JP2011032795A - 排水トラップ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の排水トラップ1は、洗面器4の排水口4aに接続され、この排水口から流出する排水を導く排水管8と、この排水管からの排水の流路を形成すると共に、排水管の出口部8aを閉塞可能な封水を収容する封水室10と、封水室に接続され、この封水室から溢れた排水を下水側に導く流出管14と、洗面器の上方に開口するオーバーフロー口4bにから流出する排水を導くように、その出口部12aが流出管よりも上流側に位置しているオーバーフロー管12と、を有し、排水管は、封水室内の排水中に含まれる髪の毛が排水管及びオーバーフロー管に付着したままの状態になることを防止する髪の毛付着防止手段18を備えていることを特徴としている。
【選択図】図4
Description
そこで、特許文献1に記載されている従来の排水トラップにおいては、S字型の排水トラップの代わりに箱型の排水トラップを採用し、洗面台の洗面器下の有効な収納スペースを確保したものが知られている。
また、洗面台の洗面器においては、しばしば洗髪にも利用されるが、洗髪によって洗面器で洗い流された髪の毛が排水口からの排水と共に排水管に流れ込み、排水管の出口部から封水室内に流出する。この排水管の出口部から封水室に流出する排水は、流出管の方向に直接に差し向けられることなく、排水管或いはオーバーフロー管の側面を上昇して回り込もうとする流れを形成するものもある。このような排水の流れによって排水中に含まれる髪の毛が排水管或いはオーバーフロー管の側面等に一旦巻き付いたり、絡み付いたりして付着すると、自然に離脱させることが難しく、この排水管の周囲側面等に付着した髪の毛に排水中の別の髪の毛が次々に付着して堆積してしまうという問題がある。したがって、このように封水室内に堆積した髪の毛によって排水トラップの排水性能が著しく低下してしまうおそれがあるという問題がある。
このように構成された本発明においては、従来、排水管の出口部から封水室に流出する排水は、流出管の方向に直接に差し向けられることなく、排水管の出口部の側面を上昇して回り込もうとする流れを形成するものもあり、この流れによって排水中に含まれる髪の毛が排水管の側面等に一旦巻き付いて付着すると、自然に離脱させることが難しいが、本発明では、排水管の出口部を形成する流路の外周部が流出管に対して反対側方向に突出する流路拡張凸部を備えているため、排水管の出口部の流路拡張凸部の流路から封水室に排水が流出する際、排水が流出管の方向に直接に差し向けられることなく、排水管の出口部の流出管に対して反対側の部分を上昇して回り込もうとする流れが形成されても、排水中に含まれる髪の毛が排水管の出口部の流路拡張凸部によって一時的に捕捉される。その後、再び流水の力により、流路拡張凸部に一時的に付着していた髪の毛が離脱して流水に乗せられるため、排水管に巻き付いたり、絡み付いて付着したままに放置されることなく、流出管から下水側へ確実に排出させることができる。したがって、排水管の周囲等の封水室内に髪の毛が堆積して排水トラップの排水性能が低下することを未然に防ぐことができる。
このように構成された本発明においては、従来、排水管の出口部から封水室に流出する排水は、流出管の方向に直接に差し向けられることなく、排水管或いはオーバーフロー管の側面を上昇して回り込もうとする流れを形成するものもあり、この流れによって排水中に含まれる髪の毛が排水管或いはオーバーフロー管の側面等に一旦巻き付いて付着すると、自然に離脱させることが難しいが、本発明では、封水室内の排水中に含まれる髪の毛が排水管及びオーバーフロー管に付着したままの状態になることを防止する髪の毛付着防止手段を排水管が備えているため、排水管の出口部から封水室に排水が流出した際、排水管の髪の毛付着防止手段が封水室の排水中に含まれる髪の毛を一時的に捕捉したりすることができると共に、この捕捉された髪の毛は、その後再び流水の力によって離脱して流水に乗せられ、排水管及びオーバーフロー管に巻き付いたり、絡み付いて付着したままに放置されることなく、流出管から下水側へ確実に排出される。したがって、排水管から封水室内に流出した排水中に含まれる髪の毛が排水管やオーバーフロー管自体の側面に巻き付いて付着するのを確実に阻止すると共に、排水管やオーバーフロー管の周囲等の封水室内に髪の毛が堆積して排水トラップの排水性能が低下することを未然に防ぐことができる。
