JP2011033208A - 熱源機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃焼排ガスの流路を仕切る場合に、組み付け作業の容易さを損なわずに、各構成部材の組み付け誤差や製作誤差、運搬時の振動等に起因するずれ等を確実に吸収して、複数の水路用の燃焼排ガスの流路間を確実に遮断し得る熱源機を提供する
【解決手段】 第1・第2の両熱交換器32,42間を仕切る熱交換器仕切部材10の上面を開口100とし、内部に収容部105を形成する。集合排気筒部を熱交換器部82に上から組み付ける際に、集合排気筒部から下方に垂下した排気筒仕切部材の垂下部110を下端の折返し片部111から熱交換器仕切部材10の収容部105に挿入し、垂下部110と側壁104の内壁面とが重なり合った状態に組み付ける。寸法誤差等による上下方向の相対間隔のずれが吸収可能で、遮断状態も維持される。
【選択図】 図6

Description

本発明は、第1の水路(例えば給湯回路)用の熱交換器及びこれを加熱するためのバーナと、第2の水路(例えば風呂追い焚き回路や、温水暖房回路)用の熱交換器及びこれを加熱するためのバーナとを含む複数の水路を共に単一の缶体内に設置して、1缶多水路式に構成した熱源機に関する。特に、バーナから燃焼室及び熱交換器を経て集合排気に至る燃焼ガスや燃焼排ガスの流路を仕切部材により個々の水路用のもの毎に仕切って遮断し、一方の水路側の燃焼加熱運転により発生する燃焼排ガスが他方の水路側にリークする事態の発生を回避するための技術に係る。
従来、この種の熱源機として、単一の缶体内において第1の水路用の熱交換器及びバーナと、第2の水路用の熱交換器及びバーナとの間に仕切り板を配設し、この仕切り板により第1水路用の部分と第2水路用の部分とを互いに仕切るようにしたものが知られている(例えば特許文献1又は特許文献2参照)。特許文献1には2つの仕切り板を上下間で接続させて一体化したものが記載され、特許文献2には缶体の組み付けの際に2つの仕切り板を上下方向に当接させて一体化したものが記載されている。
実公平1−13953号公報 特開2008−25979号公報
しかしながら、上記の如き仕切り板を配設するようにすると、熱源機の組み付け誤差や、各構成部材の製作上の寸法誤差等の影響を受けたり、熱源機の半製品又は完成品での運搬・横持ち等の振動の影響を受けたりすることにより、仕切り板に隙間が発生して、第1の水路用の燃焼排ガスの流路と第2の水路用の燃焼排ガスの流路との相互間で燃焼排ガスのリークが生じてしまうおそれがある。
燃焼排ガスのリークが生じてしまうと、次のような種々の不都合を生じることになる。すなわち、リークした側の水路の運転開始初期に予期しない高温の湯の供給が生じる。つまり、一方の水路側が燃焼加熱運転され、その燃焼排ガスが運転停止状態の他方の水路側にリークして他方の水路側も加熱されてしまう結果、他方の水路側の運転初期に予期しない高温の湯が供給されるおそれがある。又、一般に、燃焼用空気の供給制御として、経年使用に伴う熱交換器のフィン詰まり対策のために、フィン詰まりに伴い排気抵抗が増大すると、送風ファンの回転数を増大させて所定量の燃焼用空気の供給を確保する制御を行うようにしているが、上記の如きリークが生じると、排気抵抗の増大を適切に検知することが困難となり、この結果、燃焼用空気の適切な供給制御に狂いが生じるおそれがある。さらに、リークが生じると、そのリーク経路近傍の仕切り板が火炎排ガスにより炙られて過度の高温になる結果、その耐久性に問題が生じるおそれもある。又、燃焼排ガスのリークが生じると、燃焼運転している側の水路の熱効率がリークに伴い低下するおそれがある。
1缶多水路式の熱源機は、一般に、燃焼バーナを内蔵するバーナ部と、熱交換器を内蔵する熱交換器部と、熱交換器を通過した燃焼排ガスを集合させる集合排気筒部となどの複数の構成部材を互いに組み付けることにより単一の缶体として一体化させるように構成されているため、バーナ部、熱交換器部や集合排気筒部に個別の仕切り板を固定し、これらの仕切り板をバーナ部、熱交換器部や集合排気筒部の組み付けにより一体化させるという手法を採ると、個々の構成部材の製作上の寸法誤差や、構成部材の組み付け作業時の組み付け誤差が積み重なり易くなる。その一方、仕切り板による遮断性のみを追及して、個別の仕切り板ではなくて燃焼排ガスの流路全長に亘る単一の仕切り板を例えば集合排気筒部に対し予め固定しておくようにすると、熱源機を一体化する上で、部品管理や組み付け作業の容易さを損なうことも考えられる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特に燃焼排ガスの流路を仕切る場合に、組み付け作業の容易さを損なわずに、各構成部材の組み付け誤差や製作誤差等の寸法誤差、及び、運搬時の振動等に起因するずれ等を確実に吸収可能にして、複数の水路用の燃焼排ガスの流路間を確実に遮断し得る熱源機を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、単一の缶体内に、第1バーナにより熱交換加熱される第1熱交換器及びこの第1熱交換器を通過した燃焼排ガスを集合させて導く第1集合排気部と、第2バーナにより熱交換加熱される第2熱交換器及びこの第2熱交換器を通過した燃焼排ガスを集合させて導く第2集合排気部とを横並びに併設し、上記第1熱交換器及び第2熱交換器の両者間を互いに仕切る熱交換器仕切部材と、上記第1集合排気部及び第2集合排気部の両者間を互いに仕切る排気筒仕切部材とを備えた熱源機を対象にして、次の特定事項を備えることとした。すなわち、上記排気筒仕切部材として、その下端部が熱交換器仕切部材側に突出するように垂下させ、上記熱交換器仕切部材として、上面に開口しこの上面開口から上記排気筒仕切部材の下端部を下方に向けて挿入可能な内幅を有する凹溝状の収容部を備えたものとする。そして、上記排気筒仕切部材と熱交換器仕切部材とを、上記排気筒仕切部材の下端部を熱交換器仕切部材の上面開口から収容部内に挿入し、挿入された排気筒仕切部材の少なくとも一部が収容部の内壁面と重なり合った状態にすることにより、上記排気筒仕切部材と熱交換器仕切部材との上下方向の相対間隔のずれが吸収可能になるように組み付けることとした(請求項1)。
