JP2011031282A - レーザ加工装置、レーザ加工方法および液滴吐出ノズルプレート - Google Patents

レーザ加工装置、レーザ加工方法および液滴吐出ノズルプレート Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェットプリンタのノズルプレートのノズル孔を所望形状に精度高く加工可能なレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】マスク4の複数の開口41を通過したパルスレーザのビームがそれぞれ開口41に対応した形状でフィルム9に照射される。パルスレーザのパルス周期となる期間に、マスク4の隣接する開口41を通過して被加工物に照射されるレーザビームどうしの間隔に対応した所定距離を移動する所定速度で、マスク4の開口41の並び方向に沿ってフィルム9を移動させる。フィルム9を移動させた状態で、移動する被加工物の複数箇所において、それぞれ同一位置に、1パルス分ずつのパルスレーザがマスク4の異なる開口41を介して複数回照射されることで順次ノズル孔10が形成される。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば、薄板状部材や膜状部材(フィルム状部材)に孔あけ加工を施すためのレーザ加工装置およびレーザ加工方法に関するとともに、当該レーザ加工方法により孔あけ加工された液滴吐出ノズル孔を有する液滴吐出ノズルプレートに関する。
インクジェットプリンタのヘッドには、インクを吐出する吐出機構が縦横に複数配列されるとともに、各吐出機構毎のノズル孔を備えたノズルプレートが設けられている。
当該ノズルプレートには、縦横に複数のノズル孔が形成されている。
当該ノズルプレートの製造には、例えば、レーザ加工装置が用いられ、レーザビームにより孔あけ加工が行われる。
ノズルプレートに形成されるノズル孔は、例えば、円錐台状で、各列のノズルは、等間隔に並んで配置されている。また、各ノズル孔から吐出される液滴(インク滴)は、同方向に飛翔するように、各ノズル孔の軸心は、互いに平行とされる。
このような、ノズルプレートの加工においては、例えば、断面矩形状のエキシマレーザが用いられる。
また、ノズルプレートの材料としては、例えば、フィルム状のポリイミド樹脂が用いられる。
また、ノズルプレートのレーザ加工においては、例えば、幅15mm程度のマスクを用いるとともに、当該マスクには、ノズルプレートのノズル孔に対応するパターンでレーザビームを透過する開口が複数形成されている。
マスクを通過した光を結像光学系を用いて、被加工物であるフィルムに照射する。この際に、フィルムに対してノズル孔の軸心が直角になるように結像光学系にテレセントリックレンズが用いられており、フィルムに対して略直角にマスクの各開口を通過したレーザビームがそれぞれ照射されるようにしている。
このようなノズルプレートの加工方法には、以下の3つの問題点がある。
第1の問題点は、レンズには、収差(例えば、非点収差)があるため、テレセントリックレンズにおいても、中央部ではレンズを通る光線がレンズの光軸と平行となるが、中央部から離れるにしたがって、レンズを通った光線が僅かにレンズの光軸に対して傾いた状態となる。
現在インクジェットプリンタでは、ノズル孔から吐出される液滴の微小化、液滴の吐出速度の高速化とともに、印字速度の向上等のためにヘッドの大型化が図られており、ノズルプレートの面積も大きくなっている。このノズルプレートへのノズル孔となる孔の孔あけ加工に際しては、上述のマスクを用いるとともに、例えば、レーザが照射されるフィルムをマスクに形成された開口のパターンの長さごとに移動してレーザを照射することにより、大きな面積のノズルプレートに対して孔あけ加工を行っている。
この際に、マスクの開口のパターンの長さは、テレセントリックレンズの径に対応したものとなるが、加工効率を向上するためにテレセントリックレンズの比較的広い範囲を用いると、マスク両端を通過した光は僅かに外側に開いた状態、もしくは内側に閉じた状態となり、レンズの中心部を通過した光と完全に平行にすることは困難となる。したがって、マスクを繰返し使用して形成されたノズルプレートにおいては、マスクのパターン幅ごとに、互いに軸の延長線が交差するように形成されたノズル孔が隣接して配置された状態となる。
このようなノズルプレートを備えたヘッドを用いて、例えば、色がべた塗りとなるように印刷した場合に、マスクのパターン幅ごとにドットの間隔が他の場所より狭くなった部分ができることになる。この際に人間の目で各ドットのばらつきを認識することはできないが、ドットのばらつきに基づく、明暗の差が例えばすじ状に認識されてしまう虞がある。
第2の問題点は、印刷される画像等を高精細化する上では、できるだけ、ノズル孔の出口側の孔径を小さくすることが好ましい。また、ピエゾ素子をインクの吐出機構に用いるインクジェットプリンタにおいては、ピエゾ素子のインク吐出時の変形量を大きくすることが困難なことから、十分なインク射出を少ない駆動で行う必要があるために、ノズル孔の入口側の孔径はある程度の大きさとなっている必要がある。
このようなことから、ノズル孔の入口の孔径と、出口の孔径を有る程度自由に設定して制御できることが好ましく、特に、ノズル孔の入口側から出口側に向う内面の傾斜角を大きくできることが好ましい。