このように構成された本発明においては、髪の毛付着防止手段が排水管及びオーバーフロー管の少なくともそれぞれの出口部を封水室内で連結する連結流路を備えているため、排水管及びオーバーフロー管の少なくともそれぞれの出口部の側面同士の隙間がなくなる。したがって、排水管の出口部から封水室に排水が流出した際、この髪の毛付着防止手段の連結流路を形成する部分が封水室の排水中に含まれる髪の毛を一時的に捕捉したりすることができると共に、この捕捉された髪の毛は、その後再び流水の力によって離脱して流水に乗せられるため、排水管及びオーバーフロー管に巻き付いたり、絡み付いて付着したままに放置されることなく、流出管から下水側へ確実に排出される。これらの結果、排水管から封水室内に流出した排水中に含まれる髪の毛が排水管やオーバーフロー管自体の側面に巻き付いて付着するのを確実に阻止すると共に、排水管やオーバーフロー管の周囲等の封水室内に髪の毛が堆積して排水トラップの排水性能が低下することを未然に防ぐことができる。
このように構成された本発明においては、髪の毛付着防止手段が、排水管の出口部を形成する流路の外周部がオーバーフロー管に近接するように突出する流路拡張凸部を備えており、排水管及びオーバーフロー管の少なくともそれぞれの出口部の側面同士の隙間がほとんどなくなる。したがって、排水管の出口部から封水室に排水が流出した際、たとえ排水が流出管の方向に直接に差し向けられることなく、排水管の流路拡張凸部とオーバーフロー管との間のわずかな隙間を上昇して回り込もうとする流れが形成されても、排水中に含まれる髪の毛が排水管の髪の毛付着防止手段の流路拡張凸部によって一時的に捕捉される。その後、再び流水の力により、流路拡張凸部に一時的に付着していた髪の毛が離脱して流水に乗せられるため、排水管及びオーバーフロー管に巻き付いたり、絡み付いて付着したままに放置されることなく、流出管から下水側へ確実に排出される。これらの結果、排水管やオーバーフロー管の周囲等の封水室内に髪の毛が堆積して排水トラップの排水性能が低下することを未然に防ぐことができる。
このように構成された本発明においては、排水管の出口部が流出管とオーバーフロー管の出口部との間に配置されているため、排水管の出口部から封水室内に流出した排水が流出管に向かって排水管の周囲を回り込むことができるようなスペースをより広く確保することができる。したがって、排水管の出口部から封水室内に流出させる排水によって排水中に含まれる髪の毛を流水に乗せて、流出管から下水側へ確実に排出させることができる。
まず、図1は本発明の第1実施形態による排水トラップが内部に組み込まれた洗面台を示す概略斜視図である。つぎに、図2は本発明の第1実施形態による排水トラップが内部に組み込まれた洗面台の側面を一部破断した概略側面図である。また、図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。さらに、図4は本発明の第1実施形態による排水トラップの部分拡大側面断面図である。また、図5は、図4のV−V線に沿った断面図である。また、図4及び図5においては、排水の流れを矢印で示している。
この排水トラップ1は、排水管8、封水室10、オーバーフロー管12、及び、流出管14を備えている。
また、排水管8は、封水室10内の封水によって、排水トラップ1の下流側にある下水配管16からの臭気を遮断することにより、洗面器4に臭気が立ち上るのを防ぐため、「防臭管」或いは「防臭筒」とも呼ばれている。
また、オーバーフロー管12は、その下流側の途中部分が封水室10の上端部10aに接続された後、その出口部12aが封水室10の封水面Wよりも下方の封水内まで延びており、洗面器4のオーバーフロー口4bから流出した排水がオーバーフロー管12により封水室10内に導かれるようになっている。すなわち、オーバーフロー管12は、封水室10の底部よりも下方に突出することがないように封水室10に接続されている。
