のウェハが必要になるが、そのような方法はコスト面からも現実的ではない。
また、ウェハに対して成膜処理を行った場合には、ウェハの表面の微細な凹凸などが成膜前よりも大きくなるので、S/N比が更に小さくなる。更にまた、ウェハの表面にパターンが形成されている場合には、S/N比がより一層小さくなってしまう。そのため、成膜後のウェハに対して予め準備したパーティクルを付着させ、例えば成膜した膜種やパターンによってパーティクルの付着する傾向や洗浄効果がどうなるか評価するといった実験はより一層困難になってしまう。
特許文献1には、ウェハ上のパーティクルの見かけ上の粒径を大きくして、当該パーティクルからの散乱光の強度を強める技術が記載されているが、装置構成が大掛かりになってしまう。また、パーティクルが例えば有機物である場合、波長の短いレーザー光を用いると、レーザー光の照射によりパーティクルから蛍光が発生する場合があるので、この蛍光を除去して当該パーティクルからの散乱光を見やすくするために、レーザー光(散乱光)の受光部とウェハとの間にフィルターを設置する技術が知られているが、上記の課題を解決することはできない。
特開2008−244327(図7、図8)
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板の表面にパーティクルを付着させ、この基板に光を照射してパーティクルから発せられる光を受光してパーティクルの付着状態を測定するにあたり、微少なパーティクルであっても簡便に確実に測定できるパーティクル測定方法を提供することにある。
本発明のパーティクル測定方法は、
基板に蛍光粒子を付着させる工程と、
次いで、この基板に光を照射する工程と、
前記蛍光粒子の蛍光波長を透過させ、基板への入射光の波長の透過を阻止するフィルタを用いて、基板からの光の受光強度を測定する工程と、を含むことを特徴とする。
前記測定する工程の後、前記受光強度の測定結果に基づいて、パーティクルの付着状態を評価する工程を行うことが好ましい。
前記基板に蛍光粒子を付着させる工程は、パーティクルの付着状態を評価するために空間に蛍光粒子を浮遊させ、当該空間に基板を位置させる工程であっても良い。
前記基板に蛍光粒子を付着させる工程、前記光を照射する工程及び前記測定する工程をこの順番で行った後、洗浄雰囲気にて基板を洗浄する工程を行い、次いで前記光を照射する工程及び前記測定する工程をこの順番で行うようにしても良い。
本発明は、基板の表面にパーティクルを付着させ、この基板に光を照射してパーティクルから発せられる光を受光してパーティクルの付着状態を測定するにあたり、基板の表面に付着させるパーティクルとして前記光により蛍光を発する蛍光粒子を用いると共に、この蛍光粒子からの光を受光する受光部と基板との間に、基板に照射される入射光の波長の透過を阻止して前記蛍光の波長を透過するフィルタを介設している。そのため、基板に起因する不要な散乱光であるノイズ信号が抑えられるので、パーティクルからの信号である蛍光を高い精度で検出できる。従って、微少なパーティクルであっても簡便に確実に測定することができる。
本発明のパーティクル測定方法の概念を示す模式図である。 本発明のパーティクル測定方法の概念を示す模式図である。 上記のパーティクル測定方法を実施するためのパーティクル測定装置の一例を示す縦断面図である。 本発明のパーティクル測定方法の適用例を示す概略図である。 本発明のパーティクル測定方法の適用例を示す概略図である。 本発明の実施例で得られた実験結果を示す特性図である。 本発明の実施例で得られた実験結果を示す特性図である。 従来のパーティクル測定方法の概念を示す模式図である。 従来のパーティクル測定方法の概念を示す模式図である。
[本発明の実施の形態の概要]
本発明の実施の形態のパーティクル測定方法は、基板例えば半導体ウェハ(以下「ウェハ」という)Wの表面に予め準備したパーティクルを強制的に付着させ、このパーティクルのウェハWへの付着状態例えばパーティクルの分布状態やウェハWに付着したパーティクルの大きさや数量などを評価するために用いられる方法である。このような評価の具体的な適用例については後述する。