この発明の場合、排気筒仕切部材と熱交換器仕切部材とが、排気筒仕切部材を熱交換器仕切部材の収容部内に挿入して排気筒仕切部材の少なくとも一部が収容部の内壁面と重なり合った状態になるようにされているため、たとえ、各構成部材の寸法誤差や組み立て誤差や、運搬時の振動等に起因するずれ等が発生したとしても、それに伴う上下方向の相対間隔のずれを容易に吸収しつつ、上記の重なり合った状態を確実に維持することが可能となる。このため、排気筒仕切部材と熱交換器仕切部材との間に燃焼排ガスのリークの原因となる隙間発生が確実に防止され確実に遮断状態に維持させることが可能となり、燃焼排ガスのリーク発生に伴う不都合発生を確実に阻止することが可能となる。又、組み付け又は組み立て作業も、上記熱交換器仕切部材の上面開口から収容部内に排気筒仕切部材の下端部を挿入するだけであるため、組み付け又は組み立て作業の容易さを損なうこともない。
本発明の排気筒仕切部材として、一定厚みを有する板状に形成し、上記収容部として、上記排気筒仕切部材の厚みとほぼ同等の内幅を有したものとすることができる(請求項2)。このようにすることにより、排気筒仕切部材を収容部内に挿入することで、その収容部内が排気筒仕切部材でほぼ満たされて充填された状態になり、排気筒仕切部材と収容部の内壁面とが重なり合った状態にすることによる遮断機能をより増大させ得ることになる。
又、本発明の排気筒仕切部材として、一直線状に垂下する垂下部と、この垂下部の下端から斜め上向きにレの字状に屈曲する屈曲部とを備えたものとし、上記収容部として、上記屈曲部の水平方向幅とほぼ同等の内幅を有したものすることができる(請求項3)。このようにすることにより、本発明のずれ吸収を実現させつつ遮断状態を維持させるという作用に加えて、下端部に屈曲部を形成することで熱交換器仕切部材の上面開口へのガイド作用による挿入作業の容易化、収容部の内壁面への接合の確実化、組み付け作業時の組み付け位置の誤りを即座に作業者に認知させて組み付け作業の確実化を共に図り得ることになる。
一方、本発明の熱交換器仕切部材として、その下端部又は上端部から両側外方にそれぞれ突出し、上記第1又は第2の熱交換器のフィンの角縁と当接することにより挿入作業時の組み付け位置を位置決めする一対の凸部を備えるようにすることができる(請求項4)。熱交換器仕切部材の下端部に一対の凸部を備えた場合には、第1及び第2の両熱交換器間に対し熱交換器仕切部材を下から上に差し込んで挿入することで組み付ける際に、一対の凸部が両熱交換器のフィンの角部に当接してそれ以上挿入し得なくなることで組み付け位置の位置決めが可能となる。あるいは、熱交換器仕切部材の上端部に一対の凸部を備えた場合には、第1及び第2の両熱交換器間に対し熱交換器仕切部材を上から下に差し込んで挿入することで組み付ける際に、一対の凸部が両熱交換器のフィンの角部に当接してそれ以上挿入し得なくなることで組み付け位置の位置決めが可能となる。
又、本発明の熱交換器仕切部材として、第1及び第2の両熱交換器のフィンに対しロウ付けして固定することができる(請求項5)。両熱交換器のフィンに対しロウ付けすることで、熱交換器仕切部材の固定を容易に行い得る。さらに、この場合、上記熱交換器仕切部材として、その上端部に、第1熱交換器側及び第2熱交換器側の両側位置にそれぞれフィンとの間にロウ材載置用の凹所が形成されるように形成された一対の突片を備えるようにすることができる(請求項6)。このようにすることで、両熱交換器のフィンと水管とのロウ付けによる一体組み付けの際に、熱交換器仕切部材も仮組して仮組により一対の突片とフィンとの間に形成される凹所にロウ材を載置することが可能となり、これにより、フィンと水管に加えて熱交換器仕切部材をもまとめて炉に入れて全てをロウ付けによる一体組み付けを行うことが可能となる。
以上、説明したように、請求項1〜請求項6のいずれかの熱源機によれば、排気筒仕切部材と熱交換器仕切部材とが、排気筒仕切部材を熱交換器仕切部材の収容部内に挿入して排気筒仕切部材の少なくとも一部が収容部の内壁面と重なり合った状態になるようにされているため、たとえ、各構成部材の寸法誤差や組み立て誤差や、運搬時の振動等に起因するずれ等が発生したとしても、それに伴う上下方向の相対間隔のずれを容易に吸収しつつ、上記の重なり合った状態を確実に維持することができる。このため、排気筒仕切部材と熱交換器仕切部材との間に燃焼排ガスのリークの原因となる隙間発生を確実に防止して確実に遮断状態を維持することができ、燃焼排ガスのリーク発生に伴う不都合発生を確実に阻止することができるようになる。又、組み付け又は組み立て作業も、上記熱交換器仕切部材の上面開口から収容部内に排気筒仕切部材の下端部を挿入するだけであるため、組み付け又は組み立て作業の容易さを損なうこともない。
特に、請求項2によれば、排気筒仕切部材を収容部内に挿入することで、その収容部内を排気筒仕切部材でほぼ満たして充填した状態にすることができ、排気筒仕切部材と収容部の内壁面とが重なり合った状態にすることによる遮断機能をより増大させることができるようになる。