しかし、マスクを使用したレーザによる穿孔によりノズル孔を形成した場合に、ノズル孔の内面の傾斜角度(入口の孔径と出口の孔径との差に基づく角度)は、レーザエネルギー密度に依存して若干変化するがある一定の値(例えば、孔軸に対して7度から10度が一般的)を取ってしまい、それ以上の角度をつけることが難しかった。
第3の問題点は、上述のようにエキシマレーザでは、レーザビームの断面が縦横の長さの異なる矩形状となる。また、レーザビームの発散角が縦横で異なるものとなっている。
したがって、レーザビームが結像した際の形状を、例えば、真円として、真円状の穿孔を行おうとした場合に、実効的な焦点深度の範囲外では、レーザビーム形状が楕円となってしまう虞がある。
例えば、レーザビームの結像光学系の焦点深度が20μm程度とし、被加工物の厚みを50μm程度とすると、被加工物の厚みに対する焦点位置にもよるが、ノズル孔の入口側もしくは出口側が楕円となってしまう。マスクの開口の形状が真円でなくもて、設定した形状に対して、加工された孔の形状が場所によって縦横比が異なる形状となる。
以上のような問題のうちの第2の問題点を解消する方法として、例えば、マスクに順次径が小さくなる複数の開口を並べて設けるとともに、被加工物をマスクの全体のパターンの幅毎に移動するのではなく、各開口どうしの間隔(開口のピッチ)ごとに移動した後に、レーザを照射することを繰返すことでノズル孔を形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この方法では、1つのノズル孔を異なる径のマスクの開口を介して複数回レーザを照射することで形成していることになる。この場合に、例えば、被加工物の厚みのうちの浅い位置は、マスクの大きな径の開口を介して大きな径の窪みが形成され、被加工物の厚みのうちの中央近辺の位置は、マスクの中くらいの径の開口を介して中くらいの径の窪みが大きな径の窪みの中に形成され、被加工物の厚みの深い位置は、マスクの小さな径の開口を介して小さな径の窪みが中くらいの径の窪みの中に形成され、最終的に被加工物に形成された窪みが裏側に貫通する。
これにより、入口側が大きな径で、それに対して出口側が小さな径となるノズル孔を形成することができるとともに、ノズル孔の内周面の入口側から出口側への傾斜角度を任意に設定することが可能となる。
また、この方法を用いた場合に、マスクの複数の開口を用いて、1つのノズル孔が形成されることになり、マスクの開口のパターンの端部側に配置された開口を介して僅かに傾いてレーザビームが被加工物に照射される構成としても、ノズル孔毎に傾きが異なる部分が生じることがなく、レーザの傾いた部分が各ノズル孔に分散する。
したがって、上述のように他のノズル孔に対して軸が傾いたノズル孔が定期的にノズルプレートに形成されることがなく、上述のように印刷物にすじ状に明暗の異なる部分が発生する虞がない。
したがって、上述の方法により第1の問題点も解消することが可能となる。
特開2008−12543号公報
ところで、特許文献1の方法では、マスクに対して、マスクの開口パターンよりも極めて短い所定間隔ごとに被加工物を搬送しては停止してレーザ照射することを繰り返しており、被加工物の搬送と停止の繰返しがかなり多くなることで、加工時間が増加する虞があるとともに、加工時間の短縮が難しいという問題がある。
特許文献1では、被加工物の移動と停止をマスクの各開口のピッチごとではなく、複数の開口を合わせた間隔ごとに移動する方法が記載され、移動と停止を繰り返す際の間隔を長くすること、すなわち、必要な移動と停止の繰返し回数を低減することで、加工時間の短縮を図る方法が記載されており、場合によっては加工時間を半減等することが可能である。しかし、それでも加工時間がまだ長い状態である。
また、特許文献1の方法では、第3の問題、すなわち、被加工物の厚みより、結像光学系の焦点深度が浅いと、エキシマレーザの特性により、孔の深さによって、孔の断面形状の縦横比が異なるものとなる問題を解決できない。
本発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、ノズルプレートのようにレーザビームを用いて多数の微細な孔をあける孔あけ加工を行う場合に、上述の第1〜第3の問題を解消でき、かつ、加工時間を大幅に短縮可能なレーザ加工装置、レーザ加工方法および液滴吐出ノズルプレート提供することを目的とする。
請求項1に記載のレーザ加工装置は、パルスレーザによりマスクの開口を介して被加工物に孔あけ加工を行うレーザ加工装置であって、
パルスレーザを出射するレーザ照射手段と、
前記被加工物に複数の同形状の孔を形成するために、異なったサイズと縦横比とを有する複数種類の形状の開口または前記開口のグループがそれぞれ所定距離毎に一方向に沿って等間隔に並んで設けられたマスクと、
前記レーザ照射手段から出射され、前記マスクの複数の開口を通過した前記パルスレーザをそれぞれ前記開口に対応した形状で被加工物に照射する結像光学手段と、
前記被加工物を支持するとともに、前記レーザ照射手段から出射されるパルスレーザのパルス周期となる期間に、前記マスクの隣接する開口または隣接する前記グループのそれぞれ所定の1つの開口を通過して被加工物に照射されるパルスレーザのビームどうしの間隔となる所定距離を移動する所定速度で、前記マスクの開口または当該開口の前記グループの並び方向に沿って前記被加工物を移動させる被加工物移動手段とを備え、