また、この髪の毛付着防止手段である連結流路18によって、排水管8の出口部8aを含む流路8b形成する排水管8の側面の後方側(後面)とオーバーフロー管12の出口部12aを含む流路12b形成するオーバーフロー管12の側面の前方側(前面)との間に髪の毛が入り込む隙間がなくなるように設定されている。
さらに、排水管8の前面とこれに対向する封水室10内の前側の内壁面との間の隙間についても、髪の毛がほとんど入り込むことができない隙間に設定されているか、或いは、隙間なく設定されている。
また、流出管14の下端部14bは、下水配管16に接続されている連結管20に連結されており、封水室10から溢れた排水は、流出管14から連結管20を経て下水配管16に導かれるようになっている。
まず、洗面台2の洗面器4において洗髪によって洗い流された髪の毛を含む排水は、洗面器4の排水口4aから排水管8に排水され、排水管8の出口部8aから封水室10内に流出する。
つぎに、この洗面器4の排水口4aから排水管8に流出した髪の毛を含む排水は、排水管8の出口部8aから封水室10に流出する。
この際、排水管8の流路8bとオーバーフロー管12の流路12bとを連結する連結流路18を形成する部分によって、排水管8の後面とオーバーフロー管12の前面との間に髪の毛が入り込む隙間がないため、排水中に含まれている髪の毛は、排水管8及びオーバーフロー管12の周囲側面に巻き付いたり、絡み付いたりして付着することなく流水に乗せられ、排水と共に流出管14に排出され、連結管20を経て下水配管16に排出される。
一方、封水室10内の排水中に含まれている髪の毛は、連結流路18の下端部分等において一時的に捕捉されたりすることもあるが、その後再び流水の力によって離脱して流水に乗せられ、排水管8及びオーバーフロー管12に巻き付いたり、絡み付いて付着したままに放置されることなく、流出管14から下水側へ確実に排出される。
図6は、本発明の第2実施形態による排水トラップの部分拡大側面断面図であり、図7は、図6のVII−VII線に沿った断面図である。ここで、図6及び図7において、図1〜図5に示す本発明の第1実施形態による排水トラップの部分と同一の部分については同一の符号を付し、これらの説明は省略する。
この髪の毛付着防止手段である排水管8の流路拡張凸部32は、その内部及び出口部を形成する流路32aがその上流側から下流側に向かって、すなわち、封水室10の上端部10aに近接した流路拡張凸部32の上端部32bから下端部(出口部)32cに向かって拡張すると共に、排水管8の後方側に並列且つ独立に配置されているオーバーフロー管12に近接するように後方側へ突出している。
なお、流路拡張凸部32の流路32aにおける上流側から下流側に向かって拡張している部分の断面については、流路拡張凸部32の上端部32bから下端部32cに排水が誘導され、下端部32cから排出できるように形成されていれば、上流側から下流側に一律の大きさでもよい。
また、排水管8の流路拡張凸部32の後面と、これに対向するオーバーフロー管12の前面との間は、髪の毛がほとんど入り込むことができない隙間に設定されている。
また、髪の毛が流路拡張凸部32によって一時的に捕捉されたとしても、その後、再び流水の力により、流路拡張凸部32に一時的に付着していた髪の毛が離脱して流水に乗せられるため、排水管8及びオーバーフロー管12に巻き付いたり、絡み付いて付着したままに放置されることなく、流出管14から下水側へ確実に排出される。これらの結果、排水管8やオーバーフロー管12の周囲等の封水室10内に髪の毛が堆積して排水トラップ30の排水性能が低下することを未然に防ぐことができる。
図8は、本発明の第3実施形態による排水トラップの図5及び図7と同様な断面図である。ここで、図8において、上述した本発明の第1実施形態及び第2実施形態による排水トラップの部分と同一の部分については同一の符号を付し、これらの説明は省略する。
まず、図9は、本発明の第4実施形態による排水トラップが内部に組み込まれた洗面台を示す概略正面図である。つぎに、図10は、本発明の第4実施形態による排水トラップが内部に組み込まれた洗面台を示す概略側面図である。また、図11は、本発明の第4実施形態による排水トラップの部分拡大側面断面図である。さらに、図12は、図11のXII−XII線に沿った断面図である。ここで、図9〜図12において、上述した本発明の第1実施形態〜第3実施形態による排水トラップの部分と同一の部分については同一の符号を付し、これらの説明は省略する。