請求項3によれば、排気筒仕切部材の下端部に屈曲部を形成することで、本発明のずれ吸収を実現させつつ遮断状態を維持させるという効果に加えて、熱交換器仕切部材の上面開口へのガイド作用による挿入作業の容易化、収容部の内壁面への接合の確実化、組み付け作業時の組み付け位置の誤りを即座に作業者に認知させて組み付け作業の確実化を共に図ることができるようになる。
請求項4によれば、熱交換器仕切部材の下端部又は上端部に所定の一対の凸部を備えることにより、第1及び第2の両熱交換器間に対し熱交換器仕切部材を下から上に又は上から下に差し込んで挿入することで組み付ける際に、一対の凸部が両熱交換器のフィンの角部に当接してそれ以上挿入し得なくなることで組み付け位置を位置決めすることができるようになる。
請求項5によれば、両熱交換器のフィンに対しロウ付けすることで、熱交換器仕切部材の固定を容易に行うことができ、又、請求項6によれば、両熱交換器のフィンと水管とのロウ付けによる一体組み付けの際に、熱交換器仕切部材も仮組して仮組により一対の突片とフィンとの間に形成される凹所にロウ材を載置することができ、フィンと水管に加えて熱交換器仕切部材をもまとめて炉に入れることにより、熱交換器仕切部材を含め全てをロウ付けによる一体組み付けを行うことができるようになり、製造工程の省略化を図ることができる。
本発明の第1実施形態を示す断面説明図である。 図1の分解説明図である。 第1実施形態に係る他の形態を示す図1の部分拡大相当図である。 第2実施形態を示す一部切欠説明図である。 図4の分解説明図である。 図4の部分拡大図である。 図6の構成部材の分解斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の基本原理を備える第1実施形態に係る熱源機の缶体を示す。この熱源機は、単一の缶体2に対し第1の水路(例えば給湯回路)用の第1バーナ31及び第1熱交換器32と、第2の水路(例えば風呂の追い焚き回路又は温水循環式の暖房回路)用の第2バーナ41及び第2熱交換器42との双方が内蔵されたものである。すなわち、缶体2は1缶2水路式に構成されたものである。
上記缶体2は、バーナ部21と、熱交換器部22と、集合排気筒部23とをこの順に積み上げるようにして結合させたものである。バーナ部21は、下側位置等に送風ファン24が取り付けられ、ケース211の内部に予め第1バーナ31が水平方向一側(同図の右側)に、第2バーナ41が水平方向他側(同図の左側)の各位置にそれぞれ設置されたものである。熱交換器部22は、胴筒状のケース221の内部に予め第1熱交換器32が水平方向一側に、第2熱交換器42が水平方向他側の各位置にそれぞれ設置されたものである。そして、第1バーナ31と第1熱交換器32との間の空間に後述のバーナ仕切部材5等により仕切られて第1燃焼室33が区画形成され、第2バーナ41と第2熱交換器42との間の空間に上記のバーナ仕切部材5等により仕切られて第2燃焼室43が区画形成されている。各熱交換器32,42は多数のフィン321,421と、これらフィン321,421を貫通する水管322,422とからフィンアンドチューブ形式のもので構成されている。なお、第1バーナ31や第2バーナ41はそれぞれ単一又は複数の単位バーナ(燃焼管)の組み合わせにより構成されている。
集合排気筒部23は、熱交換器部22の上面開口を覆うように下面が開口されたケース231を備え、このケース231の内部が排気筒仕切部材7により水平方向一側の第1集合排気部34と、水平方向他側の第2集合排気部44とに区画されている。ケース231の上面の水平方向一側位置(例えば奥方位置)には第1連通口232が形成され、水平方向他側位置(奥方位置)には第2連通口233が形成されている。そして、第1熱交換器32を通過した後の燃焼排ガスが上記第1連通口232を通して第1水路用の図外の潜熱回収用の二次熱交換器に送られ、第2熱交換器42を通過した後の燃焼排ガスが上記第2連通口233を通して第2水路用の図外の潜熱回収用の二次熱交換器に送られるようになっている。なお、本発明は、上記の如き潜熱回収用の二次熱交換器を搭載しない熱源機に対しても適用することができる。
上記缶体2の内部が、下位のバーナ仕切部材5と、上下中間位置の熱交換器仕切部材6と、排気筒仕切部材7とによって水平方向一側部分と他側部分とに仕切られて分離され、これにより、第1の水路用の燃焼ガスや燃焼排ガスの流路と、第2の水路用の燃焼ガスや燃焼排ガスの流路とが互いに遮断されている。上記バーナ仕切部材5と、熱交換器仕切部材6と、排気筒仕切部材7とは、バーナ部21、熱交換器部22及び集合排気筒部23が上下方向に互いに結合されるように組み立てられて一体化された状態で、上下方向に隣接する端部がそれぞれ少なくとも当接した状態(好ましくは密接した状態)になっており、3つの仕切部材5,6,7が上下方向に連続して一体の仕切体を形成するようになっている。この際に、バーナ仕切部材5と、熱交換器仕切部材6との上下間には所定厚みのパッキンPが挟まれて介装された状態で組み付けられ、排気筒仕切部材7は熱交換器仕切部材6に対し内挿された状態で水平方向の壁面同士が互いにほぼ接触するように組み付けられている。上記パッキンPは、後述の如く、弾性又は弾塑性を有しバーナ仕切部材5と、熱交換器仕切部材6との上下間で上下方向の圧縮力を受けて弾性変形又は弾塑性変形することにより、バーナ仕切部材5と、熱交換器仕切部材6との上下方向の相対間隔のずれ又は相対変位を吸収し得るようになっている。又、上記の排気筒仕切部材7と熱交換器仕切部材6とは、一方が他方に対し挿入された状態となっているため、上記と同様に、排気筒仕切部材7と熱交換器仕切部材6との上下方向の相対間隔のずれ又は相対変位を吸収し得るようになっている。