前記被加工物移動手段により被加工物を移動させた状態で、移動する当該被加工物の複数箇所において、それぞれ同一位置に、前記結像光学手段から1パルス分ずつのパルスレーザが前記マスクの異なる開口を介して複数回照射されることで孔を形成することを特徴とする。
請求項2に記載のレーザ加工装置は、請求項1に記載の発明において、前記マスクに並んで形成される複数の前記開口は、前記被加工物の移動方向に沿って各開口のサイズが小さくなる傾向とされるとともに、
前記被加工物の移動方向に沿って縦横比が小さくなる傾向もしくは大きくなる傾向とされていることを特徴とする。
請求項3に記載のレーザ加工方法は、パルスレーザによりマスクの開口を介して被加工物に孔あけ加工を行うレーザ加工方法であって、
前記被加工物に複数の同形状の孔を形成するために、異なったサイズと縦横比とを有する複数種類の形状の開口または前記開口のグループがそれぞれ所定距離毎に一方向に沿って等間隔に並んで設けられたマスクを使用し、
パルスレーザのパルス周期となる期間に、前記マスクの隣接する開口または隣接する前記グループのそれぞれ所定の1つの開口を通過して被加工物に照射されるパルスレーザのビームどうしの間隔となる所定距離を移動する所定速度で、前記マスクの開口または前記グループの並び方向に沿って前記被加工物を移動させ、
かつ、移動する前記被加工物の複数箇所において、それぞれ同一位置に、前記レーザ照射手段から照射される1パルス分のレーザを前記マスクの異なる開口を介して複数回照射することにより孔を形成することを特徴とする。
請求項4に記載のビーム加工方法は、請求項3に記載の発明において、前記マスクに並んで形成される複数の前記開口は、前記被加工物の移動方向に沿って各開口のサイズが小さくなる傾向とされるとともに、
前記被加工物の移動方向に沿って縦横比が小さくなる傾向もしくは大きくなる傾向とされていることを特徴とする。
請求項5に記載の液滴吐出ノズルプレートは、請求項3または請求項4のレーザ加工方法により、複数のノズル孔が形成されていることを特徴とする。
なお、開口が小さくなる傾向、縦横比が小さくなる傾向、縦横比が大きくなる傾向とは、1個ずつ順次大きさや縦横比が変化するものを含むととともに、例えば、複数の開口を含むグループ毎に、サイズが小さくなったり、縦横比が小さくなったり、縦横比が大きくなったりする場合を含むものである。
請求項1に記載のレーザ加工装置、請求項3に記載のレーザ加工方法および請求項5に記載の液滴吐出ノズルプレートによれば、被加工物の複数箇所にマスクの複数の開口を介してレーザビームが照射されるが、パルスの周期と、開口を通過したパルスレーザの間隔に対応して所定速度で被加工物が移動していることにより、1パルス分ずつのレーザビームが被加工物の同一箇所に異なる開口を介して複数回照射されることになる。これにより、順次1パルス分ずつのレーザビームの照射毎に加工される窪みが深くされ、最終的に被加工物を貫通する孔となる。
この際に、被加工物は、所定速度で移動したままの状態で、1パルス分ずつのパルスレーザのビームが照射されることになり、パルスレーザの照射毎に被加工物の移動を停止していた従来に比較して加工時間を大幅に短縮することができる。
また、被加工物の所定速度がパルスレーザのパルス周期となる毎に、例えば、マスクにおける隣接する開口どうしを通過するレーザビームの間隔となる所定距離だけ移動するものであり、各開口同士の間隔が狭くとも、一般的にパルスレーザのパルス周期は、十分に短いので、所定速度が速くなり加工時間が短縮される。
また、被加工物に形成される孔は、マスクの複数の開口を介して複数回入射される1パルス分ずつのレーザビームにより段階的に窪みが形成されて穿孔された状態となるので、形成される孔の角度は、上述のテレセントリックレンズの収差による影響を受けにくい。
また、従来は、例えば50mm幅の液滴吐出ノズルプレートを製作するのに10mm幅のパターンを有するマスクを使用する場合に、液滴吐出ノズルプレートとマスクとを、当該マスクに形成されたパターン幅ずつ、すなわち10mmずつ相対的に移動させて、5回に分けてレーザビームの照射を行うことになる。
これにより、テレセントリックレンズの収差の影響で、定期的にノズルの角度が異なる部分が生じ、その部分で上述のすじが生じることになる。
それに対して、本発明では、マスクと被加工物とを相対的に移動させながら連続的に加工を行うことができるので、例えば、50mm幅の液滴吐出ノズルプレートでも、それ以上の幅の液滴吐出ノズルプレートでも、液滴吐出ノズルプレートの幅にかかわらず、略全面に略同じ条件で穿孔を行うことが可能となり、上述のように段階的に穿孔を行った場合のように、一定幅毎に角度の異なる孔が生じるのを防止することができる。これにより液滴吐出ノズルプレートを用いて印刷を行った場合に、印刷物にすじが発生するのを防止できる。
また、全ての孔が略同じ傾きとなっている場合には、液滴吐出ノズルプレートに形成された孔に傾きがあってもすじが生じることがない。この例では、上述のように略同様の条件で全ての孔が形成されるので、孔に傾きが生じても、略全ての孔の傾きの方向と角度が略同じとなり、印刷物にすじが入ることを防止することができる。