この実施の形態では、パーティクルとして樹脂例えば例えばPSL(ポリスチレンラテックス)中に蛍光物質(蛍光体)を混入した蛍光粒子1が用いられる。この蛍光粒子1の粒径は限定されるものではなく、パーティクルの評価の目的に応じて決定されるが、例えば従来の散乱光方式では測定が困難な粒径の範囲の蛍光粒子1が用いられる。蛍光粒子1は入射光の波長とは異なる波長の蛍光を発し、例えば前記PSLでは入射光の波長よりも長い波長の蛍光が発せられる。例えば当該蛍光粒子1に波長が500nmの光を照射すると、波長が600nmの蛍光が発せられる。図1は、ウェハW上に蛍光粒子1を付着させ、照射部10から例えば波長が500nmのレーザー光を照射した様子を模式的に示している。蛍光粒子1では入射光が散乱し、その散乱光と蛍光粒子1から発せられる蛍光とが受光部11に向かうが、ウェハWの表面に凹凸が存在する場合には、ウェハWの表面においてもレーザー光が散乱し、その散乱光が受光部11に向かうことになる。
既述のように、蛍光粒子1及びウェハWの表面からの散乱光の波長よりも蛍光波長の方が長いため、受光部11の前段に、散乱光の波長を阻止域とし、蛍光波長を透過域とする光学フィルタ12、例えば波長が550nm以下を阻止域とする光学フィルタ12を設けている。尚、光学フィルタ12については、例えば蛍光波長の前後の狭い波長域を透過帯域とするバンドパス型のフィルタであっても良い。
この例では、蛍光の強度は散乱光の強度よりも小さいが、散乱光の受光が阻止されることから、受光強度は図2に示すように表され、従って蛍光粒子1の散乱光の強度及びウェハWの表面の散乱光の強度が夫々信号レベル及びノイズレベルである場合に比べてS/N比が大きくなる。
[パーティクル測定装置]
次に、上記のように蛍光を用いて蛍光粒子1の測定を行う装置の一例について説明する。このパーティクル測定装置は、既述のように光学フィルタ12が設けられている以外は従来の装置とほぼ同じ構成であるため簡単に説明すると、図3に概略的に示すように、ウェハWを内部に収納して外部からの光の干渉(侵入)を抑えて蛍光粒子1の測定を行うための筐体21と、ウェハWを載置する載置台22と、載置台22上のウェハWに対して光の照射や受光を行う測定系23と、を備えている。この載置台22は、回転機構22aにより下方側から鉛直軸回りに回転自在に支持されている。また、この載置台22には、装置の外部の搬送手段との間において当該載置台22上に載置されたウェハWの受け渡しを行うための図示しない昇降ピンと、ウェハWを保持するための図示しない吸着機構と、を備えている。
上記の測定系23は、既述の照射部10、受光部11及び光学フィルタ12を備えており、例えば筐体21の天井面に設けられた図示しないガイドに沿って、例えばボールネジ24によって載置台22上のウェハWの中央部側から周縁部側に向かってウェハWの径方向に移動できるように構成されている。このボールネジ24の一端側には、駆動部例えばモータ25が設けられており、モータ25によってボールネジ24を回転させることにより、上記の測定系23を移動させることになる。この図3中26は、後述するように、受光部11により受光された信号(蛍光)の処理を行う信号処理部である。また、図3中27は、信号処理部26により処理された信号と、モータ25の回転量(エンコーダ量)及び回転機構22aの回転量と、に基づいて、ウェハW上の位置とパーティクル(蛍光粒子1)の付着状態(有無及び大きさ)とを対応付けたマッピングデータを作成するためのデータ処理部である。尚、図3中28は、筐体21内に対して図示しない搬送手段によりウェハWの搬入出を行うための搬送口であり、この搬送口28は図示しないシャッターにより開閉自在に構成されている。
また、このパーティクル測定装置には、図示しない制御部が設けられており、この制御部は例えば図示しないCPU、メモリ及びプログラムなどを備えたコンピュータなどから構成されている。このプログラムには、この測定装置において蛍光粒子1の測定を行うように当該測定装置の各部に制御信号を出力するステップ(命令)群が組まれており、このプログラムは例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスク、メモリーカード等の記憶部である記憶媒体に格納され、この記憶媒体からコンピュータにインストールされる。