上記バーナ仕切部材5は、図2に示すように、バーナ部21のケース211の内面に対し予め取り付けられて固定されている。すなわち、第1バーナ31と第2バーナ41との間に両バーナ31,41を互いに仕切って分離するように上から又は下から挿入された状態でケース211に対し固定され、上端が上方に突出した自由端とされている。図例のバーナ仕切部材5は板材を折り返して内部空間を有する板状に形成され、上端の上向き端面51が平坦面になるように形成されている。又、熱交換器仕切部材6は、第1熱交換器32と第2熱交換器42との間に両熱交換器32,42を互いに仕切って分離するように上から下に又は下から上に挿入された状態で両熱交換器32,42のフィン321,421に対し固定されるか、及び/又は、その両側端部がケース221の内面に対し固定されている。そして、熱交換器仕切部材6は下端の下向き端面61がバーナ仕切部材5の上向き端面51と相対向するように形成される一方、両側壁62,62が一定間隔を有して互いに平行に上方に延び、上端が上方に開放された上面開口63とされ、上面開口63から両側壁62,62間の内部空間が凹溝状の収容部64とされている。
上記のバーナ仕切部材5や熱交換器仕切部材6は、図示のように金属製の薄板材(例えばステンレス製又は銅製の薄板材)を用いて横断面形状が略Uの字形等の形状に折曲形成したり、あるいは、同等の所定厚みを有する耐熱性の合成樹脂製板材により形成したりすることにより構成されている。又、上記のパッキンPは、耐熱性を有し、かつ、弾性変形又は弾塑性変形することにより、バーナ部21や熱交換器部22等を積み上げて熱源機の缶体2を一体化させる場合の組み付け誤差や、バーナ部21及び熱交換器部22等の特に上下方向の製作上の寸法誤差を吸収するものである。上記パッキンPの代わりに、弾塑性変形又は塑性変形により寸法誤差を吸収する寸法吸収体として例えば圧縮力を受けて塑性流動し得る軟質金属片を用いればよい。そして、パッキンPは、予め、図示の如くバーナ仕切部材5の上端に対し仮置き又は接着したり、あるいは、熱交換器仕切部材6の下端に接着したりして、いずれか一方の仕切部材5,6に取り付けておく。
上記排気筒仕切部材7は、その基端である上端部71が集合排気筒部23のケース231の内下面に固定され、下端部72はケース231の下面開口から下方に所定寸法だけ突出するようほぼ一直線状に垂下されて突出端を形成し、かつ、上記熱交換器仕切部材6の両側壁62,62の内間隔よりも微小寸法(例えば1mm程度)だけ小さい厚み(外幅)を有するように全体が板状に形成されている。両側壁62,62の内間隔が収容部64の内幅に相当し、この収容部64の内幅が、排気筒仕切部材7の厚み(外幅)とほぼ同等でかつ排気筒仕切部材7を上面開口63から挿入可能な内幅となる。排気筒仕切部材7は、後述の如く熱交換器部22に対し集合排気筒部23が上から組み付けられる際に、熱交換器仕切部材6の上面開口63の真上位置に下端部72が位置するように固定位置が設定されている。加えて、熱交換器部22に対し集合排気筒部23が組み付けられた状態では、排気筒仕切部材7の下端部72が熱交換器仕切部材6の両側壁62,62間の収容部64に対し所定位置まで挿入された状態になるように、下端部72までの突出寸法が設定されている。図例の排気筒仕切部材7は、バーナ仕切部材5や熱交換器仕切部材6と同様に、金属製の薄板材(例えばステンレス製又は銅製の薄板材)を用いて所定厚みを有するように横断面形状が略Uの字形等の形状に折曲形成されたものである。後述の如く、耐熱性の合成樹脂製板材により同等の所定厚みを有する板状に、排気筒仕切部材7を形成することも可能である。
そして、缶体2を組み付けるには次のようにする。先ず、バーナ部21に対しこのバーナ部21の上から熱交換器部22を取り付ける(図2参照)。この取り付けは、ケース211,221の両フランジ212,222同士をネジ止め等の手段を用いて行えばよい。これにより、熱交換器仕切部材6の下端がバーナ仕切部材5の上端に対しパッキンPを間に挟んで若干押し付けられた状態に接合され、熱交換器仕切部材6とバーナ仕切部材5とが確実に当接又は密接した状態に一体化される。そして、熱交換器部22に対し集合排気筒部23を上から被せて取り付ける。この取り付けも、上記と同様に、両ケース221,231の両フランジ同士をネジ止め等の手段を用いて結合させればよい。この取り付けにより、排気筒仕切部材7の下端部72が熱交換器仕切部材6の上面開口63から両側壁62,62間の収容部64に対し上から挿入された状態となり、排気筒仕切部材7の外側面の一部が熱交換器仕切部材6の側壁62の内壁面に対し重ね合わされた状態となって接合されることになる。
以上により、各構成部材の製作寸法誤差や組み付け寸法誤差により、バーナ部21と熱交換器部22との間の上下方向の相対位置関係や、熱交換器部22と集合排気筒部23との間の上下方向の相対位置関係にずれが生じたとしても、その寸法誤差を吸収して、バーナ仕切部材5,熱交換器仕切部材6及び排気筒仕切部材7の境界部分を確実に密閉・遮断状態に維持させることができる。すなわち、バーナ仕切部材5と熱交換器仕切部材6との間で上下方向の相対位置関係のずれが生じた場合には、パッキンPが弾性変形又は弾塑性変形することによりそのずれを吸収し、これにより、バーナ仕切部材5と熱交換器仕切部材6との間の当接又は密接状態、つまり遮断性能が確実に維持される。又、熱交換器仕切部材6と排気筒仕切部材7との間で上下方向の相対位置関係のずれが生じた場合には、そのずれの分だけ排気筒仕切部材7が熱交換器仕切部材6に対し挿脱方向(つまり上下方向)に相対移動することによりそのずれを吸収する一方、相対移動するだけで排気筒仕切部材7は熱交換器仕切部材6の側壁62の内面に重ね合わされて接合された状態を維持することになり、これにより、熱交換器仕切部材6と排気筒仕切部材7との間の遮断性能が確実に維持される。