この排水管8の流路拡張凸部54は、その内部及び出口部を形成する流路54aがその上流側から下流側に向かって、すなわち、封水室10の上端部10aに近接した流路拡張凸部54の上端部54bから下端部(出口部)54cに向かって拡張すると共に、その外周部が封水室10の前側内壁面に近接するように排水管8の前面から前方側方向(流出管56に対して反対側方向)に突出しており、排水管8の流路拡張凸部54の前面と、これに対向する封水室10の前側内壁面との間は、髪の毛がほとんど入り込むことができない隙間に設定されている。
なお、流路拡張凸部54の流路54aにおける上流側から下流側に向かって拡張している部分の断面については、流路拡張凸部54の上端部54bから下端部54cに排水が誘導され、下端部54cから排出できるように形成されていれば、上流側から下流側に一律の大きさでもよい。
例えば、他の形態による排水トラップとして、オーバーフロー管12の出口部12bの接続位置については、排水管8における排水時の内圧が比較的高い領域であれば、接続部54よりもさらに上方に位置する排水管8の途中位置に設けてもよい。
また、本発明の第4実施形態による排水トラップ50について、洗面器にオーバーフロー口が設けられていない洗面台に適用する場合には、オーバーフロー管12自体を省略してもよい。
2 洗面台
4 洗面器
4a 排水口
4b オーバーフロー口
6 収納部
8 排水管
8a 排水管の出口部
10 封水室
10a 封水室の上端部
12 オーバーフロー管
12a オーバーフロー管の出口部
12b 流路
14,56 流出管
14a 流出管の入口部
14b 流出管の下端部
14c 流路
14d 流路
16 下水配管
18 連結流路(髪の毛付着防止手段)
20 連結管
32,54 流路拡張凸部(髪の毛付着防止手段)
32a,54a 流路拡張凸部の流路
32b,54b 流路拡張凸部の上端部
32c,54c 流路拡張凸部の下端部(出口部)
W 封水面
Claims (5)
- 水槽から排水された水を下水側へ流出させる排水トラップであって、
水槽の排水口に接続され、この排水口から流出する排水を導く排水管と、
上記排水管に接続され、この排水管からの排水の流路を形成すると共に、上記排水管の出口部を閉塞可能な封水を収容する封水室と、
上記封水室に接続され、上記封水室から溢れた排水を下水側に導く流出管と、を有し、
上記排水管は、その出口部を形成する流路の外周部が上記流出管に対して反対側方向に突出する流路拡張凸部を備えていることを特徴とする排水トラップ。 - 水槽から排水された水を下水側へ流出させる排水トラップであって、
水槽の排水口に接続され、この排水口から流出する排水を導く排水管と、
上記排水管に接続され、この排水管からの排水の流路を形成すると共に、上記排水管の出口部を閉塞可能な封水を収容する封水室と、
上記封水室に接続され、上記封水室から溢れた排水を下水側に導く流出管と、
上記水槽の上方に開口するオーバーフロー口から流出する排水を導くように、その出口部が上記流出管よりも上流側に位置しているオーバーフロー管と、を有し、
上記排水管は、上記封水室内の排水中に含まれる髪の毛が上記排水管及び上記オーバーフロー管に付着したままの状態になることを防止する髪の毛付着防止手段を備えていることを特徴とする排水トラップ。 - 上記髪の毛付着防止手段は、上記排水管及び上記オーバーフロー管の少なくともそれぞれの出口部を上記封水室内で連結する連結流路を備えている請求項2記載の排水トラップ。
- 上記髪の毛付着防止手段は、上記排水管の出口部を形成する流路の外周部が上記オーバーフロー管に近接するように突出する流路拡張凸部を備えている請求項2記載の排水トラップ。
- 上記排水管は、その出口部が上記流出管と上記オーバーフロー管の出口部との間に配置されている請求項2乃至4の何れか1項に記載の排水トラップ。
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