また、マスクの開口パターンの必要な長さを決める一列に並んだ開口の数(もしくは開口のグループの数)は、例えば、被加工物を貫通するのに必要なレーザビームのパルス数となり、当該パルス数によっては、マスクの複数の開口が形成された部分(開口パターン部分)の長さを短くすることも可能であり、テレセントリックレンズに対してマスクの開口パターン部分の長さを十分に短くして、テレセントリックレンズを通るレーザビームの光軸の傾きを十分に小さくすることもできる。すなわち、一回のパルスのレーザビームにより形成可能な窪みの深さで、マスクの開口の数が決まるので、レーザの強度に対応してマスクの開口パターン部分の長さを短くすることも可能である。
なお、孔の内周面を滑らかにする上では、一回の孔を形成するレーザビームのパルス数を多くすることが好ましいが、従来のマスク幅の範囲内で、十分に孔の内周面を滑らかにする程度の数の開口を形成することができる。
また、加工時間は、基本的に、パルス周期と、マスクの開口を介して被加工物に照射される隣接したレーザビームどうしの間隔(所定距離)とで決まることになり、マスクの開口パターンの長さが短くなっても、加工時間が長くなることがない。
また、マスクの各開口の形状が、サイズを異なるものとしており、被加工物に形成される孔の入口側と出口側とで大きさが異なる円錐台状の孔を形成することなどができる。この際に、任意の傾斜角で、内周面が傾斜するように孔を形成することができる。
また、マスクの各開口の形状が、縦横比を異なるものとしており、たとえば、レーザが縦横で発散角が異なるエキシマレーザ等のレーザである場合に、レーザの焦点深度からはずれた部分では、縦横比が基準の形状と異なってしまう場合に、開口の縦横比を変えることで、結像光学手段により結像されて照射されたレーザビームの被加工物に当たる光軸方向位置が焦点深度からずれていても基準の形状と同じ縦横比とすることが可能となる。
したがって、焦点深度の深さよりも被加工物の厚みが厚くても、形成される孔の深さによって基準形状と縦横比が異なる形状となるのを防止することができる。
例えば、基準形状を真円とした場合に、被加工物の浅い位置(入口側)では横長の楕円となり、被加工物の深い位置(出口側)では縦長の楕円となるような場合に、浅い位置にレーザビームを照射する開口の形状を基準形状に対して縦横比が異なる縦長の楕円とし、深い位置にレーザビームを照射する開口の形状を基準形状に対して縦横比が異なる横長の楕円とすることで、レーザビームに形成される孔の各深さ位置における断面をできるだけ真円に近づけることが可能となる。
請求項2に記載のレーザ加工装置、請求項4に記載のレーザ加工方法および請求項5に記載の液滴吐出ノズルプレートによれば、任意の傾斜角で内周面の径が軸方向に変化する孔を被加工物に形成できるとともに、エキシマレーザ等の縦横で発散角が異なるレーザでも、焦点深度の範囲を越えて、縦横比が基準形状と略同じとなる孔を形成することができる。
本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置の概略を示す正面図である。 前記レーザ加工装置の概略を示す側面図である。 前記レーザ加工装置の概略を示す平面図である。 前記レーザ加工装置で用いられるマスクの概略図である。 前記マスクに形成される開口を説明するための図である。 前記レーザ加工装置による液滴吐出ノズルプレートのレーザ加工方法を説明するための図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置の概略を示す正面図、図2は前記レーザ加工装置の概略を示す側面図、図3は前記レーザ加工装置の概略を示す平面図、図4は前記レーザ加工装置で用いられるマスクの概略図、図5は前記マスクに形成される開口を説明するための図、図6は前記レーザ加工装置による液滴吐出ノズルプレートのレーザ加工方法を説明するための図である。
この例のレーザ加工装置は、例えば、インクジェットプリンタのヘッドの液滴吐出ノズルプレートの製造に好適に用いられるものであるが、インクジェットプリンタは、インクによる印字や画像のプリント以外に、各種材料をフィルムやプレート上にパターニングする際にも用いられる。
この例のレーザ加工装置およびレーザ加工方法は、上述のようなインクジェットプリンタのヘッドの液滴吐出ノズルプレートの穿孔加工に好適に用いられるものである。
また、液滴吐出ノズルプレートは、一度に広い範囲に渡ってインクを吐出できるように、多数のノズルが縦横に並んで形成されるものとなっている。
レーザ加工装置は、ベース1と、ベース1上に設けられたXY軸テーブル装置2と、ベース1上を跨ぐように配置される門形部材3と門形部材3に設けられるとともにマスク4がセットされるマスクステージ5と、結像光学手段となる対物レンズ装置6を有してマスク4を介してレーザをXY軸テーブル上の被加工物に照射するレーザ装置7と、前記対物レンズ装置6を上下に移動させるZ軸ステージ8とを備える。
ベース1には、振動の伝達を防止するインシュレータとなる足11を備えている。ベース1上のXY軸テーブル装置2は、被加工物をY軸方向に移動するY軸ステージ21と、当該Y軸ステージ21によりY軸方向に移動自在とされるとともに、被加工物をY軸方向と直交するX軸方向に移動させるX軸ステージ22と、前記Y軸ステージ21によりY軸方向に移動自在で、かつ、X軸ステージ22によりX軸方向に移動自在とされるとともに、Z軸方向に沿った回転軸周りに回転可能なθ軸ステージ23と、θ軸ステージ23上に設けられ、Y軸ステージ21、X軸ステージ22およびθ軸ステージ23により、Y軸方向、X軸方向およびZ軸周りの回転方向に移動自在で、被加工物としてのポリイミド樹脂のフィルム9を保持するテーブル24とを備える。