以上より、組み付け作業の容易さを損なうことなく、缶体2の内部を第1水路用の構成要素31,32及び燃焼室33と、第2水路用の構成要素41,42及び燃焼室43とを完全分離して互いに遮断することができると共に、特に熱交換器仕切部材6及び排気筒仕切部材7の両者間に燃焼排ガスのリーク原因となる隙間発生を確実に防止して第1水路用と第2水路用との燃焼排ガスの流路間を互いに遮断した状態に維持することができる。これにより、第1バーナ31からの燃焼ガスや燃焼排ガスが第2水路側にリークしたり、逆に、第2バーナ41からの燃焼ガスや燃焼排ガスが第1水路側にリークしたりすることに伴う不都合発生を確実に阻止することができるようになる。
なお、排気筒仕切部材7の外側面と熱交換器仕切部材6の側壁62の内壁面とが互いに密接した状態になることが望ましいが、厳密には接触せずに微小間隔を隔てて近接している状態であっても燃焼排ガスがリークしないように十分に遮断することができる。排気筒仕切部材7の外側面と熱交換器仕切部材6の側壁62の内壁面とが重なり合った状態とは上記の密接した状態に加えて上記の近接している状態をも含んだ概念であり、上記の排気筒仕切部材7の外側面と熱交換器仕切部材6の側壁62の内壁面とが接合した状態のことを表している。そして、このような重なり合った状態にすることにより、遮断性能を発揮した状態にすることができる。すなわち、燃焼室33,43の付近では燃焼火炎により高温の燃焼ガスが充満しその体積膨張に伴う内圧上昇を受けるため、パッキンPを挟み込んだ状態でバーナ仕切部材5と熱交換器仕切部材6とを当接させて遮断するようにしているものの、熱交換器32,42を通過する間に熱交換により燃焼室33,43内の燃焼ガスに比してかなり低温となり、これに伴い熱交換器32,42通過後の燃焼排ガスの内圧も低くなるため、上記の微小間隔で近接している状態であっても燃焼排ガスのリーク発生を十分に阻止して遮断性能を発揮し得るからである。このような点については第2実施形態においても同様である。そして、併せて、各仕切部材6,7の周囲に沿って冷却空気を流すようにすることで、燃焼排ガスのリーク発生の防止をも図ることができる。このような冷却空気としては、送風ファン24からの供給空気を例えばバーナ仕切部材5の内部に取り込んで上端部の幅方向両側位置から上向きに吹き出させるようにすればよい。
以上の実施形態における熱交換器仕切部材6や排気筒仕切部材7の他の形態につき、図3を参照しつつ説明する。図3の熱交換器仕切部材6aは、その上端側と、熱交換器32,42の各フィン321,421の上角部のテーパ縁323,423との間にロウ材R,Rを載置・収容させるための凹所K,Kが形成されるようになっている。すなわち、熱交換器仕切部材6aは、両側壁62,62の上端からそれぞれ外側上方に斜めに傾斜されて突出する凸部65,65と、この先端から上方に立ち上がり上記凹所K,Kを形成するための突片66,66とを一体に備えている。上記凸部65,65は、上記テーパ縁323,423に略対応する傾斜に設定されており、排気筒仕切部材6aを両熱交換器32,42の間の隙間に対し上から下に差し込んだ際に、凸部65,65がテーパ縁323,423に当止してそれ以上の差し込みが停止されることによって、組み付け位置の位置決めと、両熱交換器32,42に対する排気筒仕切部材6aの仮保持とが行われるようになっている。そして、突片66,66とテーパ縁323,423との間に逆三角形の断面形状でフィン321,421の積層方向(図3の紙面に直交する方向)に延びる凹所K,Kが形成されるようになっている。
このような熱交換器仕切部材6aの構造は、熱交換器32,42を含む熱交換器部22のロウ付けによる一体化工程の際に、熱交換器仕切部材6aをも両熱交換器32,42のフィン321,421に対しロウ付け固定して一体化させるために役立つものである。すなわち、熱交換器部22のケース221に熱交換器32,42を構成する多数のフィン321,421とこれらに水管322,422を貫通配置させてロウ材を配置した上で、熱交換器仕切部材6aを上から差し込んで凸部65,65により仮保持させ、凹所K,Kにロウ材R,Rを載置させる。そして、この状態で炉に入れて熱交換器部22の一体化工程を行えばよい。
そして、上記熱交換器仕切部材6aは銅製の薄板材により形成されており、一方の水路側のバーナ31又は41が燃焼運転されて、その燃焼ガスが熱交換器32又は42を通過する間に熱交換器仕切部材6aが加熱されても、その熱をロウ付けされた他方の熱交換器42又32のフィン421又は321に放熱させて逃がすことにより、熱交換器仕切部材6aの過加熱状態の発生を抑制し得るようになっている。
又、図3に例示したように、図1及び図2に例示した排気筒仕切部材7と同等の厚みを有する耐熱性の合成樹脂製の排気筒仕切部材7aを用いるようにしてもよい。その際に、排気筒仕切部材7aの下端部72aを例えば曲面を備えた尖り形状にして、熱交換器仕切部材6aの上面開口63aに挿入し易くするようにしてもよい。なお、もちろん、このような合成樹脂製の排気筒仕切部材7aを図1及び図2の熱交換器仕切部材6に適用するようにしてもよいし、上記の熱交換器仕切部材6aに対し図1及び図2の排気筒仕切部材7を適用するようにしてもよい。
<第2実施形態>
図4は、本発明をより具体化した第2実施形態に係る熱源機の缶体8を示す。この第2実施形態は、特に第1実施形態よりも具体的である点を除き、全体の基本構成自体は第1実施形態と同様である。第1実施形態と同様構成のものは第1実施形態と同じ符号を付して繰り返しの詳細説明を省略する。