[パーティクル測定方法]
次に、上記のパーティクル測定装置を用いたパーティクル測定方法について説明する。先ず、パーティクル測定用の例えば清浄なウェハWに対して、既述の蛍光粒子1を付着させる。具体的には、蛍光粒子1を例えば純水に分散させた分散液をスプレーによりウェハWに噴霧したり、あるいは蛍光粒子1を分散させた液体中にウェハWを浸漬し、その後乾燥させたりすることにより、ウェハWの表面に蛍光粒子1を付着させる。続いて、図示しない搬送手段によりウェハWを筐体21内に搬入し、載置台22上にウェハWを載置する。そして、ウェハWの表面に照射部10から波長が例えば500nmのレーザー光を照射する。
蛍光粒子1が含まれている領域にレーザー光が照射(入射)されると、蛍光粒子1からレーザー光が散乱し、更に蛍光粒子1内の蛍光物質がレーザー光を吸収して波長が例えば600nmの蛍光が発生する。また、通常のベアシリコンウェハの表面には凹凸が存在するため、ウェハWの表面からもレーザー光が散乱する。これらの散乱光及び蛍光のうち一部は、受光部11に向かうが、既述の図1のようにウェハWと受光部11との間に光学フィルタ12を設けているので、蛍光は当該光学フィルタ12を透過して受光部11に到達し、散乱光はこの光学フィルタ12にて透過が阻止される。尚、ここでいう「阻止」とは、散乱光が100%遮光される場合に限られず、透過する散乱光の強度が蛍光の強度よりも十分小さくなる場合も含まれる。
このようにして光強度の測定を行いながら、例えば載置台22を鉛直軸回りに回転させると共に、ウェハWの中心部から周縁部に向かってレーザー光が走査されるように測定系23を載置台22上のウェハWに対してスキャンさせる。そして、例えばウェハWの全面に亘って蛍光粒子1の測定(蛍光の受光)を行い、測定系23の位置とウェハWの回転位置とから、例えば極座標系上の照射位置と光強度とを対応付けたデータが取得される。これによって、既述の図2に示すように、蛍光粒子1の付着した部位において得られる信号の強度がバックグラウンド(ノイズ)の信号レベルより遙かに大きく、従って不要なノイズ信号が小さく抑えられたS/N比の大きなデータが得られることになる。上記の蛍光は、蛍光粒子1の粒径が大きくなる程、当該蛍光粒子1に含まれている蛍光物質の量も多くなるため発光強度が大きくなっていく。そのため、この時得られるデータは、ウェハWの表面における蛍光粒子1の位置と共に、蛍光粒子1の大きさが表された分布(マッピング)データとなる。
蛍光粒子1の付着状態を評価するにあたり、上述のように予め粒径が分かっている蛍光粒子1を付着させる場合には、例えば次のようにしてマップが作られる。即ち、ウェハWの表面を略四角形(詳しくは扇形)の領域からなる多数の区画領域に区画し、この区画領域を更に微少領域(ピクセル)に分割する。そして、このピクセル内をレーザー光のスポットでスキャンさせる。こうして各ピクセルにレーザー光を順次照射し、各々のピクセルから得られる蛍光強度に対応する検出信号(電圧)を取得する。次いで、蛍光粒子1の有無に対応する電圧のしきい値により電圧信号を二値化する。
続いて、例えば各区画領域毎に「1」に相当するピクセルが1個でも存在すればその区画領域を「蛍光粒子1有り」の領域とし、この領域を「蛍光粒子1無し」と判定された区画領域とは異なる色で着色することにより、蛍光粒子1の付着状態が視覚化されることになる。また、「蛍光粒子1有り」の区画領域をカウントして数値化して表示する。そして、「蛍光粒子1有り」の領域において、例えば予め求めていた例えば蛍光粒子1の大きさと発光強度との間の相関関係から、蛍光粒子1の大きさが計算されることになる。即ち、蛍光粒子1の粒径が大きくなる程、蛍光物質の含有量が多くなることから、蛍光粒子1から発せられる蛍光強度は、当該蛍光粒子1の粒径に対応した強度となる。そのため、既述の蛍光粒子1の分布データは、ウェハWの表面における各位置(区画領域)毎に、蛍光粒子1のサイズ及び数が表されたデータとなる。尚、このようなデータ処理は一例を示したに過ぎず、例えば蛍光粒子1の数を計算するにあたり、「1」のピクセル数をカウントするなど他の解析法を行っても良い。
