JP2011031684A - 車輪用軸受装置および駆動軸の連結構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】椀形外輪22の軸方向の連結端面22cには、軸方向と直交する方向に放射状に広がるように形成された複数の歯25を有する駆動力伝達部24が形成されている。円筒部13の端面13aには、軸方向と直交する方向に放射状に広がる複数の歯21を有する駆動力受け部20が形成されている。内軸6の端部6aおよび椀形外輪22の先端部22aの外周には、駆動力受け部20と駆動力伝達部24との嵌合部の外周を覆うためのシール部材27が配置されている。
【選択図】図5
Description
しかしながら、かかる構成を採用した場合、車輪用軸受装置と等速ジョイントとの間の隙間が特許文献1のような外部に露出した状態であると、車輪用軸受装置と等速ジョイントとの間から進入した泥水や飛石が、駆動力受け部および駆動力伝達部の歯に達するおそれがある。歯に泥水が付着すると、歯に錆が発生して、歯が減退するおそれがある。その結果、車輪用軸受装置と駆動軸との間にがたつきが発生するおそれがある。また、歯に飛石が当ると、歯が変形し、その結果、車輪用軸受装置と駆動軸との間にがたつきが発生するおそれがある。
この構成によれば、駆動力伝達部と駆動力受け部との嵌合部の外周がシール環によって覆われているので、駆動力伝達部および駆動力受け部との間の嵌合部に、異物が進入することを防止することができる。このため、駆動力伝達部および駆動力受け部に放射状に形成された複数の歯の減退や変形が防止される。その結果、駆動力伝達部および駆動力受け部の複数の歯同士が良好に噛み合う。これにより、車輪用軸受装置と駆動軸との間のがたつきの発生を、長期にわたって抑制することができる。
この構成によれば、シールリップが駆動軸の外周に弾性接触する。このため、駆動力伝達部と駆動力受け部との間の嵌合部への異物の進入を、より確実に防止することができる。これにより、車輪用軸受装置と等速ジョイントとの間へのがたつきの発生をより効果的に抑制することができる。
この構成によれば、駆動力伝達部と駆動力受け部との間の嵌合部の外方に形成された凹部に収容されたOリングによって、当該嵌合部の外周が封止される。このため、当該嵌合部への異物の進入を、より確実に防止することができる。これにより、車輪用軸受装置と等速ジョイントとの間へのがたつきの発生をより効果的に抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態にかかる車輪用軸受装置および駆動軸の連結構造が適用された車両の概略構成を示す模式図である。
左右一対の車輪用軸受装置1,1は、それぞれ、ドライブシャフト2の先端側に等速ジョイント3を介して取り付けられている。左右の車輪4,4は、それぞれ対応する車輪用軸受装置1によって回転可能に保持されている。エンジン5からの駆動力はドライブシャフト2に与えられ、ドライブシャフト2から等速ジョイント3を介して車輪用軸受装置1に伝達される。そして車輪用軸受装置1に保持された車輪4が回転される。
車輪用軸受装置1は、内軸6と、内軸6の端部6a(図2に示す右端部)を所定量突出させた状態で内軸6に外嵌された内輪部材7と、複数のボール(転動体)8を介してこれら内軸6および内輪部材7に回転自在に連結された外輪9とを備えている。内軸6と内輪部材7とによって内輪35が構成されている。
椀形外輪22の軸方向の先端部22a(図2に示す左端部)には、車輪4側に突出する筒状突出部23が設けられている。筒状突出部23の内周にはめねじが形成されている。
シール部材27は、内輪部材7の外周面7aに外嵌固定される環状の芯金28と、芯金28に取り付けられて、内軸6の端部6aと椀形外輪22の先端部22aとの間の隙間を覆う円筒状のシール29とを備えている。
芯金28は、内輪部材7の外周面7aに圧入により外嵌される第1円筒体31と、第1円筒体31よりも小径にされて、シール29が取り付けられた第2円筒体32と、第1円筒体31のドライブシャフト2側端部と第2円筒体32の車輪4側端部とを接続し、内軸6の回転軸線と直交する円環板33とを一体的に備えている。第2円筒体32および円環板33は、第1円筒体31に対して弾性的に変形可能である。