本実施形態の缶体8も、第1実施形態と同様に、1缶2水路式に構成されたものであり、バーナ部81と、熱交換器部82と、集合排気筒部83とをこの順に積み上げて結合し、さらに最上部に二次熱交換器部84を結合させたものである(図5も併せて参照)。バーナ部81は、下側位置に送風ファン24が取り付けられ、ケース811の内部に予め第1バーナ31が水平方向一側(図4の右側)に、第2バーナ41が水平方向他側(同図の左側)の各位置にそれぞれ設置され、両バーナ31,41間がバーナ仕切部材9により互いに遮断されたものである。熱交換器部82は、胴筒状のケース821の内部に予め第1熱交換器32が水平方向一側に、第2熱交換器42が水平方向他側の各位置にそれぞれ設置され、両熱交換器32,42間が熱交換器仕切部材10により互いに遮断されたものである。そして、第1バーナ31と第1熱交換器32との間の空間に上記のバーナ仕切部材9等により仕切られて第1燃焼室33が区画形成され、第2バーナ41と第2熱交換器42との間の空間にバーナ仕切部材9等により仕切られて第2燃焼室43が区画形成されている。
集合排気筒部83は、熱交換器部82の上面開口を覆うように下面が開口され、内部が排気筒仕切部材11により水平方向一側の第1集合排気部34(図5参照)と、水平方向他側の第2集合排気部44とに区画され、上面832が後方(図5の紙面に直交する方向の奥方)に向けて上り勾配に傾斜され、その上面832の最奥側位置にそれぞれ連通孔833,834が形成されている。二次熱交換器部84は、内部空間が水平方向一側と他側とに仕切られた状態で区画され、水平方向一側に第1水路用の二次熱交換器35が収容され、水平方向他側に第2水路用の二次熱交換器45が収容されている。そして、第1熱交換器32を通過した後の燃焼排ガスが第1集合排気部34に集合されて連通孔833を通して二次熱交換器35に対し潜熱回収のために導出される一方、第2熱交換器42を通過した後の燃焼排ガスが第2集合排気部44に集合されて連通孔834を通して二次熱交換器45に対し潜熱回収のために導出されるようになっている。潜熱回収後の燃焼排ガスは二次熱交換器部84の前面排気口841から外部に排出される。
そして、組み付けにより一体化された缶体8の内部が、バーナ部81内のバーナ仕切部材9と、熱交換器部82内の熱交換器仕切部材10と、集合排気筒部83内の排気筒仕切部材11とによって水平方向一側の第1の水路用の燃焼排ガス等の流路部分と、水平方向他側の第2の水路用の燃焼排ガス等の流路部分とに仕切られて遮断されている。上記バーナ仕切部材9と、熱交換器仕切部材10とは上下方向に隣接する端部が、上下方向のずれを吸収可能な第1実施形態と同様材料により形成されたパッキン12を介して、互いに当接した状態(好ましくは密接した状態)になっている。加えて、熱交換器仕切部材10と、排気筒仕切部材11とは、排気筒仕切部材11の下端部111が熱交換器仕切部材10の上面開口100から内部の収容部105に挿入されて水平方向に隣接する部分同士が互いに重なり合って接合(接触又はほぼ接触)した状態になっており、3つの仕切部材9,10,11が上下方向に連続して一体の仕切体を形成するようになっている。
以下、かかる仕切体について詳細に説明すると、上記バーナ仕切部材9(図6又は図7参照)は、耐熱性の薄板材(例えばステンレス製の薄板材)をコの字状又は逆Uの字状に曲げ加工することにより全体として所定の厚みを有し、上端部91に所定幅の平坦面を有して下方の燃焼用空気の供給側に開口した形状に形成されたものである。そして、バーナ仕切部材9は、バーナ部81内の第1バーナ31と第2バーナ41との間の隙間に対し上から下に差し込まれることにより予め取り付けられて固定され、上端部91はバーナ部81の上側開口とほぼ同レベル位置まで突出して自由端とされている(図5参照)。この上端部91には幅方向(図6の左右方向)の両側位置からそれぞれ上方に突出するガイド部92,92が形成されている。両側のガイド部92,92の内幅の寸法は、パッキン12の外幅とほぼ対応してその外幅よりも僅かに大きくなるように設定され、又、ガイド部92,92の突出高さは、熱交換器仕切部材10が接合された状態において、その熱交換器仕切部材10と互いに干渉しないように設定されている。これらのガイド部92,92によって、パッキン12の設置位置を案内し両ガイド部92,92間に設置(単に載置又は接着)することでパッキン12が位置ずれしないように保持する機能を果たすことになる。加えて、両ガイド部92,92によってパッキン12の水平方向へ扁平化することを抑制することで、熱交換器仕切部材10の側からの押圧を受けてパッキン12にへたりが生じることを抑制するようにしている。
熱交換器仕切部材10は、耐熱性の薄板材(例えばステンレス製の薄板材、あるいは銅製の薄板材)をコの字状又はUの字状に曲げ加工することにより全体として所定の厚みを有し、下端部101に所定形状部分を有して上面開口100を有する形状に形成されたものである。そして、熱交換器仕切部材10は、熱交換器部82内の第1熱交換器32と第2熱交換器42との間の隙間に対し下から上に差し込まれることにより予め取り付けられて固定され、これにより、下端部101が両熱交換器32,42から下向きに突出した状態にされる。下端部101には、下端面から下向きに突出する突起部102と、両側面の所定位置からそれぞれ外側方に突出して上向きの段部を形成するための凸部103,103とが一体に形成されている。突起部102は熱交換器仕切部材10の全長に亘り連続して形成され、パッキン12の上面には突起部102に対応した形状で好ましくはその突出量より僅かに小さく下向きに凹んだ凹溝部121がその全長に亘り形成されている。これにより、熱交換器仕切部材10をバーナ仕切部材9及びパッキン12に向けて上から押圧気味に当接させた際に、突起部102が凹溝部121に食い込むことによりシール性をより向上させるようになっている。さらに、両凸部103,103は、熱交換器仕切部材10の両側壁104,104を両熱交換器32,42間に下から上に差し込んでいくと、両熱交換器32,42の下向きの角縁(例えばフィン321,421の下端の角部)に当止して、それ以上差し込めなくなるようになっており、これにより、熱交換器仕切部材10と両熱交換器32,42との相対位置(挿入位置)を位置決めるストッパの機能を果たすようになっている。そして、所定の内幅を有するように形成された両側壁104,104の相対向面間の内部空間によって、上面開口100から排気筒仕切部材11が挿入される収容部105が形成されている。