したがって、被加工物は、XY軸テーブル装置2のテーブル24に保持されて、Y軸方向、X軸方向およびθ軸方向に移動自在となっている。
なお、θ軸ステージ23は、レーザのアライメントに用いられるものであり、レーザ装置7などにアライメント用の構造があれば、XY軸テーブル装置2にθ軸ステージ23を設けないものとしてもよい。
マスク4を保持するマスクステージ5は、例えば、マスク4をY軸方向、X軸方向、Z軸方向、θ軸方向(Z軸方向に沿った回転軸周りの回転方向)に移動自在となっており、マスク4の位置合わせが可能となっている。
また、レーザ装置7は、図示しないレーザ発振器を備えるレーザ照射手段からマスク4にレーザを照射するようになっているとともに、マスク4を透過したレーザを被加工物に結像させて照射する結像光学手段としての対物レンズ装置6を備えている。
この例で使用されるレーザは例えばエキシマレーザとなっている。
レーザ照射手段は、例えば、レーザ発振器から発振されたレーザを略平行光としてマスク4に略直角に照射するようになっている。そして、マスク4を透過したレーザ光は、テレセントリックレンズを有する結像光学手段となる対物レンズ装置6に入射し、マスク4の各開口41,41を通過した互いに略平行な複数本のレーザビームが被加工物(フィルム9)に向かって照射される。この際に、被加工物は、所定速度でY軸ステージ21によりY軸方向に移動した状態となっている。
また、被加工物の穿孔においては、XY軸テーブル装置2を用いて、例えば、Y軸方向に沿って横一列に孔あけ加工(穿孔加工)を行った後に、次の横一列の加工を行うために、被加工物をX軸方向に移動し、再び、Y軸方向に移動する。また、孔を加工するために被加工物を移動する際には、往復移動に際して、往方向のみ加工し、復方向は被加工物を戻すだけにしても良いし、往方向の移動と、復方向の移動との両方で加工を行うものとしてもよい。
なお、復方向で加工を行わない場合には、レーザをオフとする。また、加工する孔の列を変えるために被加工物をX軸方向に移動する際にもレーザをオフとする。
また、往方向と復方向との両方で孔あけ加工を行う場合に、マスク4の開口41の並びの向きを逆にする必要があるので、マスク4の向きを逆にするか、往方向用のマスク4と復方向用のマスク4の両方を使用するものとして、これらを切り換える必要がある。
マスク4には、図4に示すように、例えば、一列に複数の開口41が互いに間隔をあけて形成されている。各開口41の中心は、一直線上に配置されるとともに、各開口41の中心間の間隔は、それぞれ互いに等しいものとされている。すなわち、各開口41の中心が等間隔に一直線上に並んだ状態となっている。
また、マスク4の開口41は、この例では、フィルム9に断面が真円状で、円錐台状に形成されるものとなっており、入口側が出口側より大きな径を有するものとなっている。
そして、各開口41は、被加工物としてのフィルム9の移動方向(Y軸方向)に沿って、径が小さくなっている。したがって、図4に示すように、図中向かって左側から右側に向うにつれて、開口41の径が小さくなっており、フィルム9は、左側から右側に移動する状態となる。
また、この例では開口41がフィルム9の進行方向の手前側で真円に対してフィルム9の進行方向となるY軸方向より、この方向に直交するX軸方向の方が長い楕円(横より縦が長い楕円)となっている。そして、フィルム9の進行方向に沿って先側となる開口41では、その縦横比が1に近づいて、この例では列の真ん中となる開口41が真円とされ、その先側では、例えば、縦より横が長い楕円とされる。
すなわち、各開口41は、フィルム9の進行方向先側に向うにつれて、例えば、縦横比が小さくなる方向となっている。なお、これは、エキシマレーザの矩形状のレーザビーム断面の矩形の縦横での発散角の違いにより、結像される像が真円であっても、焦点位置の手前側や先側では、真円から形状が楕円にずれることに基づいたもので、開口41の縦横比を結像するレーザビームの焦点より手前側と先側で縦横比が逆になるように楕円に変形している。マスク4の各開口41は、当該開口41を通過したレーザビームがフィルム9に照射される深さ位置に対応して縦横比が小さくなる傾向もしくは大きくなる傾向に形成されている。
なお、図6に示すように、マスク4の各開口41は、その位置によって、フィルム9に照射されてフィルム9に当たる深さ位置が異なるものとなっている。
すなわち、フィルム9が所定速度で移動する際に、フィルム9のレーザビームが照射される位置、すなわち、ノズル孔10が形成される位置に最も手前側の開口41を通過したレーザビームが照射される際には、フィルム9の最も浅い位置としての表面にレーザビームが照射され、これによりフィルム9に浅い窪み10aが形成される。フィルム9の進行方向で2番目の開口41を通過したレーザビームは、最初の開口41を通過したレーザビームにより形成された窪み10aの底部に照射されて窪み10bを形成することになる。以下、順番に、窪み10c、窪み10d、窪み10eが形成される。したがって、フィルム9のノズル孔10の形成位置に、開口41を通過するレーザビームが順番に照射されるたびに、順次フィルム9の深い位置にレーザビームが照射されることになり、レーザビームの焦点位置に対する距離が変化することになる。