そして、このような蛍光粒子1の測定を利用して、半導体製造装置内の雰囲気や半導体製造工場内の雰囲気、あるいは洗浄装置の洗浄能力について評価を行う。例えば図4は、レジスト塗布後のベーク用のモジュール50を設計する時に、レジストからの昇華物の再付着を抑えることができる排気口51の設置位置などを含む排気構造や整流板の設置の仕方などを検討するために、例えば載置台52上のウェハWに対向する部位53から蛍光粒子1を飛散させ、その後ウェハWの表面を既述のように測定する評価方法を示している。
また、図5は、例えば枚葉式の洗浄装置60の洗浄能力を評価する様子を示している。この場合には、予めウェハWの表面に既述のように蛍光粒子1を付着させて蛍光粒子1を測定し、次いでこの洗浄装置60を用いてウェハWの洗浄(パーティクル(蛍光粒子1)の除去)処理を行う。続いて、再度当該ウェハWについて蛍光粒子1の測定を行って洗浄前後におけるデータ(マップ)の差分を取ることにより、洗浄装置60の洗浄能力が評価されることになる。
上述の実施の形態によれば、ウェハWの表面に蛍光粒子1を付着させ、このウェハWに光例えばレーザー光を照射して蛍光粒子1から発せられる光を受光して蛍光粒子1の付着状態を測定するにあたり、ウェハWの表面に付着させる蛍光粒子1中にレーザー光により蛍光を発する蛍光物質を混入させると共に、受光部11とウェハWとの間にレーザー光(入射光)やこのレーザー光の照射により生じる散乱光の透過を阻止する光学フィルタ12を介設し、受光部11には散乱光の入射を抑えて蛍光粒子1からの蛍光が受光されるようにしている。そのため、ウェハWに起因する不要なノイズを抑えることができるので、上記蛍光を高い精度で検出できる。従って、微少な蛍光粒子1であっても簡便に確実に測定することができる。
また、例えば成膜処理を行ったウェハWであっても、更には成膜処理後に表面にパターンが形成されたウェハWであっても、上記のようにウェハWに起因するノイズの影響を抑えることができるので、表面上に付着した蛍光粒子1を簡便に確実に測定できる。そのため、例えば成膜した膜種やパターンによって蛍光粒子1の付着する傾向や洗浄効果がどうなるか評価する実験を行うことができる。
この時、後述の実施例に示すように、従来から用いられている例えば蛍光粒子1の粒径の測定可能な下限値が80nm程度の装置であっても、光学フィルタ12を設けると共に蛍光粒子1からの蛍光を利用することによって、32nm程度までの蛍光粒子1を測定することができるので、いわば従来の装置の測定感度を向上させることができるので、新しく装置を設ける必要がないためコストを抑えて微少な蛍光粒子1を測定できる。
また、上記の例では、蛍光粒子1中の蛍光物質の含有量やレーザー光の波長、蛍光物質の励起波長(吸収波長)及び発光波長を上記のように設定したが、より一層S/N比が大きくなるようにこれらの値を適宜設定しても良い。具体的には、レーザー光の波長(蛍光物質の励起波長)は355〜542nm、蛍光物質の発光波長は400〜650nmの範囲で適宜設定する。更に、例えば波長が短いレーザー光を用いると共に蛍光粒子1として有機物を用いることによって、蛍光粒子1に蛍光物質を混入させなくともレーザー光により蛍光が発生する場合には、蛍光粒子1としては蛍光物質を含まない有機物を使用しても良い。この場合には、当該有機物が蛍光粒子となる。更にまた、蛍光粒子1の測定に用いる光としては、レーザー光以外にも、例えば水銀ランプなどであっても良く、光学フィルタ12によって蛍光波長を透過し、それ以外の波長の光の透過を阻止できる光源であれば良い。
また、本発明のパーティクル測定方法により蛍光粒子1の付着状態を測定するにあたり、既述の例では40nm程度の粒径の蛍光粒子1を用いたが、広い粒径分布例えば30nm程度から1000nm程度までの蛍光粒子1をウェハWに付着させ、どの粒径の蛍光粒子1が付着する傾向が強いか評価する際に本発明を適用しても良い。従って、この場合には、既述の蛍光粒子1の付着状態とは、蛍光粒子1の大きさを示すことになる。