排気筒仕切部材11は、耐熱性の薄板材により構成され、集合排気部83の内下面から斜め下方に延びた後に下向きに一直線状に垂下する垂下部110と、集合排気部83の下面よりも所定量下方位置まで突出した下端部にレの字状に折り返された屈曲部としての折返し片部111とを一体に備えたものである。排気筒仕切部材11の上記の垂下部110の垂下する位置の設定、折返し片部111までの突出寸法の設定や、折返し片部111の水平方向幅(外幅)の設定等は、第1実施形態で説明した排気筒仕切部材7のそれと同様にされている。すなわち、上記の垂下位置は、熱交換器部82に対し集合排気筒部83が上から組み付けられる際に、熱交換器仕切部材10の上面開口100の真上位置に排気筒仕切部材11の下端部である折返し片部111が位置するように設定され、上記の折返し片部111までの突出寸法は、熱交換器部82に対し集合排気筒部83が組み付けられた状態で、折返し片部111が熱交換器仕切部材10の両側壁104,104間の内部空間に所定位置まで挿入されて垂下部110の少なくとも一部が側壁104の内壁面に対し重なり合って接合した状態になるように設定されている。さらに、折返し片部111の外幅(水平方向幅)は、熱交換器仕切部材10の上面開口100から内部に挿入可能で、かつ、熱交換器仕切部材10の収容部105の内幅(両側壁104,104の内幅)よりも僅かに(例えば1mm程度)小さく設定されている。このような収容部105の内幅が、排気筒仕切部材11の下端部である折返し片部111の外幅とほぼ同等でかつ折返し片部111を上面開口100から収容部105内に挿入可能な内幅となる。これらにより、組み付け作業において、排気筒仕切部材11の折返し片部111を熱交換器仕切部材10の上面開口100から内部に挿入する際の挿入の容易性と、挿入された後の熱交換器仕切部材10の側壁104の内壁面への接合の確実性との双方を折返し片部111により実現させるようにしている。加えて、折返し片部111の存在により、組み付け時に作業員がその組み付け位置を万一誤った場合にも、その組み付け位置の誤りを即座に把握し得るようになっている。
次に、缶体8の組み付け手順について説明すると、先ず、バーナ部81に対し熱交換器部82を上から被せて取り付ける(図5参照)。ケース811,821の両フランジ同士を、例えばネジ止め等の手段を用いて取り付ければよい。これにより、熱交換器仕切部材10の下端部101がバーナ仕切部材9の上端に対しパッキン12を間に挟んで若干押し付けられた状態に接合され、熱交換器仕切部材10とバーナ仕切部材9とが確実に当接又は密接した状態に一体化される。この際、熱交換器仕切部材10の突起部102がパッキン12の凹溝部121に対し密に内嵌した状態、又は、バーナ部81や熱交換器部82等の製作上の寸法誤差を吸収して若干食い込んだ状態に接合され、熱交換器仕切部材10とバーナ仕切部材9との間が確実にシールされた状態に遮断される。そして、熱交換器部82に対し集合排気筒部83を上から被せて取り付ける。この取り付けも、上記と同様に、両ケース821,831の両フランジ同士をネジ止め等の手段を用いて結合させればよい。この取り付けにより、排気筒仕切部材11がその下端部である折返し片部111から熱交換器仕切部材10の収容部105内に挿入され、折返し片部111側から垂下部110の部分が熱交換器仕切部材10の側壁104の内壁面と水平方向に重なり合ってほぼ接触した内嵌状態に組み付けられ、熱交換器仕切部材10と排気筒仕切部材11との間が接合された状態で遮断される。この際、排気筒仕切部材11は熱交換器仕切部材10に対する上下方向の相対位置が組み付け誤差等によりずれが生じたとしても、そのずれを吸収しつつ上記のごとく重なり合って内嵌した状態を維持して遮断された状態を維持することになる上に、運搬時の振動等がずれの発生となって作用したとしても、そのずれを容易に吸収しつつ上記の遮断状態が維持されることになる。なお、この本実施形態においても、組み付け作業において、熱交換器仕切部材10の下端がバーナ仕切部材9の上端に対しパッキン12を間に挟んで押圧側に接合されるように、製作上の寸法設定(較差設定)を行い、その寸法設定に伴う寸法誤差を上記のパッキン12により吸収させるようにしている。
以上により、各部材の製作寸法誤差に起因して組み付け寸法誤差が生じていても、その寸法誤差を吸収して、バーナ仕切部材9と熱交換器仕切部材10との間、及び、熱交換器仕切部材10と排気筒仕切部材11との間を燃焼排ガス等がリークしないように遮断した状態に確実に維持させることができる。しかも、組み付け作業の容易さを損なうことなく、缶体8の内部を第1水路用の構成要素31,32及び燃焼室33と、第2水路用の構成要素41,42及び燃焼室43とを完全分離して互いに遮断することができると共に、バーナ仕切部材9及び熱交換器仕切部材10の両者間に隙間が発生することを確実に防止して互いに密接した状態に維持することができる。これにより、第1バーナ31からの燃焼ガスや燃焼排ガスが第2水路側にリークしたり、逆に、第2バーナ41からの燃焼ガスや燃焼排ガスが第1水路側にリークしたりすることを確実に回避することができ、リークに伴う不都合発生を確実に阻止することができるようになる。