例えば、フィルム9の厚みの略中央を結像光学手段の焦点位置とした場合に、フィルムの進行方向の順で先側となる開口41を通過したレーザビームほど、フィルム9の深い位置に照射されることになり、焦点位置の手前側から先側にレーザビームの照射位置が変化することになる。
したがって、レーザビームの発散角が縦横で異なる状態で、互いに相似形となる開口41を通過せさてフィルム9にレーザビームを照射させると、形成されたノズル孔10は、その深さ位置によって、縦横比が異なるものとなってしまう。
そこで、上述のように一列に配置された開口41の縦横比を、例えば、フィルム9の進行方向に沿って、縦横比が大きくなっていくか、縦横比が小さくなっていく方向に異なるものとすることで、形成されたノズル孔10の断面形状が深さによって縦横比が異なるものとなるのを防止することができる。なお、開口41の縦横比は、レーザビームの縦横での発散角の違いと、光学系の構造とによって決定されることになる。
図5は、各開口41を同心円状に配置して図示したものであり、径の大きさが上側から下側に小さくなるものとした場合に、例えば、上側は縦横比が1以上で、下側は縦横比が1以下となっているが、形成されるノズル孔10は、上側も下側も縦横比が略1となる。
また、上述のように開口41をフィルム9の進行方向に一列に配置し、フィルム9の進行方向順に徐々に小さくすることにより、フィルム9に図6に示すように円錐台状のノズル孔10が形成されることになる。この際に、各開口41の径の変化量によって、円錐台状のノズル孔10の内周面の傾きを自由に設定することが可能となる。
以上のようなレーザ加工装置とマスク4とを使用した場合の被加工物の移動においては、図6に示されるように、マスク4に形成された各開口41の並び方向がY軸方向とされ、開口41の並び方向に沿って被加工物としてのフィルム9が移動する。
フィルム9の移動速度(所定速度)は、照射されるパルスのレーザビームのパルス周期となる期間に、隣接する開口41を通過したレーザビームどうしの中心間の距離を移動する際の所定速度となっている。なお、図6においては、マスク4の開口41から直接フィルム9にレーザビームが照射されているように図示されているが、これは構成を簡略化して図示したものであり、実際には、マスク4の開口41を通過した後に結像光学手段を経たレーザビームがフィルム9に照射される。したがって、マスク4の隣接する開口41どうしの中心間の間隔と、実際にフィルム9に照射される隣接するレーザビームどうしの間隔とは、結像光学手段の構造により異なるものとなっている。
このような状況において、フィルム9がパルスレーザの周期毎に隣接するレーザビームどうしの中心間の間隔だけ移動する所定速度で移動するので、マスク4の各開口41を通過したレーザビームは、フィルム9の移動方向の順番で、フィルム9の同じ位置に照射されることになる。すなわち、フィルム9の各ノズル孔10の形成位置には、レーザビームのパルスが複数回照射されることになるが、この際に、各パルスのレーザビームの中心の照射位置が、フィルム9上において同じ位置となるように、フィルム9の移動速度がパルスレーザのパルス周期に対応して決定され、当該移動速度となるようにXY軸テーブル装置2にY軸ステージ21が制御される。なお、XY軸テーブル装置2には、図示しない制御手段が設けられ、当該制御手段が、Y軸ステージ21によりフィルム9が上述のパルスレーザのパルス周期と同期した上記所定速度で移動するよに制御している。
したがって、図4に示すようにマスク4に5つの開口41があった場合に、フィルム9の1つのノズル孔10の形成位置には、レーザビームが5パルス分照射されるとともに、5パルス目のレーザビームがフィルム9を貫通する状態となる。
また、フィルム9を移動させている間、レーザビームを照射しつづけると、進行方向後ろ側となるノズル孔10の形成位置にも、順次レーザビームが照射され一列にノズル孔10が並んだ状態に形成される。これら複数形成されるノズル孔10どうしの間隔は、上述の各開口41を通過してフィルム9に照射されるレーザビームどうしの間隔と等しくなる。
また、フィルム9は、孔あけ加工中に停止することなく所定速度で移動したままとなっているので、レーザビームが照射されている間もフィルム9は移動していることになり、フィルム9の移動方向にそって、形成されるノズル孔10が長くなってしまう虞があるが、レーザビームのパルス幅(レーザビームのパルス周期のうちの実際にレーザビームが照射されている時間)がフィルム9の移動速度に対して十分に短いものであれば、フィルム9が移動したままレーザビームが照射されることによるノズル孔10の断面形状のフィルム9の進行方向に沿った伸び量は極めて僅かなものとなり、無視することができる。
なお、無視できない場合には、上述のレーザビームの縦横での発散角の違いによる開口41の縦横比の違いに、さらに、フィルム9の移動による縦横比の違いを含めて、開口41の形状を決定してもよい。すなわち、フィルム9の進行方向に沿った長さが、当該方向に直交する長さより短くなるように開口41を形成してもよい。この場合に、上述のレーザビームの断面の方向による発散角の違いに基づいて縦横比を変えた開口41の形状と、フィルム9の進行方向に沿った方向の長さを当該方向に直交する方向に沿った長さより短くした開口41の形状とを合成した形状となるように開口41を形成する。