次に、上記のパーティクル測定方法について行った実験について説明する。
(実施例1)
先ず、光学フィルタ12(蛍光フィルタ)の有無により、ノイズ(バックグラウンド)の信号レベルがどのように変化するか確認する実験を行った。この実験では、図3に示す装置において、蛍光粒子1の付着していないウェハWに対してレーザー光を照射し、光学フィルタ12を介してウェハWから放出される散乱光を受光することにより、蛍光を用いて蛍光粒子1の測定を行った場合のバックグラウンドの信号レベルとした。また、光学フィルタ12を介さずに同様に散乱光を受光することにより、従来の散乱光を用いて蛍光粒子1の測定を行った場合のバックグラウンドの信号レベルとした。
その結果、図6に示すように、光学フィルタ12を用いることでバックグラウンドの信号レベルが大きく減少し、またノイズの揺らぎについても小さくなっていた。これらのノイズレベルの平均値を計算したところ、光学フィルタ12を用いることによってノイズレベルが1/345に減少することが分かった。
また、この実験から、従来の装置において検出されていたノイズは、レーザー光の散乱が支配的な要素となっており、その他の電気的ノイズや装置の外部からの光の干渉あるいは装置に固有のノイズなどといった装置や測定環境に由来するノイズは極めて小さいことが分かった。
(実施例2)
続いて、蛍光物質を混入させた既述の蛍光粒子1をウェハWに付着させ、このウェハWに対して蛍光粒子1の測定を行った。測定には、従来から用いられている装置として、株式会社トプコン社製WM−10(蛍光粒子1の検出下限値:48nm)を使用した。そして、この装置において既述の光学フィルタ12を設けて、蛍光粒子1からの蛍光の強度を測定した。また、比較のために、この装置を用いて光学フィルタ12を設けずに、蛍光粒子1からの散乱光の強度を測定した。
その結果、図7に示すように、光学フィルタ12を設けることによって、蛍光粒子1から放出される蛍光の強度は散乱光の強度よりも小さくなっていた。また、上記の実施例1の結果から光学フィルタ12を設けることによってノイズレベルが1/345に減少することが分かったので、散乱光測定時のバックグラウンドレベルを図7に破線で示すと、蛍光測定時のバックグラウンドレベルは、1点鎖線で表すことができる。この図7から、この装置に光学フィルタ12を設けると共に蛍光粒子1からの蛍光を用いることによって、粒径が29nm程度の蛍光粒子1まで測定できると考えられる。そのため、蛍光粒子1を測定するにあたって散乱光に代えて蛍光を用いることにより、S/N比を大きく向上させることができることが分かった。
1 蛍光粒子
10 照射部
11 受光部
12 光学フィルタ
21 筐体
22 載置台
23 測定系
26 信号処理部
27 データ処理部
W ウェハ

Claims (4)

  1. 基板に蛍光粒子を付着させる工程と、
    次いで、この基板に光を照射する工程と、
    前記蛍光粒子の蛍光波長を透過させ、基板への入射光の波長の透過を阻止するフィルタを用いて、基板からの光の受光強度を測定する工程と、を含むことを特徴とするパーティクル測定方法。
  2. 前記測定する工程の後、前記受光強度の測定結果に基づいて、パーティクルの付着状態を評価する工程を行うことを特徴とする請求項1に記載のパーティクル測定方法。
  3. 前記基板に蛍光粒子を付着させる工程は、パーティクルの付着状態を評価するために空間に蛍光粒子を浮遊させ、当該空間に基板を位置させる工程であることを特徴とする請求項1または2に記載のパーティクル測定方法。
  4. 前記基板に蛍光粒子を付着させる工程、前記光を照射する工程及び前記測定する工程をこの順番で行った後、洗浄雰囲気にて基板を洗浄する工程を行い、次いで前記光を照射する工程及び前記測定する工程をこの順番で行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載のパーティクル測定方法。
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