特に、熱交換器仕切部材10と排気筒仕切部材11との間の組み付けを、排気筒仕切部材11を熱交換器仕切部材10の内部に挿入させて壁面同士が水平方向に互いに重なり合って接合した状態になるという構成を採用しているため、上記の寸法誤差や振動に伴うずれを容易に吸収し、しかも確実に遮断状態に維持しつつずれ吸収を行うことができるようになる。さらに、排気筒仕切部材11の下端部に折返し片部111を形成しているため、熱交換器部82に対し集合排気筒部83を上から組み付けていく際に、組み付け位置に万一誤りが生じたとしても、作業員はその誤りを即座に認知し得ることになる。すなわち、折返し片部111の位置が熱交換器仕切部材10の上面開口100の直上位置ではなくて水平方向にずれていた場合には、集合排気筒部83をそのまま下に降ろすと折返し片部111がフィン321,421等に当たることになり、この当たりにより組み付け位置が誤っていることを即座に認知することができる。仮に折返し片部111の形成がなく、薄板材のみの場合には、フィン321,421と熱交換器仕切部材10との間に食い込んだりすることになり、食い込むまで誤りに気付かないことになる。
<他の実施形態>
なお、本発明は上記第1又は第2の実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記第2実施形態では、突起部102を熱交換器仕切部材10の側に形成し、パッキン12を凹溝部121が上向きに開口するように配置して凹溝部121に突起部102が内嵌するようにしているが、これに限らず、上下逆にしてもよい。例えば、バーナ仕切部材の上端部に突起部を上向きに突出するように形成し、パッキン12を凹溝部121が下向きに開口するように熱交換器仕切部材の下端部に接着等により固定するようにしてもよい。
又、折返し片部111の外幅(水平方向幅)を、熱交換器仕切部材10の収容部105の内幅、つまり両側壁104,104間の内幅とほぼ同等でかつその内幅よりも僅かに大きくなるように設定してもよい。この場合には、組み付け作業において、熱交換器仕切部材10の上面開口100から折返し片が僅かに弾性屈曲されて挿入されることになり、これにより、両側壁104,104間で僅かに弾性復元力を作用させて折返し片の先端側と基端側とが相対向する両側壁104,104に確実に当接又は密接し、遮断性能をより増大させることができる。
2,8 缶体
31 第1バーナ
32 第1熱交換器
34 第1集合排気部
41 第2バーナ
42 第2熱交換器
44 第2集合排気部
6,6a,10 熱交換器仕切部材
7,7a,11 排気筒仕切部材
63,63a,100 上面開口
64,105 収容部
72,72a 排気筒仕切部材の下端部
110 垂下部
111 折返し片部(下端部,屈曲部)
321,421 フィン
65,103 凸部
66 突片
K 凹所
R ロウ材

Claims (6)

  1. 単一の缶体内に、第1バーナにより熱交換加熱される第1熱交換器及びこの第1熱交換器を通過した燃焼排ガスを集合させて導く第1集合排気部と、第2バーナにより熱交換加熱される第2熱交換器及びこの第2熱交換器を通過した燃焼排ガスを集合させて導く第2集合排気部とが横並びに併設され、上記第1熱交換器及び第2熱交換器の両者間を互いに仕切る熱交換器仕切部材と、上記第1集合排気部及び第2集合排気部の両者間を互いに仕切る排気筒仕切部材とを備えた熱源機において、
    上記排気筒仕切部材は、その下端部が熱交換器仕切部材側に突出するように垂下され、
    上記熱交換器仕切部材は、上面に開口しこの上面開口から上記排気筒仕切部材の下端部を下方に向けて挿入可能な内幅を有する凹溝状の収容部を備え、
    上記排気筒仕切部材と熱交換器仕切部材とは、上記排気筒仕切部材の下端部を熱交換器仕切部材の上面開口から収容部内に挿入し、挿入された排気筒仕切部材の少なくとも一部が収容部の内壁面と重なり合った状態にすることにより、上記排気筒仕切部材と熱交換器仕切部材との上下方向の相対間隔のずれを吸収可能に組み付けられている
    ことを特徴とする熱源機。
  2. 請求項1に記載の熱源機であって、
    上記排気筒仕切部材は、一定厚みを有する板状に形成され、
    上記収容部は、上記排気筒仕切部材の厚みとほぼ同等の内幅を有している、熱源機。
  3. 請求項1に記載の熱源機であって、
    上記排気筒仕切部材は、一直線状に垂下する垂下部と、この垂下部の下端から斜め上向きにレの字状に屈曲する屈曲部とを備え、
    上記収容部は、上記屈曲部の水平方向幅とほぼ同等の内幅を有している、熱源機。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の熱源機であって、
    上記熱交換器仕切部材は、その下端部又は上端部から両側外方にそれぞれ突出し、上記第1又は第2の熱交換器のフィンの角縁と当接することにより挿入作業時の組み付け位置を位置決めする一対の凸部を備えている、熱源機。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の熱源機であって、
    上記熱交換器仕切部材は、第1及び第2の両熱交換器のフィンに対しロウ付けされて固定されている、熱源機。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の熱源機であって、
    上記熱交換器仕切部材は、その上端部に、第1熱交換器側及び第2熱交換器側の両側位置にそれぞれフィンとの間にロウ材載置用の凹所が形成されるように形成された一対の突片を備えている、熱源機。
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