以上のような、レーザ加工装置とマスク4を用いたレーザ加工方法によれば、被加工物であるフィルム9をレーザビームの照射のたびに停止することなく、移動させ続けて、孔あけ加工を行うことができるので、加工時間の短縮を図ることができる。
また、フィルム9の進行方向に対応して、マスク4の開口41のサイズを順次小さくするとともに、小さくなるサイズの変化量を任意に設定することで、内周面が任意の傾斜角となる円錐台状や多角錐台状等の深さによって径が変化する貫通孔を形成することが可能となる。
また、エキシマレーザを用い、焦点深度より厚い被加工物に孔あけ加工を行った際に、孔の深さ位置の違いで生じる縦横比の変化を予め開口の縦横比を変化させておくことで防止することができる。すなわち、どの深さ位置でも、基本となる形状に対して、縦横比が略1となるノズル孔10を形成することができる。
また、テレセントリックレンズの収差により、被加工物としてのフィルム9の照射されるレーザビームに傾きが生じるような場合でも、1つのノズル孔10を形成するのに上述のように異なる開口41を通過したレーザビーム、すなわち、テレセントリックレンズの異なる位置を通過したレーザビームを複数回照射するので、テレセントリックレンズのレーザビームの通過位置の違いによる影響を受けにくい。
また、この例において、被加工物として、インクジェットプリンタの少なくとも1つのヘッド(ノズルプレート)となる部分に連続的に略同じ条件でノズル孔10が形成されるので、傾きが異なる部分が規則性を持って生じることがない。これにより、被加工物をノズルプレートとして使用した場合に印刷物にスジが生じるのを防止できる。また、この例において、形成されたノズル孔10に傾きが生じても、上述のように略同じ条件で形成された各ノズル孔10の略全てがほぼ同等の傾きとなり、印刷に利用した場合にスジが生じることがない。
上記例においては、フィルム9の所定移動速度をパルス周期毎に隣り合う開口を通過したレーザビームどうしの中心間の間隔としたが、パルス周期毎に、隣接する2つの開口41どうしの間隔に対応するレーザビームどうしの間隔を移動するのではなく、1つおきの開口41に対応するレーザビームどうしの距離や、2つおきの開口41に対応するレーザビームどうしの距離や、それ以上の開口41を間に挟んだ開口41に対応するレーザビームどうしの距離を移動するものとしてもよい。
例えば、各パルス周期毎に、隣り合う開口41を通過したレーザビームどうしの距離の2倍、3倍といった整数倍の距離を移動する速度を所定速度としてもよい。
この場合に、各開口41の形状は、基本的に前記整数倍となる数値と、同様の数値の数となる開口41ごとに変化することになる。
言い換えれば、パルス周期毎に移動する所定距離がレーザビームどうしの距離の2倍ならば、フィルム9の進行方向に並んだ2個ずつの開口41が同形状に形成され、3倍なら3個ずつの開口41が同形状とされる。
上述のように、ノズル孔10の形成において、レーザビームのパルス毎にノズル孔10が表層側から段階的に深い方に形成されていくことになるが、パルス周期毎に隣り合う開口41を通過したレーザビームどうしの距離を移動する所定速度では、各ノズル孔が、1段ずつずれてノズル孔が形成されることになる。それに対して、パルス周期毎に移動する所定距離がレーザビームどうしの距離の2倍以上の場合は、前記整数倍となる数値のノズル孔が同じ段階となり、整数倍の数値となるノズル孔10ずつずれた段階で形成されることになる。
この場合に、複数個のノズル孔10からなるグループずつ、順次形成されることになるので、複数個のノズル孔10のグループ内での並びが、フィルム9の移動方向に沿って一直線上に並んでいる必要はなく、フィルム9の移動方向に対して斜めとなっていたり、曲線状に配置されていたり、ランダムな配置であっても、各グループどうしのノズル孔10の配列パターンが同じとなっていればよい。
なお、この場合に、マスク4の開口41も複数の開口41が同じグループとされ、各グループ内の開口41の配列パターンが同じとなっていれば、どのような配列パターンとなっていてもよい。したがって、同じグループ内では、フィルムの進行方向に沿った各開口41の間隔が異なっていてもよい。
この際に、各グループ同士の開口41は、フィルム9の進行方向に沿って等間隔で並んでいる必要があり、例えば、3つの開口41から1つのグループが形成される場合に、各グループのフィルム9の移動方向順で、1番目の開口は、それぞれフィルム9の進行方向に沿って一直線上に配置され、各グループの2番目の開口41は、それぞれフィルム9の進行方向に沿って一直線上に配置され、各グループの3番目の開口41は、それぞれフィルム9の進行方向に沿って一直線上に配置される必要がある。また、隣接するグループのフィルム9の移動方向に沿った1番目の開口41どうしの間隔と、2番目の開口41どうしの間隔と、3番目の開口41どうしの間隔は互いに等しくなっている必要があるが、同じグループ内で1番目の開口41と2番目の開口41との間隔が、2番目の開口41と3番目の開口41との間隔と同じである必要がなく、異なっていてもよい。