車輪用軸受装置1と等速ジョイント3とを結合した状態で、芯金28によってシール29が椀形外輪22の外周面22bに押し付けられる。そのため、シールリップ30が椀形外輪22の外周面22bに弾性接触するようになる。
シール29の材質には、例えばニトリルゴム、シリコンゴムを例示することができる。シール29の材質にはゴムの他、樹脂などを採用することもできる。
この第2実施形態にかかる連結構造が、第1実施形態にかかる連結構造と相違する点は、シールリップ30を有するシール部材27(リップシール)ではなく、断面略円形形状のOリング(シール環)41によって、駆動力伝達部24と駆動力受け部20との嵌合部の外周を覆う点である。具体的には、内軸6および椀形外輪22の端部6a,22aには、Oリング41を収容するための環状溝(凹部)42が、内軸6の外周面6bと椀形外輪22の外周面22bとの間に跨って形成されている。具体的には、内軸6の端面(筒状部13の端面)13aには、外周面6bに接続する環状段部43が形成されている。また、椀形外輪22の連結端面22cには、外周面22bに接続する環状段部44が形成されている。これら環状段部43,44を重ね合わせることによって、環状溝42が形成されている。
Oリング41の材質には、例えばニトリルゴム、シリコンゴムを例示することができる。Oリング41の材質にはゴムの他、樹脂などを採用することもできる。
この第3実施形態にかかる連結構造が、第2実施形態にかかる連結構造と相違する点は、断面略円形形状のOリング(シール環)41Aが、環状溝42でなく、内軸6の端部6aと椀形外輪22の先端部22aとに跨って形成された環状の環状空間(凹部)51内に収容されている点である。この環状空間51は、内軸6の端面(筒状部13の端面)13aの径方向途中部に形成された環状の第1溝52と、椀形外輪22の連結端面22cの径方向途中部に、第1溝52に対応して形成された環状の第2溝53とが重ね合わされることにより形成されている。
図8は、本発明の他の実施形態(第4実施形態)にかかる連結構造が適用された車輪用軸受装置および等速ジョイントの図解的な断面図である。この第4実施形態において、図6に示す実施形態(第2実施形態)に示された各部に対応する部分には、図6と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
前述の第1実施形態では、シール部材27のシール29の内周に潤滑剤が塗布されている場合を例に挙げて説明したが、椀形外輪22の外周面22bに潤滑剤が塗布されていてもよいし、シール29の内周と椀形外輪22の外周面22bとの双方に潤滑剤が塗布されていてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
Claims (3)
- 筒状部およびフランジを有する内輪、複数の転動体を介して前記内輪に連結された外輪、ならびに、前記内輪の前記筒状部の端面に軸方向と交差する方向に放射状に形成された複数の歯を有する駆動力受け部を含む車輪用軸受装置と、連結端面を有した駆動軸との連結構造であって、
前記駆動軸の前記連結端面には、軸方向と交差する方向に放射状に形成された複数の歯を有する駆動力伝達部が備えられ、
前記駆動力伝達部と前記駆動力受け部との嵌合部の外周を覆うシール環が設けられていることを特徴とする、車輪用軸受装置および駆動軸の連結構造。 - 前記シール環は、シールリップと、前記内輪に固定されて、前記シールリップを前記駆動軸の外周に向けて弾性的に押し付ける芯金とを含むことを特徴とする、請求項1記載の車輪用軸受装置および駆動軸の連結構造。
- 前記駆動力伝達部と前記駆動力受け部との前記嵌合部の外周付近には、凹部が形成されており、
前記シール環が、前記凹部に収容されたOリングであることを特徴とする、請求項1記載の車輪用軸受装置および駆動軸の連結構造。
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