この場合に、フィルム9の移動速度は、隣接する前記グループのそれぞれ所定の1つの開口41を通過して被加工物に照射されるパルスレーザのビームどうしの間隔となるが、所定の1つの開口41は、上述の1番目の開口41であっても、2番目の開口41であっても、3番目の開口41であってもよい。すなわち、グループ内で同じ配列位置にある開口41を1つ選択して、これを所定の開口41とすることができる。
また、この場合に、同じグループ内の開口41の形状が異なるものとなっていてもよい。
このような構成とした場合に、同じ配列パターンが繰り返される形状でノズル孔10を配列可能となり、例えば、千鳥状やジグザグ状等のようにノズル孔10を配置することも可能となる。
以上のようなレーザ加工装置、レーザ加工方法およびマスクで製造された液滴吐出ノズルプレート(ノズル孔10が形成されたフィルム9)は、各ノズル孔10の軸心をプレートに対して直角にすることができるとともに、エキシマレーザのように縦横で発散角が異なるレーザビームでノズル孔10を形成するものとしても、深さ位置によって縦横比が変化してしまうのを防止することができ、深さ位置によって縦横比が変化していないノズル孔10を備えた液滴吐出ノズルプレートが得られる。
また、円錐台状や、角錐台状のように深さによって径が変化するノズル孔10を形成する場合に、その径の変化による内周面の傾斜角度を任意に設定することが可能となり、ノズル孔10の入口側の径に対して出口側の径が任意に設定された液滴吐出ノズルプレートを得ることができる。
すなわち、本発明によれば、所望形状のノズル孔を高精度で製造した液滴吐出ノズルプレートを得ることができる。
また、大きなサイズで極めて多くのノズル孔を有する液滴吐出ノズルでも短時間に製造することが可能となる。
2 XYテーブル装置(被加工物移動手段)
4 マスク
41 開口
6 対物レンズ装置(結像光学手段)
7 レーザ装置(レーザ照射手段、結像光学手段)
9 フィルム(被加工物、液滴吐出ノズルプレート)

Claims (5)

  1. パルスレーザによりマスクの開口を介して被加工物に孔あけ加工を行うレーザ加工装置であって、
    パルスレーザを出射するレーザ照射手段と、
    前記被加工物に複数の同形状の孔を形成するために、異なったサイズと縦横比とを有する複数種類の形状の開口または前記開口のグループがそれぞれ所定距離毎に一方向に沿って等間隔に並んで設けられたマスクと、
    前記レーザ照射手段から出射され、前記マスクの複数の開口を通過した前記パルスレーザをそれぞれ前記開口に対応した形状で被加工物に照射する結像光学手段と、
    前記被加工物を支持するとともに、前記レーザ照射手段から出射されるパルスレーザのパルス周期となる期間に、前記マスクの隣接する開口または隣接する前記グループのそれぞれ所定の1つの開口を通過して被加工物に照射されるパルスレーザのビームどうしの間隔となる所定距離を移動する所定速度で、前記マスクの開口または当該開口の前記グループの並び方向に沿って前記被加工物を移動させる被加工物移動手段とを備え、
    前記被加工物移動手段により被加工物を移動させた状態で、移動する当該被加工物の複数箇所において、それぞれ同一位置に、前記結合光学手段から1パルス分ずつのパルスレーザが前記マスクの異なる開口を介して複数回照射されることで孔を形成することを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 前記マスクに並んで形成される複数の前記開口は、前記被加工物の移動方向に沿って各開口のサイズが小さくなる傾向とされるとともに、
    前記被加工物の移動方向に沿って縦横比が小さくなる傾向もしくは大きくなる傾向とされていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. パルスレーザによりマスクの開口を介して被加工物に孔あけ加工を行うレーザ加工方法であって、
    前記被加工物に複数の同形状の孔を形成するために、異なったサイズと縦横比とを有する複数種類の形状の開口または前記開口のグループがそれぞれ所定距離毎に一方向に沿って等間隔に並んで設けられたマスクを使用し、
    パルスレーザのパルス周期となる期間に、前記マスクの隣接する開口または隣接する前記グループのそれぞれ所定の1つの開口を通過して被加工物に照射されるパルスレーザのビームどうしの間隔となる所定距離を移動する所定速度で、前記マスクの開口または当該開口の前記グループの並び方向に沿って前記被加工物を移動させ、
    かつ、移動する前記被加工物の複数箇所において、それぞれ同一位置に、1パルス分ずつのパルスレーザを前記マスクの異なる開口を介して複数回照射することにより孔を形成することを特徴とするレーザ加工方法。
  4. 前記マスクに並んで形成される複数の前記開口は、前記被加工物の移動方向に沿って各開口のサイズが小さくなる傾向とされるとともに、
    前記被加工物の移動方向に沿って縦横比が小さくなる傾向もしくは大きくなる傾向とされていることを特徴とする請求項3に記載のレーザ加工方法
  5. 請求項3または請求項4のレーザ加工方法により、複数のノズル孔が形成されていることを特徴とする液滴吐出ノズルプレート。
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